説明

身体手入れ方法およびその機器

【課題】肌を含む身体に優しい回転運動を与えられる身体手入れ機具を提供する。
【解決手段】円形パフ13による身体手入れ時に、円形パフ13に自転を伴わない円運動をさせるので、円形パフ13は自転せず、自己の中心線aから所定の距離偏心した状態を保持して旋回する。その結果、円形パフ13の表面上の全ての点が、同じ半径rの軌跡を描く円運動を行う。よって、中心線aからの離間距離に関係なくその回転速度は円形パフ13の全位置で常に一定となり、円形パフ13の身体との接触部分に対して、刺激が小さい回転運動を与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は身体手入れ方法およびその機器、詳しくは人間の身体またはペットなどの動物の身体を手入れ可能な身体手入れ方法およびその機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人間の身体を手入れする身体手入れ機として、例えば特許文献1が知られている。
特許文献1は、ケーシング形状の機体の先側より若干外方に配置された円盤形状の回転ヘッドを、機体の内部に設けられた回転モータにより自転させる構成を有している。
回転ヘッドの表面側には、洗顔用パフが着脱自在に取り付けられている。また、回転ヘッドの裏面側のうち、回転ヘッドの裏側の中心部には、回転モータの出力軸が連結されている。
特許文献1の使用時には、回転モータの出力軸を回転させることで、回転ヘッドとともに洗顔用パフが自転する。このとき、回転中の洗顔用パフに洗剤をつけ、肌に押し当てることで、肌の汚れを洗い落とす。
【特許文献1】特開2000−233007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の回転ヘッドの回転は、回転ヘッドの中心線上に配置された回転モータの出力軸を中心とした自転であった。そのため、回転ヘッドの回転速度は、回転ヘッドの半径方向の外側に向かうほど速まるとともに、回転ヘッドの外周縁の回転半径は大きかった。
その結果、回転ヘッドに装着された洗顔パフを肌に押し当てて洗顔すると、洗顔パフの内周部では肌に優しい回転半径が小さくて低速の円運動が得られるものの、洗顔パフの外周部では回転半径が大きくて高速の円運動となり、肌を傷めやすく、洗顔パフに付いた洗剤や泡を周辺に飛び散らしていた。
これらは、例えば、回転ヘッドを回転モータにより単に偏心回転させた場合も同じであった。
【0004】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、回転ヘッドに対して、回転ヘッドの表面上に存在する全ての点(仮想点)が、回転ヘッドの表面上において同じ半径rの軌跡を描く自転を伴わない円運動を行わせれば、回転ヘッドの全域で肌に優しい回転運動を行わせることができることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、肌を含む身体に優しい回転運動を与えて身体を手入れすることができる身体手入れ方法およびその機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、身体に押し付けて該身体を手入れする身体手入れ部、または、手入れ媒体を前記身体に発射して該身体を手入れする身体手入れ部に、自転を伴わない円運動をさせながら前記身体を手入れすることを特徴とする身体手入れ方法である。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、身体手入れ部を身体に押し付け、身体を手入れする。または、身体手入れ部を身体より所定距離だけ離し、身体手入れ部から手入れ媒体を発射して、その手入れ媒体により身体を間接的に手入れする。
身体手入れ時(使用時)には、身体手入れ部に自転を伴わない円運動を行わせる。これにより、身体手入れ部は、自転することなく、自己の中心線から所定の距離(半径r)偏心した状態を保持して旋回する一種の揺動運動(以下、この自転を伴わない円運動を「円揺動」という場合がある)を行う。その結果、身体手入れ部の表面上の全ての点が、同じ半径の軌跡を描くような円運動を行う。よって、身体手入れ部の中心線からの離間距離に関係なくその回転速度は身体手入れ部の全位置で常に一定となる。これにより、身体において、身体手入れ部の手入れ作用面の接触部分(例えば肌)、または、手入れ媒体の接触部分に対する刺激が均一かつソフト(小さく)になる。
しかも、身体手入れ部の手入れ作用面に、所望の身体手入れ剤(泡状洗浄液やマッサージクリームなど)を付けて使用するとき、身体手入れ部の外周部に大きい遠心力は作用しない。その結果、使用時に身体手入れ剤が飛散し、周辺を汚すというおそれは少ない。
【0007】
これに対して従来法では、身体手入れ部に自転を伴う円運動を行わせていたので、身体手入れ部の中心線から半径方向に離れるほど回転速度(遠心力)が高まっていた。そのため、身体手入れ部または手入れ媒体の接触部分には、激しい刺激が作用していた。しかも、身体手入れ部の手入れ作用面に、前記身体手入れ剤を付着させて使用するとき、身体手入れ部の外周部には大きな遠心力が作用する。これにより、使用時に身体手入れ剤が身体手入れ部の遠心力により飛散し、周辺を汚し易い。
