説明

超音波診断装置及び超音波プローブ

【課題】 超音波プローブにおける発熱を冷媒循環方向の制御により効果的に冷却する。
【解決手段】 熱発生源であるプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の各ユニットの近傍に設けられた冷媒循環容器132とプローブコネクタ部15に設けられた冷媒冷却部151を冷却パイプ133及び134で接続し、冷媒冷却部151にて冷却された冷媒131を前記冷却パイプ133及び134を介して前記熱発生源の周囲で循環させる。この場合、冷媒循環方向設定部153は、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120にて計測された実測温度とこれらのユニットに対し予め設定された許容温度との差異に基づいて前記ユニットに対する冷却優先度を設定し、この冷却優先度に基づいて冷媒131の循環方向を設定することにより冷却優先度の高い熱発生源を優先的に冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置及び超音波プローブに係り、特に、超音波プローブに設けられた振動素子や電子回路における温度上昇を抑制することにより高感度な画像データを安定して収集することが可能な超音波診断装置及び超音波プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、複数の振動素子が配列された超音波プローブを用いて患者体内の複数方向に対し超音波送受信を行ない、このとき得られた反射波に基づいて生成した画像データ等をモニタ上に表示するものであり、超音波プローブの被検体接触面を当該被検体の体表面に接触させるだけの簡単な操作で体内の2次元画像データや3次元画像データ、更には、各種の計測データをリアルタイムで観測することができるため各種臓器の形態診断や機能診断に広く用いられている。
【0003】
上記超音波プローブの先端部(以下では、プローブヘッドと呼ぶ。)には、通常、送受信部から供給される駆動信号によって被検体内に超音波を放射する振動素子と、この振動素子を保持すると共に前記被検体に対して反対の方向に放射された不要な超音波を吸収するバッキング材と、振動素子と被検体との音響インピーダンス整合を行なう整合層と、超音波を被検体内の所定の距離に収束するための音響レンズが設けられている。そして、振動素子から放射された超音波のエネルギーはこれらの各部で吸収されることによりプローブヘッドの温度は上昇し、更に、振動素子に対する送受信効率の向上を目的として超音波プローブに電子回路を内蔵させた場合には、その発熱により電子回路の温度が上昇するのみならず前記プローブヘッドの温度上昇にも影響を与える。
【0004】
近年、被検体の3次元画像データをリアルタイムで収集することが可能な超音波診断装置が開発されつつある。この超音波診断装置では、任意の方向に対して電子的な方法で超音波の送受信を可能とする2次元アレイ超音波プローブが使用され、その先端部(プローブヘッド)には微細な振動素子が2次元配列されている。
【0005】
そして、従来の超音波プローブと同様にして前記振動素子の各々と診断装置本体に設けられた送受信部とをケーブルを介して接続した場合、極めて多くのチャンネル数を有したケーブルを用いる必要があるため2次元アレイ超音波プローブの操作性は著しく低下し、更に、振動素子に比してケーブルの電気的負荷が増大するため送受信効率が低下する。このため、送受信部の2次元アレイ超音波プローブへの内蔵は必須となり、この内蔵に伴って2次元アレイ超音波プローブにおける発熱は更に大きな問題となる。
【0006】
ところで、超音波診断装置を用いた診断法では、被検体に対する安全性を確保するために種々の規制が設けられており、その代表的なものとして、超音波プローブから放射される音響パワーに関する規制(パワー規制)と超音波プローブの被検体接触面温度に関する規制(温度規制)がある。そして、微細な振動素子が2次元配列され更に送受信部の電子回路が内蔵された上述の2次元アレイ超音波プローブ等では、駆動信号振幅の増大に伴ってプローブヘッドや送受信部の発熱が増大し、更には、超音波プローブの被検体接触面における温度が上昇する。
【0007】
即ち、プローブヘッドや送受信部の温度に基づいて駆動信号の振幅が制約され、これらの温度上昇に伴う駆動信号振幅の低減により高感度の画像データを得ることが困難となる。又、送受信部の発熱は、その回路動作を不安定にし超音波プローブの性能を著しく劣化させる要因ともなる。
【0008】
一方、プローブヘッドや送受信部において発生した熱を排除することにより超音波プローブの温度を上昇させることなく高感度の画像データを得る方法が提案されている。即ち、送受信部の電子回路が内蔵された超音波プローブにおいて、プローブヘッド及び送受信部と信号ケーブルとを金属等の熱伝導体によって接続し、プローブヘッドや送受信部から発生した熱を、前記熱伝導体を介して超音波プローブ外に排出する方法(例えば、特許文献1参照。)や、超音波プローブ内で冷却液を循環させることによりプローブヘッドや送受信部における温度上昇を抑える方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【特許文献1】特開平10−94540号公報
【特許文献2】特開2003−38485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の特許文献2の方法によれば、超音波プローブ内のプローブヘッド近傍において冷却液を循環させることによりプローブヘッドの発熱を抑えることが可能となる。又、送受信部が内蔵された超音波プローブに対しても同様の循環を行なうことにより送受信部から発生する熱を抑えることができる。このため、駆動信号の振幅を増大させることができ、画像データの感度を向上させることが可能となる。
【0010】
ところで、上述のプローブヘッドと送受信部のように超音波プローブ内に異なる複数の熱発生源が存在する場合、これらの熱発生源において計測された実測温度と前記熱発生源に対して予め設定された許容温度との差異が小さい熱発生源(第1の熱発生源)を優先的に冷却することが望ましい。即ち、熱発生源の冷却を冷却液の循環によって行なう場合、例えば診断装置本体が備えた冷却部にて冷却された冷却液を用いて、先ず、冷却優先度の高い第1の熱発生源を冷却し、次いで、前記第1の熱発生源において加温された冷却液を用いて冷却優先度の低い(即ち、予め設定された許容温度と実測温度との差が比較的大きい)第2の熱発生源を冷却することにより、複数の熱発生源に対する冷却を効果的に行なうことが可能となる。何故ならば、優先度の高い第1の熱発生源をより低温度の冷却液を用いて冷却することができるためである。
【0011】
しかしながら、上述の特許文献に記載されたような従来の冷却法では、超音波プローブが有する熱発生源の冷却優先度に基づいて冷却液の循環方向を制御することは不可能なため、各々の熱発生源に対し効果的な冷却を行なうことができないという問題点を有していた。
【0012】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、超音波プローブが有する複数の熱発生源に対し冷却液を循環させて前記熱発生源の温度上昇を抑制する際、熱発生源の各々に対して設定された冷却優先度に基づいて冷却液の循環方向を制御することにより前記熱発生源における温度上昇を効率よく抑えることが可能な超音波診断装置及び超音波プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の超音波プローブは、被検体に対して超音波の送受信を行なうプローブ本体における複数の熱発生源に対し冷媒を循環させて前記熱発生源を冷却するプローブ冷却手段と、前記熱発生源によって加温された前記冷媒を冷却する冷媒冷却手段と、前記プローブ冷却手段と前記冷媒冷却手段との間で前記冷媒を循環させる冷媒循環手段と、前記熱発生源に対して冷却優先度を設定する冷却優先度設定手段と、前記冷却優先度に基づいて前記プローブ冷却手段における前記冷媒の循環方向を設定する冷媒循環方向設定手段とを備えたことを特徴としている。
