説明

車両用ウォッシャ装置

【課題】ガーニッシュの一体感を確保でき、しかも、洗浄液の目標着水位置がバラつくことを抑制する。
【解決手段】車両用ウォッシャ装置10によれば、ウォッシャノズル30は、ガーニッシュ46に取り付けられることなくウォッシャタンク12に設けられたノズル取付座面部28に固定され、且つ、ガーニッシュ46に形成されたノズル露出用開口48から露出される。このため、ウォッシャノズル30の取付角度がガーニッシュ46の車体への取付状態に影響を受けることが無い。従って、ウォッシャノズル30から噴出された洗浄液の目標着水位置がガーニッシュ46の車体へ取り付けに伴ってバラつくことを抑制できる。しかも、ウォッシャタンク12の車体への取り付けのためにガーニッシュ46を車幅方向に分割する必要が無いので、ガーニッシュ46につなぎ目が生じることを防止してガーニッシュ46の一体感を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントウインドガラスを洗浄する洗浄液を貯蔵及び噴出するための車両用ウォッシャ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両用ウォッシャ装置としては、例えば、次のものがある(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載のウォッシャ装置では、ウォッシャタンクにガーニッシュ(カウルルーバー)の一部が一体的に取り付けられており、このガーニッシュの一部には、ウォッシャノズルが固定されている。
【特許文献1】特開2002−127875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のウォッシャ装置では、ガーニッシュの一部がウォッシャタンクに一体的に取り付けられている。このため、ガーニッシュが車幅方向に分割されることとなり、この結果、ガーニッシュにつなぎ目が生じ、ガーニッシュの一体感を損ねていた。
【0004】
また、ウォッシャノズルは、ガーニッシュの一部に固定される。このため、ウォッシャノズルの取付角度がガーニッシュの一部の車体への取付状態に影響を受け、ウォッシャノズルから噴出された洗浄液のフロントウインドガラス上における目標着水位置のバラつきが大きくなる虞があった。特に、ガーニッシュの一部の車体へ取り付け状態でガーニッシュの一部に捩れや変形が生じていると、目標着水位置のバラつきがさらに大きくなる虞があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ガーニッシュにつなぎ目が生じることを防止してガーニッシュの一体感を確保でき、しかも、ウォッシャノズルから噴出された洗浄液のフロントウインドガラス上における目標着水位置がガーニッシュの車体へ取り付けに伴ってバラつくことを抑制できる車両用ウォッシャ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用ウォッシャ装置は、車両のフロントウインドガラス下端部からエンジンルーム側へ延出されたガーニッシュの下方に配置され、洗浄液を貯蔵するウォッシャタンクと、前記ウォッシャタンク内の前記洗浄液を吐出するウォッシャポンプと、前記ウォッシャポンプの洗浄液吐出部と配管ホースを介して連通され、前記洗浄液を前記フロントウインドガラスヘ向けて噴出するウォッシャノズルと、を備え、前記ウォッシャタンクには、前記ウォッシャノズルが固定されたノズル取付座面部が設けられ、前記ウォッシャノズルは、前記ウォッシャタンクの前記車両への搭載状態で前記ガーニッシュに形成されたノズル露出用開口から露出されることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の車両用ウォッシャ装置によれば、ウォッシャタンクは、車両への搭載状態ではガーニッシュの下方に配置され、ウォッシャノズルは、ガーニッシュに取り付けられることなくウォッシャタンクに設けられたノズル取付座面部に固定され、且つ、ガーニッシュに形成されたノズル露出用開口から露出される。このため、ウォッシャノズルの取付角度がガーニッシュの車体への取付状態に影響を受けることが無い。従って、ウォッシャノズルから噴出された洗浄液のフロントウインドガラス上における目標着水位置がガーニッシュの車体へ取り付けに伴ってバラつくことを抑制できる。
【0008】
しかも、ウォッシャタンクの車体への取り付けのためにガーニッシュを車幅方向に分割する必要が無く、ガーニッシュを車幅方向に連続的に構成することができる。これにより、ガーニッシュにつなぎ目が生じることを防止してガーニッシュの一体感を確保できる。
【0009】
