説明

車両乗降補助装置

【課題】安価にしてコンパクトに取り付けることができる車両昇降補助装置を提供する。
【解決手段】車両1の天井に設けられる長尺状のフレーム3と、フレーム3に一端が固定され、伸縮ロッド7の先端がフレーム3に沿って移動可能に設けられたガスダンパー6と、ガスダンパー6の他端が固定されガスダンパー6の伸張により引張力を受けるベルト8と、ベルト8の他端に設ける吊り具を備える。ガスダンパー6の伸張によりベルト8に引張力が発生し、この引張力により乗員を持ち上げることにより、補助者が小さい力で乗員を乗降することができる。また、ガスダンパー6が天井2に沿って伸縮するため、従来の電動駆動システムに比べて、コンパクトに取り付けることができる。さらに、ガスダンパー6を用いることにより、動力源やそのための配線などが不要で安価なものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両乗降補助装置に関し、例えば車椅子に乗る乗員を介護者が車両のシートへ移乗させる際、その介護動作を補助する車両乗降補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、車両の室内天井に設けられたレールと、そのレールに沿って移動することによって少なくとも先端が車両の乗降口から出入する支持アームと、その支持アームに設けられたスリングシート吊り下げ用の昇降可能な吊り具とを備え、前記支持アームは前記昇降口から出入可能な使用位置と、その使用位置よりも高所の格納位置との間で上下動可能に構成されている車両用介護リフト装置(例えば特許文献1)があり、車両用介護リフト装置では、電動モータにより、スリングシートに乗った乗員を吊り上げ、支持アームを車外に突出させて、乗員を移乗させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−224165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記車両用介護リフト装置では、使用時に大きな支持アームが車外に突出するため、狭い駐車スペースでの移乗が困難である。
【0005】
また、電動で作動させるために電源が必要となり、電源として車載バッテリを用いるから、電源供給用のハーネス通線などが必要となり、構造が複雑化し、製品コストが上昇する。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、安価にしてコンパクトに取り付けることができる車両昇降補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両の天井に設けられる長尺状のフレームと、前記フレームに一端が固定され、他端が前記フレームに沿って移動可能に設けられたダンパーと、前記ダンパーの他端又は前記フレームに一端が固定され前記ダンパーの伸張により引張力を受ける主線条体と、前記ベルトの他端に設ける吊り具と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記フレームに沿って設けられたガイド部材と、前記ダンバーの他端に設けられ前記ガイド部材に移動可能に設けたスライダーとを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記吊り具が、前記主線条体の他端に連結する着座用のスリングシートであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記主線条体の一端を前記フレームに固定し、前記主線条体の途中に折返し部を設け、前記折返し部を押圧部に掛装し、前記押圧部を前記ダンパーの伸張により前記主線条体の引張方向に移動することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記車両の室内に巻取り部を設け、この巻取り部に巻取り線条体の一端を連結し、前記巻取り線条体の他端を前記ダンパーの他端側に連結し、前記巻取り部に前記巻取り線条体を巻き取って前記ダンパーを収縮するように構成したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、第1及び第2の前記主線条体を備え、前記フレームに沿って複数の押圧部を移動可能に設け、前記ダンパーの伸張により1つの前記押圧部が前記第1及び第2の主線条体の少なくとも一方の途中に設けた折返し部を押圧すると共に、この押圧により前記第1及び第2の主線条体に引張力を加え、前記ダンパーの伸張により他の前記押圧部が前記第2の主線条体の途中に設けた折返し部を押圧すると共に、この押圧により前記第2の主線条体に引張力を加えるように構成したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、第1及び第2の前記主線条体を備え、前記フレームに沿って押圧部を移動可能に設け、前記ダンパーの他端に第1及び第2の前記主線条体を固定し、前記ダンパーの伸張により前記第1及び第2の主線条体に引張力を加え、前記ダンパーの伸張により前記押圧部が前記第2の主線条体の途中に設けた折返し部を押圧すると共に、この押圧により前記第2の主線条体に引張力を加えるように構成したことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、前記フレームに沿って設けられたガイド部材と、前記ダンパーの他端に設けられ前記ガイド部材に移動可能に設けたスライダーとを備え、前記スライダーに前記押圧部を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、前記第1及び第2の主線条体を部分的に重ね合わせて配置し、その重ね合わせ部分を位置固定及び解除可能なストッパ部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の車両乗降補助装置によれば、ダンパーの伸張により主線条体に引張力が発生し、この引張力を吊り具に加え、この吊り具を用いて乗員を持ち上げることにより、補助者が小さい力で乗員を乗降することができる。また、ダンパーが天井に沿って伸縮するため、従来の電動駆動システムに比べて、コンパクトに取り付けることができる。さらに、ダンパーを用いることにより、動力源やそのための配線などが不要で安価なものとなる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載の車両乗降補助装置によれば、ガイド部材とスライダーによりダンパーの他端を安定して移動させることができる。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の車両乗降補助装置によれば、車椅子などからの乗員の乗降をスムーズに行うことができる。
【0019】
また、本発明の請求項4に記載の車両乗降補助装置によれば、ダンパーの伸張により折返し部を主線条体の引張方向に移動することにより、ダンパーの伸張量の略2倍だけ主線条体を引っ張ることができ、主線条体の移動量を確保することができる。
【0020】
また、本発明の請求項5に記載の車両乗降補助装置によれば、使用前に巻取り部により巻取り線条体を巻き取ってダンパーを収縮することができる。
【0021】
また、本発明の請求項6に記載の車両乗降補助装置によれば、押圧部は主線条体に対して動滑車として作用するから、ダンパーの伸張により第1の主線条体が1つの押圧部から引張力を受けると、第1の主線条体の伸縮量はダンパーのストロークの2倍となり、第1の主線条体の引張力はダンパーの伸張力の1/2となる。一方、第2の主線条体は、ダンパーが伸張すると複数の押圧部から引張力を受け、第2の主線条体の伸縮量はダンパーのストロークの2n倍(nは押圧部の数)となり、第2の主線条体の引張力はダンパーの伸張力の1/2nとなる。また、ダンパーの伸張する力はダンパーを収縮する力に対応する。
【0022】
そして、車両に移乗する場合は、大きな引張力が得られる第1の主線条体を用い、一方、車両から降ろす場合は、第2の主線条体を用いることができる。また、ダンパーを収縮する際には、第2の主線条体を引き出すように引っ張ることにより、比較的小さな力でダンパーを収縮することができる。
【0023】
また、本発明の請求項7に記載の車両乗降補助装置によれば、ダンパーの伸張により第1の主線条体が引張力を受けると、第1の主線条体の伸縮量はダンパーのストロークと等しく、且つ第1の主線条体の引張力はダンパーの伸張力と等しくなる。一方、押圧部は主線条体に対して動滑車として作用するから、ダンパーの伸張により第2の主線条体が1つの押圧部から引張力を受けると、第2の主線条体の伸縮量はダンパーのストロークの2倍となり、第2の主線条体の引張力はダンパーの伸張力の1/2となる。
【0024】
そして、乗員を車両に乗せる場合は、大きな引張力が得られる第1の主線条体を用い、一方、乗員を車両から降ろす場合は、第2の主線条体を用いることができる。また、ダンパーを収縮する際には、第2の主線条体を引き出すように引っ張ることにより、比較的小さな力でダンパーを収縮することができる。
【0025】
また、本発明の請求項8に記載の車両乗降補助装置によれば、ガイド部材とスライダーにより押圧部などを安定して移動させることができる。
【0026】
また、本発明の請求項9に記載の車両乗降補助装置によれば、ダンパーを収縮した状態で、ストッパ部により第1及び第2の主線条体を位置固定することができ、乗員を車両に乗せる場合は、前記位置固定を解除してダンパーを伸張し、これにより発生する第1の主線条体の引張力を利用することができる。また、押圧部とストッパ部を利用した構造により、装置におけるレイアウトの自由度を上げ、商品性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例1を示す装置の要部の斜視図である。
【図2】同上、フレームを図示省略した装置の要部の斜視図である。
【図3】同上、斜め下側から見た装置の一側要部の斜視図である。
【図4】同上、斜め下側から見た装置の他側要部の斜視図である。
【図5】同上、使用状態の斜視図である。
【図6】同上、収縮手段周りの斜視図である。
【図7】同上、ダンパーの動作説明図であり、図7(A)は収縮状態、図7(B)は伸張状態を示す。
【図8】本実施例の実施例2を示す装置の要部の斜視図である。
【図9】本発明の実施例3を示すダンパーの動作説明図であり、図9(A)は伸張状態、図9(B)は収縮状態を示す。
【図10】同上、作動状態を示す平面図である。
【図11】同上、側面から見た装置の断面部の斜視図である。
