説明

車両の防眩制御装置

【課題】情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両を検出し、適切に自車両のヘッドライトをハイビームとロービームとに切替えることができるようにした、車両の防眩制御装置を提供する。
【解決手段】
配光制御手段15は、周辺道路情報検出手段17により車両1の前方に交差道路があることが検出され、且つ、他車両情報検出手段17により他車両2が交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、少なくとも他車両2の走行ルート設定手段25により設定された走行ルートに従って他車両2が走行すれば他車両2が交差道路から右折又は左折をして進入することを含む配光制御条件が成立したら、車両1のヘッドライトをロービームにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両間の通信による情報を用いた車両の防眩制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車(以下、車両ともいう)は、夜間等に前方を照射するためのヘッドライト(前照灯)を装備している。
【0003】
このヘッドライトは、車両前後方向水平軸に対して下向きに照射するロービームと、このロービームよりも上向きに照射するハイビームとを切替可能に構成されている。このため、ハイビームは、ロービームよりも遠方まで照射することができる。
【0004】
したがって、夜間等のヘッドライト灯火時には、車両のヘッドライトをハイビームに切替えることが基本とされている。
【0005】
ただし、自車両のヘッドライトがハイビームに切替えられている際、対向車両や先行車両といった他車両がいる場合には、他車両の運転者を眩惑させてしまう等の他車両の交通を妨げるおそれがある。かかる場合には、交通の安全性を確保するため、ハイビームをロービームに切替える。
【0006】
このハイビームとロービームとの切替えは、従来から運転者により行なわれている。このため、例えば屈曲路等の見通しの良くない道路状況の走行中には、運転者による他車両の発見が遅れてしまうおそれがあり、ハイビームからロービームへの切替操作が遅れてしまうおそれがある。
【0007】
このようなハイビームからロービームへの切替操作の遅れを解消するため、対向車両や先行車両といった他車両をレーダセンサや通信により検出する検出装置を装備した車両において、検出装置により検出された他車両の情報に基づいて、自車両のヘッドライトをハイビーム又はロービームの何れかに自動で切替える技術が開発されている。
【0008】
特許文献1には、検出装置により対向車両又は先行車両が検出された場合に、自車両のヘッドライトがハイビームであればロービームに切替える配光制御を実施する技術が開示されている。この技術では、自車両の走行する道路の前方に存在する車両を自車両に対する対向車両又は先行車両として検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−296759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、自車両の周辺における他車両を検出した時点(以下、情報検出時点という。)では対向車両又は先行車両ではないが、その後、対向車両や先行車両となる他車両も存在する。例えば、自車両の前方に交差点があり、自車両の走行する道路に交差する交差道路に他車両がいると、この他車両が右折又は左折をすれば、自車両の対向車両又は先行車両になる。この場合、該他車両が右折又は左折を完了して自車両の走行する道路の前方に入り込んでから対向車両又は先行車両が存在するものと判定してハイビームをロービームに切替えるのでは、切替えタイミングが遅く、瞬間的であれ対向車両又は先行車両の運転者を眩惑させてしまうおそれがある。
【0011】
そこで、交差道路にいる他車両が右折又は左折することを認識することができれば、該他車両が右折又は左折をして自車両の走行する道路の前方に進入する前に、ハイビームをロービームに切替えて、かかる対向車両又は先行車両の運転者に対する防眩を図ることができる。
【0012】
この点、特許文献1の技術では、情報検出時点において自車両前方の道路上の車両を対向車両又は先行車両と認識するが、情報検出時点以降、対向車両又は先行車両になりうる他車両については何らの着目もされておらず、上記の防眩対策は実施しえない。
【0013】
本発明は、かかる課題に鑑み創案されたものであり、情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両を検出し、適切に自車両のヘッドライトをハイビームとロービームとに切替えることができるようにした、車両の防眩制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の車両の防眩制御装置は、車両に搭載され、ハイビームとロービームとを切替可能なヘッドライトと、前記車両の位置情報を検出する自車位置情報検出手段と、前記車両の周辺における道路の情報を検出する周辺道路情報検出手段と、前記車両の周辺における他車両の情報を通信により検出する他車両情報検出手段と、前記ヘッドライトをハイビームとロービームとに自動で切替える配光制御手段と、を備え、前記周辺道路情報検出手段は、前記車両の前方の交差道路を検出し、前記他車両情報検出手段は、前記他車両の位置情報と前記他車両の走行ルート設定手段により設定された走行ルート情報とを検出し、前記配光制御手段は、前記周辺道路情報検出手段により前記車両の前方に交差道路があることが検出され、且つ、前記他車両情報検出手段により前記他車両が前記交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、少なくとも前記他車両の前記走行ルート設定手段により設定された走行ルートに従って前記他車両が走行すれば前記他車両が前記交差道路から右折又は左折をして進入することを含む配光制御条件が成立したら、前記車両のヘッドライトをロービームにすることを特徴としている。
【0015】
また、前記他車両情報検出手段により検出された前記他車両の位置情報と、前記自車位置情報検出手段により検出された前記車両の位置情報とに基づいて、前記車両と前記他車両との相対距離を算出する相対距離算出手段をさらに備え、前記配光制御条件には、前記相対距離算出手段により算出された前記相対距離が、例えばハイビームのヘッドライトにより照射されると眩惑される最長距離といった予め設定された所定相対距離以下であることが含まれていることが好ましい。即ち、所定相対距離よりも大きい相対距離の他車両に対しては車両のヘッドライトをロービームにしないことが好ましい。
【0016】
また、前記他車両情報検出手段は、前記他車両の車速を検出し、前記配光制御条件には、前記他車両情報検出手段により検出された前記他車両の車速が例えば自車両の走行する道路に進入する又は進入しようとする際の車速といった予め設定された所定車速以上であることが含まれていることが好ましい。即ち、車速が所定車速未満の他車両に対しては車両のヘッドライトをロービームにしないことが好ましい。
【0017】
また、前記周辺道路情報検出手段は、前記交差道路と前記車両の走行する道路とが交差する交差点を検出し、前記周辺道路情報検出手段により検出された前記交差点と前記他車両情報検出手段により検出された前記他車両の位置情報とに基づいて、該交差点と該他車両との交差距離を算出する交差距離算出手段を備え、前記配光制御条件には、前記交差距離が例えば他車両が自車両の走行する道路に進入するまでに余裕がなくなる距離といった予め設定された所定交差距離以下であることが含まれていることが好ましい。即ち、交差距離が所定交差距離よりも大きい他車両に対しては車両のヘッドライトをロービームにしないことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