【0014】
又、請求項13に係る本発明の超音波診断装置は、被検体に対して超音波の送受信を行なう振動素子を含むプローブヘッドと、前記振動素子に対して送受信を行なうプローブ内送受信部と、前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部の近傍で冷媒を循環させて前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部における発熱を冷却するプローブ冷却手段を有するプローブ本体と、前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部における発熱によって加温された前記冷媒を冷却する冷媒冷却手段と、前記プローブ冷却手段と前記冷媒冷却手段との間で前記冷媒を循環させる冷媒循環手段と、前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部に対して冷却優先度を設定する冷却優先度設定手段と、前記冷却優先度に基づいて前記プローブ冷却手段における前記冷媒の循環方向を設定する冷媒循環方向設定手段と、前記被検体に対する超音波の送受信方向を制御する送受信方向制御手段と、前記プローブ内送受信部から得られた受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、超音波プローブが有する複数の熱発生源に対し冷却液を循環させて前記熱発生源の温度上昇を抑制する際、熱発生源の各々に対して設定された冷却優先度に基づいて冷却液の循環方向を制御することにより前記熱発生源における温度上昇を効率よく抑えることが可能となる。従って、振動素子に対し更なる駆動エネルギーの投入が可能となり高感度な画像データを収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0017】
以下に述べる本発明の第1の実施例に係る超音波プローブは、熱発生源であるプローブヘッド及びプローブ内送受信部の近傍に設けられた冷媒循環容器と診断装置本体側のプローブコネクタ部に設けられた冷媒冷却部を2本の冷却パイプで接続し、冷媒冷却部において冷却された冷却液(以下では、冷媒と呼ぶ。)を、前記冷却パイプを介してプローブヘッド及びプローブ内送受信部の周囲で循環させる。
【0018】
このとき、プローブヘッドとプローブ内送受信部にて計測された実測温度とこれらの各ユニットに対し予め設定された許容温度との差異に基づいてプローブヘッド及びプローブ内送受信部の各々に対する冷却優先度を設定し、この冷却優先度に基づいて冷媒の循環方向を設定することにより冷却優先度の高い熱発生源に対してより効果的な冷却を行なう。
【0019】
尚、以下に述べる本発明の実施例では、2次元配列された複数の振動素子を有する所謂2次元アレイ超音波プローブを備えた超音波診断装置について述べるが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の振動素子が1次元配列された超音波プローブを有する超音波診断装置であってもよい。又、Bモード画像データ及びカラードプラ画像データの収集を可能とするセクタ走査方式の超音波診断装置について述べるが、他の走査方式の超音波診断装置であってもよく、他の画像データや計測データの収集を可能とする超音波診断装置であっても構わない。
【0020】
(装置の構成)
以下では、本発明の第1の実施例における超音波診断装置の構成と各ユニットの動作につき図1乃至図8を用いて説明する。尚、図1は、本実施例における超音波診断装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は、この超音波診断装置が備える超音波プローブの構成図である。
【0021】
図1に示す超音波診断装置100は、プローブ本体11、ケーブル部14及びプローブコネクタ部15を有した超音波プローブ1と、受信部3、受信信号処理部4、画像データ生成部5、表示部6、入力部7及びシステム制御部8を有した診断装置本体2を備えている。
【0022】
図2は、超音波プローブ1の構成を示した図であり、この超音波プローブ1のプローブ本体11には、振動素子113を有し被検体の体表面に接触させて超音波の送受信を行なうプローブヘッド110と、このプローブヘッド110の振動素子113に対して駆動信号を供給し、更に、振動素子113によって得られた受信信号に対し第1の整相加算を行なうプローブ内送受信部120と、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の周囲で冷媒131を循環させることによりプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120が発生する熱を冷却するプローブ冷却部130と、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の温度を計測する温度センサ137及び温度センサ138を備えている。
【0023】
次に、図3を用いて上述のプローブヘッド110の構成について説明する。このプローブヘッド110は、バッキング材111と、振動素子113と、整合層115を有している。
【0024】
バッキング材111は、振動素子113を固定する支持体の機能と振動素子113の裏面から放射される不要な超音波を吸収する吸収体の機能を有しフェライトゴム等の材料が使用される。
【0025】
一方、プローブヘッド110の被検体接触面に沿って所定間隔で2次元配列された複数個(N1個)の振動素子113は、バッキング材111の表面に固定され、その後面(バッキング材側の表面)には信号電極112が、又、前面(超音波送受信側の表面)にはアース電極114が夫々形成されている。この振動素子113は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、又、受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気的な受信信号に変換する機能を有している。
【0026】
一方、信号電極112に接続されたフレキシブルプリント基板上のN1チャンネルのリード線118は、図2のプローブ内送受信部120に接続され、アース電極114は、プローブ内送受信部120における接地端子と共に図示しない接地ラインを介して超音波診断装置100の図示しない接地端子に接続されている。
【0027】
又、整合層115は、振動素子113と生体組織との音響インピーダンス整合を行なうためのものであり、音響特性の異なる薄膜が1層乃至3層に積層されて振動素子113の前面に装着され、保護膜116によって覆われている。
【0028】
図2に戻って、プローブ本体11のプローブ冷却部130は、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120で発生した熱を冷却するために、冷媒131を前記プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の周囲で循環させる冷媒循環容器132を備えている。そして、プローブヘッド110に近接した冷媒循環容器132の壁面端部には冷却パイプ133(第1の冷却パイプ)の端部が、又、ケーブル部側における冷媒循環容器132の壁面端部には冷却パイプ134(第2の冷却パイプ)の端部が夫々開口し、冷却パイプ133及び冷却パイプ134の各々は、ケーブル部14を介しプローブコネクタ部15における後述の冷媒循環方向設定部153を介して冷媒冷却部151に配管されている。
【0029】
