説明

車両用アウトサイドミラー装置

【課題】金属製の止め具を樹脂製のシャフトに組み付ける際に、樹脂製のシャフトが金属製の止め具により削られるのを防ぐこと。
【解決手段】この発明は、樹脂製のシャフト3と樹脂製の止め具11とを備える。止め具11は、シャフト3が挿入する環状の本体部21と、その本体部21の内周面に設けられていてシャフト3の係合部18に弾性係合する係合爪部23と、から構成されている。本体部21は、シャフト3を本体部21中に挿入させて係合爪部23がシャフト3の当接部24に当接した際に弾性変形し、かつ、係合爪部23が係合部18に達すると元の形状に弾性復帰する弾性部材から構成されている。この結果、この発明は、金属製の止め具に代わって金属に比べて硬度の低い樹脂製の止め具11を使用することができるので、樹脂製のシャフト3が削られるのを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ミラーアセンブリが車体(たとえば、ドアやフェンダやピラーなど)に対して傾倒(回転、回動)可能であるたとえばドアミラーなどの車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用アウトサイドミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。前者の従来の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製のシャフトにドアミラーを金属製のスプリングストッパおよびコイルばねを介して回動可能に組み付けてなるものである。前者の従来の車両用アウトサイドミラー装置は、手動もしくは電動により、ドアミラーをシャフトに対して使用位置と格納位置との間を回動させたり、または、使用位置に位置するドアミラーに荷重がかかるとドアミラーがシャフトに対して回動して緩衝作用が働いたりするものである。
【0003】
また、後者の従来の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の軸筒部にドアミラーバイザを圧縮コイルスプリングおよびロックワッシャを介して回動可能に嵌合してなるものである。後者の従来の車両用アウトサイドミラー装置は、手動もしくは電動により、ドアミラーバイザを軸筒部に対して使用位置と格納位置との間を回動させたり、または、使用位置に位置するドアミラーバイザに荷重がかかるとドアミラーバイザが軸筒部に対して回動して緩衝作用が働いたりするものである。
【0004】
ところが、前記の前者の従来の車両用アウトサイドミラー装置においては、樹脂製のシャフトにドアミラーを金属製のスプリングストッパおよびコイルばねを介して回動可能に組み付ける際、すなわち、金属製のスプリングストッパを樹脂製のシャフトに組み付ける際に、樹脂製のシャフトが金属製のスプリングストッパにより削られると、ドアミラーの樹脂製シャフトへの組付にがたが発生したり、金属製のスプリングストッパが樹脂製のシャフトから外れたりする虞がある。このために、金属製のスプリングストッパを樹脂製のシャフトに組み付ける際に、樹脂製のシャフトが金属製のスプリングストッパにより削られるのを防ぐ必要がある。
【0005】
また、前記の後者の従来の車両用アウトサイドミラー装置においては、樹脂製の軸筒部にドアミラーバイザを金属製のロックワッシャおよび圧縮コイルスプリングを介して回動可能に組み付ける際、すなわち、金属製のロックワッシャを樹脂製の軸筒部に組み付ける際に、樹脂製の軸筒部が金属製のロックワッシャにより削られると、ドアミラーバイザの樹脂製軸筒部への嵌合にがたが発生したり、金属製のロックワッシャが樹脂製の軸筒部から外れたりする虞がある。このために、金属製のロックワッシャを樹脂製の軸筒部に組み付ける際に、樹脂製の軸筒部が金属製のロックワッシャにより削られるのを防ぐ必要がある。
【0006】
【特許文献1】特開2007−38898号公報
【特許文献2】特開2004−58944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、止め具を樹脂製のシャフトに組み付ける際に、樹脂製のシャフトが止め具により削られるのを防ぐことができる車両用アウトサイドミラー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明(請求項1にかかる発明)は、樹脂製のシャフトには当接部と係合部とがそれぞれ設けられていて、樹脂製の止め具が、シャフトが挿入する環状の本体部と、その本体部に設けられていてスプリングが当接するスプリング当接部と、本体部の内周面に設けられていて係合部に弾性係合する複数個の係合爪部と、から構成されていて、本体部が、シャフトを本体部中に挿入させて係合爪部が当接部に当接した際に弾性変形し、かつ、複数個の係合爪部が係合部に達すると元の形状に弾性復帰する弾性部材から構成されている、ことを特徴とする。
【0009】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、樹脂製の止め具には、複数個の係合爪部が係合部に弾性係合した際に、樹脂製のシャフトに本体部の弾性復帰方向に当たる当部が、設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、樹脂製のシャフトの係合部と樹脂製の止め具の複数個の係合爪部とには、本体部が弾性変形して止め具がシャフトから抜けるのを防ぐ抜け止め手段が、設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、樹脂製の止め具の本体部の内周面には、樹脂製のシャフトの外周面にシャフトの径方向に当たってがたを押さえる複数個のがた押さえ部が、設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、樹脂製の止め具の本体部から、スプリング全体もしくは一部を覆う覆い部が、延設されている、ことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、止め具の覆い部の本体部と反対側の部分と、ミラーアセンブリとには、樹脂製のシャフトの径方向に相互に当たってがたを止めるがた止め部が、それぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【0014】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)は、樹脂製の止め具の本体部とスプリングとが一体に設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製のシャフトに樹脂製の止め具を組み付ける際、すなわち、シャフトを止め具の環状の本体部中に挿入させて止め具の複数個の係合爪部をシャフトの係合部に弾性係合させる際に、複数個の係合爪部がシャフトの当接部に当接して止め具の本体部全体が弾性変形する。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、本体部全体が弾性変形するので、金属製のスプリングストッパの爪のみを弾性変形させて樹脂製のシャフトに組み付ける従来の車両用アウトサイドミラー装置と比較して、係合爪部だけに力が集中してかからない。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、止め具を樹脂製の止め具とすることが可能となる。従来は、樹脂シャフトの硬度よりはるかに高い硬度を有する金属止め具を使用していたために、樹脂シャフトが削られる(柔らかいものが硬いものに削られる)ことがあったが、樹脂止め具を作用することにより、樹脂シャフトと同等あるいは低い硬度の止め具を採用することができる。これにより、止め具の複数個の係合爪部で、樹脂製のシャフトが削れるのを確実に防止することができる。
