説明

超音波診断装置

【課題】すでに穿刺針が刺入された位置を確認することができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶されるメモリと、超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づくBモード画像BGを表示させる表示画像制御部と、超音波の送受信領域の位置情報と、前記メモリに記憶された前記刺入済み経路の位置情報とに基づいて、前記刺入済み経路を示す刺入済みマーカN2を前記Bモード画像BGに表示させる刺入済み経路表示制御部と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺針を使用する際の超音波画像を表示する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織に穿刺針を刺し入れて治療又は組織の採取を行なう際には、例えば特許文献1に示すように、穿刺針の刺入予定経路を示す穿刺ガイドラインが表示された超音波画像が参照されている。
【0003】
例えば、穿刺針を用いた前立腺の生検においては、超音波画像で穿刺針を刺す位置を確認した後、超音波画像を参照しながら穿刺針を刺し入れて生体組織の採取を行ない、腫瘍の有無などの検査が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−236767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような前立腺の生検においては、腫瘍であると疑われる部分に、複数回(例えば10箇所以上)穿刺針を刺して生体組織を採取している。この時、疑わしい部分全体から均等に生体組織が採取されることが好ましい。しかし、穿刺針を抜いてしまうと、穿刺針を刺し入れた部分が分からなくなってしまうことが多い。従って、均等に穿刺針が刺し入れられているか否かを確認することができない。
【0006】
このような事情から、穿刺針を複数回刺す場合において、すでに穿刺針が刺入された位置を確認することができる超音波診断装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するためになされた発明は、被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、該位置特定部で特定された前記穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶される記憶部と、超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、 前記超音波の送受信領域の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記刺入済み経路の位置情報とに基づいて、前記刺入済み経路を示す指示表示を前記超音波画像に表示させる指示表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0008】
また、他の観点の発明は、被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、該位置特定部で特定された前記穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶される記憶部と、超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、前記三次元空間の座標系において、穿刺針の刺入予定経路を設定する刺入予定経路設定部と、前記穿刺針の刺入予定経路の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記刺入済み経路の位置情報とに基づいて、前記刺入予定経路と前記刺入済み経路との距離を計測する距離計測部と、該距離計測部で計測された距離を表示する距離表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0009】
また、他の観点の発明は、被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、該位置特定部で特定された前記穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶される記憶部と、超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、前記三次元空間の座標系において、穿刺針の刺入予定経路を設定する刺入予定経路設定部と、前記穿刺針の刺入予定経路の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記刺入済み経路の位置情報とに基づいて、前記刺入予定経路と前記刺入済み経路との距離を計測する距離計測部と、該距離計測部で計測された距離が所定以下であることを報知する報知部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0010】
また、他の観点の発明は、被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、該位置特定部で特定された前記穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶される記憶部と、超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、前記記憶部に記憶された前記刺入済み経路の位置情報に基づいて、前記刺入済み経路を含む所定の大きさの三次元領域を前記三次元空間において設定する三次元領域設定部と、前記三次元領域に超音波の二次元の送受信領域が含まれる場合に、該二次元の送受信領域についての超音波画像に、前記二次元の送受信領域による前記三次元領域の断面を示す断面表示を表示させる断面表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0011】
さらに、他の観点の発明は、被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、前記刺入済み経路の位置情報に基づいて、前記刺入済み経路を含む所定の大きさの三次元領域を前記三次元空間において設定する三次元領域設定部と、前記三次元領域の位置情報が記憶される記憶部と、該記憶部に記憶された前記三次元領域に超音波の二次元の送受信領域が含まれる場合に、該二次元の送受信領域についての超音波画像に、前記二次元の送受信領域による前記三次元領域の断面を示す断面表示を表示させる断面表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0012】
