説明

車両セキュリティシステム、及び車両用セキュリティ装置

【課題】セキュリティ機能を適切に維持しつつ、特定の場面において第三者による警告の一時的解除を許容することが可能な車両セキュリティシステムを提供すること。
【解決手段】車両に警告対象事象が生じた際に該警告対象事象が生じた旨を監視センターに送信する車両用セキュリティ装置と、前記警告対象事象が発生した旨の受信に応じて警告を携帯端末又はパーソナルコンピュータに送信する監視センターと、前記監視センターと通信可能であり、人による認証動作を受付可能な特定施設と、前記特定施設に前記車両が存在することを確認する確認手段と、を備え、前記確認手段により前記特定施設に前記車両が存在することが確認されたことを条件に、前記車両用セキュリティ装置においてなされる認証動作と、前記特定施設において前記人によりなされる認証動作と、の組み合わせにより警告解除が可能となることを特徴とする、車両セキュリティシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に警告対象事象が生じた際に車両用セキュリティ装置から監視センターにその旨が送信され、これに応じて監視センターからユーザー端末に対して警告が送信される車両セキュリティシステム、及びこれの一部を構成する車両用セキュリティ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の振動や車両を流れる微弱電流の変化を検出することにより、車両ドアのこじ開け等の違法行為を検知し、監視センターにその旨及び車両の現在位置を無線送信する防犯装置についての発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これを受信した監視センター側では、ユーザーの携帯電話等に異常発生を通知したり、警備員が車両の現在位置に急行して車両を確保する等の対応がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−13294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の防犯装置では、車両の修理や整備が行なわれる特定の施設において、修理や整備に伴って車両の振動が生じたり、整備員が車両に触れたりする場面についての考慮がなされていない。
【0005】
従って、修理や整備のために特定の施設に車両を預ける前に、ユーザー自らが防犯装置を非作動状態にするための操作を行なう必要があり、ユーザーが煩わしさを感じる場合が生じる。
【0006】
一方、修理・整備スタッフを含む第三者が容易に防犯装置を非作動状態にすることが可能であるとすれば、現実の盗難現場においても同様に、盗難犯が容易に防犯装置を非作動状態にすることが可能となってしまう。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、セキュリティ機能を適切に維持しつつ、特定の場面において第三者による警告の一時的解除を許容することが可能な車両セキュリティシステム、及び当該車両セキュリティシステムの一部を構成する車両用セキュリティ装置を提供することを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
車両に警告対象事象が生じた際に該警告対象事象が生じた旨を監視センターに送信する車両用セキュリティ装置と、
前記警告対象事象が発生した旨の受信に応じて警告を携帯端末又はパーソナルコンピュータに送信する監視センターと、
前記監視センターと通信可能であり、人による認証動作を受付可能な特定施設と、
前記特定施設に前記車両が存在することを確認する確認手段と、を備え、
前記確認手段により前記特定施設に前記車両が存在することが確認されたことを条件に、前記車両用セキュリティ装置においてなされる認証動作と、前記特定施設において前記人によりなされる認証動作と、の組み合わせにより警告解除が可能となることを特徴とする、
車両セキュリティシステムである。
【発明の効果】
【0009】
一実施態様によれば、セキュリティ機能を適切に維持しつつ、特定の場面において第三者による警告の一時的解除を許容することが可能な車両セキュリティシステム、及び当該車両セキュリティシステムの一部を構成する車両用セキュリティ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】車両セキュリティシステム1の全体構成の一例を示す図である。
【図2】セキュリティ装置用ECU20がROMに記憶されたプログラムをCPUがRAM上に展開して実行することにより機能する主要な機能ブロックと、これらに関する情報通信の流れを示す図である。
【図3】第1実施例の車両セキュリティシステム1における、警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】第1実施例の車両セキュリティシステム1における、警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図の他の例である。
【図5】第2実施例の車両セキュリティシステム1における、警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【図6】第2実施例の車両セキュリティシステム1における、警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図の他の例である。
【図7】第3実施例の車両セキュリティシステム1における、警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【図8】第4実施例の車両セキュリティシステム1における、警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例】