一方、プローブヘッド110あるいはその近傍に配置された温度センサ137は、プローブヘッド110における温度を計測し、プローブ内送受信部120あるいはその近傍に配置された温度センサ138は、プローブ内送受信部120における温度を計測する。そして、温度センサ137及び温度センサ138による温度計測結果は、ケーブル部14を介しプローブコネクタ部15における後述の冷却制御部155に供給される。
【0030】
次に、超音波プローブ1のケーブル部14は、プローブ本体11のプローブ内送受信部120から出力されるN2(N2<N1)チャンネルの受信信号を、プローブコネクタ部15を介して診断装置本体2の受信部3に供給するN2チャンネルの信号ラインと、プローブヘッド110のアース電極114及びプローブ内送受信部120の接地端子を診断装置本体2の接地端子に接続する接地ラインを備え、更に、プローブコネクタ部15における後述の冷媒冷却部151からプローブ本体11のプローブ冷却部130における冷媒循環容器132に対し冷媒131を供給する上述の冷却パイプ133及び冷却パイプ134と、温度センサ137及び温度センサ138による温度計測結果をプローブコネクタ部15の冷却制御部155に供給する計測ラインと、プローブ内送受信部120に対し遅延時間等を設定するための制御信号を供給する制御ライン等を有している。
【0031】
図4は、ケーブル部14の具体例を示したものであり、図4(a)は、ケーブル部14の縦断面を、又、図4(b)は、ケーブル部14の横断面を示している。この図に示すように、ケーブル部14はその中心部に、例えば、冷却パイプ133が配管され、その周囲には断熱材143を介して冷却パイプ134がスパイラル状に配管されている。更に、断熱材143によって覆われた冷却パイプ134の周囲には複数チャンの信号ライン141が図示しない接地ライン、計測ライン及び制御ラインと共に配設され、これらの表面は被覆膜144によって覆われている。
【0032】
上述のように、冷却パイプ134を冷却パイプ133の周囲でスパイラル状に配管することにより、ケーブル部14を如何なる方向に対しても均等かつ容易に曲げることが可能となる。従って、ケーブル部14において冷却パイプ133及び冷却パイプ134が新たに追加されても超音波プローブ1における操作性の劣化は少ない。尚、図4における冷却パイプ133及び冷却パイプ134はその位置を入れ替えて配管しても構わない。
【0033】
再び図2に戻って、プローブコネクタ部15は、プローブ本体11において加温された冷媒131を冷却する冷媒冷却部151と、この冷媒冷却部151において冷却された冷媒131を再びプローブ本体11のプローブ冷却部130に供給するポンプ152と、冷却された冷媒131の冷媒循環容器132における循環方向を設定する冷媒循環方向設定部153と、上述の冷媒冷却部151、ポンプ152及び冷媒循環方向設定部153を制御する冷却制御部155を備え、更に、冷媒冷却部151における温度を計測する温度センサ164と、ケーブル部14の信号ライン141を介しプローブ本体11のプローブ内送受信部120から出力されたN2チャンネルの受信信号を診断装置本体2の受信部3に供給し、更に、診断装置本体2のシステム制御部8から出力された各種制御信号をプローブコネクタ部15の冷却制御部155あるいはケーブル部14を介して前記プローブ内送受信部120に供給するコネクタ156を備えている。
【0034】
冷媒冷却部151は、プローブ本体11のプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120における発熱によって加温された冷媒131を冷却する熱交換部161と、この熱交換部161における高温接合部を冷却するファン163を有している。そして、上述の熱交換部161及びファン163は図示しない容器内に収納され、その壁には空冷のための吸気口165と排気口166が設けられている。
【0035】
熱交換部161は、例えば、ペルチェ素子を備え、このペルチェ素子における高温接合部及び低温接合部の温度は冷却制御部155から供給される冷却温度制御信号に基づいて設定される。そして、プローブ本体11のプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の発熱によって加温された冷媒循環容器132の冷媒131は、ポンプ152の送出圧により冷却パイプ133あるいは冷却パイプ134を介して上述の熱交換部161における低温接合部に供給されて所定温度に冷却される。
【0036】
一方、ペルチェ素子の高温接合部は、吸気口165から排気口166に向って流れる空気によって冷却される。即ち、ファン163の回転によって吸気口165から前記容器内に流入された空気は、熱交換部161の高温接合部を通過した後排気口166から外部に排出され、このとき通過した空気により熱交換部161の高温接合部は冷却される。
【0037】
尚、熱交換部161の高温接合部に対する冷却能を決定する単位時間当たりの吸排気量はファン163の回転速度に依存し、この回転速度は、冷却制御部155から供給される回転速度制御信号に基づいて制御される。
【0038】
又、温度センサ164は、ファン163によって吸気口165より流入し熱交換部161の高温接合部において加温された空気の温度を計測し、その温度計測結果を冷却制御部155へ供給する。尚、熱交換部161における冷却温度はペルチェ素子に供給される電流によって決定され、この電流は冷却制御部155から供給される冷却温度制御信号によって制御される。
【0039】
次に、冷媒循環方向設定部153の具体例につき図5を用いて説明する。冷媒循環方向設定部153は、4つの開閉バルブ154−1乃至154−4を備え、冷却制御部155から供給される循環方向制御信号と開口制御信号に基づいて開閉バルブ154の開閉を行ないプローブ本体11の冷媒循環容器132を流れる冷媒131の循環方向及び単位時間当たりの冷媒循環量を設定する。
【0040】
例えば、プローブヘッド110に対する冷却優先度がプローブ内送受信部120に対する冷却優先度より高い場合、冷却制御部155から供給される循環方向制御信号と開口制御信号に基づいて開閉バルブ154−2と開閉バルブ154−3が開かれる。そして、プローブ本体11の冷媒循環容器132において加温された冷媒131は、冷却パイプ134及び開閉バルブ154−3を介して熱交換部161に戻り、熱交換部161において冷却された前記冷媒131はポンプ152、開閉バルブ154−2及び冷却パイプ133を介して冷媒循環容器132に供給される。このとき、冷媒循環容器132における冷媒131は、プローブヘッド110からプローブ内送受信部120に向って流れ、プローブヘッド110を優先的に冷却する。
【0041】
一方、プローブ内送受信部120に対する冷却優先度がプローブヘッド110の冷却優先度より高い場合、冷却制御部155から供給される上述の制御信号に基づいて開閉バルブ154−1と開閉バルブ154−4が開かれる。そして、冷媒循環容器132において加温された冷媒131は、冷却パイプ133及び開閉バルブ154−1を介して熱交換部161に戻り、熱交換部161において冷却された前記冷媒131はポンプ152、開閉バルブ154−4及び冷却パイプ134を介して冷媒循環容器132に供給される。このとき、冷媒循環容器132における冷媒131は、プローブ内送受信部120からプローブヘッド110に向って流れ、プローブ内送受信部120を優先的に冷却する。
【0042】
又、上述の冷媒循環方向設定部153は、冷却制御部155から供給される開口制御信号に基づいて開口している開閉バルブ154の開口度を制御し、プローブ本体11のプローブ冷却部130に供給される単位時間当たりの冷媒循環量を設定する。
【0043】
次に、図2に示したプローブコネクタ部15の冷却制御部155は、プローブ本体11におけるプローブヘッド110に配置された温度センサ137やプローブ内送受信部120に配置された温度センサ138の温度計測結果に基づき、プローブコネクタ部15の冷媒循環方向設定部153における開閉バルブ154−1乃至154−4に対して循環方向制御信号を供給する。