【0016】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の止め具の複数個の係合爪部が樹脂製のシャフトの係合部に弾性係合した際に、止め具の当部がシャフトに止め具の本体部の弾性復帰方向に当たる。このために、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、止め具の係合爪部がシャフトの係合部に弾性係合した後に、止め具がシャフトの径方向にずれて、止め具の係合爪部がシャフトの係合部から外れて止め具がシャフトから外れるのを確実に防止することができる。
【0017】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の止め具の複数個の係合爪部が樹脂製のシャフトの係合部に弾性係合した際に、止め具の係合爪部とシャフトの係合部との抜け止め手段の作用により、止め具の本体部が弾性変形して止め具がシャフトから抜けるのを防ぐことができる。すなわち、この発明の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の止め具の複数個の係合爪部が樹脂製のシャフトの係合部に弾性係合した後には、止め具の本体部を弾性変形させる力が止め具の本体部に作用しないので、止め具の本体部が弾性変形して止め具がシャフトから抜けるようなことはない。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、止め具の係合爪部とシャフトの係合部との抜け止め手段の作用により、係合爪部と係合部との弾性係合が外れて、止め具の本体部が弾性変形して止め具がシャフトから抜けるのをさらに確実に防止することができる。
【0018】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の止め具の複数個の係合爪部が樹脂製のシャフトの係合部に弾性係合した際に、止め具の複数個のがた押さえ部がシャフトの一端の外周面にシャフトの径方向に当たる。このために、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、止め具がシャフトにシャフトの径方向にがたなく固定されるので、このがたのない止め具によりスプリングの圧縮状態が安定する。この結果、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーアセンブリをシャフトにがたなく傾倒可能に装備することができ、ミラーアセンブリの反射面のぶれを防ぐことができる。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の止め具の本体部の覆い部により、スプリング全体もしくは一部を覆うことができる。このために、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーアセンブリの外側からミラーアセンブリの内側が見える場合であっても、スプリング全体もしくは一部が樹脂製の止め具の本体部の覆い部により覆われているので、スプリングが隠されて見栄えが向上する。
【0020】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の止め具の複数個の係合爪部が樹脂製のシャフトの係合部に弾性係合した際に、止め具のがた止め部とミラーアセンブリのがた止め部とがシャフトの径方向に相互に当たる。このために、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、止め具がミラーアセンブリにシャフトの径方向にがたなく固定されるので、このがたのない止め具によりスプリングの圧縮状態が安定する。この結果、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーアセンブリをシャフトにがたなく傾倒可能に装備することができ、ミラーアセンブリの反射面のぶれを防ぐことができる。
【0021】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の止め具の本体部とスプリングとが一体に設けられている。すなわち、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、樹脂製の止め具の本体部に樹脂製のスプリングを一体に設けるものである。この結果、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、部品点数を軽減することができるので、製造工数や組付工数を軽減することができ、その分、コストを安価にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例のうちの5例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
図1〜図12は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示す。以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。図1および図2において、符号1は、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置であって、この例では自動車(乗用車)用のドアミラーである。この実施例1のドアミラー1は、図示を省略するが、自動車の左右のドアDにそれぞれ装備されている。なお、この実施例1のドアミラー1は、自動車の右側のドアDに装備されるものであって、自動車の左側のドアに装備されるドアミラーは、この実施例1のドアミラー1とほぼ左右が逆となる。
【0024】
この実施例1のドアミラー1は、前記ドアDに固定されるベース2と、前記ベース2に固定されている樹脂製のシャフト3と、前記シャフト3にスプリング10および樹脂製の止め具(いわゆるプッシュナット)11およびワッシャ6を介して傾倒(回転、回動)可能に装備されているミラーアセンブリ4と、を備えるものである。
【0025】
前記ミラーアセンブリ4は、一方が開口しかつ他方が閉塞したミラーハウジング7と、前記ミラーハウジング7の開口部5に配置されかつ反射面8を有するミラーユニット(いわゆるミラー)9と、から構成されている。前記ミラーユニット9は、前記ミラーハウジング7に、リモートコントロールユニットやパワーユニット(図示せず)を介してほぼ垂直軸回りに左右方向およびほぼ水平回りに上下方向に反射面8の角度調整可能に取り付けられている。
【0026】
前記ミラーハウジング7は、前記シャフト3に前記スプリング10および前記樹脂製の止め具11および前記ワッシャ6を介して前記シャフト3回りに傾倒可能に取り付けられている取付部12を有する。前記取付部12は、前記ミラーハウジング7と別体のフレームやブラケットから構成されていて、前記ミラーハウジング7に一体に固定されている。前記取付部12には、前記シャフト3が回転可能に挿通する挿通孔13が設けられている。
【0027】
前記樹脂製のシャフト3の下端(他端)には、シャフトホルダ14が一体に設けられている。前記シャフトホルダ14は、前記ベース2にスクリュー15により固定されている。この結果、前記樹脂製のシャフト3は、前記ベース2に固定されている。
【0028】