【0012】
[第1実施例]
以下、本発明の第1実施例に係る車両セキュリティシステム1について説明する。図1は、車両セキュリティシステム1の全体構成の一例を示す図である。車両セキュリティシステム1は、主要な構成として、車両用セキュリティ装置10と、監視センター70と、ユーザー端末80と、特定施設90と、を備える。なお、車両用セキュリティ装置10、ユーザー端末80、及び特定施設90は、それぞれ単独のものとして図示したが、現実には、複数のユーザーにセキュリティサービスを提供する(従って、ユーザー数と同数の車両用セキュリティ装置10及びユーザー端末80がそれぞれ存在する)ことが想定され、また、特定施設90も各地に点在することが想定される。
【0013】
車両用セキュリティ装置10は、セキュリティ装置用ECU(Electronic Control Unit)20を中心に通信可能に構成され、警告対象事象検知用センサー30と、通信装置40と、入出力装置50と、ナビゲーション装置60と、を備える。なお、これらの機器間の通信は、CAN(Controller Area Network)やBEAN、AVC−LAN、FlexRay等の適切な通信プロトコルを用いて行なわれる。
【0014】
セキュリティ装置用ECU20は、例えば、CPUを中心としてROMやRAM等がバスを介して相互に接続されたコンピューターユニットであり、その他、ハードディスクやDVD(Digital Versatile Disk)等の記憶媒体やI/Oポート、タイマー、カウンター等を備える。なお、ROMには、CPUが実行するプログラムやデータが格納されている。セキュリティ装置用ECU20には、ROMに記憶されたプログラムをCPUがRAM上に展開(ロード)して実行することにより、後述する種々の機能を発揮する。また、記憶媒体には、車両IDが記憶されている。
【0015】
警告対象事象検知用センサー30は、例えば、レッカーを用いた車両盗難や工具を用いたこじ開けに伴って生じる車両の振動・傾きを検出するためのGセンサーや、車速センサー、車両が駐車中であるか否かを判別するためのイグニッションセンサー、エンジン回転数を出力するエンジンコントロールコンピューター、車両に微弱電流を流して静電容量の変化により車両に人が触れたことを検知するための送電装置等、種々のものを含む。警告対象事象検知用センサー30は、それぞれの検出データをセキュリティ装置用ECU20に送信する。
【0016】
通信装置40は、監視センター70との間で種々の情報を送受信する。通信装置40と監視センター70との通信は、例えば、無線基地局100及びネットワーク110を介して行なわれる。すなわち、通信装置40と無線基地局100との間では、携帯電話網、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、衛星電話、ビーコン等を利用した無線通信が行なわれる。また、無線基地局100と監視センター70を接続するネットワーク110は、例えば、公衆電話交換網(PSTN)やデジタル通信ネットワーク(ISDN)、光ファイバ等の有線ネットワークである。従って、通信装置40は、例えば、データ通信アンテナや通信モジュール等からなる。また、Bluetooth(登録商標)対応の携帯電話機が用いられてもよいし、機械的に携帯電話を連結して用いてもよい。更に、上記以外の通信態様に適用するものとして、ビーコン送受信機やFM多重放送受信機を含んでもよい。
【0017】
入出力装置50は、例えば、タッチパネルとして構成された液晶ディスプレイ装置等が用いられる。また、専用のタッチパネルセンサーを備えてもよいし、網膜/静脈スキャン装置や音声認識装置等の本人確認用装置、メカニカルスイッチを更に備えてもよい。入出力装置50になされた入力操作はセキュリティ装置用ECU20に送信され、入出力装置50の出力内容はセキュリティ装置用ECU20により決定される。
【0018】
ナビゲーション装置60は、GPSアンテナや、地図情報を記憶したメモリ、上記入出力装置50との共用に係る液晶ディスプレイ装置、スピーカー、専用コンピューター等を備える周知の車載ナビゲーション装置である。ナビゲーション装置60は、GPSアンテナが受信したGPS信号の時間差に基づく演算により車両の現在位置(緯度、経度、高度)を特定し、特定された車両の現在位置からユーザーが入力した目的地に至る推奨経路を設定して、液晶ディスプレイ装置やスピーカーを用いた経路案内を行なう。また、ナビゲーション装置60は、当該特定された車両の現在位置を、例えば所定時間毎にセキュリティ装置用ECU20に送信している(この車両の現在位置の送信は、車両の駐車中であっても、例えば+B電源を用いて定期的に行なわれる)。
【0019】
監視センター70は、例えば警告対象の車両の保有者(=ユーザー)が契約した警備会社の設備であり、上記の如くネットワーク110に接続されている。監視センター70は、車両IDとユーザー端末80とが対応付けられて記憶されたデータベース72や、送受信設備、情報処理用コンピューター等を備える。また、データベース72には、後述する特定施設90の位置情報が施設IDと共に記憶されている。
【0020】
ユーザー端末80は、例えばユーザー保有の携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance;個人用携帯情報端末)、ノートパソコン等が用いられ、無線基地局100を介してネットワーク110に接続される。ユーザー端末80は、車両セキュリティシステム1の性質上、ユーザーが携帯可能であることが望ましいが、ユーザー保有のデスクトップパソコン等が用いられても差し支えない。
【0021】
特定施設90は、修理や整備を行なうための商業施設又は公的施設であり、ネットワーク110に接続された認証用端末92が設置されている。
