説明

車両アンテナの取付け構造

【課題】アンテナ本体をインストルメントパネル内部に取付けたり取外したりする際の作業性を低下させることなく、製品コストを抑制する。
【解決手段】第1のブラケット9は、取付部材11とブラケット本体部材10とが接合箇所を可変として接合可能に構成されている。インストルメントパネル内部の限られた搭載スペースに合わせて取付部材11とブラケット本体部材10とを接合することにより、車種毎の搭載スペースの相違を解消することができ、ブラケット本体部材10を共通化することにより、車種毎に第1のブラケット9よりも表面積が小さい第1のブラケット9の一構成部品である)取付部材11のみを新設すれば良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ本体を取付け可能に構成されている第2のブラケットが車両のインストルメントパネル内部に取付け可能に構成されている第1のブラケットに取付けられることにより、アンテナ本体が車両のインストルメントパネル内部に取付けられる車両アンテナの取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナ本体が車両のインストルメントパネル内部に取付けられる態様として、車両のインストルメントパネル内部に取付け可能に構成されている第1のブラケットに嵌合部が形成され、アンテナ本体を取付け可能に構成されている第2のブラケットに被嵌合部が形成され、嵌合部が被嵌合部に嵌合されることにより、第2のブラケットが第1のブラケットに取付けられると共に、嵌合部の被嵌合部への嵌合が解除されることにより、第2のブラケットが第1のブラケットから取外される構成があり、このような構成によれば、ドライバーなどの工具を使用することなく、アンテナ本体を車両のインストルメントパネル内部に容易に取付けたり取外したりすることができる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−276770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年では、インストルメントパネル内部に装着される各種ワイヤーハーネスや各種ECUやダクトなどの装着部品が増加すると共に複雑化する傾向にあり、それに伴って、アンテナASSYを搭載するための搭載スペースが減少する傾向にある。すなわち、車種毎に搭載スペース(取付ボスに対する取付け位置や空間容量)が異なるので、車種毎に第1のブラケットを新設することにより、インストルメントパネル内部の限られた搭載スペースにアンテナアンテナASSYを搭載するようになっている。
【0004】
しかしながら、車種毎に第1のブラケットを新設するには、その都度、高価な樹脂型を製造する必要があり、樹脂型の製造コストが上昇するという問題がある。特に、1車種あたりの生産台数が減少している最近の事情を勘案すると、その高価な樹脂型を製造するのに要する製造コストが製品単価に上乗せされ、その結果、製品コストが大幅に上昇するという問題もある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンテナ本体をインストルメントパネル内部に取付けたり取外したりする際の作業性を低下させることなく、樹脂型の製造コストを抑制することができ、ひいては製品コストをも抑制することができる車両アンテナの取付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、車両のインストルメントパネル内部に取付け可能に構成されている第1のブラケット及びアンテナ本体を取付け可能に構成されている第2のブラケットのうち一方に形成されている第1の嵌合部が他方に形成されている第1の被嵌合部に嵌合されることにより、第2のブラケットが第1のブラケットに取付けられると共に、第1の嵌合部の第1の被嵌合部への嵌合が解除されることにより、第2のブラケットが第1のブラケットから取外されるので、第1の嵌合部を第1の被嵌合部に嵌合させたり第1の嵌合部の第1の被嵌合部への嵌合を解除させたりすることにより、ドライバーなどの工具を使用することなく、第2のブラケットを第1のブラケットに取付けたり第1のブラケットから取外したりすることができ、アンテナ本体を車両のインストルメントパネル内部に容易に取付けたり取外したりすることができる。
【0007】
