説明

車両の運転のための調整戦略をサポートするための方法及び装置

本発明は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための方法、装置、及びコンピュータ・プログラム製品、並びにそのような装置を備える自動車両に関する。本方法によれば、入力値Δvに基づいて、ターゲット車両について複数の加速度値aが特定され(36)、それらの入力値は、車両とターゲット車両の間の距離について検出された距離値である、又はそれらの距離値から導出される。その後、加速度値は、ターゲット車両の特徴を示すデータCDを得るために処理される(40)。その後、ターゲット車両の特徴を示すこれらのデータは、車両の運転を調整する(44)ために引き渡される(42)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に車両の分野に関し、また、ターゲット車両の特徴を示すデータの特定に関する。詳細には、本発明は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための方法、装置、及びコンピュータ・プログラム製品、並びにそのような装置を備える自動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の分野においては、また、特に輸送車両の分野においては、車両の運転を容易にする多くの様々な制御メカニズムがある。
【0003】
この実例として、適応速度維持装置、及び、いつ先行車両の追い越しを行うべきかを示す追い越しサポート機能、並びに、燃料消費を削減するための機能、及び衝突を防ぐための機能が挙げられる。
【0004】
これらの機能の多くに共通している点は、それらが、運転されている車両に依存するだけでなく、以下でターゲット車両とも呼ぶ、その車両の前又は後ろの車両にも依存することである。このような車両は、そのような制御メカニズムに大きく影響する。したがって、これらの機能の改良を可能にするためには、ターゲット車両の様々な特性を特定することが適切な場合がある。例えば、何らかの車両のタイプに従ってターゲット車両を分類すること、又は、そのような制御メカニズムにおいて異なる選択が必要となる、ターゲット車両の様々なタイプの特性を特定することが適切な場合がある。
【0005】
分類は手動で行われるかもしれない。しかし、その場合、運転者は、そのような制御メカニズムに分類情報を入力しなければならないであろう。入力することで、運転者が注意をデータ入力に向けることになり、それによって、運転者が交通に注意を払えなくなる可能性が生じる。これは、最悪の場合、交通事故につながるかもしれない。したがって、このような車両の分類は自動的に行われることが適切である。
【0006】
その他の特性を得ることは、データ処理を伴う。
【0007】
したがって、自動車両の運転で使用される制御メカニズムを改善するために、ターゲット車両の様々な特性を自動的に特定する必要がある。
【0008】
当分野においては、既知の、ターゲット車両を自動的に分類する方法がある。例えば、WO03/006291では、レーダー・センサ、ライダー・センサ、又はビデオ・センサを使って、対象物までの距離、反射面の垂直範囲及び水平範囲、対象物の形状、反射面の表面の特徴など、先行対象物に関するパラメータを測定する。このような測定データは、その後、対象物のクラスを選択するための基準として使用される。同明細書は、これが、特徴的な対象物クラスと測定データとを相互に関連付けることによってなされると説明している。この状況では、対象物クラスはそれぞれ特徴的なパターンを有する。このようなパターンの実例として、オートバイを検出するためのレーダーの後方散乱断面図、建物を検出するための特性速度がある。したがって、対象物はそれぞれ、対象物クラスについての特性パターンに基づいた、測定データの相関関係分析によって、1つの対象物クラスと関連付けられる。
【0009】
WO2004/086301には、実例のシーケンスを用いてオフラインで訓練された自己学習システムによって車両を分類するのに、どのようにビデオ・カメラが使用されるかが記載されている。
【0010】
したがって、ターゲット車両の特性、例えば、車両の分類、又は、空気抵抗定数、最大推進力などその他の特性を特定するための、単純で効果的、且つ自動的な方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO03/006291
【特許文献2】WO2004/086301
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、ターゲット車両の特性を単純な方法で特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、それらの特性の特定を、ターゲット車両の加速度と、速度などの関連パラメータにのみ基づいて行うことにより、これを実現する。これに基づくと、ターゲット車両の1つの変数、すなわち、それらの特性が必要とされる、ターゲット車両と車両の間の距離を測定することだけが必要となる。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、この目的は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための方法であって、
入力値に基づいてターゲット車両について複数の加速度値を特定するステップであって、それらの入力値は、車両とターゲット車両の間の距離について検出された距離値の形をとる、又はそれらの距離値から導出されるステップと、
ターゲット車両の特徴を示すデータを得るために加速度値を処理して、ターゲット車両の特徴を示す前記データを、車両の運転を調整するための調整装置に引き渡すステップと、
複数の加速度値グループ内の加速度値に基づいて、加速度について分布測定値を特定するステップであって、各グループは、少なくとも2つの速度範囲のうち1つの範囲内の、先行車両の対応速度値に関して特定された加速度値を含むステップと、
分布測定値に基づいて車両タイプを分類するステップであって、ターゲット車両の特徴を示す前記データは、分類に対応する分類データであるステップとを含む方法によって達成される。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、この目的は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための装置であって、
