車両の側部車体構造
【課題】この発明は、生産コストの増大を抑制しつつ、車両のルーフクラッシュ時や側突時の荷重入力に対して十分に車体剛性を確保することができる車両の側部車体構造を提供することを目的とする。
【解決手段】センターピラーアウタ41とセンターピラーインナ42との間にレイン内レインフォースメント46が設けられたセンターピラー4を備えており。レイン内レインフォースメント46は、上下方向に延びると共に断面コ字状をなしており、該レイン内レインフォースメント46のコ字状断面の開口側と対向する位置には、センターピラーアウタ41への荷重Wの入力時に、上記開口側の拡開を規制する規制部として当接部44c、45aが備えられた。
【解決手段】センターピラーアウタ41とセンターピラーインナ42との間にレイン内レインフォースメント46が設けられたセンターピラー4を備えており。レイン内レインフォースメント46は、上下方向に延びると共に断面コ字状をなしており、該レイン内レインフォースメント46のコ字状断面の開口側と対向する位置には、センターピラーアウタ41への荷重Wの入力時に、上記開口側の拡開を規制する規制部として当接部44c、45aが備えられた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントが設けられたピラーを備えた車両の側部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の横転等によりルーフ側から荷重を受けるいわゆる車両のルーフクラッシュ時や側突時における車体剛性を確保するために、車体側部に配設されたピラーにおいて、そのピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間の閉断面内にレインフォースメントを追加することが知られている。
【0003】
通常、ピラーの閉断面内にレインフォースメントを備えた構造では、ピラーインナパネル、ピラーアウタパネルの両端部に形成したフランジ部の間にレインフォースメントの両端部を重ねて接合しており、これによって上記レインフォースメントを所定位置に配設している。
【0004】
しかしながら、このようにレインフォースメントをフランジ部の間に重ねて接合する構造では、車体剛性のさらなる向上を図るべくピラーインナパネルとピラーアウタパネルとの間に新たにレインフォースメントを配設する場合、接合部分の板厚の増加に伴って溶接の方法を変更したり、車室側の壁面を構成するトリム部材の取付け構造を変更したりしなければならず、その結果生産コストの増大が懸念されていた。
【0005】
ところで、従来、ピラーインナパネルとピラーアウタパネルとの間に、断面コ字状のインナ補強部材(レインフォースメント)とアウタ補強部材(レインフォースメント)とを配設し、インナ補強部材の開口側の端部とアウタ補強部材の開口側の端部とを対向させて互いに当接可能に配設したものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0006】
下記特許文献1に開示された従来技術では、車両のルーフクラッシュ時や側突時に2つの補強部材の端部同士を突き当てることによりピラーの剛性を確保している。そして、下記特許文献1では、補強部材の開口側の端部が、ピラーインナパネル、ピラーアウタパネルのフランジ部に接合されない構成となっていることで、接合部分の板厚は、ピラーインナパネル、ピラーアウタパネルの各フランジ部を合わせた板厚で済む。このため、フランジ部における溶接の方法を変更したり、トリム部材の取付け構造を変更したりする必要がないという利点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−101741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、本発明者は、側部車体構造の開発にあたり、先ずピラー(具体的には、ピラーアウタパネル)への荷重入力によってこれが変形する時の挙動について解析、検討を行った。
【0009】
その結果、ピラーアウタパネルに対して直接またはルーフサイドレールを経由して間接的に荷重が入力された時、レインフォースメントが荷重の作用で車両前後方向に拡開変形することにより、ピラーの剛性が著しく低下し、この剛性低下によってピラーの車室側への侵入が促進されることが分かった。本発明者は、この解析結果から、レインフォースメントの拡開変形のし易さが、ピラーの剛性、ひいては車体側部における剛性に大きく関与していることを見出した。
【0010】
ここで、上記特許文献1について見てみると、該特許文献1は、あくまでもピラーへの荷重入力時に、互いに対向する開口側の端部同士が当接可能となるように、断面コ字状のインナ補強部材及びアウタ補強部材を配設しているに過ぎないものであり、各補強部材の開口側で生じる拡開変形を規制する構造については何ら開示されていない。従って、上記特許文献1に開示された従来技術の場合、車両のルーフクラッシュ時や側突時の荷重入力に対する車体剛性を十分に確保するためには、さらなる改善の余地があると言える。
【0011】
この発明は、生産コストの増大を抑制しつつ、車両のルーフクラッシュ時や側突時の荷重入力に対して十分に車体剛性を確保することができる車両の側部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の車両の側部車体構造は、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントが設けられたピラーを備えた車両の側部車体構造であって、上記ピラーレインフォースメントは、上下方向に延びると共に断面コ字状をなしており、該ピラーレインフォースメントのコ字状断面の開口側と対向する位置には、上記ピラーアウタパネルへの荷重入力時に、上記開口側の拡開を規制する規制部が備えられたものである。
【0013】
この構成によれば、車両のルーフクラッシュ時や側突時にピラーアウタパネルに荷重が入力された時、ピラーレインフォースメントの開口側の拡開を規制するようにしたことで、ピラーレインフォースメントの潰れを規制することができる。このため、ピラーアウタパネルの変形を抑制でき、ピラーが車室内に侵入することを抑制できる。つまり、規制部によるピラーレインフォースメントの潰れ規制により、ピラーの剛性向上を図ることができ、その結果、車体側部における車体剛性を十分に確保することができる。
【0014】
そして、ピラーレインフォースメントでの拡開を規制部で規制するように構成したことで、ピラーレインフォースメントをピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの接合部位で接合しなくても、ピラーの剛性を向上させ、車体側部における車体剛性を確保することが可能になる。つまり、この場合、レインフォースメントを追加したとしても、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの接合部位で板厚が増加することを抑制できる。このため、上記接合部位での溶接が容易となるばかりでなく、ピラー周辺のトリム部材の組付けも容易となり、その結果車両の生産コスト増大を抑制することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記規制部が、上記ピラーレインフォースメントの開口側と対向する位置で所定距離間して配設されたものである。
【0016】
この構成によれば、通常走行時、車体の歪み等に起因してピラーレインフォースメントと規制部とが当接し、互いに干渉し合うことを防止できる。このため、両者の干渉に伴う異音の発生を防止できる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記規制部が、上記ピラーアウタパネルへの荷重入力時に、上記ピラーレインフォースメントの開口側の両端部に当接してその拡開方向への移動を規制する当接部により構成されると共に、上記両端部のそれぞれに対応して配設されており、上記当接部同士を接続する接続部が備えられたものである。
【0018】
この構成によれば、各当接部の剛性を両者の接続によって向上させることができ、ピラーレインフォースメントの開口側の拡開をより確実に規制することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記ピラーアウタパネルと上記ピラーインナパネルとの間の、上記ピラーレインフォースメントの開口側と対向する位置に第2ピラーレインフォースメントが備えられ、該第2ピラーレインフォースメントに、上記規制部を備えたものである。