また、第1のブラケットが、車両のインストルメントパネル内部に取付け可能な取付部材と第1の嵌合部または第1の被嵌合部が形成されているブラケット本体部材とが接合箇所を可変として接合可能に構成されているので、インストルメントパネル内部の限られた搭載スペースに合わせて取付部材とブラケット本体部材とを接合することにより、車種毎の搭載スペースの相違を解消することができる。したがって、ブラケット本体部材を共通化することにより、車種毎に第1のブラケットの全体を新設する必要がなく、車種毎に第1のブラケットよりも表面積が小さい(第1のブラケットの一構成部品である)取付部材のみを新設すれば良いので、樹脂型の製造コストを抑制することができ、ひいては製品コストをも抑制することができる。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、取付部材及びブラケット本体部材うち一方に第2の嵌合部が形成されると共に他方に第2の被嵌合部が形成され、第2の嵌合部が第2の被嵌合部に嵌合されることにより、ブラケット本体部材が取付部材に取付けられると共に、第2の嵌合部の第2の被嵌合部への嵌合が解除されることにより、ブラケット本体部材が取付部材から取外されるので、第2の嵌合部を第2の被嵌合部に嵌合させたり第2の嵌合部の第2の被嵌合部への嵌合を解除させたりすることにより、ブラケット本体部材を取付部材に取付けたり取付部材から取外したりすることができる。
【0009】
請求項3に記載した発明によれば、第2の嵌合部に面取り部が形成されると共に第2の被嵌合部に面取り部が形成され、第2の嵌合部の面取り部と第2の被嵌合部の面取り部とが接近するように第2の嵌合部が第2の被嵌合部に嵌合されるので、第2の嵌合部を第2の被嵌合部に滑らかに嵌合させることができ、作業性を高めることができる。
【0010】
請求項4に記載した発明によれば、取付部材とブラケット本体部材とがネジ止めて両者が固着されるように構成され、取付部材及びブラケット本体部材のうち少なくともいずれかに両者がネジ止めされる際のネジの回転方向への挙動を規制する挙動規制部が形成されているので、取付部材とブラケット本体部材とをネジ止めする際にネジの回転方向へのずれを防止することができ、取付け精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図1ないし図11を参照して説明する。図1は、アンテナ本体が第2のブラケットに取付けられてアンテナASSYが構成されていると共に、アンテナASSYが第1のブラケットに取付けられている態様を示しており、図2は、アンテナASSYが第1のブラケットから取外されている態様を示している。
【0012】
アンテナ本体1は、全体として略矩形状をなす筐体2の内部に、ETC用のアンテナ素子、GPS用のアンテナ素子及びVICS用のアンテナ素子を備えると共に、筐体2からETC用のアンテナ素子用の同軸ケーブル3とGPS用のアンテナ素子及びVICS用のアンテナ素子用の同軸ケーブル4との2本の同軸ケーブル3,4が引出されて構成されている。これら同軸ケーブル3,4は無線機(図示せず)に接続されている。また、筐体2の左右側面下部にはアンテナ本体1を第2のブラケット5に位置決めして取付けるための複数の(例えば4本の)スナップフィット(図示せず)が下方に突出するように形成されている。
【0013】
第2のブラケット5は、上記した各アンテナ素子のグランドとして作用する金属板から構成され、アンテナ本体1の複数のスナップフィットに対応して複数の(例えば4個の)の取付穴部(図示せず)が形成されて構成されている。また、第2のブラケット5には角穴部6(本発明でいう第1の被嵌合部)及び2個の耳部7a,7bが形成されている。アンテナASSY8は、アンテナ本体1のスナップフィットが第2のブラケット5の取付穴部に嵌合され、アンテナ本体1が第2のブラケット5に取付けられて構成されている。
【0014】
第1のブラケット9は、ブラケット本体部材10と取付部材11とを構成部材とし、両者が接合されて構成されている。ブラケット本体部材10は、樹脂から構成され、その表面部10aにアンテナASSY8(第2のブラケット5)が矢印A1,A2方向に沿ってスライド可能な形状に構成されている。ブラケット本体部材10には細長形状の撓み部12がアンテナASSY8のスライド方向に延びるように形成されており、その撓み部12には爪形状のストッパ部13(本発明でいう第1の嵌合部)が形成されている。この場合、撓み部12は、その先端部に上から圧力が加えられると、矢印B1方向に撓み、圧力が解除されると、矢印B2方向に復帰するように構成されている。