【0008】
手入れする身体の部位としては、例えば頭(頭皮、髪を含む)、顔(頬、額、鼻、まぶた、耳、唇、顎を含む)、手(腕、指、爪を含む)、上半身(胴、肩、胸(乳房)、背中を含む)、下半身(腰、足、生殖器、爪を含む)を採用することができる。その他、口腔(歯、歯肉、舌を含む)などでもよい。
身体手入れ部は、直接、身体に押し付けてもよいし、衣服やタオルなどの介在物を介して間接的に押し付けてもよい。さらには、前記手入れ媒体を身体に発射して身体を手入れしてもよい。
身体手入れ部を身体に押し付ける際には、例えば、水、油、洗剤、シャンプ(ボディシャンプを含む)、リンス、各種の化粧液(化粧水、スキンミルク、香水など)、各種のマッサージ液、蜂蜜(ローヤルゼリーを含む)、牛乳、豆乳、米の磨ぎ汁、筋肉痛緩和剤、痛み止め剤、傷薬、皮膚や粘膜を通して導入される各種の塗布薬、各種の脱毛剤、各種の痩身剤、各種の美肌剤(美白剤を含む)、泥、海草、藻、サンオイル、UVカット剤、発汗剤、制汗剤、消毒剤、徐菌剤、歯磨き剤、歯周病治療剤、防臭剤、豊胸剤、シミ消し剤、マニュキュア液、発毛剤、育毛剤、塩、各種ミネラル(粒体または粉体の鉱石を含む)などの身体塗布物を身体に塗り付け(擦り付け)てもよい。身体塗布物は、液体でも固形物でもよい。身体塗布物が液体の場合には、ゾル状またはゲル状を含むものとする。
【0009】
身体手入れ部の素材としては、例えば、各種の合成樹脂(ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、PEEK、PET、ABSなど)、各種のゴム(天然ゴム、合成ゴム)、各種の金属(鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、銀、金、チタンなど)、各種のセラミックスを採用することができる。
身体手入れ部が合成樹脂の場合には、軟質の合成樹脂(発泡性を含む)でもよいし、硬質の合成樹脂(発泡性を含む)でもよい。
身体手入れ部の全体形状としては、例えば、正面視して円形、楕円形、三角形以上の多角形でもよいし、任意の形状でもよい。
身体手入れ部の大きさは限定されない。
【0010】
身体手入れ部としては、例えばブラシ、パッド、パフ、タオル、表側に凹部およびまたは凸部を有したマッサージ体、振動体(超音波振動体を含む)、バキュームノズル、シャワーノズル(肛門や陰部を洗う携帯シャワー用を含む)、液体または気体の吹き出しノズル、発光体、発熱体、冷却体、磁石体(電磁石を含む)、放射線発生体、電気発生体などを採用することができる。その他、ヤスリ、吸盤、スポンジ、毛抜き(ピンセットを含む)、毛を引き抜く脱毛手段を有した脱毛処理体(脱毛用ヘッド)、髭そり(電動髭そり(髭そり刃を回転または振動させる髭そり用ヘッド)を含む)、舌の垢を掻き取る舌垢取り、羽根、耳掻き、スチーム吹き出しノズル、顔の油取り材などを採用することができる。さらに、薬液や美容液などの中に含まれる有効成分を皮膚から生体内に導入するため、1対の電極を生体に接触させて各電極への通電を行いながら、イオン化された有効成分(イオン化成分)を生体内に導入するイオン導入体などを採用してもよい。具体的には、装置のグリップ部に設けられた導通電極と、イオン化成分を導入したい生体(例えば顔)に接触されるヘッドとの間で例えばパルス電流を通電することで、イオン化成分を生体内に導入させてもよい。ここでいうイオン化成分としては、マイナスイオン化成分が一般的であるものの、プラスイオン化成分でもよい。さらに、グリップ部の導通電極を手で握り、ヘッドに正の電圧を加えて微弱電流を流し、負に帯電した生体の汚れをヘッド側に吸着させるイオンクレンジング体の身体手入れ部でもよい。
【0011】
手入れ媒体としては、各種の液体(ゾル状物またはゲル状物を含む)、各種の気体、各種の固体(粒体、粉体)、各種の光を採用することができる。ただし、人体に対して毒性が低いものが好ましい。
液体の手入れ媒体としては、例えば、水、オイル(油)、各種の溶質(各種の薬剤、泥、各種の海草、各種の藻、各種のミネラル、各種の植物抽出成分(薬草抽出成分を含む)、各種の動物抽出成分など)を溶媒(水、アルコールなど)に溶かした各種の溶液、蜂蜜、ミルクなどを採用することができる。また、他の液体の手入れ媒体としては、各種のマッサージ液、各種の脱毛剤、各種の痩身剤、各種の美肌剤(美白剤を含む)、各種の発毛剤や育毛剤でもよい。
【0012】
気体の手入れ媒体としては、例えば、空気、窒素ガスを含む不活性ガス、水素ガス、酸素ガスなどを採用することができる。
固体の手入れ媒体としては、例えば、塩、砂、トルマリン、アルミナなどを採用することができる。
光の手入れ媒体としては、例えば、太陽光、赤外線、遠赤外線、紫外線、レーザ光、各種の放射線、各種の発光ダイオードからの光などを採用することができる。
手入れ媒体である液体、気体、固体を身体に発射する手段としては、例えばシャワーを含むスプレー装置などを採用することができる。
手入れ媒体である光を身体に発射する手段としては、例えば各種の発光装置などを採用することができる。
手入れ媒体を発射する位置から身体までの距離は限定されない。例えば、身体と接触した位置からでもよいし、身体から数mm〜数十m離れた位置からでもよい。
