車両用ピラーガーニッシュの取付構造
【課題】 簡単な構成により部品点数を減少させると共に組付工数を減少させて、製造コストを低減できる車両用ピラーガーニッシュの取付構造を提供する。
【解決手段】 ピラーガーニッシュ6の裏面側の長手方向の4箇所にドッグハウス17〜19を形成し、各ドッグハウス17〜19の切欠21内にクリップ22を挿入固定して、これらのクリップ22をAピラー側のクリップ孔に嵌合させてピラーガーニッシュを固定する。上部のドッグハウス17の切欠21に対してクリップ22を長手方向及び幅方向に規制し、下部のドッグハウス19の切欠21に対してクリップ22を幅方向に規制し、ガタツキなく正規位置にピラーガーニッシュ6を固定する。
【解決手段】 ピラーガーニッシュ6の裏面側の長手方向の4箇所にドッグハウス17〜19を形成し、各ドッグハウス17〜19の切欠21内にクリップ22を挿入固定して、これらのクリップ22をAピラー側のクリップ孔に嵌合させてピラーガーニッシュを固定する。上部のドッグハウス17の切欠21に対してクリップ22を長手方向及び幅方向に規制し、下部のドッグハウス19の切欠21に対してクリップ22を幅方向に規制し、ガタツキなく正規位置にピラーガーニッシュ6を固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のピラー部に対するピラーガーニッシュの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のピラー部へのピラーガーニッシュの取付けは、車両のピラー部を太く見せる等のデザイン上の要請、或いはガーニッシュによる隠蔽を前提としてピラー部の溶接ビードを最適位置に設定する強度・剛性上の要請等から広く実施されている。
例えば、この種のピラーガーニッシュはスタッドボルトを利用して車両のピラー部に取付けられる。図12はこの従来のピラーガーニッシュの取付構造を示すピラー部の断面図であり、ピラーガーニッシュ101は車両のピラー部102の表面側に配設されて、シール部材103をフロントウインド104上に当接させている。ピラーガーニッシュ101の裏面側には、溶着又はインサート成形により複数のスタッドボルト105が長手方向(紙面と直交する上下方向)に列設され、各スタッドボルト105はピラー部102の表面側の取付孔102aにそれぞれ挿入されている。ピラー部102内においてスタッドボルト105にはピラー部102の裏面側に形成された操作孔102bを介してナット106が螺合し、これによりピラー部102にピラーガーニッシュ101が固定されている。尚、図中の107はピラー部102の裏面側に装着されたトリムである。
【0003】
しかしながら、上記したピラーガーニッシュ101の取付構造では、ピラー部102の操作孔102bを介してナット106によりピラーガーニッシュ101を固定していることから、ガーニッシュ101を固定した後でなければピラー部102にトリム107を装着できず、工程の前後関係が限定されて組立ラインが大きく制約されるという問題があった。しかも、ピラー部102にはナット106を螺合操作できるかなり大きな操作孔102bを多数形成するため、ピラー部102の強度や剛性が低下してしまうという問題もあった。
【0004】
そこで、ピラーガーニッシュをピラー部の表面側より固定可能としたピラーガーニッシュの取付構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に開示されたピラーガーニッシュの取付構造では、車体のピラー部に貫設した複数の取付孔にグロメットをそれぞれ嵌合し、これらのグロメットを利用してピラー部の表面側にピラーガーニッシュのカバーホルダをタッピングビスで固定し,更にカバーホルダの表面にピラーカバーを装着している。
【特許文献1】特公平4−9695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたピラーガーニッシュの取付構造では、カバーホルダの固定にタッピングビスを用いているため、ピラー部側にタッピングビスを螺合させるためのグロメットを要すると共に、カバーホルダの表面に露出したタッピングビスの頭部を隠蔽するためのピラーカバーを必要とする。その結果、部品点数が増加する上に各部品を組付けるための工数が増加して、製造コストが高騰するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成により部品点数を減少させると共に組付工数を減少させて、製造コストを低減することができる車両用ピラーガーニッシュの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車両のピラー部の表面側に配設されるピラーガーニッシュと、ピラーガーニッシュの裏面側の長手方向に離間した少なくとも2箇所に設けられて、それぞれ一側方に向けて開放された切欠を有する第1及び第2のクリップ取付部と、クリップ取付部の切欠内に一側方から基端側を挿入されて、基端側に形成された係合部により切欠内からピラー部側への離脱を防止されると共に、先端側をピラー部に形成されたクリップ孔に嵌合させてピラー部にピラーガーニッシュを固定するクリップ部材と、第1のクリップ取付部の切欠に形成され、切欠内に挿入されたクリップ部材と係合してピラーガーニッシュの長手方向及び幅方向への移動を規制する第1の移動規制部と、第2のクリップ取付部の切欠に形成され、切欠内に挿入されたクリップ部材と係合してピラーガーニッシュの幅方向への移動を規制する第2の移動規制部とを備えたものである。
【0008】
従って、ピラーガーニッシュの裏面側には切欠を有する複数のクリップ取付部が設けられ、これらのクリップ取付部の切欠内に一側方からクリップ部材の基端側が挿入されて係止部により離脱を規制され、各クリップ部材の先端側がピラー部のクリップ孔に嵌合してピラーガーニッシュが固定される。そして、クリップ部材はピラーガーニッシュの裏面側でクリップ取付部に固定されてピラーガーニッシュの表面側には露出しないため、別部材によりピラーガーニッシュの表面を隠蔽する必要がなくなり、ピラーガーニッシュを単一の部材として構成可能となる。
【0009】
又、ピラー部への取付状態において、ピラーガーニッシュの第1のクリップ取付部が設けられた側は、クリップ部材に対する第1の移動規制部の係合により長手方向及び幅方向への移動が規制され、ピラーガーニッシュの第2のクリップ取付部が設けられた側は、クリップ部材に対する第2の移動規制部の係合により幅方向への移動が規制される。これによりピラー部側のクリップ孔間のピッチ誤差を許容した上で、ピラーガーニッシュはガタツキを生じることなくピラー部上の正規位置に確実に位置決めされる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、ピラーガーニッシュが車両のAピラーに取付けられて上部を車両のルーフ側と接続されるものであり、ピラーガーニッシュの上部にブラケット部が設けられ、ブラケット部が車両のルーフパネルとサイドアウタパネルとの接合部に沿って形成されたモール溝内に固定されて、モール溝内に配設されたモールによりブラケット部が隠蔽されたものである。
【0011】
