車両のシートスライド装置
【課題】 円滑なシートスライドを保証しつつ異音の発生を効果的に抑える。
【解決手段】 略U字断面に成形され、左右の開口縁を対向方向内方へ屈曲させて底壁11と略平行な頂壁12となしたロアレール1と、長手方向の両端部に主ローラが設けられ当該主ローラが底壁11上を転動することによりロアレール1に沿って移動するアッパレール2と、主ローラの近傍に設けられた副ローラ34と、副ローラ34を上方へ付勢して頂壁12に当接させ、この時副ローラ34が受ける反力で主ローラを底壁11に当接させるコイルバネ32とを備える。副ローラ34はカバー体33を横断貫通する軸体341の両端に回転自在に支持されており、カバー体33および軸体341は上下方向へ一定範囲で移動可能にガイド穴314とガイド突起313でガイドされている。コイルバネ32はカバー体33を上方へ付勢している。
【解決手段】 略U字断面に成形され、左右の開口縁を対向方向内方へ屈曲させて底壁11と略平行な頂壁12となしたロアレール1と、長手方向の両端部に主ローラが設けられ当該主ローラが底壁11上を転動することによりロアレール1に沿って移動するアッパレール2と、主ローラの近傍に設けられた副ローラ34と、副ローラ34を上方へ付勢して頂壁12に当接させ、この時副ローラ34が受ける反力で主ローラを底壁11に当接させるコイルバネ32とを備える。副ローラ34はカバー体33を横断貫通する軸体341の両端に回転自在に支持されており、カバー体33および軸体341は上下方向へ一定範囲で移動可能にガイド穴314とガイド突起313でガイドされている。コイルバネ32はカバー体33を上方へ付勢している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のシートスライド装置に関し、特に、車両振動等による異音を生じないシートスライド装置の構造改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のシートスライド装置は通常、長尺のロアレールと当該ロアレールに移動自在に装着されてシート本体を支持するアッパレールとを備えている。その一例を図13、図14 に示し、ロアレール1は略U字断面に成形され(図14)、左右の開口縁は対向方向内方へ屈曲させられて底壁11と略平行な頂壁12となっている。アッパレール2は一定長の長尺板体(図13)を二枚重ねて起立姿勢としたもので、その下縁がロアレール1内に位置している。下縁の前後端部には板面を水平に貫通して軸体21が設けられてその両端にローラ体22が装着されている。この場合、ローラ体22がロアレール1内で円滑に回転するように、底壁11と頂壁12の対向間隔はローラ体22の外径よりもやや大きくしてあり、底壁11上に位置するローラ体22と頂壁12の間には隙Sが生じている。アッパレール2は中央部に設けたストッパ部材23(図13)の下端231がロアレール底壁11の係止穴内に進入することで位置決めされる。ストッパ部材23はアッパレール2に設けた操作レバー24が回動操作されるに伴って引き上げられて、その下端231が係止穴から脱出させられ、アッパレール2が移動可能となる。
【0003】
ところで、車両振動等が入力すると、ローラ体22がロアレール1内で上下方向へ往復振動して底壁11や頂壁12に当たり、異音を生じることがあった。そこで従来は、アッパレール2の前後端に振動防止具4を装着している。振動防止具4は図15に示すような樹脂の一体成形品で、中央にアッパレール2端への装着部41が形成され、その両側に接触片42が形成されている。接触片42は、装着部41に連続する基端421から先端422が上方へ湾曲しつつ延び、上方へ膨出湾曲する先端422面がロアレール1の頂壁12下面に弾接している(図13)。そして、この弾接時の反力でローラ体22がロアレール1の底壁11に押し付けられて、振動が入力してもローラ体22が浮き上がらないようにされ、異音の発生が防止されている。
【0004】
なお、特許文献1には、ロアレールの上壁(頂壁)方向へ付勢されたレバー部材の一端部に、上壁に接する樹脂スライダを設けたシートスライド装置が示されている。
【特許文献1】実開平4−41417