上記観点の発明によれば、前記指示表示制御部により、穿刺針の刺入済み経路を示す指示表示が前記超音波画像に表示されるので、すでに前記穿刺針が刺入された位置を確認することができる。
【0013】
上記他の観点の発明によれば、前記距離表示制御部により、前記刺入予定経路と前記刺入済み経路との距離が表示されるので、すでに前記穿刺針が刺入された位置を確認することができる。
【0014】
上記他の観点の発明によれば、前記報知部により、前記刺入予定経路と前記刺入済み経路との距離が所定以下であることが報知されるので、すでに前記穿刺針が刺入された位置を確認することができる。
【0015】
上記他の観点の発明によれば、前記三次元領域設定部により、前記刺入済み経路を含む所定の大きさの三次元領域が設定され、前記断面表示制御部により、二次元の送受信領域による前記三次元領域の断面を示す断面表示が表示されるので、すでに前記穿刺針が刺入された位置を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態における超音波診断装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】Bモード画像に、刺入済みマーカと穿刺ガイドラインとが表示された表示部の一例を示す図である。
【図4】付加表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】Bモード画像に穿刺ガイドラインが表示された表示部の一例を示す図である。
【図6】Bモード画像に、刺入済みマーカと穿刺ガイドラインとが表示された表示部の一例を示す図である。
【図7】Bモード画像に、刺入済みマーカと穿刺ガイドラインとが表示された表示部の他例を示す図である。
【図8】送受信領域の説明図である。
【図9】送受信領域の説明図である。
【図10】第一実施形態の第一変形例において、Bモード画像に、刺入済みマーカと穿刺ガイドラインとが表示された表示部の一例を示す図である。
【図11】第一実施形態の第二変形例の超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】第一実施形態の第三変形例の表示部の一例を示す図である。
【図13】図12に示されたBモード画像の断面の説明図である。
【図14】第一実施形態の第四変形例の表示部の一例を示す図である。
【図15】第二実施形態の超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図16】第二実施形態の付加表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図17】第二実施形態の表示部の一例を示す図である。
【図18】第二実施形態の変形例の付加表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図19】第二実施形態の変形例の表示部の一例を示す図である。
【図20】第三実施形態の超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図21】第三実施形態の付加表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図22】刺入済み経路を含む三次元領域の説明図である。
【図23】第三実施形態の表示部の一例を示す図である。
【図24】第三実施形態の表示部の他例を示す図である。
【図25】第三実施形態の表示部の他例を示す図である。
【図26】第三実施形態の表示部の他例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について図1〜図9に基づいて詳細に説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信部3、Bモード処理部4、表示制御部5、表示部6、操作部7、制御部8、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)9、磁気発生部10及び磁気センサ11を備える。
【0018】
前記超音波プローブ2は、アレイ状に配置された複数の超音波振動子(図示省略)を有して構成され、これら超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。前記超音波プローブ2は、本発明における超音波プローブの実施の形態の一例である。
【0019】
前記超音波プローブ2には、例えばホール素子で構成される前記磁気センサ11が設けられている。この磁気センサ11により、例えば磁気発生コイルで構成される前記磁気発生部10から発生する磁気が検出される。前記磁気センサ11における検出信号は、前記表示制御部5へ入力される。前記磁気センサ11における検出信号は、図示しないケーブルを介して前記表示制御部5へ入力されてもよいし、無線で前記表示制御部5へ入力されてもよい。前記磁気発生部10及び前記磁気センサ11は、後述のように前記超音波プローブ2の位置及び傾きを検出するためのものであり、本発明における位置センサ及び第一位置センサの実施の形態の一例である。
【0020】
また、前記超音波プローブ2には、穿刺針ガイド治具12によって穿刺針13が取り付けられている。
【0021】
前記送受信部3は、前記超音波プローブ2を所定の送信条件で駆動させ、送受信領域を超音波ビームによって音線順次で走査させる。前記送受信部3は前記制御部8からの制御信号によって前記超音波プローブ2を駆動させる。
【0022】
また、前記送受信部3は、前記超音波プローブ2によって得られた超音波のエコー信号について、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコー信号を前記エコー信号処理部4へ出力する。
【0023】
前記Bモード処理部4は、前記送受信部3から出力されたエコー信号に対し、対数圧縮処理、包絡線検波処理等の所定の処理を行なってBモードデータを作成する。
【0024】
