説明

車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置

本発明は、車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置であって、ボスに支承された駆動車に減衰装置が設けられており、ボスが二次ユニットの駆動軸と結合されており、減衰装置として、摩擦クラッチと組み合わせられたトーション振動ダンパが設けられており、摩擦クラッチがボス側における少なくとも1つの第1の摩擦面と、摩擦リング側における少なくとも1つの第2の摩擦面とを有していて、これにより駆動車がトーション振動ダンパのダンパケージを介してボスと摩擦力結合式及び/又は形状結合式に連結されていて、その結果駆動車からダンパケージを介してボスへの振動減衰されたトルク伝達が行われる形式のものに関する。このような形式の装置において本発明の構成では、第2の摩擦面が皿ばねと支持円板との間に設けられており、皿ばねがダンパケージと結合され、かつ支持円板がボスと結合されている。さらに、組み合わせられた複数のトーション振動ダンパを備えた装置が提案される。さらに、高い始動モーメントを伝達するために装置は固定ストッパを備えていてもよい。さらにまた、装置に付加的に摩擦減衰装置が設けられている構成も提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置であって、ボスに支承された駆動車に減衰装置が設けられている形式のものに関する。
【0002】
DE19535889A1に基づいて、巻掛け伝動装置における振動を減衰する装置が公知である。巻掛け伝動装置は、内燃機関のユニットベルト駆動装置のために設けられており、この場合ベルト車と軸との間に配置されたオーバランニングクラッチが設けられている。公知のオーバランニングユニットは、特にジェネレータを駆動するために適している。オーバランニングユニットは、ジェネレータを駆動するために働くベルト車の構成部分である。オーバランニングユニットの使用によって、自己緩衝もしくは自己減衰(Eigendaempfung)が可能であり、その結果巻掛け伝動装置のトルク伝達が改善される。
【0003】
EP0980479B1に基づいて、ジェネレータ結合オーバランニングクラッチを備えたベルト駆動系が公知である。この駆動系はトーションコイルばねと一方向連結機構とを形成しており、その結果得られた機構は螺旋状の巻条の形でダブルの機能を有している。これにより一方ではジェネレータベルト車の駆動トルクをボスに可撓的に伝達することができ、かつ他方ではジェネレータのベルト車をボスから一方向において遮断することができる。
【0004】
一般的に、例えば内燃機関におけるジェネレータ、水ポンプ、空調コンプレッサ、ステアリング補助ポンプ又はこれに類したもののような二次ユニットを駆動するために、ベルト駆動装置が設けられている。内燃機関のクランク駆動装置の回転不整合に基づいて、高い負荷がベルト駆動装置から二次ユニットに伝達されることがある。このような負荷は、励起振幅の高さ、ベルト及びベルトテンショナの剛性もしくは強さ、並びに二次ユニットの慣性モーメントに関連しており、この場合発電機もしくはジェネレータの慣性モーメントは、全慣性モーメントのうちの比較的大きな配分を有している。従って、二次ユニットをベルト駆動装置から遮断することが必要である。
【0005】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の振動を減衰する装置を改良することである。
【0006】
この課題は本発明の構成では例えば、車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置であって、ボスに支承された駆動車に減衰装置が設けられており、ボスが二次ユニットの駆動軸と結合されており、減衰装置として、摩擦クラッチと組み合わせられたトーション振動ダンパが設けられており、摩擦クラッチがボス側における少なくとも1つの摩擦面と、摩擦リング側における少なくとも1つの摩擦面とを有していて、これにより駆動車がトーション振動ダンパのダンパケージを介してボスと摩擦力結合式及び/又は形状結合式に連結されていて、その結果駆動車からダンパケージを介してボスへの振動減衰されたトルク伝達が行われる形式のものにおいて、摩擦リング側における摩擦面が皿ばねと支持円板との間に設けられており、皿ばねがダンパケージと結合され、かつ支持円板がボスと結合されているようにした。
【0007】
実地において、公知の装置において使用されている摩擦クラッチは熱により高負荷されることが分かっている。このような熱による高負荷は、本発明による装置では、少なくとも摩擦リング側における摩擦接触部もしくは摩擦リング側の摩擦面を設けることによって阻止される。つまり摩擦リング側の摩擦面は、本発明による装置では皿ばねと支持円板との間に設けられている。皿ばねが摩擦リングとダンパケージとの間に配置されていることによって、本発明による装置では改善された熱の流れが可能になり、その結果、特に摩擦クラッチの摩擦面の領域における熱による過負荷は確実に回避される。
【0008】
本発明の有利に名構成では、皿ばね及び支持円板が、高い熱伝導率を有する材料、例えば鋼又はこれに類したものから製造されている。このようになっていると、摩擦クラッチの摩擦面において発生した摩擦熱は軸方向において両側で、例えば鋼製の部材、つまり皿ばね及び支持円板によって、最適に吸収されかつ排出されることができる。これによって、公知の装置において設けられていた、通常プラスチック製のダンパケージによる断熱は、回避される。
【0009】
さらに、ダンパケージに皿ばねが直接接触していることによって、公知の装置においてよく見られたダンパケージの屈曲を、有利に回避することができる。これによって皿ばねのばね力は付加的なてこ腕なしに、直に円錐体に導かれることができる。
【0010】