身体手入れ部は、身体に押し付けて身体を手入れする機能と、手入れ媒体を身体に発射して身体を手入れする機能との両方を備えたものでもよいし、何れか一方だけを備えたものでもよい。
【0013】
請求項2に記載の発明は、回転ヘッドと、該回転ヘッドに固定状態または着脱自在に設けられ、身体を手入れする身体手入れ部と、前記回転ヘッドに、自転を伴わない円運動をさせる回転手段とを備え、前記身体手入れ部は、前記身体に押し付けて該身体を手入れするか、手入れ媒体を前記身体に発射して該身体を手入れすることを特徴とする身体手入れ機である。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、身体手入れ部を身体に押し付け、回転手段により身体手入れ部を自転を伴わない円運動を行わせて身体を手入れする。または、身体手入れ部を身体より所定距離だけ離し、回転手段により身体手入れ部を自転を伴わない円運動を行わせながら身体手入れ部から手入れ媒体を発射し、その手入れ媒体により身体を間接的に手入れする。
このように、使用時には身体手入れ部に自転を伴わない円運動を行わせる。これにより、身体手入れ部は、自転することなく、自己の中心線から所定の距離偏心した状態を保持して旋回する。その結果、身体手入れ部の表面上の全ての点が、同じ半径の軌跡を描くような円運動を行う。よって、身体手入れ部の中心線からの離間距離に関係なくその回転速度は身体手入れ部の全位置で常に一定となる。従って、身体において、身体手入れ部の手入れ作用面の接触部分、または、手入れ媒体の接触部分に対する刺激は均一かつソフトとなる。
しかも、身体手入れ部の手入れ作用面に、所望の身体手入れ剤を付けて使用するとき、身体手入れ部の外周部に大きい遠心力は作用しない。その結果、使用時に身体手入れ剤が飛散し、周辺を汚すというおそれは少ない。
【0015】
回転ヘッドの素材、形状、大きさは限定されない。
身体手入れ部は、回転ヘッドに固定してもよいし、着脱自在に設けてもよい。
身体手入れ部を回転ヘッドに着脱自在にする構造としては、例えば嵌合構造、螺合構造、係止構造(フックによる掛止、磁石による磁着を含む)を採用することができる。
回転手段は、主に、駆動部と、自転を伴わない円運動機構部(円揺動機構部)とにより構成される。ただし、ハンドルを回転させるなどして円運動機構部を動かす手動式のものでもよい。
回転手段により自転を伴わない円運動を行わされる回転ヘッドの数は1つでもよいし、複数でもよい。
回転ヘッドには、1つの身体手入れ部のみを設けてもよいし、複数の身体手入れ部を併設してもよい。このような複数の場合には、全ての身体手入れ部を同じ機能のものとしてもよいし、少なくとも1対の身体手入れ部の関係において互いに異なる機能を有したもの同士としてもよい。
【0016】
駆動部としては、例えば電動モータ、油圧モータ、ガス圧モータ(空気圧モータを含む)などを採用することができる。
円運動機構部の構成は限定されない。例えば、1本または複数本(2本、3本、4本以上)の円揺動ピンを自己の軸線回りに回転自在として回転ヘッドに連結し、駆動部により円揺動ピンを、その軸線から平行に所定距離だけ離間した1本または複数本の回転軸を中心にして回転させるものなどを採用することができる。回転軸が複数の場合には、各回転軸を、対応する駆動部を用いて個別に回転させてもよいし、連動機構(ギヤ構造、ベルトまたはチェーン連結構造など)により一括して連動させてもよい。
【0017】
なお、円揺動ピンが複数本の場合、各円揺動ピンの軸線と、対応する回転軸との距離は全て略等しくする必要がある。しかも、各円揺動ピンは同期回転させなければ回転ヘッドがスムーズに円揺動しない。また、円揺動ピンが1本の場合には、回転ヘッドの円揺動がガタつき、不安定になり易い。その際には、身体手入れ部に対して、平面内で円滑な円揺動を行わせるスライドガイド構造(例えばガイド板、ガイド枠、ガイド棒、ガイド溝など)を設けた方が好ましい。スライドガイド構造は、円揺動ピンを複数本使用する場合にも適用した方が好ましい。
さらに、円揺動の大きさ(円揺動の半径の大小)は、回転ヘッドの中心線から偏心した距離(半径r)は、駆動部の回転軸から円揺動ピンまでの距離を、断続的(例えば一定ピッチ)または連続的に移動させることで、任意に変更することができる。例えば、前記回転軸から半径方向に所定間隔ごとに形成された複数のピン差し孔のうち、現状とは異なるピン差し孔に円揺動ピンを差し込むことで、回転ヘッドの円揺動の大きさ(揺れ幅)を任意に変更することができる。また、この回転軸から半径方向に長さ方向を向けて形成された長孔(ピン差し孔)において、円揺動ピンの固定位置を移動させることで、回転ヘッドの円揺動の大きさ(揺れ幅)を任意に変更することができる。
身体手入れ機は、装置本体(ケーシングなど)に回転手段を取り付け、回転手段の出力軸を装置本体の先端から突出させ、その突出部分に回転ヘッドを設けてもよい。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記身体は、人間の身体または人間を除く動物の身体であることを特徴とする請求項1に記載の身体手入れ方法または請求項2に記載の身体手入れ機である。
