車両のヒンジカバー部構造および車両のヒンジカバー部構造の組立方法
【課題】本発明は、他の連結部材との間で部材の共通化を図り易く、コスト面で有利な車両のヒンジカバー部構造およびその組立方法を提供することを課題とする。
【解決手段】車両のヒンジカバー部構造13は、ルーフモール11と、テールゲート66をルーフパネル65に連結するヒンジ部67に被せられルーフモール11の一端に連なるヒンジカバー12と、このヒンジカバー12をルーフモール11に連結する連結部材33とからなり、ヒンジカバー12に、カバー側係合部27を設け、ルーフモール11に、モール側係合部17を設け、連結部材33は、ルーフパネルの側縁部65sに固定される車体側取付部36と、カバー側係合部27を挟持する一対のカバー側挟持部42、42と、モール側係合部17を挟持する一対のモール側挟持部41、41と、を備える。
【解決手段】車両のヒンジカバー部構造13は、ルーフモール11と、テールゲート66をルーフパネル65に連結するヒンジ部67に被せられルーフモール11の一端に連なるヒンジカバー12と、このヒンジカバー12をルーフモール11に連結する連結部材33とからなり、ヒンジカバー12に、カバー側係合部27を設け、ルーフモール11に、モール側係合部17を設け、連結部材33は、ルーフパネルの側縁部65sに固定される車体側取付部36と、カバー側係合部27を挟持する一対のカバー側挟持部42、42と、モール側係合部17を挟持する一対のモール側挟持部41、41と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のヒンジカバー部構造およびその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ルーフモールとヒンジカバーとをつなぐ連結部材を備えている車両のヒンジカバー部構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−176300公報(図2)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11は従来の技術の基本構成を説明する図であり、車両のヒンジカバー部構造100は、ルーフパネル101の側縁部に沿って延ばされるルーフモール102と、このルーフモール102の一端に連なりテールゲートをルーフパネル101に連結するヒンジ部に被せられるヒンジカバー103と、このヒンジカバー103をルーフモール102に連結する連結部材104とからなる。
【0004】
連結部材104は、樹脂成形品であり、前部に設けられルーフモール102と係合する前係合部105と、下部に設けられルーフパネル101の側縁部に立設したスタッド107と係合する係合溝108と、後部に設けられヒンジカバー103と係合する後係合部111とを備えている。後係合部111は、後方に向け延びているガイドリブ112、112と、これらのガイドリブ112、112の左右に設ける弾性片113、113としての係合爪114、114とからなる。
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている連結部材104は、ルーフモール102とヒンジカバー103の形状に合わせて前係合部105と後係合部111とが形成されている。この連結部材104は、ルーフモール102とヒンジカバー103の形状に合わせて形成されているため、他の連結部材との間で部材の共通化を図り難く、コスト面などで改善の余地があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、他の連結部材との間で部材の共通化を図り易く、コスト面で有利な車両のヒンジカバー部構造およびその組立方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーをルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造において、ヒンジカバーに、下方に向け突設されるカバー側係合部を設け、ルーフモールに、下方に向け突設されるモール側係合部を設け、連結部材は、側縁部に固定される固定部と、カバー側係合部を挟持する一対のカバー側挟持部と、モール側係合部を挟持する一対のモール側挟持部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、カバー側係合部またはモール側係合部のうちのいずれか一方には、ルーフモールまたはヒンジカバーのうちの他方の端部を挟持する挟持溝部が備えられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、固定部は、カバー側挟持部とモール側挟持部の間に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、カバー側係合部とモール側係合部とは、同一の幅寸法を有し、前記連結部材のカバー側挟持部とモール側挟持部の形状とは、同一の形状を有していることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、ヒンジカバーまたはルーフモールのいずれか一方には、ルーフモールの端部またはヒンジカバーの端部に下側から当接する位置決め片が備えられていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられ前記ルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーをルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造の組立方法であって、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、ルーフモールとヒンジカバーとにまたがって連結部材を取り付け、この連結部材を側縁部に固定するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーをルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造の組立方法であって、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、側縁部に連結部材を固定し、この連結部材をルーフモールとヒンジカバーとにまたがって取り付けるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、ヒンジカバーに、下方に向け突設されるカバー側係合部を設け、ルーフモールに、下方に向け突設されるモール側係合部を設け、これらのカバー側係合部とモール側係合部の間を連結部材によって連結した。
【0015】
連結部材は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされこの側縁部に固定される固定部と、ヒンジカバーに設けられカバー側係合部を挟持する一対のカバー側挟持部と、ルーフモールに設けられモール側係合部を挟持する一対のモール側挟持部と、を備えている。
【0016】
連結部材には、下方に向け突設される2つの係合部を挟持し上方に形成した2対の挟持部と、挟持部とは反対方向の下方に形成した固定部とがあれば良い。かかる構造をもつ連結部材であれば、他の部品同士の連結に用いる連結部材としても利用することができる。つまり、連結部材の共通化を図ることが可能となる。他の連結部材との間で部材の共通化が図ることが可能となれば、連結部材の大幅なコスト低減が可能となる。
【0017】
加えて、ヒンジカバーに、下方に向け突設されるカバー側係合部は、ヒンジカバー下部の一部を延設したものである。また、ルーフモールに、下方に向け突設されるモール側係合部は、ルーフモール下部の一部を延設したものである。下方に突設したカバー側係合部およびモール側係合部であれば、複雑な形状とはならないため、ヒンジカバーおよびルーフモールのコストアップはわずかなものとなる。
【0018】
このように、連結部材のコストは大幅に低減され、ヒンジカバーおよびルーフモールのコストアップはわずかなものとなる。したがって、コスト面で有利な車両のヒンジカバー部構造を得ることができる。