距離検出器からの入力値に基づいて先行車両について複数の加速度値を特定するよう適合された加速度特定ユニットであって、それらの入力値は、車両と先行車両の間の距離について検出器が検出した距離値の形をとる、又はそれらの距離値から導出される加速度特定ユニットと、
ターゲット車両の特徴を示すデータを得るために加速度値を処理して、ターゲット車両の特徴を示す前記データを、車両の運転を調整するよう適合された調整装置に引き渡すよう適合された加速度値処理ユニットと、
複数の加速度値グループ内の加速度値に基づいて、加速度について分布測定値を特定するよう適合された分布特定ユニットであって、各グループは、少なくとも2つの速度範囲のうち1つの範囲内の先行車両の対応速度値に関して特定された加速度値を含む分布特定ユニットと、
分布測定値に基づいて車両タイプを分類して、分類に対応する分類データの形でターゲット車両の特徴を示すデータを引き渡すよう適合された車両分類ユニットとを備える装置によって達成される。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、この目的は、自動車両であって、この車両とターゲット車両の間の距離値を検出して、それらの距離値に関連する入力値を供給するための距離検出器と、この車両の運転を調整するよう適合された調整装置と、第2の態様による自動車両の動きについての調整戦略をサポートするための装置とを備える自動車両によって達成される。
【0017】
本発明の第4の態様によれば、この目的は、車両の運転のための調整戦略をサポートするためのコンピュータ・プログラム製品であって、コンピュータ・プログラム・コードを含み、前記コンピュータ・プログラム・コードは、コンピュータにロードされると、前記コンピュータに、
入力値に基づいてターゲット車両について複数の加速度値を特定するステップであって、それらの入力値は、車両とターゲット車両の間の距離について検出された距離値の形をとる、又はそれらの距離値から導出される、ステップと、
ターゲット車両の特徴を示すデータを得るために加速度値を処理するステップと、
複数の加速度値グループ内の加速度値に基づいて、加速度について分布測定値を特定するステップであって、各グループは、少なくとも2つの速度範囲のうち1つの範囲内の、先行車両の対応速度値に関して特定された加速度値を含む、ステップと、
ターゲット車両の特徴を示す前記データを、車両の運転の調整のための調整装置に引き渡すステップとを行わせるためのものである、コンピュータ・プログラム製品によって達成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明には多くの利点がある。本発明は、ターゲット車両の特徴を示すデータに到達する、単純で効果的、且つ自動的な方法を提供する。さらに、これが加速度に基づいてなされ、それは、ターゲット車両に関して1つの変数だけ、すなわち、その距離だけを測定すればよいことを意味する。本発明はまた、実質的に、すでに車両に存在するユニットを使用するので、実装が容易である。必要とされるさらなる要素は、速度特定ユニット、加速度特定ユニット、加速度値処理ユニットだけであり、これらはすべてソフトウェアで実装可能である。
【0019】
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】道路上を、ターゲット車両である先行車の後ろを走行している車両を概略的に示す図である。
【図2】車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明による一般的な装置のブロック図である。
【図3】車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明による一般的な方法の流れ図である。
【図4】車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明の第1の実施例による装置のブロック図である。
【図5】車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明の第1の実施例による方法における、多数の方法ステップの流れ図である。
【図6】大型車両を小型車両と見分ける、加速度のグループの2種類の分布を示す図である。
【図7】勾配を走行している車両と、その車両に働く力を概略的に示す図である。
【図8】車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明の第2の実施例による装置のブロック図である。
【図9】車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明の第2の実施例による方法における、多数の方法ステップの流れ図である。
【図10】本発明による方法を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードを含むCD−ROMディスクとしての形態のコンピュータ・プログラム製品を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、車両の運転の調整を容易にするために、先行車両、すなわちターゲット車両の特徴を示すデータに到達することを目的とする。したがって、ターゲット車両の特徴を示すデータは、車両の運転の調整が行われる基礎となる調整戦略をサポートするものである。
【0022】
今日の自動車両、特に多くの大型自動車両においては、現在、運転者が車両の調整を行うための多くの様々なサポート、例えば、追い越しサポート、適応速度維持、衝突回避、燃料消費制御がある。
【0023】
このような調整機能がうまく作動するためには、正しい測定が提案又は実行され得るよう、先行又は後行の車両、すなわち、いわゆるターゲット車両に関する特徴を示すデータが得られることが重要な場合がある。このような特徴を示すデータに到達するプロセスが自動的であることも必要である。それによって、運転者は、そのようなデータに手動で到達する必要がなくなる。本発明は、そのような特徴を示すデータに、単純で効果的、且つ自動的な方法で到達することを意図したものである。