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のシートスライド装置では、ロアレール1およびアッパレール2の製造上のばらつきによって接触片42の弾接力の度合いが変化するため異音抑制の効果が変動しその管理が困難であった。また、十分な異音抑制効果を発揮させるために接触片42の弾接力を増大させるとスライド時の抵抗が過大となってシートの使用性が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、常に円滑なシートスライドを保証しつつ異音の発生を効果的に抑えることができる車両のシートスライド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、略U字断面に成形され、底壁(11)と略平行な頂壁(12)を有するロアレール(1)と、長手方向の両端部に主ローラ(22)が設けられ当該主ローラ(22)が底壁(11)上を転動することによりロアレール(1)に沿って移動するアッパレール(2)と、主ローラ(22)の近傍に設けられた副ローラ(34)と、副ローラ(34)を上方へ付勢して頂壁(12)に当接させ、この時副ローラ(34)が受ける反力で主ローラ(22)を底壁(11)に当接させる付勢部材(32)とを具備している。この場合、副ローラ(34)を回転自在に支持する軸体(341)と、当該軸体(341)を上下方向へ一定範囲で移動可能にガイドするガイド部(314,313)とをさらに備え、上記付勢部材(32)は軸体(341)を上方へ付勢するものとすることができる。
【0008】
本発明において、主ローラは一定の反力でロアレールの底壁に当接させられる結果、振動が入力しても主ローラが浮き上がることはなく、主ローラがロアレール内で上下に振動して生じる異音は効果的に防止される。本発明では回転自在な副ローラを頂壁に押し付けて反力を得ているから、十分に大きな反力を得るようにしてもシートスライドの円滑さを損なうことがない。
【0009】
なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の車両のシートスライド装置によれば、スムーズなシートスライドを保証しつつ異音の発生を効果的に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1において、アッパレール2の基本構造はすでに説明した従来のもの(図13参照)と同様で、下縁の前後端部に板面を水平に貫通して軸体21が設けられてその両端に従来のローラ体と同一の主ローラ22が装着され、これら主ローラ22がロアレール1の底壁11上を転動することによりアッパレール2が移動する。そして、本実施形態においては、アッパレール2の前後端にそれぞれ同一構造の振動防止機構3が設けられている。振動防止機構3の詳細を図2〜図5に示す。
【0012】
振動防止機構3はアッパレール2の端部から長手方向外方へ突出する支持アーム31を備えている。支持アーム31は、図6の側面図、図7の平面図で示すように、起立姿勢の板体よりなり、主ローラ22の軸体21を回避するように下方へ湾曲して(図2)アッパレール2の側面に溶接固定される基部311と、当該基部311から水平方向へ屈曲して平面視でアッパレール2の中央に至る(図3)先端部312とを備えている。先端部312には上方へ突出するガイド突起313が形成されるとともに、ガイド突起313の下方の板面には上下方向へ延びる長穴状のガイド穴314が形成されている。
【0013】
ガイド突起313の周囲には上方からコイルバネ32が嵌装されて(図5)、その下端が支持アーム31の先端部312の頂面上に位置している(図2)。コイルバネ32には上方からカバー体33が被着してある。カバー体33は図8〜図10に示すように下方へ開放する四角筒体で、その頂壁にはスリット穴331が形成されて(図8)ここにガイド突起313が挿入されている(図2)。カバー体33の前後の側壁には切込み332が形成されて(図9)ここに支持アーム31本体が位置している(図4)。カバー体33の左右の側壁には円形開口333が形成されて(図10)ここに軸体341が貫通設置され、当該軸体341は支持アーム31のガイド穴314内を通っている(図4)。そして、軸体341の両端にはブッシュ342を介して副ローラ34が回転自在に装着されている。カバー体33はコイルバネ32の付勢力で上方へ持ち上げられており、アッパレール2をロアレール1に装着した状態では、図4に示すように、副ローラ34がロアレール1の開口縁の上壁12に当接してカバー体33は押し下げられ、コイルバネ32は圧縮されて、軸体333はガイド穴314の中央付近にある。この状態で、副ローラ34は上壁12から上記コイルバネ32の付勢力に等しい反力を受け、この反力によって主ローラ22はロアレール1の底壁11に圧接させられる。
【0014】
このようにして主ローラ22が一定の反力でロアレール1の底壁11に押し付けられる結果、振動が入力しても主ローラ22が浮き上がることはなく、主ローラ22がロアレール1内で上下に振動して生じる異音は未然に防止される。そして、本実施形態では回転自在な副ローラ34を頂壁12に押し付けて反力を得ているから、十分に大きな反力を得るようにしてもシートスライドの円滑さを損なうことはない。ちなみに、主ローラ22の浮き上がりを確実に防止できる15Kgfの反力を得た場合、従来の構造ではスライド時の抵抗荷重が4Kgf程度になったのに対して、本実施形態の構造では0.4Kgf程度と、十分小さくなる。
【0015】
