説明

身体の機能および状態の電気的測定のための装置およびプロセス

インピーダンス測定に基づいた、人体空間と共に、心臓および血管の機能の測定のために使用される電気装置。体表面積を取得するために、電極の位置、身体体積、および電極間にあるセグメントの体積が、非接触測定装置を用いて測定される。人体のセグメントの合計の身体体積を取得することで、電気的に測定されたパラメータの解釈が改善される。このことは、略円柱状のセグメントの1つ以上において、これらの電気的測定が複数周波数および複数方向(例えば長さ方向と横方向)で実行された場合に特に当てはまる。これにより、肺水分、腹部および四肢の水蓄積、一回心拍出量、駆出率などの心機能、四肢の動脈および静脈の血流障害を、適切な正確さで認識することができる。この新規の方法は、追加の時間またはスタッフを必要とすることなく、従来のECGと同時に実行することができ、結果を視覚的に表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の機能および状態の電気的測定のための装置およびプロセスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一世紀にわたり、毎年何百万人の患者で、心臓の電気的活動がECGの形で記録されている。本特許出願では、かなりの追加の作業と費用を必要とすることなく、同じ時間で、同じスタッフにより、心臓の機械的活動(機能)、四肢の動脈および静脈の血流量の完全な記録、身体組成の画像、個々のコンパートメント(空間)における流体の定量化、このため、生体ホメオスタシスの非常に正確なイメージを、非常に廉価な装置を使用して、同時に得ることができることを示す。これが、かなりの追加の時間的および金銭的なコストをかけずに、日常的に可能となれば、この新しい機能および空間ECGは、従来の純粋に電気式のECGに取って代わるであろう。
【特許文献1】欧州特許第1377212号明細書
【特許文献2】米国特許第4450527号明細書
【特許文献3】国際特許出願第PCT/AT03/00302号
【非特許文献1】「流体投与および血液動態の補助の技術は、重篤な患者の治療において最も難しい側面の1つである」、E. W. Ely & G. R. Bernard, Transfusions in critically illpatients, editorial NEJM 340:467-468,1999
【非特許文献2】ChioleroRL et al. Intensive Care Med. 1992: 18 (6) 322-6
【非特許文献3】RoosAN et al Critical Care Med. 1993, June 21 (6), 871-7
【非特許文献4】KUBICEK,W.G., I.N.KARNEGIS, R.P. PATTERSON, D.A. WITSOE, R.H. MATTSON: Development andevaluation of an impedance cardiac output system. Aerospace Medicine 37, 1208 -1212 (1966);KUBICEK,W.G., F.J. KOTTE, M.U. RAMOS, R.P. PATTERSON, D.A. WITSOE, J.W. LA BREE, W.REMOLE, T.E. LAYMAN, H. SCHOENING, D. SMITH: The minnesota impedance cardiograph- theory and applications. Biomed. Eng., 9, 410 - 416, (1974)2
【非特許文献5】SRAMEK,B: Noninvasive technique for measurement of cardiac output by means ofelectrical impedance. Proceedings of the Vth ICEBI Tokyo, (1981);Sramek, B.Bo, D.M. Rose, A.Miyamoto: Stroke volume equation with a linear base impedance model and itsaccuracy, as compared to thermodilution and magnetic flow meter techniques inhumans and animals. Proceedings of the VIth ICEBI, Zadar, Yugoslavia,S. 38 (1983)
【非特許文献6】SkrabalF et al. Europ J Heart Failure Multisite Frequency Electromechanocardiographyfor the prediction of ejection fraction and stroke volume in heart failure 7:974-83, 2005
【非特許文献7】CohnJN et al. Hypertension 26: 503-508, 1995
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
疾患、特に重篤な患者の治療における未解決の主な問題の1つに、身体組成および血液動態の補助の流体状態を診断することがある。(非特許文献1からの引用。)治療を進めるために、例えば脱水、水分過多、細胞外体積の損失、胸腔内の流体量、腹水、細胞内体積などを日常的に評価する簡便な方法が存在しない。このため、医師は、皮膚の膨張、眼球のトーンなどのような、非常に古典的で、ほとんど信頼性のない兆候に未だに頼っている。大静脈の直径を測定する超音波法は、ほとんど信頼性がなく、多くの例では、中心静脈圧を測定するためにカテーテルを大静脈に挿入する必要がある。また、この中心静脈圧の侵襲的測定は、特に心疾患の患者においては、流体投与の要否の評価には、ほとんど信頼性がない。単純なインピーダンス測定のような他の方法も、重篤な患者を管理できないことが示されている。2005年7月の時点で、「インピーダンス」、「細胞外流体体積」、「集中治療」の用語を使用して最新のMedlineをサーチすると、個々の用語では1,000以上の引用があるものの、複合検索は1件もヒットせず、インピーダンス測定は、集中治療室では日常的に使用されていない。「除脂肪体重」(インピーダンス測定による体内水分と体脂肪)の推定には、これまでは、体重、身長、年齢、および性別を考慮する必要があり、これらのパラメータの推定式で使用される。これらの推定パラメータを含める目的は、その後、部分体積を「推定」できるように、身体の絶対体積を推定することにある。集中治療患者または心臓疾患および腎臓疾患の患者では、推定では十分でなく、少なくとも1リットル、可能であればそれ以上の精度で、部分体積を正確に検出する必要がある。ところが、このような患者は寝たきりであるため、身長および体重を測定することは多くの場合不可能で、困難である。また、インピーダンスを使用して求めた測定変数は、繰返し測定を行うと、同一患者で最大10%ばらついてしまう。マルチ周波数のインピーダンス測定に基づいて急性の重症の外科手術患者の流体状態の変化を評価する試みにより、この方法は、患者群では顕著な結果が得られたが、個々の患者には適さなかったことが示された。これは、実際の流体変化とインピーダンスの結果との間に負相関と正相関がみられるためである(非特許文献2)。別の研究により、バイオインピーダンスでは、体液平衡の変化は、体重差が3kg(したがって3リットル)を越える場合にしか認められないことが示された(非特許文献3)。
【0004】
医学では、心臓の機械的活動の測定が必要なことが多い。このため、カラードップラーの有無を問わない心エコー検査法などの別のプロセスおよび装置を使用して、収縮力、変力作用(inotropy)、ならびに収縮性および駆出率が測定される。更に、1回の心拍動で心臓から駆出される血液量、一回心拍出量、および他の血液動態のパラメータが測定されることが多い。これと心拍数から、心拍数、心拍出量を計算することができる。前述のパラメータから心臓の機能を得ることができ、心疾患の診断を行って、新しい生理学的知見を得ることができる。しかし、集中治療室にいるか、または心エコー検査法による麻酔中の重症心疾患患者の監視は、検査者の常駐を要するため、実際的ではない。この問題の重要性のため、医学において、心拍出量(CO)の測定のための方法がほかにも複数ある。例えば、カテーテルを肺動脈および/または大動脈に挿入して、温または冷の食塩水またはリチウムなどである指示物質を使用して、前述の指示物質の濃度低下から、フィックの原理により心拍出量が測定される。この方法の不都合は、人の血管にカテーテルを挿入することであり、出血および感染などの合併症のおそれがある。
【0005】
近年、呼気中のガスの濃度の測定によっても、心拍出量の測定にフィックの原理を用いることが試みられている。これが可能であるのは、血液と吸気間で急速なガスの交換が行われ、この結果、この両媒体の濃度が事実上等しくなるためである。あるガスが吸気に混合されると、その濃度が血中でも上昇し、ガスの投与が終わると、このガスの血中と更に呼気中の濃度も低下する。このため、ガスの濃度の経時の低下から、フィックの原理に従って心拍出量を測定することができる。特に好適であることがわかっている一方法に、患者の気道にループを入れ、患者に、一定時間、自分の呼気を呼吸させて、血中のCO濃度を上昇させるCOの再呼吸がある。この方法の不都合は、患者がマウスピースをはめて、吸気中および血中のガスの濃度を一定にするために、呼吸をできるだけ一定に保たなければならない点にある。このため、この方法および装置は、呼吸体積と呼吸回数が一定に保たれる全身麻酔中に主に使用される。別のプロセスおよび装置としては、COの代わりに、血液と急速に平衡し、心拍出量の測定に使用される不活性ガスの混合物を吸入させる同様の方法を使用するものがある。
【0006】
他のプロセスおよび装置として、末梢血管で記録される脈波から、一回心拍出量やほかの血液動態のパラメータを測定するものがある。一回心拍出量および他の血液動態のパラメータは、脈波の波形の変化によっても変化し、このため、一回心拍出量および他の血液動態のパラメータの変化を、伝達関数から間接的に推定することができる。この方法は、前述のプロセスおよび装置のいずれかによって、最初に一度較正する必要があり、この方法の精度は十分ではない。他の方法としては、耳または指の毛細血管での指示物質(インディゴグリーンなど)の経皮的測定があり、これはフィックの原理の精度を顕著に低下させる。
【0007】
他の方法に、インピーダンスカルジオグラフィ(ICG)がある。この方法では、胸部に一定の交流電流界を印加する。この交流電流界によって生じる交流電圧の変化が、胸部における流体量の変化を示す。精度をより高めるために、この方法によって交流抵抗(インピーダンス)が測定され、これは胸部流体量の変化を示す指標である。胸部の流体量の変化は、1回の鼓動で駆出される血液の体積を示す指標である。一回心拍出量と他の血液動態のパラメータ(SV)、および心拍数(HR)から、心拍出量を(CO=SV×HR)と計算することができる。現在でも使用されているインピーダンスカルジオグラフィの主な問題は、マニホールドである。鼓動に伴う胸部内の流体量の変化の解釈が可能となるためには、最初に、胸部内の正確な流体量がわかっていなければならないが、この測定は、従来、インピーダンス測定では非常に不正確であった。更に、流体の移動(すなわち、大動脈への流体移動、肺動脈への流体移動、肺血管内の血液の移動など)のうちのいずれが、鼓動に伴うインピーダンス信号の変化を生じさせるかについて、従来、ほとんど知られていなかった。
【0008】
通常、ICGでは、体に電流を通す一対の電極が、上下の胸腔に配置される。この電極対内には、発生する交流電圧を測定するための別の電極対が配置されている。このため、電極間距離は胸部の長さによって決まり、以下の説明では、これを、電極距離と呼ぶ。従来、ECG電極と同様の円形電極またはスポット電極は、この目的のために使用されてきた。「Medizinische Elektrode(Fortin J, Nessler B, Nessler W, Skrabal F: "Medizinische
Elektrode", A 392/2001, KL. A61B、2001年3月13日出願の特許文献1)」という特許出願では、電極の新しい配列が記載されている。この配列では、同じ膜上の短い距離を挟んで、2つの平行なバンド電極が配置され、この距離は、共通の支持膜によって正確かつ再現可能に与えられる。共通膜上に配置されているこれらの平行なバンド電極の一方は、測定電流の印加に使用され、もう一方の平行なバンド電極は、測定電圧の分散のために提供される。上の電極対は、例えば首に配置され、下の電極対は、下部胸腔の左側と右側に配置されうる。電極のこの設置は、以前使用されていた円形電極と比べても、またSRAMEKの特許文献2(Sramek B: "Noninvasive
Continuous Cardiac Output -Anzeige-Monitor",1984年5月22日)に記載されているスポット電極よりも、結果の再現性が高い。
【0009】
