説明

車両室内用通気装置

本発明は、自動車室内を通気するための通気装置に関する。通気装置は、空気流入チャネルおよび流出領域を含む。流出領域は第一の部材および第二の部材(1,2)を含み、これらは、第一の空気流および異なる第二の空気流を生成すべく、互いに対して少なくとも第一の配置状態および第二の配置状態のいずれかになる。第一の部材および第二の部材は第一薄板構造(3)および第二薄板構造を有し、その配置状態により、異なる開口角度を持つ第一の空気流および第二の空気流が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通気装置に関し、特に車両室内用通気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の通気装置は基本的に公知である。一方では室内通気に適用され、他方では窓ガラスとりわけフロント領域の窓ガラスのミストや霜に適用される(デフロスト機能)。通気装置は例えばインストゥルメントパネルの構成要素として室内に組み込まれる。
【0003】
デフロスト機能および室内直接通気を含む通気装置がDE10219053A1に開示されている。
【0004】
この通気装置は、室内通気のための空気流入チャネルおよび流出領域を含む。第一および第二の部材が流出領域に設けられ、これらは互いの相対的配置状態が異なるようにされる。第一および第二の部材の異なる開閉面(Schliessflachen)は、そのつど異なる配置状態で互いに当接する。これにより、異なる流出角度で空気流が室内へ放出される。
【0005】
この利点は、少なくとも二つの配置状態が設定され、第二の配置状態において空気流はフロントガラスに方向付けられ、第一の配置状態において空気流は車両室内中央にその大部分が方向付けられることである。
【0006】
この通気装置の不利な点は、空気流が、例えば一方ではフロントガラスの方向に、他方では室内中央方向に粗く方向付けできるにもかかわらず、空気流のより改良された管理または制御が現在のところ存在しないことである。
【0007】
特に、このような通気装置によれば、一方では窓ガラスの端部領域においてミストの防止または低減のために十分大きな空気流を形成し、他方では運転席または助手席の乗員の邪魔にならないように空気流を室内へ導くことが困難である。
【発明の開示】
【0008】
従って、本発明の目的は、空気流を好適に形成する通気装置を提供することである。具体的には、一方では車両室内の直接通気のために適用して、他方では車両のフロントガラスの通気のために適用できる空気流を好適に形成する通気装置を提供することである。
【0009】
この目的は、独立請求項1による通気装置により達成される。
【0010】
流出動作が完全に異なる二つの空気流が以下によって実現される。すなわち、第一の部材または第二の部材が第一薄板構造を含み、第一の部材または第二の部材が、第一薄板構造とは異なる第二薄板構造を含み、第一の部材および第二の部材の第一の配置状態においては、空気が前記第一薄板構造から流出して第一の開口角度で第一の空気流を生成し、第二の配置状態においては、空気が第二薄板構造から流出して第一の開口角度とは異なる第二の開口角度を持つ第二の空気流を生成する。
【0011】
空気流の開口角度は、薄板構造に属する複数の薄板の配向およびこれにより形成される空気通路間隙により画定される。例えば薄板構造の複数の薄板が互いに平行に配向されている場合には、ごくわずかな開口角度を持つ方向付けられた空気流が生成される。薄板構造の複数の薄板が扇状に広がる場合、複数の薄板の扇状に広がる度合に応じた開口角度を持つ、扇状に広がった空気流が生成される。
【0012】
本発明による通気装置は、二つの異なる空気流を実現すべく二つの異なる薄板構造を組み合わせる。特に、薄板構造の複数の薄板は、各部材において固定/不動に配置される。例えばインストゥルメントパネルの側面送風機において公知であるような、空気流を変更すべく複数の薄板のみを傾斜させる機構は、この異なる固定薄板構造の組み合わせによって、もはや不要となる。
【0013】
