説明

足部バランス評価装置及び訓練器及び訓練方法

【課題】若年者から,高齢者まですべての年代の被検者を対象とし,足部バランス修正能力を評価し,訓練することで,被検者のバランス能力,及び転倒予防を含めた健康維持,管理に役立つことが出来るものとする。
【解決手段】計測器の上に両足,または片足で立った被検者の母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部からの圧変動を捉える計測部1と,圧変動計測部から得られる信号を増幅する信号増幅部8と,増幅される結果を解析し,解析された結果を保存し,結果から判断された評価を,被検者個人間や他人とで比較し,結果から被検者に適した訓練方法を選択する比較評価部12,データベース部11と,その結果や,蓄積した結果から導き出される訓練方法を表示するディスプレー表示部13の構成とすることで,足部バランス評価装置及び訓練器を提供する。本装置並びに訓練器により,足部バランス修正,及びに転倒予防を含めた健康維持,管理を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は立位バランス維持能力に関する足部各部位の機能的評価,あるいは両足,片足立位時の足部機能,及びバランス機能評価を行うためのバランス能力評価装置,及び訓練装置,ならびに立位時の足部機能及びバランス機能の訓練をその場あるいは遠隔で可能とする方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
立位時のバランス能力を評価する手法として重心動揺が用いられている。また,重心動揺計を使用した軌跡表示や開眼時,閉眼時の比較やパラメータ演算を実施してバランス能力の評価を行っている。(特許文献1)しかし,重心動揺軌跡を評価する方法では,計測板に数カ所装着されたひずみゲージ式圧力センサーであるロードセル等のセンサーの値を基に計算によって求められた足圧中心を重心動揺として利用している。この方法では,接地した足底部の全体的なひずみ量からの中心しか判らず,バランス能力の機能的な評価は十できるとは限らない。元来,バランス能力の機能的な評価は接地面である足底部がどのような圧変動を伴ってバランスを修正するかを評価する必要がある。
【0003】
バランス能力は加齢に伴い低下し,簡易な場所での転倒を招く。介護が必要になる原因として,高齢者の転倒は全体の10%で3位にも及ぶ。また高齢者の転倒経験は12%と高く,(非特許文献1)我が国でも転倒予防に関する取り組みが積極的に行われている。高齢者の転倒は骨折などを引き起こし,2次的に寝たきりなどの原因となる事が多いため,安全なバランス能力検査として,両足立位における重心動揺計測を用いることが多い。この重心動揺の軌跡長は加齢により延長することが知られており,すでに大量の計測データから,性別,年齢毎の標準化が行われ,盛んに使用されている。(非特許文献2)また,立位バランスを維持する機構として足部機能を評価する事が機能的な評価であると報告されている。高齢者と若年者の立位時の足圧の比較では,母趾の機能によるバランス修正能力が報告されている。(非特許文献3,非特許文献4,非特許文献5)これらの報告から,重心動揺以外に足圧の変動を捉えた足趾機能を評価する事によるバランス修正能力の指標化も模索されている。
【0004】
バランスが崩れた際の生体の処理では,バランスが崩れたことを感知する感覚器からの入力や三半規管を始めとする前庭部からの入力を統合して,効果器としての筋肉を使ってバランスを修正する。立位時のバランス修正は最終的には,接地面である足底部で微妙な修正を行っている。このことから,高齢者のバランス修正能力低下は,足部や足趾機能の低下により起こっていると考えられ,高齢者のバランス修正能力を足底部,足趾の機能を評価し,訓練により向上させることで若年者と同じような状態に維持することが重要である。さらに,片足,又は両足立位時におけるこれらの評価,訓練方法は動的な評価方法や訓練方法と比較し,動きの要素が少なく,このため装置のダウンサイジングや省電力化,低コスト化が可能で,体に対するセンサー貼り付けによる皮膚への影響等を排除して安全に遂行することが求められている。
【0005】
他の情報として,被検者のバランス能力を評価する重心動揺計測は,医師や研究者を始めとした計測機器であったが,一般化するための装置も存在する(特許文献1)。また,本発明に使用する足部の日本人の成人人体計測データベースが存在する。(非特許文献6)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−079599号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「高齢社会白書」厚生労働省,平成17年
【非特許文献2】今岡薫,他著「重心動揺検査における健常者データの集計」Equilibrium Res.Auppl.12,1−84,1997
【非特許文献3】加辺憲人著,「足趾の機能」理学療法学18(1),41−48,2003
【非特許文献4】宇佐波政輝,他著「足趾・足底訓練が筋力・バランス能に及ぼす影響」整形スポーツ会誌15(2),268,1995
【非特許文献5】黒木薫,佐藤啓壮著「両脚・片脚立位時における足趾圧力の特徴」第65回日本体力医学会大会予稿集,248,2010