このように、請求項1に記載の車両用ウォッシャ装置によれば、ガーニッシュにつなぎ目が生じることを防止してガーニッシュの一体感を確保でき、しかも、ウォッシャノズルから噴出された洗浄液のフロントウインドガラス上における目標着水位置がガーニッシュの車体へ取り付けに伴ってバラつくことを抑制できる。
【0010】
なお、請求項1に記載の車両用ウォッシャ装置において、ウォッシャノズルは、例えば、ノズル露出用開口から上方に突出されることでノズル露出用開口から露出されても良く、また、その突出端がノズル露出用開口と略同一高さに設定されることでノズル露出用開口から露出されても良く、さらに、ノズル露出用開口よりも下方に位置されることでノズル露出用開口から露出されても良い。
【0011】
請求項2に記載の車両用ウォッシャ装置は、請求項1に記載の車両用ウォッシャ装置において、前記ウォッシャノズルは、前記ウォッシャタンクの前記車両への搭載状態で前記ガーニッシュに形成されたノズル露出用開口から上方に突出されることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の車両用ウォッシャ装置によれば、ウォッシャノズルは、ウォッシャタンクの車両への搭載状態でガーニッシュに形成されたノズル露出用開口から上方に突出される構成である。従って、ウォッシャノズルから噴出された洗浄液をガーニッシュに干渉させることなくフロントウインドガラスに着水させることができる。また、ウォッシャノズルからフロントウインドガラス上の目標着水位置までの距離が短くなるので、洗浄液の目標着水位置への位置精度を向上できる。
【0013】
請求項3に記載の車両用ウォッシャ装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ウォッシャ装置において、前記ウォッシャタンクは、前記洗浄液を内部に注入するための注水口と、前記注水口を閉塞するキャップとを有し、前記注水口は、前記ウォッシャタンクの前記車両への搭載状態で前記ガーニッシュに形成された注水口露出用開口から露出されることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の車両用ウォッシャ装置によれば、ウォッシャタンクに備えられた注水口は、ウォッシャタンクの車両への搭載状態でガーニッシュに形成された注水口露出用開口から露出される構成である。従って、注水口露出用開口を介してキャップの開閉作業及び注水口からの注水作業を容易に行うことができる。
【0015】
なお、請求項3に記載の車両用ウォッシャ装置において、注水口は、例えば、注水口露出用開口から上方に突出されることで注水口露出用開口から露出されても良く、また、その突出端が注水口露出用開口と略同一高さに設定されることで注水口露出用開口から露出されても良く、さらに、注水口露出用開口よりも下方に位置されることで注水口露出用開口から露出されても良い。
【0016】
請求項4に記載の車両用ウォッシャ装置は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用ウォッシャ装置において、前記ノズル取付座面部は、前記ウォッシャタンクと別体に構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の車両用ウォッシャ装置によれば、ノズル取付座面部は、ウォッシャタンクと別体に構成されている。従って、例えば、ウォッシャノズルが固定されるノズル取付座面部のウォッシャタンクに対する取付角度を任意に設定することが可能となり、これにより、ウォッシャノズルから噴出された洗浄液のフロントウインドガラス上における目標着水位置を任意に調整することができる。
【0018】
なお、この場合に、例えば、ノズル取付座面部とウォッシャタンクとの間に取付角度調整手段を設け、この取付角度調整手段を用いてノズル取付座面部のウォッシャタンクに対する取付角度を調整しても良い。また、一つのウォッシャタンクに対し取付角度の異なる複数のノズル取付座面部を用意して、この複数のノズル取付座面部のうち一のノズル取付座面部を任意に選択し、これをウォッシャタンクに取り付けることでノズル取付座面部のウォッシャタンクに対する取付角度を調整しても良い。
【0019】
請求項5に記載の車両用ウォッシャ装置は、請求項4に記載の車両用ウォッシャ装置において、前記ノズル取付座面部と前記ウォッシャタンクとの間には、前記ノズル取付座面部の前記ウォッシャタンクに対する取付角度を調整可能とするための取付角度調整手段が設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の車両用ウォッシャ装置によれば、ノズル取付座面部とウォッシャタンクとの間に取付角度調整手段が設けられている。従って、この取付角度調整手段を用いてノズル取付座面部のウォッシャタンクに対する取付角度を調整することができ、ひいては、ウォッシャノズルから噴出された洗浄液のフロントウインドガラス上における目標着水位置を任意に調整することができる。