人間を除く動物としては、例えば各種のペットを採用することができる。ペットとしては、例えば犬、猫、猿、豚、馬、鼠類、各種の爬虫類(蛇、トカゲなど)、鳥(鳩、九官鳥、オーム、鶯、文鳥など)、各種の魚、各種の昆虫などを採用することができる。また、その他の野性動物(海獣を含む)でもよい。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記身体手入れ部は、ブラシ、パッド、パフ、表側に凹部およびまたは凸部を有したマッサージ体、振動体、バキュームノズル、シャワーノズル、液体または気体の吹き出しノズル、発光体、発熱体、冷却体、マグネット、放射線発生体、電気発生体、毛を引き抜く脱毛手段を有した脱毛処理体、イオン導入体のうち、少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の身体手入れ方法または身体手入れ機である。
【0020】
ブラシは、マッサージ用ブラシ、洗浄用ブラシを含む。
パッドの素材としては、例えばスポンジ、綿、布帛(織布、不織布、編布)、ゴム、合成樹脂(軟質または硬質のもの)を採用することができる。
マッサージ体としては、表面に凹部か、凸部か、凹部と凸部との両方が形成されたものを採用することができる。凹部、凸部の大きさ、形状、形成数は限定されない。
振動体としては、各種のバイブレータを採用することができる。
バキュームノズルは、吸引器の吸引部に連通されている。吸引器は、例えば身体手入れ機内に収納してもよいし、身体手入れ機の外に設けてもよい。
【0021】
発光体としては、例えば赤外線ランプ、遠赤外線ランプ、紫外線ランプ、レーザ光発光体、発光ダイオード(LEDランプ)などを採用することができる。
発熱体としては、例えば温水、温油、スチーム、各種のヒータなどを採用することができる。
冷却体としては、例えば冷水、氷、冷油、ミスト、各種の冷却装置などを採用することができる。
放射線発生体としては、X線発生体、ゲルマニウム発生体などを含む。
電気発生体としては、例えば高周波発生体、低周波発生体、電気石(トルマリンなど)などを含む。
マグネットとしては、電気磁石、その他の磁石を採用することができる。
身体手入れ部は、ブラシ、パッド、マッサージ体、振動体、バキュームノズル、シャワーノズル、吹き出しノズル、発光体、発熱体、冷却体、マグネット、放射線発生体、電気発生体、脱毛処理体、イオン導入体のうち、1つだけを回転ヘッドに設けてもよいし、2つ以上を回転ヘッドに設けてもよい。
【0022】
請求項5に記載の発明は、前記回転手段は機体に設けられ、前記機体と前記回転ヘッドとの間には、前記回転ヘッドの自転を伴わない円運動ができるように、前記機体と前記回転ヘッドとの隙間を外方から被う環状カバーが設けられたことを特徴とする請求項2に記載の身体手入れ機である。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、機体と回転ヘッドとの間に環状カバーを設けたので、回転ヘッド(身体手入れ部)の回転時、例えば水、身体手入れ部に付着した前記身体塗布物、ごみ、埃などが、機体と回転ヘッドとの隙間に侵入し難い。そのため、これらの侵入物を原因とした回転ヘッドの回転障害を解消することができる。しかも、その際、環状カバーは回転ヘッドの円運動を妨げない。その結果、身体手入れ部による身体の手入れは、環状カバーを用いない場合と略同程度の円滑さで行える。
【0024】
回転ヘッドの自転を伴わない円運動ができるように、環状カバーにより機体と回転ヘッドとの隙間を外方から被うとは、環状カバーに伸縮性を持たせたり、環状カバーを回転ヘッドの回転範囲の全体を被う大きさにすることで、回転ヘッドが自転を伴わない円運動をしても、その回転に支障が発生しないようにすることをいう。
環状カバーの素材は限定されない。例えば弾性素材(ゴム、軟質合成樹脂など)でもよいし、弾性を有しない湾曲自在な素材(合成樹脂、布帛など)でもよい。また、剛体でもよい。ただし、剛体の場合には、環状カバーは機体または回転ヘッドの何れか一方のみに固定されるものとする。
機体に設けられる回転手段は1つでもよいし、複数でもよい。
【0025】
請求項6に記載の発明は、前記回転手段は、身体に着脱自在に装着される機体に設けられたことを特徴とする請求項2または請求項5に記載の身体手入れ機である。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、回転手段が、機体を介して、身体に着脱自在に取り付けられる。そのため、使用中、使用者が身体手入れ機を持ち続けたり、身体手入れ機を設置するスペースを使用者の周辺に確保する必要がない。
【0027】
機体が装着される身体の部位は限定されない。身体の全域でもよいし、その一部でもよい。
機体の素材は限定されない。例えば、合成樹脂、金属、木、布帛、セラミックスなどを採用することができる。