なお、振動防止機構3を付設したアッパレール1を、カバー体22を押し下げコイルバネ32を圧縮した状態でロアレール1内にセットするには、最初にアッパレール2の前端部を、図11に示すように前下がりに傾斜させて、前側振動防止機構3の副ローラ34の高さをロアレール1の頂壁12よりも低くし、この状態で副ローラ34をロアレール1内に挿入しつつアッパレール2の姿勢を水平姿勢に戻す。後側振動防止機構3の場合は、図12に示すように副ローラ34の高さがロアレール1の頂壁12よりもやや高い位置にあっても、比較的小さい力でアッパレール2をロアレール1に沿ってこれに押し込めば、副ローラ34の外周面はロアレール1の頂壁12端に一定の下り傾斜角で当接するから、コイルバネ32を圧縮しつつ容易にロアレール1内に副ローラ34を押し込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示す、アッパレールの全体側面図である。
【図2】アッパレールの振動防止機構設置部の要部側面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った水平断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った垂直断面図である。
【図5】振動防止機構の分解斜視図である。
【図6】支持アームの側面図である。
【図7】支持アームの平面図である。
【図8】カバー体の平面図である。
【図9】図8のX方向から見たカバー体の側面図である。
【図10】図8のY方向から見たカバー体の側面図である。
【図11】アッパレールをロアレールに装着する際の側面図である。
【図12】アッパレールをロアレールに装着する際の側面図である。
【図13】従来例を示す、アッパレールの全体側面図である。
【図14】シートスライド装置の垂直断面図である。
【図15】振動防止具の斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1...ロアレール、11...底壁、12...頂壁、2...アッパレール、22...主ローラ、3...振動防止機構、32...コイルバネ、34...副ローラ、313...ガイド突起、314...ガイド穴、341...軸体。
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のシートスライド装置に関し、特に、車両振動等による異音を生じないシートスライド装置の構造改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のシートスライド装置は通常、長尺のロアレールと当該ロアレールに移動自在に装着されてシート本体を支持するアッパレールとを備えている。その一例を図13、図14 に示し、ロアレール1は略U字断面に成形され(図14)、左右の開口縁は対向方向内方へ屈曲させられて底壁11と略平行な頂壁12となっている。アッパレール2は一定長の長尺板体(図13)を二枚重ねて起立姿勢としたもので、その下縁がロアレール1内に位置している。下縁の前後端部には板面を水平に貫通して軸体21が設けられてその両端にローラ体22が装着されている。この場合、ローラ体22がロアレール1内で円滑に回転するように、底壁11と頂壁12の対向間隔はローラ体22の外径よりもやや大きくしてあり、底壁11上に位置するローラ体22と頂壁12の間には隙Sが生じている。アッパレール2は中央部に設けたストッパ部材23(図13)の下端231がロアレール底壁11の係止穴内に進入することで位置決めされる。ストッパ部材23はアッパレール2に設けた操作レバー24が回動操作されるに伴って引き上げられて、その下端231が係止穴から脱出させられ、アッパレール2が移動可能となる。
【0003】
ところで、車両振動等が入力すると、ローラ体22がロアレール1内で上下方向へ往復振動して底壁11や頂壁12に当たり、異音を生じることがあった。そこで従来は、アッパレール2の前後端に振動防止具4を装着している。振動防止具4は図15に示すような樹脂の一体成形品で、中央にアッパレール2端への装着部41が形成され、その両側に接触片42が形成されている。接触片42は、装着部41に連続する基端421から先端422が上方へ湾曲しつつ延び、上方へ膨出湾曲する先端422面がロアレール1の頂壁12下面に弾接している(図13)。そして、この弾接時の反力でローラ体22がロアレール1の底壁11に押し付けられて、振動が入力してもローラ体22が浮き上がらないようにされ、異音の発生が防止されている。
【0004】
なお、特許文献1には、ロアレールの上壁(頂壁)方向へ付勢されたレバー部材の一端部に、上壁に接する樹脂スライダを設けたシートスライド装置が示されている。
【特許文献1】実開平4−41417