記載したインピーダンス手順および装置の不都合は、結果がそれぞれKUBICEK式(非特許文献4)、またはSRAMEK式(非特許文献5)に従って計算されたということであった。これらは、いずれも、人体について顕著に単純化した仮説から得られたものであった。前者では、電極距離が体表面積として測定され、後者では身長が使用される。これらの仮定は限られた範囲でしか正しくなく、このため、一回心拍出量、他の血液動態のパラメータ、および心拍出量の計算でかなりの誤差が生じる。第一に、一回心拍出量の低い心疾患では、式に体重および身長を含めると、正常値へのかたよりが生じるため、一回心拍出量が過大に推定されてしまう。(非特許文献6)近年、インピーダンス法は、一回心拍出量の推定式中に、身長だけでなく体重も使用することにより、更に改善されている。いいかえると、結果が、体の大きさによって主に推測されるということになる。実際、健康体の心拍出量は、正確な仕立て上がりのスーツのように体の大きさに一致するため、健常者では、フィックの原理のような「最も有用であると広く認められているゴールドスタンダード」の方法で許容可能な一致が得られる。しかし、何の測定も行わずに、体重、身長、性別、および年齢(代謝的に活性なボディマスを示す指標)から、極めて正確に推定することができる健常者の心拍出量は関心を持たれない(非特許文献7)。心不全では、心臓の機能は、身長および体重から決定することができず、罹患した心筋細胞の数で決定されるため、心拍出量が正常値から外れている場合には、このプロセスの有用性が同時に低下する。特許文献3には、インピーダンスカルジオグラフィのための新しいプロセスおよび機器が記載されており、同出願では、複数位置およびマルチ周波数の測定により、インピーダンスカルジオグラフィの改善が得られている。特に、この手順では、人体の本質的に同じセグメントが、わずかに異なる2種類の長さで測定される。特に、「有効長さ」を計算することができ、これは、一回心拍出量および駆出率の推定を、「ゴールドスタンダード」の方法によって測定したものと比べて改善させる。この方法は、マルチ周波数電気機械式カルジオグラフィ(msfELMC)と名付けられた。この方法を更に改良したものが、人の形状についての仮定を立てる必要がなく、かつモデルを作成せず、これらに代わって、「ブラックボックス手法」において、電気的に測定されたパラメータのみを推定式で使用する方法である。この方法は、部分回帰分析において、統計的に有意かつ臨床的に重要な方法で推定に寄与することが示されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願では、心臓の機能および人体空間の測定のための新しい方法、いわゆる機能および空間(FS)ECGについて記載する。特に本願では、以下の特許出願が考慮されており、これらについて説明する。米国特許第6015393号明細書(Hovland)は、陰茎の勃起の測定のための方法を記載しており、陰茎および陰茎の小さなセグメントの全長の測定が個々に行われているが、この特許出願では、総陰茎長が、2つのわずかに異なる測定距離において測定されていない。米国特許第6339722号明細書(Heethaar)では、細胞内水分/細胞外水分の分布を得るために胸部のインピーダンスが、2度目に、胸部の別の場所で測定される。独国特許出願公開第10249863号明細書(Beise)では、ICGと脈波の測定によって、血圧を連続的に測定しようと試みている。同様の手法が、欧州特許出願公開第1344489号明細書(Medero)および欧州特許第1344489号明細書(Medero)に記載されている。脈波速度の変化から血圧を連続的に測定するために、胸部の複数の異なる場所において、前者ではパルスオキシメータが、後者ではインピーダンス測定が使用されている。米国特許第5642734号明細書(Rubens)および米国特許第5526808号明細書では、指の同じ体セグメントが、2種類の別の周波数で測定され、これからヘマトクリット値が計算される。人体に挿入される複数の電極は、腸の蠕動の測定については米国特許第5109870号明細書(Silny)に、心臓に電極を挿入して行う心拍出量の測定については米国特許第4951682号明細書(Petre)に記載されている。COの計算のためのニューロンネットワークの訓練は、米国特許第6186955号明細書(Baura)に記載されている。このネットワークは、個々の患者に対する訓練のために、組み込みの構成要素として訓練セットを有していなければならず、当然、ゴールドスタンダードの測定も基準として含んでいなければならない。ネットワークを、個々の患者に対して有効なように、すべての患者について一般化することができないため、これが必要なことは明白である。
【0011】
本願では、人体およびその区域内の流体ならびに流体の移動の測定のためのシステムについて記載する。このシステムは、医師の立ち会いなしで、個々の患者についての学習フェーズを必要とすることなく、体区画、血行力学、および体内の流体移動の完全かつ自動的な分析を可能にする。なかでも、同じ操作手順で、時間のロスなく、追加コストを必要とせずに、機能および空間(FS)ECGを用いて、完全な流体および血液動態の分析を得るために、このプロセスおよび装置を、例えばマルチチャネルECGと組み合わせることを意図している。医師は、電気的な値だけではなく、ホメオスタシスおよび血液動態の障害について診断する報告を受け取る。この分析に含まれるのは、なかでも、筋肉質量、脂肪質量、細胞外体積、細胞内水分量、脚浮腫の程度、腹部内の流体の蓄積(腹水)、胸部内の流体の蓄積(肺水腫)、細胞外および胸腔内の流体体積、片側限局化を伴う胸水、片側限局化を伴う脚の動脈の血流障害、片側限局化を伴う静脈の血栓症または静脈不全、駆出率(EF)、一回心拍出量(SV)、CO、心不全クラスNYHA I〜IV、ナトリウム利尿ペプチド(例えばPRO-BNP)の推定レベル、前負荷および後負荷、血管の弾性、大血管および小血管の伸展性、増大指数、血圧、末梢抵抗、圧受容体反射感受性、自律神経系のトーン、心臓の前負荷、心イベントの確率のような心血管系の予後、ヘマトクリット値、血清ナトリウム濃度などである。
【0012】
この装置は、心臓の電気的機能のほかに、その最も重要な機能(すなわち、体のホメオスタシス維持と、脈動ポンプとしての機能)を初めて含むものであるため、機能および空間(FS)ECGと命名された。個々の状況について、心臓の機械的機能が最適である限り、心臓の電気的機能が関心を集めることはないため、「最も重要な機能」は正しい文言である。過去1世紀にわたり、心臓の電気的機能の診断で満足しなければならなかったのは、心臓の機械的活動を、同じ手順によって評価することができなかったためである。
【0013】
この装置は、当然、患者の連続的な診断のために中程度病床および集中治療室において、心血管薬の投薬患者の管理のため、および流体管理のために使用することができ、各一般医療の部門の一部にも少なくとも好適である。
【0014】
医師および患者によって受け入れられるには、以下の複数の必要条件を満足しなければならない。
1.検査を、労力をかけずに検査を迅速に行わなければならない場合、ECGのように、習慣的かつ日常的に使用される方法と同じ手順で行われるのが理想的である。医療スタッフの労働時間が医療における最も大きなコスト要因であり、有益な方法のなかには、追加のスタッフが必要であるという理由から、日常的に採用されていないものもあるため、これは必須であると思われる。実用性のため、使用する電極の数を最小限に減らす必要がある。
2.この方法に関する情報は、大きな実際的な医学的関心を集めるものでなければならず、日常生活で使用されるためには、手順が単純であるにも関わらず、非常に正確であり、容易に再現可能でなければならない。
【0015】
ここに記載の出願では、これが、7〜9つの二重電極または三重電極(ECGよりも少ない)のみで、上記パラメータを正確に得るための、身体体積およびそのセグメントの体積の非接触の測定と同時に可能である。
【0016】
本発明によれば、これらの利点は、電気的パラメータの診断中に、被験体の非接触の三次元画像が、同時に、かつ患者に気づかれずに生成され、これを用いて、全身と、同時にそのセグメントの実際の体積が計算することができるという点で達成される。また、非接触測定装置によって電極の位置を正確に得ることができる。このため、電極距離と、電極間にある体セグメントの任意の断片の断面積を得ることができ、これにより、電極間に存在するセグメントの正確な体積も得ることができる。これによって、例えば、細胞外および細胞内の水分をより正確に電気的に測定できるだけではなく、最良の国際標準であるリットルでの絶対値と、身体体積に占めるパーセントで求めることができる。また、全ての体セグメントの組織の分布を評価することができる。
【0017】
表面および体積の測定のための装置としては、現在の技術から公知のように、連続生産により安価に生産できるように、例えば、距離測定装置であり、これに加えて、おそらく角度測定装置もある。これらの装置は、高周波超音波または光学測定装置であり、公知の方法で、体積など(人体の表面から測定装置までの距離から得られるか、検査テーブルの距離に対する人体の部位の距離から得られる)、人体の物理特性を示す。また、人体に配置した電極の、他のセンサに対する正確な位置と、個々の電極およびセンサの相互の距離を得ることができる。この目的のために、反射または散乱された信号が分析されうる。通常、この目的のためには、干渉分光法、タイムオブフライトまたは三角測量法が使用される。三角測量法では、CCDまたはCMOSを用いて、例えば物体への角度(このため距離)を与えることができる赤外光が特に有用である。最も単純な場合、特別なアルゴリズムによって、体およびそのセグメントの体積を計算するために、例えばいわゆる電荷結合デバイス(CCD)またはCMOSによって得た複数平面の患者のデジタル画像で十分である。
【0018】
また、(例えば白色光)位相測定プロフィロメトリ(PMP)技術も使用することもできる。装置が環境光による妨害を受けないようにするには、赤外線投射器を安価なデジタルカメラと共に使用することができる。
【0019】
一方、デジタル写真から人体の三次元画像を生成して、これにより、その表面と体積を計算するために、フォトグラモメトリのような安価なプロセスも利用可能である(Applied Physiol online)。この方法は、Mikat R.P.,
"Stereo photographic Digital Topography"(www.css.edu/users/tboone2/asep/mikat.doc)にも詳しく説明されている。この方法は、例えば、基準点技術と組み合わせることもでき、この場合、ラインまたは点のパターンが体に投影されて、その歪みから、三次元画像が正確に再構築される。利用可能な他の古いプロセスについての概要は、Herron RE Biostereometric measurement of body form, Year book of
Anthropometry 16:80-121, 1972に、よくまとめられている。当然、体セグメントの体積および表面を得るために将来登場するほかの方法の使用も想定される。非接触の表面測定装置と人体の間の距離と角度のぶれを補正するためには、例えば既知の測定ロッドを被験体と共に撮像することが好適であると思われる。このような距離と角度のぶれは、主に移動測定ステーションの使用により発生し、どの場合も、移動測定ステーションが被験患者に移動される。
【0020】
別の使用可能な非接触のプロセスとして、排除法を挙げることができる。この方法では、例えば、被験体を密閉室に入れて、ボイルの法則に従った排除と、排除された空気の圧縮を測定しうる。この代替法は、なかでも、異なる体の部位の体積を別個に得ることが容易でないため、さほど有利であるとはいえない。上記の非接触のプロセスにより、電極の正しい位置を評価することも可能である。一方、電極またはその電極ブラケットは、その特性プロファイルまたは他の物理特性(例えば、反射、色、あるいは電磁波または光学波の放出など)により、非接触の表面測定装置によって、使用されるセンサ装置が感度を有する範囲内で正確に認識されうる。測定アームに対する異なる電極の距離および角度が既知であるため、電極間の直線距離を一度で得ることができる。正確な距離または電極間に存在する正確な体積がわからなければ、この体セグメントにおいて水分維持が障害されている可能性を認識することができない(図7,図8参照)。電極位置を知るのに特に好適であるのが電極の取り付け具であり、これは、特殊な物理特性(例えばプロファイル、色、固定反射、発振、温度など)に基づいて、距離(および角度)測定装置またはデジタル写真の明白な標的として特定することができる。これにより、外れた電極や電極の取り違いを直ちに認識することができ、各電極が識別情報を有する場合には、ユーザに対して通知されうる。また、距離測定装置により、検査テーブルに横になっている患者を、三次元で正確に較正することができる。患者の三次元の画像を用いて、異なるセグメントの体積を、極めて容易に得ることができ、臨床診断に十分に正確に、異なるコンパートメントの水分維持の障害および脂肪量を初めて得ることができる。更に、本発明によれば、異なる下流の体セグメントで逐次的にまたは同時に、略円柱状または楕円状の異なる体セグメントのインピーダンスとインピーダンスの経時変化を、比較的一定の断面積により複数方向で測定することで、これらの利点が達成される。異なる下流セグメントの測定には、体積波の速度を認識し、これから、反射された体積波が、心臓の活動中に胸部の体積変化に寄与しているかどうかと、その程度を推測できるという利点がある。従来、胸部における体積の変化(例えば、胸部のインピーダンスzのdzまたはdz/dtとして測定される)は、心臓の活動だけでなく、末梢の血管での体積波の反射からも生じることは、認められていなかった。
【0021】
2つ以上の方向ということは、4点測定の原則が好適に保たれる一方で、個々の体セグメントが、これまで使用されてきた長さ方向に加えて、横および/または斜め方向にも測定されるということである。実際、円柱状の区域の横直径の測定のために、電圧電極の外にある電流電極による正確な4点測定は不可能であるが、それぞれの電流電極を、電圧電極の隣に設けることはできる。また、それぞれの電極を電流電極および電圧電極として駆動する2点測定も想定される一方で、抵抗(このため皮膚の流体量)も測定することができる。
【0022】
長さ方向のインピーダンス測定では、電流の印加は、通常、電圧測定点の外にある。例えば、一方が、頭部または頭部の近くにあり、もう一方が、下部胸腔、腹部、脚、足または足の近くにある。電圧を測定するための点は、例えば体を、胸節、腹セグメント、少なくとも1つの脚セグメント、または複数の脚セグメントに分割し、可能であれば、少なくとも1つの腕セグメント、または複数の腕セグメントも測定することができ、この場合、電流を、手または手の近くで遠位に印加しなければならない。これは、それ自体、セグメントインピーダンス測定として、長年知られている。
【0023】
更に、四肢における動脈および/または静脈の血流障害を認識するために、左脚と右脚、および左腕と右腕を、それぞれ別個に測定することが提案される。
【0024】
長さ方向だけではなく、横方向および/または斜め方向にも測定を行うことには、次の利点がある。体積測定を正確に実施するためには、一方では円柱(または楕円体または変則的な形の領域)の電気的に寄与している直径と、円柱状または楕円形のセグメントの電気的に寄与している長さとがわからなければならない。円柱長にわたって2つの非常に類似したセグメント長でインピーダンスを測定する国際特許出願第PCT/AT03/00302号明細書を適用すると、次のように有効長さを得ることが可能である。これは仮想長さを表しており、電気的隆起によって短くなったり、電気的くびれによって長くなったりし、仮想長さは、長さ(L)/断面積(A)の公約数に対応している。断面積Aのみを得ることはできない。これに対して、円形または楕円形のセグメントの領域にわたるインピーダンス測定によって、電気的に寄与している面積Aを正確に得ることができるようになる。これは、そのセグメントの周囲の長さを測定し、Kubicekが提案しているように式ΔV=(CL/(4π.z))を使用して、断面積を推定する方法よりも好適である(Kubicek WG et al "The Minnesota Impedance Cardiograph-Theory
and Applications" Biomed Engin September 9: 1974, pp 410-417)。
【0025】
この式は、絶対体積を求めるためではなく、主として体積の変化の推定に有効である。
【0026】
