説明

車両用ステップのカバー

【課題】ステップのレイアウトの自由度を確保することができる車両用ステップのカバーを提供する。
【解決手段】サイドシル11下部にカバー本体101を延設し、カバー本体101をステップ51からサイドシル11間の空き空間121に配置する。カバー本体101に、クリップ装着溝141を設け、クリップ装着溝141に装着されるクリップ151によってカバー本体101をサイドシル11に固定する。クリップ装着溝141を含むカバー本体101の断面形状を、長手方向の全域に渡って同一形状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられたステップに対応して設けられた車両用ステップのカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図4に示すように、乗降口801の下部にステップ802が設けられた車両が知られており(例えば、特許文献1参照。)、前記ステップ802を乗降時に足場として利用できるように構成されている。
【0003】
このステップ802としては、図外の支持機構によって後退可能に支持されており、未使用時には、車両アンダーフロアに格納できるように構成されている。
【0004】
このステップ802は、奥行き寸法811が短く設定されており、格納時の車体下部への進入代が小さくなるように設計されている。
【特許文献1】特願2006−290597
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の構造にあっては、ステップ802の奥行き寸法811が短く設定されているため、当該ステップ802を車両側方へ延出した延出時には、奥側の縁部821からサイドシル822までの空き空間823が大きくなってしまう。
【0006】
これを解消するために、前記ステップ802に延長部831を設定して奥行き寸法832を長くし、奥側の縁部833から前記サイドシル822までの空き空間834を短くする方法が考えられるが、この場合、格納時での車体下部への進入代が大きくなり、前記ステップ802が車体下部に設けられた他部品と干渉する恐れが生ずる。
【0007】
このため、ステップ802のレイアウト制約が多くなってしまう。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、ステップのレイアウトの自由度を確保することができる車両用ステップのカバーを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の車両用ステップのカバーにあっては、車両側方に延出されるステップが車体側部のサイドシルより低位置に設けられた車両において、前記サイドシルに沿って延設されるカバー本体を前記サイドシルの下部に設け、前記カバー本体を前記ステップから前記サイドシルまでの空き空間に配置する一方、前記サイドシルに対向する前記カバー本体の対向部位に、当該カバー本体を前記サイドシルに固定する為のクリップが装着されるクリップ装着溝を設け、該クリップ装着溝を含んだ当該カバー本体の断面形状を長手方向の全域に渡って同一形状に設定した。
【0010】
すなわち、車体側部に延在するサイドシルの下部にカバー本体を延設することで、当該カバー本体を、ステップからサイドシルまでの間に形成された空き空間に配置することができる。これにより、前記ステップと前記サイドシル間に形成された前記空き空間による隙間が狭められる。
【0011】
また、このカバー本体には、前記サイドシルへの対向部位にクリップ装着溝が形成されており、このクリップ装着溝に装着されるクリップによって、当該カバー本体を前記サイドシルに固定することができる。
【0012】
このため、当該カバー本体を前記サイドシルに固定する為の後加工が不要となる。また、カバー本体を前記サイドシルに固定する為の固定ブラケット等も不要となる。
【0013】
そして、前記カバー本体は、前記クリップ装着溝を含む断面形状が長手方向の全域に渡って同一形状に設定されている。
【0014】
このため、当該カバー本体を、押し出し工法や引き抜き工法によって形成することができる。
【0015】
また、請求項2の車両用ステップのカバーにおいては、車両側方へ延出した前記ステップ側を照らす為の照明部品が取り付けられる照明取付溝を前記カバー本体に設けた。
【0016】
これにより、前記カバー本体に後加工を施したり、照明固定用ブラケット等の他部品を用いること無く、照明部品を取り付けることができる。
【0017】
さらに、請求項3の車両用ステップのカバーでは、前記カバー本体の外面に沿って流れる水の前記照明取付溝内への浸入を阻止する軒部を前記照明取付溝の近傍に設けた。
【0018】
このため、洗車時や雨天時において、前記カバー本体の外面に沿って水が流れる場合であっても、前記照明取付溝の近傍に設けられた前記軒部によって、当該水の前記照明取付溝内への浸入を防止することができる。
【0019】
これにより、該照明取付溝に取り付けられた照明部品が濡れることによって生じ得る不具合が未然に防止される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明の請求項1の車両用ステップのカバーにあっては、サイドシルに延設されたカバー本体によって、ステップとサイドシル間に形成された空き空間の隙間を、前記ステップの奥行き寸法を長くすること無く、狭めることができる。
