説明

踏切制御装置

【課題】
踏切制御区間内に駅が存在する場合であっても、列車が駅に停車することによって生じる踏切警報時間の長期化や時間帯による踏切警報時間の変動を抑制し、踏切警報時間の適正化を図ることが出来る踏切制御装置を提供する。
【解決手段】
踏切制御装置1は、踏切制御区間として設定された駅3を含む特定区間7への列車5の進入を検知する列車検知部11と、列車5が前記特定区間7に進入してから踏切警報機及び踏切遮断機の少なくとも一方を作動させるまでの遅延時間を、当該列車5の前記駅3における停車時間に基づいて決定する遅延時間決定部12と、前記列車検知部11によって前記特定区間7への列車5の進入が検知されてから前記遅延時間決定部12によって決定された遅延時間が経過した後に、前記踏切警報機及び前記踏切遮断機の少なくとも一方の作動を開始させる踏切制御部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、踏切制御区間内への列車の進入に基づいて踏切警報機及び踏切遮断機の少なくとも一方を制御する踏切制御装置に関し、特に、前記踏切制御区間内に駅が存在する踏切制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
踏切警報機や踏切遮断機(以下、「踏切警報機等」という)を制御する従来技術として、例えば特許文献1に記載された踏切制御装置が知られている。この踏切制御装置は、列車の運行パターンにより警報開始点を変えるとともに各警報開始点を決定したときの運行パターンにより列車の速度を制御することによって、列車の実際の走行速度に最も適した踏切警報時間を決定しつつ、安全を確保した上で踏切警報時間の適正化を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−168383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術では、列車の運行パターンに即した運転曲線と所定の踏切警報時間と駅ごとに固有の標準停車時間から警報開始点を決定している。具体的には、運行パターンに応じた列車の許容最高速度で標準警報時間だけ走行した場合の踏切制御距離を算出し、算出した踏切制御距離と各軌道回路の列車進入側から踏切までの距離から警報開始点を決定する。
しかし、このような警報開始点の決定方法では、列車ごとに異なる駅停車時間が考慮されていないため、列車の駅での停車時間差が上記踏切制御距離に反映されていない。特に、ラッシュの時間帯には駅での停車時間が通常よりも長くなるため、踏切警報時間が時間帯によって変動したり、必要以上長くなったりするという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、踏切制御区間内に駅が存在する場合において、列車ごとの駅での停車時間を考慮することで踏切警報時間の長期化や時間帯による変動を抑制し、踏切警報時間の適正化を図ることが出来る踏切制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による踏切制御装置は、踏切制御区間への列車の進入に基づいて踏切警報機及び踏切遮断機の少なくとも一方を制御する踏切制御装置であって、前記踏切制御区間として設定された駅を含む特定区間への列車の進入を検知する列車検知部と、列車が前記特定区間に進入してから前記踏切警報機及び前記踏切遮断機の少なくとも一方を作動させるまでの遅延時間を、当該列車の前記駅における停車時間に基づいて決定する遅延時間決定部と、前記列車検知部によって前記特定区間への列車の進入が検知されてから前記遅延時間決定部によって決定された遅延時間が経過した後に、前記踏切警報機及び前記踏切遮断機の少なくとも一方の作動を開始させる踏切制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記踏切制御装置によれば、列車の駅での停車時間に基づき決定された遅延時間の分、踏切警報機等の作動開始を遅延させるため、踏切制御区間内に駅が存在する場合であっても列車が駅に停車することによって生じる踏切警報時間の長期化や時間帯による踏切警報時間の変動を抑制し、踏切警報時間の適正化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態による踏切制御装置が適用された軌道の一部を示す図である。
