説明

超音波診断装置

【課題】超音波診断装置において、受信信号に含まれる不要信号成分が抑圧されるようにする。特に素子配列方向又は素子受信信号列方向における位相の乱れ度合いに忠実な不要信号成分抑圧処理が実行されるようにする。
【解決手段】係数演算部30は、遅延処理後の複数の素子受信信号の中から複数の符号ビットを取り出して、信号列方向に沿って極性反転の個数(頻度)を求める。具体的には隣接する信号間において符号ビットの内容が一致するか否かを判定する。極性反転の個数に基づいて係数が演算される。乗算器32はその係数を検波後の受信信号に乗算する。信号列方向に沿って位相が乱れている場合には極性反転の個数が増大して係数が小さくなり、信号抑制効果が大きくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置に関し、特に、不要信号成分を低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像の画質を高めるためには、受信信号処理において、サイドローブ(side lobe)、グレーティングローブ(grating lobe)、雑音(ノイズ)などの不要信号(不要成分)を低減することが望まれる。
【0003】
受信ビームフォーマでは、フォーカシングのため、複数の振動素子からの複数の素子受信信号が整相処理(遅延処理)され、その後にそれらが加算される。加算後において、RF信号としてのビームデータが得られる。ビームデータは超音波画像の形成で用いられる。フォーカス点からの反射波であれば、遅延処理後の複数の素子受信信号間では位相が揃っているため、加算後において振幅の大きいRF信号が得られる。これに対して、フォーカス点以外の所からの反射波の場合、複数の素子受信信号間で位相が一致していないため、振幅の低いRF信号しか得られない。
【0004】
非特許文献1及び特許文献1に記載された技術は、位相のばらつき度合いの評価指標であるSCF(Sign Coherence Factor)を利用して不要信号成分を低減するものである。しかし、以下に説明するように、実際には位相が揃っていても位相が乱れていると判断する場合がある。このため、SCFを用いて振幅情報に重み付けして画像化を行った場合、サイドローブやグレーティングローブ等によるアーチファクトは低減されるが、実質部に局所的な黒抜けが発生するという問題がある。以下に具体的に説明する。
【0005】
SCFは、各受信チャンネルの受信信号の極性そのものに着目する評価指標である。つまり、時間軸上の信号波形が正の値か負の値かに着目するものである。以下にSCFの計算式を示す。
【0006】
【数1】

【0007】
上記(1)式の変数bi(k)を極性パラメータと呼ぶことにする。bi(k)は以下のように定義される。
【0008】
【数2】

【0009】
上記において、iはチャンネル番号であり(i=1,2,3,…,N)、kは深度であり、Nはチャンネル数であり、si(k)は遅延処理後のRF信号を示している。PはSCFの効果を増減するパラメータである(P≧0)。σは標準偏差を示している。
【0010】
位相が完全に揃っている場合、全てのチャンネルにおいて、信号列方向(素子配列方向に相当)に沿って極性が揃うため、SCFは1となる。一方、信号列方向に沿って位相が乱れると、極性も乱れるため、SCFは小さくなる。SCFを用いて受信信号に重み付けを行うことにより、不要信号が多く含まれるような位相が乱れた成分を弱めることができる。
【0011】
ここで、si(k)について、それを複素信号Si(k)=SIi(k)+jSQi(k)として表現すると、その実部SIi(k)がsi(k)である。これより上記(2)式は、位相φi(k)(但し-π≦φi(k)≦π)を用いて以下の(3)式のように書き直せる。
【0012】
【数3】

