説明

車両の盗難防止装置

【課題】本発明は、車両に、警戒モードにセットするセットスイッチを有する盗難防止装置を設ける場合に、車両の設計自由度を高める技術を提供することを課題とする。
【解決手段】車両の盗難防止装置75は、表示装置35に設けられ表示内容を切り替える操作スイッチ61と、警報器76と、この警報器76を警戒モードに切り替えるセットスイッチ77と、メインスイッチ72と、表示装置35と警報器76を制御する制御部78としてのコントロールユニット54とを備える。操作スイッチ61は、セットスイッチ77を兼ねており、制御部78は、メインスイッチ72がオフであるという条件と、操作スイッチ61が操作されるという条件という2条件を満足したときに、操作スイッチ61を警戒モードにセットする機能を含むようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器を警戒モードに切り替えるセットスイッチを備えている車両の盗難防止装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
警報器を警戒モードに切り替えるセットスイッチを備えている車両の盗難防止装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−305789号公報(図1)
【0003】
特許文献1の図1において、盗難防止装置の盗難防止回路図が示されており、盗難防止回路1(符号は同公報のものを流用する。以下同じ。)は、盗難防止キーとしての電子キー2と、傾斜角センサ3と、シークレットスイッチ4などから構成されている。
シークレットスイッチ4をオンすることで、盗難防止回路1は動作可能な状態になる。
【0004】
ところで、特許文献1の技術は、車両に専用のシークレットスイッチ4を設けているので、シークレットスイッチ4につなぐ配線のとり回しのための空間を確保する必要があることなどから、シークレットスイッチ4を自由に配置することが難しく、シークレットスイッチ4の配置に、大きな制約を伴う。加えて、シークレットスイッチ4は、車体の第三者に容易に視認されない箇所に設けられており、シークレットスイッチ4(以下、「セットスイッチ4」と云う。)を目立ち難い位置に配置しようとすると、車体全体のレイアウトに影響を与えることがあるなど車両の設計自由度を低下させる虞があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、車両に、警戒モードにセットするセットスイッチを有する盗難防止装置を設ける場合に、車両の設計自由度を高める技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、着座した運転者の前方に配置される表示装置と、この表示装置に設けられ表示内容を切り替える操作スイッチと、車両に設けられる警報器と、異常時にこの警報器が警報音を発する状態にする警戒モードに切り替えるセットスイッチと、車両の電源をオン・オフするメインスイッチと、表示装置と警報器を制御する制御部と、を備える車両の盗難防止装置において、操作スイッチは、セットスイッチを兼ねており、制御部は、メインスイッチがオフであるという条件と、操作スイッチが操作されたという条件の2条件を満足したときに、警戒モードにセットする機能を含むようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、制御部は、表示装置を制御する第1コントロールユニットと、盗難防止装置を制御する第2コントロールユニットと、を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明では、メインスイッチがオンの非警戒モードの状態においては、第1コントロールユニットを稼働状態にする一方で、第2コントロールユニットを停止状態にし、メインスイッチがオフの警戒モードの状態においては、第2コントロールユニットを稼働状態にする一方で、第1コントロールユニットを停止状態にすることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明では、第2コントロールユニットは、メインスイッチがオフにされ、このオフにした状態が所定時間継続した場合には、第2コントロールユニットを停止状態する機能を含むようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明では、盗難防止装置は、警戒モードにおいて、メインスイッチがオフからオンにされると、警戒モードが自動的に解除されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、操作スイッチは、セットスイッチを兼ねるようにしたので、別途、専用のセットスイッチを設ける必要はない。専用のセットスイッチが不要になれば、部品点数と配置スペースの削減を図ることができる。加えて、他部品との関係を考慮する必要がなくなるので、車両の設計自由度を高めることができる。
【0012】
また、操作スイッチにセットスイッチを兼ねさせたので、専用のセットスイッチを設ける場合に較べると、第三者にセットスイッチの位置などを一層判り難くすることができ、いたずら防止にも役立つ。