【図12】同上、側面から見た装置の部分断面箇所を示す斜視図である。
【図13】同上、ストッパー部たるクラッチの側面から見た断面図である。
【図14】本発明の実施例4を示すダンパーの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施例1について説明する。
【実施例1】
【0029】
図1〜図7に示すように、本発明の車両乗降補助装置は、車両1の室内の天井2の車幅方向に設けられた長尺状のフレーム3と、このフレーム3に沿って設けられたガイド部材4と、フレーム3に一端が固定され、他端が前記ガイド部材4に移動可能に設けたスライダー5に固定されたダンパーたるガスダンパー6と、このガスダンパー6の他端である伸縮ロッド7又はフレーム3に一端が固定されガスダンパー6の伸張により引張力を受ける主線条体たるベルト8とを備える。また、この例では、車両1の側部開口9に対応して前記フレーム3を設けている。尚、前記側部開口9は図示しないドアにより開閉される。また、前記ベルト8は可撓性を有する。
【0030】
前記フレーム3は、フレーム杆11,11を左右(車両前後)に間隔を置いて有し、それら左右のフレーム杆11,11を複数の連結材12により連結している。また、前記フレーム杆11,11の端部には、前記天井2の側部形状に倣った屈曲部13を形成し、フレーム杆11,11の端部が斜め下向きをなし、それら端部に連結バー14を固定している。そして、両側の連結バー14,14を、取付部たる車両左右のグラブレールブラケット15,15に固定することにより、フレーム3が車両1に取付固定される。尚、グラブレールブラケット15は天井2の側部に固定された手摺用などの既存やフレーム専用に取り付けるものなどを用いることができる。
【0031】
前記ガスダンパー6の一端は前記フレーム3に固定され、そのガスダンパー6はフレーム杆11,11間に配置されている。また、前記ガイド部材4は、左右のガイドレール21,21により構成され、これら左右のガイドレール21,21を前記左右のフレーム杆11,11の内側で前記伸縮ロッド7側に設けている。前記左右のガイドレール21,21は略コ字型をなし、そのガイドレール21の開口部22を内側に設け、この開口部22の上下には抜け止め部23,23が設けられている。
【0032】
前記スライダー5は、前記フレーム杆11,11間に配置する本体24を備え、この本体24の左右に複数のローラ25,25を回動自在に設け、これらローラ25,25を前記ガイドレール21内に配置し、そのスライダー5に前記伸縮ロッド7の先端が固定されている。また、前記スライダー5には前記ベルト8を掛ける押圧部たる滑車26が設けられている。
【0033】
図3に示すように、中央の前記連結材12の下部には前記ベルト8の一端を連結する連結受け部27を設けている。そして、前記ベルト8の一端にフック28を設け、このフック28を前記連結受け部27に掛け止めすることにより、前記ベルト8の一端をフレーム3の下部で前記連結受け部27に連結している。また、そのベルト8の途中を前記滑車26に掛装して上方に折り返した折返し部8Aを形成し、この折り返したベルト8をフレーム3の上部に沿わせて逆向きにしている。また、前記フレーム3の他端側には複数の滑車29,30を設け、これら滑車29,30に前記ベルト8を掛装し、端部側の滑車30においてベルト8を下側に向け、前記側部開口9から車外に引き出すことができるように構成している。
【0034】
前記車両乗降補助装置は、図6に示すように、前記ガスダンパー6を収縮する収縮手段31を備え、この収縮手段31は前記フレーム3のベルト8を外部に引き出す側に配置されている。前記収縮手段31は、前記連結バー14の端部に、ブラケット32により巻取り部たる巻取り軸33を回動可能に設け、この巻取り軸33はラチェットギヤ機構(図示せず)を内蔵し、ハンドル34を巻取り方向に操作することにより巻取り軸33が一側方向に回転し、ハンドル34を解除位置に回すことによりラチェットギヤによる回り止めが解除され巻取り軸33が遊転可能となる。尚、ラチェットギヤ機構により、ハンドル34を巻取り方向に操作すると、巻取り軸33が一側方向に回転し、ハンドル34を反巻取り方向に操作すると、巻取り軸33は回転しない。また、前記巻取り軸32に、巻取り線条体たる巻取りワイヤー35の一端を固定し、図2に示すように、その巻取りワイヤー35の他端35Tを前記スライダー5の本体24に連結する。
【0035】
そして、前記ハンドル34を繰り返し角度回動して巻取り軸32に巻取りワイヤー35を巻き取ると、図7(A)に示すように、ダンパー6が収縮し、収縮位置で固定される。
【0036】
図4に示すように、前記ベルト8の他端にフック36を連結し、このフック36を、吊り具たる着座用のスリングシート37に着脱可能に設ける。また、前記スリングシート37は車椅子38のシート上に着脱可能に配置される。
【0037】
次に、前記車両乗降補助装置の使用方法について説明する。車椅子38にスリングシート37をセットし、このスリングシート37に乗員(図示せず)を乗せる。ダンパー6を収縮した状態で、スリングシート37にベルト8の他端を連結する。そして、ハンドル34を操作して巻取り軸33を遊転可能にすると、図7(B)に示すように、ガスダンパー6の伸縮ロッド7が伸張し、ベルト8に引張力が加わり、シリングシート37を持ち上げる補助力が得られ、補助者は小さな力で乗員を車両1の座席に移すことができる。
