説明

車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置

【課題】ローラーアーム、またはおよび上部または下部フレームに変形が生じても、引き込まれるローラーが平行に接触するようにすることで、ローディングおよび排出エラーが発生しないようにした車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を提供する。
【解決手段】本体の入口に、駆動モータにより回転されるように取り付けられるローラー軸と一体的に設けられるローラーと、前記ローラーを上下に移動可能に支持するため、メインフレームに連結されるローラーアームと、前記ローラーアームと前記ローラー軸を一体的に連結する連結部材と、前記ローラー軸を上下方向に駆動するため、前記メインフレームの両端に設けられた駆動部とを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置に関する。さらに詳しくはローラーアームおよび上下部フレームが変形しても、引き込まれるかまたは排出(eject)されるディスクにローラーが平行に接触するようにした車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用コンパクトディスクプレーヤーは、ディスクに記録された情報を光学系を用いて再生する装置である。
【0003】
このような車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置の基本的な構成を見ると、ディスクが装着されるターンテーブルと、プレーヤーの入口に挿入されるディスクをプレーヤーの内部に引き込んでターンテーブルに装着させるローディング装置と、ターンテーブルを回転させる駆動装置と、ターンテーブルが回転するとき、光ディスクが離脱することを防止するクランプ装置と、光ディスクの半径方向に直線往復運動しながら、光ディスクに収録された情報を再生するか、あるいは光ディスクに情報を記録する光ピックアップ装置と、光ピックアップ装置を往復運動させる移送手段とを含んでなる。
【0004】
図1および図2は従来の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を示す。
【0005】
同図に示すように、従来の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置は、摩擦力でディスクを本体10内に引き込むローラー40と、このローラー40を上下遊動可能に支持するローラーアーム50とからなって、本体10の入口に取り付けられる。
【0006】
本体10は上部フレームアセンブリ30と下部フレームアセンブリ20とに区分され、この両アセンブリが組み立てられると、正面にディスクが挿入される入口12が形成される。入口12の一方の側には駆動モータ22が設けられ、駆動モータ22のモータ軸22aは本体10の一方の側に延長され、モータ軸22aの端部には駆動ギヤ24が結合される。
【0007】
本体10の両側には、入口12に隣接した前部にローラーアーム50の両端が回転可能に支持されるように、支持切欠部26が形成され、支持切欠部から所定の間隔を置いた後部には、ローラー40の両端が回転可能に支持されるように、長切欠部28が形成される。この際、長切欠部28は支持切欠部26を中心とする円弧状を有するように形成される。
【0008】
ローラー40は、本体10の入口12を通って引き込まれるディスクがローラーの中心に移動するように、外側端部から中間部に行くほどに直径が小さくなる対称テーパー状を有し、ローラー40の中心にはローラー軸42が分離可能に押し込まれている。
【0009】
ローラー軸42の両端は本体10の長切欠部28に収容され、ローラー40を回転可能に支持する。この際、ローラー軸42の両端にはブッシング44が結合され、ブッシング(bushing)が結合されたままで本体10の長切欠部28に差し込まれて、ローラー軸42の回転の際、摩擦騒音が発生しないようにする。また、ローラー軸42の一端には従動ギヤ46が結合されて共に回転される。
【0010】
ローラーアーム50は板状のもので、その両側面には本体10の支持切欠部26に収容される、スプリング係止部として機能する結合ピン56が突設される。両側結合ピンの一方は外側方向にさらに長く延長され、その端部には中継ギヤ60が結合される。この際、中継ギヤ60は2段に形成されるが、その第1ギヤ部62は駆動モータ22の駆動ギヤ24と噛み合い、第2ギヤ部64はローラー軸42の従動ギヤ46と噛み合う。そして、中継ギヤ60の外側面には、駆動モータ22の回転力をクランプ装置に伝達するため、プーリ66が一体的に形成されている。