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のシートスライド装置では、ロアレール1およびアッパレール2の製造上のばらつきによって接触片42の弾接力の度合いが変化するため異音抑制の効果が変動しその管理が困難であった。また、十分な異音抑制効果を発揮させるために接触片42の弾接力を増大させるとスライド時の抵抗が過大となってシートの使用性が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、常に円滑なシートスライドを保証しつつ異音の発生を効果的に抑えることができる車両のシートスライド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、略U字断面に成形され、底壁(11)と略平行な頂壁(12)を有するロアレール(1)と、長手方向の両端部に主ローラ(22)が設けられ当該主ローラ(22)が底壁(11)上を転動することによりロアレール(1)に沿って移動するアッパレール(2)と、主ローラ(22)の近傍に設けられた副ローラ(34)と、副ローラ(34)を上方へ付勢して頂壁(12)に当接させ、この時副ローラ(34)が受ける反力で主ローラ(22)を底壁(11)に当接させる付勢部材(32)とを具備している。この場合、副ローラ(34)を回転自在に支持する軸体(341)と、当該軸体(341)を上下方向へ一定範囲で移動可能にガイドするガイド部(314,313)とをさらに備え、上記付勢部材(32)は軸体(341)を上方へ付勢するものとすることができる。
【0008】
本発明において、主ローラは一定の反力でロアレールの底壁に当接させられる結果、振動が入力しても主ローラが浮き上がることはなく、主ローラがロアレール内で上下に振動して生じる異音は効果的に防止される。本発明では回転自在な副ローラを頂壁に押し付けて反力を得ているから、十分に大きな反力を得るようにしてもシートスライドの円滑さを損なうことがない。
【0009】
なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の車両のシートスライド装置によれば、スムーズなシートスライドを保証しつつ異音の発生を効果的に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1において、アッパレール2の基本構造はすでに説明した従来のもの(図13参照)と同様で、下縁の前後端部に板面を水平に貫通して軸体21が設けられてその両端に従来のローラ体と同一の主ローラ22が装着され、これら主ローラ22がロアレール1の底壁11上を転動することによりアッパレール2が移動する。そして、本実施形態においては、アッパレール2の前後端にそれぞれ同一構造の振動防止機構3が設けられている。振動防止機構3の詳細を図2〜図5に示す。
【0012】
振動防止機構3はアッパレール2の端部から長手方向外方へ突出する支持アーム31を備えている。支持アーム31は、図6の側面図、図7の平面図で示すように、起立姿勢の板体よりなり、主ローラ22の軸体21を回避するように下方へ湾曲して(図2)アッパレール2の側面に溶接固定される基部311と、当該基部311から水平方向へ屈曲して平面視でアッパレール2の中央に至る(図3)先端部312とを備えている。先端部312には上方へ突出するガイド突起313が形成されるとともに、ガイド突起313の下方の板面には上下方向へ延びる長穴状のガイド穴314が形成されている。
【0013】
ガイド突起313の周囲には上方からコイルバネ32が嵌装されて(図5)、その下端が支持アーム31の先端部312の頂面上に位置している(図2)。コイルバネ32には上方からカバー体33が被着してある。カバー体33は図8〜図10に示すように下方へ開放する四角筒体で、その頂壁にはスリット穴331が形成されて(図8)ここにガイド突起313が挿入されている(図2)。カバー体33の前後の側壁には切込み332が形成されて(図9)ここに支持アーム31本体が位置している(図4)。カバー体33の左右の側壁には円形開口333が形成されて(図10)ここに軸体341が貫通設置され、当該軸体341は支持アーム31のガイド穴314内を通っている(図4)。そして、軸体341の両端にはブッシュ342を介して副ローラ34が回転自在に装着されている。カバー体33はコイルバネ32の付勢力で上方へ持ち上げられており、アッパレール2をロアレール1に装着した状態では、図4に示すように、副ローラ34がロアレール1の開口縁の上壁12に当接してカバー体33は押し下げられ、コイルバネ32は圧縮されて、軸体333はガイド穴314の中央付近にある。この状態で、副ローラ34は上壁12から上記コイルバネ32の付勢力に等しい反力を受け、この反力によって主ローラ22はロアレール1の底壁11に圧接させられる。
【0014】