【0038】
この場合、車両乗降補助装置は車内に設けられており、ベルト8の他端側が車外に出るだけで、乗降の際にスペースを取らない。また、ガスダンパー6の反発力を動力とするから、車載バッテリーなどを用いる必要がなく、そのための配線も不要となり、安価なものとなる。
【0039】
上述したように移乗時、ガスダンパー6の反発力を動力としたベルト8の巻取りによる一定方向の力と補助者の力により動作し、乗員を上下移動しながら、横方向への移動の際にも少ない力で対応できる。このように、最短距離で短時間に乗員を移乗させることができ、補助者の肉体的負担を軽減できる。また、ガスダンパー6とベルト8とを基本構成とし、従来の移乗装置に比べ、大幅な小型化及び軽量化を図り、装置を安価に供給することが可能となり、しかも、装着時の見た目もすっきりしたものとなる。
【0040】
このように本実施例では、請求項1に対応して、車両1の天井2に設けられる長尺状のフレーム3と、フレーム3に一端が固定され、他端である伸縮ロッド7の先端がフレーム3に沿って移動可能に設けられたダンパーたるガスダンパー6と、ガスダンパー6の他端又はフレーム3に一端が固定されガスダンパー6の伸張により引張力を受ける主線条体たるベルト8と、ベルト8の他端に設ける吊り具たるスリングシート37と、を備え、この例では、ベルト8の一端をフレーム3に固定し、ガスダンパー6の伸張によりベルト8に引張力が発生し、この引張力により乗員を持ち上げることにより、補助者が小さい力で乗員を乗降することができる。また、ガスダンパー6が天井2に沿って伸縮するため、従来の電動駆動システムに比べて、コンパクトに取り付けることができる。さらに、ガスダンパー6を用いることにより、動力源やそのための配線などが不要で安価なものとなる。
【0041】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、フレーム3に沿って設けられたガイド部材4と、ガスダンバー6の他端に設けられガイド部材4に移動可能に設けたスライダー5とを備えるから、ガイド部材4とスライダー5によりガスダンパー6の他端を安定して移動させることができる。
【0042】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、ベルト8の他端に着座用のスリングシート37を連結したから、車椅子38などからの乗員の乗降をスムーズに行うことができる。
【0043】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、ベルト8の一端をフレーム3に固定し、ベルト8の途中に折返し部8Aを設け、この折返し部8Aを押圧部たる滑車26に掛装し、この滑車26をガスダンパー6の伸張によりベルト8の引張方向に移動するから、ガスダンパー6の伸張により折返し部8Aをベルト8の引張方向に移動することにより、ガスダンパー6の伸張量の略2倍だけベルト8を引っ張ることができ、ベルト8の移動量を確保することができる。
【0044】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、車両1の室内2に巻取り部たる巻取り軸33を設け、この巻取り軸33に巻取り線条体たるワイヤー35の一端を連結し、このワイヤー35の他端をガスダンパー6の他端側に連結し、巻取り軸33に巻取りワイヤー35を巻き取ってダンパー6を収縮するように構成したから、使用前に巻取り軸33によりワイヤー35を巻き取ってガスダンパー6を収縮することができる。
【0045】
また、実施例上の効果として、本体24に伸縮ロッド7を連結し、押圧部がその本体24に回動可能に設けられた滑車26であるから、ベルト8の折返し部8Aをスムーズに押して移動することができる。さらに、フレーム3の取り付けに取付部たるグラブレールブラケット15を用いたから、その取付を簡便に行うことができる。また、前記ガスダンパー6を収縮する収縮手段31を備え、この収縮手段31は巻取り軸33を一側方向に回転するラチェットギヤ機構を備えるから、場所を取らずにハンドル34を操作して巻取りワイヤー35を巻き取ることができ、さらに、ハンドル34により巻取り軸33を遊転可能にして巻取りワイヤー35を繰り出し、収縮していた伸縮ロッド7を伸張してベルト8を引き込むことができる。
【実施例2】
【0046】
図8は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、伸縮ロッド7の先端にスライダー5Aを設け、このスライダー5Aに伸縮ロッド7を連結し、このスライダー5Aに前記ベルト8の一端を固定することにより、伸縮ロッド7の先端にベルト8の一端を固定する。また、前記スライダー5Aの左右両端に前記ローラ25を1個ずつ設ける。
【0047】
したがって、ガスダンパー6が伸張すると、ベルト8に引張力が加わり、この引張力を乗員を吊上げる補助力に用いることにより、補助者の負担を軽減できる。
【0048】
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、この例では、ベルト8の引き込み量が実施例1より小さくなるが、大きな引張力を得ることができる。