本発明の別の構成では、皿ばねが、ダンパケージの内径部に設けられていて軸方向に突出している突子を介して回動不能に保持されている。これに対して、支持円板は、かしめ又は歯列を用いてボスと回動不能に結合されることができる。皿ばね及び支持円板をそれぞれ回動不能に配置するためには、構造的に異なった他の構成も可能である。個々の部材を軸方向において固定するための手段として、摩擦リングが支持円板によって軸方向で緊締されるような構成も可能である。
【0011】
本発明の有利な構成では、ダンパケージが駆動車と一緒に、円弧ばねダンパとして形成されたトーション振動ダンパの円弧ばねのための受容領域を形成している。本発明の有利な構成ではまた、円弧ばねダンパの円弧ばねの回転角が、対応するストッパによって制限されている。そしてこれらの対応するストッパは有利にはベルト車とダンパケージとの間に設けられている。
【0012】
上に述べた装置の構成は、以下に記載の構成のうちの少なくとも1つと組み合わせることも可能である。
【0013】
前記課題を解決するために本発明の別の構成では、車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置であって、ボスに支承された駆動車に減衰装置が設けられており、ボスが二次ユニットの駆動軸と結合されており、減衰装置が、摩擦クラッチと組み合わせられており、その結果駆動車からボスへの振動減衰されたトルク伝達が行われる形式のものにおいて、減衰装置が、駆動車とボスとの間におけるトルク伝達時に所定の減衰能力を得るために複数のトーション振動ダンパを有している。
【0014】
本発明によるこの構成は、既に述べた構成と組み合わせられて構成されても、又はそれらの構成とは無関係に独立して構成されてもよい。
【0015】
この別の装置によって、使用されるトーション振動ダンパのダンパばね強さを所望のエンジン使用状態に合わせることができる。このことは特に、トーション振動ダンパの回転角を種々様々なトーション振動ダンパの相応な組合せによって変化させることにより、達成することができる。
【0016】
本発明の特に有利な構成では、少なくとも2つのトーション振動ダンパが、駆動車とボスとの間において直列に配置されている。また例えば、少なくとも2つのトーション振動ダンパを、駆動車とボスとの間において並列に配置することも可能である。さらにまた、個々のトーション振動ダンパを直列及び並列に配置するような、トーション振動ダンパの別の配置形式も可能である。
【0017】
特定のエンジン使用時においてトーション振動ダンパの直列配置形式には、著しく小さなダンパばね強さしか必要ないという利点のあることが分かっている。つまりトーション振動ダンパの直列配置形式によってばね強さを例えば半分にすることができる。
【0018】
トーション振動ダンパの直列配置形式の構成は例えば、それぞれのトーション振動ダンパのばねエレメントを受容できるようにするために、軸線方向で相前後して配置された2つのダンパケージ又はこれに類したものが設けられていることによって、実現することができる。トーション振動ダンパとしては円弧ばねダンパが使用されると有利である。しかしながらまた、他のトーション振動ダンパを使用することも可能である。
【0019】
軸方向において相前後して配置されたダンパケージは、円弧ばねダンパの各円弧ばねのための受容領域を形成しており、この場合各円弧ばねダンパの円弧ばねの回転角は、ストッパによって制限されている。円弧ばねダンパの直列接続によって、最大回転角は、個々の円弧ばねダンパの両回転角の加算によって2倍になる。従って、使用される円弧ばねダンパの数を変えることによって、総回転角を所定の使用例に合わせることが可能である。
【0020】
トーション振動ダンパもしくは円弧ばねダンパ又はこれに類したものが使用されるか否かとは無関係に、本発明による装置はダンパケージを用いて、駆動車からボスへの摩擦力結合式のトルク伝達時に振動振幅を吸収するために、駆動車の少なくとも1つの回転方向において作用する摩擦クラッチエレメントを実現することができる。この場合設けられているダンパケージは軸方向で、少なくとも1つの第1の摩擦面を介してボスに、摩擦力結合式のトルク伝達のために押し付けられる。例えば第1の摩擦面は摩擦力結合式のトルク伝達のために円錐面又はこれに類したものとして形成されている。しかしながらまた、摩擦面を形状結合式のトルク伝達のために軸方向に歯列を備えた面として形成することも可能である。
【0021】
本発明による装置を軸方向においてシールするために、シール部材としてカバーキャップが、少なくとも支持円板の側に設けられていることができる。
【0022】
前記課題を解決するために本発明の別の構成では、車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置であって、ボスに支承された駆動車に減衰装置が設けられており、ボスが二次ユニットの駆動軸と結合されており、減衰装置がトーション振動ダンパを有しており、その結果駆動車からボスへの振動減衰されたトルク伝達が行われる形式のものにおいて、駆動車とボスとにそれぞれ対応する固定ストッパ又はこれに類したものが設けられていて、該固定ストッパがトーション振動ダンパの回転角を制限するようになっている。これらの固定ストッパはまた特性線ストッパとも呼ばれ、高いエンジン始動モーメントを伝達するために特に適している。
【0023】
この別の構成は、上に述べたその他の構成と少なくとも部分的に組み合わせることも、独立して使用することもできる。
【0024】
特に、いわゆるハイブリッド系におけるスタータジェネレータでは、ジェネレータ運転時に比較的低い駆動モーメントが必要であり、これに対して内燃機関の始動時、つまりエンジン運転時においては、著しく大きなトルクを伝達する必要のあることがある。特にこのような使用例では、摩擦クラッチの代わりに中実な固定ストッパを本発明による装置において使用すると有利である。
【0025】
本発明の有利な構成では、ベルト車又はこれに類したものとして形成された駆動車が、第1のダンパケージ半部を有していて、該第1のダンパケージ半部が第2のダンパケージ半部と共に、例えば円弧ばねダンパとして形成されたトーション振動ダンパの円弧ばね用のつまりばねアキュムレータ用の受容室を形成している。