本発明のさらなる有利な構造が従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明のさらなる有利な構造によれば、第一薄板構造が互いに平行な複数の薄板を有し、第二薄板構造が互いに扇状に傾斜した複数の薄板を有し、第一の部材および第二の部材の第一の配置状態においては、空気が第一薄板構造から流出して方向付けられる第一の空気流を生成し、第二の配置状態においては、空気が第二薄板構造から流出して扇状に広がる第二の空気流を生成する。
【0015】
このような通気装置は、自動車室内、特にフロントガラスに隣接して設けられ、具体的にはインストゥルメントパネルの構成要素として設けられる。本通気装置により生成される扇状に広がる空気流によって、フロントガラスの全幅を空気流にあてることができる。第一薄板構造により生成される方向付けられた空気流によって、運転席または助手席の乗員の妨げにならないように室内への空気を意図する方向に偏向することができる。特に、本発明による通気装置を、デフロスト機能に不利益を生じることなく、従来の通気装置に対して著しく狭い幅に適用することができる。
【0016】
ここで、「扇状の」は、第二薄板構造の隣接する複数の薄板が互いに対して傾斜する、と解釈される。これにより傾斜度合は、薄板の次の隣り、一つおきの次の隣り等に向けて増加する。しかし「扇状に広がる」もまた、薄板構造の所定領域のみがこの配置を持つ、またはそのような領域内の薄板の個々がこの振る舞いとはならない、と解釈される。例えば、三つの隣接領域を有する薄板構造であって、第一の角度に整合されたいくつかの薄板、第一の角度よりもプラスに傾斜した第二の角度で配置されて左端領域に設けられたいくつかの薄板、同様に第一の角度に対してマイナスに傾斜して右端領域に設けられた第三の角度で配置されたいくつかの薄板も、「扇状の」と解釈される。
【0017】
さらに、「扇状の」は、少なくとも10度、好適には少なくとも30度の開口角度で空気が扇状に広がる薄板構造、すなわち、複数の薄板が画定する空気通路間隙が少なくとも10度、好適には30度の最大角度(「均一に」扇状に広がる場合、この角度は周縁側の二つの間隙の傾斜により画定される)で傾斜する薄板構造として単に解釈される。
【0018】
複数の薄板は好適には平らなプレート(Platten)またはプレートレット(Plattchen)である。こうすることで、空気間隙が大きくなり、薄板構造を通る空気通路が大きくなる。また、複数の薄板は、方向付けられおよび扇状に広がる空気流を生成するような角度の側面を持つ小型で中実のウェブとして設計することもできる。
【0019】
本発明のさらなる有利な構造によれば、第一および第二薄板構造はグリッド状に形成される。
【0020】
本発明によると、多数の薄板が設けられ、所定間隔のいくつかの平行な行で平面状に配置される。
【0021】
本発明のさらなる有利な構造によれば、第一の部材および第二の部材の異なる開閉面は、第一の部材および第二の部材の配置状態においてそのつど互いに当接し、空気流に対して、扇状に広がることまたは方向付けられることに加え、空気流の異なる流出角度を実現する。
【0022】
さらなる有利な構造によると、例えばインストゥルメントパネルに利用される通気装置の場合、第一の配置状態において、より多くの方向付けられた空気流が車両室内に導入され、第二の配置状態において、空気流が直接フロントガラスに対して導入される。
【0023】
本発明のさらなる有利な構造によれば、第一の部材および/または第二の部材が、プリズム形状の、好ましくは三角形状のウェブを有する。
【0024】
特に、流出角度は、プリズム形状のウェブの側面により画定される。
【0025】
本発明のさらなる有利な構造によれば、プリズム形状のウェブが互いに平行をなして共通平面に配置され、その平行なウェブに直交する複数の薄板を有する第一薄板構造および第二薄板構造が、二つの隣接するウェブの間に前後して配置される。
【0026】
第二薄板構造の複数の薄板は、ウェブに平行に扇状に広がる。
【0027】
一連のウェブの要素、つまり第一薄板構造、ウェブなど、は好適には共通平面内に配置される。
【0028】
これら特徴を持つ、平坦で小型な構造形状が実現できる。
【0029】