【0020】
この構成によれば、規制部を設けるために別途配設したレインフォースメントによってピラー全体の剛性を向上させることができる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、上記第2ピラーレインフォースメントが、上記ピラーレインフォースメントより下方まで延設されたものである。
【0022】
ピラーレインフォースメントは、主に車両のルーフクラッシュ時や側突時に入力される荷重に対して剛性を確保するために配設されるものであり、この場合、ピラーレインフォースメントは、少なくともピラーの上部に配設されていればよい。
【0023】
従って、第2レインフォースメントをピラーレインフォースメントよりも下方まで延設することで、ピラーレインフォースメントの重量、コストを抑制しつつも、第2レインフォースメントによってピラー全体の剛性向上を図ることができる。つまり、車体側部の剛性、重量及び生産コストの最適化を図ることができる。
【0024】
この発明の一実施態様においては、上記第2ピラーレインフォースメントが、上記ピラーの上端部にて車両前後方向に延びるルーフサイドレール内を車両前後方向に亘って延びる横レインフォースメントを有するものである。
【0025】
この構成によれば、ピラーレインフォースメントの開口側の拡開を規制する時に規制部が受ける荷重を、横レインフォースメントを介してルーフサイドレールに伝達させることができ、上記荷重を車両前後方向に分散させることができる。
【0026】
この発明の一実施態様においては、上記ピラーアウタパネルと上記ピラーインナパネルとの間に、補助レインフォースメントが配設され、上記ピラーレインフォースメントは、上記開口側と反対の閉鎖側で上記補助レインフォースメントに連結されたものである。
【0027】
この構成によれば、ピラーレインフォースメントの支持剛性を補助レインフォースメントによって向上させつつ、ピラー全体の剛性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、車両のルーフクラッシュ時や側突時にピラーアウタパネルに荷重が入力された時、ピラーレインフォースメントの開口側の拡開を規制するようにしたことで、ピラーレインフォースメントの潰れを規制することができる。このため、ピラーアウタパネルの変形を抑制でき、ピラーが車室内に侵入することを抑制できる。つまり、規制部によるピラーレインフォースメントの潰れ規制により、ピラーの剛性向上を図ることができ、その結果、車体側部における車体剛性を十分に確保することができる。
【0029】
そして、ピラーレインフォースメントでの拡開を規制部で規制するように構成したことで、ピラーレインフォースメントをピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの接合部位で接合しなくても、ピラーの剛性を向上させ、車体側部における車体剛性を確保することが可能になる。この場合、レインフォースメントを追加したとしても、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの接合部位で板厚が増加することを抑制できるため、上記接合部位での溶接が容易となるばかりでなく、ピラー周辺のトリム部材の組付けも容易となり、その結果車両の生産コスト増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施形態に係る側部車体構造を適用した車両を示す側面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面相当の図。
【図3】図1の要部拡大図であって、センターピラーアウタ及びセンターピラーインナを取外した状態でセンターピラーを車外側から見た側面図。
【図4】図3のB−B線矢視断面相当の図。
【図5】図4のC−C線矢視断面相当の図。
【図6】図4のD−D線矢視断面相当の図。
【図7】図4のE−E線矢視断面相当の図。
【図8】ピラーアウタパネルに向かって荷重が入力された時の状態を説明するための説明図。
【図9】ピラーアウタパネルに向かって荷重が入力された時の状態を示す図6相当の断面図。
【図10】この発明の他の実施形態に係るセンターピラーを示す図6相当の断面図。
【図11】この発明のさらに他の実施形態に係るセンターピラーを示す図6相当の断面図。
【図12】この発明のさらに他の実施形態に係るセンターピラーを示す図6相当の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、この発明の実施形態に係る側部車体構造を適用した車両Vを示す側面図である。この車両Vは、図1に示すように4ドアタイプの乗用車であり、車両Vの側面を構成する車体側部1は、車体上部において車両前後方向に延びるルーフサイドレール2と、車体下部において車両前後方向に延びるサイドシル3と、上下方向に延び、上端がルーフサイドレール2に結合され下端がサイドシル3に結合されたセンターピラー4とを備え、ルーフサイドレール2の下方においてセンターピラー4の車両前後方向にドア開口部5、6が設けられている。なお、図中において矢印(F)は車体前方、矢印(R)は車体後方を示す。
【0032】
車体側部1はまた、ルーフサイドレール2の下方に設けられたドア開口部5、6を開閉可能に覆うサイドドア7、8を備えている。サイドドア7は、車両前方側に配設されたフロントドアであり、サイドドア7の車両後方側に配設されるサイドドア8は、リアドアである。そして、フロントドアとしてのサイドドア7と、リアドアとしてのサイドドア8との間には、センターピラー4が設けられている。
【0033】
図2は、図1のA−A線矢視断面相当の図である。車体側部1を構成するセンターピラー4は、図2に示すように、上方のルーフサイドレール2から下方のサイドシル3にかけて上下方向に延びる車外側のセンターピラーアウタ41と、車室9側のセンターピラーインナ42と、アウタレインフォースメント43とを備えている。なお、図中において矢印(IN)は車体内方、矢印(OUT)は車体外方を示す。
【0034】
センターピラー4では、図2に示すようにセンターピラーアウタ41、センターピラーインナ42が、それぞれ車両前後方向両端部にフランジ部41a、42aを有しており、両フランジ部41a、42aの接合により、センターピラー4は閉断面状に形成されている。
【0035】
そして、センターピラー4は、センターピラーアウタ41と、センターピラーインナ42との間の閉断面4A内に、車外側のセンターピラーアウタ41に向かって突出するアウタレインフォースメント43を備えており、その車両前後方向両端部に形成されたフランジ部43aが、フランジ部41a、42aとの間に挟まれた状態でこれらに接合されている。つまり、センターピラー4では、その車両前後方向両端部において、各フランジ部41a〜43aが三重に重なった状態で接合されている。
【0036】
図3は、図1の要部拡大図であって、センターピラーアウタ41及びセンターピラーインナ42を取外した状態でセンターピラー4を車外側から見た側面図である。また、図4は、図3のB−B線矢視断面相当の図であり、図5〜図7は、それぞれ図4のC−C線矢視断面相当の図、D−D線矢視断面相当の図、E−E線矢視断面相当の図である。センターピラー4は、そのセンターピラーアウタ41とセンターピラーインナ42との間の閉断面4A内において、図3〜図7に示すようにルーフサイドレール2近傍の上部に、T字状レインフォースメント44と、インナレインフォースメント45と、レイン内レインフォースメント46とを備えている。
【0037】
このうち、T字状レインフォースメント44は、図3に示すように上部の横レインフォースメント44aと、該横レインフォースメント44aの車両前後方向中間部から下方に延びる縦レインフォースメント44bとを有し、車体側面視で略T字状をなしている。
【0038】
横レインフォースメント44aは、車体側部1において、図3中二点鎖線で示すルーフサイドレール2内を車両前後方向に亘って延びるように配設される一方、縦レインフォースメント44bは、センターピラー4に沿って上下方向に延びるように配設されている。