【0024】
図1は、自動車両10を示す。自動車両10は、好適にはトラックである。ただし、本発明がトラックには限定されず、あらゆる自動車両において使用できることに注意されたい。また、本発明は、運転者によって運転される車両に限定されるものでもない。本発明は、無人車両においても適用できる。図1において、自動車両10は、道路12上を走行している。この道路上には、先行車としてターゲット車両14も走行している。この図では、別のトラックとして示されている。自動車両10は、レーダー、ライダー、又はレーザーを含むことができる、距離センサ16を備えている。センサ16によって発せられる信号からのエコーに基づいて、ターゲット車両14までの距離dをこのセンサ16によって特定することができる。このようなセンサのあるものは、相対速度値を算出することもできる。
【0025】
図2は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明による一般的な装置18のブロック図である。この装置はセンサ16に接続され、センサ16から、センサ16によってターゲット車両について特定された相対速度として入力値Δvを受け取る。装置18はまた、車両の運転の1つ以上の態様を調節する、例示の調整装置28にも接続されている。調整装置28は、例えば、適応速度維持を実行し、追い越しサポート若しくは衝突保護を提供し、又は燃料消費を制御する装置であってよい。装置18は、上記入力値Δvを受け取る速度特定ユニット20を備える。この速度特定ユニット20はまた、車両10内の速度特定装置(図示せず)から速度値Vも受け取る。したがって、速度値Vは、運転されている車両10の速度に関するものである。速度特定ユニット20は、加速度特定ユニット22に接続され、該加速度特定ユニットにはターゲット車両14についての推定速度値Vが供給される。加速度特定ユニット22はメモリ24に接続され、該メモリには、加速度値a、及び、場合により関連する速度値Vも引き渡される。メモリ24は、調整装置28に接続されている加速度値処理ユニット26に接続されている。調整装置28には、加速度値処理ユニット26が特徴を示すデータCDが引き渡される。
【0026】
次に、本装置の動作の一般的なモードについて、図3も参照しながらより詳細に説明する。図3は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明による一般的な方法において実行される、多数のステップの流れ図である。
【0027】
車両10が道路12上を走行しているときに、ターゲット車両14である先行車両の後ろになる場合がある。このような状況が生じた場合、センサ16は、そのターゲット車両14までの距離dを検出する。本発明の変形実施例によれば、センサ16はまた、この検出した距離dに基づいて、相対速度Δvも算出する。この相対速度Δvは、その後、入力値として、繰り返し調整された時間間隔で、すなわちサンプリング間隔で、速度特定ユニット20に供給される。このようにして、速度特定ユニット20は、ステップ30でこれらの入力値を受け取る。ステップ32で、速度特定ユニット20は、同じサンプリング間隔で、車両10について速度値Vを受け取る。その後、ステップ34で、速度特定ユニット20は、これら2つの値に基づき、各サンプリング間隔でターゲット車両14の速度Vを特定又は算出する。その後、この速度Vtは、加速度特定ユニット22に供給される。その後、ステップ36で、加速度特定ユニット22は、多数の異なるこのような速度値Vに基づき、速度V及び検出された距離に対応する加速度aを算出する。その後、ステップ38で、加速度特定ユニット22は、このような加速度値のそれぞれを、該当する場合は対応する速度値Vと共に、メモリ24に保存する。その後、ステップ40で、ターゲット車両14の特徴を示すデータCDに到達するために、メモリ24に格納された加速度値a及び速度値Vが加速度値処理ユニット26において処理される。その後、これら特徴を示すデータCDは調整装置28に引き渡される。調整装置28は、ステップ44で、これらのデータCDを使って車両運転機能を調整する。その結果、これらの特徴を示すデータが調整プロセスにおいて使用できるという点で、車両の調整が改善される。
【0028】
本発明の第1の実施例によれば、上述の特徴を示すデータCDは、車両分類データである。したがって、この第1の実施例によれば、ターゲット車両が分類される。
【0029】
このような分類は、車両のタイプについて、例えば、トラック、乗用車、オートバイなどについてなされる。先行車両の重量、エンジン出力などについても分類される。例えば、満載のトラックと空のトラックでは著しい差異がある場合がある。
【0030】
図4は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明の第1の実施例による装置18のブロック図である。図4に示すセンサ16は、図2の場合のように、相対速度を特定する入力値Δvを速度特定ユニット20に引き渡す。この場合、速度特定ユニット20は、同様に、速度値Vを受け取る。ここでもまた、速度特定ユニット20は加速度特定ユニット22に接続されており、加速度特定ユニット22はメモリ24に接続されている。この実施例では、加速度特定ユニット22は、このメモリ24に、グループに分割された加速度値a、a、aを引き渡す。ここでは、この接続は、ユニット22とユニット24の間の3本の線で示されている。この第1の実施例によれば、加速度値処理ユニット26は、分布特定ユニット46及び車両分類ユニット48を備える。この第1の実施例におけるメモリ24は、分布特定ユニット46に接続されており、その接続は、同様に、ここでは3本の線で示されている。メモリ24は、その様々なグループの加速度値a(j)、a(k)、a(l)を上記ユニット46に引き渡す。分布特定ユニット46は、車両分類ユニット48に接続されており、その接続は、同様に、ここでは3本の線で示されている。分布特定ユニット46は、その様々なグループについての分布値var(a)、var(a)、var(a)を上記ユニット48に引き渡す。車両分類ユニット48は、調整装置28に接続されており、車両分類ユニット48が分類データCLを、この調整装置28に引き渡す。したがって、この実施例では、前述の特徴を示すデータが分類データCLを含む。