【0013】
さらに、制御部は、メインスイッチがオフであるという条件と、操作スイッチが操作されたという条件の2条件を満足したときに、操作スイッチを警報器が警報音を発する状態に切り替える機能を含んでいる。
【0014】
操作スイッチとメインスイッチとを連係させ、メインスイッチがオフのときに、操作スイッチを警報器が警報音を発する状態にセットするようにしたので、車両の電源をオフしてセットスイッチを操作するまでの一連の操作を単純で且つ容易に行えるようになる。例えば、セットスイッチをセットするときに、体を大きく移動させるなどの煩雑な動作を伴うことはなく簡便に行うことができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、制御部は、表示装置を制御する第1コントロールユニットと、盗難防止装置を制御する第2コントロールユニットと、を備えている。
表示装置と盗難防止装置とに専用のコントロールユニットを各々設けたので、いずれか一方のコントロールユニットに問題が生じても、他方のコントロールユニットに支障は生じない。表示装置と盗難防止装置とに同時に支障が生ずる可能性は大幅に減ることになるため、表示装置および盗難防止装置の信頼性を高めることができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、メインスイッチがオンの状態またはオフの状態によって、使用すべきコントロールユニットを切り替えて、使用しない方のコントロールユニットを停止状態にすることで、警戒モード状態において、必要な機能に絞ったコントロールユニットのみを使用することにより、警戒モード状態における省電力化を図ることができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、第2コントロールユニットは、メインスイッチがオフにされ、このオフにした状態が所定時間継続した場合には、停止状態にする機能を含むようにしたので、第2コントロールユニットの待機電流による電力消費を抑制して、バッテリ上がりを回避することができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、盗難防止装置は、警戒モードにおいて、メインスイッチがオフからオンにされると、警戒モードが自動的に解除されるようにしたので、解除するための専用のスイッチが不要になる。また、メインスイッチを操作して、警戒モードが自動的に解除するようにしたので、盗難防止装置の使い勝手を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る盗難防止装置が搭載されている車両の左側面図であり、車両10としての自動二輪車10Aは、車体フレーム11と、この車体フレーム11にピボット点12を介して上下揺動可能に取り付けられるパワーユニット13とを備える、いわゆる、ユニットスイング式の車両である。
【0020】
車体フレーム11の先端部を構成するヘッドパイプ14には、操舵可能に操舵軸15が取り付けられ、この操舵軸15の上下に各々操舵ハンドル16とフロントフォーク17とが取り付けられ、このフロントフォーク17の下端部には、前輪18が回動可能に取り付けられている。
【0021】
パワーユニット13は、略水平前方に向け設けられている水冷式のエンジン21とこのエンジン21の後部に取り付けられている変速機ユニット22とからなり、この変速機ユニット22の後端部には、駆動輪としての後輪23が取り付けられている。
変速機ユニット22の後端部と車体フレーム11の中間部の間には、リヤクッションユニット24L、24R(図手前側の符号24Lのみ示す。)が介在されている。
【0022】
車体フレーム11は、車体カバー45で覆われており、前から後に順に、前部車体カバー27と、中間部車体カバー28と、後部車体カバー29とが配置されている。30は後述する補機部品としてのヘッドライトである。
【0023】
前部車体カバー27は、車両の前面を構成するフロントカバー31と、乗員シート33の前方に配置され、この乗員シート33に着座した運転者Rの前方に配置される表示装置35としてのフロントメータパネル36と、このフロントメータパネル36の下端部に連続して配置され乗員の足を覆うレッグシールド38と、このレッグシールド38の後方に配置され運転者の股の間に配置されるトンネル部材39と、このトンネル部材39の左右に配置され運転者の足置きとしてのステップフロア部41L、41R(図手前側の符号41Lのみ示す。)とからなる。
図中、42はフロントシールド、43はフロントフェンダ、44はリヤフェンダ、45はグラブレール、46はメインスタンド、47はサイドスタンド、48L、48R(図手前側の符号48Lのみ示す。)はミラーである。
【0024】
図2は本発明に係る盗難防止装置が搭載されている車両の平面図であり、乗員は省略されている。
自動二輪車10Aの前部には、前述したように、表示装置35としてのフロントメータパネル36が設けられ、自動二輪車10Aの略中央部には、乗員が着座する乗員シート33が設けられ、この乗員シート33は、運転者と同乗者が前後に並んで着座するものであり一体に構成されている。49L、49Rは同乗者の足置きとしてのピリオンステップである。次図で、表示装置35の説明を行う。