従って、ピラーガーニッシュの上部に設けられたブラケット部はモール溝内に固定されてモールにより隠蔽される。そして、ルーフパネルとピラーガーニッシュとの間にモールが配置されるため、ルーフパネルとピラーガーニッシュの上部との間に多少の段差が形成されていても目立たなくなる。
請求項3の発明は、請求項1において、ピラーガーニッシュが車両のAピラーに取付けられて下部を車両のフロントフェンダ側と接続されるものであり、ピラーガーニッシュの下部裏面側に柔軟性を有するシール部材が固定されて、シール部材の下側部分をピラーガーニッシュに設けられた支持部により裏面側から支持した状態でピラーガーニッシュの下端より下方に露出させ、シール部材の露出部分にフロントフェンダの上端を表面側より当接させたものである。
【0012】
従って、シール部材はピラーガーニッシュの支持部により支持された状態でピラーガーニッシュの下端より下方に露出し、この露出部分を弾性変形させながらフロントフェンダの上端が当接する。そして、取付誤差等に起因してピラーガーニッシュの下部が正規位置から没入方向にずれたときには、シール部材が弾性復帰することでフロントフェンダとの間に間隙が生じるのを防止し、逆にピラーガーニッシュの下部が正規位置から突出方向にずれたときには、シール部材を介して支持部がピラーガーニッシュの下部の突出を規制する。
【0013】
好ましい態様として請求項3において、上記シール部材の上記フロントフェンダの上端が当接する個所の裏面側に溝を形成することが望ましい。溝の形成によりシール部材の柔軟性が高められるため、フロントフェンダとの間の間隙を一層確実に防止できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように請求項1の発明の車両用ピラーガーニッシュの取付構造によれば、簡単な構成により部品点数を減少させると共に組付工数を減少させて製造コストを低減できると共に、ガタツキを生じることなくピラーガーニッシュを取付けて取付精度を向上させることができる。
請求項2の発明の車両用ピラーガーニッシュの取付構造によれば、請求項1に加えて、ルーフパネルとピラーガーニッシュの上部と間の段差に起因する美観の低下を未然に防止することができる。
【0015】
請求項3の発明の車両用ピラーガーニッシュの取付構造によれば、請求項1に加えて、ピラーガーニッシュの下部とフロントフェンダとの間の間隙や段差の発生を防止して、これらの間隙や段差に起因する美観の低下を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を車両のAピラーに取付けられるピラーガーニッシュの取付構造の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の車両用ピラーガーニッシュが取付けられた車両を示す斜視図、図2は図1に対応してピラーガーニッシュを表面側より見た斜視図、図3は同じくピラーガーニッシュを裏面側より見た斜視図であり、以下、車両の左側のピラーガーニッシュの取付構造を説明するが、右側のものも左右対称の同一構成である。尚、以下の説明では、車両を基準として左右方向を表現する。
【0017】
車両の側面を構成するサイドアウタパネル1は、ルーフパネル2の側部からフロントウインド3の側部に沿って斜め前方に延びてフロントフェンダ4側と接続されており、このサイドアウタパネル1のフロントウインド3側部と対応する箇所によりAピラー5(ピラー部)が構成されている。サイドアウタパネル1のAピラー5の箇所には合成樹脂製のピラーガーニッシュ6が取付けられ、ピラーガーニッシュ6はAピラー5に沿って延びる長板状をなすと共に、サイドアウタパネル1の表面に倣って表面側(反Aピラー5側)を凸として湾曲し、その右側に装着されたウインドシール部材7の先端をフロントウインド3上に当接させている。
【0018】
図4は上部ブラケットによるピラーガーニッシュ6の取付箇所を示す図2のIV−IV線断面図である。ルーフパネル2と対応する箇所のサイドアウタパネル1は図中に破線で示す外形をなし、当該箇所より前側のAピラー5の箇所は実線で示すように段差状に低められて、表面側に配設されたピラーガーニッシュ6の表面がサイドアウタパネル1の表面と略面一になっている。ルーフパネル2の左端全体は下方にクランク状に折曲され、対応するサイドアウタパネル1の右端も下方にクランク状に折曲され、これらの折曲箇所は相互に重ねられてスポット溶接により接合されている。これによりルーフパネル2とサイドアウタパネル1との間には、車両の前後方向に延びるモール溝11が凹設されている。
【0019】
又、ピラーガーニッシュ6の上部右側には上部ブラケット12(ブラケット部)が一体成形され、上部ブラケット12は下方にクランク状に屈曲して上記モール溝11内のルーフパネル2上に重ねられている。上部ブラケット12にはピン孔12aが貫設され、ピン孔12aと対応するようにルーフパネル2にはグロメット孔2aが貫設されて合成樹脂製のグロメット13が嵌め込まれている。上部ブラケット12のピン孔12aを介してグロメット13にはピン14が嵌合し、このピン14によりルーフパネル2上に上部ブラケット12が固定されている。
【0020】
モール溝11内には長手方向全体に亘ってモール15が配設され、モール15は図示しない金具によりモール溝11内に固定されている。このモール15により、モール溝11内のルーフパネル2とサイドアウタパネル1との接合箇所、及び上部ブラケット12を固定しているピン14の頭部が隠蔽されている。尚、サイドアウタパネル1の左側には、ドア側との密閉を保つウェザーストリップ16が設けられている。
【0021】
一方、図2,3に示すように、ピラーガーニッシュ6の裏面側(Aピラー5側)には長手方向に略等間隔で4箇所にドッグハウス17〜19が一体成形され、以下、最も上側を上部ドッグハウス17(第1クリップ取付部)、中間の2つを中間ドッグハウス18、最も下側を下部ドッグハウス19(第2クリップ取付部)と称する。
図5は上部ドッグハウス17のクリップによるピラーガーニッシュ6の取付箇所を示す図2のV−V線断面図である。図3,5に示すように各ドッグハウス17〜19は上方又は下方(一側方)に開放された四角箱状をなし、その上面20にはU字状の切欠21が形成されてドッグハウス17〜19の開放端側に向けて開放されている。各ドッグハウス17〜19の切欠21には開放端側より略円柱状のクリップ22(クリップ部材)の基端側が挿入され、各クリップ22は基端側に形成された一対の鍔部22a(係合部)によりドッグハウス17〜19の上面20を挟持してAピラー5に対する接離方向への移動、即ち、切欠21内からの離脱及び切欠21内への没入を防止され、各クリップ22の先端は拡径して切欠21からAピラー5側に向けて突出している。
【0022】
図6〜8は各ドッグハウス17〜19とクリップ22との係合状態を示す断面図である。上記のように各ドッグハウス17〜19の切欠21は略U字状をなし、切欠21の幅W(開放端の幅)はクリップ22の両鍔部22a間における外径dより若干小さく設定され、切欠21の開放端にはクリップ22を切欠21内に案内するための面取り部21aが形成されている。各ドッグハウス17〜19の切欠21の最奥部にはクリップ22を保持するための保持部21bが形成され、各クリップ22は保持部21b内に保持されて切欠21内から開放端側への離脱が規制されている。