【0031】
次に、第1の実施例の構成部分について、図5も参照しながら、より詳細に説明する。図5は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための、第1の実施例による方法において実行される、多数のステップの流れ図である。
【0032】
ここでは、本発明の一般的な説明で記載したのと同じ方法で、距離dがセンサ16によって検出される。その後、速度特定ユニット20は、この距離d、相対速度Δv、及び車両の速度Vに基づいて、ターゲット車両14の速度Vを算出する。この後、加速度特定ユニット22による加速度の特定がなされる。すなわち、センサ16によって供給される各入力値Δvについて、加速度値aと速度値Vが算出される。その後、加速度特定ユニット22は、このような加速度値それぞれをメモリ24に保存する。ここで、加速度値は、相対速度によって決定されるグループに保存される。
【0033】
ここで、グループは、速度範囲の数によって決定される。速度範囲は少なくとも2つあり、本実例では3つである。しかし、さらに範囲数を増やしてより細かく分割することも可能であることに注意されたい。
【0034】
ここで、速度範囲がLグループあるとすると、以下に従って、それぞれの加速度サンプルnが保存される。
【0035】
a1(j)=a(n),om vt(n)>v1 j=1,2,3,・・・,m1 (1)
a2(k)=a(n) om v1>vt(n)>v2 k=1,2,3,・・・,m2 (2)



aL(l)=a(n) om vt(n)<vL-1 l=1,2,3,・・・,mL (3)
上式で、vは算出されたターゲット車両の速度であり、
【0036】
【数1】

【0037】
したがって、それぞれが、対応する速度範囲に関連する複数の加速度値を含む、L個のグループがある。したがって、上記の実例では3つのグループがある。したがって、本発明によれば、ステップ50で、メモリ24中の加速度は、対応するターゲット速度Vの大きさに応じて、第1のグループには加速度値aとして、第2のグループには加速度値aとして、第3のグループには加速度値aとして格納される。
【0038】
その後、分布特定ユニット46は、メモリ24から各グループ中の加速度値を収集し、又は取り出して、加速度値のグループそれぞれについて分布測定値を算出する。分布測定値は、多くの異なる方法で算出することができる。例えば、分散、標準偏差、又はその他の分布測定値として算出することができる。一例として、ここでは分散を算出する。すなわち、ステップ52で、分布特定ユニットは、各グループについて分散、ここでは分散VAR(a)、VAR(a)、VAR(a)を算出する。
【0039】
加速度サンプルa=a,a,・・・、aのグループについては、分散を以下の式に従って算出することができる。
【0040】
【数2】


上式で、E(a)は、加速度aの期待値、すなわち平均値であり、P(a)は、加速度が正確にaになる確率である。多数の値の正確な分散の算出には、それらの値が引き出されるもととなる母集団の確率分布を知る必要がある。分散は、多くの値があるときに推定することができる。分散を推定する方法は、以下の通りである。
【0041】
【数3】

【0042】
本発明の1つの実施例によれば、期待値はゼロとみなされ、この場合、上式の第2項は省かれる。
【0043】
期待値を以下に従って推定することも可能である。
【0044】
【数4】

【0045】
上述の方法で、各グループについて多数の分散を算出することができる。その後、分散VAR(a)、VAR(a)、VAR(a)は、分布特定ユニット46から車両分類ユニット48に送られる。
【0046】
その後、ステップ54で、車両分類ユニット48は、このような分散のそれぞれを、少なくとも1つの対応する閾値と比較する。本実例では、このような閾値が1つだけあり、それよりも上の分散は小型車両を表し、それよりも下の分散は大型車両を表す。しかし、このような閾値が多数あってもよいことに注意されたい。その後、ステップ56で、車両分類ユニット48はそれぞれの比較の結果を結合し、ステップ58で、それに基づき車両クラスを示す。次いで、この分類に対応する分類データCLが調整装置28に与えられる。調整装置28は、これらの車両クラス指示データを使って、車両運転機能を調整する。
【0047】
分散が結合されると、それらをきわめて容易に比較することができる。そして、それらの大多数があるタイプの車両を表す場合、その車両であると特定され指示される。この場合、各分散に重みを適用することも可能である。例えば、最高速の速度範囲に対応する分散は、2番目に高速な速度範囲よりも重みが大きく、最低速の速度範囲に対応する分散は、最も重みが小さい。多くの値を含むグループが、含んでいる値がより少ないグループよりも重みが大きいとすることも可能である。
【0048】
図6は、加速度の第3グループaにおける異なる車両について、2種類の分布を示し、大型車を小型車とどのようにして見分けることができるかを示している。左の図は、トラックなどの大型車両についての分布を示し、右の図は、乗用車などの小型車量についての分布を示している。図からわかるように、これらの分布を適切な閾値によって区別することができる。その閾値よりも上の分散は小型車両を表し、下の分散は大型車両を表す。
【0049】
指示に関しては、正しい指示の確率を、いくつのグループが正しいと思われるかという観点、及びグループの重みの観点から表現することもできる。
【0050】
このようにして、調整装置は車両を分類する分類データを受け取ることができ、したがって、より効果的に調整を行うことができる。さらに、本発明の第1の実施例では、先行車両の形状の算出を使用する必要がなく、したがって、処理能力を少ししか必要としない。したがって、車両の分類が、単純で効果的、且つ自動的な方法で成し遂げられる。この分類によって、ターゲット車両、及び運転者の挙動についても、その特徴を良好に指示することができる。
【0051】
上述のように、分類データは、トラック、乗用車、オートバイなど、車両のタイプを示すことができる。先行車両の重量、エンジン出力などについても同様に示すことができる。例えば、満載のトラックと空のトラックでは著しい差異がある場合がある。
【0052】