【0044】
例えば、温度センサ137及び温度センサ138が計測したプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の温度(実測温度)とプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の各々に対して予め設定された許容温度との差異の比較に基づいて冷却優先度を設定する。そして、プローブヘッド110に対する冷却優先度がプローブ内送受信部120に対する冷却優先度より高い場合には、開閉バルブ154−2と開閉バルブ154−3を開くための循環方向制御信号を冷媒循環方向設定部153に供給する。同様にして、プローブ内送受信部120に対する冷却優先度がプローブヘッド110に対する冷却優先度より高い場合には、開閉バルブ154−1と開閉バルブ154−4を開くための循環方向制御信号を冷媒循環方向設定部153に供給する。
【0045】
又、冷却制御部155は、プローブコネクタ部15の冷媒冷却部151に設けられた温度センサ164による温度計測結果あるいは上述の温度センサ137及び138による温度計測結果に基づき、冷媒循環方向設定部153、ポンプ152、熱交換器161及びファン163に対して開口制御信号、送出量制御信号、冷却温度制御信号及び回転速度制御信号を夫々供給する。
【0046】
例えば、上述の温度センサ137、138及び164による実測温度が予め設定された基準温度(基準温度≦許容温度)を超えている場合、冷却制御部155は、冷媒循環方向設定部153に対し開閉バルブ154の開口度を増大させるための開口制御信号を供給し、ポンプ152に対し冷媒送出量を増加させるための送出量制御信号を供給する。更に、冷却制御部155は、熱交換部161に対し冷却温度を下げるための冷却温度制御信号を供給し、ファン163に対しその回転数を増加させ空冷効率を上げるための回転速度制御信号を供給する。但し、上述の各制御信号の供給は必ずしも同時に行なう必要はなく、選択して行なってもよい。
【0047】
次に、本実施例の画像データ生成に関わるプローブ内送受信部120、受信部3及び受信信号処理部4の各ユニットにつき図6乃至図8を用いて説明する。
【0048】
図6は、超音波プローブ1のプローブ本体11に内蔵されたプローブ内送受信部120と診断装置本体2の受信部3の構成を示したブロック図であり、プローブ内送受信部120は、レートパルス発生器121と送信遅延回路122と駆動信号生成部123と整相加算部(第1の整相加算部)124を備え、受信部3は整相加算部(第2の整相加算部)31を備えている。
【0049】
プローブ内送受信部120のレートパルス発生器121は、送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスを、システム制御部8から供給される連続波あるいは矩形波を分周することによって生成し、このレートパルスを送信遅延回路122に供給する。
【0050】
送信遅延回路122は、被検体に対する超音波の送信に使用される振動素子113と同数(N1チャンネル)の独立な遅延回路から構成され、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに送信超音波を集束するための遅延時間と所定の方向に送信超音波を放射するための遅延時間を上述のレートパルスに与え、このレートパルスを駆動信号生成部123に供給する。そして、N1チャンネルの駆動信号生成部123は、前記レートパルスに基づいて駆動信号を生成し、プローブヘッド110において2次元配列されたN1個の振動素子113を駆動する。
【0051】
一方、整相加算部124は、図示しないチャンネル選択回路と受信遅延回路と加算器を備え、所定深さからの受信超音波を集束するための集束用遅延時間と、所定方向に対して受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をプローブヘッド110の振動素子113から供給されるN1チャンネルの受信信号に与える。
【0052】
この場合、前記チャンネル選択回路は、例えば、振動素子113−1乃至113−N1に対してシステム制御部8が予め設定した各チャンネルの受信遅延時間τr(1)乃至τr(N1)の各々とΔτr間隔で設定された基準遅延時間τrn(1)乃至τrn(N2)との差を算出し、τrn(1)<τr≦τrn(2)、τrn(2)<τr≦τrn(3)、・・・τrn(N2−1)<τr≦τrn(N2)、τrn(N2)<τrに該当するチャンネルを選択する。次いで前記遅延回路は、選択されたチャンネルの受信信号に対し受信遅延時間τrと基準遅延時間τrnの時間差に基づいた遅延時間を与え、前記加算器は、前記遅延時間が与えられた受信信号を加算合成してN2チャンネルの受信信号を出力する。
【0053】
一方、診断装置本体2の受信部3における整相加算部31は、N2チャンネルから構成される図示しないA/D変換器及び受信遅延回路と、加算器を備え、上述のプローブ内送受信部120における整相加算部124と同様にして所定の深さからの超音波反射波を集束するための集束用遅延時間と、所定方向に対して受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をプローブ内送受信部120から供給されるN2チャンネルの受信信号に与える。
【0054】
即ち、プローブ内送受信部120の整相加算部124から出力されるN2チャンネルの受信信号は、A/D変換器にてデジタル信号に変換された後受信遅延回路及び加算器によって整相加算され、1チャンネルの受信信号が生成される。
【0055】
次に、プローブ内送受信部120における整相加算部124と受信部3における整相加算部31によって与えられる受信遅延時間につき図7を用いて説明する。但し、この図7では、説明を簡単にするために振動素子113−1乃至113−9から得られた受信信号に対して設定される受信遅延時間τr(1)乃至τr(9)について述べる。
【0056】
振動素子113−1乃至113−9から得られた受信信号に対して設定される受信遅延時間τr(1)乃至τr(9)は、基準遅延時間τrn(1)乃至τrn(3)と遅延時間差(受信遅延時間τrと基準遅延時間τrnの差)Δτr(1)乃至Δτr(9)に分離される。そして、遅延時間差Δτr(1)乃至Δτr(9)はプローブ内送受信部120の整相加算部124によって与えられ、基準遅延時間τrn(1)乃至τrn(3)は診断装置本体2の受信部3における整相加算部31によって与えられる。
【0057】
例えば、振動素子113−4乃至113−6によって得られた受信信号の各々には整相加算部124において遅延時間差Δτr(4)、Δτr(5)及びΔτr(6)が与えられて加算合成され、更に、整相加算部31において基準遅延時間τrn(3)が与えられる。
【0058】
次に、図8に示した受信信号処理部4は、上述の受信部3の整相加算部31から出力された受信信号を信号処理してBモードデータを生成するBモードデータ生成部41と、前記受信信号を信号処理してカラードプラデータを生成するカラードプラデータ生成部42を備え、Bモードデータ生成部41は、前記受信信号に対して包絡線検波を行なう包絡線検波器411と、包絡線検波後の受信信号を対数変換処理して小さな信号振幅を相対的に強調する対数変換器412を備えている。
【0059】
一方、カラードプラデータ生成部42は、π/2移相器421、ミキサ422−1及び422−2、LPF(低域通過フィルタ)423−1及び423−2を備え、受信部3の整相加算部31から供給された受信信号に対して直交位相検波を行ない複素信号(I信号とQ信号)を生成する。
【0060】
更に、カラードプラデータ生成部42は、ドプラ信号記憶回路424、MTIフィルタ425及び自己相関演算器426を備えている。そして、直交位相検波によって得られた複素信号は、ドプラ信号記憶回路424に一旦保存され、次いで、高域通過用のデジタルフィルタであるMTIフィルタ425は、ドプラ信号記憶回路424に保存された前記複素信号を読み出し、この複素信号に対し臓器等の固定反射体あるいは臓器の呼吸性移動や拍動性移動などに起因するドプラ成分(クラッタ成分)の除去を行なう。