前記シャフトホルダ14の一面(上面)と前記取付部12の一面(下面)とには、位置決め手段が設けられている。前記位置決め手段は、前記ミラーアセンブリ4を使用位置A(図1中の実線にて示す位置)と格納位置B(図1中の一点鎖線にて示す位置)とに位置決めするものである。前記位置決め手段は、前記取付部12の一面に設けられているノッチタイプの凸部(図示せず。なお、図15中の符号29を参照)の外面と、前記シャフトホルダ14の一面に設けられていて前記凸部が嵌合するノッチタイプの凹部16の内面と、から構成されている。前記凹部16と前記凸部とが嵌合することにより、前記ミラーアセンブリ4は、前記使用位置Aまたは前記格納位置Bに位置決めされる。なお、前記シャフトホルダ14の一面にノッチタイプの凹部を設け、前記取付部12の一面にノッチタイプの凸部を設けても良い。
【0029】
また、前記シャフトホルダ14の一面(上面)と前記取付部12の一面(下面)とには、ストッパ手段が設けられている。前記ストッパ手段は、前記ミラーアセンブリ4が前記格納位置Bまたは前方傾倒位置C(図1中の二点鎖線にて示す位置)に位置する際に、前記ミラーアセンブリ4が前記ドアDに当たるのを回避させるものである。前記ストッパ手段は、前記シャフトホルダ14の一面に設けられているストッパ凸部26の外面と、前記取付部12の一面に設けられていて前記凸部26が嵌合する凹部もしくは溝部の内面(図示せず)と、から構成されている。前記ミラーアセンブリ4が前記シャフト3の回転中心O−O回りに回転して、前記ドアDに当たる直前であって、前記格納位置Bまたは前方傾倒位置Cに位置すると、前記ストッパ凸部26の端面と前記凹部もしくは溝部の端面とが当接することにより、前記ミラーアセンブリ4が前記ドアDに当たるのを回避させる。なお、前記シャフトホルダ14の一面に凹部もしくは溝部を設け、前記取付部12の一面にストッパ凸部を設けても良い。しかも、前記ストッパ凸部26と前記凹部もしくは溝部との嵌合により、前記ミラーアセンブリ4が前記シャフト3の回転中心O−O回りに回転する際のガイドとなる。図1において、符号Eは、車両の後方を示し、符号Fは、車両の前方を示す。
【0030】
前記樹脂製のシャフト3の外周面は、外径が上端(一端)から下端にかけて徐々に大きくなるようにテーパー形状をなす。この結果、前記樹脂製のシャフト3は、成形金型の抜けが容易になるように構成されている。前記樹脂製のシャフト3には、複数本、この例では、4本の溝17が上端からほぼ中間までの間において、等間隔に設けられている。前記溝17は、前記シャフト3の上端部を残して貫通形状をなし、一方、前記シャフト3の上端部において連結形状(もしくは橋渡し形状)をなす。前記シャフト3の上端部における前記4本の溝17の連結部24と貫通部25との境の段部には、4個の係合部18がそれぞれ設けられている。また、前記シャフト3の前記4本の溝17の貫通部の両側面には、係止部19がそれぞれ設けられている。
【0031】
この結果、前記樹脂製のシャフト3の一端部(上端部)には、当接部としての前記連結部24が設けられていて、かつ、前記当接部(連結部)24の前記シャフト3の一端(上端)と反対側の箇所には、前記係合部18が設けられている。前記連結部24は、上部の小径部と、中間部の傾斜部と、下部の大径部と、からなる。前記上部の小径部は、前記樹脂製の止め具11を前記樹脂製のシャフト3の上端に嵌合する際のガイドとなる。また、前記中間部の傾斜部および前記下部の大径部は、前記当接部をなす。
【0032】
前記樹脂製の止め具11は、図4および図5に示すように、弾性を有する樹脂部材から構成されていて、円環状形状の本体部21を有する。前記本体部21の一端側(下端側)には、前記スプリング10が当接するスプリング当接部20が、設けられている。
【0033】
前記本体部21の一端側の内周面には、複数個、この例では、4個の係合爪部23が等間隔に設けられている。前記係合爪部23は、上端が平面をなし、下端が傾斜面をなす。前記係合爪部23は、前記シャフト3の前記係合部18に弾性係合する。すなわち、前記係合爪部23の上端平面が、前記シャフト3の前記係合部18の下端平面に弾性係合する。
【0034】
前記係合爪部23の幅は、前記シャフト3の前記溝17の幅と同等もしくは若干小さい。前記係合爪部23の前記シャフト3の周方向側の部分は、前記シャフト3の前記係止部19に係止する。
【0035】
前記本体部21は、弾性部材から構成されている。この結果、前記本体部21は、図9および図10に示すように、前記シャフト3を上端(一端)から前記本体部21中に挿入させて前記4個の係合爪部23が前記4個の当接部24にそれぞれ当接した際に弾性変形する。すなわち、前記4個の係合爪部23に対応する部分の4箇所が外側に矢印H方向に広がり、かつ、前記4個の係合爪部23の間の部分の4箇所が内側に矢印I方向に狭まって、前記本体部21は、四角形(たとえば、菱形)に弾性変形する。
【0036】
また、前記本体部21は、図11および図12に示すように、前記4個の係合爪部23が前記係合部18に達すると元の形状に弾性復帰する。すなわち、前記4個の係合爪部23に対応する部分の4箇所が内側に矢印J方向に狭まり、かつ、前記4個の係合爪部23の間の部分の4箇所が外側に矢印K方向に広がって、前記本体部21は、元の円環状形状に弾性復帰する。
【0037】
前記4個の係合爪部23の両側には、当部22がそれぞれ設けられている。前記当部22は、前記4個の係合爪部23が前記4個の係合部18にそれぞれ弾性係合した際に、前記シャフト3の前記4本の溝17の両側の外周面に前記の弾性復帰方向(矢印J方向)にそれぞれ当たる。
【0038】
前記スプリング10は、圧縮タイプのスプリング(圧縮コイルスプリング)を使用する。前記ワッシャ6は、通常のワッシャを使用する。
【0039】
以下、前記樹脂製のシャフト3に前記ミラーアセンブリ4を、前記スプリング10および前記樹脂製の止め具11および前記ワッシャ6を介して傾倒可能に組み付ける工程について説明する。
【0040】
まず、前記シャフト3を前記ミラーハウジング7の前記取付部12の前記挿通孔13中に、図3中の矢印G方向(前記ミラーハウジング7の下側から上側への方向)に、挿通させて、前記シャフトホルダ14の上面に前記取付部12の下面を載置させる。かつ、前記位置決め手段の凹部16と凸部とを嵌合させ、前記ストッパ手段の前記ストッパ凸部26と前記凹部もしくは溝部とを嵌合させる。
【0041】
つぎに、前記シャフト3に前記ワッシャ6および前記スプリング10を、図3中の矢印G方向と逆方向(前記ミラーハウジング7の上側から下側への方向)に、順次落とし込んで前記取付部12の上面に載置させる。
【0042】
それから、前記樹脂製のシャフト3の4本の前記溝17に前記樹脂製の止め具11の4個の前記係合爪部23をそれぞれ合わせて、前記シャフト3に前記止め具11を図3中の矢印G方向と逆方向に落とし込む。すると、図7および図8に示すように、前記止め具11の前記4個の係合爪部23の先端が前記シャフト3の前記4本の溝17の前記当接部(連結部)24の中間傾斜部にそれぞれ当接して、前記止め具11が前記シャフト3の途中で止まる。
【0043】
つづいて、冶具(図示せず)を使用して、前記止め具11の前記スプリング当接部20を前記スプリング10の上側端面に当接させた状態で、前記スプリング10のスプリング力に抗して前記樹脂製の止め具11を前記樹脂製のシャフト3に押し込む。すると、図9および図10に示すように、前記4個の係合爪部23の前記4個の当接部24への当接箇所が前記当接部24の中間傾斜部から下大径部にかけて移動するので、前記樹脂製の止め具11の前記本体部21が弾性変形する。すなわち、前記4個の係合爪部23に対応する部分の4箇所が外側に矢印H方向に広がり、かつ、前記4個の係合爪部23の間の部分の4箇所が内側に矢印I方向に狭まって、前記本体部21は、四角形(菱形)に弾性変形する。
【0044】