【0013】
ビーム方向からの反射の割合が多い信号であっても、通常、サイドローブの発生、想定音速と実音速のずれ、ビームフォーマの遅延処理精度、等の影響から、複数の素子受信信号間において位相は完全には揃わない。
【0014】
図6乃至図8は上記で説明した従来技術を示している。各図の(A)には位相分布が示され、(B)には極性パラメータbi(k)が示されている。横軸はチャンネル番号を示し、すなわちそれは空間軸である。図6及び図7に示す例では、いずれにおいてもπ/2を跨いで比較的に位相が安定している。図8に示す例では、かなりの頻度で極性パラメータが変化している。
【0015】
上記の(1)式は、チャンネル数が固定されている場合、正の極性を有する信号数と負の極性を有する信号数のみに依存し、すなわち符号ビットの単純加算を行うものである。一方極性の信号数と他方極性の信号数が同数であれば加算値はゼロとなり、周期的変化の頻度や激しさを表すものとはなっていない。よって、図6及び図7に示したように、位相が極性パラメータbi(k)の変わり目付近に比較的揃って分布している場合と、図8に示したようにサイドローブの影響により位相が大きく乱れて分布している場合と、を同程度の位相の乱れ度合いであるとして判断してしまう場合がある。このようなSCFを用いて受信信号の振幅情報に重み付けをした場合、ビーム方向からの反射の割合が多い実質部において、極端に振幅が弱められてしまう箇所が生じ、それが局所的な画像の黒抜けとして現れることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開WO2010/018282
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】J. Camacho,et al, "Phase Coherence Imaging", IEEE trans. UFFC, vol.56, No.5, 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、不要信号成分の低減で利用する係数の演算にあたり、複数の素子受信信号について位相の乱れの状態をより的確に評価できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る超音波診断装置は、超音波を送受波する複数の振動素子と、前記複数の振動素子からの複数の素子受信信号に対して遅延処理を施す遅延処理手段と、前記遅延処理後の複数の素子受信信号の加算処理により受信信号を生成する加算処理手段と、前記遅延処理後且つ前記加算処理前の複数の素子受信信号から取り出される複数の符号ビットからなる符号ビット列における符号ビット並び方向の符号反転事象の個数に基づいて不要信号成分低減用の係数を演算する係数演算手段と、前記係数に基づいて前記加算処理後の受信信号の利得が変更されるようにする利得可変部と、を含むことを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、複数の素子受信信号の並び方向における、極性反転事象の頻度に基づいて係数が演算され、その係数を用いて整相加算後の受信信号の利得が調整される。なお、極性反転現象の頻度は、上記並び方向における、信号のゼロクロッシングの頻度に相当する。複数の素子受信信号の並び方向において位相が乱れている場合には極性反転事象の頻度が大きくなり、その結果、受信信号の利得が小さくなる。逆に、位相があまり乱れていない場合には極性反転の頻度が小さくなり、その結果、受信信号の利得が大きくなる。従来のように極性を示すデータの単純な加算ではなく極性の変化数に着目したので位相の乱れをより忠実に評価でき、ひいては不要信号成分の抑圧を的確に行うことが可能である。従来技術による超音波画像上において生じていた黒抜けといった現象を効果的に防止することが可能となる。
【0021】
望ましくは、前記係数演算手段は、前記符号ビット列における隣接符号ビット間で生じた符号反転事象の個数をカウントするカウント手段と、前記符号反転事象の個数を、前記符号ビット列を構成する符号ビット数で除することによって前記係数を演算する規格化演算手段と、を含む。上記の規格化は後述の(5)式に対応するものであり、そのような規格化によって参照する符号データ数に依存しない処理を実現できる。サンプリング数や開口内チャンネル数の変化によっても安定した利得調整を行える。
【0022】
望ましくは、前記係数演算手段は、前記符号反転事象の発生頻度が高い場合には前記受信信号の利得が低くなるように前記係数を生成し、前記符号反転事象の発生頻度が低い場合には前記受信信号の利得が高くなるように前記係数を生成する。利得調整の方法としては、係数の乗算、係数(信号)の減算、等があげられる。いずれにしても結果として利得が調整されるようにすればよい。
【0023】
望ましくは、前記係数は各ビーム方向に沿って各深度で演算され、前記ビーム方向に並んだ複数の係数に対して一次元平滑化処理を施し、又は、前記ビーム方向及びビーム並び方向に並んだ複数の係数に対して二次元平滑化処理を施す手段が設けられ、平滑化後の係数を用いて前記受信信号の利得が制御される。この構成によれば空間的に係数を平滑化できるので、抑圧処理を空間的に滑らかに行うことができ、急峻な画質変動を防止できるから、画像品質を維持向上できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数の素子受信信号について位相の乱れの状態をより的確に評価できる。よって、不要信号成分の抑圧を適切に行って黒抜け等の画質低下を防止又は軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した係数演算部の具体的構成例を示す概念図である。