【0021】
特に、車種によってフロントウインドガラスの傾斜角度が異なる場合でも、ノズル取付座面部のウォッシャタンクに対する取付角度を調整することが可能となるので、これにより、例えば、ウォッシャノズルの噴出角度の初期設定(つまり、目標着水位置の初期設定)を共通の部品で行うことができ、部品の標準化に貢献できる。
【0022】
請求項6に記載の車両用ウォッシャ装置は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用ウォッシャ装置において、前記ウォッシャポンプは、前記ウォッシャタンクに一体的に取り付けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の車両用ウォッシャ装置によれば、ウォッシャタンクにウォッシャポンプ、ウォッシャノズル、配管ホースが一体的に取り付けられ、車両用ウォッシャ装置がモジュール構造とされるので、この車両用ウォッシャ装置の車両への組付性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面に基づき、本発明の車両用ウォッシャ装置の一実施形態について説明する。
【0025】
図3には、本発明の一実施形態に係る車両用ウォッシャ装置10とガーニッシュ46との分解斜視図が示されている。この図に示されるように、車両用ウォッシャ装置10は、洗浄液を貯蔵するためのウォッシャタンク12を備えている。ウォッシャタンク12の上面部12Aには、洗浄液をウォッシャタンク12の内部に注入するための注水口14が上方に突出して設けられており、この注水口14の突出端には、この注水口14を閉塞するキャップ16が着脱可能に嵌合されている。
【0026】
ウォッシャタンク12の前面部12Bには、車幅方向に並んで一対のウォッシャポンプ18,20がそれぞれ一体的に取り付けられている。一方のウォッシャポンプ18は、フロントウインドガラス用とされており、他方のウォッシャポンプ20は、リアウインドガラス用とされている。各ウォッシャポンプ18,20は、斜め下方に突出する洗浄液吐出部22,24をそれぞれ有している。
【0027】
一方のウォッシャポンプ18の洗浄液吐出部22は、ウォッシャタンク12の側面部12Cに沿って配索された配管ホース26を介して後述するフロントウインドガラス用のウォッシャノズル30と連通されている。一方、他方のウォッシャポンプ20の洗浄液吐出部24は、配管ホースを介してリアウインドガラス用のウォッシャノズル(いずれも図示省略)と連通される。各ウォッシャポンプ18,20は、図示しない制御装置と電気的に接続され、この制御装置から出力された制御信号を入力すると作動し、ウォッシャタンク12内の洗浄液を洗浄液吐出部22,24からそれぞれ吐出する構成とされている。
【0028】
また、ウォッシャタンク12の片側(車幅方向一方側)の部分には、ノズル取付座面部28が一体的に設けられている。ノズル取付座面部28は、ウォッシャタンク12の上面部12Aと連続する板状に形成されると共にウォッシャタンク12の側面部12Cから車幅方向外側へ延出された構成とされている。このノズル取付座面部28には、フロントウインドガラス用のウォッシャノズル30が固定されている。ウォッシャノズル30は、上端部に3つの噴出口32を備えており、ウォッシャポンプ18から洗浄液が吐出されると、この噴出口32から洗浄液をそれぞれ噴出する構成とされている。
【0029】
そして、車両用ウォッシャ装置10は、上述の如く、ウォッシャタンク12にウォッシャポンプ18、ウォッシャノズル30、配管ホース26が一体的に取り付けられており、これによりモジュール構造とされている。このモジュール構造とされた車両用ウォッシャ装置10は、ウォッシャタンク12に設けられた固定部34がボルト等によって車体に固定されることで車両に搭載される。
【0030】
ここで、図1には、車両用ウォッシャ装置10が車両40に搭載された状態が斜視図にて示されており、図2には、図1の要部拡大図が示されている。図1に示されるように、本実施形態における車両40では、車両用ウォッシャ装置10がエンジンルーム42内の後方右寄りの位置に配置されている。車両40には、フロントウインドガラス44の下端部からエンジンルーム42側へ延出されると共に車幅方向に延びる略弓状のガーニッシュ46が備えられており、このガーニッシュ46の下方には、ウォッシャタンク12が配置されている。
【0031】