円柱または卵形の真の「電気的に寄与している」寸法の断面積AとL/Aがわかると、長さ方向および横方向におけるインピーダンスの変化dz/dtの測定から、体積の相対変化を、極めて正確に得ることができる。横測定に4点法を使用できるためには、すなわち、電流電極と電圧電極を分離するためには、例えば、二重電極として、長さ方向の電圧測定に使用される電極を設計することが提案される。長さ方向においては、国際特許出願第PCT/AT03/00302号明細書に提案されているように、例えば、有効長さを計算するために、二重電極(例えばバンドまたはスポット電極)の2つの部分の両方を、例えば電圧電極として使用することができる。しかし、横測定では、二重電極の2つの部分の一方を電流電極として使用することができ、もう一方を電圧電極として使用することができる。これについては、図面に詳しく後述する。他の利点として、横測定は呼吸活動(すなわち吸気と呼気)を認識するのに特に適しているという点がある。一回心拍出量は吸気および呼気によって変化し、一回心拍出量の変化は、生体の必要流体量(「流体反応」)を評価するために、集中治療医療で使用することができるため、吸気および呼気の認識はとりわけ重要である。当然、別個の電流電極と電圧電極とが、同様に横測定に使用されてもよいが、電極のコストが上昇し、電極の扱いも煩雑となる。
【0027】
全ての体セグメントを、長さ方向だけではなく、横方向、更には斜め方向にも測定することは、非常に複雑であるように思われるが、実際には7つの電極のみによって容易に行うことができる。これらの電極は、その一部分または全体を、同時にECG電極としても使用することができる。このため、実際の労力は、ECGのみの労力に関して、さほど大きくはない。これが、本方法の、インピーダンス断層撮影法との実際的な意味のある差の1つである。当然、この最小個の電極から、電極の数を増やして本方法の精度を向上させることも本特許出願の範囲内に含まれるが、この場合、当然、本方法の洗練度が低下してしまう。
【0028】
本提案のインピーダンス法の較正は、ゴールドスタンダードの方法(例えばDXA、心エコー検査法、MRIまたはその他の方法)によって容易に行うことができる。
【0029】
また、体に追加の電極を取り付けることなく、被検セグメントの斜め方向の測定を容易に行うことができ、有益な情報を更に提供することができる。これは、例えば、胸部内において、片側または両側の胸水を検出したり、更には、集中治療医療に特に関連する細胞外肺水分を検出するために使用することができる。ここで、胸部のそれぞれの側を、そこに二重電極を配置して、頭蓋(首または頭部)と、尾側(胸部からみて尾側)とに電流を印加することによって別個に測定することは、特に有用であることがわかっている。
【0030】
上記の測定を2つ以上または複数の周波数で実行したり、完全な周波数スイープを実行することが提案される。特に、以下の少なくとも2つ、好適には4つの周波数が好ましい。a)0.1〜約40kHz(例えば0.5、および1〜5kHz)の周波数範囲内の、細胞外空間に侵入する少なくとも2つの周波数。b)40kHz超〜2MHz、より正確には、例えば200〜400kHzの範囲の周波数における、細胞膜に侵入し、このため体内総水分量を推定する少なくとも2つの更に別の周波数。上記の体コンパートメントのそれぞれについて、少なくとも2つの複数の周波数を選択する理由は、組織の組成が変動するために、生体の電流の分布は、非常に不均質であるからである。運搬が行われていないか運搬に障害のある構造の近くでは、境界において力線の相互作用が少ないため、この相互作用の低下によって力線密度が上昇する。この効果は、交流電流の周波数が高いほど顕著となる。各コンパートメントについて2つの電圧の測定を行うことで、あるコンパートメント(例えば0.5および1〜5kHzにおいて細胞外空間)と、別のコンパートメント(例えば、200および400kHzにおいて体内総水分量)の不均一性を、より良好に識別することができる。1つのコンパートメントのみを複数の周波数で測定した結果と、コンパートメントの外部寸法を非常に正確な測定した結果については、ファントム実験に基づいて後述する。また、抵抗およびリアクタンスを別個に測定することと、位相角を推定することが想定されるが、これは、とりわけこれらのパラメータから、細胞塊と細胞塊の機能的完全性に関する良好な洞察が得られるからである。
【0031】
特に重篤な患者のコンパートメントを正確に測定することが重要であるのは、多くの理由を有する。些細に思われるかもしれないが、集中治療室の患者の多くは体重を測定できないことを考慮すべきである。このことにより、特に、評価が非常に困難な、呼吸、皮膚を介した蒸発、例えば便などの流体の損失による制御不能で感知不能な損失がある場合には、流体の管理が大きな問題となる。また、皮膚、呼吸、尿および便によるあらゆる排泄による正確なバランススタディは、測定された体重に対応していない(例えば、Roos AN, Critical Care Medicine
21, 871-77, 1993)。特に細胞外および細胞内のコンパートメントへの体内水分の分布は、それに従って治療が調整されるため、当然重要である。細胞内および細胞外の水と、その欠乏がわかっていれば、(細胞外空間では)ナトリウムおよび塩化物の不足量または過剰と、(細胞内空間では)カリウムおよびリン酸塩の不足量または過剰とを、特に血清ナトリウムが考慮される場合に、正確かつ自動的に評価することができる。これは、補充療法を行なう医師にとって大きな助けとなる。ECGと組み合わせて、初めて、心筋の血流の低下を識別する重要な利点もある。虚血(心筋の血流の低下)中は、心筋層がより固くなり、ポンプ能力が低下し、肺の流体の一時的なうっ滞がその後起こる。再分極の変化(残念なことに多くの場合失われている)を識別するために、従来のように、はっきりしない心臓の症状を訴える患者でECGを実行すると、心臓の能力低下によって生じた胸腔内の体積の増加(多くの場合断続的でしかない)を、初めて識別することができる。これにより、ECGの虚血の検出の感度が大きく上昇する。また、2つの電極間に、固定電極距離を使用することにより、これらの電極間の抵抗、このため皮膚血流量と皮膚の流体量を計算することができ、これにより、輸液療法が簡略化できる。定電流測定(例えばホイートストンブリッジ回路または同様の回路で)を同時に使用することで、特に角質層の表面層の流体量を測定することができる。交流電流測定により表面層および深層の流体量を、容量測定により角質層の深層の流体量を測定できる(Triebskorn A et al Dematologia 1983, 167:64-9)。表皮抵抗の測定のために、ゲルでおおわれたECG電極が使用されてもよく、この場合も、複数の周波数測定が、好適でありうる(Janitzki AS, Vedder N, Multichannel measurement of skin resistance.
Biomed Tech 1987, May; 32 (5): 98-107)。更に、皮膚の流体量の測定は、人間の体液平衡に関する重要な情報を与える。
【0032】
血管の機能が、心臓の機能に決定的な影響を与えるため、心臓の機能の計算のために、上記に加えて、血管の機能、特に動脈の機能および静脈機能のパラメータ、体のセグメントにおけるうっ滞のパラメータを用いることも提案される。動脈の機能を数学的に考慮しない場合には、得られるインピーダンス曲線が予測不可能に歪んでしまう。測定された心臓の機能を修正するためのパラメータとして、例えば、血圧、脈波伝播速度、大小の動脈の伸展性、増大指数(Rourke MF and Gallagher DE. J Hypert 14 (suppl5) S147-157, 1996)を考慮しなければならない。特に重要なのは、中心大動脈圧を常に考慮に入れることで、これは橈骨動脈の脈波から、正確に計算することができる。生まれてから死ぬまで、心臓が、医療において測定される上腕動脈または橈骨動脈の圧力を捉えることは決してなく、常に中心大動脈の圧力のみである。これが心臓の後負荷を決定しており、このことは長年知られているものの、追加のスタッフ(補充することができない)が必要となるため、このパラメータは日常的に測定されない。従来、この方法は、動脈の上で機械式トランスデューサを手で正確に調整しなければならなかったため、時間を要していた。Skrabalが記載しているように、フルイドカップリングとの組み合わせでは(Patent A 391.262,Skrabal)、調整を行うことなく、手首カフを手首に取り付けて、全てのFS-ECGによって中心大動脈圧を日常的に記録することができる。これは、虚血中に生成される血管収縮物質が中心大動脈圧を変化させるため、虚血を検出するために好適である。侵襲性の検査によって、速い脈波伝播速度により、脈波が末梢において非常に早く到達し、このため中心大動脈に非常に早く反射され、その結果、大動脈弁が開くと反射波が到着し、心臓の後負荷を直接増加させることが示されている。体積波も、当然、末梢、更には後方に非常に急速に現れ、これにより、胸部の体積波が増大し、dz/dtが誤って増幅されることが考慮されてこなかった。しかし、胸部インピーダンスのみを記録すると、心臓の機械的活動中の胸部内の体積の増加のみが計測され、このため、一回心拍出量または駆出率などの心臓の性能の他のパラメータが誤って推定される。
【0033】
好ましくない血管機能のため後負荷が増加すると、胸部における体積変化、したがってコンダクタンスまたはインピーダンスに直接的な結果を及ぼす。脈波の早い反射、胸部に戻る体積波は、例えばdzを歪めてしまう。このため、dzの一部は、心臓の活動でなく、末梢における脈波の反射によって生じる。これは、以前、インピーダンスカルジオグラフィの精度が低かった更に別の要因である。中心大動脈の空気室機能を、硬質のガラス管によって置き換えると、すぐに駆出率が減少する(Urschel CW & Braunwald E: Am J Physiol 214: 298-304, 1969)。駆出率(EF)または一回心拍出量などの心臓の性能の測定のために従来の方法が使用される(心エコー検査法、同位体法、CT、磁気共鳴またはフィックの原理によって測定される)場合、実際のEFまたは実際の一回心拍出量が測定され、推定されれば、測定の結果が後負荷の変化によって影響されず、正しい結果が常に得られる。これに対して、インピーダンスカルジオグラフィでは、後負荷または血管の状態の変化が、結果を逆方向に歪ませる。後負荷が増加すると、胸部において体積増加がより強くより早く生じ、ここから、増加の場合には、現在のインピーダンスカルジオグラフィでは心臓機能の改善が推測されてしまうが、これは逆である。心不全患者は、脈波の早い反射の結果、鼓動に伴うインピーダンスの急速で大きな変化を誤って示し、その結果、一回心拍出量または駆出率が高いという誤った結果が得られる。しかし、脈波伝播速度と共に、大動脈および大きな血管の伸展性は、脈波分析のような簡潔な方法によって、極めて適切に推定することができる。これは、例えばWattおよびBurrusの方法で言及されている(Watt TB and Burrus C, J Appl Physiol 40, 171-176, 1976)。また、小血管の遠位の血管の伸展性が低いと、反射ゾーンが近位にシフトし、その結果、初期の反射および大動脈の圧力が増大し、これがインピーダンス曲線を変えるため、小血管の伸展性も心臓の機能に影響する。また、末端の伸展性は、WattおよびBurrusの方法によって、非常に適切に推定することができる。WattおよびBurrusとは対照的に、またはCohnおよびFinkelsteinの研究とも対照的に、心拍出量を推測する必要はなく、正確に測定することができ、これによりこの方法がかなり改善する。動脈機能の変化によって生じる大動脈圧の増加を測定するための更に別の方法は、増大指数の測定であり、これも脈波から確認される。
【0034】
脈波伝播速度を公知の方法で測定するには、遠位の動脈への感圧センサ、遠位の体セグメントでのインピーダンス測定、遠位の体セグメントでのプレチスモグラフィ法、あるいはパルスオキシメトリまたはドップラー流量測定などの経皮的な血中ガス測定を使用することができる。
【0035】
脈波の形状の分析のために、動脈の上に固定された任意の圧力センサ(例えば米国特許第6669648号明細書に説明されているような流体を満たされた袋を有するセンサなど)を使用することができる。医療スタッフによる位置決めを行わなくても、脈波の形状の非常に良好な分析が可能であるため、後者は利点を有する。
【0036】
心臓から遠い第2の位置での第2のインピーダンス曲線(dzまたはdz/dt)の測定を使用することもでき、多くのほかの利点も有する。第一に、これから、脈波伝播速度または体積速度(実際の流体運搬とは無関係)の変化を、胸部におけるインピーダンス曲線の誤りを示す指標として決定することができる。更に、胸部におけるdzまたはdz/dtではなく、末梢におけるdzまたはdz/dtの形状の変化から、更に、心臓の機能、特に一回心拍出量、および駆出率、NYHAクラス、BNPレベルなどについての結論も引き出すことができる。このため、これらのパラメータを、単独で胸部のみでのインピーダンス変化の測定よりも、極めて適切に推定することができる。
【0037】
集中治療患者の流体要求を判断することが極めて困難な場合、更に別の利点が得られる。この目的のためには、肺動脈楔入圧(PWP)では不充分であることがわかっている。これに対して、収縮期血圧または呼吸による血圧振幅の変動は、生体の流体要求を示す非常に良好な指標であることが示されている。これは特に、人工呼吸の患者について当てはまる。人工呼吸中は、収縮期血圧または血圧振幅はほとんど変動せず(約10%未満)、更に流体を投与することは、心臓の駆出能力が上昇せず、このため無意味であり、危険である。このことは、集中治療医療では、「流体反応」と呼ばれている。一方では、呼吸を(例えば上記のように、胸部でインピーダンスを横方向に測定して)正確に検出することにより、呼吸を自動的に検出することができる。他方では、呼吸による心臓の駆出能力の変動は、脚セグメントでのインピーダンス測定dz/dtから得ることができる。脚での測定は、胸部とは対照的に、dz/dtが、心臓の活動によってのみ影響を受け、胸部とは異なり、呼吸によるその流体量、肺血流、空気量、直径などの変化による影響を受けないという利点を有する。このため、初めて、機械式トランスデューサを使用せず、したがってアーチファクトなしで、重症の患者の非経口的な必要流体量を認識することができる。当然、脈波は、例えば、フルイドカップリング(米国特許第6669648号明細書)または血管のアンローディング技術(米国特許第6669648号明細書参照)を用いて、従来の方法で使用することもできる。更に別の利点として、血流の差の結果、心臓活動による体積変化に差が生じるため、それぞれ左脚と右脚を別々に測定することにより、片側の動脈または静脈の血流障害を自動的に認識することができるという点がある。静脈血流障害を決定するために、静脈閉塞プレチスモグラフィを用いて、公知の方法で静脈流出を更に適切に決定するため、それぞれの四肢に止血バンドを固定して、断続的に圧力を増減させることが好適でありうる。
【0038】