【非特許文献6】「AIST人体寸法データベース1991−92」デジタルヒューマン工学研究センター,産業技術総合研究所,http://riodb.ibase.aist.go.jp/dhbodydb/91-92/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の課題は,バランス能力の評価を従来の重心動揺からなる評価手法を,より影響度の高い足部,足趾の圧変動から足部,足趾機能を評価するものであり,バランス修正に重要な母趾の機能,母趾球部の機能,及び小趾球部の機能,そして踵部の圧変動から評価することで,バランス修正に必要な機能的で効果的な訓練を提供することにある。本発明の第2の課題は,被検者や家族が煩雑な計測器装着や操作なしに日常的に簡便に使用でき,装置そのものが日常生活に邪魔にならない程度の大きさで,コスト的にも個人での購入が可能な安価なシステムでバランスの質的な改善を実現することにある。本発明の第3の課題は,インターネット等の通信回線を通して遠隔で被検者の足趾機能を実時間で評価して指導することで,専門家の指導を得られるシステムを提供することにある。本発明の第4の課題は,母趾,母趾球部,小趾球部,踵部の位置に対応する複数の圧センサーの最適な配置実装方法を提供し,母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部の異なる被検者において複雑な調節を必要としないで圧変動計測を実現するものである。本発明の第5の課題は,足部,足趾の圧変動から足部,足趾機能を評価するにあたり,上記複数の圧センサーの配置実装において各圧センサー間の相互の干渉を排除し,従来にない高精度なバランス計測を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における第1の課題は,足部圧変動を捉えることで足部バランス能力として評価する事で解決する。すなわち、足部バランス能力評価及び訓練器の計測面の上に両足,または片足にて立った被検者の母趾球部,小趾球部,踵部,母趾部にかかる圧変動を捉える圧変動計測部と,圧変動計測部で得られた信号を増幅するアンプ部と,計測結果を解析する解析部と,解析した結果をデータベースと照合し,評価結果を表示する演算表示部と,評価結果を基にして被検者のレベルに適切な訓練方法を教示,または実施させる訓練器部とからなる事で解決する。この訓練器部は実質的に演算表示部と一体となっている。特に圧変動計測部において,母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部に対応するセンサーを用意することで,これらの部位からの圧変動を捉え,これにより実際の足底部の動きをとらえることを可能とし,バランス能力の精密な計測を実現する。
【0010】
本発明における第2の課題は,足圧変動をとらえる圧変動計測部と演算表示部を工夫することと使い勝手を考慮することで日常使用を可能とするとともに,いろいろな属性を持った被検者に対して足圧変動評価結果を年齢,性別などのデータベースから比較し,これを被検者へ提示すること,被検者に足部バランス能力がどの程度であるかを判断しやすくすることで,医療関係者のみならず特段の知識を持たない一般被検者自身ないしその周辺の者に対してバランス修正に必要な機能的で効果的な訓練やバランスの質的な改善方法の提供を可能とすることで解決する。
【0011】
この時,表示出力部がグラフ描画領域を有して,解析部は被検者の計測データを上記データベース中の標準化されたデータのうち被検者の属性情報に属するデータと照らし合わせて得られる評価データを上記グラフ描画領域に描いた折れ線グラフ,または棒グラフ,または散布図,または3次元グラフ図上で対応させて表示出力部において描画するものであったり,足圧変動計測部から得られる足圧変動データを解析して得た被検者の評価データを上記データベース中の標準化されたデータと比較して順位付けして上記表示出力部にその順位を表示するものであったり,足圧変動計測部から得られる足圧変動データを解析して得た被検者の評価データを上記表示出力部に年齢,性別などに対応する数値やグラフで表示するものであったりすることで,医療関係者のみならず一般被検者自身ないしその周辺の者に対してバランス修正に必要な機能的で効果的な訓練やバランスの質的な改善方法の提供を可能とする。
【0012】
また,解析部は足圧変動計測部から得た被検者の足圧変動データから導く足圧変動評価データと被検者の属性情報とを,上記データベース中に追加してデータベースを更新するものとしておくことや,被検者の履歴が参照できるようにすることで,被検者の状態の改善度ないし状態悪化の把握を容易としている。
【0013】
解析部は被検者の過去の評価データをデータベースから抽出して被検者の評価データの履歴を表示出力部に表示することで,より汎用的に被検者自身ないしその周辺の者に対してバランス修正に必要な機能的で効果的な訓練やバランスの質的な改善方法の提供を可能とする。
【0014】
また,計測中に足圧変動計測部による計測結果から,音声ガイダンス及び表示装置を用いて,被検者に適切な訓練方法を指示する機能を付加することで,実時間で被検者自身ないしその周辺の者に対してバランス修正に必要な機能的で効果的な訓練やバランスの質的な改善方法の提供を可能とする。
【0015】