【0015】
ブラケット本体部材10の表面部10aには側壁部14a,14bが左右端部から立上がるようにして対向して形成されており、これら側壁部14a,14bの間隔(図2中「a1」参照)は第2のブラケット5にあって耳部7a,7bを除いた左右方向の寸法(図2中「a2」参照)よりも僅かに広く形成されている。側壁部14a,14bの一端側にはアーム部15a,15bが形成されていると共に他端側には当該側壁部14a,14bを連結するように連結部16が形成されている。2本のアーム部15a,15bの先端部には図6にも示すように面取り部17a,17bが形成されており、連結部16には図7にも示すように下方に突出する凸部18が形成されている。また、側壁部14a,14bにはアンテナASSY8のスライド方向に直線状に並ぶように複数の(本実施形態では8個の)下穴19a,19bが形成されている。
【0016】
この場合、アンテナASSY8がブラケット本体部材10の表面部10aに沿うようにスライドされ、ブラケット本体部材10のストッパ部13が第2のブラケット5の角穴部6に嵌合された状態では、ブラケット本体部材10のアーム部15a,15bが第2のブラケット5の耳部7a,7bに上方向に押圧されて撓むことにより、その反力で両者が圧接されると共に、第2のブラケット5の先端部が連結部16の凸部18に乗り上げ、連結部16が第2のブラケット5の先端部に上方向に押圧されて撓むことにより、その反力で両者が圧接されるようになっている。
【0017】
上記した構成では、これら3箇所で第2のブラケット5とブラケット本体部材10とが圧接されることにより、アンテナASSY8とブラケット本体部材10との間の上下方向のがたつきが防止される。一方、側壁部14a,14bの間隔と上記した第2のブラケット5にあって耳部7a,7bを除いた左右方向の寸法とが公差管理されることにより、アンテナASSY8とブラケット本体部材10との間の左右方向のがたつきが防止される。
【0018】
また、ブラケット本体部材10の裏面部10bには図8にも示すように2本の溝状の凹部20a,20b(本発明でいう第2の被嵌合部)がアンテナASSY8のスライド方向に延びるように形成されており、それら凹部20a,20bには面取り部21a,21bが形成されている。
【0019】
取付部材11は、上記したブラケット本体部材10と同様にして樹脂から構成されている。取付部材11の表面部11aには図9にも示すように縦壁部22a,22bが立上がるようにして対向して形成されていると共に取付壁部23a,23bが形成されており、これら縦壁部22a,22bの間隔(図9中「b1」参照)はブラケット本体部材10の左右方向の寸法(図9中「b2」参照)よりも僅かに広く形成されている。
【0020】
縦壁部22a,22bには上記したブラケット本体部材10の下穴19a,19bと同じ穴径を有する1つの穴24a,24bが形成されており、取付壁部23a,23bにはインストルメントパネルに形成されている取付ボス(図示せず)に対して位置決めするための位置決め穴部25a,25bと取付ネジ(図示せず)が挿通される取付ネジ穴部26a,26bとが形成されていると共に挙動規制部27a,27bが内側に突出するように形成されている。この場合、表面部11aから挙動規制部27a,27bまでの高さ(図9中「c1」参照)はブラケット本体部材10の側壁部14a,14bの高さ(図9中「c2」参照)よりも僅かに高く形成されている。
【0021】
上記した構成では、縦壁部22a,22bの間隔とブラケット本体部材10の左右方向の寸法とが公差管理されることにより、ブラケット本体部材10と取付部材11との間の左右方向のがたつきが防止され、表面部11aから挙動規制部27a,27bまでの高さとブラケット本体部材10の側壁部14a,14bの高さとが公差管理されることにより、ブラケット本体部材10と取付部材11との間の上下方向のがたつきが防止される。
【0022】