ガーニッシュ46には、図2に示されるように、車幅方向に並んでノズル露出用開口48及び注水口露出用開口50が形成されている。このノズル露出用開口48及び注水口露出用開口50は、ガーニッシュ46の板厚方向にそれぞれ貫通されている。
【0032】
そして、ウォッシャタンク12の車両40への搭載状態では、ウォッシャノズル30は、ノズル露出用開口48から露出されており、注水口14は、注水口露出用開口50から露出されている。なお、より具体的には、ウォッシャノズル30は、ノズル露出用開口48から上方に突出されることでノズル露出用開口48から露出されており、注水口14は、その突出端が注水口露出用開口50と略同一高さに設定されることで注水口露出用開口50から露出されている。また、このウォッシャノズル30と注水口14(キャップ16)は、図1に示されるエンジンルーム42が図示しないエンジンフードによって塞がれた状態では、このエンジンフードの後端側の部分によって上方より覆い隠される。
【0033】
そして、上述の如く車両40に搭載された車両用ウォッシャ装置10では、図示しない制御装置から出力された制御信号がウォッシャポンプ18に入力されると、ウォッシャポンプ18が作動する。これにより、ウォッシャタンク12内の洗浄液が配管ホース26を通ってウォッシャノズル30の噴出口32から図1に示されるフロントウインドガラス44の右下側、中央上側、左下側へ向けてそれぞれ噴出される。
【0034】
なお、エンジンルーム42が図示しないエンジンフードによって塞がれた状態では、このエンジンフードの後端側の縁部とフロントウインドガラス44との隙間を通じてウォッシャノズル30からフロントウインドガラス44に洗浄液が噴出される。
【0035】
そして、以上の如く車両40に搭載される車両用ウォッシャ装置10によれば、以下の作用及び効果を奏する。
【0036】
すなわち、本発明の一実施形態に係る車両用ウォッシャ装置10によれば、ウォッシャタンク12は、車両40への搭載状態ではガーニッシュ46の下方に配置され、ウォッシャノズル30は、ガーニッシュ46に取り付けられることなくウォッシャタンク12に設けられたノズル取付座面部28に固定され、且つ、ガーニッシュ46に形成されたノズル露出用開口48から露出される。このため、ウォッシャノズル30の取付角度がガーニッシュ46の車体への取付状態に影響を受けることが無い。従って、ウォッシャノズル30から噴出された洗浄液のフロントウインドガラス44上における目標着水位置がガーニッシュ46の車体へ取り付けに伴ってバラつくことを抑制できる。
【0037】
しかも、ウォッシャタンク12の車体への取り付けのためにガーニッシュ46を車幅方向に分割する必要が無く、ガーニッシュ46を車幅方向に連続的に構成することができる。これにより、ガーニッシュ46につなぎ目が生じることを防止してガーニッシュ46の一体感を確保できる。
【0038】
このように、本発明の一実施形態に係る車両用ウォッシャ装置10によれば、ガーニッシュ46につなぎ目が生じることを防止してガーニッシュ46の一体感を確保でき、しかも、ウォッシャノズル30から噴出された洗浄液のフロントウインドガラス44上における目標着水位置がガーニッシュ46の車体へ取り付けに伴ってバラつくことを抑制できる。
【0039】
また、ウォッシャノズル30は、ウォッシャタンク12の車両40への搭載状態では、より具体的には、ガーニッシュ46に形成されたノズル露出用開口48から上方に突出される構成である。従って、ウォッシャノズル30から噴出された洗浄液をガーニッシュ46に干渉させることなくフロントウインドガラス44に着水させることができる。また、ウォッシャノズル30からフロントウインドガラス44上の目標着水位置までの距離が短くなるので、洗浄液の目標着水位置への位置精度を向上できる。
【0040】
また、ウォッシャタンク12に備えられた注水口14は、ウォッシャタンク12の車両40への搭載状態でガーニッシュ46に形成された注水口露出用開口50から露出される構成である。従って、エンジンフードを開放したときには、注水口14が注水口露出用開口50から露出された状態で車外から視認され、注水口露出用開口50を介してキャップ16の開閉作業及び注水口14からの注水作業を容易に行うことができる。
【0041】
また、この注水口露出用開口50から露出された注水口14(キャップ16)は、エンジンルーム42が図示しないエンジンフードによって塞がれた状態では、このエンジンフードの後端側の部分によって上方より覆い隠される。従って、車両40の外観意匠を確保できる。
【0042】
また、ウォッシャノズル30も、エンジンルーム42が図示しないエンジンフードによって塞がれた状態では、このエンジンフードの後端側の部分によって上方より覆い隠される。従って、ウォッシャノズル30が例えばエンジンフード等の外観部に配置された車両に比して車両40の外観意匠を向上できる。