【0039】
また、縦レインフォースメント44bは、その車両前後方向両端部にて図3〜図6に示すように車外側に延出する当接部44c、44cと、両当接部44c同士を接続する接続部44dとを有し、これら当接部44cと接続部44dとにより、断面形状が略コ字状をなしている。
【0040】
そして、縦レインフォースメント44bの下端部では、その当接部44c、44cの間のコ字状断面内側にインナレインフォースメント45の上端部が配設されており、これが縦レインフォースメント44bの下端部に接合されている。インナレインフォースメント45は、車体側部1において、図3に示すように縦レインフォースメント44bの下端部から略連続的に下方へ延びるように配設されている。
【0041】
また、インナレインフォースメント45は、縦レインフォースメント44bと同様、図3、図4、図6、図7に示すように車両前後方向両端部にて車外側に延出する当接部45a、45aと、両当接部45a同士を接続する接続部45bとを有し、これら当接部45aと接続部45bとにより、断面形状が略コ字状をなしている。
【0042】
そして、本実施形態では、縦レインフォースメント44bからインナレインフォースメント45にかけて上下方向に延びる断面コ字状のレイン内レインフォースメント46が配設されている。
【0043】
レイン内レインフォースメント46は、図3〜図7に示すようにコ字状断面の開口側が車室9側に位置するように配置されており、上述したT字状レインフォースメント44の縦レインフォースメント44b及びインナレインフォースメント45は、レイン内レインフォースメント46の開口側と対向するように配設されている。そして、インナレインフォースメント45は、図3、図4に示すようにレイン内レインフォースメント46に対し、その下端部よりも下方まで延設されている。
【0044】
また、レイン内レインフォースメント46の開口側端部46a、46aに対し、縦レインフォースメント44b及びインナレインフォースメント45の当接部44c、45aが、車両前後方向の両側に所定距離離間して配設されている。
【0045】
また、レイン内レインフォースメント46では、その開口側と反対の閉鎖側(ここでは車外側)に位置する平面状部46bが、アウタレインフォースメント43のフランジ部43a、43aの間の中間部に接合されている。
【0046】
図8は、センターピラー4のセンターピラーアウタ41に向かって荷重Wが入力された時の状態を説明するための説明図である。図8では、図2に示す断面において、例えば、車両Vの横転等によってルーフサイドレール2(図1、図3参照)から荷重を受けるルーフクラッシュ時や車両Vの側突時に、センターピラーアウタ41に入力される荷重を模擬した荷重Wが、圧子50を介してセンターピラーアウタ41の上部、具体的には、車外側から車室9側に向かってセンターピラーアウタ41の上部に入力された状態を示している。
【0047】
図8に示すように、センターピラーアウタ41の上部に対して荷重Wが入力され、その上部が車室9側へ押圧されると、本実施形態では、フランジ部41a、41aの間の中間部が、図9に示すように車室9側に変形し、該車室9側に位置するアウタレインフォースメント43に当接する。この時、アウタレインフォースメント43では、そのフランジ部43a、43aの間の中間部がセンターピラーアウタ41の変形に伴って車室9側に押圧され、同様に車室9側に変形する。
【0048】
ここで、レイン内レインフォースメント46は、そのコ字状断面の閉鎖側がアウタレインフォースメント43の中間部に接合されていることから、レイン内レインフォースメント46では、その平面状部46bがアウタレインフォースメント43の上記変形に伴って車室9側に押圧される。そして、開口側では、開口側端部46a、46aが、図9に示すように互いに離間する方向に移動し、これによって開口側が拡開しようとする。
【0049】
この時、レイン内レインフォースメント46の開口側で拡開が進行すると、いずれはレイン内レインフォースメント46が車幅方向に潰れ、ひいてはセンターピラーアウタ41及びアウタレインフォースメント43の変形がさらに促進されることとなるが、本実施形態では、開口側端部46aの移動に伴って、該開口側端部46aが、縦レインフォースメント44b、インナレインフォースメント45の当接部44c、45aと当接するようになっており、これによって、開口側端部46aの拡開方向への移動が規制されるようになっている。
【0050】
このため、レイン内レインフォースメント46では、その開口側の拡開が規制され、レイン内レインフォースメント46における潰れを規制できるようになっている。そして、このレイン内レインフォースメント46の潰れ規制により、センターピラーアウタ41やアウタレインフォースメント43では、その変形を抑制することが可能になっている。
【0051】
このように、本実施形態では、当接部44、45aがレイン内レインフォースメント46の開口側での拡開を規制する規制部として機能しており、これら当接部44、45aによる上記開口部の拡開規制によってセンターピラー4の上部の変形が抑制されるようになっている。
【0052】
また、図9に示すように荷重Wがセンターピラーアウタ41の上部に入力された時には、センターピラー4の上部が車室9側に回動し始め、レイン内レインフォースメント46の下端部が車外側に進出しようとするが、本実施形態では、レイン内レインフォースメント46の車外側に配設されたアウタレインフォースメント43によって上記下端部の車外側の進出が阻止されるようになっている。
【0053】
このように、本実施形態では、レイン内レインフォースメント46と対向する位置に当接部(規制部)44c、45aを備え、荷重Wが入力された時、レイン内レインフォースメント46の開口側の拡開を当接部44c、45aで規制するようにしたことで、レイン内レインフォースメント46の潰れを規制することができる。このため、センターピラーアウタ41等の変形を抑制でき、センターピラー4が車室9内に侵入することを抑制できる。つまり、当接部44c、45aによるレイン内レインフォースメント46の潰れ規制により、センターピラー4の剛性向上を図ることができ、その結果、車体側部1における車体剛性を十分に確保することができる。
【0054】
そして、レイン内レインフォースメント46での拡開を当接部44c、45aで規制するように構成したことで、レイン内レインフォースメント46を、センターピラーアウタ41とセンターピラーインナ42との接合部位であるフランジ部41a、42aで接合しなくても、センターピラー4の剛性を向上させ、車体側部1における車体剛性を確保することが可能になっている。つまり、この場合、レインフォースメントを追加したとしても、フランジ部41a、42aで板厚が増加することを抑制できる。このため、フランジ部41a、42aでの溶接が容易となるばかりでなく、センターピラー4周辺のトリム部材の組付けも容易となり、その結果車両Vの生産コスト増大を抑制することができる。
【0055】
また、当接部44c、45aをレイン内レインフォースメント46と対向する位置に所定距離離間して配設したことで、通常走行時、車体の歪み等に起因してレイン内レインフォースメント46と当接部44c、45aとが当接し、互いに干渉し合うことを防止できる。このため、両者の干渉に伴う異音の発生を防止できる。
【0056】
また、レイン内レインフォースメント46の前後両側の開口側端部46aにそれぞれ対応して配設した当接部44c同士、45a同士を接続部44d、45bで接続したことにより、車室9側に延出した当接部44c、45aの剛性を両者の接続によって向上させることができ、レイン内レインフォースメント46の開口側の拡開をより確実に規制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、T字状レインフォースメント44の縦レインフォースメント44bやインナレインフォースメント45といったレインフォースメントが規制部としての当接部44c、45aを有している。この場合、規制部を設けるために別途配設したレインフォースメント44、45によってセンターピラー4全体の剛性を向上させることができる。
【0058】
ところで、本実施形態では、レイン内レインフォースメント46が、主に車両Vのルーフクラッシュ時や側突時に入力される荷重Wに対して剛性を確保するために配設されている。この場合、レイン内レインフォースメント46は、少なくともルーフサイドレール2の近傍のセンターピラー4の上部に配設されていればよい。