【0011】
ローラーアーム50の先端には、2枚以上のディスクが挿入されることを防止するため、一対のディスク挿入防止突起54が所定の間隔を置き上方に突設される。このディスク挿入防止突起54にはゴム材のプロテクタ55が嵌合される。また、ローラーアーム50の先端両側にはスプリング係止部56が形成され、スプリング係止部56と対応する本体10の前部両側にはスプリング連結孔29が形成される。スプリング係止部56とスプリング連結孔29間にはスプリング70が弾力的に設けられる。
【0012】
ローラーアーム50の後部両側には組立片58が後方に延長され、この組立片58には後方に開放された組立切欠部58aが形成される。この組立切欠部58aには、ローラー軸42に嵌合されたブッシング44が挿合されるので、ローラー40とローラーアーム50は共に作動する。
【0013】
すなわち、ディスクが引き込まれると、ディスクの厚さだけローラー40が本体10の長切欠部28に沿って下降し、ローラー40に組立片58を介して連結されたローラーアーム50は、ローラー40が下降する距離だけ結合ピン56を中心に下方に回転する。そして、ディスクがターンテーブル1に装着されるかあるいは外部に排出されると、ローラーアーム50の両端に設けられたスプリング70の復元力により、ローラー40が上方に移動する。このように構成された従来のローディング装置は、駆動モータ22のモータ軸22aが回転すると、この回転力は駆動ギヤ24を介して中継ギヤ60に伝達され、中継ギヤ60の回転力は従動ギヤ46に伝達されて、従動ギヤ46を回転させるので、ローラー40が回転される。すなわち、駆動モータ22が正回転すると、ローラー40はディスクを本体10内に引き込む方向に回転し、駆動モータ22が逆回転すると、ローラー40はディスクを排出させる方向に回転する。
【0014】
しかし、このように構成された従来の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置は、ローラーアーム50が単一部品からなっているため、ローラーアーム50の一端が曲げ変形するか、あるいはローラーアーム50が取り付けられる上部フレームアセンブリ30および下部フレームアセンブリ20の部分が変形すると、ローラー40が上部フレームアセンブリ30に対して平行に配置されない。これにより、ローディングの際、ローラー40がディスクに平行に接触しないので、ディスクの挿入および排出の際、エラーが発生する問題点があった。
【0015】
すなわち、ローラー40が上部フレームアセンブリ30に対して平行でないと、ディスクが挿入されるとき、ディスクの一部にはローラー40が接するが、対称部にはローラー40が接しないため、ディスクが本体10内に円滑に引き込まれなく、同じ位置で回転するので、排出エラーが発生する。
【0016】
また、ディスクがローラー40に平行に接しないと、排出力が所定の要求値に達しないため、工程不良だけでなく製品性能の低下が発生し、信頼度が低下する欠点があった。
【0017】
このような問題点を解決するための方法として、前記ローラーアームを二分割して、ローラーアームが別々に作動できるようにすることにより、ディスクの挿入時に発生するエラーを最小にした車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献1の構成を図3に基づいて具体的に説明すると次のようである。
【0018】
前記特許文献1の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置は、図3に示すように、本体10の入口に挿入されるディスクをローディングさせて、本体10内に設けられたターンテーブル1に装着させるもので、摩擦力でディスクを本体10内に引き込むローラー100と、このローラー100を上下遊動可能に支持するローラーアーム200と、ローラーアームを弾支するスプリング240とからなる。
【0019】
図3に示すように、前記ローラーアーム200は左側ローラーアーム部210と右側ローラーアーム部220とに二分割されている。このように組み立てられた車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置は、ローラーアーム200を左側ローラーアーム部210と右側ローラーアーム部220に二分割し、連結軸で直線上に連結し、連結軸を中心にそれぞれ所定角度だけ旋回可能に組み立てたことを特徴とする。前記特許文献1の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置は、ローラーを支持しているローラーアームが二分割され、連結軸を中心に所定角度だけ旋回して、ローラーが常にディスクと平行に接触するようにするため、ディスクが挿入されるかまたは排出されるとき、常に一定の排出力を有し、排出エラーが発生しないので、製品の性能および信頼度が向上する効果がある。