【0023】
図5に示すように、サイドアウタパネル1のAピラー5の箇所にはピラーガーニッシュ6の各クリップ22と対応して円形状のクリップ孔1aが貫設され、各クリップ孔1aにはピラーガーニッシュ6のクリップ22の先端が弾性をもって嵌合されている。
図6に示すように上部ドッグハウス17の保持部21b(第1の移動規制部)は円形状に形成され、保持部21bの内径Dはクリップ22の外径dと略等しく設定されている。図7に示す中間ドッグハウス18の保持部21bはピラーガーニッシュ6の長手方向を長軸とする楕円形状に形成され、保持部21bの長軸方向及び短軸方向の内寸D1,D2は共にクリップ22の外径dより大きく設定されている。図8に示す下部ドッグハウス19の保持部21b(第2の移動規制部)はピラーガーニッシュ6の長手方向を長軸とする楕円形状に形成され、保持部21bの長軸方向の内寸D1はクリップ22の外径dより大きく設定され、保持部21bの短軸方向の内寸D2はクリップ22の外径dと略等しく設定されている。
【0024】
その結果、上部ドッグハウス17のクリップ22が所謂全基準として機能してピラーガーニッシュ6の上部を長手方向及び幅方向に移動規制し、下部ドッグハウス19のクリップ22がピラーガーニッシュ6の下部を幅方向にのみ移動規制している。これによりサイドアウタパネル1側のクリップ孔1a間のピッチ誤差を許容した上で、サイドアウタパネル1に対するピラーガーニッシュ6の位置決めがなされている。これに対して中間ドッグハウス18のクリップ22はピラーガーニッシュ6を長手方向及び幅方向に移動規制することなく、サイドアウタパネル1に対するピラーガーニッシュ6の離間方向への移動(脱落)を規制している。
【0025】
ここで、図4,5に示すようにサイドアウタパネル1の車室内側にはサイドインナパネル23等の部材が配設され、図4に示すルーフ側部及び図5に示すAピラー5において、サイドアウタパネル1はこれらのサイドインナパネル23等の部材との間で閉断面を形成して所期の強度及び剛性を確保している。図示はしないが、サイドインパネル23の車室内側はトリムが装着されている。
【0026】
図9は下部第1ブラケットによるピラーガーニッシュ6の取付箇所を示す図2のIX−IX線断面図である。サイドアウタパネル1のAピラー5の下部は車両後方に向けて延設されて延設部24を形成し、この延設部24の表面側にはサイドウインド25に対して連続した平面を形成するようにデルタガーニッシュ26が装着されている。ピラーガーニッシュ6の下部左側には下部第1ブラケット27が一体成形され、下部第1ブラケット27は車体側に向けてクランク状に屈曲して上記延設部24上に重ねられている。下部第1ブラケット27にはピン孔27aが貫設され、ピン孔27aと対応するように延設部24にはグロメット孔24aが貫設されて合成樹脂製のグロメット28が嵌合している。下部第1ブラケット27のピン孔27aを介してグロメット28にはピン29が嵌合し、このピン28により延設部24上に下部第1ブラケット27が固定されている。
【0027】
図10は下部第2ブラケットによるピラーガーニッシュ6の取付箇所を示す図2のX−X線断面図である。図2,3,10に示すように、ピラーガーニッシュ6の裏面側の下部には上下一対の取付ベース30が一体成形され、これらの取付ベース30にはナット金具31がそれぞれ固定されている。両取付ベース30上には金属板を折曲形成した下部第2ブラケット32が配設され、下部第2ブラケット32のボルト孔32aを介して取付ベース30のナット金具31にはボルト33が螺合して、取付ベース30上に下部第2ブラケット32が固定されている。図示はしないが、下部第2ブラケット32の先端はピラーガーニッシュ6から下方前側に延設されてフロントフェンダ4内でサイドメンバ上にボルト固定されている。
【0028】
図11はピラーガーニッシュ6とフロントフェンダ4との接続箇所を示す図2のXI−XI線断面図である。図2,3,11に示すように、ピラーガーニッシュ6の裏面側の下端には断面略L字状の係止爪34(支持部)が一体形成され、係止爪34の先端は下方に指向している。係止爪34の箇所には長孔35aが形成されたフェンダシール部材35(シール部材)が配設され、フェンダシール部材35は長孔35a内に係止爪34を嵌合させてピラーガーニッシュ6の下部に固定されている。フェンダシール部材35の下部の裏面側には幅方向全体に弾性溝35bが形成され、フェンダシール部材の表面側は弾性溝35bの形状と対応する突条35cが形成されている。柔軟性に富んだフェンダシール部材35の材質に加えて、裏面側に弾性溝35bが形成されたことで突条35cには高い柔軟性が付与されている。
【0029】
フェンダシール部材35の突条35cを含む下側部分は、係止爪34により裏面側から支持された状態でピラーガーニッシュ6の下端から下方に露出している。フェンダシール部材35の突条35cの箇所には表面側よりフロントフェンダ4の上端が当接し、突条35cは弾性変形を伴って裏面側よりフロントフェンダ4の上端に密着している。
次に、以上のように構成された車両用ピラーガーニッシュ6の車体への取付手順を説明する。
【0030】
車体への取付に先立って、ピラーガーニッシュ6にウインドシール部材7を装着し、ピラーガーニッシュ6の取付ベース30にボルト33により下部第2ブラケット32を固定し、長孔35aを押し広げながら内部にピラーガーニッシュ6の係止爪34を嵌合させてフェンダシール部材35を正規位置に固定する。更に、各ドッグハウス17〜19の切欠21内にクリップ22を挿入して奥部の保持部21b内に嵌め込む。
【0031】
一方、車体の組立工程を終了してフロントウインド3等を組付けた後、ルーフパネル2や延設部24のグロメット孔2a,24aにグロメット13,28を嵌合させる。そして、ピラーガーニッシュ6をサイドアウタパネル1の表面側の正規位置に配設すると、各ドッグハウス17〜19のクリップ22はサイドアウタパネル1のクリップ孔1aと対応し、この状態でピラーガーニッシュ6をサイドアウタパネル1側に押圧する。各クリップ22はクリップ孔1a内に弾性をもって嵌合して、サイドアウタパネル1上にピラーガーニッシュ6が固定される。
【0032】
その後、ピラーガーニッシュ6の上部ブラケット12及び下部第1ブラケット27をピン14,29により車両側のグロメット13,28にそれぞれ固定すると共に、下部第2ブラケット32をサイドメンバ側にボルト固定する。以上でピラーガーニッシュ6の取付が完了し、引き続いてモール溝11内へのモール15の固定等が行われる。
以上のように本実施形態の車両用ピラーガーニッシュ6の取付構造では、ドッグハウス17〜19に固定されたクリップ22や各ブラケット12,27,32を利用してピラーガーニッシュ6を車両の表面側から固定しているため、図12に示す従来例とは異なりピラーガーニッシュ6の固定前に車室内のトリムの装着作業を実施できると共に、インナサイドパネル23にナットを螺合操作するための操作孔等を形成する必要がないことから、ピラー部5の強度や剛性を十分に確保することができる。
【0033】
