説明

車両搭載に好適なカメラのゲージングシステム及び方法

【課題】
車輌に取り付けられたカメラにより、他の車輌等の障害物を検出する際に、車輌の組立製造工程中又は修理交換時にカメラのゲージングを簡単、確実かつ安価に実現する。
【解決手段】
ゲージングシステム8は、道路1を走行する車両2に搭載されたカメラ4で検出された物体(車両等)6に関するパラメータを表す情報により、幾何学的パラメータの少なくとも1つを決定し、決定された値をカメラ4の幾何学的パラメータの基準値と比較し、比較結果により、カメラ4の基準値を修正してカメラ4の幾何学的パラメータを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両搭載に好適なカメラのゲージングシステム及び方法に関し、特に車両に搭載して、車両の周囲の障害物等を検出するカメラのゲージングシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周囲に存在する物体又は障害物を検出する機能を備える少なくとも1台のカメラが搭載された車両は公知である。このカメラは、ゲージング又はキャリブレーション(校正)すべきデータを測定して送り返す装置である。
【0003】
ゲージング又はキャリブレーションは、カメラのインジケーション(指示)と測定される例えば障害物のサイズ値間に存在する比率を、測定の単位を具体化して、ゲージングの基準とする機器であるヤードスティックと比較して決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ゲージングは、車両の製造工程中に、ゲージングスタッフにより行われているが、コストが嵩むという欠点および課題を有する。
【0005】
また、車輌のライフサイクル中、例えばカメラが取り付けられている車両のバンパの交換中に、カメラが移動することもあり得る。この場合にも、コストが嵩むゲージングスタッフにより、カメラのゲージングをやり直す必要が生じるという課題がある。
【0006】
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、かかる課題を解決又は軽減すること、即ち車輌搭載のカメラに好適な新しいゲージングシステム及び方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決すると共に、上述した目的を達成するために、本発明の車輌搭載に好適なカメラのゲージングシステム及び方法は、次の如き特徴的な構成を採用している。
【0008】
本発明による車輌搭載に好適なカメラのゲージングシステムは、カメラの少なくとも1つの幾何学的パラメータの少なくとも1つの値を、このカメラで検出された物体に関するパラメータを代表する少なくとも1つの情報により決定する決定手段と、この決定した値を、カメラの幾何学的パラメータの基準値と比較する比較手段と、この比較結果により、カメラの幾何学的パラメータを、カメラのゲージングを行うように基準値を修正して制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明のゲージングシステムでは、カメラの幾何学的パラメータの基準値と決定値間の比較結果に予め決定したしきい値を超える差異又は不明瞭さがあるとき、基準値を決定値により修正可能にするのが好ましい。
【0010】
変形例として、上述した基準値が徐々に決定値に収束するように修正することも可能である。
【0011】
好ましくは、カメラで検出された物体は、このカメラが取り付けられた車輌以外の他の車輌であり、この車輌に関するパラメータは、以下のパラメータの少なくとも1つである。
‐カメラが取り付けられている車輌の長手軸に沿って測定するカメラと、他の車輌の後部間の距離。
‐検出された車輌の後部ランプの高さ。
‐検出された車輌の各後部ランプの重心。
‐検出された車軸の重心。
‐車輌の登録プレートの位置及び/又は重心。
【0012】
上述した実施例の変形例として、検出された物体は、車輌以外の物体であってもよい。
【0013】
上述の検出された車輌に関するパラメータは、車輌の特定のゾーンにおける位置に依存してもよい。
【0014】
本発明のシステムは、上述した多くのパラメータを取得し、カメラの少なくとも1つの幾何学的パラメータ値を決定することができる。
【0015】
これらのパラメータの幾つかは、予め決定され、例えば検出された車輌の後部ランプの高さであってもよい。
【0016】
もし希望すれば、本発明のシステムは、カメラと検出された車輌間の距離が予め決められたインターバル内にあるときのみ、上述したカメラの幾何学的パラメータを制御するように設定する。この予め決められたインターバルは、例えば約20m及び150mであってもよい。
【0017】
好ましくは、本発明のシステムは、幾つかの物体を連続して検出し、カメラの幾何学的パラメータの幾つかの値を決定し、決定したこれらの値をストアし、かつ幾何学的パラメータを代表する最終値を決定するようにしてもよい。
【0018】