【0026】
第1のダンパケージ半部がベルト車にプレス嵌めされていると有利である。第1のダンパケージ半部とベルト車との間における形状結合式の結合を実現するために、本発明の別の構成では、第1のダンパケージ半部がその外径部に複数の一体成形部又はこれに類したものを有しており、これらの一体成形部が、ベルト車の固定ストッパの間における切欠きに形状結合式に係合している。また、第2のダンパケージ半部が例えば内歯列を有していて、該内歯列が外歯列又はこれに類したものを用いてボスと連結されているような構成も可能である。このように構成されていることによって、第1のダンパケージ半部とベルト車との間における回動不能な結合部が得られる。
【0027】
第2のダンパケージ半部とボスとの間における回動不能な結合部として、本発明の別の構成では、第2のダンパケージ半部が中間歯列を介してボスと形状結合式に連結されている。
【0028】
本発明の別の構成では、軸方向で見て第1のダンパケージ半部と第2のダンパケージ半部との間に、スペーサ円板又はこれに類したものが設けられている。これによってスペーサ円板は、例えばプラスチックから製造されている両ダンパケージ半部の間における直接的な接触を阻止する。スペーサ円板は有利には鋼から製造されているので、プラスチック同士の摩擦接触が回避される。
【0029】
軸方向における固定のために本発明による装置では、例えば、両ハウジング半部同士もしくはダンパケージ半部同士を互いに押し付ける支持円板及び/又は固定リングが設けられている。軸方向におけるシールのために、装置の各側にはカバーキャップ又はこれに類したものを設けることができる。
【0030】
ボス及びベルト車における対応する固定ストッパによって、内燃機関の始動モーメントはこれらのストッパを介して直に伝達されることになる。装置のこの構成は、既に述べた構成と組み合わせることができる。しかしながらまた、前記構成は別個に使用することも可能である。
【0031】
本発明の課題はまた、既に述べた構成において、代わりに少なくとも1つの摩擦減衰装置が設けられている装置によっても、解決される。このように構成されていると、固定ストッパを備えた前記構成がさらに改善されて、装置におけるベルトの軋み音及び不都合な共振もしくは共鳴を、付加的な摩擦減衰装置によって阻止することができる。
【0032】
本発明による装置の別の有利な構成では、摩擦減衰装置が皿ばね又はこれに類したものであり、該皿ばねのばね力が一方では支持円板にかつ他方では第2のダンパケージ半部に支持されるもしくはそれぞれに作用するようになっている。これによって、ベルト車とボスとの間における摩擦減衰のために少なくとも2つの摩擦面が得られる。この場合特に、第1の摩擦面が第1のダンパケージ半部とボスとの間に形成されていて、第2の摩擦面がスペーサ円板と、両ダンパケージ半部のうちの少なくとも1つとの間に設けられている。このように構成されていると、装置の付加的な摩擦減衰を、皿ばね力を介して相応に調節することができる。
【0033】
本発明による装置の上に述べた構成は、有利には次の構成、すなわち固定ストッパがベルト車とボスとの間において振動減衰されたトルク伝達のために使用される構成と、組み合わせられることができる。しかしながらまた、既に述べた装置の別の構成との別の組合せも可能である。
【0034】
有利には上に述べた構成とは無関係に、トーション振動ダンパとして、付加的な潤滑剤なしに働く円弧ばねダンパを使用することも可能である。さらに別の有利な構成では、駆動車が二次ユニットを駆動するためのベルト車として形成されていて、例えば滑り軸受又はころがり軸受を介して、ボスに回転可能に支承されている。ばねエレメントもしくは円弧ばねの受容領域の内部における可能な限り小さな摩擦を実現するため、ひいては可能限り長い耐用寿命を実現するために、本発明の別の構成では、受容領域をそれぞれ形成するダンパケージ半部又はこれに類したものが、繊維補強されたプラスチックから製造されている。繊維補強されたプラスチックは有利には乾燥潤滑剤又はこれに類したものを有している。このように構成されていると、付加的な潤滑剤は不要になる。本発明による装置の最適なシールを達成するために、本発明の有利な構成では、シールエレメントとして間隙パッキン又はラビリンスパッキンが、ストッパの領域に設けられている。
【0035】
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【0036】
図1は、駆動車における振動を減衰する装置の第1実施例を示す断面図であり、
図2は、本発明による装置を図1のA−A線に沿って断面した図であり、
図3は、図1に示された本発明による装置の分解図であり、
図4は、本発明による装置の第1実施例の機能を示す概略図であり、
図5は、本発明による装置の第1実施例による特性線を、伝達されるトルクを縦軸にかつ回転角を横軸にとって示す線図であり、
図6は、図1に示された装置の一部を拡大して摩擦クラッチの摩擦面を示す断面図であり、
図7は、駆動車における振動を減衰する装置の第2実施例を示す断面図であり、
図8は、本発明による装置を図7のB−B線に沿って断面した図であり、
図9は、本発明による装置の第2実施例を示す分解図であり、
図10は、本発明による装置の第2実施例の機能を示す概略図であり、
図11は、本発明による装置の第2実施例による特性線を、伝達されるトルクを縦軸にかつ回転角を横軸にとって示す線図であり、
図12は、図7に示された装置の一部を拡大して装置の各摩擦面を示す断面図であり、
図13は、駆動車における振動を減衰する装置の第3実施例を示す断面図であり、
図14は、本発明による装置の第3実施例を図13のC−C線に沿って断面した図であり、
図15は、本発明による装置の第3実施例を示す分解図であり、
図16は、本発明による装置の第3実施例の機能を示す概略図であり、