一方、ピラーガーニッシュ6の主な固定は長手方向の4箇所のクリップ22により行われ、各クリップ22はドッグハウス17〜19に固定されてピラーガーニッシュ6の表面側には何ら露出しないことから、特許文献1のピラーガーニッシュのように、カバーホルダを固定したタッピングビスの頭部をピラーカバーにより隠蔽する必要がなくなり、ピラーガーニッシュ6を単一の部材として構成できる。又、サイドアウタパネル1へのピラーガーニッシュ6の固定にクリップ22を用いているため、タッピングビスを用いた特許文献1のピラーガーニッシュのようにサイドアウタパネル側にグロメットを設ける必要がない。よって、簡単な構成により部品点数を減少させると共に組付工数を減少させて、製造コストを低減することができる。
【0034】
加えて、上部ドッグハウス17のクリップ22を全基準としてピラーガーニッシュ6の上部を長手方向及び幅方向に移動規制し、下部ドッグハウス19のクリップ22によりピラーガーニッシュ6の下部を幅方向にのみ移動規制しているため、サイドアウタパネル1側のクリップ孔1a間のピッチ誤差を許容した上で、ピラーガーニッシュ6はガタツキを生じることなくAピラー5上の正規位置に確実に位置決めされる。よって、タッピングビスによる固定状態に応じて取付誤差が生じる特許文献1のピラーガーニッシュに比較して、極めて良好なピラーガーニッシュ6の取付精度を実現することができる。
【0035】
一方、図4に示すようにピラーガーニッシュ6の上部はルーフパネル2に対して隣接することから、ルーフパネル2とピラーガーニッシュ6の上部との段差は美観の点から好ましくない。本実施形態ではモール溝11内で固定されたピラーガーニッシュ6の上部ブラケット12をモール15により隠蔽して、ルーフパネル2とピラーガーニッシュ6の上部との間にモール15が配置される構成としたため、ルーフパネル2とピラーガーニッシュ6の上部との間に多少の段差が形成されていても目立たず、この個所の美観を向上させることができる。
【0036】
又、図11に示すようにピラーガーニッシュ6の下部はフロントフェンダ4と隣接しているが、ピラーガーニッシュ6の係止爪34によりフェンダシール部材35を支持してフロントフェンダ4の上端に裏面側から当接させているため、取付誤差等に起因してピラーガーニッシュ6の下部が正規位置から没入方向(フロントフェンダ4より離間する方向)にずれたときには、フェンダシール部材35の突条35cが弾性復帰することでフロントフェンダ4との間に間隙が生じるのを防止し、逆にピラーガーニッシュ6の下部が正規位置から突出方向にずれたときには、フェンダシール部材35を介して係合爪34がピラーガーニッシュ6の下部の突出を規制する。よって、ピラーガーニッシュ6の下部とフロントフェンダ4とは間隙や段差を生じることなく連続し、この個所の美観を向上させることができる。
【0037】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではAピラー5に取付けられるピラーガーニッシュ6の取付構造に具体化したが、対象となるピラー部はAピラー5に限らず、センタピラー等に取付けられるピラーガーニッシュに適用してもよい。
又、上記実施形態ではピラーガーニッシュ6の4箇所にドッグハウス17〜19を形成し、上部ドッグハウス17のクリップ22を全基準とした上で下部ドックハウス19のクリップ22との間でピラーガーニッシュ6を位置決めしたが、ドッグハウス17〜19の数や全基準の位置は限定されることはなく、例えばドッグハウス17〜19の数を変更したり、或いは下部ドッグハウス19を全基準として上部ドッグハウス17との間でピラーガーニッシュ6を位置決めしたりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態の車両用ピラーガーニッシュが取付けられた車両を示す斜視図である。
【図2】ピラーガーニッシュを表面側より見た斜視図である。
【図3】同じくピラーガーニッシュを裏面側より見た斜視図である。
【図4】上部ブラケットによるピラーガーニッシュの取付箇所を示す図2のIV−IV線断面図である。
【図5】ドッグハウスのクリップによるピラーガーニッシュの取付箇所を示す図2のV−V線断面図である。
【図6】上部ドッグハウスとクリップとの係合状態を示す断面図である。
【図7】中間ドッグハウスとクリップとの係合状態を示す断面図である。
【図8】下部ドッグハウスとクリップとの係合状態を示す断面図である。
【図9】下部第1ブラケットによるピラーガーニッシュの取付箇所を示す図2のIX−IX線断面図である。
【図10】下部第2ブラケットによるピラーガーニッシュの取付箇所を示す図2のX−X線断面図である。
【図11】ピラーガーニッシュとフロントフェンダとの接続箇所を示す図2のXI−XI線断面図である。
【図12】従来のピラーガーニッシュの取付構造を示すピラー部の断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 サイドアウタパネル
1a クリップ孔
4 フロントフェンダ
5 Aピラー(ピラー部)
6 ピラーガーニッシュ
11 モール溝
12 上部ブラケット(ブラケット部)
15 モール
17 上部ドッグハウス(第1クリップ取付部)
19 下部ドッグハウス(第2クリップ取付部)
20 切欠
21b 保持部(第1移動規制部、第2移動規制部)
22 クリップ(クリップ部材)
22a 鍔部(係合部)
34 係止爪(支持部)
35 フェンダシール部材(シール部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のピラー部に対するピラーガーニッシュの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のピラー部へのピラーガーニッシュの取付けは、車両のピラー部を太く見せる等のデザイン上の要請、或いはガーニッシュによる隠蔽を前提としてピラー部の溶接ビードを最適位置に設定する強度・剛性上の要請等から広く実施されている。
例えば、この種のピラーガーニッシュはスタッドボルトを利用して車両のピラー部に取付けられる。図12はこの従来のピラーガーニッシュの取付構造を示すピラー部の断面図であり、ピラーガーニッシュ101は車両のピラー部102の表面側に配設されて、シール部材103をフロントウインド104上に当接させている。ピラーガーニッシュ101の裏面側には、溶着又はインサート成形により複数のスタッドボルト105が長手方向(紙面と直交する上下方向)に列設され、各スタッドボルト105はピラー部102の表面側の取付孔102aにそれぞれ挿入されている。ピラー部102内においてスタッドボルト105にはピラー部102の裏面側に形成された操作孔102bを介してナット106が螺合し、これによりピラー部102にピラーガーニッシュ101が固定されている。尚、図中の107はピラー部102の裏面側に装着されたトリムである。
【0003】
しかしながら、上記したピラーガーニッシュ101の取付構造では、ピラー部102の操作孔102bを介してナット106によりピラーガーニッシュ101を固定していることから、ガーニッシュ101を固定した後でなければピラー部102にトリム107を装着できず、工程の前後関係が限定されて組立ラインが大きく制約されるという問題があった。しかも、ピラー部102にはナット106を螺合操作できるかなり大きな操作孔102bを多数形成するため、ピラー部102の強度や剛性が低下してしまうという問題もあった。