本文脈において「平面」という用語は、僅かに弓状の面として解釈されてよく、例えばフロントガラスに隣接するインストゥルメントパネル表面の一部の僅かに湾曲した面として解釈されてよい。
【0030】
本発明のさらなる有利な構造には、第一の部材および/または第二の部材が、溝または凹部を含み、他方の部材の前記第一薄板構造および/または第二薄板構造の複数の薄板が溝または凹部に少なくとも部分的に導入されるものも含まれる。
【0031】
これにより、特に、第一の部材と第二の部材とを互いに独占的に所定の経路沿いに配置させる(verschieben)ことができる。
【0032】
本発明のさらなる有利な構造によれば、流出領域を閉鎖する第三の部材が、第一の部材および第二の部材の動作状態とは独立して可動に設けられる。
【0033】
また、第一の部材および/または第二の部材上に開閉面を設けることで、流出領域を閉鎖する第三の配置状態を実現することもできる。
【0034】
実施形態を、いくつかの図面を含む一実施例により説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明に係る通気装置に属する第一の部材および第二の部材を示し、この例ではシャッタ1またはプリズムグリッド2として設計されている。
【0036】
観察側から見たシャッタ1を図1に示す。シャッタ1は、互いに平行をなす三つの矩形長尺通気スロット15を持つ平らな長尺要素として設計されている。シャッタ1の材料はプラスチックである。
【0037】
プリズムグリッド2も同様な平面図で示されている。シャッタ1に対応して、プリズムグリッド2も長尺平面部材として設計されている。
【0038】
プリズムグリッド2は、共通平面上に互いに平行に並ぶ三つの長尺ウェブ5を含む。ウェブ5はプリズム形状をしており、本実施形態の例においては、断面(XZ平面)が三角形である。さらに、ウェブ5は裏面が中空である(図3参照)。
【0039】
第一薄板構造3および第二薄板構造4は、ウェブ5間に(X方向に)前後してそのつど配置される。薄板構造3、4は、二つの最外部ウェブ5の外側にもそのつど設けられる。
【0040】
この場合、第一薄板構造3および第二薄板構造4は、互いに所定間隔で隣接する多数のグリッド状薄板からなる。複数の薄板自体は、平らなプレートレットとして形成される。これにより、第一薄板構造3の複数の薄板は互いに平行に配列される(XZ平面)。これに比して、第二薄板構造4は、互いに扇状に傾斜する薄板を含む。
【0041】
本実施形態の例においては、第二薄板構造4の複数の薄板の扇状の広がりは、プリズムグリッド2の中間に位置する複数の薄板が、第一薄板構造3の薄板と共通平面(XZ平面)に配置されるように選択されるが、薄板構造4の隣接する複数の薄板は、プリズムグリッド2の中間から外方に(Y方向に)突き出ており、X軸まわりに増加し続けるプラスおよびマイナスの角度で傾斜している。本実施形態の例においては、第二薄板構造4の各最外部薄板が互いに対して傾斜している最大角度は、約70度である。勿論この角度は用途に依存しており、故に多くの変形例が可能である。
【0042】
第一薄板構造3および第二薄板構造4の複数の薄板は、特に、平行なウェブ5に対して(YZ平面)垂直に配列されている。
【0043】
プリズムグリッドの材料も同様にプラスチックである。
【0044】
また、シャッタ1およびプリズムグリッド1の材料としては、金属、または、金属とプラスチックとの組み合わせであってもよい。
【0045】
図2はシャッタ1の底面側を示す。
【0046】
シャッタ1の底面側は、平坦に見える上面側とは対照的に、グリッド状の構造を持つ。シャッタ1の底面側の構造は、多数のブロックレット(Klotzchen)16からなる。これらブロックレット16はシャッタ1に一体的に形成される。
【0047】
グリッド状構造は、プリズムグリッド2がこの中に収容および導入されるよう設計される。構造の高さは、これにより、プリズムグリッド2の高さにほぼ対応する。さらに、シャッタ1の底面側の構造は、第一薄板構造2および第二薄板構造4の複数の薄板が導入される凹部8からなる。これに関しては図3参照のこと。特に、これにより、シャッタ1の構造は、プリズムグリッド2をこの構造内に配置する第一の配置状態になる。この状態では、第一薄板構造3の複数の薄板が通気スロット15の下に位置する。また、移動によって、プリズムグリッドは第二の配置状態になる。この状態では、薄板構造4の複数の薄板が通気スロット15の下に位置する。