【0059】
従って、本実施形態のように、インナレインフォースメント45をレイン内レインフォースメント46よりも下方まで延設することで、レイン内レインフォースメント46の重量、コストを抑制しつつも、インナレインフォースメント45によってセンターピラー4全体の剛性向上を図ることができる。つまり、車体側部1の剛性、重量及び生産コストの最適化を図ることができる。
【0060】
また、当接部44cを有するT字状レインフォースメント44が、その上部にルーフサイドレール2内を車両前後方向に亘って延びる横レインフォースメント44aを有していることにより、レイン内レインフォースメント46の開口側の拡開を規制する時に当接部44c、45aが受ける荷重を、横レインフォースメント44aを介してルーフサイドレール2に伝達させることができ、上記荷重を車両前後方向に分散させることができる。
【0061】
また、レイン内レインフォースメント46の閉鎖側の平面状部46bをアウタレインフォースメント43に接合したことで、レイン内レインフォースメント46の支持剛性をアウタレインフォースメント43によって向上させつつ、センターピラー4全体の剛性を向上させることができる。
【0062】
なお、上述した実施形態では、センターピラーインナ42側に別途配設されたT字状レインフォースメント44やインナレインフォースメント45に規制部としての当接部44c、45aを備えたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図10に示すセンターピラー104のように、センターピラーインナ142に当接用リブ142bを一体成形することによって上記規制部を構成してもよい。なお、図10において、図1〜図9に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
図10に示す実施形態では、センターピラーインナ142においてそのフランジ部142a、142aの間の中間部に、車外側に突出する当接用リブ142b、142bが形成されており、該当接用リブ142b、142bの間は平面状に成形されている。ここでは、この平面状の部位が接続部142cとなっており、図3〜図9に示す接続部44d、45bに対応している。
【0064】
本実施形態では、荷重W(図8参照)の入力時には、センターピラーインナ142の当接用リブ142b、142bにレイン内レインフォースメント46の開口側端部46aが当接することにより、レイン内レインフォースメント46の拡開、潰れを規制するようになっている。
【0065】
また、本実施形態では、当接用リブ142b、142bの形成により、センターピラーインナ142の剛性を向上させることも可能になっている。
【0066】
図11は、この発明のさらに他の実施形態に係るセンターピラー204を示す図6相当の断面図である。なお、図11において、図1〜図9に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すセンターピラー204では、センターピラーインナ242のフランジ部242a、242aの間の中間部に切り込みを形成し、一部を車外側に折り込むことによって当接部(規制部)242b、242bを形成している。このような構成であっても、センターピラーインナ242の当接部242b、242bにより、レイン内レインフォースメント46の拡開、潰れを規制することができる。なお、図11では、当接部242b、242b間の平面状の部位が接続部242cとなっている。
【0067】
図12は、この発明のさらに他の実施形態に係るセンターピラー304を示す図6相当の断面図である。なお、図12において、図1〜図9に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すセンターピラー204では、センターピラーインナ242の中間部に切り込みを形成した後、その中央側を折り込むことによって当接部242b、242bを形成しているが、例えば、図12に示すセンターピラー304のように、センターピラーインナ342の中間部に切り込みを形成した後、そのフランジ部342a側を折り込むことによって当接部342b、342bを形成してもよい。なお、図12では、当接部342b、342b間の平面状の部位が接続部342cとなっている。
【0068】
また、上述した実施形態では、当接部44c、45aを有するレインフォースメント44、45を上下に分割して配設しているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当接部を有するレインフォースメントを一体成形してもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、ドア開口部5、6の間に配設されたセンターピラー4、104、204、304に本発明を適用したが、これに限らず、例えば、ミニバンやワゴン等の車種においてその車体側部に配設されるいわゆるBピラーやCピラーに本発明を適用してもよい。
【0070】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、ピラーアウタパネルは、センターピラーアウタ41に対応し、
以下同様に、
ピラーインナパネルは、センターピラーインナ42、142、242、342に対応し、
ピラーレインフォースメントは、レイン内レインフォースメント46に対応し、
規制部は、当接部44c、45a、242b、342b、当接用リブ142bに対応し、
第2ピラーレインフォースメントは、T字状レインフォースメント44、インナレインフォースメント45に対応し、
補助レインフォースメントは、アウタレインフォースメント43に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0071】
2…ルーフサイドレール
4、104、204、304…センターピラー
41…センターピラーアウタ
42、142、242、342…センターピラーインナ
43…アウタレインフォースメント
44…T字状レインフォースメント
44a…横レインフォースメント
44c、45a、242b、342b…当接部
44d、45b、142c、242c、342c…接続部
45…インナレインフォースメント
46…レイン内レインフォースメント
46a…開口側端部
142b…当接用リブ
【技術分野】
【0001】
この発明は、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントが設けられたピラーを備えた車両の側部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の横転等によりルーフ側から荷重を受けるいわゆる車両のルーフクラッシュ時や側突時における車体剛性を確保するために、車体側部に配設されたピラーにおいて、そのピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間の閉断面内にレインフォースメントを追加することが知られている。
【0003】
通常、ピラーの閉断面内にレインフォースメントを備えた構造では、ピラーインナパネル、ピラーアウタパネルの両端部に形成したフランジ部の間にレインフォースメントの両端部を重ねて接合しており、これによって上記レインフォースメントを所定位置に配設している。
【0004】
しかしながら、このようにレインフォースメントをフランジ部の間に重ねて接合する構造では、車体剛性のさらなる向上を図るべくピラーインナパネルとピラーアウタパネルとの間に新たにレインフォースメントを配設する場合、接合部分の板厚の増加に伴って溶接の方法を変更したり、車室側の壁面を構成するトリム部材の取付け構造を変更したりしなければならず、その結果生産コストの増大が懸念されていた。
【0005】
ところで、従来、ピラーインナパネルとピラーアウタパネルとの間に、断面コ字状のインナ補強部材(レインフォースメント)とアウタ補強部材(レインフォースメント)とを配設し、インナ補強部材の開口側の端部とアウタ補強部材の開口側の端部とを対向させて互いに当接可能に配設したものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0006】