(1)本発明の車両の防眩制御装置によれば、配光制御手段は、周辺道路情報検出手段により車両の前方に交差道路があることが検出され、且つ、他車両情報検出手段により他車両が交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、少なくとも他車両の走行ルート設定手段により設定された走行ルートに従って他車両が走行すれば他車両が交差道路から右折又は左折をして進入することを含む配光制御条件が成立したら、車両のヘッドライトをロービームにするため、交差道路にいる他車両が右折又は左折をして自車両の走行する道路の前方に進入する前に、車両のヘッドライトをロービームにする。したがって、自車両の周辺における他車両を検出した時点(情報検出時点)では対向車両又は先行車両ではないが、情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両を検出して、かかる対向車両又は先行車両の運転者に対する防眩を図ることができる。これにより、適切に車両のヘッドライトをハイビームとロービームとに切替えることができる。
【0019】
(2)配光制御条件には、車両と他車両との相対距離が予め設定された所定相対距離以下であることが含まれているように構成すれば、車両前方の交差道路にいる交差道路から進入する走行ルートが設定された他車両と車両との相対距離が所定相対距離以下である場合に、車両のヘッドライトをロービームにするため、例えばハイビームのヘッドライトにより照射されると眩惑される距離といった所定相対距離以下の相対距離である他車両の運転者に対して適切に防眩を図ることができる。一方、所定相対距離よりも大きい相対距離の他車両に対しては、車両のヘッドライトをロービームにすることがないため、自車両のヘッドライトによる照射距離を確保することができ、不適切なロービームへの切替えを回避することができる。これらより、適切に車両のヘッドライトをハイビームとロービームとに切替えることができる。
【0020】
(3)配光制御条件には、他車両の車速が予め設定された所定車速以上であることが含まれているように構成すれば、車両の前方の交差道路にいる交差道路から進入する走行ルートが設定された他車両の車速が所定車速以上である場合に、車両のヘッドライトをロービームにするため、例えば車両の前方の道路に進入しようとする所定車速以上の車速の他車両、即ち情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両を精度良く検出することができる。これにより、適切に他車両の運転者に対する防眩を図ることができる。
【0021】
(4)配光制御条件には、交差点と他車両との交差距離が予め設定された所定交差距離以下であることが含まれているように構成すれば、車両の前方の交差道路にいる交差道路から進入する走行ルートが設定された他車両の交差距離が、例えば他車両が自車両の走行する道路に進入するまでに余裕がなくなる距離といった所定交差距離以下である場合に、車両のヘッドライトをロービームにするため、不要なヘッドライトのロービームへの切替えを回避することができ、適切に車両のヘッドライトをハイビームとロービームとに切替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる車両(自車両)の防眩制御装置の構成と他車両の構成とを示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる車両(自車両)と他車両とを示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる車両の防眩制御装置に適用される車車間通信を用いたルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる車両の防眩制御装置による制御を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる車両の防眩制御装置による制御に用いる配光制御条件の判定を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる車両の防眩制御装置による制御に用いる配光制御条件の判定を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態にかかる車両の防眩制御装置による制御に用いる配光制御条件の判定を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
〈第1実施形態〉
[構成]
まず、第1実施形態にかかる車両(自車両)の防眩制御装置の構成を説明する。本実施形態にかかる車両は、例えばトラック又はバスといったいわゆる大型又は中型の自動車である。
【0024】
図1に示すように、車両(自車両)1は、ヘッドライト11aに接続されたヘッドライトスイッチ(SW)11と、車両1の前方車両を検出するレーダセンサ12と、車両1の位置情報を検出するGPS(自車位置情報検出手段)13と、アンテナ14aに接続され、車両1の周辺における他車両の情報を通信により検出する車車間通信装置(他車両情報検出手段)14と、ヘッドライト11aの配光にかかる制御を実施する配光制御ECU(配光制御手段)15とを有する。なお、ヘッドライト11aの配光制御とは、ヘッドライト11aをハイビームとロービームとで切替える制御をいう。
【0025】
ヘッドライト11aは、車両前後方向水平軸に対して下向きに照射するロービームと、ロービームよりも上向きに照射するハイビームとを切替可能に構成される。このヘッドライト11aはヘッドライトスイッチ11に接続される。
ヘッドライトスイッチ11は、ヘッドライト11aをハイビームとロービームとに切替えるものである。このヘッドライトスイッチ11を切替えることでヘッドライト11aをハイビームとロービームとに切替える。
このヘッドライトスイッチ11は、配光制御ECU(配光制御手段)15に接続され、ヘッドライトスイッチ11の切替情報は配光制御ECU15に伝達される。
【0026】
レーダセンサ12は、車両1の前方車両を検出するものである。このレーダセンサ12は、電波を発射し前方車両からの反射を利用して、前方車両の情報を検出する。レーダセンサ12により検出される情報としては、前方車両の有無、前方車両と自車両1との相対速度、前方車両と自車両との車間距離等が挙げられる。これらの情報に基づいて、レーダセンサ12は、自車両1の先行車両と対向車両とを検出する。なお、レーダセンサ12としては、レーザレーダやミリ波レーダを用いることができる。
【0027】
また、レーダセンサ12は、その探索エリアが後述する車車間通信の通信エリアよりも限定され、車両1と前方車両との間に障害物がある場合には、発射される電波が遮られるため前方車両にかかる情報を検出することができない。
【0028】
GPS13は、車両1の位置情報を検出するものである。このGPS13は、図示しないGPSアンテナを介して車両1の緯度・経度の情報を、車両1の位置情報として検出する。なお、この緯度・経度の情報を、車両1の走行速度を検出する車速センサや車両1のステアリング角を求めるセンサ等により検出された情報を累積するいわゆる自律航法により補完して、車両1の位置情報として扱うことができる。
GPS13は車車間通信装置14を介して配光制御ECU15に接続され、GPS13により検出された車両1の位置情報は配光制御ECU15に伝達される。
【0029】
車車間通信装置14は、車両1の周辺における他車両と情報を通信し、通信により他車両の情報を車両1において検出する。この車車間通信装置14には、周辺の他車両と通信するためのアンテナ14aが接続され、通信により検出した他車両の情報を伝達すべく配光制御ECU15に接続される。
ここで、車両1の車車間通信による通信対象である他車両2の構成を説明する。
【0030】