【実施例3】
【0049】
図9〜図13は本発明の実施例3を示しており、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、前記フレーム3に沿って、ガスダンパー6,6を二基並列させ、前記ガスダンパー6の本体及び一端側が前記連結材12,12にそれぞれ固定されており、フレーム3の一端側の屈曲部13には3つの固定滑車44,46,47が配置され、これら3つの固定滑車44,46,47は左右の固定プレート49,49に回動可能に挟持されている。
【0050】
また、並列するガスダンパー6の伸縮ロッド7の先端が、スライダー5に固定され、このスライダー5は略コ字型のガイド部材4に沿って移動する。また、スライダー5の本体24内には、押圧部たる小径の動滑車42及び大径の動滑車45が回動可能に設けられている。また、前記ガスダンパー6の伸縮ロッド7を伸張させることで、スライダー24は伸縮ロッド7のストローク量Lに応じて移動することができる。
【0051】
前記大径の動滑車45は小径の動滑車42の外側に設けられ、前記大径の動滑車45に対応して、前記フレーム3の一端側に前記固定滑車44が設けられている。また、固定滑車44の下部に固定滑車46が配置され、固定滑車44の下部で固定滑車46の外側に固定滑車47が配置されている。このように複数の滑車を組み合わせて、様々な車両の大きさや仕様等に合わせ主線条体たるベルトの長さを自由に設定することができるようになる。
【0052】
次に、主線条体たるベルトについて説明する。この実施例3では、第1の主線条体たるアシスト側ベルト50及び第2の主線条体たる引張側ベルト51とを備えている。昇降作動の登り方向を介助する前記アシスト側ベルト50の一端は、ベルト縫合部43により引張側ベルト51の途中に固定されている。
【0053】
また、昇降作動の降り方向を介助する引張側ベルト51は、固定滑車46からスライダー5の本体24に設けられた動滑車45に掛装され、さらに、固定滑車44から動滑車42を介してベルト始点部41に固定されている。尚、引張側ベルト51の途中に設けた折返し部51A,51B,51Cを前記動滑車42,固定滑車44,動滑車45に掛装している。
【0054】
また、この例では、ガスダンパー6を伸張した状態で、引張側ベルト51の折返し部51Aの下側に前記ベルト縫合部43を設けてアシスト用ベルト50の一端を固定し、前記ガスダンパー6の下部で、ベルト縫合部43と前記固定滑車46との間にベルト51,50を上下に部分的に重ね合わせた重ね合わせ部分66を設けている。
【0055】
尚、前記アシスト用ベルト50の一端をフレーム3上部のベルト始点部41に固定してもよい。
【0056】
また、引き出した主線条体たるアシスト側ベルト50及び引張側ベルト51が、ガスダンパー6の反発力により意図せず巻き上げられることを抑止するために、ストッパ部たるクラッチ55がフレーム杆11,11の間に備えられている。前記クラッチ55は、図13に示すように、上部に内壁58を含むカバー体61と、このカバー体61の下部開口に締結ボルト59により締結された外壁57と、それら内壁58と外壁57の間に挟み込まれた中子56で構成されており、前記内壁58は図13中で左側(ベルト巻き上げ側)に向かって低くなるように斜めに形成され、前記外壁57は略水平に配置され、それら中子56の下面と外壁57の上面の間を、引張側ベルト51及びアシスト側ベルト50が通るように形成されている。
【0057】
前記カバー体61の前面62及び後面63には、ベルトの重ね合わせ部分66を挿通するベルト挿通孔64が設けられている。また、前記中子56には、位置固定を解除する解除手段たるクラッチ解除紐60が連結されている。
【0058】
さらに、クラッチ55の取付構成に関して、前記クラッチ55はフレーム3に複数の図示しないブラケットを使用して取付けられている。前記ブラケットの一端がフレーム杆11に溶接等により固定され、他端はクラッチ55の外壁57側面にボルト固定されている。
【0059】
また、作動に関しては、アシスト側ベルト50及び引張側ベルト51を引張ると、中子56が右方向に移動し前記ベルトが開放状態になる。特に、降り方面へのアシスト側ベルト50作動時では、ベルトから手を離すと、ガスダンパー6内の伸縮ロッド7の反発力により巻き上げ方向(ダンパー反発方向)にベルト50,51が動くようになる。このとき中子56は、内壁57に沿って図13中で左に移動し、アシスト側ベルト50及び引張側ベルト51を中子56と外壁57によって挟み込むことによって重ね合わせ部分66が固定され、意図せず、ベルト50,51から手を離した場合でも、不用意に巻き上げられることがない。また、意図して巻き上げる場合は、クラッチ解除紐60を引張り、中子56を右側に引き寄せることでベルト50,51の動きが阻害されることなく巻き上げを行うことが可能となる。この場合、クラッチ解除紐60を余分に引っ張っても、中子56が前記後面63に当たり、中子56がカバー体61から外れることがない。
【0060】
次に、前記アシスト側ベルト50及び引張側ベルト51とガスダンパー6の作用形態について詳述すると、例えば、ストローク250mm、反力90kgを擁するガスダンパー6を試行した場合、登り方向へのアシスト側ベルト50のストロークはガスダンパー6の2倍となる500mmであり、反力はガスダンパー6の1/2となる45kgとなる。尚、2本のガスダンパー6,6の合計した反力を90kgとして説明する。