図17は、本発明による装置の第3実施例による特性線を、伝達されるトルクを縦軸にかつ回転角を横軸にとって示す線図であり、
図18は、固定ストッパを備えた装置の第3実施例の一部を拡大して示す断面図であり、
図19は、本発明による装置の第3実施例を示す別の断面図であり、
図20は、本発明による装置の第3実施例を図19のD−D線に沿って断面した図であり、
図21は、本発明による装置の第3実施例を示す別の断面図であり、
図22は、本発明による装置の第3実施例を図21のE−E線に沿って断面した図であり、
図23は、駆動車における振動を減衰する装置の第4実施例を示す断面図であり、
図24は、本発明による装置の第4実施例を図23のF−F線に沿って断面した図であり、
図25は、本発明による装置の第4実施例を示す分解図であり、
図26は、本発明による装置の第4実施例の機能を示す概略図であり、
図27は、本発明による装置の第4実施例による特性線を、伝達されるトルクを縦軸にかつ回転角を横軸にとって示す線図であり
図28は、本発明による装置の第4実施例の一部を拡大して摩擦面を示す断面図である。
【0037】
図1〜図28には、減衰装置を用いて車両の二次ユニット(図示せず)を駆動するための駆動車における振動を減衰する本発明による装置の異なった4つの実施形態が示されている。
【0038】
図1〜図6には本発明による装置の第1実施例が示され、図7〜図12には第2実施例が示され、図13〜図22には第3実施例が示され、図23〜図28には第4実施例が示されている。図示の実施例では、駆動車はベルト車2として形成されていて、ボス1に回転可能に支承されている。ボス1は、内燃機関のオルタネータ、ジェネレータ又はこれに類した装置として形成された二次ユニットの駆動軸12と結合されている。
【0039】
ボス1は有利には駆動軸12に雌ねじ山を介して螺合されており、この場合締め付けモーメントは六角形孔又はその他の形状の歯列(例えば刻み目歯列)を用いて導入される。さらに図示の実施例ではトーション振動ダンパとして、潤滑剤なしに作動する円弧ばねダンパ(Bogenfederdaempfer)が有利に使用される。
【0040】
図1に示された第1実施例では、減衰装置は円弧ばねダンパの他に摩擦クラッチをも有しており、この摩擦クラッチは円弧ばねダンパと組み合わせられている。円弧ばねダンパはダンパケージ4を有しており、ベルト車2とダンパケージ4とは、両者が一緒になって、円弧ばね3のための全周にわたって分配配置された複数の受容室を形成するように、互いに対応配置されている。円弧ばね3のための全周にわたって分配配置された受容領域は、ダンパケージ4及びベルト車2における対応するストッパCによって画成されているので、これにより、予め規定された円弧ばねダンパの最大回転角αが決定される(図2参照)。
【0041】
図3には本発明による装置の第1実施例が分解図で示されており、この分解図から第1実施例による装置の構造が明らかになる。二次ユニットの駆動軸12と螺合されたボス1は、センタリングされたベルト車2を回転可能に受容しており、この場合ベルト車2は、内燃機関のクランク軸駆動装置との連結のために働く、ベルト又はこれに類した巻掛け伝動部材(Zugmittel)を備えている。軸方向においてダンパケージ4には皿ばね6が接続しており、この皿ばね6はダンパケージ4に回動不能に保持されている。このことを実現するために、ダンパケージ4の内径部には半径方向に突出する突子が配置されており、これらの突子は皿ばね6の内径部と係合している。ダンパケージ4における皿ばね6の内側接触はまた、ダンパケージ4が強く屈曲することを有利に阻止している。それというのは、皿ばね6のばね力はてこ腕なしに直に円錐部に導入されるからである。皿ばね6の、ダンパケージ4とは反対の側には、摩擦リング5が接触しており、この摩擦リング5は支持円板7によってダンパケージ4に押し付けられる。支持円板7はかしめによってボス1と回動不能に結合されている。外側の保護として、カバーキャップ9が支持円板7に設けられている。
【0042】
図4には機能原理が概略図で示されている。この図4から明らかなように、ベルト車2は円弧ばねダンパの円弧ばね3を介して、選択された回転角αに関連してダンパケージ4と連結されており、この場合ダンパケージ4は摩擦クラッチエレメントとして滑り面A1,A2を介してボス1と、振動減衰されたトルク伝達のために連結されている。
【0043】
図5には、本発明による装置の第1実施例におけるトルク伝達時の特性線が線図で示されている。この線図から分かるように、トルクは回転角に関連して、伝達される最大トルクが得られるまで、直線的に上昇する。
【0044】
図6は、図1に示された装置の一部を拡大して示す断面図であり、この断面図から、特に本発明による装置における摩擦クラッチの機能が分かる。本発明による装置では摩擦リング側の摩擦接触は、摩擦リング5と支持円板7との間における摩擦面A2によって形成される。これにより摩擦クラッチによって生じる摩擦熱は、両側において鋼部分によって受容もしくは吸収されることができる。それというのは、摩擦面A2は、通常鋼製の部材、つまり皿ばね6と支持円板7との間に設けられているからである。このように構成されていると、十分な熱伝導を実現することができ、その結果熱による負荷を回避することができる。
【0045】
摩擦面A2の他にダンパケージ4は別の摩擦面A1を介してボス1と摩擦力結合式(kraftschluessig)に結合されている。摩擦面A1は例えば、図6に示されているように円錐面として形成されていてもよい。しかしながらまた、ダンパケージ4とボス1との間において、例えばラチェット原理(Ratschenprinzip)又はこれに類した形式で形状結合式(formschluessig)の結合も可能である。ダンパケージ4gが摩擦クラッチエレメントとして働くことができるようにするために、ダンパケージ4は摩擦面A2を介してボス1に摩擦面A1によって負荷される。これは特に皿ばね6によって実現される。このように構成されていると、所定の振幅(Schwingungsamplitude)時に、トルク伝達は過負荷摩擦クラッチによって時々減じられるもしくは中断され、その結果振動が二次ユニットに伝達されることはなくなる。