しかし、脈波伝播速度の測定も、体積移動速度の測定も、パルスオキシメトリも、ある場所から別の場所への血液の真の運搬を決定することができない。しかし、心不全に特徴的であるのは、循環時間の変化、特に血液運搬の速度低下である。この速度低下は、場所Aから場所Bへの血液のボーラスの運搬が実際に測定できる場合にのみ、認識することができる。これはフィックの原理に対応している。本出願では、1つ以上の異なる体セグメントにおいて、体表面積から電気的に認識可能な血液のコンダクタンスの変化のボーラスを任意選択で測定することが提案される。この目的のために、例えば、瞬間的に血液のコンダクタンスを変える物質を循環させなければならない。これは、血漿に対して、高張性または低張性の電解液、特に塩化ナトリウム溶液、あるいは等張性の電解液を注入することで行うことができる。このボーラスは、胸部または胸節において、最初に、過渡的なインピーダンス変化を生じさせ、遅れて、例えば他の下流の胸節または腹部などの以下のセグメント、または脚にインピーダンス変化を生じさせる。1つのセグメントにおける、好ましくは短いインピーダンス変化から、および、あるセグメントから下流のセグメントへのインピーダンス傾斜の遅延から、循環の機能についての重要な結論を引き出して、更に、EFおよびSVを計算することができる。また、ボーラスの及んだ距離を測定することができるため、非接触の距離測定により電極の位置がわかることは、前述のように有益である。フィックの原理から(例えば熱希釈から)知られた式を使用することができる。特に複数の周波数が使用される場合には、赤血球のような形のある要素を含まない等張液がインピーダンスを変化させるため、等張性の電解液は、測定することができる全血と比較して有用である。この理由は、異なる周波数では血液の電気伝導度は、赤血球膜が交流電流の侵入を受けるかどうかによって大きく変わるためである。
【0039】
本方法の前提条件は、自動で、できるだけ高速で、かつユーザに気づかれずに機能することである。試験時間は、理想的には、従来のECGよりも大幅に長くなってはならない。このためには、いくつかの技術的な前提条件が好適である。印加電流の切替をできるだけ少なくするために、異なる体セグメントを、同じ導入電流によって測定することができるように電流を導入するのが好適である。電流の印加が可能な限り一定であることは、繰り返し新しい電流場を確立する必要がない(印加を変化させる場合)という利点を有する。体の上端(例えば頭部、首または首領域)の近くと脚の下端に印加するのが適切である。胸部、任意選択で個々の胸節、体幹および脚を、同時に測定してもよい多くの場合、腕を別々に測定することは、これらが身体体積のわずか約7%を占めるに過ぎないため、実行する必要はない。このため、身体体積は、腕を含めて外挿されうる。例えば10%の誤差が生じても、これによる最終結果の歪みは0.7%にしかならない。一方では、ECGでは、腕電極がいずれにせよ取り付けられるため、腕を追加で容易に検査することができる。また、各セグメントに電流を別々に印加して、電圧を測定することも別法として考えられる。体幹を2つのセグメントで測定し、かつ脚を一緒および/または別個に測定するために、電圧測定のための装置を複数使用するか、同じ電圧測定装置が、複数の体セグメントの測定に使用される。今日では、値をミリ秒以内で決定することができ、インピーダンス信号のサンプリングはさほど時間が重要ではなく、このような高い時間分解能で実施する必要がないため、異なる体セグメント間で測定を切り替えることができる。電流の印加を変えることなく同時に、胸節を長さ方向に、または任意選択で長さ方向に斜めに、腹節を長さ方向に、任意選択で斜めに、2つの脚セグメントを一緒におよび/または別々に測定することができる。
【0040】
更に、心臓活動を追加で記録して信号の変化を検出するために、およびインピーダンス曲線の関連する変化がこれ以上生じなくなる時点を検出するために、異なる心拍動からインピーダンス曲線のテンプレートを生成することが好適でありうる。この時点では、最終的には約5〜20の心拍動の後に、インピーダンス測定を終了させることができる。その後、このテンプレートは、傾斜の傾き、最大値、最小値、部分面積、および下り傾斜の傾きについて、正確に分析することができる。例えば流体反応および他のパラメータを試験することができるため、テンプレートが、例えば、吸気と呼気に別々に、1回の循環について生成されてもよい。また、例えば最小および最大心拍数のような他の基準に従ってテンプレートを選択することも有益でありうる。
【0041】
その後または同時に、国際特許出願第PCT/AT03/00302号から公知のように、それぞれのセグメントの長さ/面積の合計測定を得るために、本質的には同じ体セグメントを、わずかに長さを変えて2度目に測定することができる。
【0042】
その後、体セグメントを横方向にも測定するために、電流の印加が、長さ方向と交差する方向に変更されうる。横電流の印加は測定する体セグメントの体積決定に主として寄与するため、テンプレートの抽出は不要であり、基礎インピーダンスのみが決定され、このため、横測定は数秒以内に完了する。横測定が吸気および呼気の決定に使用される場合、吸気中にテンプレートを生成し、呼気中に別のテンプレートを好適に作成するために、測定時間が長くかかることもある。このため、例えば、流体反応を、前述のように認識することができる。このため、全ての測定手順を、数分で終了することができ、最終的にはECGの同時記録よりも時間がかかることはない。体に取り付けた全ての電極を測定装置(機能および空間ECG(FS-ECG))に接続したときには、患者と電気的接触を行う全ての装置について一般的なように、患者を、公知の方法で過電圧または過電流から保護しなければならない。特に、装置は、当然、FS-ECGが接続されていたとしても、装置の誤動作、あるいは例えば心室性細動や心房性細動の患者の電気的除細動により、患者検査者、または装置に損傷を与えないように製造すべきである。いずれにせよ、本技術は最新の技術であり、臨床で使用されている全ての装置において、さまざまな方法で実装される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本装置および本方法の利点について、図1〜図18に後述する。
【0044】
以下の図は、3つの異なる長さを有する円柱ファントムの検査の結果を示す。このファントムには、直径が異なり、このため体積が異なる非接触の円柱およびディスクが、個数をさまざまに変えて挿入されている。これにより、異なる長さの3つの円柱セグメント(L1,L2,L3)の流体体積が大きく変わる(図1)。その後、多重回帰式を用いて、円柱内に残存している流体の既知の体積を推定しようとした。その際、まず、円柱ファントムの長さおよび直径が未知であると仮定された(図2〜7)。図2は、1周波数のみでのインピーダンスの長さ測定に基づいた、残存流体体積(研究者に既知)の推定を示す。図3は、1つの距離および3周波数での長さ測定に基づいた、残存流体体積の推定を示す。図4は、国際特許出願第PCT/AT03/00302号に説明されているように、複数の周波数で長さ測定をわずかに変えて実施した測定に基づいた、残存流体体積の推定を示す。図5は、1つの長さおよび1つのインピーダンスの横測定による、複数の周波数測定に基づいた残存流体体積の推定を示す。図6は、2つの長さおよび複数周波数におけるインピーダンスの1つの横測定に基づいた残存流体体積の推定を示し、セグメントの長さが±2cmの精度で与えられている。この±2cmは、インビボで達成可能な精度を楽観的に仮定した値である。この目的のために、ランダムジェネレータによって、円柱の正確な寸法が、±2cm以内で変更され、これは、実際にはほとんど達成できない寸法である。±2cmという悪い精度であっても、人体は複雑であるため、実際には達成は困難である。このため、これは現実的ではなく、極めて楽観的な仮定である。図2〜6から分かるように、流体分布が極めて不均質な円柱を複数の周波数および2つの異なる長さにおいて測定する場合、または長さ方向と横方向で測定する場合には、残留する「未知の」流体体積を予測する可能性が大幅に改善している。
【0045】
図からわかるように(図5)、体積の推定では、インピーダンスの横測定は、2つのわずかに異なる長さでのインピーダンスの測定(図4)よりも明らかに優れている。円柱には1種類の電解液しか満たされておらず、このため、1つのコンパートメントしか存在しないため、複数周波数でファントムを測定する有用性は驚くべきほど高い。これは、確かに、なかでも、不均一性をより良好に確認できることに関連してみるべきである。これにより、各コンパートメントについて、少なくとも2つの周波数特性で、できるだけ異なって、各コンパートメントを測定することの重要性が強調される。更に好適なのは、当然、例えば、1kHz〜2MHzまたはその一部分など、周波数帯域全体の完全な周波数スイープである。図からわかるように、図6の正確な残存流体体積から推定された偏差は、±2400ml(±2SD)である。長さ測定および横測定によって推定が改善されているものの、本方法の精度は絶対的に不十分であるということに留意すべきである。0.94という決定係数は事実に反しており、図6に示されているように、体積が推定された値の半分かまたは2倍であった。これにより、本方法は、臨床用途には不適当となる。人体では、抵抗およびリアクタンスの並列および直列の回路が並んで存在しているため、この状況は、更に一層複雑となる。これに対し、ここに示すインビトロモデルでは、円柱には1種類の電解液しか入っておらず、生きた細胞と違い、細胞膜が双極子として機能することもない。
【0046】
これに対し、図7は、断面積および長さを有する円柱の外部寸法、「含有体積」が最高1ミリメートルでわかっており、予測方程式に導入された場合に、情報の厳密なゲイン、残存流体体積の推定がどの程度改善したかを示す。一般に知られているように、記載した体積法を用いて、体表面積を、ずれが1ミリメートル未満の精度で測定することができる。図7からわかるように、誤差が測定された値の1058ml(±2SD)未満となったため、本方法は臨床用途に十分な精度を有するようになった。この場合に限り、大部分の値が±529ml以内に顕著におさまっており、1つの異常値だけが2SDを押し上げている。以下の表に示すように、更に円柱の実際の長さの外部寸法が正確にわかっている場合でも、異なるインピーダンスの長さ測定および横測定が、極めて良好に推定に寄与している。
【0047】
【表1】

【0048】
導体(人体)の正確な外側の断面積がわかっていることにより、形状と、このため、この人体内の流体成分を更に良好に定義することが可能となることは、当然考慮されない。人体の部分の断面積は、その輪郭が不規則であるため、歪みや隆起を巻尺で測定することはできない。ここに示す体積測定は、人体空間の電気的測定により、かなりの程度前進させる。本文献で説明しているように、ここで提示した結果により、人体の絶対体積の非接触の測定の重要性が強調される。今後、体の絶対体積だけでなく、体の体積成分(すなわち水と脂肪)を以前に比べてはるかに正確に定量化することも可能となるであろう。比重が、除脂肪重量(約1.1)および脂肪重量(約0.9)について既知であれば、患者の体重を測定することなく、全体重を計算することができる。
【0049】
以下の図は、FS−ECGのさまざまな特徴を示す。
【0050】
図8は装置アーム1を示し、これは、例えば、検査テーブル2(図2)の一定の位置に少なくとも短時間置かれるか、あるいはそこに固定されうる。この装置アーム1に、物理的寸法の非接触測定装置3が配置されうる。重要な寸法とは、例えば被験体4の体積である。FS−ECGを用いて、流体の量(例えば細胞内および細胞外の体積)が得られる。これらの絶対体積(すなわち、例えば細胞外および細胞内の水、脚の浮腫、腹水、肺水腫など)を、より高い精度(図7を参照)で計算できるだけではなく、これらを、例えばECF、ICF、TBWなどの確立された標準のために、正確なリットルおよび身体体積に占める%で表すことができる。被験体の体積と、その水の成分(このため、非水、すなわち脂肪成分)の体積がわかれば、水と脂肪の比重から、被験体の全体重を極めて正確に計算することができる。これを、患者、特に重症患者ではほとんど不可能である患者の体重測定に代えて行うことができる。この理由は、重症患者は、立ってバランスを取ること、場合によっては座ってバランスを取ることもできないためである。
【0051】
符号3は、1つまたはそれ以上の物理特性の非接触測定装置3を示しており、これを用いて、例えば、被験体4の体積と、配置された電極5a,5b,5cおよび5dと、関連する電極ブラケット6a,6b,6c,6dの位置を取得することができる。これらは、例えば、当業界で公知であり、連続生産で安価に製造できるため、距離測定装置、あるいは任意選択で追加の角度測定装置などである。これらは、例えば体積(検査テーブルからの距離に対する、人体の部位の距離から与えられる)などの人体の物理特性を、公知の方法で測定する、例えば、無線、超音波または光学の測定装置であってもよい。通常、干渉分光法、タイムオブフライトまたは三角測量法のいずれかが使用される。反射または分散された信号も分析することができる。最も単純な場合、特別なアルゴリズムによって、人体およびそのセグメントの体積を計算するために、例えばCCDまたはCMOSによって、複数平面において人体およびそのセグメントのデジタル画像のみが生成されうる。同時に、異なる電極の間の距離もこのようにして得ることができる。この目的のために、対象の各電極(例えば、5a,5b,5c,5d参照)のそれぞれが、その個々の特徴的な形により、非接触測定装置3によって識別されうる。距離保持器に対する異なる電極の距離および角度がわかっていることにより、電極間の距離を一度で決定することができる。電極または電極のブラケット(6a,6b,6c,6d)の特性プロファイルを用いることで、電極の正しい取付を、直ちに認識することができる。距離を正しく認識していることによって、特定の体セグメントの水分維持が不十分である可能性を、より適切に認識することができるため、電極間の正確な距離の認識は重要である。電極5a,5b,5c,5dを、わずか±2cmでも誤って取り付けると、人体を繰り返し検査したときに、直径約18cmのセグメント(上大腿部など)で、1Lもの差が生じてしまう。これは、直径約30cmの胸部では、2.8Lの差となる。これでは、本方法は無用なものとなってしまう。非接触の表面測定は1mmの範囲の精度を有し(シックレンジャーまたはLMS 400レーザなど)、この例では、誤差が2.8Lではなく、0.07Lとなる。電極位置の検出のために特に好適なのは、電極5a,5b,5c,5dまたは電極ブラケット6a,6b,6c,6dであり、これらは、図8に示すような特定の物理特性(例えばプロファイル、色、特別な反射、発振、温度など)により、表面測定装置のはっきりとした標的として認識することができる。これにより、電極の位置の誤りや入れ替えを直ちに検出することができ、個々の電極が特別な識別子を有する場合には、ユーザに対して通知されうる。これにより、検査テーブルに横になっている患者を、非接触測定装置3により正確に三次元で計測することができる。患者の三次元の画像を用いて、異なるセグメントの体積を容易に得ることができ、これらの異なるコンパートメントの見せかけの水分量および脂肪部分を得ることができる。