説明

車両座席用のリクライナシステム

車両座席、特に自動車座席用のリクライナシステムであり、第1のリクライナ部(11)及び第2のリクライナ部(12)を有し、相互にロックされ、さらに相互に軸(A)周りに回転される少なくとも一つのリクライナ(10)と、前記リクライナ(10)をアンロックする回転を行う伝達ロッド(7)と、前記リクライナ(10)をアンロックするために前記伝達ロッド(7)を回転するように作動するハンドレバー(5)とを含み、ストッパモジュール(50;150)が一方で前記ハンドレバー(5)に、他方で前記伝達ロッド(7)に、動作可能に結合されるように設けられ、前記ストッパモジュール(50;150)は前記ハンドレバー(5)及び前記二つのリクライナ部(11、12)のうちの一つを回転の少なくとも一方向に対して停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提の特徴を有する車両座席用のリクライナシステムに関する。
【0002】
このような種類のリクライナシステムは、独国特許公開公報DE 103 35869 A1により周知である。特別なスプリングがガタツキを除去するためにロッキング方向にて、伝達ロッド上に負荷を課す。さらに、前記スプリングは、軸方向における動きに対抗して前記伝達ロッドを固定する。
【0003】
冒頭にて説明したタイプのリクライナシステムを改良することが発明の根本的な目的である。本発明によれば、本目的は請求項1の特徴を有するリクライナシステムによって達成される。有利な具現化例は、従属請求項の発明の主題を形成する。
【0004】
本発明に係るリクライナシステムは、少なくとも一つのリクライナ、伝達ロッド、ハンドレバー、ストッパモジュール及び、任意として、背もたれ補償スプリングを含む。一方で前記ハンドレバーに、他方で前記伝達ロッドに機能的に結合され、さらに前記ハンドレバー及びリクライナ部の一つを少なくとも一つの回転方向で相互に対して接触を止める状態にする、前記ストッパモジュールは、いくつかの機能を果たす。
【0005】
前記機能的な結合から得られる第1の機能は、前記ハンドレバーから前記伝達ロッドへのトルクの伝達である。前記機能は、前記ハンドレバーがアンロッキング位置に旋回されると、前記トルクを前記リクライナに伝達する。トルクの伝達は、好ましくは所定の角度範囲に制限され、それゆえ前記ハンドレバーは初期位置と最大偏倚との間のみで旋回される。
【0006】
前記第1の機能は、第2の機能のための前提条件であり、前記ハンドレバー及び前記リクライナ部の一つが相互に対して接触を止める状態とされ、さらにトルクがそれにより前記リクライナ部に突き当たり、つまり効果がないということになる、トルク伝達が妨害されるところの、誤使用の予防策である。その結果、前記リクライナの内部部品は、保護される。そのような場合、前記リクライナの前記内部部品は、すでに回転の終端位置を占めており、さらに、前記伝達ロッドによる、さらなる負荷がかかることは、直接的に損傷へと導くので、これは、特にロッキング方向における回転のために、重要である。しかし、誤操作の予防策としての前記停止モジュールの第2の機能は、前記リクライナがアンロックとされ、さらに前記伝達ロッドが前記アンロック方向にさらに回転されると、前記ストッパモジュールが効果的となるように配置することによって拡張される。前記ストッパモジュールは、その後、前記ハンドレバーの作動のための角度範囲を制限する。
【0007】
第3の機能は、ストッパモジュールが、リターンスプリングによってリクライナと接触停止に保持されると、ストッパモジュールとの適切な結合において(前記リターンスプリングの事前に加えられた負荷を下回る)、前記伝達ロッドの相対的な動きを防ぐことによる、ガタツキの排除である。前記リターンスプリングを前記構造内に収容するために、前記ストッパモジュールは、好ましくはカップ状の設計とされる。前記ハンドレバーの端部の定義は、前記ストッパモジュールの第4の機能として言及される。
【0008】
周方向にあって効果的である、第1の機能のため、ねじれ剛性である結合が、前記ハンドレバーと前記ストッパモジュールの間、さらに前記ストッパモジュールと前記伝達ロッド、例えば適切にプロファイルされるレセプタクル、開口、リブ或いは溝の間に好ましくは提供される。同様に周方向にあって効果的である、第2の機能のため、ストッパとカウンタストッパは、周方向における広い停止面を形成するために、半径方向の適切な範囲で軸方向に突出するように好ましくは設計される。カウンタストッパは、関連するリクライナ部に好ましくは形成され、つまり、一体的に、あるいは代替的ではあるが、部分的にも製造され、さらにはリクライナ部に固定されてもよい。
【0009】
ラッチングノーズ及びラッチング開口及び/又はクリップフック及びリング或いは環状ビーズは、前記ハンドレバーと前記ストッパモジュールの間、さらには前記ストッパモジュールとリクライナの前記他の部品との間の軸方向のリテンションのために設けられる。適切な結合の様々な要素の間を介してねじれ剛性結合及び軸方向リテンションアレンジメントが設けられる。例えば、押し出しされるセクション仕様においてプロファイルされる、前記ストッパモジュールと伝達ロッドのための適切なオプションは、次の要素を用いるためであり、つまり前記リクライナ内に配置され、前記駆動部に締め付けリング、例えばリクライナに溶接される締め付けリングが好ましい、を設けることによる軸方向のリテンションのため、前記伝達ロッドにより回転される駆動部である。
【0010】