【0061】
また、降り方向への引張側ベルト51のストロークはガスダンパー6の4倍となる1000mmである。また、ダンパーの反力に関して、ダンパーのストロークの構造上、伸び側反力よりも縮み側の反力値の方が大きくなり、伸び側、縮み側の反力値の差(フリクション)を含めた反力の数値を表示すると、22.5kg(ダンパーの1/4)+3.8kg(フリクションの1/4)=26.3kgとなる。これにより本実施例では、昇降装置の登り方向と降り方向において、ベルトにかかる力を分散させることができるので、昇降作業時の負担を軽減させ、より使い勝手を向上させることができる。
【0062】
次に、昇降時における前記アシスト側ベルト50及び引張側ベルト51の取り回しとガスダンパー6の作動について説明する。
【0063】
図9(B)に示すように、降り方向への作動時、補助者が引張側ベルト51を500mmストロークさせると、固定滑車46,動滑車45,固定滑車44,動滑車42を介してベルトに引張力をかけることで、ガスダンパー6の伸縮ロッド7が縮み方向に動作する。前述したストロークの構造上、補助者はガスダンパー+フリクションの1/4の反力で乗員の降り方向への移乗を行うことができる。また、この際、クラッチ55が作動し現状態(ストローク位置)でベルト50,51が係止される。そして、引張側ベルト51の先端部(図示しない)に接続したスリングシート37との結合を解除することで降車動作が完了する。
【0064】
また、登り方向(アシスト形態)へ作動する場合、前述したベルト位置の状態において、図9(A)に示すように、固定滑車47,動滑車42を介して、アシスト側ベルト50は250mmストロークしており、引張側ベルト51を26kgの力で500mm引くことで、ガスダンパー6が収縮方向に移動を開始し、アシスト側ベルト50をさらに250mmストロークさせ適当な高さまで下げて使用する。これによりアシスト側ベルト50の先端部(図示しない)に接続したスリングシート37を結合することができる。さらに、図13に示すように、クラッチ55のクラッチ解除紐60を引くことで、クラッチ55を解除することで、ガスダンパー6を開放状態にしてアシストを開始することができる。
このように本実施例では、請求項6に対応して、第1及び第2の主線条体たるアシスト側ベルト50及び引張側ベルト51を備え、フレーム3に沿って複数の押圧部たる小径の動滑車42及び大径の動滑車45を移動可能に設け、ダンパーたるガスダンパー6の伸張により、一つの押圧部たる小径の動滑車42が、アシスト側ベルト50及び引張側ベルト51の少なくとも一方の途中に設けた折返し部51Aを押圧すると共に、この押圧によりアシスト側ベルト50及び引張側ベルト51に引張力を加え、ガスダンパー6の伸張により、他の押圧部たる大径の動滑車45が引張側ベルト51の途中に設けた折返し部51Bを押圧すると共に、この押圧により引張側ベルト51に引張力を加えるように構成させることで、押圧部は主線条体に対して動滑車として作用するから、ガスダンパー6の伸張によりアシスト側ベルト50が1つの押圧部から引張力を受けると、アシスト側ベルト50の伸縮量はガスダンパー6のストロークの2倍となり、アシスト側ベルト50の引張力はガスダンパー6の伸張力の1/2となる。一方、引張側ベルト51は、ガスダンパー6が伸張すると複数の押圧部から引張力を受け、引張側ベルト51の伸縮量はガスダンパー6のストロークの2n倍(nは押圧部の数、この例では2×2倍)となり、第2の主線条体の引張力はガスダンパー6の伸張力の1/2nとなる。また、ガスダンパー6の伸張する力はダンパーを収縮する力に対応する。
【0065】
そして、車両に移乗する場合は、大きな引張力が得られるアシスト側ベルト50を用い、一方、車両から降ろす場合は、引張側ベルト51を用いることができる。また、ガスダンパー6を収縮する際には、引張側ベルト51を引き出すように引っ張ることにより、比較的小さな力でガスダンパー6を収縮することができる。
【0066】
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、フレーム3に沿って設けられたガイド部材4と、ダンパー6の他端に設けられガイド部材4に移動可能に設けたスライダー24とを備え、前記スライダー24に、小径の動滑車42及び大径の動滑車45を設けたので、ガイド部材4とスライダー24により押圧部などを安定して移動させることができる。
【0067】
また、このように本実施例では、請求項9に対応して、アシスト側ベルト50及び引張側ベルト51を部分的に重ね合わせて配置し、その重ね合わせ部分66を位置固定及び解除可能なストッパ部たるクラッチ55を設けたことにより、ガスダンパー6を収縮した状態で、クラッチ55により、アシスト側ベルト50及び引張側ベルト51を位置固定することができ、乗員を車両に乗せる場合は、前記位置固定を解除してガスダンパー6を伸張し、これにより発生するアシスト側ベルト50の引張力を利用することができる。また、押圧部とストッパ部を利用した構造により、装置におけるレイアウトの自由度を上げ、商品性を向上させることができる。