【0021】
このため、ステップの奥行き寸法を長くして前記空き空間の隙間を狭くする場合と比較して、サイドシルの下部に配置される無効踏み面の形成を廃止することができ、部材費を削減することができる。これに伴って、ステップの重量増も防止できるため、当該ステップを駆動する駆動源の小型化も図ることができる。
【0022】
そして、前記ステップを後退して格納する際は、車体下部への進入代の増大を抑え、車体下部に設けられた他部品と干渉を防止することができる。
【0023】
したがって、前記空き空間の隙間を狭くしつつ、ステップのレイアウトの自由度を確保することができる。
【0024】
また、前記カバー本体には、前記サイドシルへの対向部位にクリップ装着溝が形成されており、このクリップ装着溝に装着されるクリップによって当該カバー本体を前記サイドシルに固定することができる。
【0025】
このため、このカバー本体に後加工を施すこと無く、前記クリップ装着溝にクリップを装着するだけで、当該カバー本体を前記サイドシルに固定することができる。
【0026】
さらに、前記カバー本体を前記サイドシルに固定する為の固定ブラケット等も不要となり、固定の為の加工費用や部材コストを削減することができる。
【0027】
そして、前記カバー本体は、前記クリップ装着溝を含む断面形状が長手方向の全域に渡って同一形状に設定されており、当該カバー本体を、押し出し工法や引き抜き工法によって形成することができる。
【0028】
このため、前記カバー本体をインジェクション成型する場合と比較して、金型の費用を削減することができる。
【0029】
加えて、同一の金型で成型されるカバー本体の長さ寸法を任意に設定することで、その適用範囲を広げることができ、汎用性を高めることができる。
【0030】
また、請求項2の車両用ステップのカバーにおいては、前記カバー本体に照明取付溝が形成されており、この照明取付溝を利用することによって、前記カバー本体を後加工したり、照明固定用ブラケット等の他部品を用いること無く、前記照明取付溝に照明部品を取り付けることができる。
【0031】
このため、前記照明部品を前記カバー本体に取り付ける為の加工作業や部材コストを削減することができ、低コスト化を図ることができる。
【0032】
そして、前記照明取付溝に前記照明部品を取り付けることによって、当該照明部品からの照明で前記ステップ側を照らすことができるため、ステップの視認性を高めることができる。
【0033】
さらに、請求項3の車両用ステップのカバーでは、洗車時や雨天時において、前記カバー本体の外面に沿って水が流れた場合であっても、前記照明取付溝の近傍に設けられた前記軒部によって、当該水の前記照明取付溝内への浸入を防止することができる。
【0034】
これにより、該照明取付溝に取り付けられた照明部品の水濡れに起因した消灯等の不具合を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実地の形態を図に従って説明する。
【0036】
図1は、本実施の形態にかかる車両用ステップのカバー1を示す図であり、該カバー1が車両2に取り付けられた状態が示されている。
【0037】
この車両2には、前席に乗降する為の前席用乗降口5と、後席に乗降する為の後席用乗降口とが設けられており(前席用乗降口5のみ図示)、当該車両2の側部には、車体を構成するサイドシル11が車両前後方向に延設されている。
【0038】
このサイドシル11は、車両側方Oを構成するサイドシルアウタ21と、車両中心0X側を構成するサイドシルインナ22とによって構成されている。
【0039】
前記サイドシルアウタ21の上縁からは、上部アウタフランジ31が上方へ向けて延出しており、当該サイドシルアウタ21の下縁からは、下部アウタフランジ32が下方へ向けて延出している。このサイドシルアウタ21は、前記上部アウタフランジ31より車両側方Oへ向けて延出したアウタ上面部35と、該アウタ上面部35に連設し下方への垂下と側方への延出とを繰り返す階段状の段部36と、該段部36より下方へ向かうに従って車両中心0X方向へ傾斜した傾斜部37と、該傾斜部37と前記下部アウタフランジ32とを連設するアウタ下面部38とによって構成されており、該アウタ下面部38は、車両中心0X方向へ向かうに従って僅かに下方へ傾斜する緩やかな斜面を形成している。
【0040】
前記サイドシルインナ22は、その上縁から上部インナフランジ41が上方へ向けて延出しており、当該サイドシルインナ22の下縁からは、下部インナフランジ42が下方へ向けて延出している。このサイドシルインナ22は、前記上部インナフランジ41より車両中心0X方向へ向けて延出したインナ上面部43と、該インナ上面部43に連設し下方への垂下する垂下部44と、該垂下部44に連設し車両側方Oへ向けて緩やかなカーブを描きながら下方へ延出する下方延出部45と、該下方延出部45と前記下部インナフランジ42とを連設するインナ下面部46とによって構成されている。
【0041】