背もたれ補償スプリングは、好ましくはスパイラル設計であり、背もたれの内部端にてサポーティング軸受筒にて補助される。前記サポーティング軸受筒は、リクライナの複数部品の一つに対して端部に好ましくは配置され、後部の軸に整列されて、そこに直接的に溶接される。用語「直接的に溶接される」は、当該リクライナ部と前記サポーティング軸受筒の間にさらなる部品を設けることのないことを意味する。まっすぐな結合は、前記リクライナ部の溶融された材料及びサポーティング軸受筒及び、適宜、溶接の間に付加される充填材料によって達成される。支持のため、前記背もたれ補償スプリングは、前記サポーティング軸受筒上の前記スプリングの最内側の回転によって静止することができ、前記スプリングの端部によってフックされる。前記サポーティング軸受筒は、好ましくは、前記サポーティング軸受筒の円周に沿って遮られる、(環状)リング形状端部を有する。前記サポーティング軸受筒は、好ましくは中空で、両端部が開放されている。リング形状の端部は、前記サポーティング軸受筒と前記リクライナ部の間の環状のジョイントに沿って前記サポーティング軸受筒内でのレーザ溶接を許容する。MAG溶接のため、一端でカップ形状の開口を有する前記サポーティング軸受筒は、前記カップの底部が前記リクライナ部に溶接される場合に、利点を有する。前記ハンドレバーの旋回動きの角度範囲を制限する目的のため、及び前記ストッパモジュールの第2の機能が提供されるところの、カウンタストッパは、前記サポーティング軸受筒上に形成される。
【0011】
本発明に係るリクライナシステムは、車両座席に用いられ、好ましくは背もたれの傾斜を調整するために用いられるが、他の部分にて用いられることもできる。ディスク形状ユニットとしての前記リクライナの具現化例は、軸周りの相対的な回転を介して前記リクライナ部の間の角度にあって、いかなる所望の変化も実現することを可能とする。前記リクライナ部の軸上の結合は、第1のリクライナ部にわたってフィットし、内側に放射状に曲げられるエッジにより、第1のリクライナ部に相対的に動くことができ、さらには第2のリクライナ部にしっかりと結合されるクラスプリングによって作り出される。
【0012】
本発明は、図に示される二つの具現化例の参照と、変形及び改良により、非常に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の具現化例に係るリクライナ、ストッパモジュール及びハンドレバーを介した軸上断面を示す図である。
【図2】車両座席の概略的な概観を示す図である。
【図3】ロックされた状態におけるストッパモジュール及びリクライナの斜視図である。
【図4】(アンロックされた状態)にあって回転されたストッパモジュールを伴う図3に対応する斜視図である。
【図5】リクライナ、ストッパモジュール、ハンドレバー及び座席部の一部の分解図である。
【図6】駆動部及び駆動リングの斜視図である。
【図7】ハンドレバー及びストッパモジュールの斜視図である。
【図8】ハンドレバー及びストッパモジュールの一部を介した軸上断面図である。
【図9】スプリングアレンジメント及び駆動部と一緒の第2のリクライナ部を示す図である。
【図10】リクライナの分解図である。
【図11】リクライナ、ストッパモジュール、ハンドレバー及び第1の変形に対応して支持される、背もたれ補償スプリングを介した軸上断面図である。
【図12】リクライナ、ストッパモジュール、ハンドレバー及び第2の変形に対応して支持される、背もたれ補償スプリングを介した軸上断面図である。
【図13】背もたれ、座席部及び第2の変形に対応して支持される二つの背もたれ補償スプリングの部品を含むリクライナシステムの分解図である。
【図14】リクライナ、背もたれ補償リング及びストッパモジュールと一体に形成されたハンドレバーを通しての軸上断面図である。
【図15】ストッパモジュールに一体に形成されたハンドレバーの斜視図である。
【図16】第2の具現化例に対応した、車両座席の左手側に配置されるリクライナシステム部の分解図である。
【図17】図16とは異なる方向からの分解図である。
【図18】図16に対応する後部からの図である。
【図19】図16に対応する側部からの図である。
【図20】ハンドレバーをはずした状態での、図19に対応する側部からの図である。
【図21】図20におけるラインXXI−XXIに沿った、リクライナの概略的な断面図である。
【図22】図20におけるラインXXII−XXIIに沿った、リクライナの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
自動車の車両座席1は、座席部3及び背もたれ4を有し、座席部3に対する背もたれ4の傾斜は調節される。背もたれ4の傾斜を調節するため、座席部3と背もたれ部4の間の移行領域にあって水平に配置される伝達ロッド7が、例えば、ハンドレバー5によって手動で回転される。伝達ロッド7は、車両座席1の両側にてリクライナ10に接触する。円筒のコーディネートシステムである、伝達ロッド7は、用いられる方向指示を定義する。
【0015】
二つのリクライナ部11及び12は、それぞれ概ね実質的ディスク形状と記されることができる。二つのリクライナ部11及び12は、以下に説明される仕様にて製造される。軸方向に作動する力を吸収するため、つまりリクライナ部11及び12を共に保持するため、クラスプリング13が提供される。クラスプリングによってリクライナ部11及び12を保持する方法は、例えば米国6,799,806 B2に、記載されている。好ましくは金属製のクラスプリング13は、二つのリクライナ部11及び12のうちの一つ、例えば第2のリクライナ部12に、好ましくは溶接、或いはクラスプリング13がそこに結合されるリクライナ部とフィットするのであれば、第2のリクライナ部12にフランジ結合される。一方側にて、クラスプリング13は、半径方向内側に曲げられ、さらに二つのリクライナ部11及び12のうちの他の部品、例えば第1のリクライナ部11の半径方向外側にフィットすることによって、選択的に挿入される分離スリップリングが適切であるならば、二つのリクライナ部11及び12の相対的な動きを妨げることのない、端部を有する。製造ということであれば、二つのリクライナ部11及び12は共に(クラスプリング13と)ディスク形状のユニットを形成する。
【0016】
前記リクライナ10の取り付けの後、第1のリクライナ部11は、背もたれ4の構造体、例えば、本実施例では、背もたれ部4aにしっかりと結合され、つまり、背もたれ4に固定される。第2のリクライナ部12は、その後、座席部3、本具体例では、座席部アダプタ3aにしっかりと結合され、座席部に固定される。しかし、リクライナ部11及び12の関係は交換されることができ、つまり、第1のリクライナ部11は座席部に固定され、第2のリクライナ部12が背もたれに固定されてもよい。