【0046】
図7には、本発明による装置の第2実施例が示されている。この装置では、2つの円弧ばねダンパの直列接続によってダンパ能力を2倍にすることができる。このようなことは、1つにまとまったエンジン使用時には著しく小さなダンパばね強さが必要とされることに基づいて、必要である。本発明による装置によって、減じられた、例えば半分にされたばね強さを実現することができる。
【0047】
第2実施例による装置は実質的に、第1実施例におけると同じ構成部材を有している。しかしながらダンパケージ4の領域において、両円弧ばねダンパの直列接続を可能にするために、変更が加えられている。そのためにボス1は軸方向において延長されていて、その結果、軸方向において相前後して配置された2つのダンパケージ4,10を配置することが可能になる。この2つのダンパケージ4,10によって2列の円弧ばね3a,bが、両ダンパケージ4,10によって形成された受容室内に受容されることができる。個々のダンパケージ4,10の間には、図8に示されているようにストッパC1,C2が設けられている。
【0048】
対応するストッパC1はベルト車2とダンパケージ10との間に設けられている。これに対して対応するストッパC2は、ダンパケージ10とダンパケージ4との間に配置されている。これによってストッパC1,C2はそれぞれ、各円弧ばねダンパの最大回転角αを制限し、摩擦クラッチの滑り段階において生じる余剰トルクを受け止めることができる。
【0049】
図9には、本発明による装置の第2実施例が分解図で示されている。既に第1実施例との関連において記載された部材の他に、この図9には付加的なダンパケージ10と付加的な円弧ばね3aとが示されている。この両方のダンパケージ4,10を受容できるようにするために、ボス1は軸方向において延長されている。その他の構成に関しては、第1実施例についての記載を参照することができる。
【0050】
本発明による装置の第2実施例の機能原理は図10に示されている。この概略図から分かるように、ベルト車2とボス1との間には円弧ばね3a,3bを備えた2つの円弧ばねダンパが配置されており、その結果それぞれの最大回転角αは合算される。従って2つの同じ円弧ばねダンパが設けられている場合には、2倍の回転角(2α)が得られる。この第2実施例においても、両方の摩擦面A1,A2によって形成される1つの摩擦クラッチが形成されている。
【0051】
図11には本発明による装置の第2実施例によるトルク伝達時における特性線が、線図で示されている。この特性線はほぼ第1実施例の特性線に相当するが、この場合には回転角が第1実施例に比べて2倍に、つまり2αであるという相違がある。
【0052】
拡大された断面図である図12には、本発明による装置の第2実施例が示されている。この図12には特に、ベルト車2とダンパケージ10との間における対応するストッパC1と、両方のダンパケージ4,10の間における対応するストッパC2とがはっきりと示されている。さらに、摩擦クラッチの第1の摩擦面A1として、ダンパケージ4とボス1との間における円錐面が設けられている。第2の摩擦面A2としては、図1に示された第1実施例におけるように、摩擦リング5と支持円板7もしくは皿ばね6との間における摩擦面A2が設けられている。摩擦面A1,A2に関しては別の実施例も可能である。
【0053】
図13には、本発明による装置の第3実施例が示されている。この実施例は特に、高いエンジン始動モーメントを伝達するために適している。いわゆるハイブリッド系では汎用のオルタネータの代わりにスタータジェネレータが多く使用されるようになっている。このスタータジェネレータはジェネレータ運転時に、円弧ばねダンパの当接モーメントを介してカバーすることができるような比較的低い駆動モーメントしか必要としない。内燃機関の始動中には、しかしながらエンジン運転中に著しく高いトルクが円弧ばねダンパを介して伝達されねばならず、その結果例えば、上述の実施例において設けられていた摩擦クラッチの代わりに、しっかりした固定ストッパ又はこれに類したものが形成される。これによって、高いエンジン始動時モーメントを伝達するための特性線ストッパが実現される。
【0054】
このような対応する固定ストッパは、装置の第3実施例においてC3で示されている。この場合対応するストッパC3は、例えば鋼製のボス1及び、同様に有利には鋼製のベルト車2aに配置されている。対応するストッパC3は特に図14に示されている。
【0055】
さらにベルト車2は第1のダンパケージ半部4aを有しており、この第1のダンパケージ半部4aは第2のダンパケージ半部4bと一緒に、円弧ばねダンパの円弧ばね3を受容するための受容室を形成している。この場合第1のダンパケージ半部4aはベルト車2内にプレス嵌めされており、その結果ばねモーメントが円弧ばね3に導入される。図13に示された第3実施例では、ベルト車2は滑り軸受B3を介してボス1に支承されており、この滑り軸受B3も同様にベルト車2にプレス嵌めされている。
【0056】
円弧ばね3に伝達されたモーメントは、第2のダンパケージ半部4bを介してボス1に伝達される。第2のダンパケージ半部4bは内歯列を有しており、この内歯列はボス1の外歯列と係合しているので、その結果第2のダンパケージ半部4bはボス1に回動不能に保持されている。両ダンパケージ半部4a,4bの間にはスペーサ円板11が設けられている。
【0057】
図14から分かるように、対応するストッパC3によって、ベルト車2とボス1との間における回転角αが可能である。
【0058】
図15には、本発明による装置の第3実施例が分解図で示されている。既に述べた実施例とは異なり、この実施例では、第1のダンパケージ半部4aと第2のダンパケージ半部4bとの間に、鋼製のスペーサ円板11が設けられており、これによって両ダンパケージ半部4a,4bの間におけるプラスチック同士による摩擦接触を回避することができる。さらに軸方向固定のために支持円板7と固定リング8とが設けられており、この支持円板7及び固定リング8は、カバーキャップ9aによって覆われ、この場合カバーキャップ9aは、装置の対向して位置する側に対応するカバーキャップ9bを有しており、これによって装置を確実に汚れから守ることができる。