下記特許文献1に開示された従来技術では、車両のルーフクラッシュ時や側突時に2つの補強部材の端部同士を突き当てることによりピラーの剛性を確保している。そして、下記特許文献1では、補強部材の開口側の端部が、ピラーインナパネル、ピラーアウタパネルのフランジ部に接合されない構成となっていることで、接合部分の板厚は、ピラーインナパネル、ピラーアウタパネルの各フランジ部を合わせた板厚で済む。このため、フランジ部における溶接の方法を変更したり、トリム部材の取付け構造を変更したりする必要がないという利点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−101741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、本発明者は、側部車体構造の開発にあたり、先ずピラー(具体的には、ピラーアウタパネル)への荷重入力によってこれが変形する時の挙動について解析、検討を行った。
【0009】
その結果、ピラーアウタパネルに対して直接またはルーフサイドレールを経由して間接的に荷重が入力された時、レインフォースメントが荷重の作用で車両前後方向に拡開変形することにより、ピラーの剛性が著しく低下し、この剛性低下によってピラーの車室側への侵入が促進されることが分かった。本発明者は、この解析結果から、レインフォースメントの拡開変形のし易さが、ピラーの剛性、ひいては車体側部における剛性に大きく関与していることを見出した。
【0010】
ここで、上記特許文献1について見てみると、該特許文献1は、あくまでもピラーへの荷重入力時に、互いに対向する開口側の端部同士が当接可能となるように、断面コ字状のインナ補強部材及びアウタ補強部材を配設しているに過ぎないものであり、各補強部材の開口側で生じる拡開変形を規制する構造については何ら開示されていない。従って、上記特許文献1に開示された従来技術の場合、車両のルーフクラッシュ時や側突時の荷重入力に対する車体剛性を十分に確保するためには、さらなる改善の余地があると言える。
【0011】
この発明は、生産コストの増大を抑制しつつ、車両のルーフクラッシュ時や側突時の荷重入力に対して十分に車体剛性を確保することができる車両の側部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の車両の側部車体構造は、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントが設けられたピラーを備えた車両の側部車体構造であって、上記ピラーレインフォースメントは、上下方向に延びると共に断面コ字状をなしており、該ピラーレインフォースメントのコ字状断面の開口側と対向する位置には、上記ピラーアウタパネルへの荷重入力時に、上記開口側の拡開を規制する規制部が備えられたものである。
【0013】
この構成によれば、車両のルーフクラッシュ時や側突時にピラーアウタパネルに荷重が入力された時、ピラーレインフォースメントの開口側の拡開を規制するようにしたことで、ピラーレインフォースメントの潰れを規制することができる。このため、ピラーアウタパネルの変形を抑制でき、ピラーが車室内に侵入することを抑制できる。つまり、規制部によるピラーレインフォースメントの潰れ規制により、ピラーの剛性向上を図ることができ、その結果、車体側部における車体剛性を十分に確保することができる。
【0014】
そして、ピラーレインフォースメントでの拡開を規制部で規制するように構成したことで、ピラーレインフォースメントをピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの接合部位で接合しなくても、ピラーの剛性を向上させ、車体側部における車体剛性を確保することが可能になる。つまり、この場合、レインフォースメントを追加したとしても、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの接合部位で板厚が増加することを抑制できる。このため、上記接合部位での溶接が容易となるばかりでなく、ピラー周辺のトリム部材の組付けも容易となり、その結果車両の生産コスト増大を抑制することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記規制部が、上記ピラーレインフォースメントの開口側と対向する位置で所定距離間して配設されたものである。
【0016】
この構成によれば、通常走行時、車体の歪み等に起因してピラーレインフォースメントと規制部とが当接し、互いに干渉し合うことを防止できる。このため、両者の干渉に伴う異音の発生を防止できる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記規制部が、上記ピラーアウタパネルへの荷重入力時に、上記ピラーレインフォースメントの開口側の両端部に当接してその拡開方向への移動を規制する当接部により構成されると共に、上記両端部のそれぞれに対応して配設されており、上記当接部同士を接続する接続部が備えられたものである。
【0018】
この構成によれば、各当接部の剛性を両者の接続によって向上させることができ、ピラーレインフォースメントの開口側の拡開をより確実に規制することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記ピラーアウタパネルと上記ピラーインナパネルとの間の、上記ピラーレインフォースメントの開口側と対向する位置に第2ピラーレインフォースメントが備えられ、該第2ピラーレインフォースメントに、上記規制部を備えたものである。
【0020】
この構成によれば、規制部を設けるために別途配設したレインフォースメントによってピラー全体の剛性を向上させることができる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、上記第2ピラーレインフォースメントが、上記ピラーレインフォースメントより下方まで延設されたものである。
【0022】
ピラーレインフォースメントは、主に車両のルーフクラッシュ時や側突時に入力される荷重に対して剛性を確保するために配設されるものであり、この場合、ピラーレインフォースメントは、少なくともピラーの上部に配設されていればよい。
【0023】
従って、第2レインフォースメントをピラーレインフォースメントよりも下方まで延設することで、ピラーレインフォースメントの重量、コストを抑制しつつも、第2レインフォースメントによってピラー全体の剛性向上を図ることができる。つまり、車体側部の剛性、重量及び生産コストの最適化を図ることができる。
【0024】
この発明の一実施態様においては、上記第2ピラーレインフォースメントが、上記ピラーの上端部にて車両前後方向に延びるルーフサイドレール内を車両前後方向に亘って延びる横レインフォースメントを有するものである。
【0025】
この構成によれば、ピラーレインフォースメントの開口側の拡開を規制する時に規制部が受ける荷重を、横レインフォースメントを介してルーフサイドレールに伝達させることができ、上記荷重を車両前後方向に分散させることができる。
【0026】
この発明の一実施態様においては、上記ピラーアウタパネルと上記ピラーインナパネルとの間に、補助レインフォースメントが配設され、上記ピラーレインフォースメントは、上記開口側と反対の閉鎖側で上記補助レインフォースメントに連結されたものである。
【0027】
この構成によれば、ピラーレインフォースメントの支持剛性を補助レインフォースメントによって向上させつつ、ピラー全体の剛性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、車両のルーフクラッシュ時や側突時にピラーアウタパネルに荷重が入力された時、ピラーレインフォースメントの開口側の拡開を規制するようにしたことで、ピラーレインフォースメントの潰れを規制することができる。このため、ピラーアウタパネルの変形を抑制でき、ピラーが車室内に侵入することを抑制できる。つまり、規制部によるピラーレインフォースメントの潰れ規制により、ピラーの剛性向上を図ることができ、その結果、車体側部における車体剛性を十分に確保することができる。
【0029】