【0017】
リクライナ10は、戻り止めリクライナとして設計される。第1のリクライナ部11及び第2のリクライナ部12が相互にロックされることができるが、アンロックされると、第1のリクライナ部11及び第2のリクライナ部12は、例えば独国DE 10 2006 015 560 B3に説明されているように、互いに軸A周りに(伝達ロッド7と連携して)相対的に回転される。
【0018】
第2のリクライナ部12は、本具体例の場合には4つのセグメントであるガイドセグメント14の対とされるストレートガイド面14aによって半径方向に横にそれぞれロッキングエレメント16をガイドする。本具体例における合計4つのロッキングエレメント16は、二つのリクライナ部11及び12の間に定義される取り付け空間にあって、それぞれ90°で、相互に相対的にオフセットされるような仕様にて配置される。ロッキングエレメント16は、放射状に外側端部で歯付きセグメントが設けられ、歯付きセグメントは、内部ギアとして設計された第1のリクライナ部11の歯付きリム17にかみ合う(入る)ことができる。歯付きリム17及びロッキングエレメント16が相互に作用すると、リクライナ10がロックされる。ガイドセグメント14はカーブされるベアリング面14bによって第1のリクライナ部11の歯付きリム17に対してそれぞれ静止し、その結果、二つのリクライナ部11及び12は相互に支持する。
【0019】
代替として、第1のリクライナ部11は、第2のリクライナ部12の窪みに配置され、二つのリクライナ部11及び12が相互に支持して、第2のリクライナ部12は第1のリクライナ部11に外側で放射状にフィットする。この場合、第1のリクライナ部11の外側放射状の端部領域は、ガイドセグメント14と第2のリクライナ部12の外側端部領域(第1のリクライナ部11のために支持を提供するように機能する前記端部領域)の間で歯付きリム17に放射状に配置される。例えば、衝突事故の場合における高負荷の下で、第1のリクライナ部11は、変形の後、第1のリクライナ部11の歯付きリム17によって、負荷の方向に近接するガイドセグメント14のベアリング面14nと噛み合う状態となる。これは、リクライナ10の強度を増加する。
【0020】
リクライナ10の中央に配置されるのは、例えばプラスチックで形成され、二つのリクライナ部11及び12のうちの少なくとも一つ、本具体例では両方のリクライナ部11及び12であり、より詳しくはそれらのリクライナ部の中央部の開口にあって、回転される仕様にて支持される、駆動部21である。車両座席の両側にあって、駆動部21は、ねじれ剛性仕様にて駆動目的のために、中空の駆動部21におけるホール23に導かれる伝達ロッド7に結合されるか、或いは少なくとも連結される。軸方向にあって、駆動部21は、中央部にて、駆動部21の、リクライナ部11及び12にて支持される、二つの端部よりも大きな半径を有するので、二つのリクライナ部11及び12は駆動部21を軸方向に固定する。駆動部21の一端部にて、本具体例の場合、第2のリクライナ部12では、プラスチック製の締め付けリング24が設けられる。締め付けリング24は、超音波溶接によって駆動部21に好ましくは固定される。
【0021】
リクライナ部11及び12の間に定義される取り付け空間に配置される偏芯部27は、ねじり剛性仕様にて固定されるか、或いは少なくとも駆動部21上に駆動目的にて結合される。スパイラルスプリングの本具体例にあって、スプリングアレンジメント35は、二つのリクライナ部11及び12のうちの一つの中央レセプタクルに配置されるが、本具体例では、スプリングアレンジメント35は、第2のリクライナ部12の、外側に支持される。内部の駆動部21上のねじれ剛性仕様にて固定されることによって本具体例では、スプリングアレンジメント35には偏芯部27上の負荷が課せられる。内部と外部の入れ子の二つのスパイラルスプリングを有する代替のスプリングアレンジメント35は、独国DE 10 2005 046 807 B3に例えば記載されている。スプリングアレンジメント35によって負荷がかかる偏芯部27は、ロッキングエレメント16を半径方向に移動可能とするように作動し、さらに負荷をそこに課し、その結果、ロッキングエレメント16は、放射状に外側に向かって押され、歯付きリム17を嵌め込み、これによりリクライナ10がロッキングされる。
【0022】
制御ディスク36は、ロッキングエレメント16と第1のリクライナ部11との間の軸上の取り付け空間に配置され、本具体例にあっては、ねじれ剛性仕様にて偏芯部27に取り付けられる。制御ディスク36は、本具体例にあっては、4つのトラックのような制御トラックを有する。各制御トラックは、各ロッキングエレメント16におけるノーズ38と相互に作用する。ノーズ38は、ノーズに関連されるロッキングエレメント16から軸方向に突出する。駆動部21の、それによって駆動される偏芯部27の、スプリングアレンジメント35の力に対向する制御ディスク38の回転(2、3°の)があると、制御ディスク36はロッキングエレメント16を半径方向内側、つまり歯つきリム17の外側に引っ張り、それによってリクライナ10はアンロックされ、二つのリクライナ部11及び12は、軸A周りに相互に対して回転する。これにより、座席の使用のために適合される多くの使用位置の間に、背もたれ4の角度が調整可能となる。
【0023】