【0025】
図3は本発明に係る車両の表示装置の説明図であり、表示装置35としてのフロントメータパネル36に、左右に速度計52およびエンジン回転計53が各々配置され、速度計52の左側に、燃料計54が配置され、エンジン回転計53の右側に、エンジンの冷却水温度を表示する水温計55が配置されている。
【0026】
また、速度計52には、積算距離計57およびトリップ距離計58とが含まれ、速度計52の下方に、積算距離計57の表示とトリップ距離計58の表示を切り替える操作スイッチ61が配置されている。
図中、62は車両盗難防止装置が作動しているときに点滅または点灯するインジケータ、63L、63Rは左右のウインカー表示である。
【0027】
図4は積算距離計の表示とトリップ距離計の表示に係る作用説明図である。
(a)において、積算距離計57(ODO)が表示されている状態を示し、後述するメインスイッチがオンのときに、表示される形態の1つである。
【0028】
(b)において、トリップ距離計58(TRIP)が表示されている状態であり、後述するメインスイッチがオンのときに、表示される形態の1つである。(a)において、操作スイッチ(図3の符号61参照)を操作して、積算距離計の表示がトリップ距離計の表示に切り替わることを示す。つまり、積算距離計57の表示とトリップ距離計(図3の符号58)の表示の切替は、速度計(図3の符号52参照)の下方に設けた操作スイッチ61を操作することによって行われる。
【0029】
図5は本発明に係る車両の盗難防止装置を含む表示装置のブロック図であり、自動二輪車の表示部66には、表示装置35と、この表示装置35を制御する表示装置用コントロールユニット71と、この表示装置用コントロールユニット71を含む電装系部品に接続され車両の電源をオン・オフするメインスイッチ72と、電源としてのバッテリ73とが備えられている。
【0030】
車両の盗難防止装置75は、表示装置35に設けられ積算距離計57またはトリップ距離計58に係る表示内容を切り替える操作スイッチ61と、警報音を発生する警報器76と、異常時にこの警報器76が警報音を発する状態、すなわち、警報モードに切り替えるセットスイッチ77と、車両の電源をオン・オフするメインスイッチ72と、表示装置35と警報器76を制御する制御部78とを備えている。操作スイッチ61は、セットスイッチ77を兼ねている。
【0031】
この他、車両の盗難防止装置75には、リモコン発信機81とリモコン受信機82とが備えられており、リモコン発信機81の遠隔操作により、盗難防止装置75のオンまたはオフが行えるようにした。83は異常検出センサである。
【0032】
操作スイッチ61は、セットスイッチ77を兼ねるようにしたので、別途、専用のセットスイッチを設ける必要はない。専用のセットスイッチが不要になれば、部品点数と配置スペースの削減を図ることができる。加えて、他部品との関係を考慮する必要がなくなるので、車両の設計自由度を高めることができる。
【0033】
また、操作スイッチ61にセットスイッチ77を兼ねさせたので、専用のセットスイッチを設ける場合に較べると、第三者にセットスイッチの位置などを一層判り難くすることができ、いたずら防止にも役立つ。操作スイッチ61の詳細については後述する。
【0034】
本実施例において、制御部78は、表示装置を制御する第1コントロールユニット85(表示装置用コントロールユニット)と、盗難防止装置75を制御する第2コントロールユニット86(盗難防止装置用コントロールユニット)とからなる。
表示装置35と盗難防止装置75とに専用のコントロールユニット85、86を各々設け、これら専用のコントロールユニット85、86を切り替えることにより、いずれか一方のコントロールユニットに問題が生じても、他方のコントロールユニットには支障は生じない。コントロールユニットを機能別に分けることによって、各装置の信頼性を高めることができる。
【0035】
メインスイッチ72がオンの状態またはオフの状態によって、使用すべきコントロールユニットを切り替えて、使用しない方のコントロールユニットを停止状態にすることで、警戒モード状態において、必要な機能をもつコントロールユニットのみを使用することにより、警戒モード状態における省電力化を図ることができる。
なお、表示装置と盗難防止装置とに各々設けたコントロールユニットを一体にすることは差し支えない。
【0036】
以上図1〜図5の構成に基づいて、車両の盗難防止装置の作用を次に述べる。
図6は本発明に係る車両の盗難防止装置の作用を説明する制御フロー図であり、ST××はステップ番号を示す。
【0037】
ST01で、メインスイッチ72がオフかを判断する。オフであればST02に進み、オンであれば終了する。ST02で、操作スイッチ61が操作されたかを判断する。操作されたときは、ST03に進み、操作されていないときは終了する。ST03で、盗難防止装置75が警戒モードにセットされ、異常検出センサ83を通じてモニタリングを始める。
【0038】