換言すると、本発明のシステムは、カメラの幾何学的パラメータの決定された値を集積し、このパラメータを代表する最終値を決定し、それをカメラの幾何学的パラメータの基準値と比較し、この基準値を比較結果に基づいて修正するように設定する。
【0019】
本発明の1実施例によると、この決定値の集積は、予め決められた期間にわたり、又は予め決められた数の検出物体に対して行われる。
【0020】
上述したパラメータを代表する最終値は、例えば事前に決定した値のガウシャン(Gaussian)平均値を求めて決定してもよい。
【0021】
上述した実施例の変形例として、パラメータを代表する最終値は、最大数の決定値が存在するインターバル内に含まれる平均値又は最も出現頻度の高い決定値を選択して決定してもよい。
【0022】
カメラの幾何学的パラメータは、少なくとも次の1つに対応しているのが好ましい。
‐ピッチング軸とも称されている車輌のトランスバーサル軸の周りの回転運動であるピッチング。
‐ローリング軸とも称されている車輌の長手軸の周りの回転運動であるローリング。
‐ツイスト軸とも称されている、水平面内における車輌の方向変化である車輌の垂直軸の周りの回転運動であるツイスト。
【0023】
上述したカメラの幾何学的パラメータの基準値は、上述の如き角度値に対応しているのがよい。
【0024】
この基準値は、好ましくは使用するカメラ及びこのカメラが取り付けられている車両に対応している。本発明のシステムは、この幾何学的パラメータの角度値を決定するように設定してもよい。
【0025】
本発明のシステムでは、カメラの3つの幾何学的パラメータを制御するように設定するのが好ましい。
【0026】
本発明の一例によると、システムは、次の目的用に設定される。
‐少なくともカメラと検出された車輌の後部間の距離を示す情報、及び検出された車輌の後部ランプの高さを表す情報により、カメラのピッチング角度値を決定する。
‐決定されたピッチング角度値を、カメラの基準ピッチング角度値と比較する。
‐この比較結果により、カメラのピッチング角度値を、基準ピッチング角度値の修正により制御する。
【0027】
本発明の他の例によると、システムは、次の目的用に設定される。
‐少なくともカメラと検出された車輌の後部間の距離を示す情報、及び検出された車輌の後部ランプの重心を示す情報により、カメラのローリング角度値を決定する。
‐決定されたローリング角度値を、カメラの基準ローリング角度値と比較する。
‐比較結果に従って、基準ローリング角度値を修正して、カメラのローリング角度値を制御する。
【0028】
本発明の更に他の例によると、システムは次の目的用に設定される。
‐少なくともカメラで検出された物体の重心を示す情報により、カメラのツイスティング角度値を決定する。
‐決定されたツイスティング角度値を、カメラの基準ツイスティング角度値と比較する。
‐この比較結果により、基準ツイスティング値を修正して、カメラのツイスティング角度値を制御する。
【0029】
また、本発明の一例によると、このシステムを、カメラが配置された車輌に関連するパラメータを代表する少なくとも1つの情報を取得するように設定してもよい。
【0030】
上述したパラメータは、少なくとも次の1つであってもよい。
‐車輌が位置する路面の平坦性を示す平衡位置に対応する車輌の構造。
‐路面のカーブを示す車輌の操舵ハンドル角度。
【0031】
必要に応じて、本発明のシステムは、カメラが取り付けられている車輌に関するパラメータが示す情報が、予め決められたインターバル値に含まれるときのみ、上述したカメラの幾何学的パラメータを制御するように設定される。
【0032】
上述したインターバルは、例えば車輌構造の場合には、約−1%rad〜1%radであり、操舵ハンドル角度の場合には、−10°〜10°である。
【0033】
本発明の更に他の例では、システムは、車輌が特に夜間に走行中のみに上述したカメラの幾何学的パラメータを制御するように設定される。換言すると、このシステムは、カメラが取り付けられている車輌が停止状態のとき、カメラの幾何学的パラメータを制御しない。しかし、このシステムは、車輌が日中に走行中には、幾何学的パラメータを制御してもよい。
【0034】
もし希望すれば、本発明のシステムは、カメラの内部に組み込まれてもよい。或いは、本発明のシステムは、車輌内に独立して又は車輌のモータコントロールユニット内に設けてもよい。
【0035】
更に、本発明は、車両搭載に好適なカメラのゲージング方法に関し、このカメラのゲージング方法は、次のステップを備えている。
‐少なくともカメラで検出された物体に関するパラメータを示す情報により、カメラの少なくとも1つの幾何学的パラメータの少なくとも1つの値を決定する。
‐決定された値をカメラの幾何学的パラメータの基準値と比較する。
‐この比較結果により、カメラをゲージングするように基準値を修正して、カメラの幾何学的パラメータを制御する。
【発明の効果】
【0036】
上述の如き特徴的な構成を採用している本発明の車輌搭載に好適なカメラのゲージングシステム及び方法は、次の如き特有の効果を奏する。即ち、カメラで検出された物体に関する少なくとも1つのパラメータと、少なくとも1つのカメラの幾何学的パラメータを勘案して、ダイナミックにゲージングを可能にし、これにより、カメラを最適に動作させることを可能にする。