本発明における第3の課題は,圧変動計測部で得られる被検者の母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部の圧変動をインターネット等の通信回線を使い遠方のモニターに実時間表示するとともに,その圧変動を遠方の遠隔指導者が評価し,逐次被検者に指示を出す双方向通信によって可能とする。その遠隔指導者のモニターに投影される足部各圧変動データは実データであり,足部各部に対応する棒グラフや色調変化で感覚的に把握できるようにすることで実時間指示を可能とする。
【0016】
より効果的には,被検者用の足部バランス評価装置の他に遠隔指導者用の足部バランス評価装置あるいは指導用の専用足部バランス評価装置を設置し,被検者の母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部の圧変動を被検者側のモニターに表示するとともに,遠隔指導者のモニターにも表示し,遠隔指導者が遠隔指導者用の足部バランス評価装置あるいは指導用の専用足部バランス評価装置に立って,被検者の足部バランスの改善すべき方向に体を傾けるなりして所定の位置の足圧を増す,あるいは減らす動作を行い,これから得られる足圧変動を被検者の足圧変動表示に重ね合わせて表示することで解決する。あるいは被検者と遠隔指導者の各足部足圧の差分を強調してその修正すべき足部とその方向を示す,あるいは音声でその修正すべき足部とその方向を指示する。すなわち,「右足親指付け根に体重をかけて」「左足踵に体重をかけて」等の音声指示を装置が行う構造とすることで解決する。
【0017】
被検者が多数の場合は,遠隔指導者が複数被検者をモニター上で同時に確認できる機構,並びに画面上で選択できる特定被検者の足圧変動表示を重ね合わせて表示できるような機構と,順次切り替えて複数の被検者のへの指導が可能とする。
【0018】
あるいは,前記と同様に被検者用の足部バランス評価装置の他に遠隔指導者用の足部バランス評価装置あるいは指導用の専用足部バランス評価装置を設置するが,その表示方法として被検者の足部各部の圧変動だけではなく,その圧変動データから推定される仮想立位を被検者側と遠隔指導者のモニターに表示し,遠隔指導者が遠隔指導者用の足部バランス評価装置あるいは指導用の専用足部バランス評価装置に立って,被検者の足部バランスの改善すべき方向に体を傾けるなりして所定の位置の足圧を増すあるいは減らす動作を行い,遠隔指導者用の各足部足圧から推定される遠隔指導者の仮想立位を被検者の仮想立位に重ね合わせて遠隔指導者のモニターと被検者のモニターに表示する,あるいは被検者と遠隔指導者の仮想立位の差分の方向を演算し,矢印でその修正すべき方向と量を自動的に視覚的に示す,あるいは「前へ少し」「後ろへ大きく」「右へ」[右後方へ]「左親指付け根に体重をかけて」「もっと右親指先端に力を入れて」等の音声で体位の方向や足圧をかける位置と強さを装置が自動的に指示する。
【0019】
上記の仮想体位を遠隔指導者の指示用に使用するのは,各足部の足圧が被検者の体位を反映していることを考えると,極当然である。したがって,足圧のみならず,現実の体位も指示用に使用することでも第3の課題は達成できる。この場合は,データ収集装置は,足部各位の圧変動計測装置部と画像取得部で構成されることとなる。被検者と遠隔指導者が圧変動計測装置部上に立って各足圧変動を測定する間,画像取得部は両者の画像を取得する。画像取得部は2次元あるいは3次元カメラである。画像をそのままインターネット等の双方向通信を用いて実時間で送りあってもよいが,回線の負担や解析部の負担が大きくなるので,体位を単純な骨格図として使用するのがよい。被検者で得られる骨格図と遠隔指導者で得られる骨格図を前記仮想体位の場合と同様に重ね合わせて表示したり,その差分を強調して表示したり,被検者が改善すべき方向に矢印などで表示する,あるいは音声で指示を出すことで第3の課題を解決している。もちろん実画像を用いてもよいが,この場合は毎秒18フレーム以上の転送レートであることとする。インターネットを介しての通信を考えるとよりフレームレートが遅い方が有利であるが,ヒトの残像現象から割り出した最低フレームレートである毎秒18フレームを最低ラインとする。
【0020】
本発明における第4の課題は,被検者の使い勝手を良くして効率よく圧変動を収集するため,圧変動計測部において母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部に対応する位置に,金属または合成樹脂,または硬性の板に上記母趾部用,母趾球部用,小趾球部用,踵部用にそれぞれU字状の切り込み,あるいは板厚の変更を加え,足底各部位のサイズが異なる被検者でも足を乗せるだけで母趾部用,母趾球部用,小趾球部用,踵部用の圧変動を捉えやすくする工夫を施すことで解決する。このとき,各足部のサイズは平均的な成人日本人の足サイズ分布からより多くの被検者に対応できる形状を割り出して使用する。
【0021】
さらに,圧変動計測部の形状は,足長による影響を避けるため,及び計測における便宜性から,被検者の母趾部を計測部の指定した場所に合わせる機構を設けることにより,異なる足長,足幅でも計測が可能とすることで解決する。
【0022】