【0061】
又、自己相関演算器426は、MTIフィルタ425によって抽出された血流情報のドプラ信号に対して自己相関値を算出し、更に、この自己相関値に基づいて血流の平均流速値、分散値、更にはパワー値等を算出してカラードプラデータを生成する。
【0062】
次に、図1に戻って、画像データ生成部5は、図示しない画像データ記憶部と画像データ処理部を備え、画像データ記憶部は、データ生成部4において送受信方向単位で生成されたBモードデータ及びカラードプラデータを順次保存して、3次元あるいは2次元のBモード画像データ及びカラードプラ画像データを生成する。
【0063】
一方、画像データ処理部は、画像データ生成部5において生成された3次元のBモード画像データやカラードプラ画像データに対し、ボリュームレンダリング画像データ、サーフェイスレンダリング画像データ、MIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影)画像データ、更には、MPR(Multi-Planar Reconstruction:断面変換)画像データ等を生成するための画像処理を行なう。
【0064】
次に、表示部6は、図示しない表示用データ生成回路と変換回路とモニタを備え、前記表示用データ生成回路は、画像データ生成部5において生成されたBモード画像データやカラードプラ画像データに対し所定の表示形態に対応した走査変換等の処理を行なって表示用データを生成する。そして、前記変換回路は、この表示用データに対してD/A変換とテレビフォーマット変換を行なって前記モニタに表示する。
【0065】
入力部7は、操作パネル上に表示パネルやキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン、入力ボタン等の入力デバイスを備え、被検体情報の入力、データ収集条件及び表示条件の設定、基準遅延時間間隔Δτrnの設定、プローブヘッド110に対する許容温度及び基準温度の設定、プローブ内送受信部120に対する許容温度及び基準温度の設定、更には、各種コマンド信号の入力等を行なう。
【0066】
システム制御部8は、図示しないCPUと記憶回路を備え、操作者によって入力部7から入力あるいは設定された上述の各種情報は前記記憶回路に保存される。そして、前記CPUは、これらの情報に基づいて、プローブ内送受信部120、受信部3、受信信号処理部4、画像データ生成部5及び表示部6の各ユニットの制御やシステム全体の制御を統括して行なう。
【0067】
特に、プローブ本体11のプローブ内送受信部120における送信遅延回路122及び整相加算部124や診断装置本体2の受信部3における整相加算部31に対して遅延時間制御信号を供給し、当該被検体に対する2次元超音波走査あるいは3次元超音波走査の制御を行なう。
【0068】
(超音波プローブの冷却方法)
次に、超音波プローブ1の冷却方法につき図9のフローチャートを用いて説明する。当該被検体に対する画像データの収集に先立って超音波診断装置100の操作者は、診断装置本体2の入力部7においてプローブ本体11のプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120に対する許容温度と基準温度を設定する(図9のステップS1)。そして、設定された許容温度と基準温度の情報は、システム制御部8を介して超音波プローブ1のプローブコネクタ部15における冷却制御部155に送られる。但し、上述の許容温度及び基準温度の情報は、システム制御部8あるいは冷却制御部155が備える図示しない記憶回路において予め保管されていてもよい。
【0069】
許容温度及び基準温度の設定が終了したならば、診断装置本体2のシステム制御部8は、受信部3とプローブ本体11のプローブ内送受信部120を制御し被検体に対して3次元的な超音波送受信を行なう。次いで、受信信号処理部4は、受信部3から得られた受信信号を信号処理してBモードデータ及びカラードプラデータを生成し、画像データ生成部5は、上述のBモードデータ及びカラードプラデータを走査方向単位で順次保存して画像データを生成し表示部6のモニタに表示する(図9のステップS2)。
【0070】
一方、超音波プローブ1では、上述の画像データの生成及び表示と並行してプローブコネクタ部15の冷却制御部155から供給される各種制御信号に基づいてプローブ本体11のプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120に対する冷却が開始される。
【0071】
即ち、プローブ本体11の温度センサ137は、プローブヘッド110の温度を計測し、温度センサ138は、プローブ内送受信部120の温度を計測する。そして、これらの温度計測結果は、ケーブル部14を介してプローブコネクタ部15の冷却制御部155に送られる(図9のステップS3)。
【0072】
冷却制御部155は、温度センサ137から供給されたプローブヘッド110の実測温度と上述のステップS1において設定されたプローブヘッド110に対する許容温度との差異を算出し、同様にして、温度センサ138から供給されたプローブ内送受信部120の実測温度とプローブ内送受信部120に対する許容温度との差異を算出する。そして、これら2つの差異を比較することによりプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120に対する冷却優先度を設定する(図9のステップS4)。
【0073】
次いで、冷却制御部155は、この冷却優先度に基づいてプローブコネクタ部15の冷媒循環方向設定部153に対し開閉バルブ154−1乃至154−4を開くための循環方向制御信号を供給する(図9のステップS5)。
【0074】
更に、冷却制御部155は、プローブ本体11の温度センサ137及び温度センサ138から供給された実測温度やプローブコネクタ部15の冷媒冷却部151に設けられた温度センサ164から供給された実測温度とステップS1において設定された基準温度とを比較する。そして、プローブ本体11や冷媒冷却部151における実測温度がこれらの各ユニットに対して初期設定された基準温度より高い場合には、冷媒循環方向設定部153、ポンプ152、熱交換器161及びファン163に対し開口制御信号、送出量制御信号、冷却温度制御信号及び回転速度制御信号を供給する。
【0075】
即ち、冷却制御部155は、冷媒循環方向設定部153に対し開閉バルブ154の開口度を増大させるための開口制御信号を供給し、ポンプ152に対し冷媒送出量を増加させるための送出量制御信号を供給する。更に、冷却制御部155は、熱交換部161に対し冷却温度を下げるための冷却温度制御信号を供給し、ファン163に対しその回転数を増加させ空冷効率を高めるための回転速度制御信号を供給する。そして、これらの制御信号に基づいて開閉バルブ154の開口度、ポンプ152の冷媒送出量、熱交換部161の冷却温度、ファン163の回転速度等の設定が行なわれる(図9のステップS6)。
【0076】
上述の設定が終了したならば、その設定条件に基づいて冷媒131によるプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の冷却が行なわれる。例えば、プローブヘッド110に対する冷却優先度がプローブ内送受信部120に対する冷却優先度より高い場合、冷却制御部155から供給された循環方向制御信号に基づいて開閉バルブ154−2と開閉バルブ154−3が開かれ、熱交換部161において冷却された冷媒131は、ポンプ152及び開閉バルブ154−2を介して冷却パイプ133に供給される。
【0077】