また、取付部材11の表面部11aには2個の凸部28a,28b(本発明でいう第2の嵌合部)が形成されており、それら凸部28a,28bには面取り部29a,29bが形成されている。この場合、上記したブラケット本体部材10の凹部20a,20bの左右方向の寸法は取付部材11の凸部28a,28bの左右方向の寸法よりも僅かに広く形成されている。また、凹部20a,20bに形成されている面取り部21a,21bの傾斜角度と凸部28a,28bに形成されている面取り部29a,29bの傾斜角度とは略同等となっている。
【0023】
次に、上記した構成の作用として、アンテナASSYをインストルメントパネル内部に取付ける手順について説明する。
まず、図3に示すように、アンテナ本体1のスナップフィットを第2のブラケット5の取付穴部に嵌合してアンテナ本体1を第2のブラケット5に取付けてアンテナASSY8を構成する。次いで、アンテナASSY8(第2のブラケット5)をブラケット本体部材10の表面部10aに沿うように矢印A1方向にスライドさせ、ブラケット本体部材10のストッパ部13を第2のブラケット5の角穴部6に嵌合させ、アンテナASSY8をブラケット本体部材10に取付ける。この場合、アンテナASSY8をブラケット本体部材10の表面部10aに沿うようにスライドされるに際しては、アーム部15a,15bの先端部に面取り部17a,17bが形成されているので、アンテナASSY8を滑らかにスライドさせることができる。
【0024】
次いで、図4に示すように、アンテナASSY8が取付けられたブラケット本体部材10を矢印A1方向に移動させ、図10に示すように、取付部材11の凸部28a,28bをブラケット本体部材10の凹部20a,20bに嵌合させる。この場合、取付部材11の凸部28a,28bをブラケット本体部材10の凹部20a,20bに嵌合させるに際しては、図11にも示すように、取付部材11の凸部28a,28bに形成されている面取り部29a,29bとブラケット本体部材10の凹部20a,20bに形成されている面取り部21a,21bとが接近するようになるので、取付部材11の凸部28a,28bをブラケット本体部材10の凹部20a,20bに滑らかに嵌合させることができる。
【0025】
次いで、取付部材11の穴24a,24bをブラケット本体部材10の複数の下穴19a,19bのうちいずれかに合わせ、取付部材11をブラケット本体部材10に対して位置決めする。この位置決めは、アンテナ本体11を取付けるインストルメントパネル内部の搭載スペース(取付ボスに対する取付け位置や空間容量)に応じて行う。
【0026】
次いで、図5に示すように、取付部材11をブラケット本体部材10に対して位置決めした状態で、タッピングネジ30a,30bを取付部材11の穴24a,24bとブラケット本体部材10の複数の下穴19a,19のうちいずれかとに挿通して両者をネジ止めし、取付部材11をブラケット本体部材10に対して接合して固着する。この場合、取付部材11とブラケット本体部材10とをネジ止めするに際しては、挙動規制部27a,27bが形成されているので、それら取付部材11とブラケット本体部材10との間でネジの回転方向へのずれを防止することができる。
【0027】
そして、このようにしてアンテナASSY8を第1のブラケット9(ブラケット本体部材10及び取付部材11)に取付けて両者を一体化した状態で、インストルメントパネル内部で取付ボスに対して位置決めし、取付ネジを取付ネジ穴部26a,26bに挿通してネジ止めし、取付部材11を取付ボスに対して接合して固着する。この場合、このようにしてアンテナASSY8がインストルメントパネル内部に取付けられた状態では、アンテナ本体1に内蔵されているETC用のアンテナ素子は、そのアンテナ面が水平面に対して所定角度(例えば約23度)だけ傾斜して配置され、アンテナ本体1に内蔵されているGPS用のアンテナ素子及びVICS用のアンテナ素子は、それらのアンテナ面が水平面に対して略平行に配置される。
【0028】
これ以降、例えば修理などによりアンテナASSY8を取外す場合には、ストッパ部13の角穴部6への嵌合を解除させることにより、アンテナASSY8を第1のブラケット9から取外すことができ、第1のブラケット9をインストルメントパネル内部から取外すことなく、しかも、ドライバーなどの工具を使用することなく、アンテナASSY8をインストルメントパネル内部から容易に取外すことができる。また、アンテナASSY8を再度取付ける場合には、ストッパ部13を角穴部6に嵌合させることにより、アンテナASSY8を第1のブラケット9に取付けることができ、ドライバーなどの工具を使用することなく、アンテナASSY8をインストルメントパネル内部に容易に再度取付けることができる。同様にして、別のアンテナASSY(一旦取外したアンテナASSYとは異なるアンテナASSY)を取付ける場合にも、第2のブラケットが共通であれば、ドライバーなどの工具を使用することなく、別のアンテナASSYをインストルメントパネル内部に容易に取付けることができる。