【0022】
以下、車両セキュリティシステム1及び車両用セキュリティ装置10のセキュリティ機能について説明する。図2は、セキュリティ装置用ECU20がROMに記憶されたプログラムをCPUがRAM上に展開して実行することにより機能する主要な機能ブロックと、これらに関する情報通信の流れを示す図である。セキュリティ装置用ECU20は、主要な機能ブロックとして、警告対象事象検知部22と、警告解除処理部24と、通信制御部26と、を備える。
【0023】
警告対象事象検知部22は、前述した警告対象事象検知用センサー30の検出データを参照して、車両に警告対象事象、すなわち車両自体や車両内の荷物の盗難が発生したと疑われるような事象が発生したことを検知する。例えば、イグニッションスイッチがオフの状態となった、或いはエンジン停止信号をエンジンコントロールコンピューターから受信したこと等をもって車両が駐車中であると判断し、車両が駐車中にGセンサーが閾値以上の振動・傾き(レッカーを用いた車両盗難や工具を用いたこじ開けの際等に発生しうる)を検出した場合に、警告対象事象が発生したことを検知する。また、車両が駐車中に所定時間以上の間、人が車両に触れていることを前述の送電装置が検出した場合にも、警告対象事象が発生したことを検知する。
【0024】
そして、警告対象事象検知部22は、警告対象事象が発生したことを検知すると通信制御部26にその旨を出力する。通信制御部26は、通信装置40に指示することにより、警告対象事象が発生した旨の情報を車両IDと共に監視センター70に送信する(この際に、ナビゲーション装置60が特定した車両の現在位置を併せて送信してもよい)。
【0025】
監視センター70では、送受信設備により警告対象事象が発生した旨の情報及び車両IDを受信すると、情報処理用コンピューターが車両IDを用いてデータベースを参照し、当該車両の保有者(ユーザー)に対応付けられたユーザー端末80を特定する。そして、特定されたユーザー端末80に対して車両盗難等が発生した疑いがあるとの旨の警告を送信する。こうすることにより、ユーザーは駐車中の車両に車両盗難等が発生した疑いがあることを速やかに知ることができ、警察への通報等、適切な処置をとることができる。また、車両の現在位置が判明していれば、当該車両付近に存在する警備会社のスタッフが現場に急行したり、警察にその位置を通報したりするような処置も可能である。
【0026】
なお、警告対象事象検知部22は、入出力装置50に対してユーザーが行なう所定の入力操作(パスワード入力や網膜/静脈スキャン、音声認識等の本人確認を含むことがセキュリティ上望ましい)により、その機能の起動及び停止が行なわれる。
【0027】
ところで、通常の駐車時においては、適切に車両盗難等が発生した疑いがあることを検知してユーザー端末80への警告送信が行なわれるのであるが、修理や整備のために特定の施設に車両を預けた際には、例外として当該警告機能を一時的に解除する必要が生じる。なぜなら、修理や整備に伴って車両の振動が生じたり、整備員が長時間車両に触れたりすることが想定されるため、その都度ユーザー端末80に警告送信がなされるのは無駄だからである。
【0028】
しかしながら、修理や整備のために特定の施設に車両を預ける前に、ユーザー自らが警告機能の解除(以下、警告解除と称する)を行なうものとすれば、ユーザーが煩わしさを感じる場合が生じる。上記の如く、警告解除の際には本人確認等の動作を要求するのが現実的だからである。
【0029】
従って、第三者(例えば修理・整備スタッフ等)が警告解除を代行することが、カスタマーサービスの観点から望ましい。ところが、当該警告解除の代行に係る停止操作が簡易なものであると、セキュリティ上の問題が生じる。現実の盗難現場において、盗難犯が容易に警告解除を行なうことが可能となってしまうからである。
【0030】
そこで、本実施例では、警告解除処理部24、認証用端末92、及び監視センター70の特徴的な協働処理により、第三者による警告機能の一時的停止を許容することとした。
【0031】
図3は、こうした警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、入力装置50に対して警告解除要求が入力されたときに開始される。なお、以下の説明において警告解除処理部24が送受信を行なう場合、実際には通信制御部26及び通信装置40を介して行なうのであるが、簡略化のためにこうした記載を省略する(後述する第2〜第4実施例においても同じ)。
【0032】
警告解除要求の入力は、車両が預けられた特定施設90の修理・整備スタッフが行なうことを想定している。従って、車両が適法に預けられたことの確認を得るために、警告解除要求の入力は、車両キーを必要とするACCオンの状態となっていること等を条件とすると好適である。また、特定施設90の正規なスタッフであることの確認を得るために、スタッフIDの入力や通信・カメラ等による認証が行なわれてもよい(これらの照合は、車両用セキュリティ装置10において行なわれてもよいし、通信を介して監視センター70において行なわれてもよい)。
【0033】
まず、警告解除処理部24は、認証用端末92において入力すべきワンタイムパスワードを要求するリクエスト信号を、車両ID及び車両の現在位置と共に監視センター70に送信する(S100)。ここで、ワンタイムパスワードは、警告解除に必要な情報であって、当該回の警告解除においてのみ有効なパスワードである。なお、車両IDについては、特定施設90においてナンバープレートの撮像が行なわれること等により補完されてよい。
【0034】