【図2】踏切制御装置によって実行される処理のフローチャートである。
【図3】図1に示す軌道の一部をより具体的に示す図である。
【図4】遅延時間テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による踏切制御装置1が適用された軌道2の一部を示している。図1において、軌道2上には、駅3と、踏切警報機等が設置された踏切4と、が存在しており、駅3をはさんで踏切4と反対側から列車5が駅3に向かって進行している。また、軌道2上を走行する全ての列車の運行は運行管理装置20によって管理されている。
踏切制御装置1は、軌道2上に設定された踏切制御区間7への列車5の進入及び踏切制御区間7からの列車5の進出に基づいて踏切4に設置された踏切警報機等を制御する。すなわち、踏切制御区間7の両端は、列車5の進行方向手前側からそれぞれ踏切警報機等の制御を開始するための制御開始点8及び踏切警報機等の制御を終了させるための制御終止点9として設定されている。また、本実施形態において、踏切制御区間7には駅3及び踏切4が含まれている。換言すれば、進行中の列車5から見て、駅3の手前に制御開始点8が設けられており、駅3の前方に位置する踏切4の先に制御終止点9が設けられている。ここで、踏切制御区間7に駅3が含まれるとは、駅3の構内線路の少なくとも一部が踏切制御区間7の内側に存在することを意味する。
【0010】
本実施形態において、踏切制御装置1は、踏切制御区間7への列車5の進入によって踏切警報機等の制御を開始するが、踏切制御区間7に列車5が進入すると直ちに踏切警報機等を作動させるのではなく、所定の遅延時間の経過を待ってから踏切警報機等の作動を開始させる。
図1に示すように、踏切制御装置1は、踏切制御区間7への列車5の進入を検知する第1列車検知部11と、上記所定の遅延時間を決定する遅延時間決定部12と、踏切制御区間7からの列車5の進出を検知する第2列車検知部13と、踏切4に設置された踏切警報機等を制御する踏切制御部14と、を備える。
【0011】
第1列車検知部11は、踏切制御区間7への列車5の進入を検知するために、例えば制御開始点8又はその近傍に設けられる。第1列車検知部11は、制御開始点8を列車5が通過して踏切制御区間7へ進入したことを検知すると、その列車検知情報(進入情報)を踏切制御部14へと出力する。第1列車検知部11は、踏切制御区間7への列車5の進入を検知出来るものであればよく、特に制限されないが、例えば軌道回路や踏切制御子を利用することが出来る。
【0012】
遅延時間決定部12は、列車5の駅3での停車時間に基づいて遅延時間を決定する。遅延時間とは、第1列車検知部11が踏切制御区間7への列車5の進入を検知してから踏切警報機等の作動を開始させるまでの時間である。遅延時間決定部12は、例えば、列車5の駅3での停車時間に所定時間を加算して遅延時間を決定することが出来る。停車時間に加算される所定時間は、時間帯によって異なる値としてもよく、駅ごとに異なる値であってもよい。
【0013】
具体的には、本実施形態における遅延時間決定部12は、軌道2上を走行する各列車の列車番号と、各列車の駅3における停車時間と、が対応付けられた停車時間テーブル121を有しており、運行管理装置20から次に踏切4を通過する列車、換言すれば、次に踏切制御区間7に進入する列車の列車番号が入力されるようになっている。そして、運行管理装置20から次に踏切制御区間7に進入する列車の列車番号が入力されると、停車時間テーブル121を参照して当該列車の停車時間を読み出し、この読み出した停車時間に上記所定時間を加算して遅延時間を決定する。このように、運行管理装置20から踏切制御区間7に進入する列車の列車番号を入力し、入力された列車番号によって特定される停車時間に基づいて遅延時間を決定することにより、遅延時間の決定が容易であるとともに、列車が踏切制御区間7に進入する前に遅延時間を決定出来るので、安全かつ正確な踏切制御が可能となる。
【0014】
また、遅延時間決定部12は、上記停車時間テーブル121に代えて、駅3を通過する各列車の列車番号と、各列車の駅3における停車時間に基づき設定された遅延時間と、が対応付けられている遅延時間テーブルを有してもよい。この場合、運行管理装置20から次に踏切制御区間7に進入する列車の列車番号が入力されると直ちに遅延時間を決定出来るので、更に便宜である。なお、列車番号は、列車運行管理装置20からではなく、自動列車停止装置等の車上装置から地上装置を介して入力されてもよい。遅延時間決定部12で決定された遅延時間は踏切制御部14に出力される。