そして、ピラーレインフォースメントでの拡開を規制部で規制するように構成したことで、ピラーレインフォースメントをピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの接合部位で接合しなくても、ピラーの剛性を向上させ、車体側部における車体剛性を確保することが可能になる。この場合、レインフォースメントを追加したとしても、ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの接合部位で板厚が増加することを抑制できるため、上記接合部位での溶接が容易となるばかりでなく、ピラー周辺のトリム部材の組付けも容易となり、その結果車両の生産コスト増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施形態に係る側部車体構造を適用した車両を示す側面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面相当の図。
【図3】図1の要部拡大図であって、センターピラーアウタ及びセンターピラーインナを取外した状態でセンターピラーを車外側から見た側面図。
【図4】図3のB−B線矢視断面相当の図。
【図5】図4のC−C線矢視断面相当の図。
【図6】図4のD−D線矢視断面相当の図。
【図7】図4のE−E線矢視断面相当の図。
【図8】ピラーアウタパネルに向かって荷重が入力された時の状態を説明するための説明図。
【図9】ピラーアウタパネルに向かって荷重が入力された時の状態を示す図6相当の断面図。
【図10】この発明の他の実施形態に係るセンターピラーを示す図6相当の断面図。
【図11】この発明のさらに他の実施形態に係るセンターピラーを示す図6相当の断面図。
【図12】この発明のさらに他の実施形態に係るセンターピラーを示す図6相当の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、この発明の実施形態に係る側部車体構造を適用した車両Vを示す側面図である。この車両Vは、図1に示すように4ドアタイプの乗用車であり、車両Vの側面を構成する車体側部1は、車体上部において車両前後方向に延びるルーフサイドレール2と、車体下部において車両前後方向に延びるサイドシル3と、上下方向に延び、上端がルーフサイドレール2に結合され下端がサイドシル3に結合されたセンターピラー4とを備え、ルーフサイドレール2の下方においてセンターピラー4の車両前後方向にドア開口部5、6が設けられている。なお、図中において矢印(F)は車体前方、矢印(R)は車体後方を示す。
【0032】
車体側部1はまた、ルーフサイドレール2の下方に設けられたドア開口部5、6を開閉可能に覆うサイドドア7、8を備えている。サイドドア7は、車両前方側に配設されたフロントドアであり、サイドドア7の車両後方側に配設されるサイドドア8は、リアドアである。そして、フロントドアとしてのサイドドア7と、リアドアとしてのサイドドア8との間には、センターピラー4が設けられている。
【0033】
図2は、図1のA−A線矢視断面相当の図である。車体側部1を構成するセンターピラー4は、図2に示すように、上方のルーフサイドレール2から下方のサイドシル3にかけて上下方向に延びる車外側のセンターピラーアウタ41と、車室9側のセンターピラーインナ42と、アウタレインフォースメント43とを備えている。なお、図中において矢印(IN)は車体内方、矢印(OUT)は車体外方を示す。
【0034】
センターピラー4では、図2に示すようにセンターピラーアウタ41、センターピラーインナ42が、それぞれ車両前後方向両端部にフランジ部41a、42aを有しており、両フランジ部41a、42aの接合により、センターピラー4は閉断面状に形成されている。
【0035】
そして、センターピラー4は、センターピラーアウタ41と、センターピラーインナ42との間の閉断面4A内に、車外側のセンターピラーアウタ41に向かって突出するアウタレインフォースメント43を備えており、その車両前後方向両端部に形成されたフランジ部43aが、フランジ部41a、42aとの間に挟まれた状態でこれらに接合されている。つまり、センターピラー4では、その車両前後方向両端部において、各フランジ部41a〜43aが三重に重なった状態で接合されている。
【0036】
図3は、図1の要部拡大図であって、センターピラーアウタ41及びセンターピラーインナ42を取外した状態でセンターピラー4を車外側から見た側面図である。また、図4は、図3のB−B線矢視断面相当の図であり、図5〜図7は、それぞれ図4のC−C線矢視断面相当の図、D−D線矢視断面相当の図、E−E線矢視断面相当の図である。センターピラー4は、そのセンターピラーアウタ41とセンターピラーインナ42との間の閉断面4A内において、図3〜図7に示すようにルーフサイドレール2近傍の上部に、T字状レインフォースメント44と、インナレインフォースメント45と、レイン内レインフォースメント46とを備えている。
【0037】
このうち、T字状レインフォースメント44は、図3に示すように上部の横レインフォースメント44aと、該横レインフォースメント44aの車両前後方向中間部から下方に延びる縦レインフォースメント44bとを有し、車体側面視で略T字状をなしている。
【0038】
横レインフォースメント44aは、車体側部1において、図3中二点鎖線で示すルーフサイドレール2内を車両前後方向に亘って延びるように配設される一方、縦レインフォースメント44bは、センターピラー4に沿って上下方向に延びるように配設されている。
【0039】
また、縦レインフォースメント44bは、その車両前後方向両端部にて図3〜図6に示すように車外側に延出する当接部44c、44cと、両当接部44c同士を接続する接続部44dとを有し、これら当接部44cと接続部44dとにより、断面形状が略コ字状をなしている。
【0040】
そして、縦レインフォースメント44bの下端部では、その当接部44c、44cの間のコ字状断面内側にインナレインフォースメント45の上端部が配設されており、これが縦レインフォースメント44bの下端部に接合されている。インナレインフォースメント45は、車体側部1において、図3に示すように縦レインフォースメント44bの下端部から略連続的に下方へ延びるように配設されている。
【0041】
また、インナレインフォースメント45は、縦レインフォースメント44bと同様、図3、図4、図6、図7に示すように車両前後方向両端部にて車外側に延出する当接部45a、45aと、両当接部45a同士を接続する接続部45bとを有し、これら当接部45aと接続部45bとにより、断面形状が略コ字状をなしている。
【0042】
そして、本実施形態では、縦レインフォースメント44bからインナレインフォースメント45にかけて上下方向に延びる断面コ字状のレイン内レインフォースメント46が配設されている。
【0043】
レイン内レインフォースメント46は、図3〜図7に示すようにコ字状断面の開口側が車室9側に位置するように配置されており、上述したT字状レインフォースメント44の縦レインフォースメント44b及びインナレインフォースメント45は、レイン内レインフォースメント46の開口側と対向するように配設されている。そして、インナレインフォースメント45は、図3、図4に示すようにレイン内レインフォースメント46に対し、その下端部よりも下方まで延設されている。
【0044】
また、レイン内レインフォースメント46の開口側端部46a、46aに対し、縦レインフォースメント44b及びインナレインフォースメント45の当接部44c、45aが、車両前後方向の両側に所定距離離間して配設されている。
【0045】
また、レイン内レインフォースメント46では、その開口側と反対の閉鎖側(ここでは車外側)に位置する平面状部46bが、アウタレインフォースメント43のフランジ部43a、43aの間の中間部に接合されている。
【0046】
図8は、センターピラー4のセンターピラーアウタ41に向かって荷重Wが入力された時の状態を説明するための説明図である。図8では、図2に示す断面において、例えば、車両Vの横転等によってルーフサイドレール2(図1、図3参照)から荷重を受けるルーフクラッシュ時や車両Vの側突時に、センターピラーアウタ41に入力される荷重を模擬した荷重Wが、圧子50を介してセンターピラーアウタ41の上部、具体的には、車外側から車室9側に向かってセンターピラーアウタ41の上部に入力された状態を示している。
【0047】