機体の形状は、機体が装着される身体の部位によって適宜変更される。例えば、その部位が頭部の場合には、頭部を被うヘッドカバー(帽子型を含む)形状、その部位が顔の場合にはマスク形状(顔全体または顔の一部を被うもの)、その部位が鼻の場合には鼻に被せる鼻キャップ形状、その部位が首の場合には首バンド(首輪)形状、その部位が上半身の場合には上着(ジャケット)形状、その部位が腕の場合には腕バンド(腕用サポータ)形状、その部位が肘の場合には肘当て形状、その部位が手の場合には手袋形状、その部位が胸の場合にはブラジャ形状、その部位が腰の場合には腹巻き(腰巻き)形状、その部位が下半身の場合にはズボン(ジャージ)形状、その部位が臀部または下腹部の場合にはパンツ(トランクス)形状、その部位が太股やふくらはぎの場合には脚バンド(脚用サポータ)形状、その部位が足首より足先側の場合には靴下形状となる。
【0028】
身体手入れ部により手入れされる身体の部位が乳房の場合には、例えば、ブラジャ形状を有した布帛製や皮革製などの機体を有し、機体の両カップ部分(これらの部分だけは剛体とした方が乳房のマッサージ効果が高まる)の内側に、乳房に密着される身体手入れ部(シリコーンパッドといった密着式パッドなど)または乳房に押し当てられる身体手入れ部(ゴムパッド、綿入れパッド、スポンジパッドといった乾式パッドなど)をそれぞれ配置し、両身体手入れ部をまとめて1台の請求項2の回転手段を使用するか、身体手入れ部を個別に2台の回転手段を使用して、それぞれ自転を伴わない円運動をさせるように構成した身体手入れ機を用いてもよい。
【0029】
機体を身体に着脱自在に取り付ける方法としては、各種の係止具(面状ファスナ、線条ファスナ、ホック、フック、ボタン、磁石、クリップなど)による係止を採用することができる。また、糸(ワイヤ、ロープ、たこ糸など)、紐、帯などを使用した締結でもよいし、粘着テープなどによる接着でもよい。
【発明の効果】
【0030】
請求項1に記載の身体手入れ方法および請求項2に記載の身体手入れ機によれば、身体手入れ部による身体手入れ時に、身体手入れ部に自転を伴わない円運動を行わせるので、身体手入れ部は、自転することなく、自己の中心線から所定の距離偏心した状態を保持して旋回する。その結果、身体手入れ部の表面上の全ての点が、同じ半径の軌跡を描くような円運動を行う。よって、身体手入れ部の中心線からの離間距離に関係なくその回転速度は身体手入れ部の全位置で常に一定となり、身体手入れ部または手入れ媒体の接触部分に対して、刺激が小さい(ソフトな)回転運動を与えることができる。
【0031】
特に、請求項5に記載の発明によれば、機体と回転ヘッドとの間に環状カバーを設けたので、回転ヘッドの回転時、例えば水、身体手入れ部に付着した前記身体塗布物、ごみ、埃などが、機体と回転ヘッドとの隙間に侵入しない。そのため、これらの侵入物を原因とした回転手段による回転ヘッドの回転障害、機体に設けられた回転手段などの損傷を防止することができる。しかも、環状カバーは回転ヘッドの自転を伴わない円運動を妨げないので、身体手入れ部による身体の手入れは、環状カバーを装着しないときと略同じ程度の円滑を有している。
【0032】
また、請求項6に記載の発明によれば、回転手段が、機体を介して、身体に着脱自在に取り付けられる。そのため、使用中、身体手入れ機を使用者が持ち続けたり(携帯型の身体手入れ機の場合)、身体手入れ機を設置するスペースを使用者の周辺に確保する必要がない(設置型の身体手入れ機の場合)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。ここでは、美容クリームの肌塗布用の身体手入れ機(携帯用)を例とする。
【実施例1】
【0034】
図1および図2において、10はこの発明の実施例1に係る身体手入れ機で、この身体手入れ機10は、身体手入れ機10の本体となる機体11と、回転ヘッド12と、回転ヘッド12に着脱自在に設けられ、肌(身体)に押し付けられて肌を手入れする円形パフ(身体手入れ部)13と、回転ヘッド12に、自転を伴わない円運動をさせる回転手段14を備えている。
以下、これらの部品を具体的に説明する。
【0035】
機体11は、先部(図1中の上部)が一方へ略45°だけ屈曲した略円筒形状のケーシングである。機体11は合成樹脂製で、その元部は1対の乾電池15が収納された電池収納部16となっている。また、機体11の先部には電動モータ17が1対の支持板により位置決め状態で収納されている。さらに、機体11の先端部は、電動モータ17の出力軸17aの回転運動を、回転ヘッド12に対しての自転を伴わない回転運動(円揺動)に変換する円揺動ギヤ部18が設けられている。機体11の屈曲部の外周側には、スイッチ19が設けられている。このスイッチ19は、回転ヘッド12の正転と逆転との切り換え機能付きとしてもよい。
【0036】
機体11の元側の端部には、前記電池収納部16の蓋体20が取り付けられている。
また、機体11の先端部には、頭蓋板21が一体形成されている。頭蓋板21の中心部には、電動モータ17の出力軸17aの軸孔21aが形成されている。出力軸17aは、その先端部が軸孔21aを通過して外方まで突出し、その突出部分に駆動ギヤ22が固着されている。また、頭蓋板21の軸線を中心とした線対称位置には、後述する従動ギヤ23の回転軸24の軸孔21bがそれぞれ形成されている。両軸孔21bには、頭蓋板21の表裏両側に配置された1対のワッシャ25を軸受板として、従動ギヤ23の回転軸24が、出力軸17aと互いの軸線を平行にして回転自在にそれぞれ挿着されている。両従動ギヤ23は、駆動ギヤ22の両側にそれぞれ噛合されている。両従動ギヤ23の外周部の表側には、対応する回転軸24の軸線と軸線を平行にして、円揺動ピン26の元部がそれぞれ軸支されている。このとき、両従動ギヤ23の表面上における円揺動ピン26の軸支位置は、対応する回転軸24の軸線を中心とした同じ角度位置となっている(図3a)。両円揺動ピン26の先部の外周側には、環状突起26aが1条ずつ形成されている。