【0029】
ところで、インストルメントパネル内部にあって取付ボスの取付角度が異なる車種に対応させるためには、図12及び図13に示すように、取付壁部の立上がり角度(図2中「α」、図12及び図13中「β」参照、本実施形態ではα>β)が異なる取付部材31のみを新設すれば良い。
【0030】
以上に説明したように本実施形態によれば、第1のブラケット9のストッパ部13が第2のブラケット5の角穴部6に嵌合されることにより、第2のブラケット5が第1のブラケット9に取付けられると共に、第1のブラケット9のストッパ部13の第2のブラケット5の角穴部6への嵌合が解除されることにより、第2のブラケット5が第1のブラケット9から取外されるように構成したので、ストッパ部13を角穴部6に嵌合させたりストッパ部13の角穴部6への嵌合を解除させたりすることにより、ドライバーなどの工具を使用することなく、第2のブラケット5を第1のブラケット9に取付けたり第1のブラケットから取外したりすることができ、アンテナ本体を車両のインストルメントパネル内部に容易に取付けたり取外したりすることができる。
【0031】
また、第1のブラケット9を取付部材11とブラケット本体部材10とが接合箇所を可変として接合可能に構成したので、インストルメントパネル内部の限られた搭載スペースに合わせて取付部材11とブラケット本体部材10とを接合することにより、車種毎の搭載スペースの相違を解消することができ、ブラケット本体部材10を共通化することにより、車種毎に第1のブラケット9の全体を新設する必要がなく、車種毎に第1のブラケット9よりも表面積が小さい(第1のブラケット9の一構成部品である)取付部材11のみを新設すれば良いので、樹脂型の製造コストを抑制することができ、ひいては製品コストをも抑制することができる。
【0032】
また、取付部材11の凸部28a,28bがブラケット本体部材10の凹部20a,20bに嵌合されることにより、ブラケット本体部材10が取付部材11に取付けられると共に、取付部材11の凸部28a,28bのブラケット本体部材10の凹部20a,20bへの嵌合が解除されることにより、ブラケット本体部材10が取付部材11から取外されるように構成したので、凸部28a,28bを凹部20a,20bに嵌合させたり凸部28a,28bの凹部20a,20bへの嵌合を解除させたりすることにより、ブラケット本体部材10を取付部材11に取付けたり取付部材11から取外したりすることができ
る。
【0033】
また、凸部28a,28bに面取り部29a,29bが形成されると共に凹部20a,20bに面取り部21a,21bが形成され、それら面取り部29a,29bと面取り部21a,21bとが接近するように凸部28a,28bが凹部20a,20bに嵌合されるように構成したので、凸部28a,28bを凹部20a,20bに滑らかに嵌合させることができ、作業性を高めることができる。さらに、挙動規制部27a,27bを形成したので、取付部材11とブラケット本体部材10とをネジ止めする際にネジの回転方向へのずれを防止することができ、取付け精度を高めることができる。
【0034】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
アンテナ本体は、複数のアンテナ素子が内蔵されている構成に限らず、単一のアンテナ素子が内蔵されている構成であっても良い。
ブラケット本体部材に凹部が形成されていると共に取付部材に凸部が形成されている構成に限らず、ブラケット本体部材に凸部が形成されていると共に取付部材に凹部が形成されている構成であっても良い。
インストルメントパネル内部の取付ボスが左右非対称に設けられている場合に対応するように、取付部材が左右非対称の形状に構成されていても良い。また、取付部材が左右で分離されて構成されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、アンテナASSYが第1のブラケットに取付けられている態様を示す斜視図