【0020】
しかし、このような二分割ローラーアームを使用すると、以前の構造に比べ、ローラーアームを2部分に分割することにより材料費が上昇する問題があり、さらに部品構成部の数の増加により作業工程数が増加し、部品が増加する問題が発生した。したがって、以前の部品に比べて部品数を減らしながらも同等な効果を来たし得るローディング構造が必要になった。
【0021】
また、前記のようなローディング装置は、スプリング240がローラーアーム200の先端部に装着されるが、このような構造を有するローディング装置は、前記ローラーがディスクを排出させるときだけでなくディスクが挿入された状態でも前記ローラーアームを上方に付勢する力を続けて与えるように形成されている。したがって、ディスクの排出の際、前記長切欠部を介して前記ローラーおよびローラーアームを上方に移動させるため、前記スプリングが常に作用するため、前記ローラーおよびローラーアームを駆動させるのに大きい駆動力を必要とする問題点が生じた。したがって、小さい駆動力でも前記ローラーおよびローラーアームを駆動させることができるように構成する必要があった。
【0022】
【特許文献1】大韓民国特許登録第10−427359号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、本発明は前述したような問題点を解決するためのもので、その目的は、ローラーアームに変形が生ずるか、またはローラーアームが取り付けられる上部または下部フレームに変形が生じても、引き込まれるローラーが平行に接触するようにすることで、ローディングおよび排出エラーが発生しないようにした車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を提供することにある。
【0024】
本発明のほかの目的は、従来の構造に比べて構成部品の数を減らすことにより、原価および作業工程を減少させ、さらにローラー軸に印加されるスプリングの弾性力を分配してローディング/排出動作の負荷を分散させることにより、性能および信頼度を向上させるための車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記のような目的を達成するため、本発明は、本体の入口に、駆動モータにより回転されるように取り付けられるローラー軸と一体的に設けられるローラーと、前記ローラーを上下に移動可能に支持するため、メインフレームに連結されるローラーアームと、前記ローラーアームと前記ローラー軸を一体的に連結する連結部材と、前記ローラー軸を上下方向に駆動するため、前記メインフレームの両端に設けられた駆動部とを含んでなる車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を提供する。
【0026】
前記ローラーアームの固定軸の一端は前記メインフレームの一方の側の結合孔に結合手段で固定され、前記ローラーアームの固定軸の他端は前記メインフレームの他側長孔に上下方向に所定量遊動可能に結合され、前記長孔に結合される前記ローラーアームの固定軸の遊動により、ディスクの引き込みにより前記ローラーアームおよび上下部フレームで発生し得る所定量の組立誤差を収容し、前記ローラーは前記ローラー軸上で回転しながらスリップするように構成され、前記ローラーアームと前記ローラー軸はローラーブッシングにより一体的に連結される。
【発明の効果】
【0027】
如上のとおり、本発明によると、ローラーと前記ローラーを支持しているローラーアームを一体的に構成し、前記ローラーアームを前記メインフレームに連結するとき、所定形状の長孔により、前記上下部フレームおよび前記ローラー部で発生し得る組立誤差を収容するようにして、ローラーが常にディスクと平行に接触するようにするため、ディスクが挿入されるかまたは排出されるとき、均一な排出力を有し、排出エラーが発生しなくなり、これにより製品の性能および信頼度が向上する効果がある。
【0028】
このように、本発明は、ローラーとプレートディスクガイド間で引き込まれるディスクが常に平行に接触するため、排出力が常に均一に維持されるので、ローディング/排出の動作時にエラーが発生しなく、よって製品の工程不良率を減少させ、性能および信頼度を向上させる。
【0029】