さらに、連結部材の共通化が可能となれば、組付けに必要な部品の種類が低減され、組立に係る生産性を高めることができる。
【0019】
請求項2に係る発明では、カバー側係合部またはモール側係合部のうちのいずれか一方には、ルーフモールまたはヒンジカバーのうちの他方の端部を挟持する挟持溝部が備えられている。
【0020】
例えば、係合部の一方であるカバー側係合部にルーフモールの端部を挟持する挟持溝部を備えているので、ヒンジカバーと連結部材との間は係合されるだけでなく、カバー側係合部で、ルーフモールの端部を挟持させることができる。カバー側係合部で、ルーフモールの端部を挟持させることによって、ルーフモールとヒンジカバーの連結強度を一層高めることができる。
【0021】
請求項3に係る発明では、固定部は、カバー側挟持部とモール側挟持部の間に配置されるので、カバー側挟持部の取付強度とモール側挟持部の取付強度とをバランスよく確保することができる。加えて、接合部近傍の限られた空間を有効に活用することができる。
【0022】
請求項4に係る発明では、カバー側係合部とモール側係合部とは、同一の幅寸法を有し、連結部材のカバー側挟持部とモール側挟持部の形状とは、同一の形状を有しているので、連結部材の組付の際、前後どちらの方向からでも組付を行うことができる。そうすれば、組立にかかる作業の柔軟性を高め生産性が高まるとともに、誤組付を排除することができる。
【0023】
請求項5に係る発明では、ヒンジカバーまたはルーフモールのいずれか一方に、ルーフモールの端部またはヒンジカバーの端部に下側から当接する位置決め片を備えている。
【0024】
ルーフモールには、ヒンジカバーの端部に下側から当接する位置決め片が備えられている場合に、ヒンジカバーの端部は、位置決め片によって支持される。ヒンジカバーの端部が、位置決め片によって支持されていれば、連結部分の表面を面一にし、車両のヒンジカバー部構造の外観性を高めることができる。
【0025】
請求項6に係る発明では、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、これらの部材の間に連結部材を取り付け、この連結部材を側縁部に固定するようにした。
従来、ルーフモールに連結部材を取り付け、ルーフモールと連結部材を側縁部に固定した後、ヒンジカバーを側縁部に取り付けるとともに連結部材に取り付けていた。
【0026】
この点、本発明では、あらかじめ、仮連結したルーフモールとヒンジカバーとにまたがって、連結部材を取り付けた後、ルーフモールとヒンジカバーと連結部材とを一体で、側縁部に固定するようにした。
【0027】
上記組立方法であれば、あらかじめ、サブラインで、ルーフモールとヒンジカバーと連結部材とを一体化した後に、メインラインで、一体化させた部材を側縁部に組み付けるだけで済むので、メインラインでの組立時間の増加を抑えることができる。メインラインでの組立時間の増加が抑えられれば、メインラインでの作業工数を低減させることができる。これにより、1つのメインラインで複数の車種を生産する場合などにおいて、各工程における組立工数の配分をより柔軟に行うことができるようになり、生産性を高めることができる。
【0028】
請求項7に係る発明では、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、側縁部に連結部材を固定し、この連結部材をルーフモールとヒンジカバーとにまたがって取り付けるようにした。
上記組立方法であれば、連結部材は、単独でルーフの側縁部に取り付けられるので、連結部材のスタッドへの組付性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。図中、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は各々車両の運転者から見た方向である。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【0030】
図1は本発明に係るルーフモールとヒンジカバーの結合部の分解斜視図であり、ルーフモール11の後端部にヒンジカバー12が取り付けられる車両のヒンジカバー部構造13を説明するものである。
【0031】
ルーフモール11は、後述するようにルーフパネルの側縁部に沿って前後に延びている部材であり、図において、ルーフモール11の後端部以外の部位は省略されている。
ルーフパネルの側縁部を覆うモール本体11Mの後部には、ヒンジカバー12との間を連結可能にするルーフモール結合部16が備えられている。
【0032】
ルーフモール結合部16は、モール本体11Mから下方に向け突設され略T字状を呈するモール側係合部17と、このモール側係合部17から後方に向け延設される延設端部18と、この延設端部18の先端に設けられ延設端部18よりも幅広く形成した拡張端部19とを備える。
【0033】
ヒンジカバー12は、後述するテールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられる部材であり、ヒンジカバー12の前部には、ルーフモール11との間を連結可能にするヒンジカバー結合部22が備えられている。
【0034】
ヒンジカバー結合部22は、ルーフパネルの側縁部を覆うヒンジカバー12に設けたカバー本体12Cから下方に向け突設されるカバー側係合部27が備えられている。カバー側係合部27は、カバー本体12Cの底面から下方に左右2本突設されている部材である。
【0035】
この他、ルーフモール11から後方に左右2つの位置決め片31L、31Rが突設され、これらの位置決め片31L、31Rに係合する左右の係合溝32L、32Rがヒンジカバー12に形成されている。位置決め片31L、31Rを含む位置決め構造の詳細については後述する。
【0036】
図2は本発明に係るルーフモール結合部をヒンジカバーの結合部に組み付けた状態を示す斜視図であり、ルーフモール11の後端部にヒンジカバー12を取り付けた後、ルーフモール11とヒンジカバー12の間を連結する連結部材33を取付可能に構成したものである。
【0037】
連結部材33は、板状に形成した基部34と、この基部34の中央部左右が折り曲げられ車体側の接合部(図8の符号35)に取り付けられる固定部としての車体側取付部36と、この車体側取付部36の前後外方に設けられる切欠部37・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、これらの切欠部37・・・の前部外方に設けられ車体側取付部36とは反対側に折り曲げられルーフモール11に設けたモール側係合部17を挟持する一対のモール側挟持部41、41と、これらの切欠部37・・・の後部外方に設けられ車体側取付部36とは反対側に折り曲げられ、ヒンジカバー12に設けたカバー側係合部27を挟持する一対のカバー側挟持部42、42と、を備える。
【0038】
組立手順については、ルーフモール11とヒンジカバー12とを仮連結させた後、ルーフモール11とヒンジカバー12とにまたがって図矢印b1、b2の如く連結部材33を取り付ける。
【0039】
図3は本発明に係るルーフモール結合部とヒンジカバー結合部を説明する下面図であり、ルーフモール結合部16とヒンジカバー結合部22とにまたがって連結部材33が取り付けられている状態が示されている。以下、図2を併せて参照し説明を行う。
【0040】
連結部材33は、下方に折り曲げて設けた固定部としての車体側取付部36と、この車体側取付部36の前後外方に車体側取付部36と反対側に且つ、上方に折り曲げて設けた一対のモール側挟持部41、41および一対のカバー側挟持部42、42とが備えられている。
【0041】
図中、43・・・は挟持部38、38に付設され後述するスタッド35に嵌合された後、スタッド35に対してクリップ部材11の移動を規制する4つの規制部である。規制部43・・・を設けたので、スタッド52に連結部材33およびこの連結部材33と一体化させたルーフモール11をしっかりと保持することができる。
【0042】
図4は図3の4−4線断面図であり、モール側挟持部41は、板状の基部34から上方に突設される一対の側部46、46と、これらの側部46、46の先端から水平方向内方に延びている挟持爪部47、47とからなる。