そして、冷却パイプ133の内部を流れた冷媒131は、プローブヘッド110の近傍より冷媒循環容器132の内部に流入し、この冷媒循環容器132に隣接して配置されたプローブ内送受信部120の近傍を通過した後冷却パイプ134へ流出する。このとき、超音波プローブ1のプローブヘッド110が最も温度の低い冷媒131によって優先的に冷却され、次いで、このプローブヘッド110によって加温された冷媒131によりプローブ内送受信部120が冷却される。そして、冷却パイプ134に流出した冷媒131は、プローブコネクタ部15の冷媒循環方向設定部153における開閉バルブ154−3を介し熱交換部161に供給されて再度冷却される。
【0078】
一方、プローブ内送受信部120の冷却優先度がプローブヘッド110の冷却優先度より高い場合、冷却制御部155から供給された循環方向制御信号に基づいて開閉バルブ154−1と開閉バルブ154−4が開かれ、熱交換部161において冷却された冷媒131は、ポンプ152及び開閉バルブ154−4を介して冷却パイプ134に供給される。そして、冷却パイプ134の内部を流れた冷媒131は、冷媒循環容器132の内部をプローブ内送受信部120の端部よりプローブヘッド110の方向に流れて冷却パイプ133へ流出する。このとき、プローブ内送受信部120が優先的に冷却される。次いで、冷却パイプ133に流出した冷媒131は、冷媒循環方向設定部153の開閉バルブ154−1を介し熱交換部161に供給されて再度冷却される(図9のステップS7)。
【0079】
以上述べた本発明の第1の実施例によれば、プローブ本体の熱発生源であるプローブヘッド及びプローブ内送受信部に対し冷媒を循環させてこれら熱発生源の温度上昇を抑制する際、熱発生源の各々に対して設定した冷却優先度に基づいて冷媒循環方向を制御することによりその温度上昇を効率よく抑制することが可能となる。
【0080】
又、前記冷却優先度は、プローブヘッド及びプローブ内送受信部における実測温度と前記プローブヘッド及びプローブ内送受信部の各々に対して予め設定された許容温度との差異に基づいて短時間かつ正確に設定することができる。
【0081】
更に、前記プローブ内送受信部は、その周囲が冷媒循環容器の壁面に近接して配置されているため効果的な冷却が行なわれ、前記冷媒を冷却する冷媒冷却部の熱交換部は、ペルチェ素子を用いているため効率のよい冷却を行なうことができる。
【0082】
以上の理由により、プローブヘッド及びプローブ内送受信部の発熱による温度上昇を確実に抑えることができるため、振動素子に対し更なる駆動エネルギーの投入が可能となり高感度な画像データを収集することができる。
【0083】
一方、上述の冷媒の循環方向を設定する冷媒循環方向設定部や冷媒を送出するポンプ、更には、冷媒を冷却する冷媒冷却部等は、超音波プローブのプローブコネクタ部に設けられているためプローブ本体の構成が簡単となり超音波検査における操作性が改善される。更に、上述の各ユニットは、診断装置本体に対して独立に構成されているため診断装置本体の構成に依存することなく取り付けて使用することが可能となる。
【0084】
又、前記冷媒循環容器に対して冷媒を供給する2つの冷却パイプの一方は、ケーブル部において他の冷却パイプの周囲でスパイラル状に配管されているため、ケーブル部を如何なる方向に対しても均一かつ容易に曲げることができ、超音波プローブの操作性が改善される。
【実施例2】
【0085】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。以下に述べる第2の実施例における超音波プローブのプローブ本体は、熱発生源であるプローブヘッドとプローブ内送受信部の冷却を行なう冷媒をプローブヘッドからプローブ内送受信部の方向に循環させる第1の冷却路と、前記冷媒をプローブ内送受信部からプローブヘッドの方向に循環させる第2の冷却路を備える。そして、第1の冷却路及び第2の冷却路の流入口と診断装置本体側のプローブコネクタ部に設けられた冷媒冷却部の冷媒流出口を第1の冷却パイプで接続し、前記第1の冷却路及び第2の冷却路の流出口と前記冷媒冷却部の冷媒流入口を第2の冷却パイプで接続する。
【0086】
次いで、プローブヘッド及びプローブ内送受信部にて計測された実測温度とこれらのユニットに対し予め設定された許容温度との差異に基づいてプローブヘッド及びプローブ内送受信部に対する冷却優先度を設定する。そして、この冷却優先度に基づいて冷媒の循環方向を設定することにより冷却優先度の高い熱発生源に対しより効果的な冷却を行なう。
【0087】
(プローブの構成)
以下では、本発明の実施例における超音波プローブの構成につき図10を用いて説明する。但し、図2に示した第1の実施例における超音波プローブと同様な構成及び機能を有するユニットは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
【0088】
即ち、図10に示した超音波プローブ1xのプローブ本体11xは、振動素子113を有し被検体の体表面に接触させて超音波の送受信を行なうプローブヘッド110と、このプローブヘッド110の振動素子113に対して駆動信号を供給し、更に、振動素子113によって得られた受信信号に対し第1の整相加算を行なうプローブ内送受信部120と、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の周囲で冷媒131を循環させることによりプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120が発生する熱を冷却するプローブ冷却部130xと、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120の温度を計測する温度センサ137及び温度センサ138を備えている。
【0089】
プローブ本体11xのプローブ冷却部130xは、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120において発生した熱を冷却する際に、プローブヘッド110を優先的に冷却するためにプローブヘッド110からプローブ内送受信部120の方向に冷媒131を循環させる冷却路136(第1の冷却路)と、プローブ内送受信部120を優先的に冷却するためにプローブ内送受信部120からプローブヘッド110の方向に冷媒131を循環させる冷却路139(第2の冷却路)を備え、上述の循環方向を設定するための冷媒循環方向設定部153xが冷却路136及び冷却路139における流入口の近傍に取り付けられている。
【0090】
そして、冷却路136及び冷却路139の流入口には冷却パイプ133(第1の冷却パイプ)の端部が、又、冷却路136及び冷却路139の流出口には冷却パイプ134(第2の冷却パイプ)の端部が夫々接続され、冷却パイプ133は、ケーブル部14を介しプローブコネクタ部15xにおけるポンプ152の出力端に接続され、又、冷却パイプ134は、プローブコネクタ部15xの冷媒冷却部151における熱交換部161の入力端に接続されている。
【0091】
そして、上述の第1の実施例と同様にして、温度センサ137によって計測されたプローブヘッド110の実測温度及び温度センサ138によって計測されたプローブ内送受信部120の実測温度と予め設定された許容温度との差異に基づいてプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120に対する冷却優先度を設定する。
【0092】
例えば、プローブヘッド110に対する冷却優先度がプローブ内送受信部120に対する冷却優先度より高い場合、冷媒循環方向設定部153xは、冷却制御部155から供給された循環方向制御信号に基づいて冷却路136の流入口に設けられた開閉バルブのみを開放する。このとき、プローブコネクタ部15xの熱交換部161で冷却されポンプ152、冷却パイプ133及び冷媒循環方向設定部153xの前記開閉バルブを介して冷却路136に流入した冷媒131は、この冷却路136をプローブヘッド110からプローブ内送受信部120の方向に循環してプローブヘッド110を優先的に冷却する。そして、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120において加温され冷却路136の流出口から流出した冷媒131は、冷却パイプ134を介してプローブコネクタ部15xの熱交換部161に戻され、この熱交換部161において再度冷却される。