また、ローラー組立の際、結合部材として使用されるローラーブッシングは、前記ローラーアームに結合した後、所定量だけ回転させることで、ローラーブッシングの一方の側に設けられた固定突起を前記ローラーアームに形成された孔に固定する構造になっているので、一種の固定物(ワッシャなど)とこれを固定するための作業を省略することができるので、部品原価の節減および作業工程の簡素化ができる利点がある。
【0030】
さらに、両側レバーに設けられたスプリングは、レバーの前後進動作に応じてローラー軸に弾性を与えるので、ディスクのローディング/排出の際、動作負荷を減らす構造となる。すなわち、ディスクが挿入または排出されるときに限り、スプリングの弾性力がローラー軸に伝達され、レバーが動作するときは、スプリングの弾性力がローラー軸に伝達されなくて、ローディング/排出の際に動作力が分散されるので、動作負荷を減らして性能および信頼性を向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0032】
図4は本発明による車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を示す分離斜視図、図5aは本発明によるローラーアームがメインフレームの両端に結合されることを示す分離斜視図、図5bおよび図5cは図5aの結合状態の両側面図、図6はローラーとローラーアームの分離斜視図、図7aおよび図7bはローラーブッシングの正面図および側面図、図8aないし図8cはローラーブッシングによりローラーとローラーアームを結合する過程を示す側面図、図9aおよび図9bはローラー軸がカム孔の上端および下端に位置して作動することを示す側面図である。以下に説明する本発明の構成は、その特徴部を中心に具体的に説明し、従来と同一部分の構成についての説明は省略する。
【0033】
図4に示すように、本発明による車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置は、プレーヤー本体の入口に挿入されるディスクをローディングさせて、本体400内に設けられたターンテーブル404に装着させるためのもので、このようなローディング装置の本体400は、下部フレーム401、メインフレーム402、および上部フレーム403からなる。前記下部フレーム401のダンパー409に前記メインフレーム402が装着され、その上に上部フレーム403がさらに装着される構成からなっている。かかるディスクローディング装置は、ディスクが引き込まれる場合、前記ディスクの下面はローラー405、上面はプレートディスクガイド408に密着され、前記ローラー405の駆動により、前記メインフレーム402の内部に設けられた前記ターンテーブル404上に前記ディスクが装着されるようになっている。
【0034】
前述した本発明によるディスクローディング装置は、前述したように、下部フレーム401、メインフレーム402、および上部フレーム403から構成され、本発明が直接関係する装置は、ローラーおよびローラーアームが一体的に形成されてメインフレームに連結される部分と、前記ローラーおよびローラーアームを一体的に連結するための連結部材と、前記ローラーおよびローラーアームを一体的に駆動させるためのレバー部にその特徴があるもので、以下では本発明の特徴部を中心に具体的に説明する。
【0035】
すなわち、本発明によるディスクローディング装置は、摩擦力によりディスクを本体400内に引き込むためのローラー405と、前記ローラー405と対応するプレートディスクガイド408と、前記ローラー405と一体的に形成されるローラー軸406と、前記ローラー405を上下遊動可能に支持するローラーアーム407と、ディスクのローディングおよび排出の際、前記ローラー405およびローラーアーム407を駆動するための駆動部とを含んでなる。
【0036】
本発明においては、ローラー、ローラー軸およびローラーアームを一体的に形成してローラーアセンブリ425と称する。図5aは本発明のローラーアセンブリ425とメインフレーム402の分離斜視図、図5bおよび図5cはローラーアセンブリ425とメインフレーム402が結合されたとき、結合部を示す両側面図である。本発明は、前記ローラーアセンブリ425にローラーアーム407を一体的に形成し、前記ローラーアセンブリ425と前記メインフレーム402の結合に際して、結合孔の変形により、従来ローラーアームを二分割した場合と同等な作用および効果を得るためのものである。したがって、このような作用および効果は、前記結合部分を次のように構成することで得ることができる。
【0037】
前記ローラーアセンブリ425は前記メインフレーム402の両端に結合されるように形成される。前記ローラーアセンブリ425の両端に形成された固定軸426の一つはそれに対応するメインフレーム402の結合孔427に結合手段により結合され、前記ローラーアセンブリ425のほかの固定軸426は前記メインフレーム402の長孔428に上下方向に所定量だけ遊動し得るように連結される。