ルーフモール11には、下方に向け突設されるモール側係合部17が設けられ、このモール側係合部17には、モール本体11Mから下方に延びている柱部17hと、この柱部17hの先端部に柱部17hよりも左右に拡げて形成した先端部17aとが設けられている。そして、側部46、46で拡開された先端部17aを囲うとともに、挟持爪部47、47で柱部17hを挟持するようにした。このような構成であれば、挟持爪部47、47の柱17hへのくいこみ量がわずかなものであっても、連結部材33をルーフモール11にしっかりと挟持し止めることができる。加えて、先端部17aの上方に挟持爪部47、47が配置されているので、簡便な構造で、連結部材33をルーフモール11から一層外れ難くでき、固着の確実性を一層高めることができる。
図中、51はルーフモールに埋め込まれ長手方向に延在する補強部材としての骨材である。
【0043】
図5は図3の5−5線断面図であり、車体側の接合部(図8の符号35)に立設されるスタッド52の頭部52hに嵌合する車体側取付部36の構造を示す。
固定部としての車体側取付部36は、ルーフモール11の脚部21が当接する基部34と、この基部34からルーフモール11の延在方向に沿って形成されるとともに下方に向かって突設される一対の側壁部54、54と、これらの側壁部54、54の下端から互いに近接する方向に突設される一対の挟持部55、55と、を備える。
【0044】
なお、本実施例において、車体側取付部36は、一対の側壁部54、54と一対の挟持部55、55とから構成されているが、スタッド52に連結部材33が固定されればこの他の構造でも差し支えない。例えば、基部34に長孔を開けた構造を有するものでも差し支えない。
【0045】
図3を併せて参照して、固定部としての車体側取付部36は、カバー側挟持部42、42とモール側挟持部41、41の間に配置されるので、カバー側挟持部42、42の取付強度とモール側挟持部41、41の取付強度とをバランスよく確保することができる。加えて、限られた空間を有効に活用することができる。
【0046】
図6は図3の6−6線断面図であり、カバー側挟持部55、55は、板状の基部34から上方に突設される一対の壁部57、57と、これらの壁部57、57の先端から内方に延びている爪58、58とからなる。カバー側挟持部55、55によって、ヒンジカバー12に設けたカバー側係合部27を左右外方から挟持し、ヒンジカバー12に連結部材33を固定するようにした。
【0047】
カバー側係合部27には、ルーフモール11の端部を挟持する挟持溝部61が備えられ、この挟持溝部61にモール側係合部17から後方に向け延設される延設端部18が設けられ、挟持溝部61で延設端部18を挟持した。
【0048】
詳細には、ヒンジカバー12には、下方に向け突設されるカバー側係合部27が設けられ、このカバー側係合部27には、挟持溝部61によって離間され、ヒンジカバーのカバー本体12Cから下方に延びている左右の柱27Lh、27Rhと、これらの左右の柱27Lh、27Rhよりも左右に拡げて形成した先端27La、27Raとが設けられている。そして、壁部57、57で先端27La、27Raを囲うとともに、左右の爪58、58で左右の柱27Lh、27Rhを挟持するようにした。このような構成であれば、左右の爪58、58の壁部57、57へのくいこみ量がわずかなものであっても、連結部材33をヒンジカバー12にしっかりと止めることができる。加えて、先端部27La、27Lbの上方に爪58、58が配置されているので、簡便な構造で、連結部材33をヒンジカバー12から一層外れ難くでき、固着の確実性を一層高めることができる。
【0049】
係合部の一方であるカバー側係合部27にルーフモール11の端部を挟持する挟持溝部61を備えていれば、ヒンジカバー12と連結部材33との間を係合させるだけでなく、カバー側係合部27で、ルーフモール11の端部を挟持させることができる。カバー側係合部27で、ルーフモール11の端部を挟持させることによって、ルーフモール11とヒンジカバー12の連結強度を一層高めることができる。
【0050】
図4を併せて参照して、カバー側係合部27の幅A2とモール側係合部17の幅A1は、同一の幅寸法(A1=A2)を有しており、連結部材33のカバー側挟持部55、55とモール側挟持部41の形状を同一の形状にするようにした。カバー側挟持部42とモール側挟持部41の形状が同一の形状になれば、連結部材33の組付の際、前後どちらの方向からでも組付を行うことができる。そうすれば、組立にかかる作業の柔軟性を高め生産性が高まるとともに、誤組付を排除することができる。
【0051】
なお、本実施例において、カバー側係合部にルーフモールの端部を挟持する挟持溝部を設けたが、モール側係合部に、ヒンジカバーの端部を挟持する挟持溝部を設けるようにした構造にすることは差し支えない。
【0052】
図3〜6を参照して、本実施例では、連結部材33は、薄板鋼板をプレスにより成形することによって得たものである。このような構成をもつ連結部材33であれば、比較的簡便な構造であるため、通常の汎用品としての取付部材を流用することができる。
【0053】
仮に、汎用品としての取付部材がなく、専用部材を準備する場合であっても、連結部材33は、薄板鋼板をプレス成形したものであるので、所定形状に板取りした基部34の一部を折り曲げることにより、低コストで量産することができる。
この他、例えば、樹脂製とし、樹脂成形によって得ることができる。いずれの材料、方法によっても低コストで量産することができる。
したがって、連結部材33を低コストにすることができる。
【0054】
図7は図3の7−7線断面図であり、図3を併せて参照し説明を行う。
ルーフモール11には、ルーフモール11の端部に下側から当接する位置決め片31Rが備えられている。
【0055】
位置決め片31L、31Rでヒンジカバー12の端部を支持するようにしたので、ヒンジカバー12とルーフモール11の間にねじれなどが生じていても解消することができる。ねじれなどが解消されれば、連結部分63の表面を面一にし、車両のヒンジカバー部構造13の外観性を高めることができる。
【0056】
図8は連結部材により一体化させたヒンジカバーとルーフモールを車体側の接合部に取り付けることを説明する作用説明図である。
車両のヒンジカバー部構造13は、左右に2つ配置されている。以下説明では、左右の構造に大きな差異はないので、左側に設けた構造を説明し、右側に設けた構造の説明は省略する。
【0057】
ルーフパネル65の側縁部65sに沿って延ばされるルーフモール11と、テールゲート66をルーフパネル65に連結するヒンジ部67に被せられルーフモール11の一端に連なるヒンジカバー12と、このヒンジカバー12をルーフモール11に連結する連結部材33とからなる。33Bは第2の連結部材であり、構造面で連結部材33と何ら変わるところはない部材である。
【0058】
車両のヒンジカバー部構造の組立方法については、前述したように、ルーフモール11とヒンジカバー12とを仮連結し、ルーフモール11とヒンジカバー12とにまたがって連結部材33を取り付け、この連結部材33をルーフパネル65の側縁部65sに固定するようにした。
【0059】
従来、ルーフモールに連結部材を取り付け、ルーフモールと連結部材を側縁部に固定した後、ヒンジカバーを側縁部に取り付けるとともに連結部材に取り付けていた。
この点、本発明では、あらかじめ、仮連結したルーフモールとヒンジカバーとにまたがって、連結部材33を取り付けた後、ルーフモール11とヒンジカバー12と連結部材33とを一体で、側縁部65sに固定するようにした。
【0060】
かかる組立方法であれば、あらかじめ、サブラインで、ルーフモール11とヒンジカバー12と連結部材33とを一体化した後に、メインラインで、一体化されたルーフモールヒンジカバーアッシ71を側縁部65sに組み付けるので、メインラインでの組立時間の増加を抑えることができる。メインラインでの組立時間の増加が抑えられれば、メインラインでの作業工数を低減させることができる。これにより、1つのメインラインで複数の車種を生産する場合などにおいて、各工程における組立工数の配分をより柔軟に行うことができるようになり、生産性を高めることができる。