本発明における第5の課題は,足圧変動計測部において,母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部からの圧変動を捉える圧変動計測器が,母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部に対応し相互に独立して圧変動をとらえることのできる構造,すなわち,母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部に独立した基板が設置され,そこに各々圧変動計測器が設置され,お互いの基板間での相互の圧力影響を効果的に遮断するダンプ領域が設置されている構造とすることで解決する。これにより正確な計測が行えるようなる。圧変動をとらえる方式には種々あるが,特に箔層型ひずみゲージ式圧力センサー(ロードセル)や圧電変化を計測する方式では周囲の力学的影響を排除することが重要になり,切れ込みや溝を設けて,基板間の物理的連結を遮断することで解決している。また,容量変化,電磁変化をとらえるセンサーを用いる場合は,静電的影響を排除することが重要となり,この場合は,前記切れ込みや溝に導電性シールを施すことで解決している。具体的には,切れ込みや溝部分及びセンサー上部や底部を箔層金属,導電性蒸着膜で覆うことや基板自体を導電性プラスチックでモールする方法で解決している。音調変化をとらえるセンサー方式では,切れ込みや溝にエラストマーポリマーを充てんし,力学的遮断とともに吸音効果を有効に使用することで解決している。色変化として計測する方式は,センサーの色調変化そのものは各センサー間で相互作用しないので,特に光に関する遮断の工夫は必要ないが,この場合でも本発明ではセンサー間の力学的相互作用の影響を排除する目的で前記切れ込みや溝等を設けることで母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部の圧変動を精度よく得る目的を解決している。
【発明の効果】
【0023】
本発明の効果として特記すべき第1の点は,加齢によるバランス能力の低下を感知し,被検者あるいは周囲の関係者が認識し,バランス感覚を補うあるいは訓練によりバランス感覚を高めることが,高齢者にとって転倒防止となり,さらに活動量が増えることでクオリティーオブライフを実現するにあたり重要な要素となることである。一般生活において容易にバランス能力を測定し,その結果を評価と行動指針を被検者等に伝える手段を提供する本発明は,社会の要請に合致するもので,本発明である足部バランス評価装置及び訓練器を社会に提供する意義がある。
【0024】
本発明の特記すべき第2の点は,専門家が近隣にいない状態,すなわち,家庭や小規模福祉施設,専門家が充足していない地域や福祉施設においても双方向通信を用いて実時間で立位バランス評価と指導が遠隔で感覚的に行える点にある。特に感覚的に行えることで遠隔での指導を受けやすくできるので,持続的に自分の体位に注意を払い,これを改善する上で効果がある。
【0025】
本発明の効果として特記すべき第3の点は,各被検者の足のサイズが異なることに起因する被検者の使い勝手の問題を帰結している点にある。足形のようなマーカや足裏が認識できる形状を用意することで計測に必要な母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部に各センサーを配置できるので,特段の注意を払うことなく装置の上に片足ないし両足を乗せるだけで,正確な足部バランスデータを得て,これに基づく評価が可能になる利点がある。
【0026】
本発明の効果として特記すべき第4の点は,各圧センサーの実装方法にある。各センサーを独立した基板に設置することで,圧センサー間の干渉を排除することができ,母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部からの信号を独立変数として測定できる効果があり,より正確な足圧変動データが得ることができる。したがって本発明によれば,足部バランス修正に必要な機能的で効果的な訓練を提供し,バランスの質的な改善方法を提供することが可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明の足部バランス評価装置及び訓練器の構成を示す図である。(課題を解決するための手段,実施例1)
【図2】図2は足圧変動データを得るための足圧変動計測部の構造を示す図である。(実施例1,実施例4)
【図3】図3は遠隔での指導訓練が可能な形態を示す図である。(実施例2)
【図4】図4は種々サイズの足に合わせるためのマーカを示す図である。(実施例3)
【図5】図5は足圧変動データをより正確に得るための足圧変動計測部の構造を示す図である。(実施例4)
【図6】図6は足圧変動データをより正確に得るための足圧変動計測部の他の構造を示す図である。(実施例4)
【図7】図7は実施例3記載の本発明の図6の足部バランス評価装置を用いて得られる各部位の圧変動の時間変化を示す図である。(実施例5)
【図8】図8は青年期と老年期の被検者で得られる足圧変動に関する周波数成分を示す図である。(実施例5)
【図9】図9は足部足圧と評価を表示する一例を示す図である。(実施例6)
【図10】図10は遠隔にて双方の足部足圧と体位を表示する一例を示す図である。(実施例6)
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施状態の一例に基づいて詳述する。
【実施例】
【0029】
(実施例1)