そして、前記止め具11が押し込まれて、前記止め具11の前記係合爪部23の先端が前記シャフト3の前記溝17の前記当接部(連結部)24と前記貫通部25との境の前記係合部18に達する。すると、図11および図12に示すように、四角形(菱形)に弾性変形している前記本体部21は、元の円環状形状に弾性復帰する。すなわち、前記4個の係合爪部23に対応する部分の4箇所が内側に矢印J方向に狭まり、かつ、前記4個の係合爪部23の間の部分の4箇所が外側に矢印K方向に広がって、前記本体部21は、元の円環状形状に弾性復帰する。
【0045】
この結果、図11および図12に示すように、前記止め具11の前記4個の係合爪部23の上端平面が前記シャフト3の前記4個の係合部18の下端平面にそれぞれ弾性係合する。前記止め具11の4個の前記係合爪部23の先端が前記シャフト3の4個の前記係合部18にそれぞれ弾性係合すると、前記止め具11の前記本体部21を図9および図10に示す形状に弾性変形させる力が前記止め具11に作用しない。このために、前記止め具11の前記4個の係合爪部23の先端が前記シャフト3の前記4個の係合部18から外れない。すなわち、前記止め具11は、前記シャフト3から外れない。
【0046】
また、図11および図12に示すように、前記止め具11の前記4個の係合爪部23の上端平面が前記シャフト3の前記4個の係合部18の下端平面にそれぞれ弾性係合すると同時に、前記止め具11の前記4個の係合爪部23の両側の前記当部22が前記シャフト3の前記4本の溝17の両側の外周面に、前記の弾性復帰方向(矢印J方向)にそれぞれ当たる。
【0047】
さらに、図11および図12に示すように、前記シャフト3の前記4本の溝17の貫通部25の両側面の前記係止部19が、前記止め具11の前記4個の係合爪部23の前記シャフト3の周方向側の部分にそれぞれ係止する。
【0048】
以上から、図2および図6および図11および図12に示すように、前記樹脂製の止め具11は、前記樹脂製のシャフト3に固定される。また、前記スプリング10は、前記樹脂製の止め具11により前記樹脂製のシャフト3に固定される。すなわち、前記スプリング10は、前記樹脂製の止め具11の前記スプリング当接部20と前記取付部12上の前記ワッシャ6との間において圧縮された状態で前記樹脂製のシャフト3の周囲に配置される。
【0049】
これにより、前記ミラーアセンブリ4は、前記樹脂製のシャフト3に前記スプリング10および前記樹脂製の止め具11および前記ワッシャ6を介して傾倒可能に組み付けられる。そして、前記シャフト3と一体の前記シャフトホルダ14を前記ベース2に前記スクリュー15により固定することにより、この実施例1のドアミラー1が構成される。
【0050】
前記ドアミラー1は、ドアDに前記ベース2を固定することにより、ドアDに装備される。そして、前記ドアミラー1は、車体のドアDに固定される前記ベース2および前記樹脂製のシャフト3および前記シャフトホルダ14側の固定部と、前記ミラーユニット9を有していて前記シャフト3に傾倒可能に取り付けられている前記ミラーアセンブリ4および前記取付部12側の傾倒部と、から構成されている。
【0051】
車体のドアDに固定される前記ベース2および前記樹脂製のシャフト3および前記シャフトホルダ14側の固定部は、車体と常に一体に固定されている。一方、前記ミラーユニット9を有していて前記シャフト3に傾倒可能に取り付けられている前記ミラーアセンブリ4および前記取付部12側の傾倒部は、人や物に当たった際には、緩衝のために、前記シャフト3の回転中心O−O回りに傾倒(回転)する。
【0052】
固定部の前記シャフトホルダ14と傾倒部の前記取付部12とは、前記位置決め手段の凹部16と凸部とにより、使用位置Aまたは格納位置Bに位置決めされている。前記位置決め手段の凹部16と凸部との嵌合状態が走行時の風圧などにより外れて前記ミラーアセンブリ4が前記シャフト3に対して傾倒しないように、また、傾倒部の前記ミラーユニット9の反射面8が走行時の路面の凹凸などによりぶれないように、前記位置決め手段の凹部16と凸部とには、テンションがかけられている。このテンションをかけるのには、前記スプリング10が使用されている。すなわち、前記スプリング10のスプリング力により、前記位置決め手段の凹部16と凸部とが相互に嵌合して、傾倒部の前記ミラーアセンブリ4が固定部の前記シャフト3にぶれないように適度な保持力で傾倒可能に保持されている。
【0053】
前記スプリング10は、前記樹脂製のシャフト3に固定されている前記樹脂製の止め具11により、前記樹脂製の止め具11の前記スプリング当接部20と前記取付部12上の前記ワッシャ6との間において圧縮された状態で前記樹脂製のシャフト3の周囲に配置されている。
【0054】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(実施例1のドアミラー1)は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(実施例1のドアミラー1)の作用について説明する。
【0055】
ドアDにベース2を固定してドアDに装備されたドアミラー1のミラーアセンブリ4を使用位置Aに位置させる。この使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4のミラーユニット9の反射面8で車両の後方を視認することができる。このとき、固定部のシャフトホルダ14と傾倒部の取付部12との間は、位置決め手段(凹部16および凸部)により、使用位置Aに位置決めされている。また、この位置決め手段にはスプリング10のスプリング力(テンション)が作用しているので、自動車の走行時の風圧などによりミラーアセンブリ4がシャフト3に対して不用意に傾倒したり、走行時の路面の凹凸などによりミラーユニット9の反射面8が不用意にぶれたりするようなことはない。
【0056】
また、リモートコントロールユニットやパワーユニット(図示せず)を駆動させると、ミラーユニット9をほぼ水平軸回りに上下方向にまたほぼ垂直軸回りに左右方向に回動させることができ、これにより、ミラーユニット9の反射面8の位置をドライバーの目線に合わせて調整することができる。
【0057】
つぎに、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4を、手動によりシャフト3の回りに時計方向に、スプリング10のスプリング力よりも大きい力で回す。すると、位置決め手段の凹部16と凸部との嵌合状態が解除されて、ミラーアセンブリ4は、シャフト3の回転中心O−O回りに時計方向に回転する。このとき、ストッパ手段のストッパ凸部26と凹部もしくは溝部との嵌合により、ミラーアセンブリ4の回転がガイドされる。
【0058】
ミラーアセンブリ4が格納位置Bに位置すると、嵌合状態が解除されている位置決め手段の凹部16と凸部とが再度嵌合して、ミラーアセンブリ4が格納位置Bに位置して格納される。このとき、ストッパ手段のストッパ凸部26の端面と凹部もしくは溝部の端面とが当接して、ミラーアセンブリ2の回転が規制されてミラーアセンブリ2とドアDとの当接が回避される。
【0059】
また、格納位置Bに位置するミラーアセンブリ4を、手動によりシャフト3の回りに反時計方向に、スプリング10のスプリング力よりも大きい力で回す。すると、位置決め手段の凹部16と凸部との嵌合状態が解除されて、ミラーアセンブリ4がシャフト3の回転中心O−O回りに反時計方向に回転する。ミラーアセンブリ4が使用位置Aに位置すると、嵌合状態が解除されている位置決め手段の凹部16と凸部とが再度嵌合して、ミラーアセンブリ4が使用位置Aに位置する。
【0060】