【0037】
本発明のシステムは、実効的にそのライフサイクル中にカメラの自動ゲージングを行う。セルフゲージング又はセルフキャリブレーションにより、特にカメラが取り付けられる車輌の製造工程中、又はその後の取り付けに対する車輌のゲージングにおいて、コスト高のゲージングスタッフを不要にする。
【0038】
また、本発明のシステムは、カメラが移動したことを検出し、それに対する幾何学的パラメータを自動的に訂正し、カメラの満足な動作を確実にする。
【0039】
更に、本発明のシステム及び方法によると、幾何学的パラメータは、再ゲージング又は再キャリブレーションされる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明を実施するべく車両搭載に好適なカメラのゲージングシステムを説明する斜視図である。
【図2】図1に示すシステムの機能の異なるステップを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明による車両搭載に好適なカメラのゲージングシステム及び方法の好適な実施例を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0042】
先ず、図1を参照して説明する。図1は、車両2が走行する道路1を示す。この車両2は、車両の前方バンパに取り付けられたカメラ4を備えている。
【0043】
このカメラ4は、車両の運転支援装置として、例えば道路1を走行する他の車両6を含む異なる実際の物体の検出に好適である。
【0044】
車両2は、カメラ4のゲージングシステム8を備えている。このゲージングシステム(以下、単にシステムという場合もある)は、カメラ4内に組み込むことも可能である。
【0045】
このシステム8は、カメラ4の幾何学的パラメータを制御するように設定されている。そのために、このシステム8は、例えばマイクロプロセッサを備えている。
【0046】
上述したパラメータには、次のものが含まれる。
‐ピッチング軸とも称される、車両の横方向のY軸の周りの回転運動であるピッチング。
‐ローリング軸とも称される、車両の長手方向のX軸の周りの回転運動であるローリング。
‐ツイスティング軸とも称され、車両の水平面における方向変化を含む、車両の垂直方向のZ軸の周りの回転運動であるツイスティング。
【0047】
上述した幾何学的パラメータは、次の角度値により表される。
‐ピッチング角度:θピッチング。
‐ローリング角度:θローリング。
‐ツイスティング角度:θツイスティング。
【0048】
ゲージングシステム8は、車両2が走行中であるときのみに、上述した幾何学的パラメータを制御する。換言すると、システム8は、車両2が停止しているときには、幾何学的パラメータを制御しない。
【0049】
以下、本発明のシステム8がカメラ4のゲージングを行う詳細な動作を、図2のブロック図を参照して説明する。
【0050】
このゲージングシステム8は、カメラ4と検出された車両6間の距離Dを表す情報を収容するよう設定されている(ステップ101)。この距離Dは、カメラ4が取り付けられている車両2のX軸に沿って測定される。この情報Dは、カメラ4から得られる。
【0051】
次に、システム8は、上述した距離Dを予め決定された下しきい値Dsinf、及び上しきい値Dssup、例えば20m及び150mの2つの値と比較可能にする(ステップ102)。
【0052】
もし距離Dの比較結果が、上述したDsinfとDssup間にあれば、システム8は、車両2のカメラ4のゲージングの継続を指示する。
【0053】
ゲージングシステム8は、カメラ4が取り付けられている車両2の構造θas、及び操向ハンドル角度θanvを表す情報を収容するように設定されている(ステップ103)。これらの情報θas及びθanvは、カメラ4から得られる。
【0054】
次に、ゲージングシステム8は、上述した2つの値θas及びθanvを、それぞれ予め決定した下しきい値θasinf及びθassupと、θanvinf及びθanvsupの2つの値と比較するように設定されている(ステップ104)。
【0055】
これらのインターバル(θasinf−θassup)及び(θanvinf−θanvsup)は、例えば夫々約(−1%rad;1%rad)及び(−10°;10°)である。
【0056】
もし上述したθas及びθanvの比較結果が、それぞれ上述したθasinfとθassup及びθanvinfとθanvsup間であれば、システム8は、車両2のゲージングの継続を指示する。
【0057】
上述した比較により、道路1の平坦性、及び道路1の実質的なゼロカーブを保証することができる。。換言すると、システム8は、道路1が非常に平坦で直線であるときにのみ、カメラ4の幾何学的パラメータを制御する。
【0058】
システム8は、上述した距離Dにより、カメラ4のピッチングの角度値θpitchingを決定するように設定されている(ステップ105)。