前記表示制御部5は、図2に示すように、位置算出部51、メモリ52、表示画像制御部53及び付加表示制御部54を有する。前記位置算出部51は、前記磁気センサ11からの磁気検出信号に基づいて、前記磁気発生部10を原点とする三次元空間の座標系における前記超音波プローブ2の位置及び傾きの情報(以下、「プローブ位置情報」と云う)を算出する。また、前記位置算出部51は、前記プローブ位置情報に基づいて、前記三次元空間の座標系におけるエコー信号の位置情報を算出して超音波の送受信領域の位置情報を算出する。さらに、前記位置算出部51は、前記プローブ位置情報に基づいて前記三次元空間の座標系における前記穿刺針13の刺入済み経路の位置を算出する。前記位置算出部51は、本発明における位置算出部の実施の形態の一例である。また、前記位置算出部51と前記磁気発生部10及び前記磁気センサ11とは、本発明における位置特定部の実施の形態の一例である。
【0025】
ちなみに、前記穿刺針13の刺入を行なう時には被検体は動かないものとし、前記位置算出部51により、前記磁気発生部10を原点とする被検体の三次元空間における超音波の送受信領域の位置情報と刺入済み経路の位置情報とが得られる。
【0026】
前記メモリ52は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(Memory)などで構成される。このメモリ52には、例えば前記Bモード処理部4から出力されて、後述するように前記表示画像制御部53においてBモード画像データに変換される前のBモードデータなどが記憶される。前記Bモード画像データに変換される前のデータを、ローデータ(Raw Data)と云うものとする。ローデータは、前記HDD9に記憶されるようになっていてもよい。
【0027】
また、前記メモリ52には、前記位置算出部51で算出された前記穿刺針13の刺入済み経路の位置が記憶される。前記穿刺針13の刺入がすでに複数回行なわれている場合には、各回の刺入済み経路の位置が記憶されている。
【0028】
前記穿刺針13の刺入済み経路の位置は、前記HDD9に記憶されるようになっていてもよい。前記メモリ52及び前記HDD9は、本発明における記憶部の実施の形態の一例である。
【0029】
前記表示画像制御部53は、前記Bモード処理部4で処理されたBモードデータを、スキャンコンバータ(Scan Converter)によってBモード画像データに走査変換し、このBモード画像データに基づくBモード画像を前記表示部6に表示させる。Bモード画像は、本発明における超音波画像の実施の形態の一例である。
【0030】
前記付加表示制御部54は、図3に示すようにBモード画像BGに付加表示gを表示する。付加表示gは、本例では穿刺針を刺入する予定の経路(刺入予定経路)を示す穿刺ガイドラインN1と、刺入済みの刺入経路を示す刺入済みマーカN2である。前記付加表示制御部54は、図4に示すように、前記穿刺ガイドラインN1を設定して表示させる刺入予定経路表示制御部541と、前記刺入済みマーカN2を設定して表示させる刺入済み経路表示制御部542とを有している。前記穿刺ガイドラインN1は、本例では破線で示されている。前記穿刺ガイドラインN1は、本発明における刺入予定経路の実施の形態の一例であり、前記刺入予定経路表示制御部541は、本発明における刺入予定経路設定部の実施の形態の一例である。また、前記刺入済みマーカN2は、本例では実線で示されている。前記刺入済みマーカN2は、本発明における刺入済み経路を示す指示表示の実施の形態の一例であり、前記刺入済み経路表示制御部542は、本発明における指示表示制御部の実施の形態の一例である。
【0031】
前記表示部6は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。前記操作部7は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。
【0032】
前記制御部8は、CPU(Central Processing Unit)を有して構成される。この制御部8は、前記HDD9に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
【0033】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について説明する。ここでは、前記超音波プローブ2として経直腸プローブを用い、前立腺の生検を行なう場合を例に挙げて説明する。
【0034】
操作者は、前記超音波プローブ2によって超音波の送受信を開始する。そして、前記表示画像制御部53が、超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、図5に示すようにリアルタイムのBモード画像BGを前記表示部6に表示させる。
【0035】
また、前記刺入予定経路表示制御部541は、リアルタイムの前記Bモード画像BGに穿刺ガイドラインN1を表示させる。ここで、前記穿刺針ガイド治具12により、前記穿刺針13は超音波の二次元の送受信領域に沿って刺入されるようになっている。前記超音波プローブ2に対する前記穿刺針13の刺入位置及び刺入角度、すなわち前記穿刺針13の刺入予定経路の位置は、前記穿刺針ガイド治具12によって予め定まるため、超音波の送受信領域における刺入予定経路の位置は、予め特定されて前記メモリ52又はHDD9に記憶されている。従って、前記刺入予定経路表示制御部541は、前記刺入予定経路の位置情報に基づいて、前記穿刺ガイドラインN1を前記Bモード画像BGに表示させる。前記穿刺ガイドラインN1は、前記Bモード画像BG上において常に同じ場所に表示される。
【0036】
操作者は、前記Bモード画像BGと前記穿刺ガイドラインN1とを見ながら前記穿刺針13の刺入経路を決定する。そして、操作者は前記穿刺針13を生体組織に所定深さ刺入する。この時、前記穿刺針13は、前記穿刺ガイドラインN1に沿って刺入される。
【0037】
操作者は、前記穿刺針13を所定深さまで刺入すると、前記操作部7において、穿刺針13の刺入済み経路を記憶する入力を行なう(刺入済み経路の記憶操作)。例えば、操作者は前記操作部7の操作ボタン(図示省略)を押して前記穿刺針13の刺入済み経路を記憶させる。これにより、前記メモリ52又は前記HDD9の少なくとも一方に前記穿刺針13の刺入済み経路が記憶される。
【0038】
前記穿刺針13が刺入される経路は、前記穿刺ガイドラインN1上の経路である。従って、この穿刺ガイドラインN1の位置が前記刺入済み経路として記憶されてもよい。または、体表面から前記穿刺針13の針先までの深さを入力することにより、前記穿刺ガイドラインN1上において前記穿刺針13が実際に刺入された位置が記憶されてもよい。刺入済み経路とは、前記穿刺針13が実際に刺入された経路と、前記穿刺針13が実際に刺入された経路の延長線とを含む。