2ドアタイプの自動車の場合、アンロックされた背もたれ4が、使用の位置の一つから旋回されて、座席の使用には適さない、背もたれが自由とされる位置まで自由に旋回されるような、背もたれ4の自由な旋回によって後部座席へのアクセスが容易となることが意図される。ハンドレバー5、或いは他の作動要素が自由旋回の全プロセスの間保持されず、さらに前記背もたれが自由旋回される位置にてのみ前記リクライナがロックされるのであれば、操作の利便性は増加する。この目的のため、ねじれ剛性仕様にて第1のリクライナ部11に結合されるリング形状の旋回フリー制御要素45は、リクライナ10にて軸A周りに制御ディスク36と第1のリクライナ部11の間で、任意に旋回される。旋回フリー制御要素45は、ロッキング要素16上で複数ノーズ38と相互に作用するストップトラックを有する。ストップトラックは、ロッキング要素16の半径外側への動きを制限するか、或いはロッキング要素16への噛合を妨害する。背もたれ4が、半径方向外側或いは半径方向内側の異なる距離で、二つのロッキング要素16の間の角度を越えての旋回がフリー(free)とされるのを可能とするため、交互に関連付けられる、ロッキング要素16のノーズ38は、ロッキング要素16に配置され、その結果、近接するノーズ38は異なるストップトラックと相互作用する。ロッキング要素16の異なる設計がここにおいて提供された。詳細は、独国10 2006 015 560 B3に説明されている。
【0024】
二つのリクライナ10、伝達ロッド7及びハンドレバー5は、リクライナシステムの部品であり、二つのリクライナ10のうちの一つに配置される少なくとも一つの背もたれ補償スプリング47もリクライナシステムに付属する。背もたれ補償スプリング47は、前記二つのリクライナ10のそれぞれに取り付けられることもできる。背もたれ補償スプリング47は、断面がほぼ矩形のスプリングスチールバンドで形成され、スパイラルスプリングとして設計される。
【0025】
背もたれ補償スプリングの内部端は、対応するリクライナ10上で支持される。このため、リクライナ10は、二つのリクライナ部11又は12のうちの一つに固定されて、軸Aと連携する、サポーティング軸受筒48を有する。サポーティング軸受筒48は、金属製であり、好ましくはスチールである。固定は、好ましくはレーザ溶接によって成される。この目的のため、サポーティング軸受筒48は、関係しているリクライナ部11又は12に対する、リング形状端に配置され、その後、リクライナ部11又は12に溶接される。背もたれ補償スプリング47は、サポーティング軸受筒48の円筒外側上の最内周に静止され、例えば、その端部でサポーティング軸受筒48内のスロットにフックされる。
【0026】
背もたれ補償スプリング47の外側端は、サポーティング要素49にて支持され、それゆえ、予備負荷(プリロード)の効果によって背もたれ4上に負荷を課す。サポーティング要素49は、例えば、軸方向に突起するピン、軸方向に突起するタブ或いはサポーティングリング状の軸突起物である。この具体例の場合、サポーティング要素49は、サポーティング要素49が軸方向に突出する、背もたれ部4a上に固定される。プリロードは、背もたれ補償リング47が少なくとも部分的に背もたれ4の重量を背もたれ4の使用可能位置にて補償する仕様にて選択される。
【0027】
サポーティング軸受筒48がリクライナ10に固定されるところとして、二つの可能性がある。第1の変形は、サポーティング軸受筒48が、本具体例では背もたれに固定される、第1のリクライナ部11に固定されることができるというものである。或いは、改良される第2の変形は、サポーティング軸受筒48が、本具体例では座席部に固定される第2のリクライナ部12に固定されることができるというものである。前記第1の変形にあって、サポーティング軸受筒48が、背もたれに固定される第1のリクライナ部11に固定されるならば、背もたれ補償スプリング47の外側端を支持するのに提供されるピン又はサポーティングリング49などは、状況に応じて、座席部3に例えば溶接により、しっかりと結合される。第2の変形にあって、サポーティング軸受筒48が、座席部に固定される第2のリクライナ部12に固定されるならば、サポーティングリング49或いは背もたれ補償スプリング47の外側端を支持するために提供される他の支持は、背もたれ4に、例えば溶接によりしっかりと固定される。
【0028】
第2のリクライナ部12の外側にあって(つまり、第1のリクライナ部11から離れて面している側)、前記リクライナ部は、本具体例では4つのガイドセグメント14の間に配置されている、本具体例では、4つの上肢或いは腕である、第1の星型肩部12aを有している。第1の星型肩12aよりも小さな寸法の第2の星型肩部12bが前記第1の星型肩12a上に配置されている。本具体例にあっては、第2のリクライナ部12のプレス加工の特徴によるところの、テラス状の構造がこのように得られる。第1の星型肩12aは、本具体例にあって、座席部に固定される座席部アダプタ3a上の前記テラス状構造に固定するために用いられ、これは第1の星型肩12aを座席部アダプタ3aにおけるマッチング開口に挿入すること、さらには好ましくはレーザ溶接によってしっかりとそこに結合されることによって達成される。第2の星型肩12bは、その星型肩12bの反対側のリクライナ10内に、スプリングアレンジメント35に取り付け空間を提供する。第2の星型肩12bは、前記マッチング開口を介して突出し、前記テラス状構造の他側に突きでる。第1の変形にあって、第2のリクライナ部12の外側は、サポーティング軸受筒48から向こうに向けられ、背もたれ補償スプリング47からも向こうに向けられる。第2の変形にあって、サポーティング軸受筒48は、軸上に突出するために第2の星型肩12b上に配置され、さらに第2のリクライナ部12に好ましくは溶接によりしっかりと結合される。第2のリクライナ部12に対向するサポーティング軸受筒48は、第2の星型肩12bにポジティブに好ましくはかみ合い、これによりサポーティング軸受筒48を予配置する、ぎざぎざの突起48zを有する。
【0029】
このように、二つの具現化例は類似している。第1の具現化例の様々な変形が以下に説明される。
【0030】
ストッパモジュール50は、ハンドレバー5とその近接のリクライナ10との間、つまり車両座席の一側部のみに設けられる。ストッパモジュール50は、カップ形状のデザインであり、好ましくはプラスチック射出成型によって形成される。ストッパモジュール50の開口側は、第2のリクライナ部12に対向し、その軸Aと連携する。ストッパモジュール50の開口側にて、ストッパモジュール50の円筒の壁の端部は、前記端部に沿って突出する(つまり、ストッパモジュール50と一体に形成される)本具体例では4つのストッパである複数のストッパ50の仕様で設計される。複数のクリップフック50cは、本具体例では6つのフックであり、ストッパ50bに同軸に配置されることで、ストッパモジュール50内から軸上に突出する。クリップフック50cは、軸方向にあって駆動部21上の締め付けリング24の背後で接触し、クリップタイプの結合を形成し、それによってストッパモジュール50を回転可能にリクライナ10に結合する(その外側にて)。