【0059】
図16には、本発明による装置の第3実施例の機能が概略図で示されており、この概略図から分かるように、ボス1とベルト車2との間には摩擦クラッチは設けられていない。減衰装置としては単に、相応な最大回転角αを有する円弧ばね3を備えた1つの円弧ばねダンパが設けられている。図16の概略図によって生ぜしめられるトルク伝達のための相応な特性線は、図17において線図で示されている。この線図ではトルクが回転角にわたって示されており、線図から分かるように、最大回転角αが得られた後では、伝達されるトルクは制限されない。
【0060】
図18は、第3実施例を拡大して示す断面図であり、この図18にも、ボス1とベルト車2との間における対応する固定ストッパC3が示されている。
【0061】
図19には、装置の第3実施例が別の断面図で示されており、この断面図から、ベルト車2から第1のダンパケージ半部4aへのモーメント伝達が明らかである。そのために図20には、図19のD−D線に沿った断面図が示されている。この図20から分かるようにベルト車2と、このベルト車2にプレス嵌めされた第1のダンパケージ半部4aとの間には形状結合部(Formschluss)が形成されている。そのために第1のダンパケージ半部4aは半径方向に一体成形部Eを有しており、この一体成形部Eは、ベルト車2のストッパC3の間における切欠きに形状結合式(formschluessig)にプレス嵌めされている。これによって第1のダンパケージ半部4aはベルト車2に回動不能に固定されている。
【0062】
図21には、装置の第3実施例が別の断面図で示されており、この断面図から、第2のダンパケージ半部4bからボス1へのモーメント伝達が明らかである。そのために図22には、図21のE−E線に沿った断面図が示されている。この図22から分かるように、ダンパケージ半部4bとボス1との間においては中間歯列Fを介して形状結合部が形成されている。この形状結合式の結合によって、円弧ばね3のばねモーメントはボス1に伝達され、ひいてはさらに駆動軸12に伝えられる。
【0063】
図23には、本発明による装置の第4実施例が断面図で示されている。装置のこの第4実施例では、装置の第3実施例とは異なり、摩擦減衰装置が設けられている。このような構成の理由は、特定の状況下では、対応する固定ストッパによって不都合な騒音及び不都合な共鳴もしくは共振の生じることがあるからである。従って、付加的な摩擦減衰装置を設けることには利点がある。
【0064】
そのために、図23に示されているように、皿ばね6が第2のダンパケージ半部4bに設けられており、これにより皿ばね6のばね力は一方では支持円板7に支持され、かつ他方では第2のダンパケージ半部4bに支持されることができる。このようにして両ダンパケージ半部4a,4bとスペーサ円板11との間において摩擦面D2が得られる。さらにダンパケージ半部4aはボス1に別の摩擦面D1を介して支持されている。これによって、付加的な摩擦減衰装置の摩擦減衰を、設けられている皿ばね6によって相応に生ぜしめることができる。
【0065】
図24には、図23に示されたF−F線に沿った断面図が示されており、この断面図から、ベルト車2及びボス1における対応するストッパC3と、ストッパC3の間における最大回転角αとが分かる。
【0066】
図25に示された分解図は、図15に示された装置の第3実施例の分解図にほぼ相当しているが、この第4実施例が異なっている点は、付加的に皿ばね6が支持円板7と第2のダンパケージ半部4bとの間に設けられていることである。
【0067】
図26には、装置の第4実施例の機能が概略図で示されており、この概略図から分かるように、円弧ばね3を備えた円弧ばねダンパの他に、ボス1とベルト車2との間には、摩擦面D1,D2を備えた摩擦減衰装置が設けられている。これにより、図27に線図で示されているような装置の第4実施例の特性線が得られる。この特性線は、図17に示された第3実施例の特性線と同じである。
【0068】
図28には、装置の第4実施例が拡大されて断面図で示されており、この断面図から、設けられている摩擦減衰装置の2つの摩擦面D1,D2が明らかである。その他の点については、図23に対する記載を参照することができる。
【0069】
すべての実施例において、ベルト車2として形成された駆動車は、有利には滑り軸受B3を介してボス1に回転可能に支承されていることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】駆動車における振動を減衰する装置の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明による装置を図1のA−A線に沿って断面した図である。
【図3】図1に示された本発明による装置の分解図である。
【図4】本発明による装置の第1実施例の機能を示す概略図である。
【図5】本発明による装置の第1実施例による特性線を、伝達されるトルクを縦軸にかつ回転角を横軸にとって示す線図である。
【図6】図1に示された装置の一部を拡大して摩擦クラッチの摩擦面を示す断面図である。
【図7】駆動車における振動を減衰する装置の第2実施例を示す断面図である。
【図8】本発明による装置を図7のB−B線に沿って断面した図である。
【図9】本発明による装置の第2実施例を示す分解図である。
【図10】本発明による装置の第2実施例の機能を示す概略図である。
【図11】本発明による装置の第2実施例による特性線を、伝達されるトルクを縦軸にかつ回転角を横軸にとって示す線図である。
【図12】図7に示された装置の一部を拡大して装置の各摩擦面を示す断面図である。
【図13】駆動車における振動を減衰する装置の第3実施例を示す断面図である。