一方、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4を、手動によりシャフト3の回りに反時計方向に、スプリング10のスプリング力よりも大きい力で回す。すると、位置決め手段の凹部16と凸部との嵌合状態が解除されて、ミラーアセンブリ4は、シャフト3の回転中心O−O回りに反時計方向に回転する。このとき、ストッパ手段のストッパ凸部26と凹部もしくは溝部との嵌合により、ミラーアセンブリ4の回転がガイドされる。
【0061】
ミラーアセンブリ4が前方傾倒位置Cに位置すると、ストッパ手段のストッパ凸部26の端面と凹部もしくは溝部の端面とが当接して、ミラーアセンブリ2の回転が規制されて、ミラーアセンブリ4が前方傾倒位置Cに位置し、かつ、ミラーアセンブリ2とドアDとの当接が回避される。
【0062】
また、前方傾倒位置Cに位置するミラーアセンブリ4を、手動によりシャフト3の回りに時計方向に、スプリング10のスプリング力よりも大きい力で回す。すると、ミラーアセンブリ4がシャフト3の回転中心O−O回りに時計方向に回転する。ミラーアセンブリ4が使用位置Aに位置すると、嵌合状態が解除されている位置決め手段の凹部16と凸部とが再度嵌合して、ミラーアセンブリ4が使用位置Aに位置する。
【0063】
そして、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4にスプリング10のスプリング力よりも大きい力が作用すると、ミラーアセンブリ4は、前記の手動回転と同様に、シャフト3の回転中心O−O回りに時計方向または反時計方向に緩衝のために回転する。
【0064】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(実施例1のドアミラー1)は、以上のごとき構成作用からなり、以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(実施例1のドアミラー1)の効果について説明する。
【0065】
実施例1のドアミラー1は、樹脂製のシャフト3に樹脂製の止め具11を組み付ける際、すなわち、シャフト3を止め具11の環状の本体部21中に挿入させて止め具11の4個の係合爪部23をシャフト3の4個の係合部18にそれぞれ弾性係合させる際に、4個の係合爪部23がシャフト3の4個の当接部18にそれぞれ当接して止め具11の本体部21全体が図9および図10に示すように弾性変形する。このために、実施例1のドアミラー1は、本体部21全体が弾性変形するので、金属製のスプリングストッパの爪のみを弾性変形させて樹脂製のシャフトに組み付ける従来の車両用アウトサイドミラー装置と比較して、係合爪部23だけに力が集中してかからない。この結果、実施例1のドアミラー1は、止め具を樹脂製の止め具11とすることが可能となる。従来は、樹脂シャフトの硬度よりはるかに高い硬度を有する金属止め具を使用していたために、樹脂シャフトが削られる(柔らかいものが硬いものに削られる)ことがあったが、樹脂止め具を作用することにより、樹脂シャフトと同等あるいは低い硬度の止め具を採用することができる。これにより、樹脂製の止め具11の4個の係合爪部23で、樹脂製のシャフト3が削れるのを確実に防止することができる。
【0066】
ここで、実施例1のドアミラー1は、止め具11の4個の係合爪部23がシャフト3の4個の係合部18にそれぞれ弾性係合すると、止め具11の本体部21を図9および図10に示す形状に弾性変形させる力が止め具11に作用しない。このために、実施例1のドアミラー1は、止め具11の4個の係合爪部23がシャフト3の4個の係合部18から外れない。すなわち、止め具11がシャフト3から外れない。
【0067】
また、実施例1のドアミラー1は、樹脂製の止め具11の4個の係合爪部23が樹脂製のシャフト3の4個の係合部18にそれぞれ弾性係合した際に、止め具11の当部22がシャフト3の4本の溝17の両側に止め具11の本体部21の弾性復帰方向Jに当たる。このために、実施例1のドアミラー1は、止め具11の係合爪部23がシャフト3の係合部18に弾性係合した後に、止め具11がシャフト3の径方向にずれて、止め具11の係合爪部23がシャフト3の係合部18から外れて止め具11がシャフト3から外れるのを確実に防止することができる。
【0068】
さらに、実施例1のドアミラー1は、図11および図12に示すように、シャフト3の係止部19が止め具11の係合爪部23のシャフトの周方向側の部分に係止する。このために、実施例1のドアミラー1は、樹脂製のシャフト3に樹脂製の止め具11を組み付けた後に、ミラーアセンブリ4がシャフト3に対して傾倒する際に、樹脂製のシャフト3と樹脂製の止め具11とが相互にシャフトの周方向に回転するのを確実に防止することができる。この結果、実施例1のドアミラー1は、樹脂製のシャフト3に樹脂製の止め具11を組み付けた後に、ミラーアセンブリ4がシャフト3に対して傾倒する際に、樹脂製のシャフト3と樹脂製の止め具11とが相互にシャフト3の周方向に回転して、その樹脂製の止め具11の4個の係合爪部23、および、樹脂製のシャフト3の連結部24と貫通部25との境の係合部18が相互に摩耗するのを確実に防止することができる。
【実施例2】
【0069】
図13は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す。図中、図1〜図12と同符号は、同一のものを示す。
【0070】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2について説明する。この実施例2の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製のシャフト3の4個の係合部18と樹脂製の止め具11の4個の係合爪部23とに抜け止め手段を設けるものである。
【0071】
前記抜け止め手段は、前記4個の係合部18の下端面にそれぞれ設けた凹部27の外側の立壁と、前記4個の係合爪部23の上端面にそれぞれ設けた凸部28と、から構成されている。なお、前記係合部18の下端面に凸部を設け、前記係合爪部23の上端面に凹部を設けても良い。
【0072】
前記樹脂製の止め具11の前記4個の係合爪部23の上端平面が前記樹脂製のシャフト3の前記4個の係合部18の下端平面にそれぞれ弾性係合すると同時に、前記止め具11の前記4個の係合爪部23の前記凸部28が前記シャフト3の前記4個の係合部18の前記凹部27の外側の立壁に弾性変形方向(矢印H方向)にそれぞれ当たる。
【0073】
この結果、この実施例2の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11の複数個の係合爪部23が樹脂製のシャフト3の4個の係合部18にそれぞれ弾性係合した際に、止め具11の係合爪部23側の抜け止め手段の凸部28がシャフト3の係合部18側の抜け止め手段の凹部27の外側の立壁に弾性変形方向(矢印H方向)にそれぞれ当たる。これにより、止め具11の本体部21が弾性変形して止め具11がシャフト3から抜けるのを防ぐことができる。すなわち、この実施例2の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11の4個の係合爪部23が樹脂製のシャフト3の4個の係合部18に弾性係合した後には、止め具11の本体部21を弾性変形させる力が止め具11の本体部21に作用しないので、止め具11の本体部21が弾性変形して止め具11がシャフト3から抜けるようなことはない。この結果、この実施例2の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、止め具11の係合爪部23側の抜け止め手段の凸部28がシャフト3の係合部18側の抜け止め手段の凹部27の外側の立壁に弾性変形方向(矢印H方向)にそれぞれ当たることにより、係合爪部23と係合部18との弾性係合が外れて、止め具11の本体部21が弾性変形して止め具11がシャフト3から抜けるのをさらに確実に防止することができる。