なお、各従動ギヤ23の表側に、例えば回転軸24の軸線から半径方向に一定ピッチで図示しない複数のピン固定孔を形成し、このうち、何れかのピン固定孔に円揺動ピン26を抜き差し自在に挿着可能にすれば、回転ヘッド12の円揺動の回転半径(大きさ、振れ幅)を任意に変更することができる。その他、各従動ギヤ23の表側に、例えば回転軸24の軸線から半径方向に長い図示しない長孔を形成し、この長孔の任意位置に円揺動ピン26を固定可能な構造(例えばボルトナットによる締結構造)としても、回転ヘッド12の円揺動の回転半径を変更することができる。
【0037】
また、機体11の先端部には、円形キャップ27が螺合されている。円形キャップ27の上板には、その中心線を中心とした線対称位置に、円揺動ピン26の回転を阻害しない大きさを有した1対のピン孔27aがそれぞれ形成されている。両円揺動ピン26は、対応するピン孔27aに挿通状態でそれぞれ外方に突出している。回転手段14は、電動モータ17と円揺動ギヤ部18とを有している。なお、回転手段14に公知の多段変速ギヤ構造を組み込むことで、回転ヘッド12の回転速度(円揺動速度)を可変としてもよい。
円形キャップ27の表側には、両円揺動ピン26を介して、合成樹脂製の厚肉な円板形状の回転ヘッド12が自転を伴わない円運動自在に設けられている。すなわち、回転ヘッド12の裏側には、その外周部の両側部分に、対応する円揺動ピン26が若干の隙間を介してそれぞれ挿着される1対のピン穴12aが形成されている。両ピン穴12aには、対応する円揺動ピン26の環状突起26aが掛止される環状凹部12bが形成されている。
【0038】
円形キャップ27の周側板の先部と、回転ヘッド12の外周部の元部との間には、回転ヘッド12の自転を伴わない円運動が可能なように、円形キャップ27と回転ヘッド12との隙間(機体11と回転ヘッド12との隙間)を外方から被うゴム製の環状カバー28が設けられている。
回転ヘッド12の先部には円形パフ13が掛止されている。すなわち、円形パフ13の裏側には円形の掛止キャップ29が固着され、この掛止キャップ29を回転ヘッド12の先部に着脱可能に被せることで、回転ヘッド12に円形パフ13が掛止される。また、回転ヘッド12には、円形パフ13に代わる身体手入れ部として、例えば複数のLED(発光ダイオード)30aが配設されたLED発光体30(図4)、プラス極およびマイナス極を有したイオン導入体31(図5)、圧電素子32aを有した超音波振動体32(図6)を着脱自在に装着してもよい。
【0039】
図示しないものの、これらに対する通電方法を説明する。すなわち、一方の回転軸24、従動ギヤ23および一方の円揺動ピン26を導電性素材製のマイナス極円揺動回転子とするとともに、機体11のグリップ部分(例えば電池収納部16)の外側にプラス極端子の板を固定する。また、回転ヘッド12の他方のピン穴12aの形成部に、回転ヘッド12の表裏面を貫通してマイナス極端子を埋め込む。そして、掛止キャップ29の外周部に、マイナス極端子に接続可能な別のマイナス極端子を、掛止キャップ29の表裏面を貫通してそれぞれ埋め込む。これにより、乾電池15からLED発光体30、イオン導入体31または圧電素子32aに対して通電が可能となる。ただし、これには限定されず、他の公知の通電方法を採用することができる。
【0040】
次に、この発明の実施例1に係る身体手入れ機10による身体(肌)手入れ方法を説明する。
図1に示すように、円形パフ13の表面(手入れ作用面)側にマッサージクリーム(洗顔クリームでも可能)を付着させ、スイッチ19を入れる。これにより、電動モータ17によって出力軸17aが回転し、駆動ギヤ22を介して、両従動ギヤ23が回転軸24を中心にして同じ方向に同じ速度で回転する。これにより、両円揺動ピン26を介して、回転ヘッド12に掛止された円形パフ13が、自転することなく、自己の中心線aから半径rだけ偏心した状態を保持して旋回する一種の揺動運動を行う。その結果、円形パフ13の表面上の全ての点が、同じ回転半径rの軌跡を描くような円運動を行う(図3a)。よって、円形パフ13の中心線からの離間距離に関係なく、その回転速度は円形パフ13の全位置で常に一定となる。その結果、回転速度を高めても、円形パフ13の外周部において大きな遠心力は作用しない。
【0041】
その後、円形パフ13の表面側を肌に押し付けることで、マッサージクリームを肌に塗布しながら肌をマッサージする。このとき、円形パフ13は自転を伴わない円運動を行っているので、肌に対する円形パフ13による刺激は、円形パフ13の手入れ作用面全域において、均一かつソフトとなる。しかも、前述したように円形パフ13の回転速度は円形パフ13の全位置で常に一定となるため、円形パフ13の外周部に大きな遠心力は作用しない。その結果、使用時において、円形パフ13の表面上のマッサージクリームは飛散し難く、使用者の服および使用者の周辺の物を汚すおそれが少ない(図3b)。これに対して、従来の身体手入れ機では、円形パフに自転を伴う円運動を行わせていたので(図3c)、円形パフの外周部には大きな遠心力が作用し、使用時にマッサージクリームが飛散し、周辺を汚し易かった(図3d)。