また、連結部材33を、例えば樹脂製とし、カバー側挟持部とモール側挟持部とを弾性的に拡開できる構成とした場合は、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、側縁部に連結部材を固定した後、モール側係合部およびカバー側係合部をカバー側挟持部とモール側挟持部に嵌合することによって、連結部材をルーフモールとヒンジカバーとにまたがって取り付けることができる。したがって、同様に組付に係る作業性を向上させることができる。
【0061】
図9は連結部材の挟持部がスタッドに嵌合した状態を説明する断面図であり、ルーフパネル65の側縁部65sとサイドパネル64sの側縁部64sとを重ねて接合した接合部35に、軸部52jとこの軸部よりも大きな直径をもつ頭部52hを備えたスタッド52が立設されており、このスタッド52に連結部材33を一体化させたルーフモール11が取り付けられる。73は接合部35からはみ出た余剰シーラである。
【0062】
図10は連結部材の係止部がルーフモールを係止した状態を説明する断面図であり、一対の側部46、46と、これらの側部46、46に略直角に内方に延びている一対の挟持爪部47、47とによってルーフモール11の脚部を左右外方から挟持し、ルーフモール11に連結部材33を固定する。
【0063】
以上に述べた車両のヒンジカバー部構造の作用を次に述べる。
図2に戻って、連結部材33は、側縁部65sに固定される固定部としての車体側取付部36と、カバー側係合部27を挟持するカバー側挟持部42、42と、モール側係合部17を挟持するモール側挟持部41、41とを備える。そして、カバー側係合部27とモール側係合部17の間を連結部材33によって連結した。
【0064】
連結部材33は、ルーフパネル65の側縁部65sに沿って延ばされる固定部としての車体側取付部36と、ヒンジカバー12に、カバー側係合部27を挟持する一対のカバー側挟持部42と、ルーフモール11に、モール側係合部17を挟持する一対のモール側挟持部41とを備えている。つまり、連結部材33に、下方に向け突設される2つの係合部16、17を挟持する2対の挟持部41、42を上方に形成し、挟持部41、42とは反対方向の下方に固定部としての車体側取付部36を形成すれば良い。このような2対の挟持部41、42と車体側取付部36とをもつ連結部材33であれば、他の連結部材との間で部材の共通化を図り易くすることができる。連結部材の共通化が図れれば、連結部材の大幅なコスト低減が可能となる。
【0065】
加えて、ヒンジカバー12に、下方に向け突設されるカバー側係合部27は、ヒンジカバー12下部の一部を延設したものである。また、ルーフモール11に、下方に向け突設されるモール側係合部17は、ルーフモール11下部の一部を延設したものである。下方に突設したカバー側係合部27およびモール側係合部17であれば、複雑な形状とはならないため、ヒンジカバー12およびルーフモール11のコストアップはわずかなものである。
【0066】
このように、連結部材33のコストは大幅に低減され、ヒンジカバー12およびルーフモール11のコストアップはわずかなものとなる。したがって、コスト面で有利な車両のヒンジカバー部構造13を得ることができる。
さらに、連結部材33の共通化が可能となれば、組付けに必要な部品の種類が低減され、組立に係る生産性を高めることができる。
【0067】
尚、本発明は、実施の形態では四輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、四を備える四輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るルーフモールとヒンジカバーの結合部の分解斜視図である。
【図2】本発明に係るルーフモール結合部をヒンジカバーの結合部に組み付けた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るルーフモールとヒンジカバーの結合部を説明する下面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】図3の6−6線断面図である。
【図7】図3の7−7線断面図である。
【図8】連結部材により一体化させたヒンジカバーとルーフモールを車体側の接合部に取り付けることを説明する作用説明図である。
【図9】連結部材の挟持部がスタッドに嵌合した状態を説明する断面図である。
【図10】連結部材の係止部がルーフモールを係止した状態を説明する断面図である。
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0070】
11…ルーフモール、12…ヒンジカバー、13…車両のヒンジカバー部構造、17…モール側係合部、27…カバー側係合部、33…連結部材、36…固定部(車体側取付部)、41…モール側挟持部、42…カバー側挟持部、61…挟持溝部、65…ルーフパネル、65s…ルーフパネルの側縁部、66…テールゲート、67…ヒンジ部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のヒンジカバー部構造およびその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ルーフモールとヒンジカバーとをつなぐ連結部材を備えている車両のヒンジカバー部構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−176300公報(図2)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11は従来の技術の基本構成を説明する図であり、車両のヒンジカバー部構造100は、ルーフパネル101の側縁部に沿って延ばされるルーフモール102と、このルーフモール102の一端に連なりテールゲートをルーフパネル101に連結するヒンジ部に被せられるヒンジカバー103と、このヒンジカバー103をルーフモール102に連結する連結部材104とからなる。
【0004】
連結部材104は、樹脂成形品であり、前部に設けられルーフモール102と係合する前係合部105と、下部に設けられルーフパネル101の側縁部に立設したスタッド107と係合する係合溝108と、後部に設けられヒンジカバー103と係合する後係合部111とを備えている。後係合部111は、後方に向け延びているガイドリブ112、112と、これらのガイドリブ112、112の左右に設ける弾性片113、113としての係合爪114、114とからなる。
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている連結部材104は、ルーフモール102とヒンジカバー103の形状に合わせて前係合部105と後係合部111とが形成されている。この連結部材104は、ルーフモール102とヒンジカバー103の形状に合わせて形成されているため、他の連結部材との間で部材の共通化を図り難く、コスト面などで改善の余地があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、他の連結部材との間で部材の共通化を図り易く、コスト面で有利な車両のヒンジカバー部構造およびその組立方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーをルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造において、ヒンジカバーに、下方に向け突設されるカバー側係合部を設け、ルーフモールに、下方に向け突設されるモール側係合部を設け、連結部材は、側縁部に固定される固定部と、カバー側係合部を挟持する一対のカバー側挟持部と、モール側係合部を挟持する一対のモール側挟持部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、カバー側係合部またはモール側係合部のうちのいずれか一方には、ルーフモールまたはヒンジカバーのうちの他方の端部を挟持する挟持溝部が備えられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