図1に示すように、他車両2は、図示しないウインカー(方向指示器)に接続されたウインカースイッチ(SW)21と、他車両2の車速を検出する車速センサ22と、他車両2の位置情報を検出するGPS23と、アンテナ24aに接続され、他車両2の周辺のおける車両に他車両2の情報を通信する車車間通信装置24と、他車両2の走行ルートを設定するナビゲーション部(走行ルート設定手段)25とを有する。
【0031】
ウインカースイッチ21は、図示しないウインカー(方向指示器)に接続され、運転者により操作されこのウインカーを点滅させるものである。ウインカーが点滅していればウインカーによる方向指示がされている。すなわち、ウインカーが操作されていれば他車両2は右左折を予定していて、ウインカーが操作されていなければ他車両2は右左折を予定していない。
【0032】
ウインカースイッチ21は車車間通信装置24に接続され、ウインカーの操作情報は車車間通信装置24に伝達される。ウインカーが操作されれば該操作情報は車車間通信装置24に伝達され、ウインカーの操作情報には、右又は左の何れのウインカーを作動させているかの情報を含んでいる。したがって、ウインカーの操作情報は、他車両2における右左折予定情報といえる。
車速センサ22は、他車両2の車速を検出するものである。この車速センサ22としては、従動輪の回転速度を検出するものやエンジンのクランクシャフトの回転速度を検出するものを適用することができる。
車速センサ22により検出された車速の情報は、車車間通信装置24に伝達される。
【0033】
GPS23は、他車両2の位置情報を検出するものであり、その他の構成はGPS13の構成と同様である。このGPS23は車車間通信装置24及びナビゲーション部25に接続され、GPS23により検出された他車両2の位置情報は車車間通信装置24及びナビゲーション部25に伝達される。
【0034】
ナビゲーション部(走行ルート設定手段)25は、他車両2の走行ルートを設定するものである。この走行ルートの設定は、GPS23により検出された他車両2の位置情報と予め記憶された道路情報や経路情報とに基づいて行なわれる。
【0035】
他車両2の運転者により目的地が設定されると、ナビゲーション部25は、現在の他車両2の位置から目的地までの走行ルートを設定する。この設定された走行ルートには、走行道路の変更、即ち右左折が含まれる。したがって、この走行ルート情報には、他車両2における右左折予定情報を含んだものといえる。
ナビゲーション部25は車車間通信装置24に接続され、ナビゲーション部25により設定された走行ルート情報は車車間通信装置24に伝達される。
車車間通信装置24は、他車両2の周辺の車両と情報を通信し、通信により他車両2の情報を車両に発信する。この車車間通信装置24には、周辺の車両と通信するためのアンテナ24aが接続される。
【0036】
車車間通信装置24に伝達される種々の情報は、通信により他車両2の周辺の車両に発信される。車車間通信装置24に伝達される種々の情報としては、上述のように他車両2の位置情報,ウインカーの操作情報,車速情報及び走行ルート情報が挙げられる。
他車両2は車車間通信装置24を有し、車両1は車車間通信装置14を有することにより、他車両2の種々の情報を車両1に送信することができ、車両1において他車両2の種々の情報を検出することができる。
【0037】
以下、車両1の構成の説明を続ける。
車車間通信装置14により検出された他車両2の種々の情報は、配光制御ECU15に伝達される。
配光制御ECU15は、伝達された種々の情報を用いて、ヘッドライト11aの配光にかかる制御を実施する。なお、配光制御ECU15は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される電子制御装置である。
【0038】
また、配光制御ECU15は、地図情報データベース16と、車両1の周辺における道路情報を検出する周辺道路情報検出部(周辺道路情報検出手段)17と、自車両1と他車両2との相対距離を算出する相対距離算出部(相対距離算出手段)18と、自車両1の前方の交差点と他車両2との交差距離を算出する交差距離算出部(交差距離算出手段)19とを有する。
【0039】
地図情報データベース16は、緯度・経度情報と対応付けされた道路データが記録されたものである。この道路データとしては、例えば交差点等の複数のノード間をリンクにより接続して地図を構成したものであって、交差点の座標に対応するリンクの始点と終点との座標,交差点間の距離に対応するリンクの長さを示すリンク長,リンクの道路種別(有料道路等),リンクの車線情報等を記録させたものを用いることができる。
周辺道路情報検出部17は、GPS13により検出された車両1の位置情報と地図情報データベース16とに基づいて、車両1の周辺における道路情報を検出し、車両1が位置し走行する道路を検出する。
【0040】
また、周辺道路情報検出部17は、車両1が走行する道路の前方の交差道路も周辺道路情報として検出する。例えば、周辺道路情報検出部17は、車両1が走行する道路上の交差点であって、車両1が接近する方向或いは車両1の走行軌跡が無い方向にある直近の交差点において車両1の走行する道路と交差する道路を交差道路として検出する。この交差道路としては、十字路や丁字路が挙げられ、アンダーパスやオーバーパスといった立体交差する道路は含まない。
【0041】
相対距離算出部18は、自車両1と他車両2との相対距離を算出するものである。相対距離算出部18は、GPS13により検出された自車両1の位置情報と車車間通信装置14により検出された他車両2の位置情報と用いて、自車両1と他車両2との相対距離を算出する。
【0042】
交差距離算出部19は、自車両1の前方の交差点と他車両2との交差距離を算出するものである。交差距離算出部19は、GPS13により検出された自車両1の位置情報と地図情報データベース16とにより自車両1の前方の交差点を検出し、この検出された交差点の位置情報と車車間通信装置14により検出された他車両2の位置情報とに基づいて他車両2の交差距離を算出する。
【0043】
配光制御ECU15は、これらの周辺道路情報検出部17,相対距離算出部18及び交差距離算出部19により検出又は算出された情報と、車車間通信装置14により検出された他車両2の種々の情報と、レーダセンサ12により検出される情報と用いて、車両1の配光にかかる制御を実施する。
【0044】
また、配光制御ECU15は、GPS13により検出された車両1の位置情報と、周辺道路情報検出部17により検出された車両1の周辺道路情報と、車車間通信装置14により検出された他車両2の種々の情報とを周期的に取得する。
【0045】
以下、配光制御ECU15によりヘッドライト11aをロービームに切替える配光制御について説明する。
まず、レーダセンサ12により車両1の前方に対向車両又は先行車両が検出された場合、配光制御ECU15は、ヘッドライトスイッチ11を操作してヘッドライト11aをロービームにする。この場合、ヘッドライト11aがハイビームであればロービームに切替え、ヘッドライト11aがロービームであれば切替えを行なわずロービームを維持する。これにより、対向車両又は先行車両の運転者に対する防眩を図ることができる。
【0046】
次に、車車間通信装置14により他車両2が検出された場合の配光制御ECU15による配光制御を説明する。
配光制御ECU15は、周辺道路情報検出部17により自車両1の前方に交差道路があることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が自車両1の前方の交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、配光制御条件が成立したら、ヘッドライトスイッチ11によりヘッドライト11aをロービームにする。この場合、ヘッドライト11aがハイビームであればロービームに切替え、ヘッドライト11aがロービームであれば切替えを行なわずロービームを維持する。