【0042】
また、ここでは回転ヘッド12と円形キャップ27との間に環状カバー28を設けたので、使用時において、マッサージクリーム、ごみ、埃などが、回転ヘッド12と円形キャップ27との間に侵入し難くなる。その結果、これらの侵入物を原因とした回転ヘッド12の回転障害を解消することができる。しかも、環状カバー28は回転ヘッド12の円運動を妨げない軟らかさを有している。その結果、円形パフ13による肌の手入れは、環状カバー28を用いない場合と略同程度の円滑さで行うことが可能となる。
【0043】
なお、円形パフ13を別の身体手入れ部(LED発光体30、イオン導入体31、超音波振動体32など)としたい場合には、回転ヘッド12から掛止キャップ29を外し、所望の身体手入れ部30〜32の掛止キャップ29を回転ヘッド12に掛止すればよい。
その結果、例えばLED発光体30に変更した際には、LED光の照射による肌の細胞の活性化を図ることができる。また、イオン導入体31に変更した場合には、イオン導入体の手入れ作用面に付いた薬剤などを肌に浸透させることができる。さらに、超音波振動体32に変更した場合には、超音波振動体32を介して、それが当接する肌の部分を微細に振動させる。これにより、肌の細胞を活性化させることができる。
そして、身体手入れ部は、例えばシャワーノズルとしてもよい。この場合、例えばシャワーノズル内に組み込まれた防水性の電動モータによってノズルヘッド部分を円揺動させ、手入れ媒体であるお湯を円揺動させながら身体に向かって発射して身体を手入れする。
【実施例2】
【0044】
次に、図7および図8を参照して、この発明の実施例2に係る身体手入れ機を説明する。
図7および図8に示すように、実施例2の身体手入れ機10Aは、女性の乳房を手入れするものである。以下、その構成を具体的に説明する。
実施例2の身体手入れ機10Aは、織布製のブラジャ50の両カップ部分の内側に、アルミニウム合金製の金属カップ51が配設されている。両金属カップ51の内側には、乳房の略全体に押し当てられる1対のゴムパッド(身体手入れ部)52が配設されている。両ゴムパッド52の頂上部には、掛止キャップ29Aがそれぞれ固定されている。
【0045】
ゴムパッド52に代えて、乳房に密着(吸着)可能なシリコーンパッドまたは低周波発生パッドなどを採用してもよい。このとき、実施例1と同じように、回転ヘッド17に対して掛止キャップ29Aを着脱させることで、両ゴムパッド52が他の身体手入れ部に交換される。
両金属カップ51の頂上部には、1対の短尺な機体11Aがそれぞれ固定されている。機体11A内には、実施例1と同じように、電動モータ17および円揺動ギヤ部18を有した回転手段14と、回転ヘッド12とが収納されている。なお、実施例2では、電源に乾電池を使用せず、100Vの交流電源を採用している。よって、電動モータ17も高出力化している。スイッチ19Aは、電源コードの途中に1つ設けられている。もちろん、実施例1と同じ乾電池式でもよい。図8中、符号53は、金属カップ51の外周縁に嵌着され、金属カップ51の肌との接触をソフトにする環状ゴムである。
【0046】
実施例2において、身体手入れ機10Aの使用時には、まず両方の乳房にゴムパッド52を当てがい、この状態でブラジャ50を胸部に装着する。それからスイッチ17Aを入れると、両電動モータ17の出力軸17aが同期回転し、両回転ヘッド12とともに両ゴムパッド50が円揺動を行う。これにより、両方の乳房の全体がソフトに偏心運動(偏心マッサージ)される。このような乳房マッサージを、例えば毎日、所定時間だけ続けることで、両乳房に継続的な刺激が与えられ、バストアップ、豊胸の効果を奏することができる、なお、ゴムパッド52に代えて、低周波発生パッドを使用すれば、低周波を乳房に作用させながら同様のマッサージ(超音波振動、イオン導入、イオンクレンジング、バイブレータによる振動、LED光照射などのうち、少なくとも1つの併用も可能)を行えるので、バストアップ、豊胸の効果をさらに高めることができる。また、身体手入れ機10Aにバキューム装置を設け、その負圧力により乳房をゴムパッド52に吸着させるように構成してもよい。これにより、乳房マッサージ効果がさらに高まる。そして、バストアップ専用または豊胸化専用のものを含む各種のマッサージクリーム、各種の化粧液(クリーム)、各種の美容液(クリーム)などを両乳房に塗布してマッサージすれば、さらに効果的である。
【0047】
また、図9に示すように、実施例2のブラジャ50に代えてヘッドギヤ60を採用し、ヘッドギヤ60の両顎部に、例えばシリコーンパッド(身体手入れ部)61をそれぞれ密着させ、これらを円揺動させてマッサージ(バキューム装置の負圧力を利用した顎部へのシリコーンパッド61の真空吸着、超音波振動、低周波刺激、イオン導入、バイブレータによる振動、イオンクレンジング、LED光照射などのうち、少なくとも1つの併用も可能)するように構成してもよい。これにより、両顎部の脂肪分解などを促進し、小顔化させる効果が得られる。この場合、小顔化専用のものを含む各種のマッサージクリーム、各種の化粧液(クリーム)、各種の美容液(クリーム)などを両顎部に塗布してマッサージすれば、さらに効果的である。なお、回転手段14に代えて、バイブレータ、超音波振動体、イオン導入体、イオンクレンジング体、放射線発生体、マグネット、LED光照射体、冷却体、発熱体を採用してもよい。