本発明によれば、ターゲット車両について、その他の特徴を示すデータも特定することができる。本発明の第2の実施例によれば、ターゲット車両の特徴を示すデータ、例えば空気抵抗定数や最大牽引力に対応するデータなどが特定される。空気抵抗定数とは、ここでは、ターゲット車両の重量についての空気抵抗に関連し、最大牽引力に対応するデータとは、ターゲット車両の重量についての最大牽引力を表すものである。
【0053】
道路上を走行する車両は、多くの様々な力を受ける。図7は、αの傾斜角度で上り勾配を走行するターゲット車両14を概略的に示す。この車両14は、車輪の駆動力F,空気抵抗Fair、道路方向の重力Fgrav、転がり抵抗Frollの作用を受けている。
【0054】
図7からわかるように、道路方向の重力Fgravは、重力mgの一成分である。
【0055】
この車両の加速度は、以下の式で表すことができる。
a=FW/m-Froll/m-Fair(v)/m-Fgrav/m (8)
上式で、mは車両の重量である。
【0056】
道路方向の重力Fgravも、以下の式によって表すことができる。
Fgrav=mg sin(α) (9)
【0057】
この情報を背景にして、次に、本発明の第2の実施例を説明する。
【0058】
図8は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明の第2の実施例による装置18のブロック図である。図2のように、図8は、相対速度を特定する入力値Δvを速度特定ユニット20に引き渡す、センサ16を示す。ここでは、速度特定ユニット20は、同様に、速度値Vを受け取る。ここでもまた、速度特定ユニット20は加速度特定ユニット22に接続されており、加速度特定ユニット22はメモリ24に接続されている。この実施例では、加速度特定ユニット22は、上記のメモリ24に、加速度値aを、また関連する速度値Vも引き渡す。この第2の実施例によれば、加速度値処理ユニット26は、加速度特定ユニット22に接続された勾配検出ユニット62を備える。勾配検出ユニット62は、車両内の傾斜特定ユニット60にも接続されている。このような傾斜特定ユニットは、車両が走行している特定の勾配の傾斜を特定することができる。傾斜特定ユニットは、加速度計、地形データ、地図データなどを用いて勾配の傾斜の値を得ることができる。勾配の傾斜を示すセンサを、道路に接近させて配置できる場合もある。その場合、センサを、レーダー、マイクロ波、又はRFIDなどの何らかの他の読取り技術によって読み取ることができる。その後、道路のそばに位置するこのようなセンサからの傾斜データを、勾配検出ユニット62に与えてもよい。直接測定することなく傾斜を特定することもあり得る。例えば、それぞれの車両の推進力や移動に対する抵抗に基づいて傾斜を特定してもよい。
【0059】
加速度値処理ユニット26はまた、空気抵抗定数特定ユニット66及び牽引力特定ユニット64も備える。これらは、共に、メモリ24に接続されている。空気抵抗定数特定ユニット66は、牽引力特定ユニット64にも接続されている。空気抵抗定数特定ユニット66及び牽引力特定ユニット64は、有利には、カルマンフィルタの形をとることができ、その場合、いわゆる「拡張」カルマンフィルタになる。傾斜判定ユニット62は、空気抵抗定数特定ユニット66及び牽引力特定ユニット64を制御する。この制御を破線矢印で示してある。空気抵抗定数特定ユニット66は、最終的に、空気抵抗定数Cを調整装置28及び牽引力特定ユニット64に引き渡し、牽引力特定ユニット64は、ターゲット車両の最大牽引力に対応するデータF/mを調整装置28に引き渡す。したがって、この実施例では、前述の特徴を示すデータは、空気抵抗定数Cと、ターゲット車両の最大牽引力に対応するデータF/mを含む。
【0060】
次に、第2の実施例の構成部分について、図9も参照しながら、より詳細に説明する。図9は、車両の運転のための調整戦略をサポートするための、本発明の第2の実施例による方法において実行される、多数のステップの流れ図である。
【0061】
ここでは、本発明の一般的な説明で記載したのと同じやり方で、距離dがセンサ16によって検出される。その後、速度特定ユニット20は、この距離d、相対速度Δv、及び車両の速度Vに基づいて、ターゲット車両14の速度Vを算出する。この後、加速度特定ユニット22による加速度の特定がなされる。すなわち、センサ16によって供給される入力値の各々について、加速度値aと速度値Vが算出される。その後、ステップ68で、これらの加速度値a及び速度値Vは、メモリ24に保存される。これは連続的に実行される。勾配検出ユニット62はまた、加速度値及び速度値を受け取る。このユニット62は、まず、ターゲット車両14が十分な傾斜を有する下り勾配上にいるかどうかを識別する。このような識別は、ターゲット車両の最大速度、例えば、90km/hという最大速度で受け取った加速度値を調べることによって行われる。この速度で走行しているトラックは、下り勾配にさしかかるとその速度が多少増す。すなわち、多少加速する。したがって、ステップ70で、加速度aの分析が、最大速度における短時間の速度増加を示す場合、勾配検出ユニット62は、ターゲット車両14が下り勾配の可能性がある場所にいることを示唆する。ステップ70で、最大速度で、加速度が速度増加を示さない場合、本方法は、ステップ78で、ターゲット車両14が上り勾配にあるかどうかの識別を続ける。したがって、下り勾配の可能性がある場所であった場合、ターゲット車両について得られてメモリ24に保存された速度値及び加速度値は、下り勾配の可能性がある場所に起因する値として示される。車両10が、勾配の可能性が示された位置に到達すると、勾配検出ユニット62は、ステップ72で、その勾配の傾斜を特定する。これは、センサ60から適切なデータを受け取ることによって行うことができる。次いで、勾配検出ユニット62は、その勾配の傾斜が十分であるかどうかを調べる。通常、傾斜が1〜2%よりも大きい場合には十分である。ステップ74でこの傾斜が十分ではない場合、本方法は、ステップ68で、加速度値及び速度値の収集を続ける。反対に、ステップ74で傾斜が十分だった場合、そのために、ターゲット車両が下り勾配にいることが示される。勾配検出ユニット62は、空気抵抗定数特定ユニット66に、その下り勾配に起因する値として示されていたメモリ24内の値に基づいて、空気抵抗定数を特定するよう命じる。ステップ76で、この定数Cが特定される。
【0062】