【0043】
また、車両用ウォッシャ装置10は、ウォッシャタンク12にウォッシャポンプ18、ウォッシャノズル30、配管ホース26が一体的に取り付けられることでモジュール構造とされている。従って、この車両用ウォッシャ装置10の車両40への組付性も向上できる。
【0044】
特に、車両用ウォッシャ装置10がモジュール構造とされることで、ウォッシャタンク12、ウォッシャポンプ18、ウォッシャノズル30、配管ホース26の納入体系を統一化でき、また、配管ホース26を短くできるので、コストダウンを図ることができる。
【0045】
また、配管ホース26が短くなることで、配管損失を低減でき、ウォッシャポンプ18に低圧用として使用していたものを用いても従来の高圧用を用いた場合と同等の噴出性能を発揮できる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【0047】
例えば、上記実施形態において、ウォッシャノズル30は、ノズル露出用開口48から上方に突出されることでノズル露出用開口48から露出されていたが、例えば、その突出端がノズル露出用開口48と略同一高さに設定されることでノズル露出用開口48から露出されても良く、また、ノズル露出用開口48よりも下方に位置されることでノズル露出用開口48から露出されても良い。
【0048】
また、上記実施形態において、注水口14は、その突出端が注水口露出用開口50と略同一高さに設定されることで注水口露出用開口50から露出されていたが、例えば、注水口露出用開口50から上方に突出されることで注水口露出用開口50から露出されても良く、また、注水口露出用開口50よりも下方に位置されることで注水口露出用開口50から露出されても良い。
【0049】
また、上記実施形態では、ウォッシャタンク12の片側(車幅方向一方側)の部分にノズル取付座面部28が設けられ、ウォッシャタンク12にフロントウインドガラス用のウォッシャノズル30が一つ設けられていたが、例えば、図4に示されるように、ウォッシャタンク12の両側(車幅方向一方側と他方側)の部分にノズル取付座面部28がそれぞれ設けられ、ウォッシャタンク12にフロントウインドガラス用のウォッシャノズル30が一対設けられていても良い。
【0050】
また、上記実施形態において、ノズル取付座面部28は、ウォッシャタンク12に一体的に設けられていたが、図5乃至図7に示される変形例の如く、ウォッシャタンク12と別体に構成されてウォッシャタンク12に取り付けられていても良い。
【0051】
ここで、これらの変形例について詳述すると、図5に示される変形例では、ノズル取付座面部28及びウォッシャタンク12に互いに対向する縦壁部60,62がそれぞれ設けられている。ノズル取付座面部28に設けられた縦壁部60には、クリップ64及びフック66が突設されており、ウォッシャタンク12に設けられた縦壁部62には、クリップ64と嵌合される嵌合孔68及びフック66と係止される係止孔70がそれぞれ設けられている。係止孔70は、垂直方向に複数並んで設けられている。
【0052】
そして、この変形例では、フック66と係止される係止孔70を変更することで、ノズル取付座面部28のウォッシャタンク12に対する取付角度(例えば、上述のウォッシャノズル30が固定される座面本体部28Aの水平方向に対する傾斜角度)を調整することが可能となっている。なお、この変形例におけるフック66と複数の係止孔70とによって本発明における取付角度調整手段が構成されている。
【0053】
また、図6,図7に示される変形例では、一つのウォッシャタンク12に対し取付角度(例えば、上述のウォッシャノズル30が固定される座面本体部28Aの水平方向に対する傾斜角度)の異なる複数のノズル取付座面部28を用意して、この複数のノズル取付座面部28のうち一のノズル取付座面部を任意に選択し、これをウォッシャタンク12に取り付けることでノズル取付座面部28のウォッシャタンク12に対する取付角度を調整できるようになっている。
【0054】
なお、図6に示される変形例では、ノズル取付座面部28の縦壁部60に設けられた一対のクリップ64をウォッシャタンク12の縦壁部62に設けられた一対の嵌合孔68にそれぞれ嵌合することでノズル取付座面部28がウォッシャタンク12に取り付けられる。また、図7に示される変形例では、ノズル取付座面部28の縦壁部72がウォッシャタンク12の側面部12Cに熱溶着(型内インサート成形)されることでノズル取付座面部28がウォッシャタンク12に取り付けられる。
【0055】