これにより、前記サイドシルアウタ21は、車両側方Oへ膨出した膨出形状に形成されており、前記サイドシルインナ22は、車両中心0X方向へ膨出した膨出形状に形成されている。
【0042】
前記サイドシルアウタ21の前記上部アウタフランジ31は、前記サイドシルインナ22の前記上部インナフランジ41に面接した状態で溶着されており、前記サイドシルアウタ21の前記下部アウタフランジ32は、前記サイドシルインナ22の前記下部インナフランジ42に面接した状態で溶着されている。これにより、前記サイドシルアウタ21と前記サイドシルインナ22とで構成された前記サイドシル11は、閉断面形状に形成されている。
【0043】
この車両2の側部には、前記前席用乗降口5から前記後席用乗降口に渡って延在するステップ51が前記サイドシル11より低位置に設けられており、前記前席用乗降口5から乗降する際及び前記後席乗降口から乗降する際に、当該ステップ51を足場として利用できるように構成されている。
【0044】
このステップ51は、図外の駆動機構を介して車体に支持されており、当該駆動機構で車幅方向にスライドすることによって、当該ステップ51を車両側Oへ延出した延出状態61と、図2に示すように、車両中心0X側へ後退した後退状態62とを形成できるように構成されている。
【0045】
このステップ51は、図1及び図2に示したように、前記駆動機構から延出した駆動アーム71に支持された長板状の主踏部72と、該主踏部72の先端部に支持された長板状の延長部73とによって構成されており、該延長部73に形成された軸部74に前記主踏部72に形成された軸受け部75が嵌合したヒンジ部76によって前記延長部73が前記主踏部72に回動自在に支持されている。
【0046】
これにより、図1に示したように、前記延長部73を前記主踏部72の延長上に配置して水平を維持した展開状態81と、図2に示したように、前記延長部73を前記主踏部72に対して上方へ傾動して起立させた折畳状態82とを形成できるように構成されており、図1に示したように、前記延出状態61において前記展開状態81を形成することで、前記主踏部72から前記延長部73までの上面をステップ面として利用できる一方、図2に示したように、前記後退状態62において前記折畳状態82を形成することで、当該ステップ51をコンパクトに格納できるように構成されている。
【0047】
このステップ51に対応した前記サイドシル11の下部には、前記カバー1が設けられており、該カバー1は、前記サイドシル11に沿って延設されている。
【0048】
このカバー1は、図3にも示すように、合成樹脂によって長尺状に形成されたカバー本体101で構成されており、該カバー本体101は、図1及び図2に示したように、前記サイドシルアウタ21の前記アウタ下面部38と前記下部アウタフランジ32との角部に収まる形状に形成されている。
【0049】
このカバー本体101は、図1から図3に示したように、車両中心0X側に配置される基端側から車両側方Oに配置される先端側へ向かうに従って厚肉になるように形成されており、当該カバー本体101の基端部には、図3に示したように、断面略台形状の基端側中空部111がカバー本体101の長手方向全域に渡って形成されている。また、前記カバー本体101の先端部には、断面略三角形状の先端側中空部112が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されており、該先端側中空部111と前記基端側中空部112との間には、縦壁113が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されている。
【0050】
前記基端側中空部111を備えたカバー基端部121は、断面台形状に形成されており、その基端側上面122の中央部には、内側に後退した凹部123が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されている。該凹部123の基端側には、基端側係止片124が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されており、前記凹部123の先端側には、先端側係止片125が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されている。
【0051】
前記基端側係止片124は、前記凹部123に沿って延在する基端側起立部131と、該基端側起立部131の上端より先端側へ向けて延出した基端側延出部132とによって断面鉤状に形成されており、前記先端側係止片125は、前記凹部123に沿って延在する先端側起立部135と、該先端側起立部135の上端より基端側へ向けて延出した先端側延出部136とによって断面鉤状に形成されている。
【0052】
前記基端側係止片124と前記先端側係止片125とは対向して設けられており、前記カバー基端部121には、前記基端側上面122と前記基端側係止片124と前記先端側係止片125との内側にクリップ装着溝141が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されている。
【0053】