【0031】
第1の変形にあって、つまり、サポーティング軸受筒48が第1のリクライナ部11に固定されると、第2の星形肩12bの4つの上肢あるいは腕は、4つのカウンタストッパ51を定義する。4つのカウンタストッパ51は、周方向にあってストッパモジュール50のストッパ50bと相互に作用するのに適している。半径方向にできるだけ大きいカンタストッパ51を形成するため、スプリングアレンジメント35は、実質的にコンパクトな仕様にて巻かれている。第2の変形例にあって、つまりサポーティング軸受筒48が第2のリクライナ部12に固定されると、サポーティング軸受筒48の自由なリング形状端面は、周方向にあってストッパモジュール50のストッパ50bと相互に作用するのに適する、4つのカウンタストッパ51を定義する4つの軸周りの突起を有する。
【0032】
ストッパモジュール50が駆動部21に結合すると、つまり、本具体例の場合、クリップすると、4つのストッパ50bは、周方向にて、カウンタストッパ51の間に、大きな量、例えば30°の遊びを伴って配置される。ストッパ50bは、好ましくは、第1の星型肩12aに対する軸端(或いはサポーティング軸受筒48の自由端)によって静止される。
【0033】
リターンスプリング54は、ストッパ50bを組み合わせる端部と半径方向のクリップフック50cの間のストッパモジュール50内に配置される。リターンスプリング54は、スプリングワイヤによって作られる巻線に、好ましくは巻かれる。二つのスプリング端部は、折り曲げられ、軸周りに突出する(反対方向に)。第2の星型肩12bの対向する上肢或いは腕のうちの一つ或いは好ましくは二つにて、第2のリクライナ部12は、リクライナ10内の取り付け空間に突出するペグとして設計されるホルダ12hを有する。前記ペグは、その反対側に外側へ開口しているブラインドホールを有する。前記ブラインドホールは、ペグの形成の間の製造処理の一部として形成される。リクライナ10内にあって、ホルダ12hはスプリングアレンジメント35を固定するために用いられる。第2のリクライナ部12の外側にあって、ホルダ12hはリターンスプリング54の二つのスプリング端部の一つにてフックする(つまり固定)ために用いられる。
【0034】
中央開口50eは、ストッパモジュール50の底部、つまり、大部分が閉じた端部に設けられる。前記開口は軸方向に通る開口として設計され、ストッパ50bを有する円筒の壁及びクリップフック50cと同心に配置される。そのような外形をなす中央開口50eは、ねじれ剛性仕様の伝達ロッド7を収容する。周方向に均一に割り当てられた複数のスプリングアンカーポイント50fは、本具体例では、ストッパモジュール50の底部を介して軸方向に通るように設計される例えば8個のスプリングアンカーポイントは、中央開口50eに同心に配置される。リターンスプリング54の二つのスプリング端部の他方は、前記スプリングアンカーポイント50fのうちの一つに挿入される(そして、固定される)。
【0035】
軸方向に延設し、一方の端部にてストッパモジュール50の底部に開いている、複数の溝15n、本具体例では、例えば4つの溝は、ストッパモジュール50の円筒壁に形成される。本具体例では、例えば4つの溝50nはストッパ50bに整列している。複数のラッチングノーズ50rは、本具体例では、例えば4つのラッチングノーズは、周方向に溝50の間に、ストッパモジュール50の円筒壁上に形成される。ラッチングノーズ50rは、ストッパモジュール50の側面に隣接する底部方向から立ち上る側面を有し、側面は内側に放射状に延設する。
【0036】
ハンドレバー5は、好ましくはプラスチック製であり、さらに好ましくは一体部品として形成される。(部分領域にて)、ハンドレバー5は、ハンドレバー5が取り付けられるとき、ストッパモジュール50が導入される(軸方向に)レセプタクル5aを有する。レセプタクル5aは、複数のリブ5d、本具体例では例えば4つのリブが形成されるところの、壁によって範囲が定められ、軸方向に延設する。ハンドレバー5は、ストッパモジュール50に取り付けられるので、前記4つのリブ5dは、前記4つの溝50nに(ポジティブに)導入される。ハンドレバー5及びストッパモジュール50は、周方向にねじれ剛性仕様で相互に結合されるので、トルクの伝達を許容する。任意に、さらなる軸の突起がハンドレバー5上に形成され、さらに例えば中央開口50eとスプリングアンカーポイント50fとの間に放射状に、窪みがストップモジュール50上に形成され、これら軸の突起及び窪みはハンドレバー5とストッパモジュール50の間に明確な噛み合いを付加的に提供する。
【0037】
複数のラッチング開口5e、本具体例では、例えば4つのラッチング開口5eは、半径方向に通るようにレセプタクル50aの壁にも形成される。ハンドレバー5がストッパモジュール50上に取り付けられるので、ラッチングノーズ50rはラッチング開口5eに入り、それによってクリップタイプ結合が形成され、つまり、取り付け方向における各ラッチング開口5eのリーディング端は、関連するノーズ50rの背後に噛み合う。ストッパモジュール50とハンドレバー5の弾力性は、ラッチングノーズ50rがレセプタクル5aの壁の終端部におけるエッジとラッチング開口50rとの間の距離をカバーできるのを補償するのに充分である。
【0038】
伝達ロッド7は、好ましくは半径方向にわずかに突出し、例えば、伝達ロッド7の局部的な歪(絞りこみ)によって形成されるクランピングカム7dを有する。クランピングカム7dは、クランピングカム7dが軸方向にあってストッパモジュール50にしっかりと伝達ロッド7をクランプするような方法にて、ストッパモジュール50の前記中央開口50eのエッジと相互に作用する。すなわち、クランピングカム7dは、周方向のねじれ剛性結合に加えて、伝達ロッド7を摩擦による噛合によって軸方向に固定する(及びわずかにポジティブな噛合)。伝達ロッド7は、リクライナ10、つまり駆動部21に押し込められて固定される。伝達ロッド7をリクライナ10の外に押し出すことは、伝達ロッド7が軸方向に接触することになるハンドレバー5を妨げもする。