本足部バランス能力評価装置及び訓練器の1実施例は,構成を示す図1と足圧変動計測部のみを示す図2のように,足部圧変動計測装置部1と演算表示部2からなる。足圧変動計測部のみを示す図2では,両足のうち片足のみを詳しく書いているが,他方の足の各種説明も同様である。足部圧変動計測装置部1は,両足,または片足にて立位を取り,その被検者の足底20における母趾部4,母趾球部(内側足底隆起)5,小趾球部6,踵部下面7にそれぞれ接地されたひずみセンサー4’〜7’によって足部の圧変動を検知する圧変動計測部3を有する。演算表示部2は圧変動計測部3から出力される信号を増幅する信号増幅部8と,被検者の属性等の情報入力部9,及び信号増幅部8から出力された信号を演算,及び周波数解析する解析部10と,データベース11と比較し,足部バランス能力評価結果と結果から導いた訓練方法を選択する比較評価部12と,比較評価部12で得られた結果や,訓練の指示を行うディスプレー表示部13,計測中に被検者や周囲の人に計測情報や現在のバランス状態とその改善方法を実時間で知らせるスピーカー14からなる。実時間で知らせるのはスピーカー14の代わりにディスプレー表示部13を使用してもよいし,両者を併用してもよい。上記解析部10と比較評価部12は実質的に1台のCPUで,信号増幅部8と信号のやり取りができる外部パーソナルコンピューターでもよい。情報入力部9はキーボード,タッチパネル,マウス,等で構成されている。信号増幅部8は本実施例では演算表示部2と一体としているが,足部圧変動計測装置部1と一体でもよい。足部圧変動計測装置部1と一体とすることは,微弱の信号を扱う上で,ケーブルに依存するSN比低下を最小にできるので,ひずみセンサー4’〜7’に高精度なものを使用する場合に有効である。
【0030】
データベース11は,足部圧変動計測装置部1によって多数の健常及び機能障害を持った被検者の両足または片足立位時の足圧変動データ,並びにこの足圧変動計測から得られた足圧変動評価データを各被検者の属性情報と共に収録したもので,属性情報は,性別,年齢,氏名,身長,足部長,足部幅等で,足圧変動評価データとして母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部にかかる圧分布や,前足部(母趾球部と小趾球部)に対する後足部(踵部)の圧分布や,母趾球部,小趾球部の圧変動周波数解析や圧分布等の素データ,及び演算処理後のデータを収録する。データベースは,身長,体重などの属性により分類される標準化されたデータを有する。また,データベース11は比較評価部12を通して外部データベースないし外部演算装置と接続するポート15を持ち,同一被検者が異なる装置で測定したデータを共用できる,あるいは遠隔指導者が共有できる構成となっている。ポート15は有線,無線のいずれでもよい。また,ポートの代わりに記録媒体でもよい。
【0031】
なお,これら足圧変動評価データは,比較評価部12につながる足圧変動のデータ解析部10において圧変動計測部3で得られる足圧変動データを一定の演算式に基づいて定量評価することで得ている。また,属性情報は比較評価部12に接続した情報入力部9であるキーボード,あるいはタッチパネルを通じて得ている。
【0032】
(実施例2)
本実施例では,遠隔での指導訓練が可能な形態を実現する足部バランス能力評価装置及び訓練器を説明する。
【0033】
図3の足部の足部圧変動計測装置部1と演算表示部2は図1のそれらと同じ構造で被検者用である。足部圧変動計測装置部1−2と演算表示部2−2は被検者の足部バランス評価と指導を行う遠隔指導者用である。演算表示部2と演算表示部2―2はそれぞれポート15と15−2を介して双方向回線30で接続されている。動画撮像カメラ31と31−2は,それぞれ解析部10と10−2に動画画像を取り込む構造となっている。各カメラは,被検者32と遠隔指導者32−2を撮像する。ここで解析部10と10−2は足部圧変動計測装置部1と1−2からの足圧変動データを処理するだけではなく,取り込んだ被検者32と遠隔指導者32−2の画像を骨格図に加工する作業を行う。他の構成は実施例1と同じである。
【0034】
(実施例3)
足圧変動データを得るための足部圧変動計測装置部1の圧変動計測部3においては,計測面の材質は金属,もしくは樹脂等のひずみ計測可能な材質とし,さらに,図2に示すように母趾部4,母趾球部5,小趾球部6,踵部7の各ひずみセンサー4’〜7’の設置部位に足位置規定用の凹あるいは凸の24〜27を母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部に設けることで,各センサー4’〜7’に母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部が正しく接するようにしている。ここで凹と凸は足裏が感知できる程度で,計測の妨げにならない程度であればよく,凹は1〜5mmの深さのなだらかなお椀状で,凸は1〜5mmの板状平面が好ましい。また,両足,あるいは片足で計測するために左右対称で同じ形状で,両足または左右の片足を独立して計測できる形状が望ましい。ここでは,日本人の成人人体計測データベース非特許文献6記載の足データを参考に,ほとんどの成人日本人に対応できるようにあらかじめ凹あるいは凸が調整されており,異なる人体寸法の被検者でも同一機器で計測できる構造を有する。ここで,男子と女子では足サイズが異なるので両者を網羅するように配慮している。また,構造上,左右の計測部が独立している形状のため,両足の計測のみならず,片足のみでの計測が可能である。