【0039】
ちなみに、体表面から針先までの深さの入力は、刺入済み経路の記憶操作毎に行なってもよいし、複数回にわたって行なわれる刺入の深さが全て同じであれば穿刺を行なう前に深さを予め入力しておいてもよい。
【0040】
次に、別の箇所に前記穿刺針13を刺入する場合、操作者は、前記Bモード画像BGに表示された前記穿刺ガイドラインN1とともに、前記刺入済みマーカN2を見ながら、前記穿刺針13の刺入予定経路を決定する。
【0041】
ここで、前記刺入済みマーカN2の表示について説明する。リアルタイムの前記Bモード画像BGの断面上、すなわち超音波の送受信領域上に、刺入済み経路が存在している場合には、図6に示すように、この刺入済み経路を示す前記刺入済みマーカN2を前記Bモード画像BG上に表示させる。前記刺入済みマーカN2は、本例では実線の線分になっている。前記刺入済み経路表示制御部542は、前記位置算出部51で算出された超音波の送受信領域の位置情報と、前記メモリ52又は前記HDD9に記憶された刺入済み経路の位置情報とに基づいて、前記刺入済みマーカN2を表示させる。ちなみに、前記図6では、複数の前記刺入済みマーカN2が表示されており、すでに複数回の穿刺が行なわれている場合の画像が表示されている。
【0042】
前記刺入済み経路の記憶操作において、体表面から前記穿刺針13の針先までの深さが記憶されている場合、この記憶された情報に基づいて、前記刺入済み経路表示制御部542は、針先までの長さの刺入済みマーカN2を表示させる。前記図6に示すBモード画像BGにおいては、針先までの長さの刺入済みマーカN2が表示されている。
【0043】
また、前記刺入済み経路の記憶操作において、体表面から前記穿刺針13の針先までの深さが記憶されていない場合、前記刺入済み経路表示制御部542は、刺入済み経路の位置として記憶された過去の穿刺ガイドラインN1の位置情報に基づいて、図7に示すBモード画像BGにおいて、実際の刺入済み経路の延長線上に延びる前記刺入済みマーカN2を表示させる。
【0044】
操作者は、前記刺入済みマーカN2に対して前記穿刺ガイドラインN1が適切な距離になるように、前記超音波プローブ2の位置を調節する。例えば、操作者は、図6及び図7に示す状態において、前記穿刺ガイドラインN1が前記刺入済みマーカN2に対して近すぎると判断した場合、前記穿刺ガイドラインN1が前記刺入済みマーカN2から遠ざかるように前記超音波プローブ2を移動する。操作者は、前記穿刺ガイドラインN1が適切な位置になると、前記穿刺針13を刺入して上述と同様にして刺入済み経路の記憶操作を行なう。
【0045】
刺入済み経路の記憶操作が行なわれると、前記刺入済み経路表示制御部542は、新たに記憶された刺入済み経路に前記刺入済みマーカN2を新たに表示させる。そして、操作者は、さらに別の箇所の穿刺を行なう場合には、新たに表示された前記刺入済みマーカN2も考慮しつつ、刺入済み経路を決定する。
【0046】
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、前記刺入済みマーカN2が前記Bモード画像BGに表示されるので、すでに前記穿刺針13が刺入された位置を確認することができる。これにより、適切な距離を空けて前記穿刺針13を刺入することが容易となる。
【0047】
次に、第一実施形態の変形例について説明する。例えば、複数の送受信領域について超音波の送受信を行なってこれら複数の送受信領域において穿刺針を刺入する場合、リアルタイムの超音波の送受信領域(これから穿刺針を刺入しようとする面)とは異なる送受信領域(過去の送受信領域)に沿って刺入された穿刺針の刺入済み経路が存在する場合がある。
【0048】
ここで、異なる送受信領域とは、例えば図8に示すように、互いに交差する断面P1,P2上における送受信領域α,βを意味するほか、図9に示すように、同一断面P上において、前記超音波プローブ2による超音波の送受信の位置が異なる場合の送受信領域γ,δをも意味する。
【0049】
例えば、図8に示すように、リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面と異なる断面の送受信領域に刺入済み経路が存在し、前記リアルタイムの送受信領域と刺入済み経路とが交差する場合、図10に示すように、前記刺入済み経路表示制御部542は、前記刺入済み経路を示す指示表示として×印の刺入済みマーカN2′を、リアルタイムの前記Bモード画像BGに表示させる。具体的には、前記刺入済み経路表示制御部542は、リアルタイムの超音波の送受信領域の位置情報と、前記メモリ52又は前記HDD9に記憶された刺入済み経路の位置情報とに基づいて、リアルタイムのBモード画像BGにおいて、超音波の送受信領域と刺入済み経路とが交差する点に前記刺入済みマーカN2′を表示させる。
【0050】
なお、前記刺入済み経路表示制御部542は、実際の刺入済み経路の延長線上に刺入済みマーカN2を表示させた場合、刺入済み経路の延長線上と超音波の送受信領域とが交差する点に前記刺入済みマーカN2′を表示させてもよい。
【0051】
また、図9に示すように、リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面上に過去の送受信領域が存在し、この過去の送受信領域における刺入済み経路が、リアルタイムの送受信領域に存在する場合、特に図示しないが、前記刺入済み経路表示制御部542は、前記過去の送受信領域における刺入済み経路を示す線状の刺入済みマーカ(前記刺入済みマーカN1と同様の表示形態)を前記Bモード画像BGに表示させる。
【0052】
次に、第二変形例について説明する。図11に示すように、前記穿刺針13に、前記磁気発生部10から発生する磁気を検出する磁気センサ14を設けてもよい。この場合、例えば筒状に形成された穿刺針13の先端部分の中空部に前記磁気センサ14を設ける。この前記磁気センサ14は、本発明における第二センサの実施の形態の一例である。
【0053】
前記磁気センサ14の磁気検出信号は前記表示制御部5へ入力される。そして、前記表示制御部5の前記位置算出部51は、前記磁気センサ14の磁気検出信号に基づいて、前記磁気発生部10を原点とする三次元空間の座標系における前記穿刺針13の位置を算出し、この穿刺針13の刺入済み経路の位置を算出する。
【0054】
