説明

車両用ホースの中間保持具

【課題】 固定部材への嵌合方向が規制されており、ホースが捩じれた状態で組み付けられるのを防止することを目的とする。
【解決手段】
ホースの中間部に装着し固定部材に固定する車両用ホースの中間保持具であって、ホースを保持するホース保持部と、固定部材に嵌合される部材嵌合部とを有し弾性材によって形成されており、前記部材嵌合部は、外周面に部材嵌合溝を有しており、前記部材嵌合溝は両端部が略180度折り返して丸底フラスコ形状をなすように形成するとともに、部材嵌合溝の両端部の間を嵌合方向指示部とする。前記嵌合溝の両端部の間に部材嵌合部の外面よりも突出させた突出部を形成し、前記突出部を嵌合方向指示部とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は可撓性を有する車両用ホースの中間部を固定する中間保持具に係り、詳しくは、自動車の液圧ブレーキホース、エアーブレーキホース、パワーステアリングホース、オイルクーラーホース等を車体に固定するための車両用ホースの中間保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車部品として取り付けられる可撓性のある管状のホース、例えば、自動車の液圧ブレーキホース、エアーブレーキホースは、一端が車体側に固定されるとともに、他端が車輪側に配設されるホイルシリンダに固定される。車輪は、サスペンションを介して車体に連結されているから、車体に対して上下動する。また、ブレーキホースは、比較的狭い空間に配設されているために、上下動や最大限の操舵角が生じたときに他部品と接触干渉するおそれがある。
【0003】
このために、ホースの中間部での変位を防止するために、ホース自体がその中間部分で固定保持されている。この固定保持手段として、一般に金属性バンド、中間継手金具、あるいは中間保持金具が用いられている。これらの固定保持手段は、装着部におけるブレーキホースの剛性を高め、可撓性を減少させるという問題がある。
【0004】
そこで、ホースの局部に応力が集中するのを防止することにより、ホースに対して高い耐久性を付与し得るホース保持具が提案されている。例えば、特開平9−178045号公報記載のホース中間保持具がある。この中間保持具は、ホースを把持する把持部と、固定部材に固定される固定部とを備え、ホースの固定部装着部分の剛性が前記ホースの把持部剛性部分よりも低くなるように中空部を備える構成とした。
【0005】
また、ケーブルを保持固定するものとしてコントロールケーブルの端末支持装置がある。例えば、特開2006−118565号公報記載の端末支持装置は、U字形の係合口を有するブラケットにコントロールケーブルを摺動自在に収納する導管を備えた導管固定部を挿入することによって保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−178045号公報
【特許文献2】特開2006−118565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記公報記載のホース中間保持具等(以下、公知例という)は、固定部材に固定される固定部が、ホースを把持する把持部よりも剛性が低いために、ホースと保持具が一体に弾性変形することになり、不当な応力を発生されることはない。しかしながら、ホースを捩れた状態で取り付けられる可能性がある。即ち、公知例の中間保持具は、全体が円筒状であって、中間部に形成されたブラケット把持部は、外周側に円環状の嵌合溝を形成し、内周側に円環状中空部を形成してなる。
【0008】
そして、前記ブラケット把持部の嵌合溝にブラケットの円形開口の一部に形成された切欠を圧入することで、ホース中間保持具をブラケットに組み付けることとしている。組み付ける際には、中間保持具をいずれの方向からでも圧入することができるので、作業者の取り付け易いようにホースを捩じった状態のままブラケットの円形開口の切欠に圧入されるおそれがある。
【0009】
ブレーキホースの両端部には、図1に示すように、車体側と車輪側に固定するための接続金具が固着されている。両端部の接続金具の形状が異なる場合には、予め組み付ける際の口金具の角度が決められており、組み付ける際には所定の角度を維持した状態で取り付けられることが望ましい。しかしながら、公知例のような中間保持具は圧入方向が規制されていないから、作業者は作業効率を上げるために、ホースを捩じった状態でブラケットに取り付けるおそれがある。
【0010】
一方、特開2006−118565号公報記載のコントロールケーブルの端末装置をブレーキホースの中間保持具として応用した場合には、従来の固定保持手段と同様に、装着部におけるブレーキホースの剛性を高め、可撓性を減少させることになる。また、前記端末装置には、ブラケットを挿入する溝を形成する矩形鍔と押え部の上端部を天板で連結しており、ブラケットは前記天板の反対側から差し込まれる。前記天板は、ブラケットに差し込むときの指の押える部分となり、また、勢い余って差し込んだときにも天板の肩部に係止されて停止する。
【0011】
しかしながら、前記端末装置は、コントロールケーブルを摺動自在に収納する構成であるために、ケーブルを捩じることなく端末装置自体を回転させてブラケットに差し込むことが可能である。また、ブラケットと端末装置とは、端末装置に設けた係止突起をブラケットに設けた係止孔に係合させることによって固定されるが、両者とも金属製とした場合に可能であり、ブレーキホースの中間保持具をゴム等の弾性材により形成した場合には同様な構成とすることはできない。
【0012】