【0004】
そこで、ピラーガーニッシュをピラー部の表面側より固定可能としたピラーガーニッシュの取付構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に開示されたピラーガーニッシュの取付構造では、車体のピラー部に貫設した複数の取付孔にグロメットをそれぞれ嵌合し、これらのグロメットを利用してピラー部の表面側にピラーガーニッシュのカバーホルダをタッピングビスで固定し,更にカバーホルダの表面にピラーカバーを装着している。
【特許文献1】特公平4−9695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたピラーガーニッシュの取付構造では、カバーホルダの固定にタッピングビスを用いているため、ピラー部側にタッピングビスを螺合させるためのグロメットを要すると共に、カバーホルダの表面に露出したタッピングビスの頭部を隠蔽するためのピラーカバーを必要とする。その結果、部品点数が増加する上に各部品を組付けるための工数が増加して、製造コストが高騰するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成により部品点数を減少させると共に組付工数を減少させて、製造コストを低減することができる車両用ピラーガーニッシュの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車両のピラー部の表面側に配設されるピラーガーニッシュと、ピラーガーニッシュの裏面側の長手方向に離間した少なくとも2箇所に設けられて、それぞれ一側方に向けて開放された切欠を有する第1及び第2のクリップ取付部と、クリップ取付部の切欠内に一側方から基端側を挿入されて、基端側に形成された係合部により切欠内からピラー部側への離脱を防止されると共に、先端側をピラー部に形成されたクリップ孔に嵌合させてピラー部にピラーガーニッシュを固定するクリップ部材と、第1のクリップ取付部の切欠に形成され、切欠内に挿入されたクリップ部材と係合してピラーガーニッシュの長手方向及び幅方向への移動を規制する第1の移動規制部と、第2のクリップ取付部の切欠に形成され、切欠内に挿入されたクリップ部材と係合してピラーガーニッシュの幅方向への移動を規制する第2の移動規制部とを備えたものである。
【0008】
従って、ピラーガーニッシュの裏面側には切欠を有する複数のクリップ取付部が設けられ、これらのクリップ取付部の切欠内に一側方からクリップ部材の基端側が挿入されて係止部により離脱を規制され、各クリップ部材の先端側がピラー部のクリップ孔に嵌合してピラーガーニッシュが固定される。そして、クリップ部材はピラーガーニッシュの裏面側でクリップ取付部に固定されてピラーガーニッシュの表面側には露出しないため、別部材によりピラーガーニッシュの表面を隠蔽する必要がなくなり、ピラーガーニッシュを単一の部材として構成可能となる。
【0009】
又、ピラー部への取付状態において、ピラーガーニッシュの第1のクリップ取付部が設けられた側は、クリップ部材に対する第1の移動規制部の係合により長手方向及び幅方向への移動が規制され、ピラーガーニッシュの第2のクリップ取付部が設けられた側は、クリップ部材に対する第2の移動規制部の係合により幅方向への移動が規制される。これによりピラー部側のクリップ孔間のピッチ誤差を許容した上で、ピラーガーニッシュはガタツキを生じることなくピラー部上の正規位置に確実に位置決めされる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、ピラーガーニッシュが車両のAピラーに取付けられて上部を車両のルーフ側と接続されるものであり、ピラーガーニッシュの上部にブラケット部が設けられ、ブラケット部が車両のルーフパネルとサイドアウタパネルとの接合部に沿って形成されたモール溝内に固定されて、モール溝内に配設されたモールによりブラケット部が隠蔽されたものである。
【0011】
従って、ピラーガーニッシュの上部に設けられたブラケット部はモール溝内に固定されてモールにより隠蔽される。そして、ルーフパネルとピラーガーニッシュとの間にモールが配置されるため、ルーフパネルとピラーガーニッシュの上部との間に多少の段差が形成されていても目立たなくなる。
請求項3の発明は、請求項1において、ピラーガーニッシュが車両のAピラーに取付けられて下部を車両のフロントフェンダ側と接続されるものであり、ピラーガーニッシュの下部裏面側に柔軟性を有するシール部材が固定されて、シール部材の下側部分をピラーガーニッシュに設けられた支持部により裏面側から支持した状態でピラーガーニッシュの下端より下方に露出させ、シール部材の露出部分にフロントフェンダの上端を表面側より当接させたものである。
【0012】
従って、シール部材はピラーガーニッシュの支持部により支持された状態でピラーガーニッシュの下端より下方に露出し、この露出部分を弾性変形させながらフロントフェンダの上端が当接する。そして、取付誤差等に起因してピラーガーニッシュの下部が正規位置から没入方向にずれたときには、シール部材が弾性復帰することでフロントフェンダとの間に間隙が生じるのを防止し、逆にピラーガーニッシュの下部が正規位置から突出方向にずれたときには、シール部材を介して支持部がピラーガーニッシュの下部の突出を規制する。
【0013】
好ましい態様として請求項3において、上記シール部材の上記フロントフェンダの上端が当接する個所の裏面側に溝を形成することが望ましい。溝の形成によりシール部材の柔軟性が高められるため、フロントフェンダとの間の間隙を一層確実に防止できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように請求項1の発明の車両用ピラーガーニッシュの取付構造によれば、簡単な構成により部品点数を減少させると共に組付工数を減少させて製造コストを低減できると共に、ガタツキを生じることなくピラーガーニッシュを取付けて取付精度を向上させることができる。
請求項2の発明の車両用ピラーガーニッシュの取付構造によれば、請求項1に加えて、ルーフパネルとピラーガーニッシュの上部と間の段差に起因する美観の低下を未然に防止することができる。
【0015】
請求項3の発明の車両用ピラーガーニッシュの取付構造によれば、請求項1に加えて、ピラーガーニッシュの下部とフロントフェンダとの間の間隙や段差の発生を防止して、これらの間隙や段差に起因する美観の低下を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を車両のAピラーに取付けられるピラーガーニッシュの取付構造の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の車両用ピラーガーニッシュが取付けられた車両を示す斜視図、図2は図1に対応してピラーガーニッシュを表面側より見た斜視図、図3は同じくピラーガーニッシュを裏面側より見た斜視図であり、以下、車両の左側のピラーガーニッシュの取付構造を説明するが、右側のものも左右対称の同一構成である。尚、以下の説明では、車両を基準として左右方向を表現する。
【0017】