このクリップ装着溝141には、当該カバー本体101を前記サイドシル11に固定する為のクリップ151を装着できるように構成されており、該クリップ151は、前記クリップ装着溝141に挿入される板状の基部152と、該基部152に起立した首部153と、該首部153の先端に設けられた大径先細り形状の頭部154とによって構成されている。
【0054】
前記クリップ151の前記基部152の厚み寸法は、前記基端側係止片124の前記基端側延出部132先端の突起132aから前記基端側上面122までの間隙寸法W、及び前記先端側係止片125の前記先端側延出部136先端の突起136aから前記基端側上面122までの間隙寸法Wより若干肉厚に形成されており、当該クリップ151の前記基部152を前記カバー本体101の端部から前記クリップ装着溝141内へ挿入して任意の固定位置までスライドさせることによって、前記基部152を前記クリップ装着溝141内に保持した状態で、前記首部153を前記基端側係止片124及び前記先端側係止片125間の隙間161から延出できるように構成されている。
【0055】
また、この状態において、図2に示したように、前記頭部154を、当該カバー本体101の上面が対向する前記サイドシル11の対向部位に設けられた係止穴162に挿入することよって、当該カバー本体101を前記サイドシル11を構成する前記サイドシルアウタ21の前記アウタ下面部38に固定できるように構成されている。
【0056】
このとき、図3に示したように、前記凹部123の底面には、係止溝171,171が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されており、この係止溝171,171を利用してクリップ固定位置にコ字状の嵩上げ部材172を予め設けることによって、クリップ固定位置を明確にするとともに、前記クリップ151中央部での後退を防止できるように構成されている。
【0057】
前記基端側中空部112を備えたカバー先端部181は、断面三角形状に形成されており、当該カバー本体101の先端は、下方へ向かうに従って基端側へ傾斜した傾斜面182を形成している。この傾斜面182の上部には、内側に後退した照明取付溝183が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されており、この照明取付溝183内に、車両側方Oへ延出した前記ステップ51側を照らす為の照明部品185を取り付けられるように構成されている(図1参照)。この照明部品185としては、長尺状のリボンLEDが挙げられるが、他の面発光素子を利用することもできる。
【0058】
前記照明取付溝183は、前記傾斜面182の内面から垂直に起立した起立部191と、該起立部191の上端より先端側へ延出し前記傾斜面182に接続された上部延出部192とによって構成されている。
【0059】
前記起立部191の下方に位置した前記傾斜面182には、前記照明取付溝183の前方に突出した下部突出部193が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されており、この下部突出部193に対向した前記上部延出部192の部位からは、前記下部突出部193へ向けて突出する上部突出部194が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されている。これにより、前記下部突出部193と前記上部突出部194とによって、前記照明取付溝183内に配置された前記照明部品185の抜け止めが形成されている。
【0060】
前記上部延長部192と前記傾斜面182とが交差する交差部分には、下方に突出した軒部201が当該カバー本体101の長手方向全域に渡って形成されており、前記カバー本体101の前記傾斜面182に沿って流れる水を、前記軒部201で下方へ落とすことによって、前記照明取付溝183内への浸入を阻止できるように構成されている。
【0061】
そして、このカバー本体101は、前記クリップ装着溝141に装着された前記クリップ151を前記サイドシル11の前記係止穴162に係止して固定した状態で、図1に示したように、前記延出状態61にある前記ステップ51の前記主踏部72基端211から前記サイドシル11までの空き空間212に配置されるように構成されており、この固定状態において、前記カバー本体101は、そのカバー基端220が前記サイドシルアウタ21の前記下部アウタフランジ32と前記サイドシルインナ22の前記下部インナフランジ42との接合部221に対向する用に構成されている。
【0062】
また、前記カバー本体101は、前記傾斜面182が前記サイドシルアウタ21の前記傾斜部37の延長上に延在するように固定されており、図2に示したように、前記折畳状態82を形成しても前記ステップ51と干渉しないように構成されている。
【0063】
以上の構成にかかる本実施の形態において、車体側部に延在するサイドシル11の下部にカバー本体101を延設することで、当該カバー本体101を、ステップ51からサイドシル11までの間に形成された空き空間121に配置することができる。
【0064】
これにより、前記ステップ51と前記サイドシル11間に形成された前記空き空間212による隙間を、前記ステップ51の奥行き寸法を長くすること無く、狭めることができる。
【0065】