、固定部は、カバー側挟持部とモール側挟持部の間に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、カバー側係合部とモール側係合部とは、同一の幅寸法を有し、前記連結部材のカバー側挟持部とモール側挟持部の形状とは、同一の形状を有していることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、ヒンジカバーまたはルーフモールのいずれか一方には、ルーフモールの端部またはヒンジカバーの端部に下側から当接する位置決め片が備えられていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられ前記ルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーをルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造の組立方法であって、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、ルーフモールとヒンジカバーとにまたがって連結部材を取り付け、この連結部材を側縁部に固定するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーをルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造の組立方法であって、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、側縁部に連結部材を固定し、この連結部材をルーフモールとヒンジカバーとにまたがって取り付けるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、ヒンジカバーに、下方に向け突設されるカバー側係合部を設け、ルーフモールに、下方に向け突設されるモール側係合部を設け、これらのカバー側係合部とモール側係合部の間を連結部材によって連結した。
【0015】
連結部材は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされこの側縁部に固定される固定部と、ヒンジカバーに設けられカバー側係合部を挟持する一対のカバー側挟持部と、ルーフモールに設けられモール側係合部を挟持する一対のモール側挟持部と、を備えている。
【0016】
連結部材には、下方に向け突設される2つの係合部を挟持し上方に形成した2対の挟持部と、挟持部とは反対方向の下方に形成した固定部とがあれば良い。かかる構造をもつ連結部材であれば、他の部品同士の連結に用いる連結部材としても利用することができる。つまり、連結部材の共通化を図ることが可能となる。他の連結部材との間で部材の共通化が図ることが可能となれば、連結部材の大幅なコスト低減が可能となる。
【0017】
加えて、ヒンジカバーに、下方に向け突設されるカバー側係合部は、ヒンジカバー下部の一部を延設したものである。また、ルーフモールに、下方に向け突設されるモール側係合部は、ルーフモール下部の一部を延設したものである。下方に突設したカバー側係合部およびモール側係合部であれば、複雑な形状とはならないため、ヒンジカバーおよびルーフモールのコストアップはわずかなものとなる。
【0018】
このように、連結部材のコストは大幅に低減され、ヒンジカバーおよびルーフモールのコストアップはわずかなものとなる。したがって、コスト面で有利な車両のヒンジカバー部構造を得ることができる。
さらに、連結部材の共通化が可能となれば、組付けに必要な部品の種類が低減され、組立に係る生産性を高めることができる。
【0019】
請求項2に係る発明では、カバー側係合部またはモール側係合部のうちのいずれか一方には、ルーフモールまたはヒンジカバーのうちの他方の端部を挟持する挟持溝部が備えられている。
【0020】
例えば、係合部の一方であるカバー側係合部にルーフモールの端部を挟持する挟持溝部を備えているので、ヒンジカバーと連結部材との間は係合されるだけでなく、カバー側係合部で、ルーフモールの端部を挟持させることができる。カバー側係合部で、ルーフモールの端部を挟持させることによって、ルーフモールとヒンジカバーの連結強度を一層高めることができる。
【0021】
請求項3に係る発明では、固定部は、カバー側挟持部とモール側挟持部の間に配置されるので、カバー側挟持部の取付強度とモール側挟持部の取付強度とをバランスよく確保することができる。加えて、接合部近傍の限られた空間を有効に活用することができる。
【0022】
請求項4に係る発明では、カバー側係合部とモール側係合部とは、同一の幅寸法を有し、連結部材のカバー側挟持部とモール側挟持部の形状とは、同一の形状を有しているので、連結部材の組付の際、前後どちらの方向からでも組付を行うことができる。そうすれば、組立にかかる作業の柔軟性を高め生産性が高まるとともに、誤組付を排除することができる。
【0023】
請求項5に係る発明では、ヒンジカバーまたはルーフモールのいずれか一方に、ルーフモールの端部またはヒンジカバーの端部に下側から当接する位置決め片を備えている。
【0024】
ルーフモールには、ヒンジカバーの端部に下側から当接する位置決め片が備えられている場合に、ヒンジカバーの端部は、位置決め片によって支持される。ヒンジカバーの端部が、位置決め片によって支持されていれば、連結部分の表面を面一にし、車両のヒンジカバー部構造の外観性を高めることができる。
【0025】
請求項6に係る発明では、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、これらの部材の間に連結部材を取り付け、この連結部材を側縁部に固定するようにした。
従来、ルーフモールに連結部材を取り付け、ルーフモールと連結部材を側縁部に固定した後、ヒンジカバーを側縁部に取り付けるとともに連結部材に取り付けていた。
【0026】
この点、本発明では、あらかじめ、仮連結したルーフモールとヒンジカバーとにまたがって、連結部材を取り付けた後、ルーフモールとヒンジカバーと連結部材とを一体で、側縁部に固定するようにした。
【0027】
上記組立方法であれば、あらかじめ、サブラインで、ルーフモールとヒンジカバーと連結部材とを一体化した後に、メインラインで、一体化させた部材を側縁部に組み付けるだけで済むので、メインラインでの組立時間の増加を抑えることができる。メインラインでの組立時間の増加が抑えられれば、メインラインでの作業工数を低減させることができる。これにより、1つのメインラインで複数の車種を生産する場合などにおいて、各工程における組立工数の配分をより柔軟に行うことができるようになり、生産性を高めることができる。
【0028】
請求項7に係る発明では、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、側縁部に連結部材を固定し、この連結部材をルーフモールとヒンジカバーとにまたがって取り付けるようにした。
上記組立方法であれば、連結部材は、単独でルーフの側縁部に取り付けられるので、連結部材のスタッドへの組付性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。図中、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は各々車両の運転者から見た方向である。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【0030】
図1は本発明に係るルーフモールとヒンジカバーの結合部の分解斜視図であり、ルーフモール11の後端部にヒンジカバー12が取り付けられる車両のヒンジカバー部構造13を説明するものである。
【0031】
ルーフモール11は、後述するようにルーフパネルの側縁部に沿って前後に延びている部材であり、図において、ルーフモール11の後端部以外の部位は省略されている。
ルーフパネルの側縁部を覆うモール本体11Mの後部には、ヒンジカバー12との間を連結可能にするルーフモール結合部16が備えられている。
【0032】