【図14】本発明による装置の第3実施例を図13のC−C線に沿って断面した図である。
【図15】本発明による装置の第3実施例を示す分解図である。
【図16】本発明による装置の第3実施例の機能を示す概略図である。
【図17】本発明による装置の第3実施例による特性線を、伝達されるトルクを縦軸にかつ回転角を横軸にとって示す線図である。
【図18】固定ストッパを備えた装置の第3実施例の一部を拡大して示す断面図である。
【図19】本発明による装置の第3実施例を示す別の断面図である。
【図20】本発明による装置の第3実施例を図19のD−D線に沿って断面した図である。
【図21】本発明による装置の第3実施例を示す別の断面図である。
【図22】本発明による装置の第3実施例を図21のE−E線に沿って断面した図である。
【図23】駆動車における振動を減衰する装置の第4実施例を示す断面図である。
【図24】本発明による装置の第4実施例を図23のF−F線に沿って断面した図である。
【図25】本発明による装置の第4実施例を示す分解図である。
【図26】本発明による装置の第4実施例の機能を示す概略図である。
【図27】本発明による装置の第4実施例による特性線を、伝達されるトルクを縦軸にかつ回転角を横軸にとって示す線図である。
【図28】本発明による装置の第4実施例の一部を拡大して摩擦面を示す断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 ボス、 2 駆動車、 3,3a,3b 円弧ばね、 4 ダンパケージ、 4a,4b ダンパケージ半部、 5 摩擦リング、 6 皿ばね、 7 支持円板、 8 固定リング、 9,9a,9b カバーキャップ、 10 ダンパケージ、 11 スペーサ円板、 12 駆動軸、 A1 第1の摩擦面、 A2 第2の摩擦面、 B3 すべり軸受、 C 対応するストッパ、 C1 対応するストッパ、 C2 対応するストッパ、 C3 対応する固定ストッパ、 D1 第1の摩擦面、 D2 第2の摩擦面、 E 一体成形部、 F 中間歯列、 α 最大回転角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置であって、ボス(1)に支承された駆動車に減衰装置が設けられており、ボス(1)が二次ユニットの駆動軸(12)と結合されており、減衰装置として、摩擦クラッチと組み合わせられたトーション振動ダンパが設けられており、摩擦クラッチがボス側における少なくとも1つの第1の摩擦面(A1)と、摩擦リング側における少なくとも1つの第2の摩擦面(A2)とを有していて、これにより駆動車がトーション振動ダンパのダンパケージ(4)を介してボス(1)と摩擦力結合式及び/又は形状結合式に連結されていて、その結果駆動車からダンパケージ(4)を介してボス(1)への振動減衰されたトルク伝達が行われる形式のものにおいて、第2の摩擦面(A2)が皿ばね(6)と支持円板(7)との間に設けられており、皿ばね(6)がダンパケージ(4)と結合され、かつ支持円板(7)がボス(1)と結合されていることを特徴とする、車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置。
【請求項2】
皿ばね(26)及び支持円板(7)が、高い熱伝導率を有する材料から製造されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
皿ばね(6)が、ダンパケージ(4)の内径部に設けられていて軸方向に突出している突子を介して回動不能に保持されている、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
支持円板(7)が、かしめ又は歯列を用いてボス(1)と回動不能に結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
ダンパケージ(4)が駆動車と一緒に、円弧ばねダンパとして形成されたトーション振動ダンパの円弧ばね(3)のための受容領域を形成している、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
円弧ばねダンパの円弧ばね(3)の回転角(α)が、対応するストッパ(C)によって制限されている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
対応するストッパ(C)がベルト車(2)とダンパケージ(4)との間に設けられている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
摩擦リング(5)が支持円板(7)によって軸方向固定されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置であって、ボス(1)に支承された駆動車に減衰装置が設けられており、ボス(1)が二次ユニットの駆動軸(12)と結合されており、減衰装置が、摩擦クラッチと組み合わせられており、その結果駆動車からボス(1)への振動減衰されたトルク伝達が行われる、特に請求項1から8までのいずれか1項記載の形式のものにおいて、減衰装置が、駆動車(2)とボス(1)との間におけるトルク伝達時に所定の減衰能力を得るために複数のトーション振動ダンパを有していることを特徴とする、車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置。
【請求項10】
少なくとも2つのトーション振動ダンパが、駆動車(2)とボス(1)との間において直列に配置されている、請求項9記載の装置。
【請求項11】
少なくとも2つのトーション振動ダンパが、駆動車(2)とボス(1)との間において並列に配置されている、請求項9又は10記載の装置。
【請求項12】
トーション振動ダンパとして円弧ばねダンパが直列配置されている場合に、軸方向において相前後して配置された少なくとも2つのダンパケージ(4,10)が設けられている、請求項10又は11記載の装置。
【請求項13】