【実施例3】
【0074】
図14〜図18は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例3を示す。図中、図1〜図13と同符号は、同一のものを示す。
【0075】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例3について説明する。この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11Aの円筒形状の本体部21Aの高さを、前記の実施例1、2の止め具11の本体部21の高さよりも高くする。すなわち、前記止め具11Aの前記本体部21Aの高さは、前記止め具11Aの前記係合爪部23が前記シャフト3の前記係合部18に弾性係合した際の前記シャフト3の高さと等しい。
【0076】
前記止め具11Aの前記本体部21Aの他端(上端)側の内周面には、前記シャフト3の一端(上端)の外周面に前記シャフト3の径方向に当たってがたを押さえる複数個、この例では、4個のがた押さえ部30が、一体に設けられている。前記4個のがた押さえ部30と前記4個の係合爪部23とは、円筒形状の前記止め具11Aの周方向に互い違いに設けられている。
【0077】
前記止め具11Aの前記本体部21Aの一端(下端)から、前記スプリング10全体を覆う円筒形状の覆い部31が、一体に延設されている。前記止め具11Aの前記覆い部31の高さは、前記止め具11Aの前記係合爪部23が前記シャフト3の前記係合部18に弾性係合した際、前記覆い部31の下端面と取付部12の上面との間に隙間T1が形成される程度の高さである。
【0078】
使用位置Aまたは格納位置Bに位置するミラーアセンブリ4がシャフト3の回転中心O−O回りに回転する際には、図15に示すように、傾倒部の前記取付部12側の位置決め手段の凸部29が固定部のシャフトホルダ14側の位置決め手段の凹部16から乗り上げて、位置決め手段の前記凹部16と前記凸部29との嵌合状態が解除される。前記凸部29が前記凹部16から、実線に示す状態から一点鎖線または二点鎖線に示す状態に乗り上げた際には、前記取付部12は、寸法T2分上昇する。前記覆い部31と前記取付部12との間の隙間T1は、前記取付部12の上昇寸法T2と等しいかもしくは若干大きい。
【0079】
前記止め具11Aの前記覆い部31の前記本体部21Aと反対側の部分(下部)と、前記ミラーアセンブリ4側の前記取付部12とには、前記シャフト3の径方向に相互に当たってがたを止めるがた止め部が、それぞれ設けられている。前記がた止め部は、前記覆い部31の下部の外面と、前記取付部12の上面に一体に設けた円筒部32の内面と、から構成されている。前記覆い部31の下部の外径は、前記円筒部32の内径と等しいかもしくは若干大きい。
【0080】
この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、以上のごとき構成からなり、以下、作用効果について説明する。
【0081】
樹脂製の止め具11Aの4個の係合爪部23を樹脂製のシャフト3の4個の係合部18にそれぞれ弾性係合させる。すると、止め具11Aのがた押さえ部30は、シャフト3の上端の外周面にシャフト3の径方向、すなわち、止め具11Aの弾性復帰方向Jに当たる。また、止め具11Aの覆い部31は、スプリング10全体を覆う。すなわち、止め具111Aの本体部21Aおよび覆い部31は、シャフト3およびスプリング10全体を覆う。さらに、止め具11Aの覆い部31の下部の外面と、取付部12の円筒部32の内面とは、シャフト3の径方向に相互に当たる。
【0082】
この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11Aの4個の係合爪部23が樹脂製のシャフト3の4個の係合部18に弾性係合した際に、止め具11Aの4個のがた押さえ部30がシャフト3の上端の外周面にシャフト3の径方向すなわち止め具11Aの弾性復帰方向Jに当たる。このために、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、止め具11Aがシャフト3にシャフト3の径方向にがたなく固定されるので、このがたのない止め具11Aによりスプリング10の圧縮状態が安定する。この結果、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、ミラーアセンブリ4をシャフト3にがたなく傾倒可能に装備することができ、ミラーアセンブリ4のミラーユニット9の反射面8のぶれを防ぐことができる。
【0083】
しかも、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11Aにおける4個のがた押さえ部30と4個の係合爪部23とが円筒形状の止め具11Aの周方向に互い違いに設けられている。この結果、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、4個の係合爪部23がシャフト3の4本の溝17に対応する箇所に設けられている4個の係合部18にそれぞれ弾性係合すると、4個のがた押さえ部30がシャフト3のうち4本の溝17から外れた箇所にそれぞれ対向する。このために、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、4個のがた押さえ部30がシャフト3のうち4本の溝17にそれぞれ対向してシャフト3の上端の外周面に当たらなくなるようなことはなく、4個のがた押さえ部30がシャフト3の上端の外周面にそれぞれ確実に当たる。
【0084】
その上、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11Aの円筒形状の本体部21Aに4個のがた押さえ部30を設けるので、がた押さえ部30が環状形状もしくはフランジ形状となることがない。このために、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、環状形状もしくはフランジ形状がた押さえ部30により、止め具11Aの本体部21Aの弾性変形を阻害するようなことはない。
【0085】
また、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11Aの覆い部31により、スプリング10全体を覆うことができる。このために、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、図18中の実線矢印に示すように、ミラーアセンブリ4のミラーハウジング7の開口部5おけるミラーユニット9との間の隙間を通して、ミラーアセンブリ4の外側からミラーアセンブリ4の内側が見える場合であっても、スプリング10全体が止め具11Aの覆い部31により覆われているので、スプリング10が隠されて見栄えが向上する。特に、スプリング10は、弾性金属部材から構成されていてかつアルミメッキやアルミ蒸着されているので目立ち易く、ミラーアセンブリ4のミラーハウジング7の開口部5におけるミラーユニット9との間の隙間を通して見えると見栄え上課題がある。
【0086】