好適なことに、電極は、先が細くなっている四肢内に不必要に直列抵抗を発生させないために、末梢の一番先(すなわち手と足)に置かれず、遠位の下腿および遠位の下腕の中心に置かれる。後からコンパートメントの総体積を得るために、非接触の体積測定によって電極の外に存在する体の部分を外挿することが有用であることがわかっている。距離および他の物理パラメータに関して、全身をスキャンするために、例えば、非接触測定装置3は、揺動ドライブ7によって揺動されうる。角度測定装置および距離測定装置は、被験体4が載置されている検査テーブル2(一定の、好ましくは平坦な形状)を基準とすることができるため、この場合にも人体の正しい画像を生成することができる。このため、被験体で生じる可能性のある歪みを、数学的に容易に補正することができる。揺動ドライブ7を用いて非接触測定装置を揺動させるときに、人体の完全な三次元の画像が可能となるように、複数の非接触測定装置3の測定場8が重なるように考慮しなければならない。電極5a〜5dまたは個々の電極ブラケット6a〜6dは、ケーブル9によってFS−ECG10に接続されている。図には、人体の一方の側のケーブルのみが示されており、向こう側のケーブルは示されていない。通常、正確な体積を得るために人体をあらゆる側面から撮像しなければならないため、検査テーブル2は基準領域として重要である。しかし、重症の患者ではこれが可能ではなく、検査テーブル2は、最背面の基準領域としてみなされなければならない。領域が比較的堅く抵抗性がある場合には、その形をさほど変えないため、これが特に可能となる。このため、撮像されない体の最背面の領域を、比較的平坦なものとみなすことができる。テーブルがさほど硬くない場合であっても、人体と検査テーブル2間の境界領域において、テーブルが人体の体重によりどの程度変形しているかが三次元でキャプチャされるため、人体の体積を正確に計算することができる。特にテーブルの弾性係数が既知であれば、これが人体4の体積の計算のために使用される。一方では、非接触測定装置3を、スラストドライブ11によって装置アーム1に沿って移動させることもできる。被験体およびそのセグメントの正確な三次元の画像を得るために、非接触測定装置3を、一定の測定角度12で人体4を移動させるため、スラストドライブ11は、xドライブおよび/またはx/yドライブであってもよい。スラストドライブ11は、2つの非接触測定装置3の一方にしか示されていない。しかし、揺動またはスラストを行わずに人体の完全な三次元画像を生成する固定の非接触測定装置3ではない限り、当然、全ての非接触測定装置3にスラストドライブ11が必要である。この方法を適用する際には、超音波を用いる場合には、通常は円錐形の伝搬形状が形成されるのに対して、光学、レーザまたは無線信号の場合、バンドルを適切に集束することができることを考慮すべきである。このため、おそらくは不可視領域、おそらくは赤外域の光学的方法が好ましい。
【0052】
非接触測定装置3が他のセンサを備えていれば、異なる部位間の体温のばらつきなどの他の物理的な差も、直ちに認識して(サーモグラフィ)、診断のために使用することができる。この例として、炎症による局部的な熱や、局部的な灌流不足による局部的な冷えが挙げられる。更に、例として、動的サーモグラフィ法を挙げることができ、この方法では、周辺組織による温度のコンダクタンスが調べられる。これにより、浮腫または滲出などの、下部組織内の流体の蓄積を、多少ではあるが簡単に認識することが可能となる。
【0053】
多くの場合水平に寝かせることができない心不全患者を検査することが多いため、検査テーブル2は、図に示すように、好適には水平面の上に突出したテーブル上部13を有する。この傾斜角は、好適には20〜45°(30°など)である。テーブル上部10の傾斜角14は、自動または手動の調整が可能であってもよい。また、下半身のために、水平面の下に突出する傾斜を設けることも好適である。固定傾斜角により、ここに挙げた患者の物理特性の測定が容易となる。同じ患者について、別の時点の測定値を比較するために、患者を同じ傾斜角で検査しなければならない。傾斜角が変わると、流体の移動により測定値が変わってしまう。
【0054】
また、検査テーブルが、上記の非接触の方法では収集することができない物理値を仲介してもよい。例えば、1つまたは複数の感圧センサが、患者の下のテーブルまたはマットに埋め込まれていてもよく、このセンサが患者の体重または体セグメントの重量を取り込む(図示せず)。
【0055】
図9に示すように、装置アーム1は、測定トロリ15に載置することができる。
【0056】
FS−ECG10をディスプレイ16と共に測定トロリ15に載置することで、付属のキャスター17により患者間で容易に移動させることができるため、この構成は好適である。運搬するには、装置アーム1を、旋回アーム18により、測定トロリ15に好ましくは長さ方向に垂直にすることができることが重要である。装置アーム1は、測定トロリの運搬中に邪魔にならないが、測定トロリ15と一直線になるように装置アーム1を短くする追加のジョイント19(例えば伸縮機構または曲げ機構など)を備えていてもよい。FS−ECG10から人体4に延びるケーブル9は、人体4の三次元キャプチャをできる限り妨害しないように、例えばバンドルケーブルとして設計される。
【0057】
実際には、非接触測定装置3を移動または回転させず、図9に示すように、複数の測定装置によって、人体を三次元でキャプチャするだけで十分である。この図では、装置アーム1は、人体の三次元画像をより適切に得るために二重に設計されている。二次元または三次元の非接触測定装置3は、例えばU字状の装置アーム1に二重にそれぞれ実施されている。これにより、人体の完全な三次元画像を、非常に高速で得ることができる。人体4のわきに配置されていることにより、確実に、人体4と検査テーブル2間の決定的な境界領域が特に正確に撮像されると共に、例えば、検査テーブル2の変形が確実に認識されるようになる。非接触測定装置3などとして、例えば単純かつ安価なCCDまたはCMOSを有する装置を用い、これと共に、グリッドプロジェクタ20(赤外線グリッドなど)、あるいはポイントまたはラインプロジェクタを用いれば、身体体積およびそのセグメントを、患者に気づかれずに数秒で計算することが可能となる。このことは、人体4の動きのアーチファクトが完全に除外されるため、特に重要である。ルーラ21を同時に描画することで、装置アーム1と検査テーブル2間の距離の差にいつでも対応することができる。一方で、U字状の装置アーム1が、例えばスラストドライブ11(図8を参照)によって、あるいは旋回によって、異なる位置から人体4を撮像するために、1つの非接触測定装置3を使用するのに用いられてもよい。しかし、この方法には、測定に時間がかかるという不都合がある。
【0058】
人体の三次元測定が、インピーダンスによって、人体の細胞外体積および細胞内体積を同時に得るのに用いられる場合、長さ方向と横方向で略円柱状の人体セグメントを測定するには、特別な電極の配置が必要となる。これについて、以下の図面で詳細に説明する。
【0059】
図10は、電流の導入と電圧の測定のための電極の可能な配置を示す。これは、身体体積、心臓活動および異なる人体セグメントの血流を正確に取得するのに適している。符号22は二重電極の使用を示しており、この例ではバンドとして実施されている。これらは、単にスポット電極としてなど、どのような形状でも同様に実施することができる。符号23は、電流誘導切換スイッチと、測定部位を配置するための切換スイッチ(ショートスイッチ)を示している。これにより、(同じ身体の高さで電極の1つをオフにすることによって)正しいセグメントが、確実に、長さ方向、横方向または斜め方向のいずれかで、いつでも測定されるようになる。また、任意選択で電流誘導を切り替えることもできる。符号10はFS−ECGを示し、FS−ECGは、定電流源とインピーダンスメータ24も備える。これは、交流電流源を備える複数周波数インピーダンスメータなどである。これは、例えば5、40、200、400kHzの離散的な周波数を発生させて測定するか、所望の各測定範囲にわたって完全な周波数スイープを行う。好ましい電極位置を、E1〜E14に示す。E1,E2は首、E3〜E6は胸部の両側、E7〜E10は脚の付け根の両側、E11〜E12は遠位のふくらはぎの両側に配置される。取り扱いを簡単にするために、全ての電極を同様に実施することが好適である。このため、全ての電極(すなわちECG電極とインピーダンス電極)を、付着電極として実施することができる。短時間測定では、ポストイット(登録商標)のラベルで知られているものなどの、容易に無痛で人体から剥離することができる弱い接着剤を使用することが好適である。一方、ECGおよび一般的に知られているように、全ての電極を吸着電極として実施することもできる。長時間測定または不確定な測定では、付着電極が好適であろう。
【0060】
図10の下には、電流および電圧の切替の最も好適な組合せが示されており、当然、必要に応じてこれに追加を行ってもよい。水平面における測定では、好適には、二重電極の一方の電極が電流電極であり、もう一方が電圧電極である。電流電極が外側に配置され、電圧電極が体幹、腹部および脚に内側に水平に配置されている真の4点測定は、ほとんど不可能であるため、二重電極対のそれぞれを切り替えることが提案されている。この場合、図10の右下に示されているように、二重電極は、人体の同じレベルで、斜めに、あるいは電流および電圧電極として配置されている。
【0061】
それぞれの対角方向における両者の測定の平均値は、水平インピーダンス、このため、それぞれの人体セグメントの横方向の流体量を示す良好な指標である。一方では電極位置E1、他方ではE12およびE14間の電極を介して電流を導入して、a)電極位置E2とE3間、b)電極位置E2とE4間、あるいはc)電極位置E2とE5間、更にd)電極位置E2とE6間の電圧を測定することが好適であることが示されている。片側または両側の胸水を直ちに認識するために、胸部が、方向R3およびR3’において、2つの異なる胸部長さで斜めに測定される。更に、測定を開始する前に、電極の正しい位置と電極の正しい配線とを電気的に検証することも考慮される。二重電極の配線が正しい場合には、体の中心から離れた外側の電極は、接近して存在する内側の電極よりも交流に対して高抵抗を示すはずであるため、これを容易に行うことができる。電極を誤って設置した後であっても、誤って配線された電極を、後から正しく配線し直すことができる。記載した設計は、複数のインピーダンスメータを使用する場合よりも非常に経済的であるが、複数のインピーダンスメータも別法として可能である。
【0062】
交流電流源を備える複数の周波数インピーダンスメータが、FS−ECGの一部として符号24で示される。これは、例えば5、40、200および400kHzの離散的な周波数を発生させて測定するか、所望の任意の測定範囲にわたって完全な周波数スイープを行う。
【0063】
図11は、電極の更に別の実施形態を示す。この例では、弾性クランプ25が、体の部位に配置され、弾性クランプ25は、対向するフレーム26に少なくとも1つまたは2つの二重電極22を有する。弾性クランプ25のテンション装置27が人体に良好に接触する。フレーム26は、二重電極22間の絶縁が確実に行われるように接触しなければならない。例えば、フレームが、人体4に接触しない、二重電極間に設けた溝28のみを有していてもよい。
【0064】
図12は人の体幹を示しており、図10ではバンド電極として実施された電極が、この図ではスポット電極として実施されている。参照符号は図8に示した符号と対応している。ただし、これらに加え、従来のECGの配置が黒で示されている。ここで、RAは右腕の電極、LAは左腕の電極の配置、RLは右脚の電極の配置、LLは左脚の電極の配置にそれぞれ対応している。好適には、脚電極RL,LL,およびE11〜E14は、ふくらはぎの筋肉に配置されており、これより遠位にはない。この理由は、これより遠位に配置すると、導電性の低い組織によって直列抵抗が生じ、インピーダンスが不要に、制御不能に増大するためである。その後、非接触の体積測定によって、電極の外に存在する部位の体積を計算することができる。その後これを計算して、人体空間に追加することができる。
【0065】
V1〜V6は、従来の胸部壁誘導法の電極を示すV6をICG電極位置E5(またはE6)として、RLをICG電極位置E11(またはE7、E8、E12)として、LLをICG電極位置E13(またはE9、E10またはE14)として、それぞれ用いることができる。また、ICG電極位置E3は、ECG電極位置V6rとしても使用することができる。公知のように、これらの電極を、今日では一般的なように、例えば、真空源(図示せず)に接続された吸引電極として実施してもよい。ここに示した電極V6およびE6のように、互いの位置を一定に保って配置しなければならない電極を、共通のキャリア29に配置して、どのような場合であっても、付着電極または吸引電極間の距離が正しく保たれるようにすることができる。また、ECG電極位置RA,LAを、腕セグメントのインピーダンスを測定するために使用することができる。これにより、例えば、RAを、追加のICG電極位置E15(またはE16)として、LAを、追加のICG電極位置E18(またはE19)として使用することができる。電流の印加は、一方では電極位置をE16,E1、他方ではE18,E1にして行うことができ、電圧測定は、一方ではE2とE15間、他方ではE2とE17間で行うことができる。また、互いの距離を一定に保つ必要がある別の電極の配置では、共通のキャリア(図示せず)が設けられてもよい。
【0066】
図13は、従来のECGに非常に似ており、スタッフの再教育が必要ないため、実際にはおそらく最も採算性の高い電極位置の実施形態を示す。この例では、再利用可能な弾性クランプ25が、経済的な理由のため、公知の方法で使用されている(このため、図11に示すような二重電極を含む)。また、胸部では、経済的な理由のために吸引電極を使用することができる。これは、従来のECGのスタッフにはによく知られている。胸部の二重電極(図10;22)は、二重吸引電極30a,30bとして、共通のキャリア29に実装することができる。符号30aにより、電極(E5、E6)間の距離が確実に再現されるように、複数(4つなど)のスポット電極が共通のキャリア29に配置されている(吸引電極など)ことが示される。電極E5,E5’がそれぞれ電極E6,E6’に電気的に接続されている場合、略バンド状の電極の効果が現れる。一方、吸引電極が、符号29bで示すように、2つの略バンド状を有していてもよい。人体へのシールは符号30で示されており、当然、1つの電極の各々を、公知の方法で個々の吸引装置として設計することができる。多くの例の患者の追跡調査には、末梢のECGのリードで十分である。この結果、胸部電極V1〜V5を省略することができ、ディスポーザブル製品にするために、首の二重電極22のみをディスポーザブルの付着電極として使用することができる。この場合、首の電極を、例えば、単回使用か、または限定回数にのみ使用されるような方法で製造しなければならない。この目的のために、例えば、バーコードが設けられていてもよく、これをインポートしなければならないか、電子保護が電極に集積化されていてもよい。これにより、FS−ECGは、その電極が既に使用済みであるかどうかを直ちに認識することができ、不正使用の電極の使用が未然に防止される。この目的のためには、例えば、RFID(無線ICタグ)も選択することができる。また、人体にある他の全ての電極を、このように(少ない用途で)実施することができる。1つの電極に電子コードを生成するのは手の込み過ぎている場合、FS−ECGのために、この代わりにバーコードリーダまたは他の任意のコードリーダを使用してもよい。