【0038】
前記結合孔427は前記ローラーアセンブリ425の一方の側の固定軸426と結合され、ボルトおよびナットなどの固定手段により互いに結合される。前記ローラーアセンブリ425のほかの固定軸426は突出部が設けられ、前記メインフレーム402の一側面に形成された長孔428に結合される。すなわち、前記長孔428は上下方向に所定距離延長されているので、前記ローラーアセンブリ425の一方の側の固定軸のみが前記長孔428内で所定距離だけ動ける。
【0039】
このような構成は、前記ローラーアセンブリ425を構成する前記ローラー405およびローラーアーム407に部品の変形または組立誤差が発生する場合、あるいは上下部フレームに変形などが発生する場合、前記長孔428内で前記ローラーアセンブリ425の固定軸のみが動けるようにすることにより、前記組立誤差による変形を減少させ、前記ディスクの挿入および排出の際、前記ローラー405とプレートディスクガイド408間の両側で同一密着力を維持することができる。このような長孔428の形成により、従来ローラーアームを二分割したものと同等な作用効果を得ることができる利点がある。
【0040】
図6は前記ローラーアセンブリ425の分離斜視図である。同図に示すように、前記ローラーアセンブリ425は、ローラーアーム407と、ローラー405と、ローラー軸406とからなる。前記ローラー405は2本に分割され、そのそれぞれは中心側に行くほど直径が減少するテーパー状になっている。このような形状は、引き込まれるディスクを中心側に移動させるためのものである。また、前記ローラー405は前記ローラー軸406上に回転しながらスリップ可能な形状に構成され、このように一体的に構成されたローラー405およびローラー軸406は前記ローラーアーム407に一体的に結合される。
【0041】
従来は、このような結合のため、ブッシングのほかにも、ワッシャなどの付加部品を用いた。したがって、従来の場合、多くの部品を使用するため、材料費の増加および組立工程の増加により工程効率が悪化する問題点が発生する。したがって、本発明においては、前記のような結合を、ただローラーブッシング430のみを使用して達成した。前記ローラーブッシング430は前記ローラー軸406と前記ローラーアーム407を一体的に結合するための結合部材であって、その具体的な形状は図7に示す。図7aは前記ローラーブッシング430の正面図、図7bは前記ローラーブッシング430の側面図である。
【0042】
図7aおよび図7bに示すように、前記ローラーブッシング430は、両側壁431間に環状凹溝436が形成され、前記両側壁431の一側壁431に所定形状の連結部432が設けられ、この連結部の一側面には所定形状の固定突起433が設けられる。前記固定突起433は突出状であれば、どんな形状のものであってもかまわないが、好ましくは端部角部がラウンド処理された半球形の突出部に形成することが、その固定をより効率よくなし得る点で好ましい。
【0043】
前述したようなローラーブッシング430を用いて、ローラー軸406とローラーアーム407を結合させる過程を図8aないし図8cに示す。同図に基づいてローラー軸406とローラーアーム407を結合させる過程を説明すると次のようである。
【0044】
図8aに示すように、ローラー軸406に結合されたローラーブッシング430がローラーアーム407のローラーブッシング結合部434に矢印方向に結合され。図8bは、前記ローラーブッシング430が前記ローラーアーム407に結合された状態を示す。こうして結合されたローラーブッシング430は、図8cに示すように、単にその連結部432を回転させることで、前記ローラーアーム407に設けられた結合孔435に前記ローラーブッシング430の固定突起433を結合することにより、前記ローラー軸406と前記ローラーアーム407を結合させる。
【0045】
前述したような過程により、前記ローラーアーム407とローラー軸406を一つのローラーブッシング430のみを用いて一体的に連結することにより、従来このような結合のために要求されたワッシャなどの付加部品を不要にし、さらにこのような部品数の減少により組立作業をより易くて簡便になし得るようにした。したがって、製造作業において、組立工程の効率を向上させる利点を得ることになった。
【0046】
図9は前記メインフレーム402の両端に設けられた駆動部の動作を示すもので、このような駆動部の構成は図4に詳細に示した。まず、図4に基づき、前記メインフレーム402の両端に設けられた駆動部の構成を説明する。