十分に急な下り勾配上では、ターゲット車両14は少しも加速することなく、単に転がるだけである。その結果、転がり抵抗や空気抵抗よりも大きい重力に起因する加速が生じる。これは、上記の式(8)における車輪の駆動力Fがゼロになることを意味する。さらに、ここでは、Fair(v)/mという項は、速度に依存する2乗になり、すなわちCと記述することができる。
【0063】
これは、下り勾配上では、式(8)を、等式(9)によって修正して、次のように単純化できることを意味する。
a=-Froll/m2C*v2+g*sin(α) (10)
【0064】
ここで、Froll/mは実質的に一定であり、非常に小さい値であるため、Cの算出を可能にする。Cは、特定のターゲット車両の空気抵抗定数であり、そのターゲット車両の重量に関連する。
【0065】
ターゲット車両14が下り勾配上を走行しているときに、このようにして空気抵抗定数Cを算出することができる。空気抵抗定数特定ユニット66がこの値を、調整装置28と牽引力特定ユニット64の両方に引き渡すことができる。
【0066】
ステップ70で、最大速度時の加速度がゼロよりも大きくなかった場合には、勾配検出ユニット62は、ターゲット車両14が十分な傾斜を有する上り勾配上にいるかどうかを調べる。上り勾配の可能性は、ターゲット車両の最大速度、例えば、ここでは再び90km/hという最大速度で受け取った加速度値を調べることにより得ることができる。この速度で走行しているトラックは、上り勾配にさしかかると、速度が多少落ちる。すなわち、多少減速する。したがって、ステップ78で加速度aの分析が、最大速度で短時間の速度減少を示す場合、勾配検出ユニット62は、ターゲット車両が上り勾配の可能性がある場所を走行していることを示す。ステップ78で最大速度で加速度がマイナスではない場合、本方法は、ステップ68で、加速度値aと速度値vの収集を続ける。したがって、反対に、ステップ78で上り勾配の可能性があった場合には、ターゲット車両について収集されメモリ24に保存された速度値及び加速度値は、上り勾配の可能性に起因する値として示される。車両10が、上り勾配の可能性が示された位置に到達すると、勾配検出ユニット62は、ステップ80で、その勾配の傾斜を特定する。これは、センサ60から適切なデータを収集することによって行うことができる。次いで、勾配検出ユニット62は、その勾配の傾斜が十分であるかどうかを調べる。通常、傾斜が1%よりも大きい場合には十分である。ステップ82でこの傾斜が十分でない場合、本方法は、ステップ68で、加速度値及び速度値の収集を続ける。反対に、ステップ82で傾斜が十分だった場合、その後、勾配検出ユニット62は牽引力特定ユニット64に、ターゲット車両の重量に関して最大牽引力を特定するよう指令する。最大牽引力は、ステップ84で特定される。その後、本方法は、ステップ68の加速度値及び速度値の保存に戻る。
【0067】
十分に急な上り勾配上では、そのターゲット車両は最大牽引力を使う。多くの場合、空気抵抗定数はすでに特定されているので、前述の、等式(9)によって修正された式(8)から、重量に関する最大牽引力を算出することができる。この場合、等式(9)によって修正された等式(8)では、Fが最大牽引力Fに設定される。その場合、等式(9)によって修正された等式(8)は次のようになる。
a=FM/m-Froll/m-C*v2-g*sin(α) (11)
【0068】
ここで、Froll/mは、実質的に一定であり、非常に小さい値である。Cはすでにわかっているので、F/mを算出することができる。
【0069】
このようにして、ターゲット車両が上り勾配上を走行しているときに、重量F/mに関する最大牽引力を算出することができる。その後、牽引力特定ユニット64がこの値を調整装置28に引き渡すことができる。
【0070】
上り勾配上で、空気抵抗定数がまだ特定されていないという場合がある。その場合、このような定数を推定し、その後、下り勾配を通り過ぎたときに、推定された定数を算出された空気抵抗定数に置き換えることが可能である。第1及び第2の実施例を組み合せた場合にこのような推定値を得る方法は、その推定値を、すでになされている車両の分類に基づいたものにすることである。
【0071】
このようにして、調整装置は、ターゲット車両に関する特徴を示すデータを得ることができ、このデータを、その後、調整機能において使用することができる。この場合、空気抵抗定数は、車両とターゲット車両のうち、どちらが速く下り坂を転がるかを特定するために使用できるという点で、調整目的のために役立つデータを提供することができる。同様に、重量に関する最大牽引力は、どちらの車両が上り坂においてより強力であるかについて、役立つデータを提供することができる。これは、例えば、適応速度維持装置において利用することができる。空気抵抗定数は、車両がターゲット車両との間にとるべき距離を特定するためにも使用できる。
【0072】
メモリ24は、RAMメモリなどの従来のメモリの形態をとることができる。速度特定ユニット、加速度特定ユニット、加速度値処理ユニットは、好適には、本発明による方法を実行するコンピュータ・プログラム・コードを含む1つ以上のプログラム・メモリを備えた、1つ以上のプロセッサの形態をとる。これはコンピュータによって実現することができるが、前述のユニットを論理回路の適切な組合せによっても実装できることに注意されたい。車両中の様々なハードウェア・ユニットはまた、データバス、例えば、いわゆるCANバスを介して、互いに通信することもできる。前述のプログラム・コードはまた、CD−ROMディスクなどのポータブル・メモリ装置としてのコンピュータ・プログラム製品の形で提供することもできる。このようなディスク86を、図10に概略的に示す。プログラム・コードはまた、サーバ上に設け、そこから車両にダウンロードできる、純コンピュータ・プログラム・コードの形で提供することもできる。このようなプログラム・コードが車両中のコンピュータ又は制御ユニットにロードされると、本発明による装置が実装されたことになる。
【0073】
したがって、両実施例による発明は、ターゲット車両についての特徴を示すデータを有する調整装置を提供する。これは、調整装置をより良く機能させる。これはまた、ターゲット車両への適応がより良い方法でなされ得るという点で、改善された交通安全を提供する。本発明のさらなる利点は、距離データに基づく自動速度維持装置で燃料消費の削減が達成し得ることである。なぜならば、ターゲット車両に関する情報が増え、この情報を、地形データと組み合わせて使用して、距離を制御し、ブレーキの使用を最小限に抑えることができるからである。