【図3】実施形態の作用を示す図であって、位相の乱れが少ない状態その1における極性変化パラメータを示す図である。
【図4】実施形態の作用を示す図であって、位相の乱れが少ない状態その2における極性変化パラメータを示す図である。
【図5】実施形態の作用を示す図であって、位相の乱れが大きい状態における極性変化パラメータを示す図である。
【図6】従来例の作用を示す図であって、位相の乱れが少ない状態その1における極性パラメータを示す図である。
【図7】従来例の作用を示す図であって、位相の乱れが少ない状態その2における極性パラメータを示す図である。
【図8】従来例の作用を示す図であって、位相の乱れが大きい状態における極性パラメータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。この超音波診断装置は医療の分野において用いられ、生体に対する超音波の送受波によって得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する装置である。本実施形態においては、超音波画像としてBモード断層画像が形成されているが、もちろんドプラ画像等が形成されてもよい。
【0028】
図1において、アレイ振動子10は、超音波探触子内に配置され、複数の振動素子12により構成される。複数の振動素子12は直線状に配列されている。もちろん、それらが円弧状に配列されていてもよい。複数の振動素子12を利用して超音波ビーム(送信ビーム、受信ビーム)が形成され、それが電子的に走査される。電子走査方式としては、電子セクタ走査、電子リニア走査等が知られている。1Dアレイ振動子に代えて2Dアレイ振動子を用いることも可能である。
【0029】
送信部14は送信ビームフォーマーである。すなわち、送信部14は送信時において複数の振動素子12に対して所定の遅延関係を有する複数の送信信号を供給する。これにより送信ビームが形成される。受信時において、生体内の各点からの反射波がアレイ振動子10にて受波される。これにより複数の受信信号(素子受信信号)が生じ、それが増幅部16へ出力される。増幅部16、遅延部20及び信号加算部24が受信部を構成し、その受信部は受信ビームフォーマーである。
【0030】
増幅部16は、複数のアンプ18により構成されている。その後段には遅延部20が設けられ、その遅延部20は複数の遅延器22により構成されている。それらの遅延器22によって遅延処理(整相処理)が実行される。各遅延器22に与える遅延時間すなわちディレイデータは制御部42から供給される。遅延部20の後段にアポダイゼーション処理部が設けられてもよい。A/D変換部については図示省略されている。遅延処理後の複数の受信信号(複数の素子受信信号)が信号加算部24に入力される。そこでそれらの複数の受信信号が加算され、電子的に受信ビームが形成される。整相加算処理後の受信信号が検波部26に出力されている。検波部26は検波処理を行う公知の回路である。制御部42には入力部44が接続されている。
【0031】
本実施形態においては、不要信号成分の抑圧を行うために不要信号成分抑圧部28が設けられている。それは、具体的には、係数演算部30及び乗算器32を有する。係数演算部30は、遅延処理後かつ加算処理前の複数の素子受信信号に基づいて不要信号成分抑圧用の係数(評価値)を演算する回路であり、その係数を利用して実際に不要信号成分の抑圧処理を実行するのが乗算器32である。乗算器32においては、検波後の受信信号に対して係数が乗算され、不要信号成分の大小に応じて受信信号が抑圧(低減)される。係数の求め方については後に詳述する。
不要信号抑圧処理後の受信信号は信号処理部34へ送られる。信号処理部34は対数変換等の各種信号処理を実行し、その処理後の信号が画像形成部36へ送られる。画像形成部36は本実施形態においてデジタルスキャンコンバータ(DSC)により構成されている。これによりBモード断層画像が構成される。その画像のデータは表示処理部38を介して表示器40へ送られる。本実施形態においてはBモード画像が形成されているが、2次元血流画像等が形成されてもよい。上記説明においては不要信号成分を抑圧する処理において、係数の乗算が行われていたが、信号の減算等の他の手法を利用して不要信号成分の抑圧あるいは低減を行うようにしてもよい。
【0032】
深さ方向に並ぶ複数の係数からなる一次元係数列に対して平滑化処理を施した上で平滑化後の係数を乗算器に与えるようにしてもよい。あるいは、深さ方向及びビーム走査方向に整列した二次元係数列に対して二次元の平滑化処理を施した上で平滑化後の係数を乗算器に与えるようにしてもよい。これによれば画質の急峻な変化を緩和できる。
【0033】
次に、係数演算部30の具体的構成について説明する。係数演算部30は以下に説明する(4)式乃至(6)式の演算を実行して、重み付け用の係数を演算するものである。
本実施形態においては、位相の乱れ度合いの評価に際して、隣り合う信号間あるいはチャンネル間において素子受信信号の極性が変化しているか否かに着目している。従来法が単純加算方式であったのに対して、本実施形態では極性変化数の計数方式を採用している。以下の(4)式に本実施形態で用いる評価指標の一例を示す。評価指標はSTF(k)と表現されている。なお(4)式中のA(k)は(5)式で定義されている。
【0034】
【数4】