ルーフモール結合部16は、モール本体11Mから下方に向け突設され略T字状を呈するモール側係合部17と、このモール側係合部17から後方に向け延設される延設端部18と、この延設端部18の先端に設けられ延設端部18よりも幅広く形成した拡張端部19とを備える。
【0033】
ヒンジカバー12は、後述するテールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられる部材であり、ヒンジカバー12の前部には、ルーフモール11との間を連結可能にするヒンジカバー結合部22が備えられている。
【0034】
ヒンジカバー結合部22は、ルーフパネルの側縁部を覆うヒンジカバー12に設けたカバー本体12Cから下方に向け突設されるカバー側係合部27が備えられている。カバー側係合部27は、カバー本体12Cの底面から下方に左右2本突設されている部材である。
【0035】
この他、ルーフモール11から後方に左右2つの位置決め片31L、31Rが突設され、これらの位置決め片31L、31Rに係合する左右の係合溝32L、32Rがヒンジカバー12に形成されている。位置決め片31L、31Rを含む位置決め構造の詳細については後述する。
【0036】
図2は本発明に係るルーフモール結合部をヒンジカバーの結合部に組み付けた状態を示す斜視図であり、ルーフモール11の後端部にヒンジカバー12を取り付けた後、ルーフモール11とヒンジカバー12の間を連結する連結部材33を取付可能に構成したものである。
【0037】
連結部材33は、板状に形成した基部34と、この基部34の中央部左右が折り曲げられ車体側の接合部(図8の符号35)に取り付けられる固定部としての車体側取付部36と、この車体側取付部36の前後外方に設けられる切欠部37・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、これらの切欠部37・・・の前部外方に設けられ車体側取付部36とは反対側に折り曲げられルーフモール11に設けたモール側係合部17を挟持する一対のモール側挟持部41、41と、これらの切欠部37・・・の後部外方に設けられ車体側取付部36とは反対側に折り曲げられ、ヒンジカバー12に設けたカバー側係合部27を挟持する一対のカバー側挟持部42、42と、を備える。
【0038】
組立手順については、ルーフモール11とヒンジカバー12とを仮連結させた後、ルーフモール11とヒンジカバー12とにまたがって図矢印b1、b2の如く連結部材33を取り付ける。
【0039】
図3は本発明に係るルーフモール結合部とヒンジカバー結合部を説明する下面図であり、ルーフモール結合部16とヒンジカバー結合部22とにまたがって連結部材33が取り付けられている状態が示されている。以下、図2を併せて参照し説明を行う。
【0040】
連結部材33は、下方に折り曲げて設けた固定部としての車体側取付部36と、この車体側取付部36の前後外方に車体側取付部36と反対側に且つ、上方に折り曲げて設けた一対のモール側挟持部41、41および一対のカバー側挟持部42、42とが備えられている。
【0041】
図中、43・・・は挟持部38、38に付設され後述するスタッド35に嵌合された後、スタッド35に対してクリップ部材11の移動を規制する4つの規制部である。規制部43・・・を設けたので、スタッド52に連結部材33およびこの連結部材33と一体化させたルーフモール11をしっかりと保持することができる。
【0042】
図4は図3の4−4線断面図であり、モール側挟持部41は、板状の基部34から上方に突設される一対の側部46、46と、これらの側部46、46の先端から水平方向内方に延びている挟持爪部47、47とからなる。
ルーフモール11には、下方に向け突設されるモール側係合部17が設けられ、このモール側係合部17には、モール本体11Mから下方に延びている柱部17hと、この柱部17hの先端部に柱部17hよりも左右に拡げて形成した先端部17aとが設けられている。そして、側部46、46で拡開された先端部17aを囲うとともに、挟持爪部47、47で柱部17hを挟持するようにした。このような構成であれば、挟持爪部47、47の柱17hへのくいこみ量がわずかなものであっても、連結部材33をルーフモール11にしっかりと挟持し止めることができる。加えて、先端部17aの上方に挟持爪部47、47が配置されているので、簡便な構造で、連結部材33をルーフモール11から一層外れ難くでき、固着の確実性を一層高めることができる。
図中、51はルーフモールに埋め込まれ長手方向に延在する補強部材としての骨材である。
【0043】
図5は図3の5−5線断面図であり、車体側の接合部(図8の符号35)に立設されるスタッド52の頭部52hに嵌合する車体側取付部36の構造を示す。
固定部としての車体側取付部36は、ルーフモール11の脚部21が当接する基部34と、この基部34からルーフモール11の延在方向に沿って形成されるとともに下方に向かって突設される一対の側壁部54、54と、これらの側壁部54、54の下端から互いに近接する方向に突設される一対の挟持部55、55と、を備える。
【0044】
なお、本実施例において、車体側取付部36は、一対の側壁部54、54と一対の挟持部55、55とから構成されているが、スタッド52に連結部材33が固定されればこの他の構造でも差し支えない。例えば、基部34に長孔を開けた構造を有するものでも差し支えない。
【0045】
図3を併せて参照して、固定部としての車体側取付部36は、カバー側挟持部42、42とモール側挟持部41、41の間に配置されるので、カバー側挟持部42、42の取付強度とモール側挟持部41、41の取付強度とをバランスよく確保することができる。加えて、限られた空間を有効に活用することができる。
【0046】
図6は図3の6−6線断面図であり、カバー側挟持部55、55は、板状の基部34から上方に突設される一対の壁部57、57と、これらの壁部57、57の先端から内方に延びている爪58、58とからなる。カバー側挟持部55、55によって、ヒンジカバー12に設けたカバー側係合部27を左右外方から挟持し、ヒンジカバー12に連結部材33を固定するようにした。
【0047】
カバー側係合部27には、ルーフモール11の端部を挟持する挟持溝部61が備えられ、この挟持溝部61にモール側係合部17から後方に向け延設される延設端部18が設けられ、挟持溝部61で延設端部18を挟持した。
【0048】
詳細には、ヒンジカバー12には、下方に向け突設されるカバー側係合部27が設けられ、このカバー側係合部27には、挟持溝部61によって離間され、ヒンジカバーのカバー本体12Cから下方に延びている左右の柱27Lh、27Rhと、これらの左右の柱27Lh、27Rhよりも左右に拡げて形成した先端27La、27Raとが設けられている。そして、壁部57、57で先端27La、27Raを囲うとともに、左右の爪58、58で左右の柱27Lh、27Rhを挟持するようにした。このような構成であれば、左右の爪58、58の壁部57、57へのくいこみ量がわずかなものであっても、連結部材33をヒンジカバー12にしっかりと止めることができる。加えて、先端部27La、27Lbの上方に爪58、58が配置されているので、簡便な構造で、連結部材33をヒンジカバー12から一層外れ難くでき、固着の確実性を一層高めることができる。
【0049】
係合部の一方であるカバー側係合部27にルーフモール11の端部を挟持する挟持溝部61を備えていれば、ヒンジカバー12と連結部材33との間を係合させるだけでなく、カバー側係合部27で、ルーフモール11の端部を挟持させることができる。カバー側係合部27で、ルーフモール11の端部を挟持させることによって、ルーフモール11とヒンジカバー12の連結強度を一層高めることができる。
【0050】
図4を併せて参照して、カバー側係合部27の幅A2とモール側係合部17の幅A1は、同一の幅寸法(A1=A2)を有しており、連結部材33のカバー側挟持部55、55とモール側挟持部41の形状を同一の形状にするようにした。カバー側挟持部42とモール側挟持部41の形状が同一の形状になれば、連結部材33の組付の際、前後どちらの方向からでも組付を行うことができる。そうすれば、組立にかかる作業の柔軟性を高め生産性が高まるとともに、誤組付を排除することができる。