【0047】
なお、他車両2が自車両1の前方の交差道路から進入しうる位置とは、他車両2の位置情報と地図情報データベース16とに基づいて判別され、該交差点に接近する方向の車線に他車両2が位置すれば、他車両2は自車両1の前方の交差道路から進入しうる位置にいるものといえる。また、自車両1の周辺における他車両2を検出した時点(情報検出時点)、即ち、他車両2が自車両1の前方の交差道路から進入しうる位置にいることを検出した時点では、他車両2は対向車両又は先行車両ではない。
【0048】
配光制御条件は、少なくとも第1の条件を含んでいる。
この第1の条件は、他車両2における右左折予定情報が得られていることである。詳細には、第1の条件は、他車両2のウインカーにより方向指示がされていると成立する条件である。なお、他車両2のウインカーにより方向指示がされているか否かは、車車間通信装置14により検出される他車両2のウインカーの操作情報が得られているか否かで判別する。
つまり、配光制御ECU15は、自車両1の前方に交差道路があり、その交差道路から進入しうる位置に他車両2が検出され、他車両2がウインカーを点滅していれば、ヘッドライト11aをロービームに切替える。
【0049】
また、配光制御条件は、以下の第2〜第4の条件をさらに含む。
第2の条件は、相対距離算出部18により算出された自車両1と他車両2との相対距離が予め設定された所定相対距離以下であることである。
所定相対距離は、ハイビームのヘッドライト11aにより照射されると眩惑される最長距離よりも大きい例えば100mや150mといった距離が予め設定される。
【0050】
第3の条件は、車車間通信装置14により検出された他車両2の車速が予め設定された所定車速以上であることである。
所定車速は、他車両2が交差道路から自車両1の走行する道路に進入する又は進入しようとする際の車速として例えば10km/hや15km/hといった車速が予め設定される。
【0051】
第4の条件は、交差距離算出部19により算出された自車両1の前方の交差点と他車両2との交差距離が所定交差距離以下であることである。
例えば、交差点から遠方にいる他車両2は自車両1の走行する道路に進入するまでに余裕があり、かかる他車両2に対してもヘッドライト11aをロービームに切替えると、他車両2の運転者を眩惑させるおそれが略無い場合に自車両1の照射距離を縮めることになってしまう。所定交差距離は、このような眩惑させるおそれの略無い他車両2を排除する閾距離として、例えば50mや100mといった距離が予め設定される。
【0052】
なお、制御の簡素化のため、配光制御条件にかかる第2〜第4の条件の少なくとも何れか又は全部を省略してもよい。
【0053】
[作用・効果]
本発明の第1実施形態に係る車両の防眩制御装置は、上述のように構成されるため、図2に例示される状況では、以下のような制御を実施する。
【0054】
図2には、道路Rmと交差道路Rcとは交差し、道路Rmを車両1が走行し、交差道路Rcから道路Rmに進入しうる位置に車速vで走行する他車両2がおり、これらの道路Rm,Rcが交差する交差点Pcを示す。また、図2には、自車両1の前方の交差点Pcと他車両2との交差距離Dcを示し、自車両1と他車両2との相対距離Drを示す。
また、図2に示す時点において、車両1は車車間通信装置14により他車両2を検出しているものとする。
【0055】
他車両2は、交差点Pcにおいて左折すれば破線矢印Iで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の対向車両となる。
また、他車両2は、交差点Pcにおいて右折すれば破線矢印IIで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の先行車両となる。
また、交差点Pcを直進すれば破線矢印IIIで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の対向車両及び先行車両の何れにもならない。
【0056】
図2に示す状況は、周辺道路情報検出部17により自車両1の前方に交差道路Rcがあることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が自車両1の前方の交差道路Rcから進入しうる位置にいることが検出された場合を示しているため、車両1の配光制御ECU15は、配光制御条件が成立すれば、ヘッドライト11aをロービームにする。
【0057】
つまり、図2に示す状況において、少なくとも他車両2において右左折予定情報が得られていれば(第1の条件)、即ち他車両2のウインカーによる方向指示がされていれば、他車両2は破線矢印I又はIIで示すルートを辿る可能性が高く、情報取得時点以降に他車両2が自車両1の対向車両又は先行車両となる可能性が高い場合に、車両1のヘッドライト11aをロービームにする。
【0058】
また、他車両2のウインカーによる方向指示がされていることに加えて、配光制御条件にかかる第2〜第4の条件が成立する場合、すなわち、相対距離Drが所定相対距離以下(第2の条件)であり、他車両2の車速vが所定車速以上(第3の条件)であり、交差距離Dcが所定交差距離以下(第4の条件)であれば、配光制御ECU15は車両1のヘッドライト11aをロービームにする。
【0059】
以下、配光制御ECU15の通信による情報の取得ルーチンを、図3を用いて説明する。なお、このルーチンは周期的に行なわれる。
ステップS1では、GPS13により検出された自車両1の位置情報を取得する。そして、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、周辺道路情報検出部17により検出された自車両1の周辺道路情報を取得する。そして、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、車車間通信装置14により検出された他車両2の種々の情報を取得する。そして、リターンする。
【0060】
なお、この情報取得ルーチンのステップS1〜S3は、自車両1の位置情報,周辺道路情報及び他車両2の情報が取得することができればよいため、順不同に行なってもよい。
図3に示すルーチンは、車車間通信を行なっている際、即ち車両1の始動中には常時実施される。
【0061】
次に、配光制御ECU15による車両1の配光にかかる制御フローを図4を用いて説明する。なお、この制御フローは、車両1のヘッドライト11aが点灯している際に周期的に行なわれる。
【0062】
ステップS10では、ヘッドライト11aがハイビームか否かを判定する。ヘッドライト11aがハイビームであればステップS20へ移行し、ヘッドライト11aがロービームであれば今回の制御フローを終了(エンド)する。
ステップS20では、自車両1の前方に先行車両がいないか否かを判定する。先行車両がいなければステップS30へ移行し、先行車両がいればステップS100へ移行する。
【0063】
ステップS30では、自車両1の前方に対向車両がいないか否かを判定する。対向車両がいなければステップS40へ移行し、先行車両がいればステップS100へ移行する。
ステップS40では、自車両1の走行する道路の前方に交差道路があるか否かを判定する。前方に交差道路があればステップS50へ移行し、前方に交差道路がなければ今回の制御フローを終了(エンド)する。
【0064】
ステップS50では、ステップS40で検出された交差道路に他車両2がいるか否かを判定する。交差道路に他車両2がいればステップS60へ移行し、交差道路に他車両2がいなければ今回の制御フローを終了(エンド)する。
ステップS60では、配光制御条件が成立しているか否かを判定する。配光制御条件が成立していればステップS70へ移行し、配光制御条件が不成立であれば今回の制御フローを終了する。
【0065】