【0067】
手首に圧力カフ32が示されている。これは、従来のオソロメータの血圧測定に使用することができる。あるいは、特許(欧州特許出願第05000042.1号、欧州特許出願公開第1522258号明細書、またはオーストリア特許第391.262号明細書)に記載されているように、動脈の上に流体を満たした袋を含んでいてもよい。これは、可変の圧力によって加圧することができ、上記の特許出願に示すように自動血圧測定と脈波分析を実行することができるようになる。これにより、例えば中心大動脈血圧を計算することができるが、これは重要であるが、日常的に測定されることはない。この重要なパラメータは、追加の時間とスタッフを要するため、実際には測定されない。マイクロプロセッサ制御の流体袋(欧州特許出願第0500042.1号、欧州特許出願公開第1522258号明細書に記載)は、バックグラウンドでこれを自動で実行することができ、この重要なパラメータを、追加の人件費を必要とせずに、同時に得ることができるように。
【0068】
図14に示されるように、装置アーム1は、ケーブル9を患者に案内するのに使用することもできる。これにより、ケーブルの本数が多い場合にはほとんど避けられないケーブル9が乱れるのを防ぐために、装置アームの異なる位置からケーブル9を人体に案内することができる(例えば装置アームの一方の端から脚電極を案内し、頭部電極および胸部電極をもう一方の端から案内するなど)。好適には、機械式または電子式のスイッチ23が、符号1で示される装置アームにも設けられている。このスイッチは、中央のマイクロプロセッサによって駆動され、好適には中央のFS−ECG10に配置されており、FS−ECG10を電極位置E1〜E14に、任意選択でE18に接続している。最も少ない場合には、2本の電流ケーブルと2本の電圧ケーブル、駆動ケーブル、およびシールドのみを、FS−ECG10から装置アーム1まで案内すればよく、これらは、おそらく事前に増幅された信号を伝える。これは、良好な外観が得られることと、装置アーム1内の非接触測定装置3がケーブル9によって邪魔されないという利点を有する。この目的のために、例えば、装置アームに、ケーブル9のためのサイドウィング33が設けられていてもよく、サイドウィング33は、非接触測定装置3によってカバーされている測定場からケーブルを除去する。装置アーム1からケーブル9を延ばすことには、患者に延びるケーブル9(有利には保護されている)の長さを等しくできるという利点がある。シールドは、動的シールドとして実施することもできる。
【0069】
図8,図9に示すように、そこから全ての電極接続が延びる1つのバンドルケーブル9を使用する場合には、ケーブルが乱れるおそれが顕著に低下し、サイドウィングが不要となる。機器も移動可能とするために、FS−ECG10から、および装置アーム1またはサイドウィング33のような測定トロリ15から突出している全ての部分が、伸縮部品として実施されるか、理想的には短いセグメントで測定トロリ15に揺動させることができる。
【0070】
電極間の距離測定のみのために、少なくとも1つの非接触測定装置3を、人体に配置される電極5a〜5dまたはその電極ブラケット6a〜6dにも取り付けることができ、これによってケーブル9への接点が行われる。これは距離測定装置として実施しなければならない(例えば、上記方法の1つを使用するなど)(図示なし)。
【0071】
図8〜14に示すように、既に日常的に存在する電極において、多くの異なる測定が必要であり、これは、複数のスイッチおよび/または複数のインピーダンスメータによってのみ行うことができる。最終的な仕様は、技術的および経済的な要件によって決まる。
【0072】
複数本のリードが必要であるが、患者を危険にさらすことのないように、例えば電気インパルスの印加の場合、電気的除細動または除細動の場合、更に、FS−ECG10の誤動作の場合にも、ライセンスに必要な通常の保護が、患者および検査者に与えられる。複数のスイッチング動作が行われるが、技術的および時間的な面での運転費用はわずかな額である。この理由は、リードの大部分について、心拍動と共に、dzまたはdz/dtではなく、基礎インピーダンスz0のみを記録すればよいからである。
【0073】
有利にもマイクロプロセッサ制御によって切替手順が自動的に行われるため、医師も患者も、本方法の複雑さに気付くことはない。結果は、数分以内に得ることができる。また、測定インピーダンスを比較することによって、電極が外れた場合に容易に認識することができ、個々の警告を発することができる。また、多接点プラグの可変の構成により、正しいケーブル9のみが正しい電極に接続されることが保証される。プラグと関連する弾性クランプに従来の色(RA=赤、LA=黄色、LL=緑、RL=黒のほか、新たに、左上腿=ライトグリーン、右上腿=灰色)を使用することで、訓練を受けていないスタッフでも操作を円滑に行うことができる。
【0074】
図15は、胸部(図の上)と脚(図の下)で同時に記録されたインピーダンス信号を示す。図15の左側には、対照健常者から得られた信号が記録されている。図からわかるように、鼓動によるインピーダンス(z)の経時変化、すなわち脚のdz/dtは、胸部のaよりもインターバルa’だけ遅れており、これが生理的に予想されなければならない。胸部と脚セグメント間のdz/dtの最も傾斜の大きな時間遅延によって、心臓および血管機能について重要な結論を下すことができる。この理由は、末梢循環のうっ滞が、インターバル(a,a’,b,b’)、曲線の形状に、インピーダンス信号の傾斜の変化c,c’および下り傾斜d,d’、更には、領域F,F’の振幅e,e’として影響するためである。このことは、健康な被験者(図の左側)と心疾患患者(右側)の差から明らかにみてとれ、一見してわかる。更に、全ての領域と曲線の動きを計測する複雑な信号分析が有用であろう。このため、胸部および脚のdzまたはdz/dt信号により、胸部セグメントの測定を単独で行うよりも、実際の心臓機能に関する結論を、より正確に下すことができる。特に、反射された脈波によって変化した胸部のdzの部分を検出して、この反射された部分に対して補正することができる。胸部と脚のそれぞれのdzが似ていることから、胸部dzの解釈がこれまでは複雑過ぎたという結論に至る。左右の心臓、心房、または大循環と小循環がなければ、脚の曲線は胸部曲線に類似しているため、これを確立することができる。セグメントの全体積が正確にわかれば、一回心拍出量を正確に計算するためには、総dzを測定して、脚や末梢の他の部分から得られた胸部のdzのその一部のみを減算するだけで充分である。更に、機械式トランスデューサを用いずに、大動脈における脈波伝播速度を、純粋に電気的に、正確に測定することが初めて可能となった。この目的のためにも、胸部と脚間の距離をミリメートル単位で測定することができるため、体表面積を得るための非接触測定装置3は有用である。(腕セグメントまたは脚セグメントではなく)中心大動脈における脈波伝播速度のみが、血管特性に関する重要な情報を与え、心臓および循環の疾患の予後と相関している。
【0075】
dzまたはdz/dtの異なる振幅と、左右の脚のインピーダンス曲線の形状の分析から、動脈の血流、左右脚間の血流の差、および障害された静脈還流量に関する重要な結論を下すことができる。任意選択で、左右の脚に圧力止血バンドを用いることで、これを更に改善することができ、この場合、インピーダンス測定は、静脈閉塞プレチスモグラフィとして実行される。止血バンドの圧力を静脈圧より高い値または動脈圧に近い値に上げることで、本方法は、正確な体積測定を用いて、プレチスモグラフィまたはオソロメータ法として、より用途が広い方法となる。
【0076】
図16に、血液のインピーダンスを変化させる流体のボーラスを、腕静脈に静脈注射した後の、上胸および下胸節のインピーダンスの変化を示す。例えばこのインピーダンスの傾斜の測定のために、電流を、首の電極位置E1と、および脚の電極位置E12,E14に印加することができる(図10,12)。胸部電極V1〜V6を、インピーダンスの傾斜の測定のために任意選択で使用することができる。例えば、一方でV1とV2間の、他方でV5とV6間の遅延時間であるインピーダンスの傾斜ランプが、Dで示されており、これは心臓の性能を示す指標となる。また、それぞれの曲線A,A’の下の面積と、血液とは電気伝導度が異なる媒質の注入によって生じた曲線形状により、フィックの原理に従い心臓の機能に関する重要な情報が与えられる。人体の他のセグメントを、インピーダンス傾斜と、および曲線の形の測定のために使用することもできる。当然、この原理は、例えば、脚セグメントや、動脈血流の領域などのほかの好適な領域でも可能である。
【0077】
一方では、人体のコンパートメントは際立って複雑であるため、提案する複数測定は、上記セグメントを定義するために必要である。他方では、本方法を臨床医学に導入できるためには、多数の患者の優れた臨床評価および校正データが必要である。複雑なコンパートメントの推定の改良は、図2〜図7に明らかに示されている。図7に示すように、複数の測定点と複数の周波数を用いて、被験体セグメントの正確な寸法を知っていて得られた最良の結果は、臨床用途のために十分に正確である。
【0078】
図17,図18は、機能および空間(FS−ECG)の可能な報告の例を示す。この図から、全ての重要な血行力学および流体のデータが、文字のモジュールを含め、数値とグラフの形式で参照できることがわかる。また、以前の測定と結果を直ちに比較するために、患者のデータがデータバンクに保存され、これが有利にはグラフィカルに提示される。このことにより、正常値は、例えば標準範囲フィールド34の形で表示することができ、患者のデータが読取点35として提示され、読取点35をつなげたトレンドライン36によって経時変化を観測することができるx軸に時間が、y軸に、観察された変数の値が示されうる。医師による治療の成功を一目で評価することができ、今後、治療を更に改善することができる。
【0079】
図19は、更に別の好ましい電極設計(人体での位置など)を示す。検査されるセグメントの全ての境界が、例えば三重電極要素37に関係している。この電極設計によって、検査するセグメントのみに電流を印加して、同時に、両端の電圧電極間で測定されるセグメントの長さをわずかに変えることができるようになる。この設計を使用することにより、いわゆる「境界領域」現象をより良好に制御できるようになる。検査対象のセグメントの想像上の外側の断面積が、領域全体に分散されている、電圧を測定するための電極によって均一にカバーされるように、セグメントが検査されるのが理想的である。当然、これは人体では非侵襲的に行うことは不可能であり、このため皮膚に表面電極を配置するしかない。しかし、骨、腱または脂肪などの接触が小さい組織が存在する場合には、セグメントの端において、セグメント内で活性な電圧の一部のみしか捉えられない(当然、特に微弱である)。電圧が回復される部位の近くに電流を流す場合には、電圧の多くの部分(より電圧を表すような部分)が回復される。このため、9〜11の三重電極によって、体内の流体分布を正確に表している画像を得ることができる。当然、脚も、更に多くの電極要素により、腿部とふくらはぎのセグメントに分割することができ、ふくらはぎ、腿部の一方のみを測定することができる。数多くの切替(10以内またはこれ以上の異なる電圧の印加と、30以内またはこれ以上の電圧の測定との切替)が自動的に、ユーザに気づかれることなく行われる。また、バンド電極としての図19に示す電極の設計は利点を有する。また、非接触の体積測定の利点による全身のインピーダンスの測定も、当然可能である。また、セグメントを定義している電極間の距離が、自動的に気づかれることなく検出される。1つの特有のプラグインまたは握り接続(例えばマルチプラグ38)のみを有する、三重電極要素からなる図示した電極位置のそれぞれを提供することは明らかに好適である。各セグメントの境界における電極の距離は、a)電極を共通のキャリア29に取り付けることによって与えられる。また、図13の吸引電極30としての設計、または図11の弾性クランプ25について、二重電極の代わりに三重電極のみが利用可能である。一方、例えば、三重電極要素37内で電極距離Di1、およびDi2を自動的に検出するために、三次元フォトグラモメトリなど、体表面積の描画に使用されるプロセスを使用することもできる。この場合、電極の間の共通のキャリア29が不要となる。2つの二重電極22または三重電極要素37それぞれの場合、検査対象のセグメントに隣接する距離付与器39が考えられ、この場合、セグメントの上端から下端への電圧電極間の表面距離が、撮像手順を行わなくても得られる。例として、図示した全セグメントと追加のセグメント(例えば腿部とふくらはぎのそれぞれ)の検査が、電極位置E1,E2,E15,E16,E17,E18に基づいて示され、電流が、例えば、位置E1,E15のみに導入され、電圧がE16とE18間、またはE17とE18間、E16とE2間、またはE17とE2間で測定される。これにより、Skrabalらの論文に挙げられているものなどの電気的有効長さを計算し、セグメントの電気的に寄与している体積を、より高い精度で得ることができる(Skrabal F et al. Europ J Heart Failure Multisite Frequency
Electromechanocardiography for the prediction of ejection fraction and stroke
volume in heart failure 7: 974-83, 2005)。図19のほかの全てのセグメントまたは追加のセグメント(腿部、およびふくらはぎのそれぞれなど)を、説明したセグメントと同様に測定することができる。図19に示すセグメントの体積を計算するには、仮定を行わず、純粋に物理原則のみに基づく計算の利点を利用することができる。このため、セグメント長が、誤差なく自動的に検出され、セグメントの断面積を、ミリメートル単位で細片ごとに正確に測定することができる。これは、セグメントの抵抗のために非常に重要であるが、この理由は、例えば、膝関節でのセグメントの縮小によって、抵抗が不釣り合いに増加するが、これを、厳密な物理式に従って正確に計算することができるからである。例えばコールコールプロットを用いる周波数スイープによって、ゼロ周波数、および不明確な周波数における抵抗を正確に計算することができる(Cole KS, Cole RH Dispersion and absorption in dielectrics I.