【0074】
本発明は、多くのさらなる利点を有する。本発明は、ターゲット車両の特徴を示すデータを得るための、単純で効果的、且つ自動的な方法を提供する。さらに、これは、加速度に基づいてなされる。これは、ターゲット車両に関してたった1つの変数、すなわち、その距離を測定すればよいことを意味する。本発明はまた、実質的にすでに車両に存在するユニットを使用する点で、実装が容易である。必要とされるさらなる要素は、速度特定ユニット、加速度特定ユニット、加速度値処理ユニットだけであり、これらはすべてソフトウェアで実装可能である。
【0075】
上述のように、本発明は、多くの方法で変更が可能である。本発明の2つの実施例は、別個に、又は結合して適用することができる。本発明による装置は、上記のセンサの一方又は両方、及び調整装置を備えることができる。距離センサを、相対速度を算出するものとして上述した。距離センサが、車両の速度に基づいて、ターゲット車両の速度を算出できることもできる。代わりに、速度特定ユニットが相対速度を算出することも可能である。加速度と速度の両方を算出する単一の算出ユニットを設けることも可能である。したがって、本発明は、以下に記載する特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)の運転のための調整戦略をサポートするための方法であって、
入力値(Δv)に基づいてターゲット車両(14)について複数の加速度値(a;a,a,a)を特定するステップ(36)であって、前記入力値は、前記車両と前記ターゲット車両の間の距離(d)について検出された距離値である、又は該距離値から導出されるステップ(36)と、
前記ターゲット車両の特徴を示すデータ(CD;CL;C,F/m)を得るために前記加速度値を処理して(40;52,54,56,58;70,72,74,76,78,80,82,84)、前記ターゲット車両の特徴を示す前記データを、前記車両の運転を調整する(44)ための調整装置(28)に引き渡すステップ(42)と、
複数の加速度値(a,a,a)グループ内の加速度値に基づいて、加速度の分布測定値(VAR(a),VAR(a),VAR(a))を特定するステップ(52)であって、各グループは、少なくとも2つの速度範囲のうち1つの範囲内の、前記先行車両の対応速度値に関して特定された加速度値を含むステップと、
前記分布測定値に基づいて車両タイプを分類するステップ(58)であって、前記ターゲット車両の特徴を示す前記データは、前記分類に対応する分類データ(CL)であるステップとを含む方法。
【請求項2】
各分布測定値は、少なくとも1つの閾値と比較され(54)、前記車両タイプは、前記比較それぞれの結果を結合すること(56)によって分類される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合することは、より低速の速度範囲について算出された分布測定値よりも、より高速の速度範囲について算出された分布測定値に対してより大きな重みを与えることを伴う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記結合することは、より少ない加速度値に基づいた分布測定値よりも、多くの加速度値に基づいた分布測定値に対してより大きな重みを与えることを伴う、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記様々な分布測定値に基づいて、前記分類が正しい確率を算出するステップをさらに含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記加速度値を処理する前記ステップは、前記ターゲット車両が下り勾配上に位置しているかどうかを特定するステップ(70,72,74)と、前記ターゲット車両が下り勾配上に位置しているときに収集された加速度値(a)に基づいて、前記ターゲット車両について空気抵抗定数(C)を特定するステップ(76)とをさらに含み、前記ターゲット車両の特徴を示す前記データは、前記空気抵抗定数(C)を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記加速度値を処理する前記ステップは、前記ターゲット車両が上り勾配上に位置しているかどうかを特定するステップ(78,80,82)と、前記ターゲット車両が上り勾配上に位置しているときに収集された加速度値に基づいて、前記ターゲット車両の最大牽引力(F)に対応するデータ(F/m)を特定するステップ(84)とをさらに含み、前記ターゲット車両の特徴を示す前記データは、前記ターゲット車両の最大牽引力(F)に対応する前記データ(F/m)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲット車両の最大牽引力(F)に対応するデータ(F/m)の特定は、前記空気抵抗定数(C)にも基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記加速度値を処理する前記ステップは、勾配の傾斜(α)を特定して、前記勾配に関して実行される前記加速度値の処理において前記傾斜を使用するステップ(72,80)をさらに含む、請求項6から8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
車両(10)の運転のための調整戦略をサポートするための装置(18)であって、
距離検出器(16)からの入力値(Δv)に基づいて先行車両(14)について複数の加速度値(a;a,a,a)を特定するよう適合された加速度特定ユニット(22)であって、前記入力値は、前記車両と前記先行車両の間の距離(d)について前記検出器が検出した距離値である、又は該距離値から導出される加速度特定ユニット(22)と、
前記ターゲット車両の特徴を示すデータ(CD;CL;C,F/m)を得るために前記加速度値を処理して、前記ターゲット車両の特徴を示す前記データを、前記車両の運転を調整するよう適合された調整装置(28)に引き渡すよう適合された加速度値処理ユニット(26)と、