ここで、ステップS60における配光制御条件の成立判定については、図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップS61では、他車両2のウインカーにより方向指示がされているか否かを判定する。方向指示がされていればステップS62へ移行し、方向指示がされていなければステップS68へ移行する。
【0066】
ステップS62では、自車両1と他車両2との相対距離が所定相対距離以下か否かを判定する。相対距離が所定相対距離以下であればステップS63へ移行し、相対距離が所定相対距離よりも大きければステップS68へ移行する。
ステップS63では、他車両2の車速が所定車速以上か否かを判定する。他車両2の車速が所定車速以上であればステップS64へ移行し、他車両2の車速が所定車速未満であればステップS68へ移行する。
【0067】
ステップS64では、自車両1の前方の交差点と他車両2との交差距離が所定交差距離以下であるか否かを判定する。交差距離が所定交差距離以下であればステップS65へ移行し、交差距離が所定交差距離よりも大きければステップS68へ移行する。
【0068】
これらのステップS62〜S64は配光制御条件にかかる第2〜第4の条件を判定するステップであるため、配光制御条件からこれらの第2〜第4の条件を省略する場合には、ステップS62〜S64を省略することができる。つまり、ステップS61において、他車両2のウインカーにより方向指示がされていると判定されれば、ステップS65へ移行してもよい。
【0069】
ステップS65では、配光制御条件が成立する。そして図4のステップS60のYESのルートでステップS70へ移行する。
また、ステップS68では、配光制御条件が不成立である。そして図4のステップS60のNOのルートで今回の制御周期を終了(エンド)する。
【0070】
図4に戻って、ステップS70では、ヘッドライト11aをヘッドライトスイッチ11を切替えることでロービームに切替える。そして、今回の制御フローを終了する。
また、ステップS100では、ヘッドライト11aをヘッドライトスイッチ11を切替えることでロービームに切替える。そして、今回の制御フローを終了する。
【0071】
したがって、本発明の車両の防眩制御装置によれば、配光制御ECU15は、周辺道路情報検出部17により車両1の前方に交差道路があることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、少なくとも他車両2における右左折予定情報が得られている、即ち他車両2のウインカーにより方向指示がされていることを含む配光制御条件が成立したら、車両1のヘッドライト11aをロービームにするため、交差道路にいる他車両2が右折又は左折をして自車両1の走行する道路の前方に進入する前に、車両1のヘッドライト11aをロービームにする。これにより、自車両の周辺における他車両を検出した時点(情報検出時点)では対向車両又は先行車両ではないが、情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両2を検出して、かかる対向車両又は先行車両の運転者に対する防眩を図ることができる。これより、適切に車両1のヘッドライト11aをハイビームとロービームとに切替えることができる。
【0072】
配光制御条件には、車両1と他車両2との相対距離が予め設定された所定相対距離以下であることが含まれているため、車両1の前方の交差道路にいる他車両2が、ウインカーによる方向指示をしており、例えばハイビームのヘッドライト11aにより照射されると眩惑される最長距離よりも大きい距離といった所定相対距離以下である場合に、車両1のヘッドライト11aをロービームにするため、ハイビームのヘッドライト11aにより照射されると眩惑される距離以下の相対距離をおいた他車両2の運転者に対して適切に防眩を図ることができる。一方、所定相対距離よりも大きい相対距離の他車両2に対しては、車両1のヘッドライト11aをロービームにすることがないため、自車両1のヘッドライト11aによる照射距離を確保することができ、不適切なロービームへの切替えを回避することができる。これらより、適切に車両1のヘッドライト11aをハイビームとロービームとに切替えることができる。
【0073】
配光制御条件には、他車両2の車速が予め設定された所定車速以上であることが含まれているため、車両1の前方の交差道路にいる他車両2が、ウインカーによる方向指示をしており、例えば自車両1の走行する道路に進入する又は進入しようとする際の車速といった所定車速以上である場合に、車両1のヘッドライト11aをロービームにするため、車両1の走行する道路に進入しようとする所定車速以上の車速の他車両2、即ち情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両2を精度良く検出することができる。これにより、適切に他車両2の運転者に対する防眩を図ることができる。
【0074】
配光制御条件には、交差点と他車両2との交差距離が予め設定された所定交差距離以下であることが含まれているため、車両1の前方の交差道路にいる他車両2が、ウインカーによる方向指示をしており、例えば他車両2が自車両1の走行する道路に進入するまでに余裕がなくなる距離といった所定交差距離以下である場合に、車両1のヘッドライト11aをロービームにするため、不要なヘッドライト11aのロービームへの切替えを回避することができ、適切に車両1のヘッドライト11aをハイビームとロービームとに切替えることができる。
【0075】
〈第2実施形態〉
次に、図面を用いて本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態にかかる車両の防眩制御装置は、配光制御条件が第1実施形態と異なる。
なお、ここで説明する点を除いては第1実施形態と同様の構成になっており、これらについては、同様の符号を使用し、各部の説明を省略する。
[構成]
【0076】
配光制御ECU15は、周辺道路情報検出部17により自車両1の前方に交差道路があることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が自車両1の前方の交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、配光制御条件が成立したら、ヘッドライトスイッチ11によりヘッドライト11aをロービームにする。この場合、自車両1の周辺における他車両2を検出した時点(情報検出時点)、即ち、他車両2が自車両1の前方の交差道路から進入しうる位置にいることを検出した時点では、他車両2は対向車両又は先行車両ではない。
【0077】
本実施形態の配光制御条件は、少なくとも第1の条件を含んでいる。
この第1の条件は、他車両2における右左折予定情報が得られていることである。詳細には、第1の条件は、他車両2のナビゲーション部25により設定された走行ルートに従って他車両2が走行すれば、他車両2が交差道路から右折又は左折をして進入することである。すなわち、配光制御条件は、少なくとも、他車両2の走行ルート情報では車両1の前方交差点において右左折を伴うことを含んでいる。なお、他車両2の走行ルート情報は車両1の車車間通信装置14により検出される。
【0078】
つまり、配光制御ECU15は、自車両1の前方に交差道路があり、その交差道路から進入しうる位置に他車両2が検出され、走行ルートに従って他車両2が走行すれば自車両1の走行する道路に進入する場合に、ヘッドライト11aをロービームにする。
【0079】
また、配光制御条件は、以下の第2〜第4の条件をさらに含む。
第2の条件は、第1実施形態と同様に、相対距離算出部18により算出された自車両1と他車両2との相対距離が予め設定された所定相対距離以下であることが条件である。
第3の条件は、第1実施形態と同様に、車車間通信装置14により検出された他車両2の車速が予め設定された所定車速以上であることが条件である。