これらを受信した監視センター70は、車両IDの照合や車両の現在位置に相当する位置に設置された特定施設90の検索を行なって、一致する特定施設90が存在する場合には、ワンタイムパスワードの生成及び特定施設90の特定を行なう(S102)。そして、生成したワンタイムパスワードを車両IDにより特定された車両に搭載された車両用セキュリティ装置10に送信する(S104)。
【0035】
なお、一致する特定施設90が存在しない場合には、エラー信号を車両用セキュリティ装置10に送信して処理を停止する。この際に、違法な第三者により警告解除要求がなされた、すなわち盗難が発生している可能性もあり得るため、対応するユーザー端末80に対して警告を送信してもよい。
【0036】
ワンタイムパスワードを受信すると、警告解除処理部24は、これを呈示するように入出力装置50に指示する(S106)。
【0037】
認証用端末92は、特定施設の正規なスタッフであることを認証可能な何らかの認証動作(ログインIDの入力や、認証用端末92が設置された部屋への入室IDの入力等)により、ワンタイムパスワードの入力が受付可能な状態となる(S108)。そして、ワンタイムパスワードは、入出力装置50において呈示されたものを見た(或いは聞いた)特定施設90の修理・整備スタッフにより、認証用端末92に入力される(S110)。
【0038】
そして、認証用端末92は、入力されたワンタイムパスワードを当該特定施設の施設IDと共に監視センター70に送信する(S112)。
【0039】
これらを受信した監視センター70は、ワンタイムパスワードの照合、及びS102において特定された特定施設90と受信した施設IDとの照合を行なう(S114)。そして、ワンタイムパスワード及び特定施設90が一致すると、警報解除許可信号を該当する車両用セキュリティ装置10に送信する(S116)。
【0040】
以上の処理において全ての照合が一致した場合、(1)車両が特定施設90に適法に預けられたことの確認、(2)特定施設90の正規スタッフが警告解除に係る操作を行なっていることの確認、(3)車両の特定がなされたと考えられる。すなわち、GPS等により特定された車両の現在位置と、ワンタイムパスワードが入力された特定施設90の位置が一致していること(また、更には警告解除要求の入力がACCオンを条件とすること)により、上記(1)が確認される。また、認証用端末92のログインIDの入力等により上記(2)が確認される。そして、車両の特定は車両IDの照合により行なわれる。従って、車両が預けられた特定施設90の正規スタッフでない者が、不法に警報解除を行なおうとしているという可能性は低いものと考えられる。そこで、これらを満たすことを条件に、警報解除を許可することとした。なお、S106のワンタイムパスワードの呈示からS110のワンタイムパスワードの入力までの間に時間制限を設けることが現実的である。
【0041】
警報解除許可信号を受信すると、警告解除処理部24は、警報解除可能状態となったことを呈示するように入出力装置50に指示する(S118)。そして、入出力装置50に対して警告解除指示が入力されると(S120)、監視センター70に警告解除指示を送信する(S122)。ここで、警告解除指示の入力の際に固定パスワードの入力等を要求するようにすると、セキュリティ強化の面で更に好適である。
【0042】
警告解除指示を受信した監視センター70は、例えば所定時間経過するまでの間(或いは、警告再開指示がなされるまで、所定時間経過するか警告再開指示がなされるまで、入力設定された時間が経過するまで、監視センター70の処理フローにおける所定回数分のルーチンが経過するまで、所定速度以上の車速が検出されるまで、エンジン等の駆動機関が作動するまで、等であってもよい)、当該車両に関してはユーザー端末80への警告送信を行なわないように決定する(S124)。すなわち、車両セキュリティシステム1を一時的に警告解除状態とする。
【0043】
このように、本実施例の車両セキュリティシステム1によれば、GPS等により特定された車両の現在位置とワンタイムパスワードが入力された特定施設90の位置が一致していること等により車両が特定施設90に適法に預けられたことを確認し、認証用端末92のログインIDの入力等により特定施設90の正規スタッフが警告解除に係る操作を行なっていることを確認した上で、警告解除が許可される。従って、車両が預けられた特定施設90の正規スタッフでない者が不法に警報解除を行なおうとしているという可能性を低減しつつ、特定施設90の正規スタッフが警告の一時的解除を行なうことができる。すなわち、セキュリティ機能を適切に維持しつつ、特定の場面において第三者による警告の一時的解除を許容することができるのである。これにより、ユーザーが車両を修理・整備等のために預けた際に自ら操作を行なう必要がなくなるため、ユーザーが煩わしさを感じることがなく、カスタマーサービスを向上させることができる。
【0044】
なお、警報解除許可信号が送信され、警告解除指示の入力がなされるのは、車両用セキュリティ装置10の入出力装置50ではなく、認証用端末92であってもよい。例えば、図4のシーケンス図に示す如くである。
【0045】
また、特定施設90の位置情報は、セキュリティ装置用ECU20の記憶媒体に記憶され、警告解除要求の入力時に車両の現在位置と特定施設90の位置を照合して、一致しなければ監視センター70へのリクエスト信号送信を行なわないものとしてもよい。
【0046】
[第2実施例]
以下、本発明の第2実施例に係る車両セキュリティシステム2について説明する。車両セキュリティシステム2は、ハードウエア構成において第1実施例の車両セキュリティシステム1と共通するため、各構成要素についての説明を省略する(図1及び図2参照)。
【0047】
本実施例の車両セキュリティシステム2が第1実施例の車両セキュリティシステム1と異なるのは、警告解除に係る警告解除処理部24、認証用端末92、及び監視センター70の特徴的な協働処理においてである。図5は、こうした警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、認証用端末92に対して警告解除要求が入力されたときに開始される。