さらに、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11Aの4個の係合爪部23が樹脂製のシャフト3の4個の係合部18に弾性係合した際に、止め具11A側のがた止め部の覆い部31の下部の外面と、取付部12側のがた止め部の円筒部32の内面とは、シャフト3の径方向に相互に当たる。このために、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、止め具11Aがミラーアセンブリ4にシャフト3の径方向にがたなく固定されるので、このがたのない止め具11Aによりスプリング10の圧縮状態が安定する。この結果、この実施例3の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、ミラーアセンブリ4をシャフト3にがたなく傾倒可能に装備することができ、ミラーアセンブリ4のミラーユニット9の反射面8のぶれを防ぐことができる。
【実施例4】
【0087】
図19および図20は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例4を示す。図中、図1〜図18と同符号は、同一のものを示す。
【0088】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例4について説明する。この実施例4の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、樹脂製の止め具11Bの本体部21Aとスプリング33とが一体に設けられている。すなわち、前記止め具11Bの前記本体部21Aの下端に樹脂製の前記スプリング33を一体に設ける。前記スプリング33は、円筒形状をなし、かつ、断面U字形状と断面逆U字形状とを連続した形状をなすものである。
【0089】
この実施例4の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、以上のごとき構成からなるので、樹脂製の止め具11Bの4個の係合爪部23が樹脂製のシャフト3の4個の係合部18に弾性係合した際に、止め具11Bの本体部21Aと一体のスプリング33の下端が取付部12の上面に弾性当接する。この結果、この実施例4の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、止め具11Bと別体の圧縮タイプのスプリング(圧縮コイルスプリング)10を省略しても、止め具11Bの本体部21Aと一体のスプリング33が別体のスプリング10の代役を十分に果たすことができる。これにより、この実施例4の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、部品点数を軽減することができるので、製造工数や組付工数を軽減することができ、その分、コストを安価にすることができる。
【実施例5】
【0090】
図21および図22は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例5を示す。図中、図1〜図20と同符号は、同一のものを示す。
【0091】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例5について説明する。この実施例5の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、前記の実施例4の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)と同様に、樹脂製の止め具11Cの本体部21Aとスプリング34とが一体に設けられている。すなわち、前記止め具11Cの前記本体部21Aの下端に樹脂製の前記スプリング34を一体に設ける。前記スプリング34は、径が上から下に行くに従って徐々に大きくなる複数個この例では4個の円筒部と、同じく径が上から下に行くに従って徐々に大きくなる複数個この例では4個の円板部とを、交互に連続してなるものである。
【0092】
この実施例5の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、以上のごとき構成からなるので、樹脂製の止め具11Cの4個の係合爪部23が樹脂製のシャフト3の4個の係合部18に弾性係合した際に、止め具11Cの本体部21Aと一体のスプリング34の下端が取付部12の上面に弾性当接する。この結果、この実施例5の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、止め具11Cと別体の圧縮タイプのスプリング(圧縮コイルスプリング)10を省略しても、止め具11Cの本体部21Aと一体のスプリング34が別体のスプリング10の代役を十分に果たすことができる。これにより、この実施例5の車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー)は、部品点数を軽減することができるので、製造工数や組付工数を軽減することができ、その分、コストを安価にすることができる。
【0093】
以下、前記の実施例1、2、3、4、5以外の例について説明する。この実施例1〜5においては、乗用車のドアDに装備されるドアミラー1について説明するものである。ところが、この発明においては、その他の自動車用アウトサイドミラー装置、たとえば、乗用車のフェンダに装備されるフェンダミラーやトラックのフェンダやピラーなどに装備されるトラックミラーなどであっても良い。すなわち、車体に固定されるベースおよび樹脂製のシャフト側の固定部と、そのシャフトに傾倒可能に取り付けられているミラーユニット(ミラー)およびミラーアセンブリ側の傾倒部と、から構成されている自動車用アウトサイドミラー装置であっても良い。
【0094】
また、前記の実施例1〜5においては、手動により、ミラーアセンブリ4をシャフト3に対して使用位置Aと格納位置Bとの間を傾倒(回転、回動)させるものである。ところが、この発明においては、モータおよび回転力伝達機構(減速機構およびクラッチ機構)から構成されている電動格納ユニットの電動作動により、ミラーアセンブリをシャフトに対して使用位置と格納位置との間を傾倒させても良い。この場合、電動格納ユニットのケーシング(たとえば、ギアケースおよびカバーからなるケーシング)がミラーハウジングと別体の取付部となる。
【0095】
さらに、前記の実施例1〜5においては、ミラーハウジング7が一体構造のものである。ところが、この発明においては、ミラーハウジングが本体部とその本体部を覆うカバー(化粧カバー、ガーニッシュ、シェルフレーム)とから構成されている別体構造のものであっても良い。
【0096】
さらにまた、前記の実施例1〜5においては、位置決め手段がノッチタイプの凹部凸部すなわち断面台形の凹凸から構成されているものである。ところが、この発明においては、位置決め手段として、ボールとそのボールが嵌合する嵌合凹部とから構成されているもの、また、半球形の凹凸から構成されているもの、さらに、断面半円形の凹凸から構成されているもの、さらにまた、断面三角形の凹凸から構成されているものなどであっても良い。
【0097】
さらにまた、前記の実施例1〜5においては、変形部22および係合爪部23およびがた押さえ部30をそれぞれ4個ずつ設けてなるものである。ところが、この発明においては、変形部および係合爪部およびがた押さえ部を製品の大きさやスプリングの荷重に合わせて3個、5個以上設けても良い。
【0098】
さらにまた、前記の実施例1〜5においては、取付部12がミラーハウジング7と別体のフレームやブラケットから構成されていて、そのミラーハウジング7に一体に固定されているものである。ところが、この発明においては、取付部とミラーハウジングとが一体構造のものであっても良い。
【0099】
さらにまた、前記の実施例1〜5においては、止め具の本体部が円環状をなすものである。ところが、この発明においては、止め具の本体部が円環状以外の環状形状をなすものであっても良い。ただし、止め具の係合爪部がシャフトの当接部に当接した際に弾性変形し、かつ、止め具の係合爪部がシャフトの係合部に達すると元の形状に弾性復帰する弾性部材から構成されている本体部である必要がある。