車両の側面を構成するサイドアウタパネル1は、ルーフパネル2の側部からフロントウインド3の側部に沿って斜め前方に延びてフロントフェンダ4側と接続されており、このサイドアウタパネル1のフロントウインド3側部と対応する箇所によりAピラー5(ピラー部)が構成されている。サイドアウタパネル1のAピラー5の箇所には合成樹脂製のピラーガーニッシュ6が取付けられ、ピラーガーニッシュ6はAピラー5に沿って延びる長板状をなすと共に、サイドアウタパネル1の表面に倣って表面側(反Aピラー5側)を凸として湾曲し、その右側に装着されたウインドシール部材7の先端をフロントウインド3上に当接させている。
【0018】
図4は上部ブラケットによるピラーガーニッシュ6の取付箇所を示す図2のIV−IV線断面図である。ルーフパネル2と対応する箇所のサイドアウタパネル1は図中に破線で示す外形をなし、当該箇所より前側のAピラー5の箇所は実線で示すように段差状に低められて、表面側に配設されたピラーガーニッシュ6の表面がサイドアウタパネル1の表面と略面一になっている。ルーフパネル2の左端全体は下方にクランク状に折曲され、対応するサイドアウタパネル1の右端も下方にクランク状に折曲され、これらの折曲箇所は相互に重ねられてスポット溶接により接合されている。これによりルーフパネル2とサイドアウタパネル1との間には、車両の前後方向に延びるモール溝11が凹設されている。
【0019】
又、ピラーガーニッシュ6の上部右側には上部ブラケット12(ブラケット部)が一体成形され、上部ブラケット12は下方にクランク状に屈曲して上記モール溝11内のルーフパネル2上に重ねられている。上部ブラケット12にはピン孔12aが貫設され、ピン孔12aと対応するようにルーフパネル2にはグロメット孔2aが貫設されて合成樹脂製のグロメット13が嵌め込まれている。上部ブラケット12のピン孔12aを介してグロメット13にはピン14が嵌合し、このピン14によりルーフパネル2上に上部ブラケット12が固定されている。
【0020】
モール溝11内には長手方向全体に亘ってモール15が配設され、モール15は図示しない金具によりモール溝11内に固定されている。このモール15により、モール溝11内のルーフパネル2とサイドアウタパネル1との接合箇所、及び上部ブラケット12を固定しているピン14の頭部が隠蔽されている。尚、サイドアウタパネル1の左側には、ドア側との密閉を保つウェザーストリップ16が設けられている。
【0021】
一方、図2,3に示すように、ピラーガーニッシュ6の裏面側(Aピラー5側)には長手方向に略等間隔で4箇所にドッグハウス17〜19が一体成形され、以下、最も上側を上部ドッグハウス17(第1クリップ取付部)、中間の2つを中間ドッグハウス18、最も下側を下部ドッグハウス19(第2クリップ取付部)と称する。
図5は上部ドッグハウス17のクリップによるピラーガーニッシュ6の取付箇所を示す図2のV−V線断面図である。図3,5に示すように各ドッグハウス17〜19は上方又は下方(一側方)に開放された四角箱状をなし、その上面20にはU字状の切欠21が形成されてドッグハウス17〜19の開放端側に向けて開放されている。各ドッグハウス17〜19の切欠21には開放端側より略円柱状のクリップ22(クリップ部材)の基端側が挿入され、各クリップ22は基端側に形成された一対の鍔部22a(係合部)によりドッグハウス17〜19の上面20を挟持してAピラー5に対する接離方向への移動、即ち、切欠21内からの離脱及び切欠21内への没入を防止され、各クリップ22の先端は拡径して切欠21からAピラー5側に向けて突出している。
【0022】
図6〜8は各ドッグハウス17〜19とクリップ22との係合状態を示す断面図である。上記のように各ドッグハウス17〜19の切欠21は略U字状をなし、切欠21の幅W(開放端の幅)はクリップ22の両鍔部22a間における外径dより若干小さく設定され、切欠21の開放端にはクリップ22を切欠21内に案内するための面取り部21aが形成されている。各ドッグハウス17〜19の切欠21の最奥部にはクリップ22を保持するための保持部21bが形成され、各クリップ22は保持部21b内に保持されて切欠21内から開放端側への離脱が規制されている。
【0023】
図5に示すように、サイドアウタパネル1のAピラー5の箇所にはピラーガーニッシュ6の各クリップ22と対応して円形状のクリップ孔1aが貫設され、各クリップ孔1aにはピラーガーニッシュ6のクリップ22の先端が弾性をもって嵌合されている。
図6に示すように上部ドッグハウス17の保持部21b(第1の移動規制部)は円形状に形成され、保持部21bの内径Dはクリップ22の外径dと略等しく設定されている。図7に示す中間ドッグハウス18の保持部21bはピラーガーニッシュ6の長手方向を長軸とする楕円形状に形成され、保持部21bの長軸方向及び短軸方向の内寸D1,D2は共にクリップ22の外径dより大きく設定されている。図8に示す下部ドッグハウス19の保持部21b(第2の移動規制部)はピラーガーニッシュ6の長手方向を長軸とする楕円形状に形成され、保持部21bの長軸方向の内寸D1はクリップ22の外径dより大きく設定され、保持部21bの短軸方向の内寸D2はクリップ22の外径dと略等しく設定されている。
【0024】
その結果、上部ドッグハウス17のクリップ22が所謂全基準として機能してピラーガーニッシュ6の上部を長手方向及び幅方向に移動規制し、下部ドッグハウス19のクリップ22がピラーガーニッシュ6の下部を幅方向にのみ移動規制している。これによりサイドアウタパネル1側のクリップ孔1a間のピッチ誤差を許容した上で、サイドアウタパネル1に対するピラーガーニッシュ6の位置決めがなされている。これに対して中間ドッグハウス18のクリップ22はピラーガーニッシュ6を長手方向及び幅方向に移動規制することなく、サイドアウタパネル1に対するピラーガーニッシュ6の離間方向への移動(脱落)を規制している。
【0025】
ここで、図4,5に示すようにサイドアウタパネル1の車室内側にはサイドインナパネル23等の部材が配設され、図4に示すルーフ側部及び図5に示すAピラー5において、サイドアウタパネル1はこれらのサイドインナパネル23等の部材との間で閉断面を形成して所期の強度及び剛性を確保している。図示はしないが、サイドインパネル23の車室内側はトリムが装着されている。
【0026】
図9は下部第1ブラケットによるピラーガーニッシュ6の取付箇所を示す図2のIX−IX線断面図である。サイドアウタパネル1のAピラー5の下部は車両後方に向けて延設されて延設部24を形成し、この延設部24の表面側にはサイドウインド25に対して連続した平面を形成するようにデルタガーニッシュ26が装着されている。ピラーガーニッシュ6の下部左側には下部第1ブラケット27が一体成形され、下部第1ブラケット27は車体側に向けてクランク状に屈曲して上記延設部24上に重ねられている。下部第1ブラケット27にはピン孔27aが貫設され、ピン孔27aと対応するように延設部24にはグロメット孔24aが貫設されて合成樹脂製のグロメット28が嵌合している。下部第1ブラケット27のピン孔27aを介してグロメット28にはピン29が嵌合し、このピン28により延設部24上に下部第1ブラケット27が固定されている。
【0027】