【0039】
ストッパモジュール50は、このように、一方でハンドレバー5と、他方で伝達ロッド7と動作可能に結合する状態になり、これら二つの部品の間に全体的に直列に配置される。第1の機能として、ストッパモジュール50は、ハンドレバー5がアンロッキング方向に旋回されると、作動されるハンドレバー5から(二つのリクライナ10の駆動部21にトルクを伝達する)伝達ロッド7にトルクの伝達を引き起こす。ハンドレバー5は、リターンスプリング54の力に対抗して旋回され、さらにストッパ50bとアンロッキング方向に配置されるカウンターストッパ51との間の接触によって制限される。
【0040】
ストッパモジュール50の周期対称性、つまり、特に、溝50n(さらにそれに応じたハンドレバー5のリブ5d)、及び伝達ロッド7の周期対称性(さらにそれに応じた中央開口50e)が、比較的に主要であれば、周方向における単一の実現性へのハンドレバー5の取り付けを制限するのを避けるために、ハンドレバー5と伝達ロッド7との間の周方向に好ましくは直接的な結合がない。しかし、これが正確に所望されているのであれば、ハンドレバー5は伝達ロッド7用の輪郭がとられたレセプタクルをも有することができる。動作可能な結合及びトルク伝達の関連機能について、ストッパモジュール50はハンドレバー5と伝達ロッド7との間に直列にというよりも、並列にされている。
【0041】
回転の少なくとも一つの方向にあって、ストッパモジュール50は、ハンドレバー5及びリクライナ10を相互に対して相対的に接触停止の状態にする。第2の機能として、ストッパモジュール50は誤操作防止部としての役割を果たす。リクライナ10がロックされているときに、ハンドレバー5がアンロッキング方向の反対、つまりロッキング方向に旋回されようとすると、ストッパ50bとカウンタストッパ51との間の接触は、ストッパモジュール50、それゆえ伝達ロッド7を回転から妨げる。
【0042】
任意の第3の機能として、ストッパモジュール50は、ガタツキ排除機能を果たす。二つのリクライナ10のロックされる状態にあって、ストッパモジュール50のストッパ50bは、ロッキング方向に配置される第2のリクライナ部12のカウンタストッパ51との接触がリターンスプリング54によって保持される。伝達ロッド7は、そこでリターンスプリング54のプリロード(事前に加えられた負荷)に対応した力に対応して迅速に保持され、そしてこれが、僅かなショックの場合に少なくとも、ガタツキを防ぐ。伝達ロッド7用のガタツキ排除対策を、大きなショックの場合にも効果的に作動させたいなら、大きなショックに対応する強いリターンスプリング54が選択され、対応するプリロードが課せられるべきである。リターンスプリング54付きのストッパモジュール50は、ハンドレバー5を定義される端部位置におくが、これは第4の機能として言及される。リターンスプリング54は、ハンドレバー5の内部がリクライナ10のアンロッキングを導かないことを補償するために、さらに衝突事故にあってハンドレバー5の質量補償に用いられる。
【0043】
背もたれ補償スプリング47用のサポーティング軸受筒48の固定の両方の変形例に矛盾しない、変形の具現化例にあって、ハンドレバー5及びストッパモジュール50は相互に一体に形成される。レセプタクル5a、リブ5d、溝5n、ラッチング開口5e及びラッチングノーズ50rは、結局のところ省略される。
【0044】
第2の具現化例が以下に説明される。第1の具現化例と同一の参照符号が、同一の部品或いは同一の動作を有する部品に付される。
【0045】
好ましくはプラスチック製でさらに好ましくは実質的に中空の円筒基本形状のストッパモジュール150は、ハンドレバー5とそれに隣接するリクライナ10の間、つまり車両座席の一方側のみで、サポーティング軸受筒48内に配置される。ストッパモジュール150の外部周側にあって、ストッパモジュール150は半径方向に、内側の段にハンドレバー5のクリップフック5cをガイドする階段状の溝150nを有する。溝150nの外側の段の壁は、ストッパモジュール150のストッパ150bとしての役割を果たす。ストッパモジュール150の内部周側にあって、サポーティング軸受筒48は、周方向にて相互に相対的にオフセット配置され、それぞれが軸方向に拡張されるリブを有する。前記リブは、カウンタストッパ51としての役割を果たす。外側の段にあって、溝150nは、周方向における空間に、カウンタストッパ51を収納する。ストッパ150bとカウンタストッパ51との間の空間は、ストッパモジュール150がサポーティング軸受筒48に相対的に回転されることができるところの角度範囲を定義する。
【0046】
ハンドレバー5は好ましくはプラスチック製であり、さらに好ましくは一体の部品として設計される。クリップフック5cは別にして、ハンドレバー5は突起部5pを有する。突起部5pは、前記クリップフック5cに並列に軸周りに突出し、少なくともいくつかのクリップフックは、ストッパモジュール150のレセプタクル150aにマッチングして、正確に噛み合い、さらにいくつかのクリップフックは、サポーティング軸受筒48の内側の壁に対して静止する。突起部5pは、駆動トルクをストッパモジュール150に導入するために用いられる。二つの半径方向の突出脚部を有するリターンスプリング54は、ストッパモジュール150とハンドレバー5との間で、ストッパモジュール150の窪みに、軸周りに配置される。二つの半径方向の突出脚部のうちの、短い方の脚部は、ストッパモジュール150におけるノッチに静止する。他方、前記突出脚部のうちの、長い方の脚部は、半径方向にストッパモジュール150を越えて突出し、さらにサポーティング軸受筒48におけるノッチに静止する。ハンドレバー5のクリップフック5cに対する周方向における位置オフセットにあって、ストッパモジュール150は付加的なクリップフック150cを有する。ストッパモジュール150は、そのクリップフック150cによって駆動部21の締め付けリング24上にしっかりとクリップされ、さらに詳しくは周方向にあって駆動部21に対して、軸周りに補償され、さらには回転されるような仕様にて、クリップされる。ハンドレバー5は、ストッパモジュール150上に、同様にクリップフック150cによって締め付けリング24にしっかりと(回転可能に)クリップされる。ハンドレバー5をしっかりとクリッピングすることは、リターンスプリング54が係留される仕様にて封入され、それによってサポーティング軸受筒48と相互作用する脚部のみが突出することを補償する。