【0048】
警告解除要求の入力は、車両が預けられた特定施設90の修理・整備スタッフが行なうことを想定している。特定施設90の正規なスタッフであることの確認を得るために、何らかの認証動作(ログインIDの入力や、認証用端末92が設置された部屋への入室IDの入力、専用キーの使用等)が行なわれる(これらの照合は、認証用端末92において行なわれてもよいし、通信を介して監視センター70において行なわれてもよい)。そして、警告解除要求の際には、車両を特定するための情報(登録ナンバー等)が併せて入力される。
【0049】
まず、認証用端末92は、入出力装置50に対して入力すべきワンタイムパスワードを要求するリクエスト信号を、上記車両を特定するための情報と共に監視センター70に送信する(S200)。ここで、ワンタイムパスワードは、警告解除に必要な情報であって、当該回の警告解除においてのみ有効なパスワードである。なお、ナンバープレートを撮像等して車両の特定に寄与してもよい。
【0050】
これらを受信した監視センター70は、受信した車両を特定するための情報に基づいて預けられた車両を特定すると共にワンタイムパスワードを生成する(S202)。送信元である特定施設90が特定されているのは言うまでもない。そして、生成したワンタイムパスワードを、当該特定された特定施設90内の認証用端末92に送信する(S204)。
【0051】
なお、車両の特定ができなかった場合には、エラー信号を認証用端末92に送信して処理を停止する。
【0052】
ワンタイムパスワードを受信すると、認証用端末92は、これを呈示する(S206)。
【0053】
入出力装置50は、車両キーによるACCオン動作等により、ワンタイムパスワードの入力が受付可能な状態となる(S208)。そして、ワンタイムパスワードは、認証用端末92において呈示されたものを見た(或いは聞いた)特定施設90の修理・整備スタッフにより、入出力装置50に入力される(S210)。
【0054】
そして、警告解除処理部24は、入出力装置50に対して入力されたワンタイムパスワードを車両ID及び車両の現在位置と共に監視センター70に送信する(S212)。
【0055】
これらを受信した監視センター70は、ワンタイムパスワードの照合、及びS202において特定された車両と車両IDの照合、車両の現在位置と特定施設90の位置の照合を行なう(S214)。そして、ワンタイムパスワード、車両と車両ID、及び車両の現在位置と特定施設90の位置が一致すると、警報解除許可信号を該当する認証用端末92に送信する(S216)。
【0056】
以上の処理において全ての照合が一致した場合、(1)車両が特定施設90に適法に預けられたことの確認、(2)特定施設90の正規スタッフが警告解除に係る操作を行なっていることの確認、(3)車両の特定がなされたと考えられる。すなわち、GPS等により特定された車両の現在位置と、警告解除要求が入力された特定施設90の位置が一致していること(また、更にワンタイムパスワードの入力がACCオンを条件とすること)により、上記(1)が確認される。また、認証用端末92のログインIDの入力等により上記(2)が確認される。そして、車両の特定は車両IDの照合により行なわれる。従って、車両が預けられた特定施設90の正規スタッフでない者が、不法に警報解除を行なおうとしているという可能性は低いものと考えられる。そこで、これらを満たすことを条件に、警報解除を許可することとした。なお、S206のワンタイムパスワードの呈示からS210のワンタイムパスワードの入力までの間に時間制限を設けることが現実的である。
【0057】
警報解除許可信号を受信すると、認証用端末92は、警報解除可能状態となったことを呈示する(S218)。そして、警告解除指示が入力されると(S220)、監視センター70に警告解除指示を送信する(S222)。ここで、警告解除指示の入力の際に固定パスワードの入力等を要求するようにすると、セキュリティ強化の面で更に好適である。
【0058】
警告解除指示を受信した監視センター70は、例えば所定時間経過するまでの間(或いは、警告再開指示がなされるまで、所定時間経過するか警告再開指示がなされるまで、入力設定された時間が経過するまで、監視センター70の処理フローにおける所定回数分のルーチンが経過するまで、所定速度以上の車速が検出されるまで、エンジン等の駆動機関が作動するまで、等であってもよい)、当該車両に関してはユーザー端末80への警告送信を行なわないように決定する(S224)。すなわち、車両セキュリティシステム2を一時的に警告解除状態とする。
【0059】
このように、本実施例の車両セキュリティシステム2によれば、GPS等により特定された車両の現在位置とワンタイムパスワードが入力された特定施設90の位置が一致していること等により車両が特定施設90に適法に預けられたことを確認し、認証用端末92のログインIDの入力等により特定施設90の正規スタッフが警告解除に係る操作を行なっていることを確認した上で、警告解除が許可される。従って、車両が預けられた特定施設90の正規スタッフでない者が不法に警報解除を行なおうとしているという可能性を低減しつつ、特定施設90の正規スタッフが警告の一時的解除を行なうことができる。すなわち、セキュリティ機能を適切に維持しつつ、特定の場面において第三者による警告の一時的解除を許容することができるのである。これにより、ユーザーが車両を修理・整備等のために預けた際に自ら操作を行なう必要がなくなるため、ユーザーが煩わしさを感じることがなく、カスタマーサービスを向上させることができる。
【0060】