ダンパケージ(4,10)が駆動車と一緒に、各円弧ばね(3a,3b)のための受容領域を形成している、請求項12記載の装置。
【請求項14】
各円弧ばねダンパの円弧ばね(3a,3b)の回転角(α)が、対応するストッパ(C1,C2)によって制限されている、請求項12又は13記載の装置。
【請求項15】
対応するストッパ(C1)がベルト車(2)とダンパケージ(10)との間に設けられており、対応するストッパ(C2)がダンパケージ(10)とダンパケージ(4)との間に設けられている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
少なくともダンパケージ(4)が摩擦面(A1,A2)を用いて、駆動車の少なくとも1つの回転方向において作用する摩擦クラッチエレメントとして、トルク伝達時における振動共振を吸収するために形成されている、請求項1から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
ダンパケージ(4)が軸方向で第1の摩擦面(A1)を介して、摩擦力結合式のトルク伝達のためにボス(1)に圧着可能である、請求項16記載の装置。
【請求項18】
摩擦面(A1)が、摩擦力結合式のトルク伝達のために円錐面として形成されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
軸方向のシールエレメントとして、カバーキャップ(9)が設けられている、請求項1から18までのいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置であって、ボス(1)に支承された駆動車に減衰装置が設けられており、ボス(1)が二次ユニットの駆動軸(12)と結合されており、減衰装置がトーション振動ダンパを有しており、その結果駆動車からボス(1)への振動減衰されたトルク伝達が行われる、特に請求項1から19までのいずれか1項記載の形式のものにおいて、駆動車とボス(1)とにそれぞれ対応する固定ストッパ(C3)が、高い始動モーメントを伝達するために設けられていることを特徴とする、車両の二次ユニットを駆動するための駆動車における振動を減衰する装置。
【請求項21】
ベルト車として形成された駆動車が、第1のダンパケージ半部(4a)を有していて、該第1のダンパケージ半部(4a)が第2のダンパケージ半部(4b)と共に、円弧ばねダンパとして形成されたトーション振動ダンパの円弧ばね(3)用の受容室を形成している、請求項20記載の装置。
【請求項22】
第1のダンパケージ半部(4a)がベルト車にプレス嵌めされている、請求項21記載の装置。
【請求項23】
第1のダンパケージ半部(4a)がその外径部に複数の一体成形部(E)を有しており、これらの一体成形部(E)が、ベルト車(2)の固定ストッパ(C3)の間における切欠きに形状結合式に係合している、請求項21又は22記載の装置。
【請求項24】
第2のダンパケージ半部(4b)が中間歯列(F)を介してボス(1)と回動不能に連結されている、請求項20〜23までのいずれか1項記載の装置。
【請求項25】
軸方向で見て第1のダンパケージ半部(4a)と第2のダンパケージ半部(4b)との間に、スペーサ円板(11)が設けられている、請求項20〜24までのいずれか1項記載の装置。
【請求項26】
カバーキャップ(9a,9b)が軸方向におけるシールのために設けられている、請求項20〜25までのいずれか1項記載の装置。
【請求項27】
少なくとも1つの摩擦減衰装置が設けられている、請求項20〜26までのいずれか1項記載の装置。
【請求項28】
摩擦減衰装置が皿ばね(6)であり、該皿ばね(6)のばね力が支持円板(7)及び第2のダンパケージ半部(4b)に作用する、請求項27記載の装置。
【請求項29】
摩擦減衰装置が、ベルト車(2)とボス(1)との間における摩擦減衰のために少なくとも2つの摩擦面(D1,D2)を有している、請求項27又は28記載の装置。
【請求項30】
第1の摩擦面(D1)が第1のダンパケージ半部(4a)とボス(1)との間に形成されている、請求項29記載の装置。
【請求項31】
第2の摩擦面(D2)がスペーサ円板(11)と、両ダンパケージ半部(4a,4b)のうちの少なくとも1つとの間に設けられている、請求項29又は30記載の装置。
【請求項32】
トーション振動ダンパが、潤滑剤なしに働く円弧ばねダンパとして形成されている、請求項1〜31までのいずれか1項記載の装置。
【請求項33】
ベルト車(2)として形成された駆動車が滑り軸受(B3)又はころがり軸受を介して、ボス(1)に回転可能に支承されている、請求項1〜32までのいずれか1項記載の装置。
【請求項34】
ベルト車(2)及び/又はダンパケージ半部(4,4a,4b)がトーション振動ダンパのばねガイドエレメントとして、繊維補強されたプラスチックから製造されている、請求項1〜33までのいずれか1項記載の装置。
【請求項35】
繊維補強されたプラスチックが乾燥潤滑剤を有している、請求項34記載の装置。
【請求項36】
シールエレメントとして間隙パッキン又はラビリンスパッキンが、ストッパ(C,C1,C2,C3)の領域に設けられている、請求項1〜35までのいずれか1項記載の装置。
【請求項37】
支持円板(7)及び/又は固定リング(8)が軸方向固定のために設けられている、請求項1〜36までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2009−533610(P2009−533610A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504555(P2009−504555)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000521
【国際公開番号】WO2007/118441
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3, D−77815 Buehl, Germany