【0047】
伝達ロッド7は、ストッパモジュール150にあって、マッチングプロファイルの中央開口150eにポジティブに噛み合い、さらに駆動目的で駆動部に連結される。伝達ロッド7は、たとえば、伝達ロッド7の局部的な歪(絞りこみ)によって形成され、中央開口150e(さらにはホール23と適切であるのか)の壁との摩擦噛合(さらにわずかにポジティブに噛合する)によって作用する、半径方向にあって、わずかに突出するクランピングカムによって軸周りに固定される。
【0048】
ストッパモジュール150は、これにより、一方で、ハンドレバー5と、他方で伝達ロッド7と動作可能に結合され、これら二つの部品の間に直列に配置される(トルク伝達について)。第1の機能として、ストッパモジュール150は、ハンドレバー5がアンロッキング方向に旋回すると、作動されるハンドレバー5から(トルクを二つのリクライナ10の駆動部21に伝達する)伝達ロッド7に、トルク伝達(制限された角度を越えて)を引き起こす。ハンドレバー5の旋回動作は、リターンスプリング54の力に対抗して生じ、ストッパ150bの間の接触、つまりアンロッキング方向にあって導かれる溝150nの壁、及びアンロッキング方向にあってさらに配置されるサポーティング軸受筒48のカウンタストッパ51によって制限される。
【0049】
ストッパモジュール150は、ハンドレバー5の初期位置にあって遊びなしで、さらにリターンスプリング54がストッパモジュール150をサポーティング軸受筒48のカウンタストッパ51と接触させるので、誤使用に対して補償されるように、ハンドレバー5の配置をもたらす。サポーティング軸受筒48のカウンタストッパ51は、アンロッキング方向の反対側のロッキング方向に配置される。すなわち、ロッキング方向にあって、ストッパモジュール150のストッパ150bによって、つまり、アンロッキング方向にて道をつける溝の壁によって、そしてそこにてハンドレバー5を保持する。第2の機能として、ストッパモジュール150は、誤使用防止部としての役割を果たす。ストッパ150bとカウンタストッパ51との間の前記接触は、ロッキンッグ方向における初期位置からさらに外側に手動で回転されることを妨げる。第3の機能として、ストッパモジュール150は、ガツツキ削除機能を働かせる。リターンスプリング54のプリロードは、ストッパモジュール150の遊びを削除、つまり雑音発生を含む制御されない相対的な動きを妨げる。
【0050】
対応する様式にあって、サポーティング軸受筒48は背もたれ補償スプリング47をサポートするのに加えて、ハンドレバー5の旋回動作を制限する機能と、誤使用に対して確実な使用にあって、ハンドレバー5の初期位置にてハンドレバー5の遊びのない配置を確実にする機能とを有する。
【符号の説明】
【0051】
1 車両座席
3 座部
3a 座部アダプタ
4 背もたれ
4a 背もたれ部
5 ハンドレバー
5a レセプタクル
5c クリップフック
5d リブ
5e ラッチング開口
5p 突起部
7 伝達ロッド
7d クランピングカム
10 リクライナ
11 第1のリクライナ部
12 第2のリクライナ部
12a 第1の星型肩部
12b 第2の星型肩部
12h ホルダ
13 クラスプリング
14 ガイドセグメント
14a ガイド面
14b ベアリング面
16 ロッキングエレメント
17 歯付きリム
21 駆動部
23 ホール
24 締め付けリング
27 偏芯輪
35 スプリングアレンジメント
36 制御ディスク
38 ノーズ
45 旋回フリー制御エレメント
47 背もたれ補償スプリング
48 サポーティング軸受筒
48z 刻み目状の突起部
49 サポーティングリング
50、150 ストッパモジュール
50b、150b ストッパ
50c、150c クリップフック
50e、150e 中央開口
50f スプリング固定ポイント
50n、150n 溝
50r ラッチングノーズ
51 カウンタストッパ
54 リターンスプリング
150a レセプタクル
A 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのリクライナ(10)であり、相互にロックされ、軸(A)周りに相互に相対的に回転される第1のリクライナ部(11)及び第2のリクライナ部(12)を有する前記リクライナ(10)と、
前記リクライナ(10)をアンロックする回転を行う伝達ロッド(7)と、
前記リクライナ(10)をアンロックするために前記伝達ロッド(7)を回転するように作動するハンドレバー(5)と、
を有する、車両座席用、特に自動車用座席のリクライナシステムであって、
ストッパモジュール(50;150)が一方で前記ハンドレバー(5)に、他方で前記伝達ロッド(7)に、動作可能に結合されるように設けられ、前記ストッパモジュール(50;150)は前記ハンドレバー(5)及び前記二つのリクライナ部(11、12)のうちの一つを少なくとも一方向に対して接触を停止する状態にすることを特徴とする車両座席。
【請求項2】
前記ストッパモジュール(50;150)は、少なくとも一つのストッパ(50b;150b)を有し、
前記リクライナ部(11、12)のうちの一つ又は前記リクライナ部(11、12)のうちの一つに固定される部分(48)は少なくとも一つのカウンタストッパ(51)を有し、前記カウントストッパ(51)は軸(A)の周方向に相互作用し、さらに、特に、前記ストッパモジュール(50;150)が前記リクライナ部(11、12)の一つに対して回転されるところの角度範囲を定義することを特徴とする請求項1に記載のリクライナシステム。