【0100】
さらにまた、前記の実施例3においては、止め具11Aの本体部21Aの一端(上端)からスプリング10全体を覆う円筒形状の覆い部31が延設されているものである。ところが、この発明においては、覆い部として、スプリングの一部を覆う半円筒形状もしくは円筒の一部の形状のものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示す使用状態の平面図である。
【図2】同じく、ドアミラーを示す一部破断正面図であって、図1におけるII矢視図である。
【図3】同じく、シャフトおよび取付部およびワッシャおよびスプリングおよび止め具を示す分解斜視図である。
【図4】同じく、止め具を示す平面図である。
【図5】同じく、図4におけるV−V線断面図である。
【図6】同じく、シャフトおよび取付部およびワッシャおよびスプリングおよび止め具を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図7】同じく、シャフトに止め具を組み付けている途中の状態であって止め具がシャフトの途中で止まっている状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図8】同じく、図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】同じく、シャフトに止め具を組み付けている途中の状態であって止め具の本体部が弾性変形している状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図10】同じく、図9におけるX−X線断面図である。
【図11】同じく、シャフトに止め具を組み付けた状態であって止め具の係合爪部がシャフトの係合部に弾性係合している状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図12】同じく、図11におけるXII−XII線断面図である。
【図13】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す要部の一部拡大断面図である。
【図14】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例3を示す止め具の斜視図である。
【図15】同じく、位置決め手段の作用状態を示す説明図である。
【図16】同じく、図14におけるXVI−XVI線断面図である。
【図17】同じく、図14におけるXVII−XVII線断面図である。
【図18】同じく、止め具の覆い部でスプリングを覆い隠している状態を示す一部横断面(水平断面図)である。
【図19】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例4を示す止め具の斜視図である。
【図20】同じく、図19におけるXX−XX線断面図である。
【図21】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例5を示す止め具の斜視図である。
【図22】同じく、図21におけるXXII−XXII線断面図である。
【符号の説明】
【0102】
1 ドアミラー(車両用アウトサイドミラー装置)
2 ベース
3 樹脂製のシャフト
4 ミラーアセンブリ
5 開口部
6 ワッシャ
7 ミラーハウジング
8 反射面
9 ミラーユニット
10 スプリング
11、11A、11B、11C 樹脂製の止め具
12 取付部
13 挿通孔
14 シャフトホルダ
15 スクリュー
16 凹部(位置決め手段)
17 溝
18 係合部
19 係止部
20 スプリング当接部
21、21A 本体部
22 当部
23 係合爪部
24 連結部(当接部)
25 貫通部
26 ストッパ凸部
27 凹部(抜け止め手段)
28 凸部(抜け止め手段)
29 凸部(位置決め手段)
30 がた押さえ部
31 覆い部
32 円筒部(がた止め部)
33 スプリング
34 スプリング
A 使用位置
B 格納位置
C 前方傾倒位置
D ドア(車体)
E 車両の後方
F 車両の前方
G 挿入方向
H 止め具の係合爪部の弾性変形方向
I 止め具の係合爪部の間の弾性変形方向
J 止め具の係合爪部の弾性復帰方向
K 止め具の係合爪部の間の弾性復帰方向
O−O 回転中心
T1 覆い部と取付部との間の隙間
T2 取付部の上昇分の寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラーアセンブリが車体に対して傾倒可能である車両用アウトサイドミラー装置において、
前記車体に固定されるベースと、
前記ベースに固定されている樹脂製のシャフトと、
前記シャフトに固定されている樹脂製の止め具と、
前記止め具により前記シャフトの周囲に圧縮された状態で配置されているスプリングと、
前記スプリングおよび前記止め具を介して前記シャフトに傾倒可能に装備されている前記ミラーアセンブリと、
を備え、
前記シャフトの一端部には、当接部が設けられていて、かつ、前記当接部の前記シャフトの一端と反対側の箇所には、係合部が設けられていて、
前記止め具は、前記シャフトが一端から挿入する環状の本体部と、前記本体部の一端側に設けられていて前記スプリングが当接するスプリング当接部と、前記本体部の一端側の内周面に設けられていて前記係合部に弾性係合する複数個の係合爪部と、から構成されていて、
前記本体部は、前記シャフトを一端から前記本体部中に挿入させて前記係合爪部が前記当接部に当接した際に弾性変形し、かつ、前記複数個の係合爪部が前記係合部に達すると元の形状に弾性復帰する弾性部材から構成されている、
ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項2】
前記止め具には、前記複数個の係合爪部が前記係合部に弾性係合した際に、前記シャフトに前記本体部の弾性復帰方向に当たる当部が、設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項3】
前記シャフトの前記係合部と前記止め具の前記複数個の係合爪部とには、前記本体部が弾性変形して前記止め具が前記シャフトから抜けるのを防ぐ抜け止め手段が、設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項4】
前記止め具の前記本体部の他端側の内周面には、前記シャフトの一端の外周面に前記シャフトの径方向に当たってがたを押さえる複数個のがた押さえ部が、設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項5】
前記止め具の前記本体部の一端から、前記スプリング全体もしくは一部を覆う覆い部が、延設されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項6】
前記止め具の前記覆い部の前記本体部と反対側の部分と、前記ミラーアセンブリとには、前記シャフトの径方向に相互に当たってがたを止めるがた止め部が、それぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項7】
前記樹脂製の止め具の前記本体部と前記スプリングとは、一体に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用アウトサイドミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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