【図2】アンテナASSYが第1のブラケットから取外されている態様を示す斜視図
【図3】アンテナASSYが第1のブラケットに取付けられる手順を示す斜視図(その1)
【図4】アンテナASSYが第1のブラケットに取付けられる手順を示す斜視図(その2)
【図5】アンテナASSYが第1のブラケットに取付けられる手順を示す斜視図(その3)
【図6】ブラケット本体部材のアーム部の周辺を示す斜視図
【図7】ブラケット本体部材の凸部の周辺を示す斜視図
【図8】ブラケット本体部材を裏側から見た斜視図
【図9】ブラケット本体部材が取付部材に取付けられる手順を示す斜視図(その1)
【図10】ブラケット本体部材が取付部材に取付けられる手順を示す斜視図(その2)
【図11】取付部材の面取り部及びブラケット本体部材の面取り部の周辺を示す縦断側面図
【図12】その他の実施形態を示すもので、取付部材を示す斜視図
【図13】アンテナASSYが第1のブラケットに取付けられている態様を示す斜視図
【符号の説明】
【0036】
図面中、1はアンテナ本体、5は第2のブラケット、6は角穴部(第1の被嵌合部)、8はアンテナASSY、9は第1のブラケット、10はブラケット本体部材、11は取付部材、13はストッパ部(第1の嵌合部)、20a,20bは凹部(第2の被嵌合部)、21a,21bは面取り部、27a,27bは挙動規制部、28a,28bは凸部(第2の嵌合部)、29a,29bは面取り部、30a,30bはタッピングネジ(ネジ)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネル内部に取付け可能に構成されている第1のブラケット及びアンテナ本体を取付け可能に構成されている第2のブラケットのうち一方に第1の嵌合部が形成されると共に他方に第1の被嵌合部が形成され、前記第1の嵌合部が前記第1の被嵌合部に嵌合されることにより、前記第2のブラケットが前記第1のブラケットに取付けられると共に、前記第1の嵌合部の前記第1の被嵌合部への嵌合が解除されることにより、前記第2のブラケットが前記第1のブラケットから取外される車両アンテナの取付け構造であって、
前記第1のブラケットが、車両のインストルメントパネル内部に取付け可能な取付部材と前記第1の嵌合部または前記第1の被嵌合部が形成されているブラケット本体部材とが接合箇所を可変として接合可能に構成されていることを特徴とする車両アンテナの取付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載した車両アンテナの取付け構造において
前記取付部材及び前記ブラケット本体部材うち一方に第2の嵌合部が形成されると共に他方に第2の被嵌合部が形成され、前記第2の嵌合部が前記第2の被嵌合部に嵌合されることにより、前記ブラケット本体部材が前記取付部材に取付けられると共に、前記第2の嵌合部の前記第2の被嵌合部への嵌合が解除されることにより、前記ブラケット本体部材が前記取付部材から取外されることを特徴とする車両アンテナの取付け構造。
【請求項3】
請求項2に記載した車両アンテナの取付け構造において、
前記第2の嵌合部に面取り部が形成されると共に前記第2の被嵌合部に面取り部が形成され、前記第2の嵌合部の前記面取り部と前記第2の被嵌合部の前記面取り部とが接近するように前記第2の嵌合部が前記第2の被嵌合部に嵌合されることを特徴とする車両アンテナの取付け構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載した車両アンテナの取付け構造において、
前記取付部材と前記ブラケット本体部材とがネジ止めて両者が固着されるように構成され、前記取付部材及び前記ブラケット本体部材のうち少なくともいずれかに両者がネジ止めされる際のネジの回転方向への挙動を規制する挙動規制部が形成されていることを特徴とする車両アンテナの取付け構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−94310(P2008−94310A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280172(P2006−280172)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】