複数の加速度値(a,a,a)グループ内の加速度値に基づいて、加速度の分布測定値(VAR(a),VAR(a),VAR(a))を特定するよう適合された分布特定ユニット(46)であって、各グループは、少なくとも2つの速度範囲のうち1つの範囲内の、前記先行車両の対応速度値に関して特定された加速度値を含む分布特定ユニット(46)と、
前記分布測定値に基づいて車両タイプを分類して、前記分類に対応する分類データ(CL)の形で前記ターゲット車両の特徴を示すデータを引き渡すよう適合された車両分類ユニット(48)とを備える装置(18)。
【請求項11】
車両分類ユニット(48)は、各分布測定値を少なくとも1つの閾値と比較して、前記比較それぞれの結果を結合することによって前記車両クラスを特定するよう適合された、請求項10に記載の装置(18)。
【請求項12】
前記結合することは、より低速の速度範囲について算出された分布測定値よりも、より高速の速度範囲について算出された分布測定値に対してより大きな重みを与えることを伴う、請求項10又は11に記載の装置(18)。
【請求項13】
前記結合することは、より少ない加速度値に基づいた分布測定値よりも、多くの加速度値に基づいた分布測定値に対してより大きな重みを与えることを伴う、請求項10から12までのいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項14】
前記車両特徴ユニットは、前記様々な分布測定値に基づいて前記分類が正しい確率を算出するよう適合された、請求項10から13までのいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項15】
前記加速度値処理ユニット(26)は、
前記ターゲット車両が下り勾配上に位置しているかどうかを特定するよう適合された勾配検出ユニット(62)と、
前記ターゲット車両が下り勾配に位置しているときに収集された加速度値(a)に基づいて、前記ターゲット車両について空気抵抗定数(C)を特定して、前記空気抵抗定数(C)を含む、前記ターゲット車両の特徴を示すデータを引き渡すよう適合された空気抵抗定数特定ユニット(66)とを備える、請求項10から14までのいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項16】
前記勾配検出ユニット(62)は、前記ターゲット車両が上り勾配上に位置しているかどうかを特定するようにも適合されている装置(18)であって、前記ターゲット車両が上り勾配に位置しているときに収集された加速度値に基づいて、前記ターゲット車両の最大牽引力(F)に対応するデータ(F/m)を特定して、前記ターゲット車両の最大牽引力(F)に対応する前記データ(F/m)を含む、前記車両の特徴を示すデータを引き渡すよう適合された牽引力特定ユニット(64)をさらに備える、請求項15に記載の装置(18)。
【請求項17】
前記牽引力特定ユニットは、前記空気抵抗定数(C)に基づいて、前記車両の最大牽引力(F)に対応するデータ(F/m)を特定するようにも適合されている、請求項16に記載の装置(18)。
【請求項18】
前記勾配検出ユニット(62)は、勾配の傾斜(α)を特定するようにも適合され、前記傾斜は、前記勾配に関して実行される前記加速度値の処理において使用されるものである、請求項15から17までのいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項19】
前記車両と前記ターゲット車両の間の距離値を検出して、前記距離値に関連する入力値を供給するための距離検出器(16)をさらに備える、請求項10から18までのいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項20】
前記車両の運転を調整するよう適合された調整装置(28)をさらに備える、請求項10から19までのいずれか一項に記載の装置(18)。
【請求項21】
自動車両(10)であって、
車両(10)とターゲット車両(14)の間の距離値(d)を検出して、前記距離値に関連する入力値(Δv)を供給するための距離検出器(16)と、車両の運転を調整するよう適合された調整装置(28)と、請求項10から20までのいずれか一項に記載の車両の運転のための調整戦略をサポートするための装置(18)とを備える自動車両(10)。
【請求項22】
車両(10)の運転のための調整戦略をサポートするためのコンピュータ・プログラム製品(86)であって、コンピュータ・プログラム・コードを含み、前記コンピュータ・プログラム・コードは、コンピュータにロードされると、前記コンピュータに、
入力値(Δv)に基づいてターゲット車両(14)について複数の加速度値(a;a,a,a)を特定するステップであって、前記入力値は、前記車両と前記ターゲット車両の間の距離(d)について検出された距離値である、又は該距離値から導出される、ステップと、
前記ターゲット車両の特徴を示すデータ(CD;CL;C,F/m)を得るために前記加速度値を処理するステップと、
複数の加速度値(a,a,a)グループ内の加速度値に基づいて、加速度について分布測定値(VAR(a),VAR(a),VAR(a))を特定するステップであって、各グループは、少なくとも2つの速度範囲のうち1つの範囲内の、前記先行車両の対応速度値に関して特定された加速度値を含む、ステップと、
前記ターゲット車両の特徴を示す前記データを、前記車両の運転の調整のための調整装置(28)に引き渡すステップを実行させるためのものである、コンピュータ・プログラム製品(86)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−507743(P2011−507743A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536887(P2010−536887)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【国際出願番号】PCT/SE2008/051371
【国際公開番号】WO2009/072965
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(500190915)スカニア シーブイ アクチボラグ(パブル) (64)
【Fターム(参考)】