【請求項3】
リターンスプリング(54)が、前記ストッパ(50b;150b)及び前記カウンタストッパ(51)に、回転の一方向にて相互作用させ、前記ストッパモジュール(50;150)を、特に前記リターンスプリング(54)が、一方で前記ストッパモジュール(50)のスプリングアンカーポイント(50f)に固定される、ところの初期位置に、必要であれば回転し、他方で、前記リクライナ部(11、12)のうちの前記一つのさらにホルダ(12h)上に、旋回される、請求項2記載のリクライナシステム。
【請求項4】
前記ストッパモジュール(50;150)はカップ形状或いは中空の円筒に形成され、特にプラスチック射出成形にて形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリクライナシステム。
【請求項5】
前記ストッパモジュール(50;150)及び前記伝達ロッドは、相互に、ねじれ剛性仕様にて、結合され、特に、プロファイルされた伝達ロッド(7)が前記ストッパモジュール(50;150)のマッチング中央開口(50e;150e)にポジティブに噛合するために結合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリクライナシステム。
【請求項6】
前記ハンドレバー(5)及びストッパモジュール(50;150)は、相互にねじれ剛性仕様にて結合され、特に、軸方向に延びる少なくとも一つのリブ(5d)によって、或いは前記リブ(5d)を受容する少なくとも一つの溝(50n)によって、或いは他の突起(5p)及びレセプタクル(150a)によって、及び/又はクリップフック(5c)及び溝(150n)によって結合されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリクライナシステム。
【請求項7】
少なくとも一つの半径方向を指すラッチングノーズ(50r)又はクリップフック(5c)及び前記ラッチングノーズ(50r)を受容する少なくとも一つのラッチング開口(5e)或いは前記クリップフック(5c)を受容する少なくとも一つの溝(150n)が、ハンドレバー(5)とストッパモジュール(50)との間の軸のリテンションのために提供されることを特徴とするか、或いはハンドレバー(5)及びストッパモジュール(50)が相互に一体的に形成される請求項1〜6のいずれか一項に記載のリクライナシステム。
【請求項8】
特に、クリップフック(50c)がストッパモジュール(50)とリクライナ(10)の駆動部(21)の間の軸のリテンションのために背後にてかみ合う少なくとも一つの締め付けリング24が特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のリクライナシステム。
【請求項9】
前記第1のリクライナ部(11)上に形成される歯付きリム(17)と、
前記軸(A)周りに回転されるような方法によって支持され、さらには伝達ロッド(7)によって回転される駆動部(21)による負荷にさらされる偏芯部(27)と、
前記第2のリクライナ部(12)による、ガイドセグメント(14)での、前記軸(A)に対する軸方向での案内にて、前記偏芯部(27)にさらされる負荷の下で半径方向外側に動かされ、さらに、前記リクライナ(10)のロッキングの目的で、歯付き部により、前記第1のリクライナ(11)の前記歯付きリム(17)と、外側にて放射状に相互に作用する、複数のロッキングエレメント(16)と
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のリクライナシステム。
【請求項10】
サポーティング軸受筒(48)の内部端にて支持される、スパイラル形状の背もたれ補償スプリング(47)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のリクライナシステム。
【請求項11】
前記サポーティング軸受筒(48)は、前記二つのリクライナ部(11、12)のうちの一つにおける前記サポーティング軸受筒(48)の端部にて、特にレーザ溶接による溶接によって、固定されることを特徴とする請求項10記載のリクライナシステム。
【請求項12】
前記サポーティング軸受筒(48)は、少なくとも一つのカウンタストッパ(51)を有することを特徴とする請求項2及び11記載のリクライナシステム。
【請求項13】
前記ストッパモジュール(150)は、前記サポーティング軸受筒(48)内にて回転されるような仕様で支持されることを特徴とし、前記少なくとも一つのストッパ(150b)は前記ストッパモジュール(150)の外周側上に形成され、さらに前記少なくとも一つのカウンタストッパ(51)は前記サポーティング軸受筒(48)の内周側上に形成される、請求項12に記載のリクライナシステム。
【請求項14】
座席部(3)及び前記座席部(3)に取り付けられる背もたれ(4)を有する、前記請求項1〜13のうちのいずれか一項に記載されたリクライナシステム(5、7、10、47、50;150)によって、後部に対して旋回され、さらに異なる傾斜位置にてロックされる車両座席(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2013−519557(P2013−519557A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552319(P2012−552319)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【国際出願番号】PCT/EP2011/002771
【国際公開番号】WO2011/160771
【国際公開日】平成23年12月29日(2011.12.29)
【出願人】(511007886)カイパー ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (16)
【Fターム(参考)】