第4の条件は、第1実施形態と同様に、交差距離算出部19により算出された自車両1の前方の交差点と他車両2との交差距離が所定交差距離以下であることが条件である。
【0080】
なお、制御の簡素化のため、配光制御条件にかかる第2〜第4の条件の少なくとも何れか又は全部を省略してもよい。
その他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0081】
[作用・効果]
本発明の第2実施形態に係る車両の防眩制御装置は、上述のように構成されるため、流用する図2に例示される状況では、以下のような制御を実施する。
【0082】
図2には、道路Rmと交差道路Rcとは交差し、道路Rmを車両1が走行し、交差道路Rcから道路Rmに進入しうる位置に車速vで走行する他車両2がおり、これらの道路Rm,Rcが交差する交差点Pcを示す。また、図2には、自車両1の前方の交差点Pcと他車両2との交差距離Dcを示し、自車両1と他車両2との相対距離Drを示す。
また、図2に示す時点において、車両1は車車間通信装置14により他車両2を検出しているものとする。
【0083】
他車両2は、交差点Pcにおいて左折すれば破線矢印Iで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の対向車両となる。
また、他車両2は、交差点Pcにおいて右折すれば破線矢印IIで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の先行車両となる。
また、交差点Pcを直進すれば破線矢印IIIで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の対向車両及び先行車両の何れにもならない。
【0084】
図2に示す状況は、周辺道路情報検出部17により自車両1の前方に交差道路Rcがあることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が自車両1の前方の交差道路Rcから進入しうる位置にいることが検出された場合を示しているため、車両1の配光制御ECU15は、配光制御条件が成立すれば、ヘッドライト11aをロービームにする。
【0085】
つまり、図2に示す状況において、少なくとも他車両2における右左折予定情報が得られていれば(第1の条件)、即ち他車両2のナビゲーション部25により設定された走行ルートに従って他車両2が走行すれば、他車両2が交差道路から右折又は左折をして進入することが車両1の車車間通信装置14により検出されれば、他車両2は破線矢印I又はIIで示すルートを辿る可能性が高く、情報取得時点以降に他車両2が自車両1の対向車両又は先行車両となる可能性が高い場合に、車両1のヘッドライト11aをロービームにする。
【0086】
また、他車両2のナビゲーション部25により設定された走行ルートに従って他車両2が走行すれば、他車両2が交差道路から右折又は左折をして進入することに加えて、本実施形態の配光制御条件にかかる第2〜第4の条件が成立する場合、すなわち、相対距離Drが所定相対距離以下(第2の条件)であり、他車両2の車速vが所定車速以上(第3の条件)であり、交差距離Dcが所定交差距離以下(第4の条件)であれば、配光制御ECU15は車両1のヘッドライト11aをロービームにする。
配光制御ECU15の通信による他車両2の情報取得ルーチンは、図3に例示する第1実施形態のルーチンと同様である。
【0087】
また、配光制御ECU15による車両1の配光にかかる制御フローは、図4に例示する第1実施形態のフローのステップS60における配光制御条件判定の詳細以外は同様である。すなわち、第1実施形態の図5に示す配光制御条件の成立を判定するフローに替えて、本実施形態では、図6に示す配光制御条件の成立を判定するフローを用いる。
【0088】
以下、図6を用いて、本実施形態の配光制御条件の判定フローを説明する。
ステップA61では、走行ルートに従って他車両2が走行すれば自車両1の前方の交差道路から他車両2が進入するか否かを判定する。走行ルートに従って走行する他車両2が自車両1の走行する道路に進入すればステップA62へ移行し、進入しなければステップA68へ移行する。
【0089】
ステップA62では、自車両1と他車両2との相対距離が所定相対距離以下か否かを判定する。相対距離が所定相対距離以下であればステップA63へ移行し、相対距離が所定相対距離よりも大きければステップA68へ移行する。
ステップA63では、他車両2の車速が所定車速以上か否かを判定する。他車両2の車速が所定車速以上であればステップA64へ移行し、他車両2の車速が所定車速未満であればステップA68へ移行する。
【0090】
ステップA64では、自車両1の前方の交差点と他車両2との交差距離が所定交差距離以下であるか否かを判定する。交差距離が所定交差距離以下であればステップA65へ移行し、交差距離が所定交差距離よりも大きければステップA68へ移行する。
【0091】
これらのステップA62〜A64は配光制御条件にかかる第2〜第4の条件を判定するステップであるため、配光制御条件からこれらの第2〜第4の条件を省略する場合には、ステップA62〜A64を省略することができる。つまり、ステップA61において、走行ルートに従って走行する他車両2が自車両1の走行する道路に進入すると判定されれば、ステップA65へ移行してもよい。
【0092】
ステップA65では、配光制御条件が成立する。そして図4のステップS60のYESのルートでステップS70へ移行する。
また、ステップA68では、配光制御条件が不成立である。そして図4のステップS60のNOのルートで今回の制御周期を終了(エンド)する。
【0093】
したがって、本発明の車両の防眩制御装置によれば、配光制御ECU15は、周辺道路情報検出部17により車両1の前方に交差道路があることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、少なくとも他車両2における右左折予定情報が得られている、即ちナビゲーション部25により設定された走行ルートに従って他車両2が走行すれば、他車両2が交差道路から右折又は左折をして進入することを含む配光制御条件が成立したら、車両1のヘッドライト11aをロービームにするため、交差道路にいる他車両2が右折又は左折をして自車両1の走行する道路の前方に進入する前に、車両1のヘッドライト11aをロービームにする。これにより、自車両1の周辺における他車両2を検出した時点(情報検出時点)では対向車両又は先行車両ではないが、情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両2を検出して、かかる対向車両又は先行車両の運転者に対する防眩を図ることができる。また、適切に車両1のヘッドライト11aをハイビームとロービームとに切替えることができる。
【0094】
また、他車両2のナビゲーション部25により設定された走行ルートに従って他車両2が走行すれば、他車両2が交差道路から右折又は左折をして進入することに加えて、配光制御条件にかかる第2〜第4の条件が成立する場合には、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
〈第3実施形態〉
次に、図面を用いて本発明の第3実施形態について説明する。本発明の第3実施形態にかかる車両の防眩制御装置は、配光制御条件が第1及び第2実施形態と異なる。
なお、ここで説明する点を除いては第1又は第2実施形態と同様の構成になっており、これらについては、同様の符号を使用し、各部の説明を省略する。
【0096】
[構成]