【0093】
一方、プローブ内送受信部120の冷却優先度がプローブヘッド110の冷却優先度より高い場合、冷媒循環方向設定部153xは、冷却制御部155から供給された循環方向制御信号に基づいて冷却路139の流入口近傍に設けられた開閉バルブのみを開放する。このとき、プローブコネクタ部15xの熱交換部161で冷却された冷媒131は、ポンプ152、冷却パイプ133及び冷媒循環方向設定部153xの前記開閉バルブを介して冷却路139に流入し、この冷却路136の中をプローブ内送受信部120からプローブヘッド110の方向に循環してプローブ内送受信部120を優先的に冷却する。そして、プローブヘッド110及びプローブ内送受信部120において加温され冷却路139の流出口から流出した冷媒131は、冷却パイプ134を介してプローブコネクタ部15xの熱交換部161に戻され、この熱交換部161において再度冷却される。
【0094】
尚、上述の実施例では、冷媒循環方向設定部153xにおける2つの開閉バルブの一方を開くことによって冷媒131の循環方向を設定する場合について述べたが、2つの開閉バルブを開いた状態で各々の開口度を制御することによりプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120に対し好適な冷却を行なうことも可能である。
【0095】
以上述べた本発明の第2の実施例によれば、プローブ本体の熱発生源であるプローブヘッド及びプローブ内送受信部に対し冷媒を循環させてこれら熱発生源の温度上昇を抑制する際、上述の第1の実施例と同様にして、熱発生源の各々に対して設定した冷却優先度に基づいて冷媒循環方向を制御することによりその温度上昇を効率よく抑制することが可能となる。このため、振動素子に対し更なる駆動エネルギーの投入が可能となり高感度な画像データを収集することができる。
【0096】
一方、本実施例のケーブル部では、プローブコネクタ部の冷媒冷却部にて冷却された冷媒をプローブ本体の冷却部に供給する冷却パイプ(第1の冷却パイプ)の周囲でプローブ本体にて加温された冷媒を前記冷媒冷却部に戻す冷却パイプ(第2の冷却パイプ)をスパイラル状に配管することにより、ケーブル表面(被覆膜)近傍に対する冷温の伝搬を抑えることができ、このため、ケーブル表面における結露の発生を防止することができる。
【0097】
又、本実施例における冷媒循環方向設定部は、4つの開閉バルブを使用した上述の第1の実施例に対し2つの開閉バルブで構成することができる。
【0098】
以上、本発明の第1の実施例及び第2の実施例について述べてきたが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施例における冷媒冷却部151、ポンプ152、冷媒循環方向設定部153(153x)及び冷却制御部155は超音波プローブ1(1x)のプローブコネクタ部15(15x)あるいはプローブ本体11xに備えられている場合について述べたが、これらのユニットの全てあるいはその一部は診断装置本体2に備えられていてもよい。上述の各ユニットを診断装置本体2に収納することにより収納スペースの制約がなくなるため、高性能な熱交換部、ポンプ及び開閉バルブ等を用いることが可能となり冷媒冷却における精度や効率を向上させることができる。
【0099】
又、超音波プローブ1(1x)のプローブ本体11(11x)に内蔵された電子回路は、プローブヘッド110の振動素子113に対して駆動信号を供給する送信回路とこの振動素子113から得られた受信信号に対して整相加算を行なう受信回路の両方を備えたプローブ内送受信部120について述べたが、何れか一方の回路が内蔵された場合であってもよい。又、送信回路や受信回路の機能は上述の実施例に限定されるものではなく、例えば、受信回路は増幅機能のみを有するものであっても構わない。
【0100】
更に、プローブヘッド110の温度を計測するための温度センサ137やプローブ内送受信部120の温度を計測するための温度センサ138は、これらのユニットにおける発熱情報を直接的あるいは間接的に検出可能であればよく、従って、前記ユニットの近傍に配置されていてもよい。
【0101】
又、上述の実施例では、熱発生源が2つの場合について述べたが、3つ以上であってもよく、又、2種類の冷媒循環方向の設定が可能な冷却部130(130x)及び冷媒循環方向設定部153(153x)について述べたが、3種類以上の冷媒循環方向の設定が可能な冷却部及び冷媒循環方向設定部であっても構わない。
【0102】
又、熱発生源の各々に対して許容温度とこの許容温度に対し安全マージンを有した基準温度を初期設定する場合について述べたが基準温度の代わりに許容温度を用いて各種制御信号の生成を行なってもよい。
【0103】
更に、上述の冷却優先度は、熱発生源における実測温度とこの熱発生源に対して予め設定された許容温度との差異に基づいて設定する場合について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、熱発生源の各々に対する冷却優先度は、走査方式や画像/計測モード等に基づいて予め設定することも可能である。
【0104】
一方、上述の第2の実施例におけるケーブル部14では、冷却パイプ133の周囲を冷却パイプ134がスパイラル状に配管される場合について述べたが、冷却パイプ134は、信号ライン141の周囲をスパイラル状に配管されていてもよい。更に、冷媒循環方向設定部153xが備えた2つの開閉バルブの何れかを冷却制御部155からの循環方向制御信号及び開口制御信号に基づいて開き所望量の冷媒量を冷却路136あるいは冷却路139に供給する場合について述べたが、上述の2つの開閉バルブの両方を開いた状態でその開口度のみを前記開口制御信号に基づいて設定してもよい。この方法によれば、冷却路136及び冷却路139に供給する冷媒量を独立に制御することが可能となるためプローブヘッド110及びプローブ内送受信部120に対して効果的な冷却を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施例における超音波診断装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施例の超音波診断装置が備える超音波プローブの構成を示す図。
【図3】同実施例の超音波プローブにおけるプローブヘッドの構成を示す図。
【図4】同実施例の超音波プローブにおけるケーブル部の具体例を示す図。
【図5】同実施例の超音波プローブにおける冷媒循環方向設定部の具体例を示す図。
【図6】同実施例の超音波プローブにおけるプローブ内送受信部と診断装置本体における受信部の構成を示すブロック図。
【図7】同実施例のプローブ内送受信部における整相加算部と受信部における整相加算部によって与えられる受信遅延時間を説明するための図。
【図8】同実施例における受信信号処理部の構成を示すブロック図。
【図9】同実施例における超音波プローブの冷却方法を示すフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施例における超音波プローブの構成を示す図。
【符号の説明】
【0106】
1、1x…超音波プローブ
11、11x…プローブ本体
110…プローブヘッド
111…バッキング材
112…信号電極
113…振動素子
114…アース電極
115…整合層
116…保護膜
118…リード線
120…プローブ内送受信部
121…レートパルス発生器
122…送信遅延回路
123…駆動信号生成部
124…整相加算部
130、130x…プローブ冷却部