なお、警報解除許可信号が送信され、警告解除指示の入力がなされるのは、認証用端末92ではなく、車両用セキュリティ装置10の入出力装置50であってもよい。例えば、図6のシーケンス図に示す如くである。
【0061】
[第3実施例]
以下、本発明の第3実施例に係る車両セキュリティシステム3について説明する。車両セキュリティシステム3は、ハードウエア構成において第1実施例の車両セキュリティシステム1と共通するため、各構成要素についての説明を省略する(図1及び図2参照)。
【0062】
本実施例の車両セキュリティシステム3が第1実施例の車両セキュリティシステム1と異なるのは、警告解除に係る警告解除処理部24、認証用端末92、及び監視センター70の特徴的な協働処理においてである。図7は、こうした警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、入力装置50に対して警告解除要求が入力されたときに開始される。
【0063】
警告解除要求の入力は、車両が預けられた特定施設90の修理・整備スタッフが行なうことを想定している。従って、車両が適法に預けられたことの確認を得るために、警告解除要求の入力は、車両キーを必要とするACCオンの状態となっていること等を条件とすると好適である。また、特定施設90の正規なスタッフであることの確認を得るために、スタッフIDの入力や通信・カメラ等による認証が行なわれてもよい(これらの照合は、車両用セキュリティ装置10において行なわれてもよいし、通信を介して監視センター70において行なわれてもよい)。
【0064】
まず、警告解除処理部24は、入出力装置50に対して入力すべきワンタイムパスワードを要求するリクエスト信号を、車両ID及び車両の現在位置と共に監視センター70に送信する(S300)。ここで、ワンタイムパスワードは、警告解除に必要な情報であって、当該回の警告解除においてのみ有効なパスワードである。なお、車両IDについては、特定施設90においてナンバープレートの撮像が行なわれること等により補完されてよい。
【0065】
これらを受信した監視センター70は、車両IDの照合や車両の現在位置に相当する位置に設置された特定施設90の検索を行なって、一致する特定施設90が存在する場合には、ワンタイムパスワードの生成及び特定施設90の特定を行なう(S302)。そして、生成したワンタイムパスワードを車両IDにより特定された車両に搭載された車両用セキュリティ装置10に送信する(S304)。
【0066】
なお、一致する特定施設90が存在しない場合には、エラー信号を車両用セキュリティ装置10に送信して処理を停止する。この際に、違法な第三者により警告解除要求がなされた、すなわち盗難が発生している可能性もあり得るため、対応するユーザー端末80に対して警告を送信してもよい。
【0067】
ワンタイムパスワードを受信すると、警告解除処理部24は、これを呈示するように入出力装置50に指示する(S306)。そして、ワンタイムパスワードは、特定施設90の修理・整備スタッフにより、特定施設90の施設IDと共に入出力装置50に対して入力され(S308)、警告解除処理部24は、入力されたワンタイムパスワード及び施設IDを監視センター70に送信する(S310)。
【0068】
これらを受信した監視センター70は、ワンタイムパスワードの照合、及びS302において特定された特定施設90と受信した施設IDとの照合を行なう(S312)。そして、ワンタイムパスワード及び特定施設90が一致すると、警報解除指示受付信号を該当する認証用端末92に送信する(S314)。なお、S306のワンタイムパスワードの呈示からS310のワンタイムパスワードの入力までの間に時間制限を設けることが現実的である。
【0069】
警報解除指示受付信号を受信すると、認証用端末92は、警報解除指示受付状態となったことを呈示する(S316)。認証用端末92は、予め特定施設の正規なスタッフであることを認証可能な何らかの認証動作(ログインIDの入力や、認証用端末92が設置された部屋への入室IDの入力等)により、情報の視聴や入力操作が可能な状態となっている。そして、警告解除指示が入力されると(S318)、監視センター70に警告解除指示を送信する(S320)。ここで、警告解除指示の入力の際に固定パスワードの入力等を要求するようにすると、セキュリティ強化の面で更に好適である。
【0070】
警告解除指示を受信した監視センター70は、車両の現在位置と特定施設90の位置の照合を行なって、車両が適法に特定施設90に預けられたことの確認が得られたことを条件に、車両セキュリティシステム3を一時的に警告解除状態とする(S322)。すなわち、例えば所定時間経過するまでの間(或いは、警告再開指示がなされるまで、所定時間経過するか警告再開指示がなされるまで、入力設定された時間が経過するまで、監視センター70の処理フローにおける所定回数分のルーチンが経過するまで、所定速度以上の車速が検出されるまで、エンジン等の駆動機関が作動するまで、等であってもよい)、当該車両に関してはユーザー端末80への警告送信を行なわないように決定する。
【0071】
このように、本実施例の車両セキュリティシステム3によれば、GPS等により特定された車両の現在位置と警告解除指示が入力された特定施設90の位置が一致していること等により車両が特定施設90に適法に預けられたことを確認し、認証用端末92のログインIDの入力等により特定施設90の正規スタッフが警告解除に係る操作を行なっていることを確認した上で、警告解除がなされる。従って、車両が預けられた特定施設90の正規スタッフでない者が不法に警報解除を行なおうとしているという可能性を低減しつつ、特定施設90の正規スタッフが警告の一時的解除を行なうことができる。すなわち、セキュリティ機能を適切に維持しつつ、特定の場面において第三者による警告の一時的解除を許容することができるのである。これにより、ユーザーが車両を修理・整備等のために預けた際に自ら操作を行なう必要がなくなるため、ユーザーが煩わしさを感じることがなく、カスタマーサービスを向上させることができる。