すなわち、制御部78は、メインスイッチ72がオフであるという条件と、操作スイッチが操作されるという条件という2条件を満足したときに、警戒モードにセットされる機能を含むようにした。
【0039】
操作スイッチ61とメインスイッチ72とを連係させ、メインスイッチ72がオフのときに、操作スイッチ61を警戒モードにセットするようにしたので、車両の電源をオフしてセットスイッチを兼ねている操作スイッチ61を操作するまでの一連の操作を単純に且つ容易に行えるようになる。
【0040】
従来、シークレットスイッチを車両の目立たない場所に設けた場合に、乗員はシークレットスイッチを操作するために、手を差し込んだり、体をかがんだりするなどの動作を伴うことがあった。
【0041】
この点、本発明では、操作スイッチ61にセットスイッチを兼ねさせた。
フロントメータパネル36に配置されている操作スイッチ61であれば、操作スイッチ61を操作するときに、体を大きく移動させるなどの煩雑な動作を伴うことはなく、盗難防止装置75のオンまたはオフに係る操作性を大幅に高めることができる。
【0042】
図7は本発明に係る車両の表示装置の作用を説明する制御フロー図であり、図6の制御フローをより詳細に説明するものである。
ST11で、メインスイッチ72がオンの位置にあるかどうかを判断し、オンの位置にあればST12に進み、メインスイッチ72がオンの位置になければ、図8のST31に進む。
【0043】
ST12で、前回、メインスイッチ72をオフの位置にしたときの距離表示を呼び出しST13に進む。ST13で、距離計の表示が、積算距離表示(ODO)であるかを判断し、積算距離表示であればST14に進み、積算距離表示でなければST15に進む。
【0044】
ST14で、操作スイッチ61を操作するときに、操作時間がta秒以上であるかどうかを判断する(ST15)。操作時間がta秒以上であれば、操作無効とし(ST16)終了し、操作時間がta秒未満であれば、距離計の表示をトリップ距離表示(TRIP)にする(ST17)。taの値は、例えば1である。
【0045】
ST18で、操作スイッチ61を操作する場合に、操作時間がtb秒以上であるかどうかを判断する(ST19)。操作時間がtb秒以上であれば、トリップ距離表示をゼロにリセットし(ST20)終了し、操作時間がtb秒未満であれば、距離計の表示を積算距離表示(ODO)にする(ST21)。tbの値は、例えば2である。
【0046】
図8は本発明に係る車両の盗難防止装置の作用を説明する制御フロー図であり、ST31で、盗難防止用コントロールユニットをオンにし、盗難防止用コントロールユニットとしての第2コントロールユニット86に含まれている待機タイマカウンタを呼び出し(ST32)、待機タイマカウンタをオンにする(ST33)。
ST34で、操作スイッチ61が操作されたかどうかを判断し、操作されていれば、盗難防止装置75の警戒モードがスタートし(ST35)、操作されていなければ、STST41に進む。
【0047】
ST36で、異常検出センサ87が異常を検出したときには、警報器76をオンにし(ST37)、警報器76が警報音を出す(ST38)。異常検出センサ87が異常を検出しないときには、ST41に進む。
ST39で、警報器76の動作時間t1に1を加算する。そして、警報器76の動作時間t1は、T1未満かどうかを判断し(ST40)、T1未満であればST37に戻り、T1以上であればST41に進む。
【0048】
ST41で、経過時間t2に1を加算し、待機タイマカウンタをオンにした後の経過時間t2は、T2未満であるかを判断し(ST42)、T2以上であれば盗難防止装置75をオフにし(ST43)、T2未満であればカウントを続ける。T2の値は、例えば8日である。
【0049】
メインスイッチ72がオフにされ、このオフにした状態が所定時間(T2)継続した場合には、盗難防止装置用コントロールユニットとしての第2コントロールユニット86を停止状態する機能を含むものである。
【0050】
メインスイッチ72がオフにされ、このオフにした状態が所定時間継続した場合には、停止状態にする機能を含むようにしたので、第2コントロールユニット86の待機電流による電力消費を抑制して、バッテリ73の上がりを回避することができる。
【0051】
図9は本発明に係る車両の盗難防止装置のタイムチャートを説明する図である。
(a)の縦軸は、メインスイッチのオンまたはオフを表し、(b)の縦軸は距離表示の有無を表し、(c)の縦軸は、距離表示ありのときにおいて、トリップ距離表示または積算距離表示を表し、(d)の縦軸は、盗難防止装置のオンまたはオフを表す。また、(a)〜(d)において、横軸は各々時間軸を示す。

(a)でメインスイッチがオンにされると、(b)で表示装置に設けられたトリップ距離表示または積算距離表示のいずれかの表示がされる。この表示状態で、操作スイッチを操作して、トリップ距離表示または積算距離表示から他方の表示に切り換えることができる。
【0052】