【0035】
さらに図4では,圧変動計測部3に,測定時に立つ位置を指定するための足形のマーク37を設けていると共に,足圧変動計測で重要な,各部位の計測部位を合わせるために,母趾部を計測の基準点としたマーク38を有し,このマークに被検者の母趾を合わせると,いろいろな足長,及び足幅を有した被検者でも計測が可能となる。マーク38は基準であることを一目でわかるように他のマーク37とは色を変えることで強調している。この図では,図2で示した特記やへこみは省略している。なお、図4では右足部のマーカーしか表示していないが、左足部でも同様のマーカーを用いる。
【0036】
(実施例4)
本実施例は,実施例2の他の形態として,母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部の各ひずみセンサー4’〜7’設置部位に感度を向上させるための本発明の他の例を示すものである。図5において圧変動計測部3の各部のセンサー4’〜7’はそれぞれ母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部の情報を得るためのものであり,これらセンサーは各々独立した基板41〜44に設置されている。基板は,お互いが重ならないサイズを採用し,且各基板が少なくとも2mm以上離れていることを条件としている。さらに実施例2で示したように母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部の各部に対応するU字状の凹24〜27より大きめに基板が形成されており,これにより日本人成人のほとんどが足を乗せるだけで母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部に圧センサーが位置する構造となっている。さらに,各基板を独立させることにより,相互の干渉を排除することができ,各部位からの圧力情報を正確に測定できるようになっている。
【0037】
図6は実施例4の他の例を示す図で,センサーを配置した独立した基板を用いる代わりに,1枚の基板に切れ込み51〜54を入れることで各部位の圧力の影響を排除する構造となっている。ここで,左右のセンサー5’間に切れ込みがないのは,左右の足底が独立して十分離れており,相互の影響が少ないことが実験的にわかっているからである。これに比べ,同一足底に属する部分は面積が広く且隣接しているので各々を隔離する必要がある。このときの切れ込みの幅は2mm以上が望ましい。これ以下の場合は,接している足底がブリッジの役割をし,隣接部の圧力の影響を受けやすくなる。
【0038】
(実施例5)
本実施例では実施例4の図6で示した圧変動計測部の構造を持つ実施例1の足部圧変動計測装置部と演算表示部からなる足部バランス能力評価装置を用いて測定する足圧変動の経時変化例を図7に示す。図7中61〜64は片足に対応するそれぞれ母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部に接するセンサー4’〜7’から得られるそれぞれの圧変動の経時変化を表す。横軸縦軸ともに任意のスケールで示している。各圧変動には,種々周波数成分が含まれるので,その周波数成分解析を行うことで,各被検者の足圧変動の特徴をつかむことができる。このような周波数成分解析を一定時間20代青年期の多数被検者と70年代老年期の多数被検者で行うと,図8のような平均的周波数成分解析結果が得られる。図8では,母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部の4点データの内,母趾球部の圧変動の周波数成分解析の結果を示している。20代青年期群では周波数成分の中心81が0.3Hzから0.6Hzであり,明らかに青年期の被検者群は低周波成分が多く体の揺れが少ない。これに対して,老年期の被検者群では周波数成分の中心82が高周波側にシフトしており頻繁に足圧が変化していることがわかる。
【0039】
本実施例は加齢により,感覚器官の衰えと足の筋力の衰えから頻繁に体位を微調整する必要が出てくることがわかる。周波数成分を低周波側にシフトするような訓練あるいは,これ以上体が振動しないように日常からトレーニングすることの重要性を被検者が認識することは,その後のクオリティーオブライフを高める上で重要である。このような指針を本発明の足部バランス評価装置及び訓練器は,特別な操作やセンサーの体への装着なしで得ることができる。特に,体重計に乗るような手軽さでバランス測定ができるので,日常においてバランス測定と言う新しい概念の健康維持の手法を提供することになる。また,単に体の静的バランスを測定するにとどまらず,装置上での手足のストレッチの時のバランス測定やその場歩行を行うときのバランス測定にも応用でき,半ばゲーム感覚で体のバランス測定が可能になる利点もある。
【0040】
(実施例6)