図10は下部第2ブラケットによるピラーガーニッシュ6の取付箇所を示す図2のX−X線断面図である。図2,3,10に示すように、ピラーガーニッシュ6の裏面側の下部には上下一対の取付ベース30が一体成形され、これらの取付ベース30にはナット金具31がそれぞれ固定されている。両取付ベース30上には金属板を折曲形成した下部第2ブラケット32が配設され、下部第2ブラケット32のボルト孔32aを介して取付ベース30のナット金具31にはボルト33が螺合して、取付ベース30上に下部第2ブラケット32が固定されている。図示はしないが、下部第2ブラケット32の先端はピラーガーニッシュ6から下方前側に延設されてフロントフェンダ4内でサイドメンバ上にボルト固定されている。
【0028】
図11はピラーガーニッシュ6とフロントフェンダ4との接続箇所を示す図2のXI−XI線断面図である。図2,3,11に示すように、ピラーガーニッシュ6の裏面側の下端には断面略L字状の係止爪34(支持部)が一体形成され、係止爪34の先端は下方に指向している。係止爪34の箇所には長孔35aが形成されたフェンダシール部材35(シール部材)が配設され、フェンダシール部材35は長孔35a内に係止爪34を嵌合させてピラーガーニッシュ6の下部に固定されている。フェンダシール部材35の下部の裏面側には幅方向全体に弾性溝35bが形成され、フェンダシール部材の表面側は弾性溝35bの形状と対応する突条35cが形成されている。柔軟性に富んだフェンダシール部材35の材質に加えて、裏面側に弾性溝35bが形成されたことで突条35cには高い柔軟性が付与されている。
【0029】
フェンダシール部材35の突条35cを含む下側部分は、係止爪34により裏面側から支持された状態でピラーガーニッシュ6の下端から下方に露出している。フェンダシール部材35の突条35cの箇所には表面側よりフロントフェンダ4の上端が当接し、突条35cは弾性変形を伴って裏面側よりフロントフェンダ4の上端に密着している。
次に、以上のように構成された車両用ピラーガーニッシュ6の車体への取付手順を説明する。
【0030】
車体への取付に先立って、ピラーガーニッシュ6にウインドシール部材7を装着し、ピラーガーニッシュ6の取付ベース30にボルト33により下部第2ブラケット32を固定し、長孔35aを押し広げながら内部にピラーガーニッシュ6の係止爪34を嵌合させてフェンダシール部材35を正規位置に固定する。更に、各ドッグハウス17〜19の切欠21内にクリップ22を挿入して奥部の保持部21b内に嵌め込む。
【0031】
一方、車体の組立工程を終了してフロントウインド3等を組付けた後、ルーフパネル2や延設部24のグロメット孔2a,24aにグロメット13,28を嵌合させる。そして、ピラーガーニッシュ6をサイドアウタパネル1の表面側の正規位置に配設すると、各ドッグハウス17〜19のクリップ22はサイドアウタパネル1のクリップ孔1aと対応し、この状態でピラーガーニッシュ6をサイドアウタパネル1側に押圧する。各クリップ22はクリップ孔1a内に弾性をもって嵌合して、サイドアウタパネル1上にピラーガーニッシュ6が固定される。
【0032】
その後、ピラーガーニッシュ6の上部ブラケット12及び下部第1ブラケット27をピン14,29により車両側のグロメット13,28にそれぞれ固定すると共に、下部第2ブラケット32をサイドメンバ側にボルト固定する。以上でピラーガーニッシュ6の取付が完了し、引き続いてモール溝11内へのモール15の固定等が行われる。
以上のように本実施形態の車両用ピラーガーニッシュ6の取付構造では、ドッグハウス17〜19に固定されたクリップ22や各ブラケット12,27,32を利用してピラーガーニッシュ6を車両の表面側から固定しているため、図12に示す従来例とは異なりピラーガーニッシュ6の固定前に車室内のトリムの装着作業を実施できると共に、インナサイドパネル23にナットを螺合操作するための操作孔等を形成する必要がないことから、ピラー部5の強度や剛性を十分に確保することができる。
【0033】
一方、ピラーガーニッシュ6の主な固定は長手方向の4箇所のクリップ22により行われ、各クリップ22はドッグハウス17〜19に固定されてピラーガーニッシュ6の表面側には何ら露出しないことから、特許文献1のピラーガーニッシュのように、カバーホルダを固定したタッピングビスの頭部をピラーカバーにより隠蔽する必要がなくなり、ピラーガーニッシュ6を単一の部材として構成できる。又、サイドアウタパネル1へのピラーガーニッシュ6の固定にクリップ22を用いているため、タッピングビスを用いた特許文献1のピラーガーニッシュのようにサイドアウタパネル側にグロメットを設ける必要がない。よって、簡単な構成により部品点数を減少させると共に組付工数を減少させて、製造コストを低減することができる。
【0034】
加えて、上部ドッグハウス17のクリップ22を全基準としてピラーガーニッシュ6の上部を長手方向及び幅方向に移動規制し、下部ドッグハウス19のクリップ22によりピラーガーニッシュ6の下部を幅方向にのみ移動規制しているため、サイドアウタパネル1側のクリップ孔1a間のピッチ誤差を許容した上で、ピラーガーニッシュ6はガタツキを生じることなくAピラー5上の正規位置に確実に位置決めされる。よって、タッピングビスによる固定状態に応じて取付誤差が生じる特許文献1のピラーガーニッシュに比較して、極めて良好なピラーガーニッシュ6の取付精度を実現することができる。
【0035】
一方、図4に示すようにピラーガーニッシュ6の上部はルーフパネル2に対して隣接することから、ルーフパネル2とピラーガーニッシュ6の上部との段差は美観の点から好ましくない。本実施形態ではモール溝11内で固定されたピラーガーニッシュ6の上部ブラケット12をモール15により隠蔽して、ルーフパネル2とピラーガーニッシュ6の上部との間にモール15が配置される構成としたため、ルーフパネル2とピラーガーニッシュ6の上部との間に多少の段差が形成されていても目立たず、この個所の美観を向上させることができる。
【0036】
又、図11に示すようにピラーガーニッシュ6の下部はフロントフェンダ4と隣接しているが、ピラーガーニッシュ6の係止爪34によりフェンダシール部材35を支持してフロントフェンダ4の上端に裏面側から当接させているため、取付誤差等に起因してピラーガーニッシュ6の下部が正規位置から没入方向(フロントフェンダ4より離間する方向)にずれたときには、フェンダシール部材35の突条35cが弾性復帰することでフロントフェンダ4との間に間隙が生じるのを防止し、逆にピラーガーニッシュ6の下部が正規位置から突出方向にずれたときには、フェンダシール部材35を介して係合爪34がピラーガーニッシュ6の下部の突出を規制する。よって、ピラーガーニッシュ6の下部とフロントフェンダ4とは間隙や段差を生じることなく連続し、この個所の美観を向上させることができる。
【0037】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではAピラー5に取付けられるピラーガーニッシュ6の取付構造に具体化したが、対象となるピラー部はAピラー5に限らず、センタピラー等に取付けられるピラーガーニッシュに適用してもよい。