配光制御ECU15は、周辺道路情報検出部17により自車両1の前方に交差道路があることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が自車両1の前方の交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、配光制御条件が成立したら、ヘッドライトスイッチ11によりヘッドライト11aをロービームにする。この場合、自車両1の周辺における他車両2を検出した時点(情報検出時点)、即ち、他車両2が自車両1の前方の交差道路から進入しうる位置にいることを検出した時点では、他車両2は対向車両又は先行車両ではない。
【0097】
本実施形態の配光制御条件は、少なくとも第1の条件を含んでいる。
この第1の条件は、他車両2における右左折予定情報が得られていることである。本実施形態でいう他車両2における右左折予定情報は、他車両2のウインカーにより方向指示がされており、他車両2のナビゲーション部25により設定された走行ルートに従って他車両2が走行すれば他車両2が交差道路から右折又は左折をして進入し、これらの他車両2のウインカーによる方向指示の方向と他車両2の走行ルートの右左折方向とが一致することを含んでいる。また、本実施形態の他車両2における右左折予定情報は、他車両2のウインカーにより方向指示がされること、又は、他車両2のナビゲーション部25により設定された走行ルートに従って他車両2が走行すれば他車両2が交差道路から右折又は左折をして進入することの何れか一方であることを含んでいる。なお、他車両2のウインカーの操作情報と走行ルート情報とは車両1の車車間通信装置14により検出される。
【0098】
換言すれば、本実施形態の配光制御条件は、第1実施形態の配光制御条件と第2実施形態の配光制御条件とがともに成立し、且つ、他車両2のウインカーによる方向指示の方向と他車両2の走行ルートの右左折方向とが一致する場合と、第1実施形態の配光制御条件又は第2実施形態の配光制御条件の何れか一方が成立する場合とを含んでいる。
【0099】
つまり、配光制御ECU15は、自車両1の前方に交差道路があり、その交差道路から進入しうる位置に他車両2が検出され、他車両2のウインカーによる方向指示の方向と、自車両1の前方の交差点での他車両2において設定された走行ルートの右左折方向とが一致していれば、ヘッドライト11aをロービームに切替える。
【0100】
或いは、配光制御ECU15は、自車両1の前方に交差道路があり、その交差道路から進入しうる位置に他車両2が検出され、他車両2のウインカーにより方向指示がされていること、又は、自車両1の前方の交差点での他車両2において設定された走行ルートに右左折があれば、ヘッドライト11aをロービームに切替える。
また、配光制御条件は、第1及び第2実施形態と同様の第2〜第4の条件をさらに含む。
その他の構成は、第1又は第2実施形態の構成と同様である。
【0101】
[作用・効果]
本発明の第3実施形態に係る車両の防眩制御装置は、上述のように構成されるため、流用する図2に例示される状況では、以下のような制御を実施する。
【0102】
図2には、道路Rmと交差道路Rcとは交差し、道路Rmを車両1が走行し、交差道路Rcから道路Rmに進入しうる位置に車速vで走行する他車両2がおり、これらの道路Rm,Rcが交差する交差点Pcを示す。また、図2には、自車両1の前方の交差点Pcと他車両2との交差距離Dcを示し、自車両1と他車両2との相対距離Drを示す。
また、図2に示す時点において、車両1は車車間通信装置14により他車両2を検出しているものとする。
【0103】
他車両2は、交差点Pcにおいて左折すれば破線矢印Iで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の対向車両となる。
また、他車両2は、交差点Pcにおいて右折すれば破線矢印IIで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の先行車両となる。
また、交差点Pcを直進すれば破線矢印IIIで示すルートを辿り、図2に示す時点以降に車両1の対向車両及び先行車両の何れにもならない。
【0104】
図2に示す状況は、周辺道路情報検出部17により自車両1の前方に交差道路Rcがあることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が自車両1の前方の交差道路Rcから進入しうる位置にいることが検出された場合を示しているため、車両1の配光制御ECU15は、配光制御条件が成立すれば、ヘッドライト11aをロービームにする。
【0105】
つまり、図2に示す状況において、少なくとも他車両2における右左折予定情報が得られていること(第1の条件)が車両1の車車間通信装置14により検出されれば、他車両2は破線矢印I又はIIで示すルートを辿る可能性が高く、情報取得時点以降に他車両2が自車両1の対向車両又は先行車両となる可能性が高い場合に、車両1のヘッドライト11aをロービームにする。
【0106】
また、他車両2において右左折予定情報が得られていることに加えて、本実施形態の配光制御条件にかかる第2〜第4の条件が成立する場合、すなわち、相対距離Drが所定相対距離以下(第2の条件)であり、他車両2の車速vが所定車速以上(第3の条件)であり、交差距離Dcが所定交差距離以下(第4の条件)であれば、配光制御ECU15は車両1のヘッドライト11aをロービームにする。
配光制御ECU15の通信による他車両2の情報取得ルーチンは、図3に例示する第1実施形態のルーチンと同様である。
【0107】
また、配光制御ECU15による車両1の配光にかかる制御フローは、図4に例示する第1実施形態のフローのステップS60における配光制御条件判定の詳細以外は同様である。すなわち、第1実施形態の図5に示す配光制御条件の成立を判定するフローに替えて、本実施形態では、図7に例示する配光制御条件の成立を判定するフローを用いる。
【0108】
以下、図7を用いて、本実施形態の配光制御条件の判定フローを説明する。
ステップB61では、走行ルートに従って他車両2が走行すれば自車両1の前方の交差道路から他車両2が進入するか否かを判定する。走行ルートに従って走行する他車両2が自車両1の走行する道路に進入すればステップB62へ移行し、進入しなければステップB68へ移行する。
【0109】
ステップB62では、他車両2のウインカーにより方向指示がされているか否かを判定する。方向指示がされていればステップB63へ移行し、方向指示がされていなければステップB68へ移行する。
【0110】
ステップB63では、他車両2のウインカーによる方向指示の方向と他車両2の走行ルートの右左折方向とが一致するか否かを判定する。これらの方向が一致すればステップB64へ移行し、一致しなければステップB68へ移行する。
【0111】
なお、ステップB61〜63では、本実施形態の配光制御条件にかかる第1の条件を満たすか否かの判定するものを例示している。したがって、走行ルートに従って走行する他車両2が自車両1の走行する道路に進入すればステップB64に移行してもよく、走行ルートに従って走行する他車両2が自車両1の走行する道路に進入しない場合であっても他車両2のウインカーにより方向指示がされていればステップB64に移行してもよい。
【0112】
ステップB64では、自車両1と他車両2との相対距離が所定相対距離以下か否かを判定する。相対距離が所定相対距離以下であればステップB65へ移行し、相対距離が所定相対距離よりも大きければステップB68へ移行する。
ステップB65では、他車両2の車速が所定車速以上か否かを判定する。他車両2の車速が所定車速以上であればステップB66へ移行し、他車両2の車速が所定車速未満であればステップB68へ移行する。
【0113】
ステップB66では、自車両1の前方の交差点と他車両2との交差距離が所定交差距離以下であるか否かを判定する。交差距離が所定交差距離以下であればステップB67へ移行し、交差距離が所定交差距離よりも大きければステップB68へ移行する。
【0114】