本実施例では,足圧変動データの表示方法と指示訓練方法の例を示す。図9は母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部の4点の足圧を動的に示すとともに各部の足圧から総合的に判断する評価結果を指数として表している。母趾部圧91,母趾球部圧92,小趾球部圧93,踵部圧94は棒グラフ状で時間変化に対して棒グラフの高さが変化し,自分の足圧バランスの変動状態が感覚的にわかるようになっている。また,体全体のバランスが崩れるほどの足圧の偏りがある場合は,ある一定の閾値をあらかじめ設けてその範囲外では色を変化させて表示する機能を有する。また,全体の足圧バランスの表示としては点数表記95としているが,「よい」「ふつう」「わるい」程度の3段階でも被検者の健康に対する意識向上に役立つ。さらに,具体的なアドバイス96を表示することで,より被検者の足圧バランスの改善を容易としている。
【0041】
双方向通信で遠隔指導者が被検者の足圧バランス改善の指導をする場合の画面について図10を用いて説明するとともに,指導訓練法を説明する。ここで図10は被験者が見ているモニター13、および、遠隔指導者が別の場所にて見ているモニター13−2を示す。画面100には各足部足圧を表す。足圧を表す表示101は図9の棒グラフ状と同じである。図3の足部バランス評価改善のための遠隔指導を可能とするシステムの構成図と実施例2で示したように,遠隔指導用に足部圧変動計測装置部に加えて動画撮影用カメラ31,31−2がシステムに追加されている。被検者32及び遠隔指導者32−2はそれぞれ足部足圧変動計測装置部1,1−2に乗り,お互いの足圧変動と体位が確認できるようになっている。体位確認はモニター13と13−2上に映し出される体位確認の表示102で行う。被検者の体位103と遠隔指導者の体位104は色違いで表示されるが,身長や体型を規格化して同一人物のように表示される。ここで被検者の足圧バランスが崩れると,被検者の体位103と遠隔指導者の体位104に差異が現れる。その差異を矢印105で表わすことで,被検者は自分の足圧バランスが崩れていることを認識し,遠隔指導者に合わせようとする。遠隔指導者は画面ないし、マイクロフォン33−2を通じ、被検者側スピーカー14から、遠隔指導者の音声による指導と、遠隔指導者が実際に行う運動などによる指導を画面を通じてフィードバックできる内容となる。その際に、運動方向や力の入れ具合などを示す矢印105、もしくはグラフ表示、もしくは色の変化などの情報を表示して、運動指導を行う事ができる。
【0042】
本結果は,本発明の足圧バランス評価装置を用いると,足圧バランスやそれに連動する体位のバランス状態を正確にしかも可視的に得ることができるので,遠隔指導者の指導のもと,画面を見ながら練習することが可能となり,被検者の正しい足圧バランス,体位バランス,姿勢を導く訓練器として機能することを示している。また,被検者を正しい足圧バランス,体位バランス,姿勢へと導く訓練法となることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は特別な知識が無くても,また,特別な装置を装着せずに,乗るだけで体位のバランスを計測でき,しかもその内容をデータベースと照らし合わせて体の状態をその場で,実時間で示してくれるので,一人でもバランス修正を行うことができるメリットがある。いわば,体重計,血圧計,歩数計に続く第4の健康管理具を広く国民に発信することができる。また,双方向実時間通信により遠隔指導者である指導者の指導のもとでの足圧バランス訓練が可能となるので,指導者がその場にいなくても家庭での訓練が可能となる。また,指導者が充足していない小規模や遠隔地の福祉施設においても専門家の常駐なしに足圧バランス訓練が可能となる。このような特徴から本足部バランス評価装置及び訓練器及び訓練方法は,被検者の健康増進や運動の指導を可能とするユビキタス健康システムとして普及する可能性がある。本特許は実用化に際して特別な部品は一切必要なく,民生品での製品化が可能であり,低コストで国民に提供できる下地がある。また,装置システムが簡便にもかかわらず,簡単なアイデアで高精度なバランス測定が可能な本発明を用いる。これらを総合的に判断して製造メーカにとっても量産が可能なため,医療現場での使用のみならず,広く一般家庭での健康維持具としての利用が見込まれ,新しい製品分野を切り開くとともに産業として十分成立すると予想される。
【符号の説明】
【0044】
1,1−2 足部足圧変動計測装置部
2,2−2 演算表示部
3,3−2 圧変動計測部
4 母趾部,
5 母趾球部
6 小趾球部
7 踵部
4’,5’,6’,7’ ひずみセンサー
8 信号増幅部
9 属性情報入力部
10,10−2 解析部
11 データベース
12 比較評価部
13,13−2 ディスプレー表示部
14,14−2 スピーカー
15,15−2 外部接続ポート
20 足底
24,25,26,27 凹あるいは凸
30 双方向回線
31,31−2 カメラ
32,32−2 被検者
33,33−2 マイクロフォン
37,38 マーク
41,42,43,44 基板
51,52,53,54 切れ込み
61 母趾部で得られる圧変動の系時変化の一例
62 母趾球部で得られる圧変動の系時変化の一例
63 小趾球部で得られる圧変動の系時変化の一例
64 踵部で得られる圧変動の系時変化の一例
81 青年期被検者群の周波数成分の中心
82 老年期被検者群の周波数成分の中心
83 老年期被検者群の高周波数成分
91 母趾部圧棒グラフ
92 母趾球部圧棒グラフ
93 小趾球部圧棒グラフ
94 踵部圧棒グラフ
95 点数表示部
96 アドバイス表示部
100 画面
101 足圧を表す表示
102 体位確認の表示
103 被検者の体位
104 遠隔指導者の体位