【0072】
[第4実施例]
以下、本発明の第4実施例に係る車両セキュリティシステム3について説明する。車両セキュリティシステム4は、ハードウエア構成において第1実施例の車両セキュリティシステム1と共通するため、各構成要素についての説明を省略する(図1及び図2参照)。
【0073】
本実施例の車両セキュリティシステム4が第1実施例の車両セキュリティシステム1と異なるのは、警告解除に係る警告解除処理部24、認証用端末92、及び監視センター70の特徴的な協働処理においてである。図8は、こうした警告解除に係る処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、認証用端末92に対して警告解除要求が入力されたときに開始される。
【0074】
警告解除要求の入力は、車両が預けられた特定施設90の修理・整備スタッフが行なうことを想定している。特定施設90の正規なスタッフであることの確認を得るために、何らかの認証動作(ログインIDの入力や、認証用端末92が設置された部屋への入室IDの入力、専用キーの使用等)が行なわれる(これらの照合は、認証用端末92において行なわれてもよいし、通信を介して監視センター70において行なわれてもよい)。そして、警告解除要求の際には、車両を特定するための情報(登録ナンバー等)が併せて入力される。
【0075】
まず、認証用端末92は、自身に入力すべきワンタイムパスワードを要求するリクエスト信号を、上記車両を特定するための情報と共に監視センター70に送信する(S400)。ここで、ワンタイムパスワードは、警告解除に必要な情報であって、当該回の警告解除においてのみ有効なパスワードである。なお、ナンバープレートを撮像等して車両の特定に寄与してもよい。
【0076】
これらを受信した監視センター70は、受信した車両を特定するための情報に基づいて預けられた車両を特定すると共にワンタイムパスワードを生成する(S402)。送信元である特定施設90が特定されているのは言うまでもない。そして、生成したワンタイムパスワードを、当該特定された特定施設90内の認証用端末92に送信する(S404)。
【0077】
なお、車両の特定ができなかった場合には、エラー信号を認証用端末92に送信して処理を停止する。
【0078】
ワンタイムパスワードを受信すると、認証用端末92は、これを呈示する(S406)。そして、ワンタイムパスワードは、特定施設90の修理・整備スタッフにより認証用端末92に入力され(S408)、認証用端末92は、入力されたワンタイムパスワードを監視センター70に送信する(S410)。
【0079】
これらを受信した監視センター70は、ワンタイムパスワードの照合を行なう(S412)。そして、ワンタイムパスワードが一致すると、警報解除指示受付信号を上記の如く特定された車両に搭載された車両用セキュリティ装置10に送信する(S414)。なお、S406のワンタイムパスワードの呈示からS410のワンタイムパスワードの入力までの間に時間制限を設けることが現実的である。
【0080】
警報解除指示受付信号を受信すると、警告解除処理部24は、警報解除指示受付状態となったことを呈示するように入出力装置50に指示する(S416)。そして、入出力装置50に対して警告解除指示が入力されると(S418)、監視センター70に警告解除指示を車両ID及び車両の現在位置と共に送信する(S420)。ここで、警告解除指示の入力の際に固定パスワードの入力等を要求するようにすると、セキュリティ強化の面で更に好適である。
【0081】
警告解除指示を受信した監視センター70は、車両IDによる車両の照合、及び車両の現在位置と特定施設90の位置の照合を行なって、車両が適法に特定施設90に預けられたことの確認が得られたことを条件に、車両セキュリティシステム4を一時的に警告解除状態とする(S422)。すなわち、例えば所定時間経過するまでの間(或いは、警告再開指示がなされるまで、所定時間経過するか警告再開指示がなされるまで、入力設定された時間が経過するまで、監視センター70の処理フローにおける所定回数分のルーチンが経過するまで、所定速度以上の車速が検出されるまで、エンジン等の駆動機関が作動するまで、等であってもよい)、当該車両に関してはユーザー端末80への警告送信を行なわないように決定する。
【0082】
このように、本実施例の車両セキュリティシステム4によれば、GPS等により特定された車両の現在位置とワンタイムパスワードが入力された特定施設90の位置が一致していること等により車両が特定施設90に適法に預けられたことを確認し、認証用端末92のログインIDの入力等により特定施設90の正規スタッフが警告解除に係る操作を行なっていることを確認した上で、警告解除がなされる。従って、車両が預けられた特定施設90の正規スタッフでない者が不法に警報解除を行なおうとしているという可能性を低減しつつ、特定施設90の正規スタッフが警告の一時的解除を行なうことができる。すなわち、セキュリティ機能を適切に維持しつつ、特定の場面において第三者による警告の一時的解除を許容することができるのである。これにより、ユーザーが車両を修理・整備等のために預けた際に自ら操作を行なう必要がなくなるため、ユーザーが煩わしさを感じることがなく、カスタマーサービスを向上させることができる。
【0083】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0084】