【0048】
その他、ヘッドギヤ60の頭部に、頭皮を刺激する1つまたは複数の頭部用の図示しないゴムパッド(金属パッドでも可能)を配設し、その後、頭部用のゴムパッドを円揺動させて髪の毛の育毛または発毛を促してもよい。その場合、頭部用のパッド(回転ヘッド)にイオン導入用の電極を取り付ければ、頭皮をソフトにマッサージしながら、頭皮に、育毛剤または発毛剤に含まれる所定のイオン化成分(マイナスイオン化成分またはプラスイオン化成分)を浸透させることができる。このとき、パッド(回転ヘッド)に正電圧を加えて微弱電流(パルス電流)を流すことで、負に帯電した汚れ(例えば毛穴に入った汚れ)などを吸着して排出させるとともに、頭皮から剥がれた角質などを吸着して取り除くこともできる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施例1に係る身体手入れ機の縦断面図である。
【図2】この発明の実施例1に係る身体手入れ機の斜視図である。
【図3a】この発明の実施例1に係る身体手入れ機における身体手入れ部の円揺動運動を示す平面図である。
【図3b】この発明の実施例1に係る身体手入れ機における身体手入れ部の円揺動運動を示す側面図である。
【図3c】従来手段に係る身体手入れ機における身体手入れ部の円運動を示す平面図である。
【図3d】従来手段に係る身体手入れ機における身体手入れ部の円運動を示す側面図である。
【図4】この発明の実施例1に係る身体手入れ機の他の身体手入れ部の概略側面図である。
【図5】この発明の実施例1に係る身体手入れ機の別の身体手入れ部の概略側面図である。
【図6】この発明の実施例1に係る身体手入れ機のまた別の身体手入れ部の概略側面図である。
【図7】この発明の実施例2に係る身体手入れ機の使用状態の斜視図である。
【図8】この発明の実施例2に係る身体手入れ機の要部拡大断面図である。
【図9】この発明の実施例2に係る他の身体手入れ機の使用状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10,10A 身体手入れ機
12 回転ヘッド
13 円形パフ(身体手入れ部)
14 回転手段
30 LED発光体(身体手入れ部)
31 イオン導入体(身体手入れ部)
32 超音波振動体(身体手入れ部)
17 電動モータ(回転手段)
11 機体
28 環状カバー
52 ゴムパッド(身体手入れ部)
61 シリコーンゴム(身体手入れ部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に押し付けて該身体を手入れする身体手入れ部、または、手入れ媒体を前記身体に発射して該身体を手入れする身体手入れ部に、自転を伴わない円運動をさせながら前記身体を手入れすることを特徴とする身体手入れ方法。
【請求項2】
回転ヘッドと、
該回転ヘッドに固定状態または着脱自在に設けられ、身体を手入れする身体手入れ部と、
前記回転ヘッドに、自転を伴わない円運動をさせる回転手段とを備え、
前記身体手入れ部は、前記身体に押し付けて該身体を手入れするか、手入れ媒体を前記身体に発射して該身体を手入れすることを特徴とする身体手入れ機。
【請求項3】
前記身体は、人間の身体または人間を除く動物の身体であることを特徴とする請求項1に記載の身体手入れ方法または請求項2に記載の身体手入れ機。
【請求項4】
前記身体手入れ部は、
ブラシ、パッド、パフ、表側に凹部およびまたは凸部を有したマッサージ体、振動体、バキュームノズル、シャワーノズル、液体または気体の吹き出しノズル、発光体、発熱体、冷却体、マグネット、放射線発生体、電気発生体、毛を引き抜く脱毛手段を有した脱毛処理体、イオン導入体のうち、少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の身体手入れ方法または身体手入れ機。
【請求項5】
前記回転手段は機体に設けられ、
前記機体と前記回転ヘッドとの間には、前記回転ヘッドの自転を伴わない円運動ができるように、前記機体と前記回転ヘッドとの隙間を外方から被う環状カバーが設けられたことを特徴とする請求項2に記載の身体手入れ機。
【請求項6】
前記回転手段は、身体に着脱自在に装着される機体に設けられたことを特徴とする請求項2または請求項5に記載の身体手入れ機。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−105442(P2007−105442A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328065(P2005−328065)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(597148460)
【Fターム(参考)】