【0059】
上述したピッチングの角度値は、次式[数式1]により計算される。
【0060】
【数1】

【0061】
ここで、
‐Hcamは、路面に対するカメラの高さの予め決められた値であり、この値は車両2に依存する。
‐Hlpは、カメラ4により検出された車両6の後部ランプ5及び7の高さを表す予め決められた平均値であり、例えば0.9mである。
‐Himageは、車両2のカメラ4により取得されたイメージのピクセルの高さである。
‐Yrefは、Y座標、即ち検出された車両6のイメージ(ピクセル)における後部ランプ5及び7からの垂直位置である。
‐Pxは、カメラ4のイメージのピクセルのサイズである。
‐Lensは、カメラ4のレンズである。
【0062】
次に、システム8は、検出された車両6の各後部ランプ5及び7の重心Glp_g及びGlp_dの情報を収容するよう設定されている(ステップ106)。これらの情報Glp_g及びGlp_dは、カメラ4から得られる。
【0063】
また、システム8は、上述した距離Dと重心Glp_g及びGlp_dにより、カメラ4のローリングの角度値θrollingを決定するように設定されている(ステップ107)。
【0064】
上述したθrolling値は、車両6の横断軸Y´に対する後部ランプ5及び7の重心Glp_g及びGlp_d間の角度を計算して決定される。ここで、重心Glp_g及びGlp_dの一方は、Y、Y´軸と平行である。
【0065】
次に、システム8は、検出された車両6の重心Gvを表す情報を収容するように設定されている(ステップ108)。この情報Gvは、カメラ4から得られる。
【0066】
また、システム8は、上述した情報Gvに基づいて、カメラ4のツイスティング角度値θlacetを決定するように設定されている(ステップ109)。この値θlacetは、検出された車両6の重心Gvの垂直位置から推定される。
【0067】
上述したステップ101〜ステップ109は、検出される車両数に対応する予め決められた回数Nvだけ命令され、カメラ4の最適ゲージングを得るようにする。上述したθpitching、θrolling及びθtwistingのNvの角度値は、システム8に格納される。
【0068】
次に、システム8は、上述したθpitching、θrolling及びθtwistingのNvの値からピッチング、ローリング及びツイスティングの幾何学的パラメータの代表的な最終値θpitching_f、θrolling_f及びθtwisting_fを決定するように設定されている(ステップ120、121及び122)。
【0069】
これらの幾何学的パラメータの代表値は、例えば前に決定した値のガウシャン平均を求め、その変形で最冗値を選択するか、又は決定値の最大値が含まれるインターバル内の平均値を選択することにより決定してもよい。
【0070】
次に、システム8は、上述した各値θpitching_f、θrolling_f及びθtwisting_fを、夫々基準値θpitching_ref、θrolling_ref及びθtwisting_refと比較することが可能である(ステップ123〜ステップ125)。
【0071】
もし、上述した比較結果に予め決定したしきい値Epitching_s、Erolling_s及びEtwisting_sを超える差異Epitching、Erolling及びEtwistingが存在する場合には、システム8は、基準値θpitching_ref、θrolling_ref及びθtwisting_refを、夫々上述したθpitching_f、θrolling_f及びθtwisting_fにより修正又は補正するように指示する(ステップ126〜ステップ128)。
【0072】
上述した差異のしきい値Epitching_s、Erolling_s及びEtwisting_sは、ほぼ2%radであってもよい。
【0073】
その他、上述した比較結果、差異値Epitching、Erolling及びEtwistingが、上述したしきい値Epitching_s、Erolling_s及びEtwisting_s以下の場合には、システム8は、基準値θpitching_ref、θrolling_ref及びθtwisting_refを、上述した幾何学的パラメータとして保持するように指示する(これらのステップは図示せず)。
【0074】
上述した指示の結果、カメラ4の再ゲージングを可能にし、このカメラ4により正確な測定を可能にする。換言すると、本発明のゲージングシステム8は、カメラ4の幾何学的パラメータを制御して、このカメラ4のライフサイクル中の良好なキャリブレーション(校正)を保証する。
【0075】
以上、本発明によるカメラのゲージングシステム及び方法の好適な実施例について詳述した。しかし、これらの実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨や精神を逸脱することなく、種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解しうると思う。
【符号の説明】
【0076】