次に、第三変形例について説明する。前記超音波プローブ2により、三次元の領域における超音波の送受信を行なってボリュームエコー信号を取得してもよい。このボリュームエコー信号は、前記磁気発生部10を原点とする三次元空間の座標系における位置情報とともに、前記メモリ52又は前記HDD9に記憶される。
【0055】
この場合、前記表示画像制御部53は、三次元の領域の前記ボリュームエコー信号に基づいて、図12に示すように、前記穿刺針13の刺入予定経路を含む断面P3についての第一Bモード画像BG1と、この第一Bモード画像BG1とは異なる任意の断面P4についての第二Bモード画像BG2とを前記表示部6に表示させる。前記第一Bモード画像BG1は本発明における第一超音波画像の実施の形態の一例であり、前記第二Bモード画像BG2は本発明における第二超音波画像の実施の形態の一例である。
【0056】
前記断面P3,P4について図13に基づいて説明すると、刺入予定経路を含む前記断面P3は、前記超音波プローブ2に対して予め所定の位置に設定された断面である。従って、前記位置算出部51により、前記三次元空間の座標系における前記超音波プローブ2の位置が特定されると、前記三次元空間における前記第一Bモード画像BG1の位置が特定される。
【0057】
また、前記断面P4は、前記断面P3に対して予め所定の位置関係に設定される。前記断面P4は、操作者による前記操作部7を用いた入力操作によって変更できるようになっていてもよい。本例では、前記断面P4は前記断面P3と直交する断面である。前記第一Bモード画像BG1の位置が特定されると、前記第二Bモード画像BG2の位置も特定される。
【0058】
前記第一Bモード画像BG1及び前記第二Bモード画像BG2は、前記送受信を行ないながら表示される画像、すなわちリアルタイムの画像である。前記刺入予定経路表示制御部541は、前記第一Bモード画像BG1に前記穿刺ガイドラインN1を表示させる。また、前記刺入予定経路表示制御部541は、前記第二Bモード画像BG2において、前記第一Bモード画像BG1における前記穿刺ガイドラインN1の位置と対応する位置に、穿刺ガイドマーカN1′を表示させる。この穿刺ガイドマーカN1′も、前記穿刺ガイドラインN1と同様に前記穿刺針13の刺入予定経路を示す表示である。
【0059】
一方、前記刺入済み経路表示制御部542は、前記三次元空間における前記第一Bモード画像BG1の位置及び前記第二Bモード画像BG2の位置に、刺入済み経路が存在する場合、前記第一Bモード画像BG1及び前記第二Bモード画像BG2に前記刺入済みマーカN2,N2′を表示させる。
【0060】
次に、第四変形例について説明する。図14に示すように、前記表示画像制御部53は、リアルタイムの二次元の第一Bモード画像BG1′を前記表示部6に表示させ、また予め前記メモリ52又は前記HDD9に記憶されたボリュームエコー信号に基づく任意断面の第二Bモード画像BG2′を前記表示部6に表示させる。
【0061】
前記第一Bモード画像BG1′は、二次元の領域を対象にして超音波の送受信を行なって得られるエコー信号に基づくリアルタイムの画像である。また、前記ボリュームエコー信号は、三次元の領域を対象にして超音波の送受信を行なって予め取得され、前記磁気発生部10を原点とする三次元空間の座標系における位置情報を伴って、前記メモリ52又は前記HDD9に記憶されている。
【0062】
前記第一Bモード画像BG1′は、前記超音波プローブ2による超音波の送受信領域の画像であり、第三変形例と同様に、前記穿刺針13の刺入予定経路を含む断面の画像である。また、前記第二Bモード画像BG2′は、第三変形例と同様に、前記第一Bモード画像BG1′の断面に対して予め設定された所定の位置関係の断面の画像であり、例えば前記第一Bモード画像BG1の断面と直交する断面の画像である。
【0063】
第三変形例と同様に、前記三次元空間の座標系における前記超音波プローブ2の位置が特定されると、前記第一Bモード画像BG1′の位置が特定される。また、前記ボリュームエコー信号は、前記三次元空間における位置情報を有しているので、このボリュームエコー信号に基づいて作成される前記第二Bモード画像BG2′の位置は、前記第一Bモード画像BG1′の位置が特定されることによって特定される。そして、第三変形例と同様に、前記第一Bモード画像BG1′及び前記第二Bモード画像BG2′に、前記穿刺ガイドラインN1、前記穿刺ガイドマーカN1′、前記刺入済みマーカN2,N2′が表示される。
【0064】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
図15に示すように、本例の表示制御部5は、前記位置算出部51、前記メモリ52、前記表示画像制御部53及び付加表示制御部54のほか、距離計測部55を有している。また、図16に示すように、本例の付加表示制御部54は、前記刺入予定経路表示制御部541及び前記刺入済み経路表示制御部542のほか、距離表示制御部543を有している。前記距離計測部55は本発明における距離計測部の実施の形態の一例であり、前記距離表示制御部543は本発明における距離表示制御部の実施の形態の一例である。
【0066】
前記距離計測部55は、前記穿刺針13の刺入予定経路と刺入済み経路との距離を計測する。より詳細には、前記距離計測部55は、前記メモリ52又は前記HDD9に記憶された刺入済み経路の位置情報と、前記刺入予定経路表示制御部541によって設定される刺入予定経路の位置情報とに基づいて距離の計測を行なう。
【0067】
前記距離表示制御部543は、図17に示すように前記距離計測部55で計測された距離のうち、最も小さい距離を示す距離表示Dを、前記付加表示gとして前記表示部6に表示させる。この距離表示Dは、前記穿刺ガイドラインL1から最も距離が近い刺入済み経路までの距離を示しているので、前記穿刺針13が刺入された位置を確認することができる。従って、本例によっても第一実施形態と同様に、適切な距離を空けて前記穿刺針13を刺入することが容易となる。
【0068】
ちなみに、本例においては、前記刺入済みマーカN2が表示されなくてもよい。この刺入済みマーカN2が表示されなくても、操作者は前記距離表示Dをたよりに穿刺を行なうことができる。
【0069】
次に、第二実施形態の変形例を説明する。図18に示すように、前記付加表示制御部54は、前記距離表示制御部543の代わりに、警告表示制御部544を有していてもよい。この警告表示制御部544は、前記距離計測部55で計測された距離のうち、最も小さい距離が予め設定された所定の閾値よりも小さい場合、図19に示すように前記表示部6に警告表示Wを表示する。前記警告表示制御部544は、本発明における報知部の実施の形態の一例である。