【0015】
第2列車検知部13は、踏切制御区間7からの列車5の進出を検知するために、例えば制御開始点8又はその近傍に設けられる。第2列車検知部13は、踏切制御区間7に進入した列車5が制御開始点8を通過して踏切制御区間7から進出したことを検知すると、その列車検知情報(進出情報)を踏切制御部14へと出力する。第2列車検知部13は、踏切制御区間7からの列車5の進出を検知出来るものであればよく、第1列車検知部11と同様、例えば、軌道回路や踏切制御子を利用することが出来る。
【0016】
踏切制御部14は、第1列車検知部11、遅延時間決定部12及び第2列車検知部13から入力される情報に基づいて踏切4に設置された踏切警報機等を制御する。具体的には、踏切制御部14は、第1列車検知部11から列車検知情報(進入情報)が入力されると遅延時間決定部12から入力された遅延時間の経過を待って踏切警報機等の作動を開始させ、その後、第2列車検知部13から列車検知情報(進出情報)が入力されると踏切警報機等の作動を停止させる。
【0017】
図2は、踏切制御装置1によって実行される処理のフローチャートである。このフローチャートは、次に踏切4を通過する列車、すなわち、これから踏切制御区間7に進入してくる列車5の列車番号が入力されると開始される。列車番号は、例えば運行管理装置20から入力される。運行管理装置20は、軌道2上を走行する全列車の運行状況を集中管理しており、軌道2上の各列車の列車番号及び位置情報を把握している。そのため、次に踏切4を通過する列車5の列車番号を、該列車5が踏切制御区間7に進入する前に特定して遅延時間決定部12に出力することが出来る。但し、これに限るものではなく、列車番号は、自動列車停止装置等の車上装置から、地上装置を介して直接入力されてもよい。この場合も、列車の列車番号を該列車が踏切制御区間7に進入する前に取得できるように構成することが好ましい。
【0018】
図2において、ステップ1では、遅延時間を決定する。遅延時間は、入力された列車番号によって特定される当該列車の駅3での停車時間に基づいて遅延時間決定部12によって決定される。具体的には、上述したように、遅延時間決定部12は停車時間テーブル121を有しているから、入力された列車番号(ここでは列車5の列車番号)から当該列車の駅3での停車時間を求め、この求めた停車時間に予め設定された所定時間を加算することによって遅延時間を決定する。停車時間に加算される所定時間は基本的には一定値として設定されているが、例えばラッシュの時間帯で加算される所定時間をそれ以外の時間帯で加算される所定時間よりも長くするなど、時間帯によって異なる値としてもよい。また、駅ごとに異なる値としてもよい。
なお、遅延時間決定部12が、停車時間テーブル121に代えて遅延時間テーブルを有している場合には、この遅延時間テーブルを参照することにより、入力された列車番号から直ちに遅延時間を設定することが出来る。
【0019】
ここで、停車時間テーブル121(又は遅延時間テーブル)は、記録されている列車番号に対する停車時間(遅延時間)を、実際の列車の運行状況に応じて随時変更可能に構成されてもよい。例えば、遅延時間決定部12が、適宜、運行管理装置20から実際の列車の運行状況を入力し、予め設定された列車番号に対応する駅3での停車時間や遅延時間を、この入力した実際の列車の運行状況に応じて変更するようにしてもよい。これにより、例えば事故や信号故障等で列車のダイヤが乱れた場合であっても、ダイヤの乱れにあわせて適当に設定しなおされた停車時間(遅延時間)が停車時間テーブル121(遅延時間テーブル)に記録され、遅延時間決定部12は、ダイヤの乱れなどの偶発的な運行状況の変化があった場合でも、実際の運行状況にあわせた遅延時間を決定することが可能となる。
【0020】
ステップ2では、列車5が踏切制御区間7に進入したか否か、すなわち、第1列車検知部11が踏切制御区間7への列車5の進入を検知したか否かを判断する。そして、第1列車検知部11が踏切制御区間7への列車5の進入を検知するとステップ3に進む。なお、第1列車検知部11が踏切制御区間7への列車5の進入を検知すると列車検知情報(進入情報)が踏切制御部14に入力され、踏切制御部14は速やかに時間のカウントを開始する。
【0021】