131…冷媒
132…冷媒循環容器
133、134…冷却パイプ
136、139…冷却路
137、138、164…温度センサ
14…ケーブル部
141…信号ライン(接地ライン、計測ライン、制御ライン)
143…断熱材
144…被覆膜
15、15x…プローブコネクタ部
151…冷媒冷却部
152…ポンプ
153、153x…冷媒循環方向設定部
154…開閉バルブ
155…冷却制御部
156…コネクタ
161…熱交換部
163…ファン
165…吸気口
166…排気口
2…診断装置本体
3…受信部
31…整相加算部
4…受信信号処理部
5…画像データ生成部
6…表示部
7…入力部
8…システム制御部
100…超音波診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対して超音波の送受信を行なうプローブ本体における複数の熱発生源に対し冷媒を循環させて前記熱発生源を冷却するプローブ冷却手段と、
前記熱発生源によって加温された前記冷媒を冷却する冷媒冷却手段と、
前記プローブ冷却手段と前記冷媒冷却手段との間で前記冷媒を循環させる冷媒循環手段と、
前記熱発生源に対して冷却優先度を設定する冷却優先度設定手段と、
前記冷却優先度に基づいて前記プローブ冷却手段における前記冷媒の循環方向を設定する冷媒循環方向設定手段とを
備えたことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
前記複数の熱発生源の各々における温度を計測する温度計測手段を備え、前記冷却優先度設定手段は、前記温度計測手段によって計測された前記熱発生源の実測温度と前記熱発生源に対して予め設定された許容温度との差異に基づいて前記冷却優先度を設定することを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記冷媒循環手段は、前記プローブ冷却手段と前記冷媒冷却手段との間を結ぶ複数の冷却パイプと前記冷却パイプの途中に設けられ前記冷媒を送出するポンプを備えていることを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記冷媒循環方向設定手段は、前記複数の熱発生源の各々に対して設定された前記冷却優先度に基づき冷却優先度の高い熱発生源から冷却優先度の低い熱発生源に向って前記冷媒を循環させることを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記冷媒冷却手段は、熱交換によって冷媒を冷却する熱交換部とこの熱交換部における高温部を冷却するファンとを備えたことを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記プローブ冷却手段は、前記被検体に対して超音波の送受信を行なうための振動素子を有するプローブヘッドと前記振動素子に対して送受信を行なうプローブ内送受信部における発熱を冷却することを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記プローブ冷却手段は、前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部の熱発生源に対して設定された冷却優先度に基づき冷却優先度の高い熱発生源を優先的に冷却することを特徴とする請求項6記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記プローブ冷却手段は、前記冷媒を前記プローブヘッドから前記プローブ内送受信部に向って循環させる第1の冷却路と前記プローブ内送受信部から前記プローブヘッドに向って循環させる第2の冷却路を備え、前記冷媒循環方向設定手段は、前記冷却優先度に基づいて前記第1の冷却路あるいは前記第2の冷却路の何れかを選択することにより前記冷媒の循環方向を設定することを特徴とする請求項6記載の超音波プローブ。
【請求項9】
前記プローブ冷却手段は、前記冷媒を前記プローブヘッドから前記プローブ内送受信部に向って循環させる第1の冷却路と前記プローブ内送受信部から前記プローブヘッドに向って循環させる第2の冷却路を備え、前記冷媒循環方向設定手段は、前記冷却優先度に基づいて前記第1の冷却路及び前記第2の冷却路を流れる冷媒量を制御することを特徴とする請求項6記載の超音波プローブ。
【請求項10】
前記冷媒冷却手段は、ケーブル部を介して前記プローブ本体と接続されるプローブコネクタ部に設けられていることを特徴とする請求項3記載の超音波プローブ。
【請求項11】
前記ケーブル部における2つの冷却パイプの一方は、他の冷却パイプの周囲でスパイラル状に配管されていることを特徴とする請求項10記載の超音波プローブ。
【請求項12】
前記冷媒を前記プローブ冷却手段から前記冷媒冷却手段に供給する冷却パイプは、前記冷媒冷却手段から前記プローブ冷却手段に供給する冷却パイプの周囲でスパイラル状に配管されていることを特徴とする請求項11記載の超音波プローブ。
【請求項13】
被検体に対して超音波の送受信を行なう振動素子を含むプローブヘッドと、前記振動素子に対して送受信を行なうプローブ内送受信部と、前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部の近傍で冷媒を循環させて前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部における発熱を冷却するプローブ冷却手段を有するプローブ本体と、
前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部における発熱によって加温された前記冷媒を冷却する冷媒冷却手段と、
前記プローブ冷却手段と前記冷媒冷却手段との間で前記冷媒を循環させる冷媒循環手段と、
前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部に対して冷却優先度を設定する冷却優先度設定手段と、
前記冷却優先度に基づいて前記プローブ冷却手段における前記冷媒の循環方向を設定する冷媒循環方向設定手段と、
前記被検体に対する超音波の送受信方向を制御する送受信方向制御手段と、
前記プローブ内送受信部から得られた受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段とを
備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項14】
前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部における温度を計測する温度計測手段を備え、前記冷却優先度設定手段は、前記温度計測手段によって計測された前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部の実測温度と前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部に対して予め設定された許容温度との差異に基づいて前記冷却優先度を設定することを特徴とする請求項13記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記冷媒循環方向設定手段は、前記プローブヘッド及び前記プローブ内送受信部に対して設定された前記冷却優先度に基づき冷却優先度の高い熱発生源から冷却優先度の低い熱発生源に向って前記冷媒を循環させ、冷却優先度の高い熱発生源を優先的に冷却することを特徴とする請求項13記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−275458(P2007−275458A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108614(P2006−108614)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】