【0068】
また、このように本実施例では、フレーム3に沿って設けられたスライダー5に二つの押圧部たる動滑車42.45を設けると共に、ガスダンパー6の伸張により引張力を受けるアシスト側ベルト50及び引張側ベルト51を二本設け、それぞれ伸張するガスダンパー6の始点箇所たるベルト始点部41に固定させ、アシスト側ベルト50は動滑車42を介して掛装し、引張側ベルト51は2つの動滑車42,45を介して掛装され、ガスダンパー6の伸張により引張方向に移動することにより、登り方向と降り方向におけるベルトにかかる力を分散させることで、昇降作業時の負担を軽減させ、より使い勝手を向上させることができる。
【0069】
また、実施例上の効果として、本体24の左右に伸縮ロッド7,7をそれぞれ連結したから、左右のガスダンパー6,6により、スライダー5をスムーズに押して移動させることができる。また、アシスト側ベルト50の一端を、ベルト縫合部43により引張側ベルト51の途中に固定したから、動滑車42に2本のベルト50,51を掛装する必要がなく、引張側ベルト51の折返し部51Aを動滑車42により円滑に押圧することができ、また、アシスト側ベルト50は引張側ベルト51を介して動滑車42から引張力を受けるから、使用するアシスト側ベルト50の長さを短くできる。さらに、ストッパ部たるクラッチ55は、ガスダンパー6の伸張により重ね合わせ部分66が巻き取られる際には、該重ね合わせ部分66を位置固定し、一方、ガスダンパー6を収縮してベルト50,51を引き出される際には、重ね合わせ部分66の移動を許容するから、引張側ベルト51を外側に引き出すように引っ張れる際には位置固定されることなく、自由に引き出すことができ、一方、引張側ベルト51を引く力を緩めたり、離したりすると、自動的に重ね合わせ部分66が位置固定され、伸縮ロッド7を収縮した状態で固定することができる。また、クラッチ55による位置固定を解除する解除手段としてクラッチ解除紐60を備えるから、ベルト50,51を用いることなく、クラッチ55によるベルト50,の位置固定を解除することができる。
【実施例4】
【0070】
図14は本発明の実施例4を示しており、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、本実施例4では、図14に示すように、引張側ベルト51は、固定滑車46を介して、ガスダンパー6のロッド先端部71に直接固定させている。尚、ガスダンパー6の伸縮ロッド7のストローク量Lは、250mmとする。また、作動の詳細について説明すると、使用者が引張側ベルト51に引張力をかける事で、固定滑車46を介して、前記ガスダンパー6の伸縮ロッド7の収縮を行う。この時、ストローク量Lはガスダンパー6の伸縮ロッド7のストローク量Lの2倍の500mmとなる。また、反力に関しては、ガスダンパー6の1/2の力でアシスト可能としている。
【0071】
また、このように本実施例では、前記ガスダンパー6の伸張により引張方向へ移動するアシスト側ベルト50を、引張側ベルト51を介してロッド先端部71に固定されたことにより、ストローク量Lはガスダンパー6の伸縮ロッド7のストローク量Lと等しい250mmとなる。また、反力に関しては、ガスダンパー6の伸長力と等しい力でアシスト可能としている。
【0072】
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、第1及び第2の主線条体たるアシスト側ベルト50及び引張側ベルト51を備え、フレーム3に沿って押圧部たる小径の動滑車42及び大径の動滑車45を移動可能に設け、ダンパーたるガスダンパー6の他端にアシスト側ベルト50及び引張側ベルト51を固定し、ガスダンパー6の伸張によりアシスト側ベルト50及び引張側ベルト51に引張力を加え、ガスダンパー6の伸張により動滑車45が引張側ベルト51の途中に設けた折返し部51Cを押圧すると共に、この押圧により引張側ベルト51に引張力を加えるように構成したので、ガスダンパー6の伸張により、アシスト側ベルト50が引張力を受けると、アシスト側ベルト50の伸縮量はガスダンパー6のストロークと等しく、且つアシスト側ベルト50の引張力はガスダンパー6の伸張力と等しくとなる。一方、押圧部は主線条体に対して動滑車として作用するから、ガスダンパー6の伸張により引張側ベルト51が1つの動滑車45から引張力を受けると、引張側ベルト51の伸縮量はガスダンパー6のストロークの2倍となり、引張側ベルト51の引張力はガスダンパー6の伸張力の1/2となる。
【0073】
そして、乗員を車両に乗せる場合は、大きな引張力が得られるアシスト側ベルト50を用い、一方、乗員を車両から降ろす場合は、引張側ベルト51を用いることができる。また、ガスダンパー6を収縮する際には、引張側ベルト51を引き出すように引っ張ることにより、比較的小さな力でガスダンパー6を収縮することができる。
【0074】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、ダンパーとしては、ガスダンパーなどが例示され、伸縮ロッドが収縮することによりエネルギーを保存し、この保存したエネルギーを伸縮ロッドが伸張することにより開放するものであれば、各種のものを用いることができる。また、主線条体及び巻取り線条体は、可撓性を有する線条体であって、実施例で示した帯状のベルト及びワイヤーのほか、ロープ、チェーンなども使用することができる。さらに、ガスダンパーの左右を逆に配置し、一端として伸縮ロッドをフレームに固定し、ダンパーの他端又はフレームに主線条体の一端を固定してもよい。