1 道路
2 カメラ搭載車両
4 カメラ
6 検出物体(車両)
5、7 検出車両の後部ライト
8 ゲージングシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)に搭載されるのに好適なカメラ(4)をゲージングするシステム(8)であって、前記システム(8)は、
前記カメラで検出される物体に関連するパラメータを表す情報のアイテムの少なくとも1つに応じて、前記カメラの少なくとも1つの幾何学的パラメータの少なくとも1つの値を決定し、
決定された値を、前記カメラの幾何学的パラメータの基準値と比較し、
特に前記カメラをゲージングするように基準値を修正して、前記比較に応じて、前記カメラの幾何学的パラメータを制御するように設定されているシステム。
【請求項2】
前記カメラの幾何学的パラメータの基準値と、前記決定された値の比較の差異が、所定のしきい値を超えるとき、前記決定された値により、前記基準値を修正するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記カメラで検出される物体は、前記カメラを搭載する車両以外の他の車両であり、前記他の車両に関連するパラメータは、車両の一定のゾーンの位置に従属するものであり、前記パラメータは、
‐前記カメラを搭載する車両の長手(X)軸に沿って測定された、前記カメラと前記検出された他の車両の後部間の距離(D)、
‐前記検出された他の車両の後部ランプ(5)(7)の高さ(Hlp)、
‐前記検出された他の車両の各後部ランプの重心(Glp_g)(Glp_d)
‐前記検出された他の車両の重心(Gv)、及び
‐前記車両の登録プレートの位置及び/又は重心
の少なくとも1つに対応していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記カメラと前記検出された車輌の後部間の距離(D)が所定の値のインターバル内であるときにのみ、前記カメラの幾何学的パラメータを制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記カメラの幾何学的パラメータの幾つかの値を決定し、それぞれの決定された値を保存し、前記幾何学的パラメータを示す最終値を決定し、幾つかの物体を連続して検出するように設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記値は予め決められた期間、又は予め決められた検出物体の数(Nv)で決定されることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記カメラの幾何学的パラメータは、
‐ピッチング軸とも称される車輌の横断(Y)軸の周りの回転運動であるピッチング、
‐ローリング軸と称される車輌の長手(X)軸の周りの回転運動であるローリング、及び
‐ツイスティング軸と称される車輌の垂直(Z)軸の周りの回転運動であるツイスティング
の少なくとも1つに対応することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記カメラの幾何学的パラメータの前記基準値及び前記決定された値は、角度値であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記カメラが取り付けられている前記車輌、特に車輌の構造体及び操舵ハンドルの角度に関するパラメータを表す少なくとも1つの情報のアイテムを取得するよう設定されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御手段は、前記カメラが取り付けられている車輌に関するパラメータを表す情報が所定の値のインターバル内に含まれるときにのみ、前記カメラの幾何学的パラメータを制御するように設定することを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
車輌(2)に搭載されるのに好適なカメラ(4)のゲージング方法であって、
少なくとも前記カメラで検出される物体に関するパラメータを表す情報に応じて、前記カメラの幾何学的パラメータの少なくとも1つの値を決定し、
前記決定された値を前記カメラの幾何学的パラメータの基準値と比較し、
前記カメラのゲージングを行うように前記基準値を修正して、前記比較に応じて前記カメラの幾何学的パラメータを制御することを備えることを特徴とするカメラのゲージング方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−97588(P2011−97588A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−242907(P2010−242907)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(391011607)ヴァレオ ビジョン (133)
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【Fターム(参考)】