【0048】
図3から分かるように、概して、ブロックレット16は二つの隣接する薄板の間にそのつど配置される。ブロックレット16は、複数の薄板の導入に必要な凹部8内を除いてウェブ間の容積の大部分を埋め合わせる。これにより、空気があまり構造内で渦を巻くことなく通気スロット15内に直接導かれる。
【0049】
さらに、通気スロット15に隣接配置されるブロックレット16の側面7aおよび7bは、プリズムグリッド2のウェブ5の側面6aおよび6bと整合するよう設計され、ウェブ5およびブロックレット16の異なる開閉面6aおよび7aならびに6bおよび7bを、第一および第二の配置状態においてそのつど互いに当接させる。この手段により、空気流の異なる流出角度が生成され、さらに空気流は、複数の薄板の配置により扇状に広がりまたは方向付けられる。この原理は後で説明する。
【0050】
図4は、第一の配置状態にある、本発明に係る通気装置を示す。しかし、この図示は、シャッタ1およびシャッタ1の下に配置されるプリズムグリッド2からなる通気カセットに限定される。空気流入チャネルおよび流出領域はここでは示されないが、プリズムグリッド2の下に存在する。空気は空気流入チャネルを介して流出領域へ導入され、そこから、シャッタ1およびグリッド2からなる通気カセットへと導かれる。通気カセットは流出領域の上に配置される。具体的には、自動車産業で利用される任意のシステムを、空気流入チャネルおよび流出領域として利用することができる。
【0051】
図4から容易に分かるように、長手スロット15の下に配置されるのは第一薄板構造3のみである。空気がこの通気カセットに流れ込むと、方向付けられた第一の空気流13が生成される。
【0052】
図5は、第二の配置状態における通気装置を示す。
【0053】
この配置状態においては、扇状に広がる複数の薄板を有する第二薄板構造4のみがシャッタ1の通気スロット15の下に配置される。空気が通気カセットを流れる場合、扇状に広がった第二の空気流が生成される。
【0054】
図6は、車両のインストゥルメントパネルに組み込まれる、本発明に係る第一の配置状態の通気装置を示す。
【0055】
本実施例においては、本発明に係る通気装置(より正確にはシャッタ1)が、フロントガラス11に隣接して配置される。ここで、シャッタ1は、その寸法上、インストゥルメントパネル表面の中間1/3を占める。
【0056】
図6から分かるように、第一空気流13が本発明に係る通気装置により生成され、この空気流が車両10の室内9に直接向けられる。ここで、空気流が流出する角度は、空気流12が運転席および助手席の乗員に対して、および彼等の間を、実質的に指向性をもって流れるように選択される。第一薄板構造3の複数の薄板によって定まる空気流13の開口角度は無視できるほど小さい。
【0057】
図7は、第二の配置状態で車両のインストゥルメントパネルに組み込まれる、本発明に係る通気装置を示す。
【0058】
本例においては、シャッタおよびプリズムグリッド2を持つ通気カセットが、第二の配置状態において扇状に広がる空気流を生成し、第一の配置状態で生成される第一空気流13と対照的に、車両10のフロントガラス11に直接導かれるように設計される。特にこの場合は、空気が扇状に広がる効果により、フロントガラス11全体が影響を受ける。この手段により、完全なデフロストが達成される。薄板構造14の複数の薄板により画定される空気流の開口角度は約70度である。
【0059】
上述の発明の通気装置の実施形態の代わりに、特に薄板構造3および4の両方が扇状に広がってもよい。このようにして例えば、上述の例同様、第一の配置状態において空気流は、車両室内に直接向けられつつも僅かに扇形に広がる。すなわち、第一の配置状態は、小さな開口角度を持ち、運転席および助手席の乗員に対して柔らかい空気流を送る。
【0060】
また、本発明に係る通気装置には、追加的な薄板構造を組み込むこともできる。
【0061】