又、上記実施形態ではピラーガーニッシュ6の4箇所にドッグハウス17〜19を形成し、上部ドッグハウス17のクリップ22を全基準とした上で下部ドックハウス19のクリップ22との間でピラーガーニッシュ6を位置決めしたが、ドッグハウス17〜19の数や全基準の位置は限定されることはなく、例えばドッグハウス17〜19の数を変更したり、或いは下部ドッグハウス19を全基準として上部ドッグハウス17との間でピラーガーニッシュ6を位置決めしたりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態の車両用ピラーガーニッシュが取付けられた車両を示す斜視図である。
【図2】ピラーガーニッシュを表面側より見た斜視図である。
【図3】同じくピラーガーニッシュを裏面側より見た斜視図である。
【図4】上部ブラケットによるピラーガーニッシュの取付箇所を示す図2のIV−IV線断面図である。
【図5】ドッグハウスのクリップによるピラーガーニッシュの取付箇所を示す図2のV−V線断面図である。
【図6】上部ドッグハウスとクリップとの係合状態を示す断面図である。
【図7】中間ドッグハウスとクリップとの係合状態を示す断面図である。
【図8】下部ドッグハウスとクリップとの係合状態を示す断面図である。
【図9】下部第1ブラケットによるピラーガーニッシュの取付箇所を示す図2のIX−IX線断面図である。
【図10】下部第2ブラケットによるピラーガーニッシュの取付箇所を示す図2のX−X線断面図である。
【図11】ピラーガーニッシュとフロントフェンダとの接続箇所を示す図2のXI−XI線断面図である。
【図12】従来のピラーガーニッシュの取付構造を示すピラー部の断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 サイドアウタパネル
1a クリップ孔
4 フロントフェンダ
5 Aピラー(ピラー部)
6 ピラーガーニッシュ
11 モール溝
12 上部ブラケット(ブラケット部)
15 モール
17 上部ドッグハウス(第1クリップ取付部)
19 下部ドッグハウス(第2クリップ取付部)
20 切欠
21b 保持部(第1移動規制部、第2移動規制部)
22 クリップ(クリップ部材)
22a 鍔部(係合部)
34 係止爪(支持部)
35 フェンダシール部材(シール部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のピラー部の表面側に配設されるピラーガーニッシュと、
上記ピラーガーニッシュの裏面側の長手方向に離間した少なくとも2箇所に設けられて、それぞれ一側方に向けて開放された切欠を有する第1及び第2のクリップ取付部と、
上記クリップ取付部の切欠内に一側方から基端側を挿入されて、該基端側に形成された係合部により該切欠内から上記ピラー部側への離脱を防止されると共に、先端側を上記ピラー部に形成されたクリップ孔に嵌合させて該ピラー部に上記ピラーガーニッシュを固定するクリップ部材と、
上記第1のクリップ取付部の切欠に形成され、該切欠内に挿入された上記クリップ部材と係合して上記ピラーガーニッシュの長手方向及び幅方向への移動を規制する第1の移動規制部と、
上記第2のクリップ取付部の切欠に形成され、該切欠内に挿入された上記クリップ部材と係合して上記ピラーガーニッシュの幅方向への移動を規制する第2の移動規制部と
を備えたことを特徴とする車両用ピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項2】
上記ピラーガーニッシュは、上記車両のAピラーに取付けられて上部を該車両のルーフ側と接続されるものであり、該ピラーガーニッシュの上部にブラケット部が設けられ、該ブラケット部が上記車両のルーフパネルとサイドアウタパネルとの接合部に沿って形成されたモール溝内に固定されて、該モール溝内に配設されたモールにより上記ブラケット部が隠蔽されたことを特徴とする請求項1記載の車両用ピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項3】
上記ピラーガーニッシュは、上記車両のAピラーに取付けられて下部を該車両のフロントフェンダ側と接続されるものであり、該ピラーガーニッシュの下部裏面側に柔軟性を有するシール部材が固定されて、該シール部材の下側部分を上記ピラーガーニッシュに設けられた支持部により裏面側から支持した状態で該ピラーガーニッシュの下端より下方に露出させ、該シール部材の露出部分に上記フロントフェンダの上端を表面側より当接させたことを特徴とする請求項1記載の車両用ピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項1】
車両のピラー部の表面側に配設されるピラーガーニッシュと、
上記ピラーガーニッシュの裏面側の長手方向に離間した少なくとも2箇所に設けられて、それぞれ一側方に向けて開放された切欠を有する第1及び第2のクリップ取付部と、
上記クリップ取付部の切欠内に一側方から基端側を挿入されて、該基端側に形成された係合部により該切欠内から上記ピラー部側への離脱を防止されると共に、先端側を上記ピラー部に形成されたクリップ孔に嵌合させて該ピラー部に上記ピラーガーニッシュを固定するクリップ部材と、
上記第1のクリップ取付部の切欠に形成され、該切欠内に挿入された上記クリップ部材と係合して上記ピラーガーニッシュの長手方向及び幅方向への移動を規制する第1の移動規制部と、
上記第2のクリップ取付部の切欠に形成され、該切欠内に挿入された上記クリップ部材と係合して上記ピラーガーニッシュの幅方向への移動を規制する第2の移動規制部と
を備えたことを特徴とする車両用ピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項2】
上記ピラーガーニッシュは、上記車両のAピラーに取付けられて上部を該車両のルーフ側と接続されるものであり、該ピラーガーニッシュの上部にブラケット部が設けられ、該ブラケット部が上記車両のルーフパネルとサイドアウタパネルとの接合部に沿って形成されたモール溝内に固定されて、該モール溝内に配設されたモールにより上記ブラケット部が隠蔽されたことを特徴とする請求項1記載の車両用ピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項3】
上記ピラーガーニッシュは、上記車両のAピラーに取付けられて下部を該車両のフロントフェンダ側と接続されるものであり、該ピラーガーニッシュの下部裏面側に柔軟性を有するシール部材が固定されて、該シール部材の下側部分を上記ピラーガーニッシュに設けられた支持部により裏面側から支持した状態で該ピラーガーニッシュの下端より下方に露出させ、該シール部材の露出部分に上記フロントフェンダの上端を表面側より当接させたことを特徴とする請求項1記載の車両用ピラーガーニッシュの取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−82609(P2006−82609A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267096(P2004−267096)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】
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