図8に示すように、センターピラーアウタ41の上部に対して荷重Wが入力され、その上部が車室9側へ押圧されると、本実施形態では、フランジ部41a、41aの間の中間部が、図9に示すように車室9側に変形し、該車室9側に位置するアウタレインフォースメント43に当接する。この時、アウタレインフォースメント43では、そのフランジ部43a、43aの間の中間部がセンターピラーアウタ41の変形に伴って車室9側に押圧され、同様に車室9側に変形する。
【0048】
ここで、レイン内レインフォースメント46は、そのコ字状断面の閉鎖側がアウタレインフォースメント43の中間部に接合されていることから、レイン内レインフォースメント46では、その平面状部46bがアウタレインフォースメント43の上記変形に伴って車室9側に押圧される。そして、開口側では、開口側端部46a、46aが、図9に示すように互いに離間する方向に移動し、これによって開口側が拡開しようとする。
【0049】
この時、レイン内レインフォースメント46の開口側で拡開が進行すると、いずれはレイン内レインフォースメント46が車幅方向に潰れ、ひいてはセンターピラーアウタ41及びアウタレインフォースメント43の変形がさらに促進されることとなるが、本実施形態では、開口側端部46aの移動に伴って、該開口側端部46aが、縦レインフォースメント44b、インナレインフォースメント45の当接部44c、45aと当接するようになっており、これによって、開口側端部46aの拡開方向への移動が規制されるようになっている。
【0050】
このため、レイン内レインフォースメント46では、その開口側の拡開が規制され、レイン内レインフォースメント46における潰れを規制できるようになっている。そして、このレイン内レインフォースメント46の潰れ規制により、センターピラーアウタ41やアウタレインフォースメント43では、その変形を抑制することが可能になっている。
【0051】
このように、本実施形態では、当接部44、45aがレイン内レインフォースメント46の開口側での拡開を規制する規制部として機能しており、これら当接部44、45aによる上記開口部の拡開規制によってセンターピラー4の上部の変形が抑制されるようになっている。
【0052】
また、図9に示すように荷重Wがセンターピラーアウタ41の上部に入力された時には、センターピラー4の上部が車室9側に回動し始め、レイン内レインフォースメント46の下端部が車外側に進出しようとするが、本実施形態では、レイン内レインフォースメント46の車外側に配設されたアウタレインフォースメント43によって上記下端部の車外側の進出が阻止されるようになっている。
【0053】
このように、本実施形態では、レイン内レインフォースメント46と対向する位置に当接部(規制部)44c、45aを備え、荷重Wが入力された時、レイン内レインフォースメント46の開口側の拡開を当接部44c、45aで規制するようにしたことで、レイン内レインフォースメント46の潰れを規制することができる。このため、センターピラーアウタ41等の変形を抑制でき、センターピラー4が車室9内に侵入することを抑制できる。つまり、当接部44c、45aによるレイン内レインフォースメント46の潰れ規制により、センターピラー4の剛性向上を図ることができ、その結果、車体側部1における車体剛性を十分に確保することができる。
【0054】
そして、レイン内レインフォースメント46での拡開を当接部44c、45aで規制するように構成したことで、レイン内レインフォースメント46を、センターピラーアウタ41とセンターピラーインナ42との接合部位であるフランジ部41a、42aで接合しなくても、センターピラー4の剛性を向上させ、車体側部1における車体剛性を確保することが可能になっている。つまり、この場合、レインフォースメントを追加したとしても、フランジ部41a、42aで板厚が増加することを抑制できる。このため、フランジ部41a、42aでの溶接が容易となるばかりでなく、センターピラー4周辺のトリム部材の組付けも容易となり、その結果車両Vの生産コスト増大を抑制することができる。
【0055】
また、当接部44c、45aをレイン内レインフォースメント46と対向する位置に所定距離離間して配設したことで、通常走行時、車体の歪み等に起因してレイン内レインフォースメント46と当接部44c、45aとが当接し、互いに干渉し合うことを防止できる。このため、両者の干渉に伴う異音の発生を防止できる。
【0056】
また、レイン内レインフォースメント46の前後両側の開口側端部46aにそれぞれ対応して配設した当接部44c同士、45a同士を接続部44d、45bで接続したことにより、車室9側に延出した当接部44c、45aの剛性を両者の接続によって向上させることができ、レイン内レインフォースメント46の開口側の拡開をより確実に規制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、T字状レインフォースメント44の縦レインフォースメント44bやインナレインフォースメント45といったレインフォースメントが規制部としての当接部44c、45aを有している。この場合、規制部を設けるために別途配設したレインフォースメント44、45によってセンターピラー4全体の剛性を向上させることができる。
【0058】
ところで、本実施形態では、レイン内レインフォースメント46が、主に車両Vのルーフクラッシュ時や側突時に入力される荷重Wに対して剛性を確保するために配設されている。この場合、レイン内レインフォースメント46は、少なくともルーフサイドレール2の近傍のセンターピラー4の上部に配設されていればよい。
【0059】
従って、本実施形態のように、インナレインフォースメント45をレイン内レインフォースメント46よりも下方まで延設することで、レイン内レインフォースメント46の重量、コストを抑制しつつも、インナレインフォースメント45によってセンターピラー4全体の剛性向上を図ることができる。つまり、車体側部1の剛性、重量及び生産コストの最適化を図ることができる。
【0060】
また、当接部44cを有するT字状レインフォースメント44が、その上部にルーフサイドレール2内を車両前後方向に亘って延びる横レインフォースメント44aを有していることにより、レイン内レインフォースメント46の開口側の拡開を規制する時に当接部44c、45aが受ける荷重を、横レインフォースメント44aを介してルーフサイドレール2に伝達させることができ、上記荷重を車両前後方向に分散させることができる。
【0061】
また、レイン内レインフォースメント46の閉鎖側の平面状部46bをアウタレインフォースメント43に接合したことで、レイン内レインフォースメント46の支持剛性をアウタレインフォースメント43によって向上させつつ、センターピラー4全体の剛性を向上させることができる。
【0062】
なお、上述した実施形態では、センターピラーインナ42側に別途配設されたT字状レインフォースメント44やインナレインフォースメント45に規制部としての当接部44c、45aを備えたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図10に示すセンターピラー104のように、センターピラーインナ142に当接用リブ142bを一体成形することによって上記規制部を構成してもよい。なお、図10において、図1〜図9に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
図10に示す実施形態では、センターピラーインナ142においてそのフランジ部142a、142aの間の中間部に、車外側に突出する当接用リブ142b、142bが形成されており、該当接用リブ142b、142bの間は平面状に成形されている。ここでは、この平面状の部位が接続部142cとなっており、図3〜図9に示す接続部44d、45bに対応している。
【0064】
本実施形態では、荷重W(図8参照)の入力時には、センターピラーインナ142の当接用リブ142b、142bにレイン内レインフォースメント46の開口側端部46aが当接することにより、レイン内レインフォースメント46の拡開、潰れを規制するようになっている。
【0065】
また、本実施形態では、当接用リブ142b、142bの形成により、センターピラーインナ142の剛性を向上させることも可能になっている。
【0066】