【0075】
また、前述した実施例1及び実施例2に関しても、主線条体たるベルトのストッパ部として、実施例3同様のクラッチを用いた固定でもよい。さらに、ストッパ部はクラッチに限らず、主線条体を挟持して位置固定及び解除したり、主線条体を外壁に押え付けて位置固定及び解除したりするなど各種の構造のものを用いることができる。また、実施例3では、スライダーに2つの押圧部たる動滑車を設けた例を示したが、スライダーに3つ以上の動滑車を設け、第2の主線条体の3つ以上の動滑車から引張力を加えるようにしてもよく、この場合、第1の主線条体には、第2の主線条体に引張力を加える動滑車より少ない数(0個を含む)の動滑車から引張力が加わるように構成すればよい。
【符号の説明】
【0076】
1 車両
2 天井
3 フレーム
4 ガイド部材
5 スライダー
6 ガスダンパー(ダンパー)
8 ベルト(主線条体)
26 滑車(押圧部)
33 巻取り軸(巻取り部)
35 巻取りワイヤー(巻取り線条体)
42 小径の動滑車(押圧部)
45 大径の動滑車(押圧部)
50 アシスト側ベルト(第一の主線条体)
51 引張側ベルト(第二の主線条体)
51B 折返し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の天井に設けられる長尺状のフレームと、
前記フレームに一端が固定され、他端が前記フレームに沿って移動可能に設けられたダンパーと、
前記ダンパーの他端又は前記フレームに一端が固定され前記ダンパーの伸張により引張力を受ける主線条体と、
前記主線条体の他端に設ける吊り具と、
を備えることを特徴とする車両乗降補助装置。
【請求項2】
前記フレームに沿って設けられたガイド部材と、前記ダンバーの他端に設けられ前記ガイド部材に移動可能に設けたスライダーとを備えることを特徴とする請求項1記載の車両乗降補助装置。
【請求項3】
前記吊り具が、前記主線条体の他端に連結する着座用のスリングシートであることを特徴とする請求項1又は2記載の車両乗降補助装置。
【請求項4】
前記主線条体の一端を前記フレームに固定し、前記主線条体の途中に折返し部を設け、前記折返し部を押圧部に掛装し、前記押圧部を前記ダンパーの伸張により前記主線条体の引張方向に移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両乗降補助装置。
【請求項5】
前記車両の室内に巻取り部を設け、この巻取り部に巻取り線条体の一端を連結し、前記巻取り線条体の他端を前記ダンパーの他端側に連結し、前記巻取り部に前記巻取り線条体を巻き取って前記ダンパーを収縮するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両乗降補助装置。
【請求項6】
第1及び第2の前記主線条体を備え、
前記フレームに沿って複数の押圧部を移動可能に設け、前記ダンパーの伸張により1つの前記押圧部が前記第1及び第2の主線条体の少なくとも一方の途中に設けた折返し部を押圧すると共に、この押圧により前記第1及び第2の主線条体に引張力を加え、
前記ダンパーの伸張により他の前記押圧部が前記第2の主線条体の途中に設けた折返し部を押圧すると共に、この押圧により前記第2の主線条体に引張力を加えるように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両乗降補助装置。
【請求項7】
第1及び第2の前記主線条体を備え、
前記フレームに沿って押圧部を移動可能に設け、前記ダンパーの他端に第1及び第2の前記主線条体を固定し、前記ダンパーの伸張により前記第1及び第2の主線条体に引張力を加え、
前記ダンパーの伸張により前記押圧部が前記第2の主線条体の途中に設けた折返し部を押圧すると共に、この押圧により前記第2の主線条体に引張力を加えるように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両乗降補助装置。
【請求項8】
前記フレームに沿って設けられたガイド部材と、前記ダンバーの他端に設けられ前記ガイド部材に移動可能に設けたスライダーとを備え、前記スライダーに前記押圧部を設けたことを特徴とする請求項7記載の車両乗降補助装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の主線条体を部分的に重ね合わせて配置し、その重ね合わせ部分を位置固定及び解除可能なストッパ部を設けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の車両乗降補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−5817(P2012−5817A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265765(P2010−265765)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】