105 体位の差異を表示する矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測器の上面に両足,または片足で立った被検者の母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部からの圧変動を捉える圧変動計測器を備えた足部足圧変動計測部と,圧変動計測器から得られる情報を処理して被検者特性を得る解析部と,解析される結果を保存し,個人間および他人との比較を可能とするデータベース部と,データベース部に蓄積した結果から導き出される個人に最適なプログラムされた訓練方法を表示する表示出力部からなることを特徴とする足部バランス能力評価装置及び訓練器。
【請求項2】
表示出力部は実時間結果をグラフ,または図表で表示する領域を有しており,計測後,個人の過去の計測値や属性の近い他者との比較が時間-圧変動グラフ,または部位-圧変動グラフ,時間周波数解析グラフなどを描画し,モニター部に出力させることを特徴とする請求項1の足部バランス能力評価装置,及び訓練器。
【請求項3】
データベース部は,圧変動計測部から得られる各部位ごとの圧変動を定量解析,及び周波数解析して得る被検者の評価データを蓄積し,表示出力部に表示することが可能な請求項1記載の足部バランス能力評価装置,及び訓練器。
【請求項4】
請求項1の足部足圧変動計測部において母趾部,母趾球部,小趾球部,踵部の圧変動を独立に効率的良く収集するために,金属または合成樹脂,または硬性の板に母趾部用,母趾球部用,小趾球部用,踵部用にそれぞれ切り込み,あるいは板厚の変更を加え,足底各部位の圧変動を捉えやすくした形状の足部バランス能力評価装置及び訓練器。
【請求項5】
足圧変動計測部の形状は,足長による影響を避けるため,及び計測における便宜性から,被検者の母趾部を計測部の指定した場所に合わせる機構を設けることにより,異なる足長,足幅でも計測が可能となる請求項1記載の足部バランス能力評価装置及び訓練器。
【請求項6】
母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部からの圧変動を捉える圧変動計測器が母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部に対応し相互に独立して圧変動をとらえることのできる構造であることを特徴とする足圧変動計測部を有する,請求項1記載の足部バランス能力評価装置及び訓練器。
【請求項7】
足圧変動計測部による計測結果から,音声ガイダンスあるいは表示装置のいずれかあるいは両方で被検者に適切な訓練方法を指示する機構を有する請求項1記載の足部バランス能力評価装置及び訓練器。
【請求項8】
1ないし複数の被検者と遠隔指導者すべてに,計測器の上面に両足,または片足で立った被検者の母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部からの圧変動を捉える圧変動計測器を備えた足部足圧変動計測部と,圧変動計測器から得られる足圧情報を処理して表示する表示出力部からなる被検者と遠隔指導者に対応する複数の足部バランス能力測定装置,被検者と遠隔指導者の足部バランス能力測定装置間を双方向通信でつなぐ手段,被検者と遠隔指導者の足圧変動測定データを相互に実時間で送信する機能,被検者と遠隔指導者の表示出力部に実時間で時々刻々変化する測定データを表示出力部に同時に表示する機能,被検者と遠隔指導者の測定データの差異を最小にするような指示表時を行う機能からなる足部バランス訓練器。
【請求項9】
被検者と遠隔指導者の足圧変動測定データを相互に実時間で送信する機能と,被検者と遠隔指導者の体位を実時間計測機能,実時間計測する形状の変化状況を被検者と遠隔指導者の表示出力部に重ね合わせて同時に表示する機能,被検者と遠隔指導者の足圧変動測定データと体位変化の差異を最小にするような指示表時を行う機能を有する足部バランス訓練器。
【請求項10】
被検者と遠隔指導者それぞれに,計測器の上面に両足,または片足で立った被検者の母趾部,母趾球部,小趾球部,及び踵部からの圧変動を捉える圧変動計測器を備えた足部足圧変動計測部と,圧変動計測器から得られる情報を処理して被検者特性を得る解析部と,解析される結果を保存し,個人間および他人との比較を可能とするデータベース部と,データベース部に蓄積した結果から導き出される個人に最適なプログラムされた訓練方法を表示する表示出力部からなることを特徴とする足部バランス訓練器を準備し,被験者と遠隔指導者の足部バランス能力訓練器間は双方向通信でつながれており,被検者と遠隔指導者が同時にそれぞれの足部バランス能力訓練器において足圧バランスの測定を行い,被検者と遠隔指導者の測定データを両者の表示出力部に実時間で同時に表示し,両者の測定データの差異を最小にするように被検者側が体位を動かす足部バランス訓練方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−176170(P2012−176170A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41293(P2011−41293)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(505106726)学校法人 栴檀学園 (4)
【Fターム(参考)】