以下に、異なる流出角を持つ空気流がどのように第一および第二の配置状態で生成されうるか、さらに詳細に説明する。
【0062】
図8は、本発明に係る第一の配置状態の通気装置の概略断面図である。
【0063】
ただし、シャッタ1の底面側の構造のブロックレット16およびプリズムグリッド2のウェブ5のみが示されている。断面平面はXZ平面である。図1参照のこと。
【0064】
第一の配置状態においては、ウェブ5の第二側面6bはブロックレット16の第二側面7bと当接する。空気が流れる間隙は、ウェブ5の第一側面6aと、この側面6aに対向して隣接するブロックレット16の第一側面7aとの間に形成される。ここで、ブロックレット16の側面7aの配向、およびウェブの7bは、空気チャネルの形状を画定し、それ故に流出角度も画定する。本実施例に係る側面6aおよび7aは、Z軸に対して45度の流出角の空気流が生成されるように設計される。
【0065】
ウェブ5は、プリズムグリッド2を変位させることによって第二の配置状態とされる。
【0066】
図9は、本発明に係る第二の配置状態の通気装置の概略断面図(XZ平面)である。
【0067】
第二の配置状態においては、ウェブ5の第一側面6aがブロックレット16の第一側面7aに当接する。空気が流出する間隙は、ウェブ5の第二側面6bと、隣接するブロックレット16の第二側面7bとの間に形成される。間隙の形状はこのようにして側面6b、7bの形状により与えられる。この場合、側面6b、7bは、Z方向に対して平行な間隙が形成されるよう設計される。これによりZ方向に実質的に平行な空気流が生じる。
【0068】
本実施例においては、ウェブ5は断面が三角形であり、ブロックレット16は矩形である。ここでは基本的に、他の形状同様、例えば矩形断面のウェブおよび三角形断面のブロックレットを利用することもできるし、基本的に異なる形状を採用してもよい。
【0069】
ここで示したシャッタ1およびプリズムグリッド2の他に、通気装置はさらに、シャッタ1の通気スロット15を閉鎖しうる第三の部材を含んでもよい。このような部材の一つの可能な実施形態は、開閉面(geschlossenen Flachen)15に対応する寸法の通気スロット15を持つ平面要素である。これは、変位によって通気スロット15に合致させることができる。
【0070】
また、そのような機能をプリズムグリッド2に組み込むこともできる。例えば、開閉面をウェブ5間に設けてもよい。これは、プリズムグリッド2を変位させることで通気スロット15と合致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る第一の部材は、ここではシャッタとして設計されており、本発明に係る第二の部材は、ここではプリズムグリッドとして設計されている。
【図2】シャッタの底面側である。
【図3】挿入されたプリズムグリッドを含むシャッタの底面側である。
【図4】第一の配置状態における通気装置である。
【図5】第二の配置状態における通気装置である。
【図6】車両のインストゥルメントパネルに組み込まれた、本発明に係る第一の配置状態の通気装置である。
【図7】扇状に広がる空気流を持つ、車両のインストゥルメントパネルに組み込まれた、本発明に係る第二配置状態の通気装置である。
【図8】本発明に係る第一の配置状態の通気装置の概略断面図である。
【図9】本発明に係る第二の配置状態の通気装置の概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流入チャネルおよび流出領域を含み、車両(10)の室内(9)および/またはフロントガラス(11)に特に通気するための通気装置であって、
少なくとも一つの異なる第一の空気流(13)と第二の空気流(14)とを実現すべく互いに対して少なくとも一つの第一の配置状態および第二の配置状態とされる第一の部材および第二の部材(1,2)が前記流出領域に設けられ、
前記第一の部材または前記第二の部材は第一薄板構造(3)を含み、前記第一の部材または前記第二の部材は前記第一薄板構造(3)とは異なる第二薄板構造(4)を含み、