このようにして主ローラ22が一定の反力でロアレール1の底壁11に押し付けられる結果、振動が入力しても主ローラ22が浮き上がることはなく、主ローラ22がロアレール1内で上下に振動して生じる異音は未然に防止される。そして、本実施形態では回転自在な副ローラ34を頂壁12に押し付けて反力を得ているから、十分に大きな反力を得るようにしてもシートスライドの円滑さを損なうことはない。ちなみに、主ローラ22の浮き上がりを確実に防止できる15Kgfの反力を得た場合、従来の構造ではスライド時の抵抗荷重が4Kgf程度になったのに対して、本実施形態の構造では0.4Kgf程度と、十分小さくなる。
【0015】
なお、振動防止機構3を付設したアッパレール1を、カバー体22を押し下げコイルバネ32を圧縮した状態でロアレール1内にセットするには、最初にアッパレール2の前端部を、図11に示すように前下がりに傾斜させて、前側振動防止機構3の副ローラ34の高さをロアレール1の頂壁12よりも低くし、この状態で副ローラ34をロアレール1内に挿入しつつアッパレール2の姿勢を水平姿勢に戻す。後側振動防止機構3の場合は、図12に示すように副ローラ34の高さがロアレール1の頂壁12よりもやや高い位置にあっても、比較的小さい力でアッパレール2をロアレール1に沿ってこれに押し込めば、副ローラ34の外周面はロアレール1の頂壁12端に一定の下り傾斜角で当接するから、コイルバネ32を圧縮しつつ容易にロアレール1内に副ローラ34を押し込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示す、アッパレールの全体側面図である。
【図2】アッパレールの振動防止機構設置部の要部側面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った水平断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った垂直断面図である。
【図5】振動防止機構の分解斜視図である。
【図6】支持アームの側面図である。
【図7】支持アームの平面図である。
【図8】カバー体の平面図である。
【図9】図8のX方向から見たカバー体の側面図である。
【図10】図8のY方向から見たカバー体の側面図である。
【図11】アッパレールをロアレールに装着する際の側面図である。
【図12】アッパレールをロアレールに装着する際の側面図である。
【図13】従来例を示す、アッパレールの全体側面図である。
【図14】シートスライド装置の垂直断面図である。
【図15】振動防止具の斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1...ロアレール、11...底壁、12...頂壁、2...アッパレール、22...主ローラ、3...振動防止機構、32...コイルバネ、34...副ローラ、313...ガイド突起、314...ガイド穴、341...軸体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略U字断面に成形され、底壁と略平行な頂壁を有するロアレールと、長手方向の両端部に主ローラが設けられ当該主ローラが前記底壁上を転動することによりロアレールに沿って移動するアッパレールと、前記主ローラの近傍に設けられた副ローラと、副ローラを上方へ付勢して前記頂壁に当接させ、この時前記副ローラが受ける反力で前記主ローラを前記底壁に当接させる付勢部材とを具備する車両のシートスライド装置。
【請求項2】
前記副ローラを回転自在に支持する軸体と、当該軸体を上下方向へ一定範囲で移動可能にガイドするガイド部とをさらに備え、前記付勢部材は前記軸体を上方へ付勢するものである請求項1に記載の車両のシートスライド装置。
【請求項1】
略U字断面に成形され、底壁と略平行な頂壁を有するロアレールと、長手方向の両端部に主ローラが設けられ当該主ローラが前記底壁上を転動することによりロアレールに沿って移動するアッパレールと、前記主ローラの近傍に設けられた副ローラと、副ローラを上方へ付勢して前記頂壁に当接させ、この時前記副ローラが受ける反力で前記主ローラを前記底壁に当接させる付勢部材とを具備する車両のシートスライド装置。
【請求項2】
前記副ローラを回転自在に支持する軸体と、当該軸体を上下方向へ一定範囲で移動可能にガイドするガイド部とをさらに備え、前記付勢部材は前記軸体を上方へ付勢するものである請求項1に記載の車両のシートスライド装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−69694(P2007−69694A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257648(P2005−257648)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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