【0051】
なお、本実施例において、カバー側係合部にルーフモールの端部を挟持する挟持溝部を設けたが、モール側係合部に、ヒンジカバーの端部を挟持する挟持溝部を設けるようにした構造にすることは差し支えない。
【0052】
図3〜6を参照して、本実施例では、連結部材33は、薄板鋼板をプレスにより成形することによって得たものである。このような構成をもつ連結部材33であれば、比較的簡便な構造であるため、通常の汎用品としての取付部材を流用することができる。
【0053】
仮に、汎用品としての取付部材がなく、専用部材を準備する場合であっても、連結部材33は、薄板鋼板をプレス成形したものであるので、所定形状に板取りした基部34の一部を折り曲げることにより、低コストで量産することができる。
この他、例えば、樹脂製とし、樹脂成形によって得ることができる。いずれの材料、方法によっても低コストで量産することができる。
したがって、連結部材33を低コストにすることができる。
【0054】
図7は図3の7−7線断面図であり、図3を併せて参照し説明を行う。
ルーフモール11には、ルーフモール11の端部に下側から当接する位置決め片31Rが備えられている。
【0055】
位置決め片31L、31Rでヒンジカバー12の端部を支持するようにしたので、ヒンジカバー12とルーフモール11の間にねじれなどが生じていても解消することができる。ねじれなどが解消されれば、連結部分63の表面を面一にし、車両のヒンジカバー部構造13の外観性を高めることができる。
【0056】
図8は連結部材により一体化させたヒンジカバーとルーフモールを車体側の接合部に取り付けることを説明する作用説明図である。
車両のヒンジカバー部構造13は、左右に2つ配置されている。以下説明では、左右の構造に大きな差異はないので、左側に設けた構造を説明し、右側に設けた構造の説明は省略する。
【0057】
ルーフパネル65の側縁部65sに沿って延ばされるルーフモール11と、テールゲート66をルーフパネル65に連結するヒンジ部67に被せられルーフモール11の一端に連なるヒンジカバー12と、このヒンジカバー12をルーフモール11に連結する連結部材33とからなる。33Bは第2の連結部材であり、構造面で連結部材33と何ら変わるところはない部材である。
【0058】
車両のヒンジカバー部構造の組立方法については、前述したように、ルーフモール11とヒンジカバー12とを仮連結し、ルーフモール11とヒンジカバー12とにまたがって連結部材33を取り付け、この連結部材33をルーフパネル65の側縁部65sに固定するようにした。
【0059】
従来、ルーフモールに連結部材を取り付け、ルーフモールと連結部材を側縁部に固定した後、ヒンジカバーを側縁部に取り付けるとともに連結部材に取り付けていた。
この点、本発明では、あらかじめ、仮連結したルーフモールとヒンジカバーとにまたがって、連結部材33を取り付けた後、ルーフモール11とヒンジカバー12と連結部材33とを一体で、側縁部65sに固定するようにした。
【0060】
かかる組立方法であれば、あらかじめ、サブラインで、ルーフモール11とヒンジカバー12と連結部材33とを一体化した後に、メインラインで、一体化されたルーフモールヒンジカバーアッシ71を側縁部65sに組み付けるので、メインラインでの組立時間の増加を抑えることができる。メインラインでの組立時間の増加が抑えられれば、メインラインでの作業工数を低減させることができる。これにより、1つのメインラインで複数の車種を生産する場合などにおいて、各工程における組立工数の配分をより柔軟に行うことができるようになり、生産性を高めることができる。
また、連結部材33を、例えば樹脂製とし、カバー側挟持部とモール側挟持部とを弾性的に拡開できる構成とした場合は、ルーフモールとヒンジカバーとを仮連結し、側縁部に連結部材を固定した後、モール側係合部およびカバー側係合部をカバー側挟持部とモール側挟持部に嵌合することによって、連結部材をルーフモールとヒンジカバーとにまたがって取り付けることができる。したがって、同様に組付に係る作業性を向上させることができる。
【0061】
図9は連結部材の挟持部がスタッドに嵌合した状態を説明する断面図であり、ルーフパネル65の側縁部65sとサイドパネル64sの側縁部64sとを重ねて接合した接合部35に、軸部52jとこの軸部よりも大きな直径をもつ頭部52hを備えたスタッド52が立設されており、このスタッド52に連結部材33を一体化させたルーフモール11が取り付けられる。73は接合部35からはみ出た余剰シーラである。
【0062】
図10は連結部材の係止部がルーフモールを係止した状態を説明する断面図であり、一対の側部46、46と、これらの側部46、46に略直角に内方に延びている一対の挟持爪部47、47とによってルーフモール11の脚部を左右外方から挟持し、ルーフモール11に連結部材33を固定する。
【0063】
以上に述べた車両のヒンジカバー部構造の作用を次に述べる。
図2に戻って、連結部材33は、側縁部65sに固定される固定部としての車体側取付部36と、カバー側係合部27を挟持するカバー側挟持部42、42と、モール側係合部17を挟持するモール側挟持部41、41とを備える。そして、カバー側係合部27とモール側係合部17の間を連結部材33によって連結した。
【0064】
連結部材33は、ルーフパネル65の側縁部65sに沿って延ばされる固定部としての車体側取付部36と、ヒンジカバー12に、カバー側係合部27を挟持する一対のカバー側挟持部42と、ルーフモール11に、モール側係合部17を挟持する一対のモール側挟持部41とを備えている。つまり、連結部材33に、下方に向け突設される2つの係合部16、17を挟持する2対の挟持部41、42を上方に形成し、挟持部41、42とは反対方向の下方に固定部としての車体側取付部36を形成すれば良い。このような2対の挟持部41、42と車体側取付部36とをもつ連結部材33であれば、他の連結部材との間で部材の共通化を図り易くすることができる。連結部材の共通化が図れれば、連結部材の大幅なコスト低減が可能となる。
【0065】
加えて、ヒンジカバー12に、下方に向け突設されるカバー側係合部27は、ヒンジカバー12下部の一部を延設したものである。また、ルーフモール11に、下方に向け突設されるモール側係合部17は、ルーフモール11下部の一部を延設したものである。下方に突設したカバー側係合部27およびモール側係合部17であれば、複雑な形状とはならないため、ヒンジカバー12およびルーフモール11のコストアップはわずかなものである。
【0066】
このように、連結部材33のコストは大幅に低減され、ヒンジカバー12およびルーフモール11のコストアップはわずかなものとなる。したがって、コスト面で有利な車両のヒンジカバー部構造13を得ることができる。
さらに、連結部材33の共通化が可能となれば、組付けに必要な部品の種類が低減され、組立に係る生産性を高めることができる。
【0067】
尚、本発明は、実施の形態では四輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートをルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、四を備える四輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るルーフモールとヒンジカバーの結合部の分解斜視図である。
【図2】本発明に係るルーフモール結合部をヒンジカバーの結合部に組み付けた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るルーフモールとヒンジカバーの結合部を説明する下面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】図3の6−6線断面図である。
【図7】図3の7−7線断面図である。
【図8】連結部材により一体化させたヒンジカバーとルーフモールを車体側の接合部に取り付けることを説明する作用説明図である。
【図9】連結部材の挟持部がスタッドに嵌合した状態を説明する断面図である。
【図10】連結部材の係止部がルーフモールを係止した状態を説明する断面図である。