(a)でメインスイッチがオフにされると、(b)において、距離表示は非表示になる。そして、盗難防止装置75がオンになる。盗難防止装置75がオンになった後、所定時間(T2)経過すると、盗難防止装置75はオフとなる。つまり、盗難防止装置75は、警戒モードにおいて、メインスイッチ72がオフからオンにされると、警戒モードが自動的に解除されオフにされるようにした。
【0053】
盗難防止装置75は、警戒モードにおいて、メインスイッチ72がオフからオンにされると、警戒モードが自動的に解除されオフになるようにしたので、解除するための専用のスイッチが不要になるとともに、盗難防止装置75の使い勝手を高めることができる。
【0054】
以上説明したメインスイッチ72の位置および操作スイッチ61が操作されたときに、盗難防止装置75がオン(警戒モードまたは警報音発生)になるときの条件を一覧表にしたものを以下に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
操作スイッチ61をメインスイッチ72とを連係させ、メインスイッチ72がオフのときに、操作スイッチ61を警戒モードにセットするようにしたので、車両の電源をオフの位置にしてから、セットスイッチを兼ねる操作スイッチ61を操作するまでの一連の操作を円滑に且つ容易に行えるようになる。
【0057】
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、自動二輪車の盗難防止装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る盗難防止装置が搭載されている車両の左側面図である。
【図2】本発明に係る盗難防止装置が搭載されている車両の平面図である。
【図3】本発明に係る車両の表示装置の説明図である。
【図4】積算距離計の表示とトリップ距離計の表示に係る作用説明図である。
【図5】本発明に係る車両の盗難防止装置を含む表示装置のブロック図である。
【図6】本発明に係る車両の盗難防止装置の作用を説明する制御フロー図である。
【図7】本発明に係る車両の表示装置の作用を説明する制御フロー図である。
【図8】本発明に係る車両の盗難防止装置の作用を説明する制御フロー図である。
【図9】本発明に係る車両の盗難防止装置のタイムチャートを説明する図である。
【符号の説明】
【0060】
10…車両、10A…自動二輪車、35…表示装置、61…操作スイッチ、72…メインスイッチ、75…第1コントロールユニット、76…警報器、77…セットスイッチ、78…制御部、85…第1コントロールユニット、86…第2コントロールユニット。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座した運転者の前方に配置される表示装置と、この表示装置に設けられ表示内容を切り替える操作スイッチと、車両に設けられる警報器と、異常時にこの警報器が警報音を発する状態にする警戒モードに切り替えるセットスイッチと、車両の電源をオン・オフするメインスイッチと、前記表示装置と前記警報器を制御する制御部と、を備える車両の盗難防止装置において、
前記操作スイッチは、前記セットスイッチを兼ねており、
前記制御部は、前記メインスイッチがオフであるという条件と、前記操作スイッチが操作されたという条件の2条件を満足したときに、前記警戒モードにセットする機能を含むようにしたことを特徴とする車両の盗難防止装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示装置を制御する第1コントロールユニットと、前記盗難防止装置を制御する第2コントロールユニットと、を備えていることを特徴とする請求項1記載の車両の盗難防止装置。
【請求項3】
前記メインスイッチがオンの非警戒モードの状態においては、前記第1コントロールユニットを稼働状態にする一方で、前記第2コントロールユニットを停止状態にし、
前記メインスイッチがオフの警戒モードの状態においては、前記第2コントロールユニットを稼働状態にする一方で、前記第1コントロールユニットを停止状態にすることを特徴とする請求項2記載の車両の盗難防止装置。
【請求項4】
前記第2コントロールユニットは、前記メインスイッチがオフにされ、このオフにした状態が所定時間継続した場合には、前記第2コントロールユニットを停止状態する機能を含むようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項3記載の車両の盗難防止装置。
【請求項5】
前記盗難防止装置は、警戒モードにおいて、前記メインスイッチがオフからオンにされると、前記警戒モードが自動的に解除されるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の車両の盗難防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−241629(P2009−241629A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87362(P2008−87362)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(591003345)ビステオン・ジャパン株式会社 (28)
【Fターム(参考)】