ステップ3では、列車5が踏切制御区間7に進入してから上記遅延時間が経過したか否かを判断する。そして遅延時間が経過するのを待ってステップ4に進む。
【0022】
ステップ4では、踏切警報機等を作動させて警報を開始する。例えば、踏切制御部14が駆動信号を踏切警報機等に出力することにより、踏切警報機等の作動を開始させる。
【0023】
ステップ5では、列車5が踏切制御区間7から進出したか否か、すなわち、第2列車検知部13が踏切制御区間7からの列車5の進出を検知したか否かを判断する。そして、第2列車検知部13が踏切制御区間7からの列車5の進出を検知するとステップ6に進む。なお、第2列車検知部13が踏切制御区間7からの列車5の進出を検知すると列車検知情報(進出情報)が踏切制御部14に入力される。
【0024】
ステップ6では、踏切警報機等の作動を終了させて警報を終了する。例えば、踏切制御部14が駆動信号の踏切警報機等への出力を停止するか駆動停止信号を踏切警報機等に出力することにより、踏切警報機等の作動を停止させる。
【0025】
以上のように、本実施形態による踏切制御装置1は、次に踏切4を通過する列車、すなわち、次に踏切制御区間7に進入する列車5の列車番号が入力されると、遅延時間決定部12が当該列車5の駅3での停車時間に基づいて遅延時間を決定し、第1列車検知部11が踏切制御区間7への列車5の進入を検知してから上記遅延時間が経過した後に、踏切制御部14が踏切4に設置された踏切警報機等の作動を開始させる。
【0026】
ここで、遅延時間決定部12は、次に踏切制御区間7に進入する列車の駅3での停車時間に所定時間を加算して上記遅延時間を決定しており、踏切制御区間7内の駅3での停車時間が長い場合には長い遅延時間が決定され、列車の停車時間が短い場合には短い遅延時間が決定される。これにより、列車が駅3に停車することによって生じる踏切警報時間の長期化(特にラッシュの時間帯における踏切警報時間の長期化)や時間帯による踏切警報時間の変動が抑制され、踏切警報時間を適正化することが可能である。
【0027】
次に、図3及び図4を用いて本実施形態における踏切制御装置1による処理の具体例を説明する。ここでは、遅延時間決定部12が遅延時間テーブルを用いて遅延時間を設定する場合を説明する。図3は、図1に示す軌道2の一部をより具体的に示した図であり、図4は、踏切制御装置1の遅延時間決定部12が有する遅延時間テーブルの一例を示している。この遅延時間テーブルに記録されている遅延時間は、各列車の駅3での停車時間に所定時間N(一定)が加算されたものである。
【0028】
軌道2は、複数の区間に区分けされ、各区間に当該区間に列車が存在するか否かを検知する軌道回路が設けられている。図3に示すように、ここでは図1に示す軌道2の一部が、区間670T、685T、700T及び712Tによって構成されているものとする。そして、区間670Tに踏切4が、区間685Tに駅3が設けられており、これら区間670T及び685Tが踏切制御区間7として設定されている。列車5は、区間712Tを駅3に向かって走行中であり、区間685Tにおける列車5の進行方向手前側端部が制御開始点8、区間670Tにおける列車5の進行方向奥側端部が制御終止点9となっている。すなわち、区間685Tに設けられた軌道回路が第1列車検知部11として機能し、区間670Tに設けられた軌道回路が第2列車検知部13として機能する。
【0029】
列車5は次に踏切4を通過する列車であり、この列車5が駅3に近づいてくると遅延時間決定部12には、例えば運行管理装置20から列車5の列車番号が入力される。そして遅延時間決定部12は、入力された列車番号に基づき遅延時間テーブルを参照して遅延時間を決定する。ここで、列車5の列車番号が1005である場合には遅延時間決定部12は、列車5の駅3での停車時間(例えば30秒)に所定時間(例えば10秒)が加算された40秒を遅延時間として決定し、決定した遅延時間を速やかに踏切制御部14に出力する。
【0030】
その後、列車5が制御開始点8を通過すると、区間685Tに設けられた軌道回路によって、列車5が区間685Tに進入したこと、すなわち踏切制御区間7に進入したことが検知され、踏切制御部14にはその列車検知情報(進入情報)が入力される。踏切制御部14は列車検知情報が入力されると時間カウントを開始し、40秒のカウントが終了すると、踏切警報機等を作動させて警報を開始させる。
【0031】