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0070】
11…ルーフモール、12…ヒンジカバー、13…車両のヒンジカバー部構造、17…モール側係合部、27…カバー側係合部、33…連結部材、36…固定部(車体側取付部)、41…モール側挟持部、42…カバー側挟持部、61…挟持溝部、65…ルーフパネル、65s…ルーフパネルの側縁部、66…テールゲート、67…ヒンジ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートを前記ルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられ前記ルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーを前記ルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造において、
前記ヒンジカバーに、下方に向け突設されるカバー側係合部を設け、
前記ルーフモールに、下方に向け突設されるモール側係合部を設け、
前記連結部材は、前記側縁部に固定される固定部と、前記カバー側係合部を挟持する一対のカバー側挟持部と、前記モール側係合部を挟持する一対のモール側挟持部と、を備えることを特徴とする車両のヒンジカバー部構造。
【請求項2】
前記カバー側係合部または前記モール側係合部のうちのいずれか一方には、前記ルーフモールまたは前記ヒンジカバーのうちの他方の端部を挟持する挟持溝部が備えられていることを特徴とする請求項1記載の車両のヒンジカバー部構造。
【請求項3】
前記固定部は、前記カバー側挟持部と前記モール側挟持部の間に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両のヒンジカバー部構造。
【請求項4】
前記カバー側係合部と前記モール側係合部とは、同一の幅寸法を有し、前記連結部材のカバー側挟持部とモール側挟持部の形状とは、同一の形状を有していることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の車両のヒンジカバー部構造。
【請求項5】
前記ヒンジカバーまたは前記ルーフモールのいずれか一方には、前記ルーフモールの端部または前記ヒンジカバーの端部に下側から当接する位置決め片が備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車両のヒンジカバー部構造。
【請求項6】
ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートを前記ルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられ前記ルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーを前記ルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造の組立方法であって、
前記ルーフモールと前記ヒンジカバーとを仮連結し、前記ルーフモールと前記ヒンジカバーとにまたがって前記連結部材を取り付け、この連結部材を前記側縁部に固定するようにしたことを特徴とする車両のヒンジカバー部構造の組立方法。
【請求項7】
ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートを前記ルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられ前記ルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーを前記ルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造の組立方法であって、
前記ルーフモールと前記ヒンジカバーとを仮連結し、前記側縁部に前記連結部材を固定し、この連結部材を前記ルーフモールと前記ヒンジカバーとにまたがって取り付けるようにしたことを特徴とする車両のヒンジカバー部構造の組立方法。
【請求項1】
ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートを前記ルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられ前記ルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーを前記ルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造において、
前記ヒンジカバーに、下方に向け突設されるカバー側係合部を設け、
前記ルーフモールに、下方に向け突設されるモール側係合部を設け、
前記連結部材は、前記側縁部に固定される固定部と、前記カバー側係合部を挟持する一対のカバー側挟持部と、前記モール側係合部を挟持する一対のモール側挟持部と、を備えることを特徴とする車両のヒンジカバー部構造。
【請求項2】
前記カバー側係合部または前記モール側係合部のうちのいずれか一方には、前記ルーフモールまたは前記ヒンジカバーのうちの他方の端部を挟持する挟持溝部が備えられていることを特徴とする請求項1記載の車両のヒンジカバー部構造。
【請求項3】
前記固定部は、前記カバー側挟持部と前記モール側挟持部の間に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両のヒンジカバー部構造。
【請求項4】
前記カバー側係合部と前記モール側係合部とは、同一の幅寸法を有し、前記連結部材のカバー側挟持部とモール側挟持部の形状とは、同一の形状を有していることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の車両のヒンジカバー部構造。
【請求項5】
前記ヒンジカバーまたは前記ルーフモールのいずれか一方には、前記ルーフモールの端部または前記ヒンジカバーの端部に下側から当接する位置決め片が備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車両のヒンジカバー部構造。
【請求項6】
ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートを前記ルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられ前記ルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーを前記ルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造の組立方法であって、
前記ルーフモールと前記ヒンジカバーとを仮連結し、前記ルーフモールと前記ヒンジカバーとにまたがって前記連結部材を取り付け、この連結部材を前記側縁部に固定するようにしたことを特徴とする車両のヒンジカバー部構造の組立方法。
【請求項7】
ルーフパネルの側縁部に沿って延ばされるルーフモールと、テールゲートを前記ルーフパネルに連結するヒンジ部に被せられ前記ルーフモールの一端に連なるヒンジカバーと、このヒンジカバーを前記ルーフモールに連結する連結部材とからなる車両のヒンジカバー部構造の組立方法であって、
前記ルーフモールと前記ヒンジカバーとを仮連結し、前記側縁部に前記連結部材を固定し、この連結部材を前記ルーフモールと前記ヒンジカバーとにまたがって取り付けるようにしたことを特徴とする車両のヒンジカバー部構造の組立方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−13013(P2010−13013A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176142(P2008−176142)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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