Alternating current characteristics J Chem Phys 9: 341- 51, 1941)。花井混合理論(Hanai T. Electrical properties of emulsions. In: Emulsion Science,
Ed Sherman PH . London Academic, p 354- 477, 1968)、および例えば第二世代の花井混合理論(Mathie JR. Second generation mixture theory equation for estimating
intracellular water using bio impedance spectroscopy. J Appl Physiol. 99:
780-81, 2005)を使用することにより、形成された要素(体細胞)がセグメントの抵抗に与える影響を、物理的な方法で正確に計算することができる。以下の式によるセグメントの抵抗
【0080】
Rs=ρ×(L/A+L/A+L/A,…,L/A
ここで、Rs=セグメントの抵抗
ρ=セグメントの比抵抗
〜L=セグメントの検査された各細片の長さ
〜A=セグメントの検査された各細片の面積
を、初めて数学的に正しく解釈することができ、円柱状導体(および近似された円形断面積)の誤った仮定を論破することができる。セグメントの現在知られている解剖(下記参照)を使用することにより、各細片を、その解剖学的構造に対応する比抵抗(ρ)に対応付けることができる。このことにより、上記方法が、経験的な推定から、理解可能な明らかに物理的に基づいた方法へと移行する。この方法のためにこれまで使用されてきた、腕、体幹および脚の各セグメントの異なる直径に対する粗い補正係数に代わり、正確に測定された物理的な量が用いられるため(De
Lorenzo A, Andreoli A, Matthie J,
Withers P. Predicting body cell mass with bio impedance by using theoretical
models: a technological review. J Appl Physiol 82: 1542-58, 1997)、本方法では、腕、体幹、および脚の各細片の直径が初めて正確にわかるため、人体の厳密な体積測定を用いて、全身のインピーダンス測定を、かなり改善することができる。解剖の知識を、理論的モデルに初めて導入することが可能となり、小さな例として、体積測定によって膝をこのように識別すことができることについて触れる。膝関節の高さでは、ほぼ骨、軟骨および結合組織しか存在せず、全ての組織の導電率が低いことが知られている。これに対して、膝関節の近位および遠位には、(特に高周波で)非常に良好なコンダクタンスを有する大きな筋肉塊が存在する。また、将来、実際の解剖モデルに基づいた細胞内および細胞外の水分の計算のために、解剖の知識が使用されるであろう。使用される電極の数を考慮すると、これらが、消耗品としての安定したビジネス量を保証しているため、FS−ECGの製造業者による電極のみが使用されることは特に有利である。このため、電極自体またはパッケージのためのコードを提供することが好適であると考えられる。このコードは、FS−ECG装置に手動で入力することができる。電極のコード番号がFS−ECGに記憶されているコード番号と一致する場合にのみ、装置が使用可能となる。
【0081】
更に、患者が載る表面を特別に設計することは好適でありうる。この設計は、検査テーブル2の一部であってもよく、患者をベッドから検査テーブルに移動すべきではないか、移動できない場合には、これは特に好適でありうる。図20は変形可能なマット40を示し、この変形が画定されており、確認することができる。このマットは、転がるか位置を変えて、患者の下に移動し、患者はベッドに寝たままでいられる。マットが、人体の横方向に小さく変形するだけではなく、人体の長さ方向に大きく変形可能であると特に好適である。これにより、マットを、さまざまな関節(膝関節、腰、および脊椎)を屈伸に従って配置することができる。マット40の延出部(検査対象の生体42側に突出している)が、非接触の撮像手順によって認識され、基準領域として使用される(図9を参照)。この基準領域が人体の下にある基準領域の部分を表している場合、人体の最背面の境界(撮像されない)を正確に得ることができる。図20は、マットの可能な設計の横断面を示している。好ましくは丸みを帯びているか、三角または多角の非常に安定性の高いロッド41(管41など)が変形可能なマット40に組み込まれ(発泡合成物質から作成されているなど)、これにより、マット40は、人体の屈曲に追従することができる。しかし、このマット40は、非接触測定装置により、基準領域(図9を参照)として正確に識別されるため、検査対象の生体側に突出しているマットの一部によって、人体の最背面の境界を正確に知ることができる。例えば4台の立体カメラ(8つのCCDから構成されるものなど)(図9を参照)により、変形可能なマット40は基準領域として機能し、検査対象の人物を三次元で正確に撮像することができる。マットの下には、患者が横になっている従来のストレッチャまたはベッドがある。マットの下に柔らかい変形可能な材料(例えば、発泡材料、軟らかい枕など(図示なし))がある場合、マットの形状は、被験者の体重によって決定される。マットの他の設計としては、変形可能なマット40の横軸に沿った変形が正確に定義できるものが考えられる。ロッドが例えば定義されたたわみ半径を有する場合、被験体側に突出している管またはロッド40から、検査対象の人体の下の部分のたわみを計算することができる。このことは、変形可能なマット40が、人体の輪郭により適切にフィットし、このため、非接触の測定方法によって描画できない被験体の領域の境界が、変形可能なマットの曲率から明確に定義されるという利点を有する。非接触測定装置を設置すると、当然、被験体の撮像が全ての面から除外される。このため、見える部分では非接触測定装置2、見えない部分では定義された変形可能なマット40の曲がりが、被験体とそのセグメントの体積を定義する。変形可能なロッド41の他にも、定義された歪みを提供するためのほかの手段を考察することができる。使用後は、マットを巻き、容易に片付けることができる。これにより、被験者が現在横になっている場所を問わず、被験者の検査が可能である。また、変形可能なマット40の表面に、複数の圧力センサ43を設けて、マット内に均一に分散させることも好適であり、これにより、患者の全体量を計算することができる。体積および体重から、人体の密度を計算することができ、人体の脂肪および非脂肪の成分も直接計算することができるため、これは好適である。マット40のほかの設計は、高度に変形可能ないわゆるインテリジェントまたはスマートマットであり、自身の変形を認識して、自身を、提示できない人体の最背面の輪郭に絶えずフィットさせる。このマットは、例えば接触発泡体(例えばマットの深度方向に好ましい電気伝導度を有する)から作製することができ、発泡体の変形によって、マットの電気特性が変わる。例えば、(マットの深度方向への)圧縮によって誘導される矢状方向の抵抗変化または容量の変化が記録されるか、マットを特定の点で圧縮したことで生じる表面の拡がりが記録される。例えば、いわゆる導電発泡体としては、ポリエーテル−ポリウレタンなどから作製され、圧縮されたり伸長されるとその抵抗が変化する構造カーボンを含浸させたものなどが市販されている。カーボンは、例えば、合成ポリマーラテックスを介して例えば開放フォーム構造にバインドされている。また、例えばポリピロール(Ppy)などの本来的に導電性を有する材料を、開放発泡体のコーティングに使用することができる。導電材料の小さな1つの要素を複数集めて(例えば互いに絶縁されているものなど)マットを組み立てることも考察される。
【0082】
当然、非常に良好かつ可逆に変形する材料を選択することも考えられる。当然、温度の変化と共に電気特性が変わりうるスマートマットも考慮すべきである。マットが、電気絶縁性の非常に高い材料の薄い被膜により、人体およびその下の構造に対して絶縁されていると好適である。今後、この目的のために、開発されるかまたは商業的に入手可能となるすべての方法を使用することも想定される。このため、インテリジェントまたはスマートマットによって、いわゆる陰ファントムと呼ばれる、人が横になっている部分で見えない人体の表面の完全かつ一貫した三次元画像が提供される。人体の見える部分では、体表面積の非接触の二次元または三次元の撮像が提供される。また、マット40が定義された弾性係数を有する場合、別個の圧力を使用せずに、変形から患者の体重を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】流体量が極度にばらついている円柱ファントムを示す。
【図2】1周波数を使用するインピーダンス測定による、ファントム内の体積の推定を示す。
【図3】複数周波数によるファントムの測定を示す。
【図4】複数周波数と異なる長さによるファントムの測定を示す。
【図5】複数周波数と長さ測定および横測定によるファントムの測定を示す。
【図6】不正確に測定された外長を考慮した、複数周波数によるファントムの長さ方向および横方向の測定を示す。
【図7】正確に測定された外長を考慮した、複数周波数によるファントムの長さ測定および横測定を示す。
【図8】FS−ECGの側面図を示す。
【図9】FS−ECGを三次元で示す。
【図10】電極および回路の好ましい位置を示す。
【図11】内蔵二重電極を有するクランプ電極を示す。
【図12】スポット電極を取り付けた人体を示す。
【図13】クランプ電極とスポット電極を組み合わせて取り付けた人体を示す。
【図14】サイドウィングを有する装置アームを示す。
【図15】2つの下流の体セグメントにおけるインピーダンス信号を示す。
【図16】血液とは異なる交流抵抗を有する流体を注入した後の、インピーダンス変化を示す。
【図17】健康な被験者の報告を示す。
【図18】罹患患者の報告を示す。
【図19】更に別の電極位置を示す。
【図20】体の形状に適合する検査マットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体の機能および状態、より詳細には、心臓の電気的および機械的活動、体の部位を通る循環、導電性体液の体積、体積変化および組成などの電気的測定のための装置であって、前記装置は、前記体に取り付けられた電極を介して、前記体の機能および状態に対応する電気的測定量を検出し、前記検出された電気的測定量から前記体の機能および状態を計算し、前記体の少なくとも1つのセグメント、任意選択で全身の非接触の二次元または三次元測定、および/または前記体にある前記電極の位置特定および/または前記体にある前記電極間の距離の測定のための装置が提供され、前記体の機能および状態の電気的測定のための前記装置は、前記体の機能および状態の前記計算のために、前記少なくとも1つの測定される体セグメントの寸法、より詳細にはその表面または体積、および/または前記体にある前記電極の前記位置、および/または前記体にある前記電極間の前記距離が、前記検出された電気的変数に与える影響を考慮して設計されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
電気インピーダンスメータ(24)を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ECG装置を有することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの体のセグメントの非接触の二次元測定のための前記装置は、任意選択で、円柱または円錐台などの幾何学的形状を、基礎とすることによって、前記二次元測定のデータから、前記体のセグメントの前記体積を概算で計算するように設計されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記体の非接触の測定のための前記装置は、超音波、赤外線、光または無線信号測定装置として設計されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記体の非接触の測定のための前記装置は、デジタル撮像装置またはデジタルカメラとして設計されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記体を測定するための前記装置(4)は、例えば、検査カウチ(2)または変形可能なマット(40)の表面として設計された基準面を有し、ここに前記検査のために前記体を載置することができ、前記体の前記表面および前記体積の計算に使用される基準寸法を示す請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記変形可能なマット(40)は、定義された方法で変形不能または変形可能であり、長さ方向に弾性的に相互接続された横方向ロッド(41)から構成されていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記基準面、より詳細には前記検査カウチ(2)または前記変形可能なマット(40)は、前記患者または個々の体セグメントの重量を測定するための圧力センサ(43)を備えることを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記変形可能なマットは、圧力依存電気抵抗または圧力依存電気容量など、圧力下で電気特性が変化する要素または1以上の層を有し、前記電気的変数の前記変化が、前記装置によって検出され、ここから、前記変形可能なマットに横になっている患者の体重および/または輪郭が決定されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記体(4)にパターン(例えば点、ライン、グリッド)を投射するために少なくとも1つのプロジェクタが提供されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記電極を介して、少なくとも1つの周波数の交流測定電流が前記体に導入され、前記インピーダンスz0および/またはその成分有効抵抗、リアクタンスおよび/または位相角および/またはその経時変化(dz)が少なくとも1つの体セグメントで、前記交流測定電流が流れる体の略長さ方向において測定されることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記心臓活動により変化する体積および時間的シフトの体積稼働時間、および/または、時間インターバル、振幅、傾斜の傾き、低下の傾き、合計および/または部分面積など、その特性に関する、前記2つの時間的にシフトされたインピーダンス曲線の特性およびその経時変化(dz、dz/dt)が、心拍出量および/または前記血管の機能を計算するためのパラメータとして使用されることを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
測定された2つの下流の体セグメント間に距離が設けられており、前記体の前記非接触の測定のために、前記距離の長さが前記装置によって測定されることを特徴とする請求項2〜13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記電極を介して、少なくとも1つの周波数の交流測定電流が複数の方向で前記体に導入され、前記交流測定電流が通る本質的には同じ体セグメントの前記インピーダンスおよび/または前記経時変化が、前記体の少なくとも2つの異なる方向(R1,R2,R3)で測定されることを特徴とする請求項2〜14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
血管に注入された血液の電気伝導度を変化させる液体のボーラスによる前記インピーダンスの変化が、心拍出量の計算に使用されることを特徴とする請求項2〜15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記ボーラスによって生じる前記インピーダンスの変化が、2つの体セグメントで測定されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記インピーダンスは、一方では、前記細胞外空間のみをカバーする0.1kHz〜最大40kHzの少なくとも2つの異なる周波数で測定され、他方では、40kHzを越え、2MHz未満の少なくとも2つの異なる周波数で測定されることを特徴とする請求項2〜17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記交流測定電流の前記周波数は、低い測定周波数から高い測定周波数に連続的に変更されることを特徴とする請求項2〜18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記電気伝導度を主に決定するイオン、すなわち、血清ナトリウムが決定されて、更に前記体セグメントの前記電気伝導体積を計算するために使用されることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
細胞外空間および細胞内空間などの部分比率を有する前記体内水分および/または細胞外肺水分、胸水、腹水、脚の浮腫などが決定され、表示されることを特徴とする請求項2〜20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