【0070】
ただし、前記距離計測部55で計測された距離のうち、最も小さい距離が予め設定された所定の閾値よりも小さくなった場合、前記警告表示Wが表示される場合に限られるものではなく、例えば前記刺入予定経路表示制御部541が前記穿刺ガイドラインN1の表示形態を変更してもよい。例えば、前記刺入予定経路表示制御部541は、前記距離計測部55で計測された距離のうち、最も小さい距離が予め設定された所定の閾値よりも小さくなった場合に、前記穿刺ガイドラインN1の色を異なる色にしてもよいし、二点鎖線の穿刺ガイドラインN1を表示させてもよい。この場合、前記刺入予定経路表示制御部541が本発明における報知部の実施の形態の一例である。
【0071】
さらには、前記距離計測部55で計測された距離のうち、最も小さい距離が予め設定された所定の閾値よりも小さくなった場合、その旨を音声で知らせるようにしてもよい。
【0072】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。なお、第一、第二実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
図20に示すように、本例の表示制御部5は、前記位置算出部51、前記メモリ52、前記表示画像制御部53及び付加表示制御部54のほか、三次元領域設定部56を有している。また、図21に示すように、本例の付加表示制御部54は、前記刺入予定経路表示制御部541のほか、断面表示制御部545を有している。前記三次元領域設定部56は本発明における三次元領域設定部の実施の形態の一例であり、前記断面表示制御部545は本発明における断面表示制御部の実施の形態の一例である。
【0074】
前記三次元領域設定部56は、前記刺入済み経路の位置情報に基づいて、前記磁気発生部10を原点とする三次元空間に、前記刺入済み経路を含む所定の大きさの三次元領域を設定する。本例では、前記三次元領域設定部56は、図22に示すように、刺入済み経路Xを中心とする半径rの円を断面とする円柱Cを前記三次元領域として設定する。
【0075】
前記半径rは、予め設定されていてもよく、操作者が前記操作部7において入力してもよい。前記半径rの大きさは、例えば前記刺入済み経路Xから最低限確保すべき穿刺針13までの距離に設定される。この場合、前記円柱Cは、前記穿刺針13を刺入すべきでない領域を意味する。
【0076】
前記断面表示制御部545は、前記円柱Cに超音波の送受信領域が含まれる場合に、図23に示すように、この送受信領域についてのBモード画像BGに、前記超音波の送受信領域による前記円柱Cの断面を示す断面表示Sを表示させる。
【0077】
超音波の送受信領域は、リアルタイムの送受信の領域であり、二次元の領域である。前記断面表示制御部545は、前記位置算出部51で算出される送受信領域の位置情報と、前記円柱Cの位置情報とに基づいて、リアルタイムのBモード画像BGに前記断面表示Sを表示させる。
【0078】
前記超音波の送受信領域は、前記穿刺針13の刺入予定経路を含む面であり、前記刺入予定経路表示制御部541は、前記穿刺ガイドラインN1を前記Bモード画像BGに表示させる。操作者は、穿刺ガイドラインN1が前記断面表示S内に位置しないように前記超音波プローブ2の位置を調節して前記穿刺針13の刺入予定経路を決定する。
【0079】
ちなみに、図23に示された前記断面表示Sは、前記超音波の送受信領域が存在する断面に沿って刺入された穿刺針13の刺入済み経路を含む三次元領域の断面を示す表示である。この場合、前記三次元領域設定部56は、リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面に沿って刺入された前記穿刺針13の刺入済み経路を含む三次元領域を前記円柱Cとして設定する。この場合に設定される三次元領域は、本発明における第一の三次元領域の実施の形態の一例である。
【0080】
ここで、前記三次元領域設定部56は、前記メモリ52又は前記HDD9に記憶された過去の全ての前記刺入済み経路の位置情報に基づいて、前記断面表示Sを表示させる際に逐一前記三次元領域を設定してもよいが、前記刺入済み経路の位置情報が得られる毎に、前記三次元領域を設定し、この三次元領域の位置情報を前記メモリ52又は前記HDD9に記憶してもよい。そして、前記断面表示制御部545は、前記メモリ52又は前記HDD9に記憶された前記三次元領域の位置情報に基づいて、前記断面表示Sを表示させてもよい。
【0081】
以上説明した本例によっても上記各実施形態と同様に前記穿刺針13が刺入された位置を確認することができる。
【0082】
ちなみに、本例においても、第一実施形態の第一変形例と同様に、リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面と異なる断面に沿って前記穿刺針13が刺入された場合、前記三次元領域設定部56は、このような穿刺針13の刺入済み経路を含む三次元領域を円柱C′(図示省略)として設定する。この場合に設定される三次元領域は、本発明における第二の三次元領域の実施の形態の一例である。そして、前記断面表示制御部545は、図24に示すように、リアルタイムの超音波の送受信領域による前記円柱C′の断面を示す断面表示S′を、前記断面表示SとともにリアルタイムのBモード画像BGに表示させる。
【0083】
なお、リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面に、過去の送受信領域の刺入済み経路が存在する場合も、この刺入済み経路を含む三次元領域の断面表示が、リアルタイムのBモード画像BGに表示されてもよい。
【0084】
また、第一実施形態の第三変形例と同様に、前記表示画像制御部53は、ボリュームエコー信号に基づいて、図25に示すように、前記穿刺針13の刺入予定経路を含む断面P3についての第一Bモード画像BG1と、この第一Bモード画像BG1とは異なる任意の断面P4についての第二Bモード画像BG2とを前記表示部6に表示させてもよい。この場合、前記三次元空間における前記第一Bモード画像BG1の位置及び前記第二Bモード画像BG2の位置に前記三次元領域が存在する場合、前記断面表示制御部545は、前記第一Bモード画像BG1及び前記第二Bモード画像BG2に前記断面表示S,S′を表示させる。また、前記刺入予定経路表示制御部541は、前記第一Bモード画像BG1に前記穿刺ガイドラインN1を表示させ、前記第二Bモード画像BG2に前記穿刺ガイドマーカN1′を表示させる。