これらのステップB64〜S66は配光制御条件にかかる第2〜第4の条件を判定するステップであるため、配光制御条件からこれらの第2〜第4の条件を省略する場合には、ステップB64〜B66を省略することができる。つまり、ステップB63において、他車両2のウインカーによる方向指示の方向と他車両2の走行ルートの右左折方向とが一致すると判定されれば、ステップB67へ移行してもよい。
【0115】
ステップB67では、配光制御条件が成立する。そして図4のステップS60のYESのルートでステップS70へ移行する。
また、ステップB68では、配光制御条件が不成立である。そして図4のステップS60のNOのルートで今回の制御周期を終了(エンド)する。
【0116】
したがって、本発明の車両の防眩制御装置によれば、配光制御ECU15は、周辺道路情報検出部17により車両1の前方に交差道路があることが検出され、且つ、車車間通信装置14により他車両2が交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、少なくとも、他車両2における右左折予定情報が得られていることを含む配光制御条件が成立したら、車両1のヘッドライト11aをロービームにするため、交差道路にいる他車両2が右折又は左折をして自車両1の走行する道路の前方に進入する前に、車両1のヘッドライト11aをロービームにする。これにより、自車両1の周辺における他車両2を検出した時点(情報検出時点)では対向車両又は先行車両ではないが、情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両2を検出して、かかる対向車両又は先行車両の運転者に対する防眩を図ることができる。また、適切に車両1のヘッドライト11aをハイビームとロービームとに切替えることができる。
【0117】
また、本実施形態の配光制御条件は、第1実施形態の配光制御条件と第2実施形態の配光制御条件とがともに成立し、且つ、他車両2のウインカーによる方向指示の方向と他車両2の走行ルートの右左折方向とが一致することを含んでいるため、情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両2をより精度良く検出することができる。
【0118】
また、本実施形態の配光制御条件は、第1実施形態の配光制御条件及び第2実施形態の配光制御条件の少なくとも何れかが成立することを含んでいるため、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、第1実施形態の配光制御条件のウインカーの操作情報のみを用いても、第2実施形態の配光制御条件の走行ルート情報のみを用いてもよい。
【0119】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、種々の配光制御条件を示したが、これに加えて、配光制御条件は他車両の動き出しの挙動を自車両が検出することをさらに含んでもよい。この場合、GPSにより検出される他車両の位置及び車速の軌跡を車車間通信装置により自車両が検出することで、他車両の動き出しの挙動を検出することができる。また、他車両の動き出しの挙動は、例えば、他車両が例えば20m以内といった交差点周辺におり、車速が微速から増加する等の動き出しの挙動パターンに他車両の挙動が合致することで検出することができる。これによれば、情報検出時点以降に対向車両又は先行車両になりうる他車両2をより精度良く検出することができる。
また、車両の走行する道路に進入しうる他車両として、他車両が自車両の前方であって右方にいるものを示したが、他車両が自車両の前方であって左方にいてもよい。
【0120】
また、車両の走行する道路に進入しうる他車両の右折又は左折を判別し、他車両が自車両に対して対向車両又は先行車両になるのかを判別してもよい。この場合、対向車両及び先行車両の何れかになりうるそれぞれの他車両に対して、所定相対距離,所定車速及び所定交差距離をそれぞれ設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明の車両の走行制御装置は、トラック又はバスといった大型又は中型の自動車のみならず乗用車等の小型自動車にも適用することができる。
【符号の説明】
【0122】
1 自車両
2 他車両
11 ヘッドライトスイッチ
11a ヘッドライト
12 レーダセンサ
13 GPS(自車両位置情報検出手段)
14 車車間通信装置(他車両情報検出手段)
14a アンテナ
15 配光ECU(配光制御手段)
16 地図情報データベース
17 周辺道路情報検出(周辺道路情報検出手段)
18 相対距離算出部(相対距離算出手段)
19 交差距離算出部(交差距離算出手段)
21 ウインカースイッチ(方向指示器)
22 車速センサ
23 GPS
24 車車間通信装置
24a アンテナ
25 ナビゲーション部(走行ルート設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、ハイビームとロービームとを切替可能なヘッドライトと、
前記車両の位置情報を検出する自車位置情報検出手段と、
前記車両の周辺における道路の情報を検出する周辺道路情報検出手段と、
前記車両の周辺における他車両の情報を通信により検出する他車両情報検出手段と、
前記ヘッドライトをハイビームとロービームとに自動で切替える配光制御手段と、を備え、
前記周辺道路情報検出手段は、前記車両の前方の交差道路を検出し、
前記他車両情報検出手段は、前記他車両の位置情報と前記他車両の走行ルート設定手段により設定された走行ルート情報とを検出し、
前記配光制御手段は、前記周辺道路情報検出手段により前記車両の前方に交差道路があることが検出され、且つ、前記他車両情報検出手段により前記他車両が前記交差道路から進入しうる位置にいることが検出された場合、少なくとも前記他車両の前記走行ルート設定手段により設定された走行ルートに従って前記他車両が走行すれば前記他車両が前記交差道路から右折又は左折をして進入することを含む配光制御条件が成立したら、前記車両のヘッドライトをロービームにする
ことを特徴とする、車両の防眩制御装置。
【請求項2】
前記他車両情報検出手段により検出された前記他車両の位置情報と、前記自車位置情報検出手段により検出された前記車両の位置情報とに基づいて、前記車両と前記他車両との相対距離を算出する相対距離算出手段をさらに備え、
前記配光制御条件には、前記相対距離算出手段により算出された前記相対距離が予め設定された所定相対距離以下であることが含まれている
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の防眩制御装置。
【請求項3】
前記他車両情報検出手段は、前記他車両の車速を検出し、
前記配光制御条件には、前記他車両情報検出手段により検出された前記他車両の車速が予め設定された所定車速以上であることが含まれている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両の防眩制御装置。
【請求項4】
前記周辺道路情報検出手段は、前記交差道路と前記車両の走行する道路とが交差する交差点を検出し、
前記周辺道路情報検出手段により検出された前記交差点と前記他車両情報検出手段により検出された前記他車両の位置情報とに基づいて、該交差点と該他車両との交差距離を算出する交差距離算出手段を備え、
前記配光制御条件には、前記交差距離が予め設定された所定交差距離以内であることが含まれている
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の防眩制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−79032(P2013−79032A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220957(P2011−220957)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】