【0035】
上記(5)式の変数ci(k)は以下の(6)式のように定義される。
【0036】
【数5】

【0037】
ここで、iはチャンネル番号であり(i=1,2,…N-1)、kは深度を示し、Nはチャンネル数を示している。チャンネル数によって規格化が行われている。bi(k)は遅延処理後の極性パラメータであり、nは評価指標の効果を増減するパラメータである(n≧0)。なお、評価指標に関して言えば、0≦STF(k)≦1を満たし、かつ、A(k)に関する単調増加関数であれば、その定義式は(4)式に限られるものではない。ci(k)を極性変化パラメータと呼ぶことにする。
【0038】
位相が完全に揃っている場合には、全ての隣り合うチャンネル間で、極性変化パラメータci(k)が0となるため、評価指標STF(k)は1となる。位相が乱れると、隣り合うチャンネル間で極性の変化が頻繁に起こるため、評価指標STF(k)が小さくなる。そのような評価指標を係数として利用することができる。
【0039】
図3乃至図5には本実施形態による処理内容が示されている。各図において、(A)には位相の分布が示され、(B)には極性パラメータの分布が示され、(C)には極性変化パラメータの分布が示されている。図3及び図4には位相がπ/2近傍に比較的揃って分布している場合(2例)が示されている。図5には、位相がサイドローブの影響で乱れて分布している場合が示されている。図3、4と図5との対比から明らかなように、本手法によれば、位相が極性パラメータの変わり目付近に比較的揃って分布している場合と、サイドローブの影響により位相が乱れて分布している場合とで、位相の乱れ度合いの評価指標に差をつけることができる。すなわち、位相が揃っている箇所では評価指標が大きくなり、位相が乱れている箇所では評価指標が小さくなる。このような評価指標を用いて振幅情報に重み付けをすることで、実質部において極端に振幅が弱められてしまう問題を改善でき、局所的な黒抜けを低減できる。
【0040】
図1に示した係数演算部30は上記の演算を実行して係数を求めるものである。具体的には係数演算部30は上述した(4)式乃至(6)式の演算を実行して重み付け用の係数を演算する。その具体的な処理内容が図2に概念図として示されている。
【0041】
図2において、s1(k)〜sN(k)が遅延処理後の受信信号を示している。符号50で示されるように各受信信号における符号ビットが取り出される。取り出された複数の符号ビットがb1(k)〜bN(k)で示されている。隣接する信号間(符号ビット間)において、符号52が付されたブロックで示される演算が実行される。すなわち、隣り合う2つの符号ビットにおいて極性の反転が発生している場合、極性変化パラメータci(k)が+1となり、極性が同一であれば極性変化パラメータci(k)が0となる。それらが加算器54において加算されて、加算値C(k)が生成される。演算器56は上記(4)式及び(5)式に従って、係数としての評価指標STF(k)を演算する回路である。乱れ度合いが大きい場合、加算値C(k)は大きくなり、受信信号に乗算される係数としての評価指標STF(k)は小さくなる。つまり、受信信号の抑圧度は大きくなる。乱れ度合いが小さい場合、加算値C(k)は小さくなり、評価指標STF(k)係数は大きくなる。つまり、受信信号の抑圧度は小さくなる。乗算器54の後段又は演算器56の後段に一次元又は二次元の平滑化回路を設けるのが望ましい。
【0042】
上記実施形態では隣接素子間において符号ビットの反転が検出されていたが、複数の素子の中から離散的に選択された複数の素子間で符号ビットの反転が検出されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 アレイ振動子、20 遅延部、24 信号加算部、28 不要信号成分抑圧部、30 係数演算部、32 係数乗算部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送受波する複数の振動素子と、
前記複数の振動素子からの複数の素子受信信号に対して遅延処理を施す遅延処理手段と、
前記遅延処理後の複数の素子受信信号の加算処理により受信信号を生成する加算処理手段と、
前記遅延処理後且つ前記加算処理前の複数の素子受信信号から取り出される複数の符号ビットからなる符号ビット列における符号ビット並び方向の符号反転事象の個数に基づいて不要信号成分低減用の係数を演算する係数演算手段と、
前記係数に基づいて前記加算処理後の受信信号の利得が変更されるようにする利得可変部と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記係数演算手段は、
前記符号ビット列における隣接符号ビット間で生じた符号反転事象の個数をカウントするカウント手段と、
前記符号反転事象の個数を、前記符号ビット列を構成する符号ビット数で除することによって前記係数を演算する規格化演算手段と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記係数演算手段は、前記符号反転事象の発生頻度が高い場合には前記受信信号の利得が低くなるように前記係数を生成し、前記符号反転事象の発生頻度が低い場合には前記受信信号の利得が高くなるように前記係数を生成する、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記係数は各ビーム方向に沿って各深度で演算され、
前記ビーム方向に並んだ複数の係数に対して一次元平滑化処理を施し、又は、前記ビーム方向及びビーム並び方向に並んだ複数の係数に対して二次元平滑化処理を施す手段が設けられ、
平滑化後の係数を用いて前記受信信号の利得が制御されることを特徴とする超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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