【0085】
さらに、第一実施形態の第四変形例と同様に、前記表示画像制御部53は、図26に示すように、リアルタイムの二次元の第一Bモード画像BG1′を前記表示部6に表示させ、また予め前記メモリ52又は前記HDD9に記憶されたボリュームエコー信号に基づく任意断面の第二Bモード画像BG2′を前記表示部6に表示させてもよい。この場合も、前記三次元空間における前記第一Bモード画像BG1′の位置及び前記第二Bモード画像BG2′の位置に前記三次元領域が存在する場合、前記断面表示制御部545は、前記第一Bモード画像BG1′及び前記第二Bモード画像BG2′に前記断面表示Cを表示させる。また、前記刺入予定経路表示制御部541は、前記第一Bモード画像BG1′に前記穿刺ガイドラインN1を表示させ、前記第二Bモード画像BG2′に前記穿刺ガイドマーカN1′を表示させる。
【0086】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、第二実施形態及び第三実施形態においても、第一実施形態の第二変形例と同様に、前記穿刺針13に前記磁気センサ14を設けてもよい。
【0087】
また、第二実施形態において、第一実施形態の第三変形例及び第四変形例のように、前記第一Bモード画像BG1,BG1′及び前記第二Bモード画像BG2,BG2′が表示されてもよい。さらに、第二実施形態において、前記刺入済み経路表示制御部542は、リアルタイムの超音波の送受信領域とは異なる送受信領域の刺入済み経路を示す刺入済みマーカをリアルタイムのBモード画像に表示させてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
10 磁気発生部
11 磁気センサ(位置センサ、第一位置センサ)
13 穿刺針
14 磁気センサ(第二位置センサ)
51 位置算出部
52 メモリ(記憶部)
53 表示画像制御部
55 距離計測部
56 三次元領域設定部
541 刺入予定経路表示制御部(刺入予定経路設定部)
542 刺入済み経路表示制御部(指示表示制御部)
543 距離表示制御部
544 警告表示制御部(報知部)
545 断面表示制御部
N2,N2′ 刺入済みマーカ(指示表示)
D 距離表示
W 警告表示
S,S′ 断面表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、
該位置特定部で特定された前記穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶される記憶部と、
超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、
前記超音波の送受信領域の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記刺入済み経路の位置情報とに基づいて、前記刺入済み経路を示す指示表示を前記超音波画像に表示させる指示表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記指示表示制御部は、リアルタイムの前記超音波画像に前記指示表示を表示させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記指示表示制御部は、前記指示表示として、リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面に沿って刺入された穿刺針の刺入済み経路を示す指示表示を、リアルタイムの前記超音波画像に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
リアルタイムの超音波の送受信領域に、該リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面とは異なる断面に沿って刺入された穿刺針の刺入済み経路が存在する場合、前記指示表示制御部は、前記指示表示として、前記リアルタイムの超音波の送受信領域の断面とは異なる断面に沿って刺入された穿刺針の刺入済み経路を示す指示表示を、リアルタイムの前記超音波画像に表示させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
三次元の領域における超音波の送受信を行なってボリュームエコー信号を取得する超音波プローブを備え、
前記表示画像制御部は、前記ボリュームエコー信号に基づいて、前記穿刺針の刺入予定経路に沿った断面についての第一超音波画像と、該第一超音波画像とは異なる断面についての第二超音波画像とを表示させ、
前記指示表示制御部は、前記第一超音波画像及び前記第二超音波画像に前記指示表示を表示させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記第一超音波画像及び前記第二超音波画像は、リアルタイムの画像であることを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記表示画像制御部は、前記穿刺針の刺入済み経路に沿った断面についてのリアルタイムの第一超音波画像と、三次元の領域における超音波の送受信によって予め取得されたボリュームエコー信号に基づく任意断面についての第二超音波画像とを表示させ、
前記指示表示制御部は、前記第一超音波画像及び前記第二超音波画像に前記指示表示を表示させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、
該位置特定部で特定された前記穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶される記憶部と、
超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、
前記三次元空間の座標系において、穿刺針の刺入予定経路を設定する刺入予定経路設定部と、
前記穿刺針の刺入予定経路の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記刺入済み経路の位置情報とに基づいて、前記刺入予定経路と前記刺入済み経路との距離を計測する距離計測部と、
該距離計測部で計測された距離を表示する距離表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項9】
被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、