前記第一の部材および前記第二の部材の前記第一の配置状態においては、第一の開口角度で第一の空気流を生成すべく空気が前記第一薄板構造から流出し、前記第二の配置状態においては、前記第一の開口角度とは異なる第二の開口角度で第二の空気流を生成すべく空気が前記第二薄板構造から流出する、通気装置。
【請求項2】
前記第一薄板構造(3)は互いに平行な複数の薄板を有し、前記第二薄板構造(4)は互いに扇状に傾斜した複数の薄板を有し、
前記第一の部材および前記第二の部材の前記第一の配置状態においては、空気が前記第一薄板構造から流出して方向付けられる第一の空気流(13)を生成し、前記第二の配置状態においては、空気が前記第二薄板構造から流出して扇状に広がる第二の空気流(14)を生成する、請求項1に記載の通気装置。
【請求項3】
前記第一および第二薄板構造(3,4)はグリッド状に形成される、請求項2に記載の通気装置。
【請求項4】
前記第一の部材および前記第二の部材の異なる開閉面(6a,6b,7a,7b)は、前記第一の部材および第二の部材(1,2)の前記異なる配置状態においてそのつど互いに当接し、前記空気流(13,14)に対して前記扇状に広がることまたは方向付けられることに加え、前記空気流(13,14)の異なる流出角度を実現する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の通気装置。
【請求項5】
前記第一の部材および/または前記第二の部材(1,2)は、プリズム形状の、好ましくは三角形状のウェブ(5)を有する、請求項4に記載の通気装置。
【請求項6】
前記プリズム形状のウェブ(5)は、互いに平行をなして共通平面に配置され、前記平行なウェブ(5)に直交する複数の薄板を有する第一薄板構造(3)および第二薄板構造(4)が、二つの隣接するウェブ(5)の間に前後して配置される、請求項4〜請求項5のいずれかに記載の通気装置。
【請求項7】
前記第一の部材および/または前記第二の部材は、溝または凹部(8)を含み、他方の部材の前記第一薄板構造および/または第二薄板構造(3,4)の複数の薄板が前記溝または凹部(8)に少なくとも部分的に導入される、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の通気装置。
【請求項8】
前記流出領域を閉鎖する第三の部材が、前記第一の部材および前記第二の部材の動作状態から独立して可動に設けられる、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の通気装置。
【請求項9】
前記流出領域は、自動車(10)の室内(9)に配置されてフロントガラス(11)に隣接する、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の通気装置。
【請求項10】
前記第一の配置状態において、前記空気流(13)が前記自動車の室内(9)の中央に方向付けられ、前記第二の配置状態において、前記空気流(14)が前記フロントガラス(11)に方向付けられる、請求項9と請求項3との組み合わせにおける通気装置。
【請求項11】
前記第一、第二、および/または第三の部材(1,2)はプラスチックまたは金属からなる、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の通気装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれかに記載の通気装置を有するトリム部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−512585(P2009−512585A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535985(P2008−535985)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010171
【国際公開番号】WO2007/045507
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(504328912)フォールシア インネンラオム システム ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】