このため、ステップ51の奥行き寸法を長くして前記空き空間212の隙間を狭くする場合と比較して、前記サイドシル11の下部に配置される無効踏み面の形成を廃止することができ、部材費を削減することができる。これに伴って、前記ステップ51の重量増も抑えることができるため、当該ステップ51を駆動する駆動源の小型化も図ることができる。
【0066】
そして、前記ステップ51を後退して格納する際は、車体下部へのステップ51の進入代の増大を抑えることができ、車体下部に設けられた他部品と干渉を防止することができる。
【0067】
したがって、前記空き空間212での隙間Kを狭くしつつ、ステップ51のレイアウトの自由度を確保することができる。
【0068】
また、前記カバー本体101には、前記サイドシル11への対向部位にクリップ装着溝141が形成されており、このクリップ装着溝141に装着されるクリップ151によって当該カバー本体101を前記サイドシル11に固定することができる。
【0069】
このため、このカバー本体101に後加工を施すこと無く、前記クリップ装着溝141にクリップ151を装着するだけで、当該カバー本体101を前記サイドシル11に固定することができる。
【0070】
さらに、前記カバー本体101を前記サイドシル11に固定する為の固定ブラケット等も不要となり、固定の為の加工費用や部材コストを削減することができる。
【0071】
そして、前記カバー本体101は、前記クリップ装着溝141を含む断面形状が長手方向の全域に渡って同一形状となるように設定されており、当該カバー本体101を、押し出し工法や引き抜き工法によって形成することができる。
【0072】
このため、前記カバー本体101をインジェクション成型する場合と比較して、金型の費用を削減することができる。
【0073】
加えて、同一の金型で成型されるカバー本体101の長さ寸法を任意に設定することで、その適用範囲を広げることができ、汎用性を高めることができる。
【0074】
また、前記カバー本体101には、照明取付溝183が形成されており、この照明取付溝183を利用することによって、前記カバー本体101を後加工したり、照明固定用ブラケット等の他部品を用いること無く、照明部品185を取り付けることができる。
【0075】
このため、前記照明部品185を前記カバー本体101に取り付ける為の加工作業や部材コストを削減することができ、低コスト化を図ることができる。
【0076】
そして、前記照明取付溝183に前記照明部品185を取り付けることによって、当該照明部品185からの照明で前記ステップ51や足元を照らすことができるため、ステップの視認性を高めることができる。
【0077】
そして、前記照明取付溝183の近傍には、軒部201が設けられており、洗車時や雨天時において、前記カバー本体101の傾斜面182に沿って水が流れて来た場合には、この水を前記軒部201で下方へ落とすことによって、前記照明取付溝183内への浸入を阻止することができる。
【0078】
これにより、該照明取付溝183に取り付けられた前記照明部品185の水濡れに起因した消灯等の不具合を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】同実施の形態のステップを折り畳んだ状態を示す説明図である。
【図3】同実施の形態のカバー本体を示す側面図である。
【符号の説明】
【0080】
1 カバー
2 車両
11 サイドシル
51 ステップ
101 カバー本体
141 クリップ装着溝
151 クリップ
183 照明取付溝
185 照明部品
201 軒部
212 空き空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側方に延出されるステップが車体側部のサイドシルより低位置に設けられた車両において、
前記サイドシルに沿って延設されるカバー本体を前記サイドシルの下部に設け、前記カバー本体を前記ステップから前記サイドシルまでの空き空間に配置する一方、
前記サイドシルに対向する前記カバー本体の対向部位に、当該カバー本体を前記サイドシルに固定する為のクリップが装着されるクリップ装着溝を設け、該クリップ装着溝を含んだ当該カバー本体の断面形状を長手方向の全域に渡って同一形状に設定したことを特徴とする車両用ステップのカバー。
【請求項2】
車両側方へ延出した前記ステップ側を照らす為の照明部品が取り付けられる照明取付溝を前記カバー本体に設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用ステップのカバー。
【請求項3】
前記カバー本体の外面に沿って流れる水の前記照明取付溝内への浸入を阻止する軒部を前記照明取付溝の近傍に設けたことを特徴とする請求項2記載の車両用ステップのカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−208666(P2009−208666A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54734(P2008−54734)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000128544)株式会社オーテックジャパン (183)
【Fターム(参考)】