図11は、この発明のさらに他の実施形態に係るセンターピラー204を示す図6相当の断面図である。なお、図11において、図1〜図9に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すセンターピラー204では、センターピラーインナ242のフランジ部242a、242aの間の中間部に切り込みを形成し、一部を車外側に折り込むことによって当接部(規制部)242b、242bを形成している。このような構成であっても、センターピラーインナ242の当接部242b、242bにより、レイン内レインフォースメント46の拡開、潰れを規制することができる。なお、図11では、当接部242b、242b間の平面状の部位が接続部242cとなっている。
【0067】
図12は、この発明のさらに他の実施形態に係るセンターピラー304を示す図6相当の断面図である。なお、図12において、図1〜図9に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すセンターピラー204では、センターピラーインナ242の中間部に切り込みを形成した後、その中央側を折り込むことによって当接部242b、242bを形成しているが、例えば、図12に示すセンターピラー304のように、センターピラーインナ342の中間部に切り込みを形成した後、そのフランジ部342a側を折り込むことによって当接部342b、342bを形成してもよい。なお、図12では、当接部342b、342b間の平面状の部位が接続部342cとなっている。
【0068】
また、上述した実施形態では、当接部44c、45aを有するレインフォースメント44、45を上下に分割して配設しているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当接部を有するレインフォースメントを一体成形してもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、ドア開口部5、6の間に配設されたセンターピラー4、104、204、304に本発明を適用したが、これに限らず、例えば、ミニバンやワゴン等の車種においてその車体側部に配設されるいわゆるBピラーやCピラーに本発明を適用してもよい。
【0070】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、ピラーアウタパネルは、センターピラーアウタ41に対応し、
以下同様に、
ピラーインナパネルは、センターピラーインナ42、142、242、342に対応し、
ピラーレインフォースメントは、レイン内レインフォースメント46に対応し、
規制部は、当接部44c、45a、242b、342b、当接用リブ142bに対応し、
第2ピラーレインフォースメントは、T字状レインフォースメント44、インナレインフォースメント45に対応し、
補助レインフォースメントは、アウタレインフォースメント43に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0071】
2…ルーフサイドレール
4、104、204、304…センターピラー
41…センターピラーアウタ
42、142、242、342…センターピラーインナ
43…アウタレインフォースメント
44…T字状レインフォースメント
44a…横レインフォースメント
44c、45a、242b、342b…当接部
44d、45b、142c、242c、342c…接続部
45…インナレインフォースメント
46…レイン内レインフォースメント
46a…開口側端部
142b…当接用リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントが設けられたピラーを備えた車両の側部車体構造であって、
上記ピラーレインフォースメントは、上下方向に延びると共に断面コ字状をなしており、
該ピラーレインフォースメントのコ字状断面の開口側と対向する位置には、上記ピラーアウタパネルへの荷重入力時に、上記開口側の拡開を規制する規制部が備えられた
車両の側部車体構造。
【請求項2】
上記規制部は、上記ピラーレインフォースメントの開口側と対向する位置で所定距離間して配設された
請求項1記載の車両の側部車体構造。
【請求項3】
上記規制部は、上記ピラーアウタパネルへの荷重入力時に、上記ピラーレインフォースメントの開口側の両端部に当接してその拡開方向への移動を規制する当接部により構成されると共に、上記両端部のそれぞれに対応して配設されており、
上記当接部同士を接続する接続部が備えられた
請求項1または2記載の車両の側部車体構造。
【請求項4】
上記ピラーアウタパネルと上記ピラーインナパネルとの間には、上記ピラーレインフォースメントの開口側と対向する位置に第2ピラーレインフォースメントが備えられ、
該第2ピラーレインフォースメントに、上記規制部を備えた
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の側部車体構造。
【請求項5】
上記第2ピラーレインフォースメントは、上記ピラーレインフォースメントより下方まで延設された
請求項4記載の車両の側部車体構造。
【請求項6】
上記第2ピラーレインフォースメントは、上記ピラーの上端部にて車両前後方向に延びるルーフサイドレール内を車両前後方向に亘って延びる横レインフォースメントを有する
請求項5記載の車両の側部車体構造。
【請求項7】
上記ピラーアウタパネルと上記ピラーインナパネルとの間には、補助レインフォースメントが配設され、
上記ピラーレインフォースメントは、上記開口側と反対の閉鎖側で上記補助レインフォースメントに連結された
請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両の側部車体構造。
【請求項1】
ピラーアウタパネルとピラーインナパネルとの間にピラーレインフォースメントが設けられたピラーを備えた車両の側部車体構造であって、
上記ピラーレインフォースメントは、上下方向に延びると共に断面コ字状をなしており、
該ピラーレインフォースメントのコ字状断面の開口側と対向する位置には、上記ピラーアウタパネルへの荷重入力時に、上記開口側の拡開を規制する規制部が備えられた
車両の側部車体構造。
【請求項2】
上記規制部は、上記ピラーレインフォースメントの開口側と対向する位置で所定距離間して配設された
請求項1記載の車両の側部車体構造。
【請求項3】
上記規制部は、上記ピラーアウタパネルへの荷重入力時に、上記ピラーレインフォースメントの開口側の両端部に当接してその拡開方向への移動を規制する当接部により構成されると共に、上記両端部のそれぞれに対応して配設されており、
上記当接部同士を接続する接続部が備えられた
請求項1または2記載の車両の側部車体構造。
【請求項4】
上記ピラーアウタパネルと上記ピラーインナパネルとの間には、上記ピラーレインフォースメントの開口側と対向する位置に第2ピラーレインフォースメントが備えられ、
該第2ピラーレインフォースメントに、上記規制部を備えた
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の側部車体構造。
【請求項5】
上記第2ピラーレインフォースメントは、上記ピラーレインフォースメントより下方まで延設された
請求項4記載の車両の側部車体構造。
【請求項6】
上記第2ピラーレインフォースメントは、上記ピラーの上端部にて車両前後方向に延びるルーフサイドレール内を車両前後方向に亘って延びる横レインフォースメントを有する
請求項5記載の車両の側部車体構造。
【請求項7】
上記ピラーアウタパネルと上記ピラーインナパネルとの間には、補助レインフォースメントが配設され、
上記ピラーレインフォースメントは、上記開口側と反対の閉鎖側で上記補助レインフォースメントに連結された
請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両の側部車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−25174(P2012−25174A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162463(P2010−162463)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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