【0047】
前記駆動部はレバー部420と弾性手段421からなる。そのうち、前記弾性手段は前記ローラー軸406に弾性力を与えるためのもので、本発明に用いられる弾性手段は線バネまたは板バネで構成することができるが、好ましくは線スプリングを用いて構成をより簡単にすることにより、製品の効率性を増加させる。このような線スプリング421は、レバー部420に形成された所定数の固定突出部438により固定される。
【0048】
前記レバー部420は前記メインフレーム402の両側に設けられ、前記メインフレーム402の両側に設けられる。前記メインフレーム402の両側面に形成された所定数の連結突起439は前記レバー部420の側面に形成された所定数のスライド孔437にスライド可能に結合される。ディスクの排出およびローディングの際、前記ローラー軸406を上下に移動するため、レバー部420の先端側にS字形のカム孔440が形成される。前記ローラー軸406が前記S字形のカム孔440の上端に位置するとき、前記ローラー軸406に上方への弾性力を与えるために設けられる弾性手段421を固定するための所定数の固定突出部438が設けられる。特に、前記右側レバー部は、駆動モータ413により駆動されるように、前記メインフレーム402の一方の側に形成されたラックギヤ414と結合するラックギヤ孔441が形成される。
【0049】
このように構成されるレバー部420を有する駆動部は、ディスクのローディング/排出の際、前記レバー部420の前後進動作により、前記ローラー軸406を前記カム孔440に沿って上下方向に移動させる。本発明は、前記レバー部440を移動させる場合、前記のような動作を発生させるのに必要な動作負荷を減少させる構造になっている。
【0050】
すなわち、従来は、ローラー軸が上端または下端にあるとき共にスプリングの弾性力を受けるように構成されているため、前記ローラー軸を駆動させるためにはかなりの駆動負荷を必要とした。しかし、本発明は、前記ローラー軸が前記カム孔440の上端にあるときにだけ線スプリング421による弾性力を受け、ディスクのローディングの際、つまりローラー軸406が前記カム孔440の下端に位置するときは、前記線スプリング421による弾性力を受けない構造になっているため、前記レバー部420を駆動させるための負荷が減少する利点がある。
【0051】
図9aおよび図9bは前記のような構成を有するレバー部420の作動状態を示すもので、図9aは前記ディスクが引き込まれるかまたは排出されるとき、前記ローラー軸406が前記カム孔440の上端に位置する状態を示す。前記カム孔440の上端に位置する前記ローラー軸406には、前記弾性手段のスプリング421により上方向への弾性力が与えられる。この弾性力は、前記挿入または排出されるディスクが前記ローラー405とプレートディスクガイド408間に挿入され平行に駆動されるようにして、前記ディスクの挿入および排出をより容易にする効果を奏する。
【0052】
図9bは、前記ディスクがローディング状態にあるとき、レバー部420および弾性手段421の動作を示す。同図に示すように、前記ローラー軸406は前記カム孔440の下端部に位置する。この場合、前記ローラー軸406にはスプリングの上方向弾性力が加わらないので、前記レバー部420の前後進動作の際、前記レバー部420を駆動させるのにかかる負荷を減少させることができる利点がある。
【0053】
前述したような構成からなったコンパクトディスクプレーヤーのローディング装置の動作を図4および図9に基づいて説明すると次のようである。
【0054】
まず、図4に示すように、ディスクをプレートディスクガイド408とローラー405間に引き込むと、引き込まれる前記ディスクの外周部がアームディスクガイド416のガイド417を押す。このように押されるガイド417により、スイッチアセンブリ415のスイッチレバー418が押し付けられて接点と接続され、この接続により前記駆動モータ413が駆動されるようになっている。
【0055】
このような動作により駆動される駆動モータ413により、前記駆動モータ413に連結された多数のギヤ部412が駆動され、このギヤ部412は、これに連結されたローラーギヤ411を駆動させる。したがって、前記ローラーギヤ411を駆動させることにより前記ローラー405が回転される。前記回転するローラー405は、引き込まれるディスクを前記メインフレーム402の内部に設けられたターンテーブル404の上部まで移動させ、前記ディスクを正位置に装着させる。この際、前記ローラー405は前記カム孔440の上端に位置し、線スプリング421による上方向への弾性力を受けることにより、引き込まれるディスクを平行に駆動させることになる。また、前記ローラーアセンブリ425の固定軸の他端は前記メインフレーム402の長孔428にどのくらい遊動できるように結合されているので、ローラーアセンブリ425および上下部フレームの変形による組立誤差を減少させることができる。