この図5乃至図7に示される変形例によれば、ウォッシャノズル30が固定されるノズル取付座面部28のウォッシャタンク12に対する取付角度(例えば、上述のウォッシャノズル30が固定される座面本体部28Aの水平方向に対する傾斜角度)を任意に設定することが可能となり、これにより、ウォッシャノズル30から噴出された洗浄液のフロントウインドガラス上における目標着水位置を任意に調整することができる。
【0056】
特に、車種によってフロントウインドガラスの傾斜角度が異なる場合でも、ノズル取付座面部28のウォッシャタンク12に対する取付角度を調整することが可能となるので、これにより、例えば、ウォッシャノズル30の噴出角度の初期設定(つまり、目標着水位置の初期設定)を共通の部品で行うことができ、部品の標準化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用ウォッシャ装置が搭載された車両の一部を示す斜視図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の分解図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車両用ウォッシャ装置の変形例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る車両用ウォッシャ装置の変形例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車両用ウォッシャ装置の変形例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る車両用ウォッシャ装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
10…車両用ウォッシャ装置、12…ウォッシャタンク、12A…上面部、12B…前面部、12C…側面部、14…注水口、16…キャップ、18,20…ウォッシャポンプ、22,24…洗浄液吐出部、26…配管ホース、28…ノズル取付座面部、28A…座面本体部、30…ウォッシャノズル、32…噴出口、34…固定部、40…車両、42…エンジンルーム、44…フロントウインドガラス、46…ガーニッシュ、48…ノズル露出用開口、50…注水口露出用開口、60,62,72…縦壁部、64…クリップ、66…フック、68…嵌合孔、70…係止孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントウインドガラス下端部からエンジンルーム側へ延出されたガーニッシュの下方に配置され、洗浄液を貯蔵するウォッシャタンクと、
前記ウォッシャタンク内の前記洗浄液を吐出するウォッシャポンプと、
前記ウォッシャポンプの洗浄液吐出部と配管ホースを介して連通され、前記洗浄液を前記フロントウインドガラスヘ向けて噴出するウォッシャノズルと、
を備え、
前記ウォッシャタンクには、前記ウォッシャノズルが固定されたノズル取付座面部が設けられ、
前記ウォッシャノズルは、前記ウォッシャタンクの前記車両への搭載状態で前記ガーニッシュに形成されたノズル露出用開口から露出されることを特徴とする車両用ウォッシャ装置。
【請求項2】
前記ウォッシャノズルは、前記ウォッシャタンクの前記車両への搭載状態で前記ガーニッシュに形成されたノズル露出用開口から上方に突出されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ウォッシャ装置。
【請求項3】
前記ウォッシャタンクは、前記洗浄液を内部に注入するための注水口と、前記注水口を閉塞するキャップとを有し、
前記注水口は、前記ウォッシャタンクの前記車両への搭載状態で前記ガーニッシュに形成された注水口露出用開口から露出されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ウォッシャ装置。
【請求項4】
前記ノズル取付座面部は、前記ウォッシャタンクと別体に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用ウォッシャ装置。
【請求項5】
前記ノズル取付座面部と前記ウォッシャタンクとの間には、前記ノズル取付座面部の前記ウォッシャタンクに対する取付角度を調整可能とするための取付角度調整手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の車両用ウォッシャ装置。
【請求項6】
前記ウォッシャポンプは、前記ウォッシャタンクに一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用ウォッシャ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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