該位置特定部で特定された前記穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶される記憶部と、
超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、
前記三次元空間の座標系において、穿刺針の刺入予定経路を設定する刺入予定経路設定部と、
前記穿刺針の刺入予定経路の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記刺入済み経路の位置情報とに基づいて、前記刺入予定経路と前記刺入済み経路との距離を計測する距離計測部と、
該距離計測部で計測された距離が所定以下であることを報知する報知部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項10】
被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、
該位置特定部で特定された前記穿刺針の刺入済み経路の位置情報が記憶される記憶部と、
超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、
前記記憶部に記憶された前記刺入済み経路の位置情報に基づいて、前記刺入済み経路を含む所定の大きさの三次元領域を前記三次元空間において設定する三次元領域設定部と、
前記三次元領域に超音波の二次元の送受信領域が含まれる場合に、該二次元の送受信領域についての超音波画像に、前記二次元の送受信領域による前記三次元領域の断面を示す断面表示を表示させる断面表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項11】
被検体における生体組織に刺入された穿刺針の刺入済み経路の位置と、超音波の送受信領域の位置とを、所定の点を原点とする被検体の三次元空間の座標系において特定する位置特定部と、
超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示させる表示画像制御部と、
前記刺入済み経路の位置情報に基づいて、前記刺入済み経路を含む所定の大きさの三次元領域を前記三次元空間において設定する三次元領域設定部と、
前記三次元領域の位置情報が記憶される記憶部と、
該記憶部に記憶された前記三次元領域に超音波の二次元の送受信領域が含まれる場合に、該二次元の送受信領域についての超音波画像に、前記二次元の送受信領域による前記三次元領域の断面を示す断面表示を表示させる断面表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項12】
前記断面表示制御部は、リアルタイムの前記超音波画像に前記断面表示を表示させることを特徴とする請求項10又は11に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記三次元領域設定部は、前記三次元領域として、リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面に沿って刺入された前記穿刺針の刺入済み経路を含む第一の三次元領域を設定し、
前記断面表示制御部は、前記断面表示として、リアルタイムの超音波の送受信領域による前記第一の三次元領域の断面を示す断面表示を、リアルタイムの前記超音波画像に表示させることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記三次元領域設定部は、前記三次元領域として、リアルタイムの超音波の送受信領域が存在する断面とは異なる断面に沿って刺入された前記穿刺針の刺入済み経路を含む第二の三次元領域を設定し、
前記断面表示制御部は、前記断面表示として、リアルタイムの超音波の送受信領域による前記第二の三次元領域の断面を示す断面表示を、リアルタイムの前記超音波画像に表示させることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項15】
三次元領域における超音波の送受信を行なってボリュームエコー信号を取得する超音波プローブを備え、
前記表示画像制御部は、前記ボリュームエコー信号に基づいて、前記穿刺針の刺入済み経路に沿った断面についての第一超音波画像と、該第一超音波画像とは異なる断面についての第二超音波画像とを表示させ、
前記断面表示制御部は、前記第一超音波画像及び前記第二超音波画像に前記断面表示を表示させる
ことを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項16】
前記第一超音波画像及び前記第二超音波画像は、リアルタイムの画像であることを特徴とする請求項15に記載の超音波診断装置。
【請求項17】
前記表示画像制御部は、前記穿刺針の刺入済み経路に沿った断面についてのリアルタイムの第一超音波画像と、三次元の領域における超音波の送受信によって予め取得されたボリュームエコー信号に基づく任意断面についての第二超音波画像とを表示させ、
前記断面表示制御部は、前記第一超音波画像及び前記第二超音波画像に前記断面表示を表示させる
ことを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項18】
前記位置特定部は、
生体組織に対して超音波の送受信を行なう超音波プローブの位置及び角度を検出する位置センサと、
該位置センサで検出された前記超音波プローブの位置及び角度に基づいて、前記刺入済み経路及び前記超音波の送受信領域の位置を算出する位置算出部と、
からなることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項19】
前記位置特定部は、
生体組織に対して超音波の送受信を行なう超音波プローブの位置及び角度を検出する第一位置センサと、
前記穿刺針の位置を検出する第二位置センサと、
前記第一位置センサの検出信号に基づいて前記超音波の送受信領域の位置を算出し、前記第二位置センサの検出信号に基づいて前記刺入済み経路の位置を算出する位置算出部と、
からなることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−135394(P2012−135394A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289052(P2010−289052)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】