その後、列車5が制御終止点9を通過すると、区間670Tに設けられた軌道回路によって、列車5が区間670Tから進出したこと、すなわち踏切制御区間7から進出したことが検知され、踏切制御部14にはその列車検知情報(進出情報)が入力される。踏切制御部14は列車検知情報が入力されると、踏切警報機等の作動を停止させる。
【0032】
なお、次に踏切4を通過する列車の列車番号が1001,1007である場合には、遅延時間決定部12は当該列車の駅3での停車時間(20秒)に所定時間(10秒)が加算された30秒を遅延時間として決定し、次に踏切4を通過する列車の列車番号が1003である場合には、遅延時間決定部12は当該列車の駅3での停車時間(50秒)に所定時間(10秒)が加算された60秒を遅延時間として決定する(図4を参照)。
【0033】
以上のとおり、本実施形態による踏切制御装置1によれば、列車5の駅3における停車時間に応じて決定される遅延時間の分、踏切警報機等の作動を遅延させるため、踏切制御区間7に列車5の停車駅3が含まれる場合であっても、踏切警報時間の長期化や時間帯による変動を抑制し、踏切警報時間の適正化を図ることが出来る。
【0034】
なお、以上では列車5が駅3に停車する場合について説明したが、列車5の種別が急行や特急であって駅3に停車しない場合であっても、例えば、停車時間を0秒やその他の適当な値として遅延時間を決定したり、列車の種別に応じて制御開始点8の位置をずらしたりすることによって、踏切警報時間を適正化することが可能である。ここで、列車の種別に応じて制御開始点8の位置を変更する場合には、例えば、運行管理装置20から入力された列車番号に応じて、第1列車検知部11として機能する軌道回路を区間685Tに設けられた軌道回路から区間700Tに設けられた軌道回路に変更するように構成すればよい。
【符号の説明】
【0035】
1:踏切制御装置
2:軌道
3:駅
4:踏切
5:列車
7:踏切制御区間
8:制御開始点
9:制御終止点
11:第1列車検知部
12:遅延時間決定部
13:第2列車検知部
14:踏切制御部
20:運行管理装置
121:停車時間テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏切制御区間への列車の進入に基づいて踏切警報機及び踏切遮断機の少なくとも一方を制御する踏切制御装置であって、
前記踏切制御区間として設定された駅を含む特定区間への列車の進入を検知する列車検知部と、
列車が前記特定区間に進入してから前記踏切警報機及び前記踏切遮断機の少なくとも一方を作動させるまでの遅延時間を、当該列車の前記駅における停車時間に基づいて決定する遅延時間決定部と、
前記列車検知部によって前記特定区間への列車の進入が検知されてから前記遅延時間決定部によって決定された遅延時間が経過した後に、前記踏切警報機及び前記踏切遮断機の少なくとも一方の作動を開始させる踏切制御部と、
を備える、踏切制御装置。
【請求項2】
前記遅延時間決定部は、列車の運行を管理する列車運行管理装置から前記特定区間内に進入する列車の列車番号を入力し、この入力した列車番号によって特定される前記列車の前記駅における停車時間に基づいて前記遅延時間を決定する、請求項1に記載の踏切制御装置。
【請求項3】
前記遅延時間決定部は、前記列車番号と前記遅延時間とが対応して記録された遅延時間テーブルを有し、この遅延時間テーブルを参照することにより前記遅延時間を決定する、請求項2に記載の踏切制御装置。
【請求項4】
前記遅延時間は、前記列車の前記駅における停車時間に所定時間が加算されたものである、請求項1〜3のいずれか1つに記載の踏切制御装置。
【請求項5】
踏切制御区間への列車の進入に基づいて踏切警報機及び踏切遮断機の少なくとも一方を制御する踏切制御装置であって、
前記踏切制御区間に列車が進入してから前記踏切警報機及び前記踏切遮断機の少なくとも一方を作動させるまでの時間を、当該列車の前記駅における停車時間に応じて変化させる、踏切制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−66757(P2012−66757A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214798(P2010−214798)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】