【0056】
前述したような動作により、前記ディスクは前記メインフレーム402に設けられた前記ターンテーブル404に装着され、装着されるディスクの外周部が前記メインフレーム402の後端上部に結合されたアームクランプ41のレバートリガー424を押すことになる。前記レバートリガー424は、アームクランプ419の内部に設けられたレバーディスクセレクト422に回転軸423が固定されている。このようなレバートリガー424の動作により、それに連結されたラックギヤ414が駆動される。この際、前記ラックギヤ414は前記右側レバー部420に形成されたラックギヤ結合部441に結合されているので、前記右側レバー部420を駆動させる。
【0057】
前記右側レバー部は前記メインフレーム402の先端に形成された対称アーム410を介して左側レバー部に連結されているので、前記右側レバー部が駆動されると、その動作は前記対称アーム410を介して前記左側レバー部を同時に駆動させる。このような動作により、前記レバー部420は、図9bに示すように、前記ローラー軸406が前記カム孔440の下端に位置するように駆動する。
【0058】
このようなレバー部420の駆動過程が図9に示されている。図9aはディスクの排出および引き込みの際、前記ローラー軸406が前記レバー部420のカム孔440の上端に位置する場合を示す。この際、前記線スプリング421は前記ローラー軸406に上方向への弾性力を与えているので、安定した排出および引き込みを可能にする。図9bはディスクがローディングされる場合を示すもので、前記ローラー軸406が前記カム孔440の下端部に位置する。この時は、前記線スプリング421が前記ローラー軸406に弾性力を与えなくなる。したがって、前記ローラー軸406を前記カム孔440に沿って上下方向に駆動する場合、前記ローラー軸406が前記カム孔440の上端に位置する場合にだけ弾性力が作用するので、このようなレバー部の動作を引き起こすのに小さい負荷が必要になる。
【0059】
これまでの説明はディスクの引き込まれる場合の前記ディスクローディング装置の動作を示すもので、前記ディスクが排出される場合は、前述した動作と反対動作により前記ディスクが排出されるようにする。
【0060】
以上の説明は特定の実施例に関するもので、当業者であれば、請求範囲により決められる本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】従来の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を示す分離斜視図である。
【図2】従来のローディング装置が組み立てられて車両用コンパクトディスクプレーヤーの下部フレームアセンブリに結合された状態を示す斜視図である。
【図3】従来の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を示す分離斜視図である。
【図4】本発明による車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置を示す分離斜視図である。
【図5a】本発明によるローラーおよびローラーアームがメインフレームに連結される過程を示す分離斜視図である。
【図5b】図5aのローラーおよびローラーアームがメインフレームに結合された状態を示す両側面図である。
【図5c】図5aのローラーおよびローラーアームがメインフレームに結合された状態を示す両側面図である。
【図6】本発明によるローラーアセンブリの分離斜視図である。
【図7a】本発明によるローラーブッシングの正面図である。
【図7b】本発明によるローラーブッシングの側面図である。
【図8a】前記ローラーブッシングによりローラーアームとローラー軸が結合される過程を示す側面図である。
【図8b】前記ローラーブッシングによりローラーアームとローラー軸が結合される過程を示す側面図である。
【図8c】前記ローラーブッシングによりローラーアームとローラー軸が結合される過程を示す側面図である。
【図9a】メインフレームの両端に形成されたレバー部の動作によりローラー軸が駆動される過程を示す側面図である。
【図9b】メインフレームの両端に形成されたレバー部の動作によりローラー軸が駆動される過程を示す側面図である。
【符号の説明】
【0062】
405 ローラー
406 ローラー軸
407 ローラーアーム
414 ラックギヤ
420 レバー部
421 弾性手段
425 ローラーアセンブリ