例えば、警告の一時的解除の具体的手法として、監視センター70が警告送信を停止することを例示したが、これに限られず、(1)車両用セキュリティ装置10において警告対象事象検知部22の機能停止を行なうものであってもよい。また、(2)警告の送信先を、例えば認証用端末92に変更するものであってもよい。こうすれば、警告の一時的解除が機能していることを特定施設90のスタッフが監視することができ、システムが正常に作動しているか否かをチェックすることができる。また、(3)警告の文言を変更するものであってもよい。この場合、送信先はユーザー端末80であっても認証用端末92であってもよいが、ユーザー端末80に送信する場合、警告の一時的解除が機能していることをユーザーが監視することができる。
【0085】
また、車両が特定施設90に存在することの確認は、GPS信号による車両の現在位置と特定施設90の位置の照合に限られず、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communication)やBluetooth等の短距離通信により、車両と特定施設90の間で存在確認が行なわれてもよい。また、ナンバープレートや車両外観を特定施設90が備えるカメラにより撮像して監視センター70に送信し、照合を行なってもよい。また、ユーザー所有の電子キーが特定施設90において照合されてもよい。従って、ナビゲーション装置60に代えて(又は、加えて)こうした確認用設備を備えるものとしてよい。
【0086】
なお、車両が特定施設90に存在することの確認は、必ずしも必須の動作ではない。これを省略しても、特定施設90と車両用セキュリティ装置10との双方にアクセスしなければ警告の一時的解除ができない仕組みであるため、十分にセキュリティ性が高いと考えられるからである。
【0087】
また、ナビゲーション装置60を備える構成である場合、セキュリティ装置用ECU
20は、ナビゲーション装置60の専用コンピューターに統合されてよい。
【0088】
また、セキュリティ装置用ECU車両に搭載された他の制御装置等に統合されてもよい。
【0089】
また、車両の現在位置と特定施設90の位置の一致等、種々の条件を全て満たす場合に警告の一時的解除を行なうものとしたが、一部の条件を満たさない場合は、文言変更のみ可能であるようにしてもよい。例えば、何らかの理由によりGPS装置が正常に機能していない場合や、特定施設90のスタッフが固定パスワードを忘れた場合等において、警告文言を変更することにより、ユーザーは車両を預けた覚えがなければ盗難等であると判断できるし、車両を預けた覚えがあれば盗難等でないと判断できる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、自動車製造業や自動車部品製造業等に利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1、2、3、4 車両セキュリティシステム
10 車両用セキュリティ装置
20 セキュリティ装置用ECU
22 警告対象事象検知部
24 警告解除処理部
26 通信制御部
30 警告対象事象検知用センサー
40 通信装置
50 入出力装置
60 ナビゲーション装置
70 監視センター
72 データベース
80 ユーザー端末
90 特定施設
92 認証用端末
100 無線基地局
110 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に警告対象事象が生じた際に該警告対象事象が生じた旨を監視センターに送信する車両用セキュリティ装置と、
前記警告対象事象が発生した旨の受信に応じて警告を携帯端末又はパーソナルコンピュータに送信する監視センターと、
前記監視センターと通信可能であり、人による認証動作を受付可能な特定施設と、
前記特定施設に前記車両が存在することを確認する確認手段と、を備え、
前記確認手段により前記特定施設に前記車両が存在することが確認されたことを条件に、前記車両用セキュリティ装置においてなされる認証動作と、前記特定施設において前記人によりなされる認証動作と、の組み合わせにより警告解除が可能となることを特徴とする、
車両セキュリティシステム。
【請求項2】
車両に警告対象事象が生じた際に該警告対象事象が生じた旨を監視センターに送信する車両用セキュリティ装置と、
前記警告対象事象が発生した旨の受信に応じて警告を携帯端末又はパーソナルコンピュータに送信する監視センターと、
前記監視センターと通信可能であり、人による認証動作又は警告停止指示動作を受付可能な特定施設と、
前記特定施設に前記車両が存在することを確認する確認手段と、を備え、
前記確認手段により前記特定施設に前記車両が存在することが確認されたことを条件に、前記車両用セキュリティ装置と前記特定施設とのうちいずれか一方においてなされる認証動作と、他方においてなされる警告停止指示動作と、の組み合わせにより警告解除がなされることを特徴とする、車両セキュリティシステム。
【請求項3】
前記監視センター、前記ユーザー端末、及び前記特定施設と共に請求項2に記載の車両セキュリティシステムを構成する車両用セキュリティ装置であって、
入力操作を受け付ける入力操作受付手段を備え、
該入力操作受付手段は、前記特定施設において所定の認証動作がなされた場合に、警告解除を指示する入力が可能となることを特徴とする、車両用セキュリティ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−216233(P2012−216233A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−141345(P2012−141345)
【出願日】平成24年6月22日(2012.6.22)
【分割の表示】特願2006−275581(P2006−275581)の分割
【原出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】