駆出率および一回心拍出量などの心拍出量が結果として表示されることを特徴とする請求項2〜21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
体内水分を制御する、ADHおよびナトリウム利尿ペプチド(特に脳ナトリウム利尿ペプチドおよびその前駆物質)等の前記ホルモンレベル、その比率および組成が、前記装置によって経験式を用いて推定され、結果として表示されることを特徴とする請求項2〜22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
それぞれの場合に測定される前記セグメントは、合計2つの外部電流電極(E1およびE15など)によって、および少なくとも3つの内部電圧電極(E16,E17およびE2など)によって上端および下端で区切られることを特徴とする請求項2〜23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
それぞれの場合に測定される前記セグメントは、合計2つの外部電流電極(E1およびE15など)によって、および少なくとも4つの内部電圧電極(E16,E17,E2およびE18など)によって上端および下端で区切られることを特徴とする請求項2〜24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
それぞれの場合に、共通支持体(29)または共通ブラケット(26)にそれぞれ固定距離で適用される二重電極(22)または三重電極要素(37)は、前記測定のために使用されることを特徴とする請求項2〜25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記二重電極(22)または前記三重電極要素(37)内に電極が特徴的に分布されている共通多重プラグ(38)は、それぞれ、1つの二重電極(22)または三重電極要素(37)に対して提供されていることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記上端および前記下端でそれぞれの体セグメントを区切っている前記二重または三重電極は、固定長で距離付与器(39)によって接続されていることを特徴とする請求項26または27に記載の装置。
【請求項29】
患者から収集される計測値のためのデータベースに接続可能であることを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
データが、経時変化と共に数値および/またはグラフィックの形式で表示されることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
グラフィック形式の前記データは、データベース内に記憶されている以前の値と比較して表示され、基準値の識別のためのグラフィック指標(34)が提供されていることを特徴とする請求項29または30に記載の装置。
【請求項32】
前記電極(5a〜5d)(電極位置E1〜E18,E5’,E6’)または前記電極パッケージの少なくとも1つには、コード(例えばバーコードまたはRFIDなどの電子コード)が備えられていることを特徴とする請求項1〜31のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
コード読取り装置および/または前記電極または前記それぞれの電極パッケージに示されている前記コードを入力するための装置を有することを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記電極への電流、前記電極からの電流を切替えるため、および前記インピーダンス測定のために電気的リレーまたは他の電子切換スイッチ(23)が提供されていることを特徴とする請求項2〜33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
前記体の前記非接触の測定のための前記装置に対して、少なくとも1本の装置アーム(1)が設けられていることを特徴とする請求項1〜34のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
前記装置アーム(1)は、旋回アームおよび/または関節アームおよび/または伸縮アームとして設計されていることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記電極(5a〜5d)および前記電極ブラケット(6a〜6d)(電極位置E1〜E18,E5’,E6’)は、それぞれ、前記非接触測定装置(3)によって、形状または色彩または温度などの特定の物理特性により検出可能であることを特徴とする請求項1〜36のいずれか1項に記載の装置。
【請求項38】
前記インピーダンス電極(E1〜E18)は、ECG電極(RA,LA,RL,LL,V1〜V6)として少なくとも部分的に配線することができることを特徴とする請求項1〜37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記体の傾斜を測定するために角度測定器が設けられていることを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項40】
受動または能動サーモグラフィック装置などのサーモグラフィック装置が設けられていることを特徴とする請求項2〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
圧力を上昇させるために、前記体の四肢に取り付けられる少なくとも1つのカフが設けられており、前記カフによって、前記検査される体セグメントに体積変化が生じ、これが前記カフ内の前記圧力上昇中およびその後に、前記装置によって検出可能であることを特徴とする請求項1〜40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
体の機能および状態、より詳細には、心臓の電気的および機械的活動、体の部位を通る循環、導電性体液の体積、体積変化および組成などの、前記体の機能および状態に対応する電気的測定量を検出して、前記体に取り付けられる電極を介して、前記検出された電気的測定量から前記体の機能および状態を計算する電気インピーダンスメータ(24)および/またはECG装置などの装置による電気的測定のためのプロセスであって、前記体の少なくとも1つのセグメント、任意選択で全身の非接触の二次元または三次元の測定が実行される、前記体にある前記電極の前記位置が特定される、前記体にある前記電極間の前記距離が測定される、の少なくとも1つが行われ、前記体の機能および状態の前記計算のために、前記少なくとも1つの測定される体セグメントの寸法、より詳細にはその表面または体積、および/または前記体にある前記電極の前記位置、および/または前記体にある前記電極間の前記距離が、前記検出された電気的変数に与える影響が考慮されることを特徴とするプロセス。
【請求項43】
前記少なくとも1つの体のセグメントの非接触の二次元測定中に、任意選択で、円柱または円錐台などの幾何学的形状を、基礎とすることによって、前記二次元測定のデータから、前記体のセグメントの前記体積が概算で計算されることを特徴とする請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
前記体の非接触の測定は、超音波、赤外線、光または無線信号測定装置によって実行されることを特徴とする請求項42または43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記体の非接触の測定は、デジタル撮像装置またはデジタルカメラによって実行されることを特徴とする請求項42〜44のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項46】
前記体(4)の非接触の測定のために、例えば、検査カウチ(2)または変形可能なマット(40)の表面として設計された基準面が使用され、ここに前記検査のために前記体が載置され、前記体の前記表面および前記体積の計算に使用される基準寸法を示す請求項42〜45のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項47】
前記基準面は、圧力センサ(43)によって、前記患者またはその個々の体セグメントの重量を測定するために使用されることを特徴とする請求項46に記載のプロセス。
【請求項48】
前記体の前記非接触の測定のために、前記体(4)にパターン(例えば点、ライン、グリッド)が投射されることを特徴とする請求項42〜47のいずれか1項に記載の装置。
【請求項49】
前記電極を介して、少なくとも1つの周波数の交流測定電流が前記体に導入され、前記インピーダンスz0および/またはその成分有効抵抗、リアクタンスおよび/または位相角および/またはその経時変化(dz)が少なくとも1つの体セグメントで、前記交流測定電流が流れる体の略長さ方向において測定されることを特徴とする請求項42〜48のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項50】
前記心臓活動により変化する体積および時間的シフトの体積稼働時間、および/または、時間インターバル、振幅、傾斜の傾き、低下の傾き、合計および/または部分面積など、その特性に関する、前記2つの時間的にシフトされたインピーダンス曲線の特性およびその経時変化(dz、dz/dt)が、心拍出量および/または前記血管の機能を計算するためのパラメータとして使用されることを特徴とする請求項42〜49のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項51】
測定された2つの下流の体セグメント間に距離が設けられており、前記体の前記非接触の測定のために、前記距離の長さが前記装置によって測定されることを特徴とする請求項42〜50のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項52】
前記電極を介して、少なくとも1つの周波数の交流測定電流が複数の方向で前記体に導入され、前記交流測定電流が通る本質的には同じ体セグメントの前記インピーダンスおよび/または前記経時変化が、前記体の少なくとも2つの異なる方向(R1,R2,R3)で測定されることを特徴とする請求項42〜51のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項53】
血管に注入された血液の電気伝導度を変化させる液体のボーラスが、心拍出量の計算のために注入されることを特徴とする請求項42〜52のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項54】
前記ボーラスによって生じる前記インピーダンスの変化が、2つの体セグメントで測定されることを特徴とする請求項53に記載のプロセス。
【請求項55】
前記電流は、各検査されるセグメントの上および下の端子端にある電極を介して導入されることを特徴とする請求項42〜54のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項56】
2本の脚の前記インピーダンスが常に別個に測定されることを特徴とする請求項42〜55のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項57】
前記心臓活動によって生じた、胸部セグメントおよび/または脚の前記インピーダンスおよび変化が、吸気中と呼気中に別個に測定されることを特徴とする請求項42〜56のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項58】
前記心臓活動によって生じた、前記胸部および/または前記脚の前記インピーダンスの変化が、前記胸部インピーダンスの最大時と最小時に別個に測定されることを特徴とする請求項42〜57のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項59】
前記インピーダンスは、一方では、細胞外空間のみをカバーする0.1kHz〜最大40kHzの少なくとも2つの異なる周波数で測定され、他方では、40kHzを越え、2MHz未満の少なくとも2つの異なる周波数で測定されることを特徴とする請求項42〜58のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項60】
前記交流測定電流の前記周波数は、低い測定周波数から高い測定周波数に連続的に変更されることを特徴とする請求項42〜59のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項61】
前記電気伝導度を主に決定するイオン、すなわち、血清ナトリウムが決定されて、更に前記体セグメントの前記電気伝導体積を計算するために使用されることを特徴とする請求項42〜60のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項62】
細胞外空間および細胞内空間などの部分比率を有する前記体内水分および/または細胞外肺水分、胸水、腹水、脚の浮腫などが決定され、表示されることを特徴とする請求項42〜61のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項63】
駆出率および一回心拍出量などの心拍出量が結果として表示されることを特徴とする請求項42〜61のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項64】
体内水分を制御する、ADHおよびナトリウム利尿ペプチド(特に脳ナトリウム利尿ペプチドおよびその前駆物質)等の前記ホルモンレベル、その比率および組成が、前記装置によって経験式を用いて推定され、結果として表示されることを特徴とする請求項42〜63のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項65】
それぞれの場合に測定される前記セグメントは、合計2つの外部電流電極(E1およびE15など)によって、および少なくとも3つの内部電圧電極(E16,E17およびE2など)によって上端および下端で区切られることを特徴とする請求項42〜64のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項66】
それぞれの場合に測定される前記セグメントは、合計2つの外部電流電極(E1およびE15など)によって、および少なくとも4つの内部電圧電極(E16,E17,E2およびE18など)によって上端および下端で区切られることを特徴とする請求項42〜65のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項67】
それぞれの場合に、共通支持体(29)または共通ブラケット(26)にそれぞれ固定距離で適用される二重電極(22)または三重電極要素(37)は、前記測定のために使用されることを特徴とする請求項42〜66のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項68】
前記上端および前記下端でそれぞれの体セグメントを区切っている前記二重または三重電極は、固定長で距離付与器(39)によって接続されていることを特徴とする請求項67に記載のプロセス。
【請求項69】
患者から収集された計測値がデータベースに記憶されることを特徴とする請求項42〜68のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項70】
データが、経時変化と共に数値および/またはグラフィックの形式で表示されることを特徴とする請求項69に記載のプロセス。
【請求項71】
グラフィック形式の前記データは、データベース内に記憶されている以前の値と比較して表示され、基準値の識別のためのグラフィック指標(34)が提供されていることを特徴とする請求項69または70に記載のプロセス。
【請求項72】
受動または能動サーモグラフィック装置などのサーモグラフィック装置によって体温分布が検出される42〜71のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項73】
圧力を上昇させるために、前記体の四肢に取り付けられる少なくとも1つのカフが取り付けられ、前記カフによって、前記検査される体セグメントに体積変化が生じ、これが前記カフ内の前記圧力上昇中およびその後に検出されることを特徴とする請求項41〜72のいずれか1項に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2009−511217(P2009−511217A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535835(P2008−535835)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/AT2006/000431
【国際公開番号】WO2007/045006
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508120189)
【Fターム(参考)】