426 固定軸
427 結合孔
428 長孔
430 ローラーブッシング
432 側壁
433 固定突起
434 ローラーブッシング結合部
437 スライド孔
438 固定突出部
439 連結突起
440 カム孔
441 ラックギヤ結合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の入口に、駆動モータにより回転されるように取り付けられるローラー軸と一体的に設けられるローラーと、
前記ローラーを上下に移動可能に支持するため、メインフレームに連結されるローラーアームと、
前記ローラーアームと前記ローラー軸を一体的に連結する連結部材と、
前記ローラー軸を上下方向に駆動するため、前記メインフレームの両端に設けられた駆動部とを含んでなることを特徴とする車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項2】
前記ローラーアームの固定軸の一端は前記メインフレームの一方の側の結合孔に結合手段で固定され、前記ローラーアームの固定軸の他端は前記メインフレームの他側長孔に上下方向に所定量遊動可能に結合され、前記長孔に結合される前記ローラーアームの固定軸の遊動により、ディスクの引込みにより前記ローラーアームおよび上下部フレームで発生し得る所定量の組立誤差を収容することを特徴とする請求項1記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項3】
前記ローラーは前記ローラー軸上で回転しながらスリップするように構成されることを特徴とする請求項1記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項4】
前記ローラーアームと前記ローラー軸を一体的に連結する連結部材はローラーブッシングであることを特徴とする請求項1記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項5】
前記ローラーブッシングは、両側壁間に凹溝が形成され、前記両側壁の一方の側壁に所定形状の連結部が設けられ、この連結部の一側面には所定形状の固定突起が設けられることを特徴とする請求項4記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項6】
前記ローラーブッシングはローラー軸に結合され、前記ローラーブッシングの両側壁間に形成された凹溝にローラーアームが挿入され、前記ローラーブッシングの連結部に設けられた固定突起は前記ローラーアームに設けられた孔に結合されることにより、前記ローラー軸とローラーアームを一体的に構成することを特徴とする請求項4または5記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項7】
前記メインフレームの両端に設けられる前記駆動部はレバー部と弾性手段とからなることを特徴とする請求項1記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項8】
前記弾性手段は線スプリングまたは板スプリングであることを特徴とする請求項7記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項9】
前記左右側レバー部は、
前記レバー部が前記メインフレームの両端でスライドできるようにするため、前記メインフレームの両側面に形成された所定数の連結突起に連結される所定数のスライド孔と、
ディスクの排出およびローディングの際、前記ローラー軸が上下方向に移動できるように形成されたS字形のカム孔と、
前記ローラー軸が前記S字形のカム孔の上端に位置するとき、前記ローラー軸に上方向の弾性力を与えるための弾性手段を固定するための所定数の固定突出部とを含み、
前記右側レバー部は、駆動モータにより駆動されるため、前記メインフレームの一方の側に形成されたラックギヤと結合するラックギヤ結合孔を有することを特徴とする請求項7記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。
【請求項10】
前記左右側レバー部は、ローラーアームの下方に設けられる対称アームにより共に駆動されることを特徴とする請求項9記載の車両用コンパクトディスクプレーヤーのローディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9a】
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【図9b】
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