この発明は、かかる現況に鑑みてされたものであり、中間保持具の部分に応力が集中するのを防止するとともに、中間保持具の部材への嵌合方向を規制することによって常に一定の方向から嵌合することができ、ホースの捩じれを防止してホースの耐久性を向上させた車両用ホースの中間保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明に係る車両用ホースの中間保持具は、ホースの中間部に装着し固定部材に固定する弾性材によるホースの中間保持具であって、ホースを保持するホース保持部と、固定部材に組み付けられる部材嵌合部とを有しており、前記ホース保持部の内径は、ホースの外径よりも小さく形成され、前記部材嵌合部は、外周面に両端部が略180度折り返して略丸底フラスコ形状をなす部材嵌合溝が形成されており、前記部材嵌合溝の両端部の間を嵌合方向指示部とすることを特徴とする。前記嵌合方向指示部は、部材嵌合部の外面よりも突出させて形成することができる。
【0014】
また、この発明に係る車両用ホースの中間保持具は、ホースの中間部に装着し固定部材に固定する弾性材によるホースの中間保持具であって、ホースを保持するホース保持部と、固定部材に組み付けられる部材嵌合部とを有しており、前記部材嵌合部は、外周面に両端部が略180度折り返して略U字状をなす部材嵌合溝を形成してなり、前記嵌合溝は部材嵌合部の軸芯からの寸法が直交する方向において異なるように形成されていることを特徴とする。前記略U字状嵌合溝は、長方形の一部をなすように形成してもよいし、楕円形の一部をなすように形成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係る車両用ホースの中間保持具によれば、中間保持具の部分に応力が集中するのを防止するとともに、中間保持具の固定部材への嵌合方向を規制することによって常に一定の方向から嵌合することになり、固定部材に組み付ける際にホースの捩じれを防止することができる。また、固定部材に組み付け後は回動が防止され、口金具の取付角度を維持するとともに、ホースの耐久性を向上させることができる。また、弾性材によって形成することにより、装着部におけるブレーキホースの剛性を高め、可撓性を減少させるということもない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は一実施形態にかかる中間保持具を装着したブレーキホースの構成図である。
【図2】図2は第1実施形態に係る中間保持具の正面図である。
【図3】図3は同じく図2のA−A線断面図である。
【図4】図4は同じく図2のB−B線断面図である。
【図5】図5は同じく斜視図である。
【図6】図6は第2実施形態に係る中間保持具の図3に相当する断面図である。
【図7】図7は第3実施形態に係る中間保持具の図3に相当する断面図である。
【図8】図10は第4実施形態に係る中間保持具の図3に相当する断面である。
【図9】図9は第5実施形態に係る中間保持具の上面斜視図である。
【図10】図10(a)は第1実施形態の中間保持具を固定部材に組み付けた状態の説明図、図10(b)は固定部材への他の組み付け方法を示す説明図、図10(c)は第5実施形態の中間保持具を固定部材に組み付けた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、この発明を図示する実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明によって成形される中間保持具をホースの中間部に装着したブレーキホースの構成図、図2は中間保持具の正面図、図3は図2のA−A線縦断面図、図4は図2のB−B線横断面図である。ブレーキホース1の両端には、それぞれ雌型口金具2とアイジョイント口金具3が固着されており、ホース中間部に中間保持具10が装着されている。中間保持具10が、ショックアブゾーバ等に固着される固定部材であるブラケット4に組み付けられる。
【0018】
前記中間保持具10は、ホース外周面に装着されるホース保持部11と、略中間部に突設された部材嵌合部12によって形成されている。前記ホース保持部11は、装着するホース外径寸法より僅かに小さな内径のホース挿通孔11aを有する円筒部である。前記ホース挿通孔11aは、ブレーキホース1を挿通したときに中間保持具10が回動せず、ブレーキホース1の軸方向に動かないように固定され、さらに挿通後、ブレーキホースの内径を流れるブレーキ液の流れを妨げない大きさであればよい。中間保持具10は、装着したホースの所定の位置に保持される。尚、後述するように、ホース保持部11及び部材嵌合部12の外面形状は円形に限定されない。
【0019】
前記部材嵌合部12の外周面には、図2及び図3に明らかなように、ホース保持部11の外周面に沿うように、略U字状のブラケット嵌合溝12aが設けられており、前記ブラケット嵌合溝12aの両端は突出部13の両側面において対向している。前記ブラケット嵌合溝12aに固定部材であるブラケットの係止孔を嵌合させて組み付けられる。従って、ブラケット嵌合溝12aは、突出部13の部分を除いた部材嵌合部12の外周面に同一方向に180度折り返すことによって全体として略丸底フラスコ形状に形成されている。
【0020】
前記嵌合溝12aの両端部は、突出部13側が閉じられており、前記突出部13の側面と嵌合溝12aの先端部とは、平滑面14によって連続している。突出部13の対向する平滑面14の幅L1は、嵌合溝12aの溝底の対向する幅L2よりも小さく、L1<L2となるように形成されており、溝底は平滑面14の延長線よりも外方に膨出している。従って、ブラケット嵌合溝12aは、図3に示すように、両端部が平滑面14に連続しており、略丸底フラスコ形状に形成されている。
【0021】
前記突出部13は、ブラケットに組み付けるときの嵌合方向を指示する嵌合方向指示部15となるとともに、組み付け後は捩じれを防止する。嵌合溝を部材嵌合部12の外周面全体に円環状に形成した場合には、中間保持具をいずれの方向からでもブラケットに嵌合させることができるから、固定部材であるブラケットにブレーキホースを捩じった状態で組み付けるおそれがある。しかしながら、嵌合方向指示部15を設けることによって所定の方向以外からは圧入することができないから、ブラケットとは正対させて組み付けなければならないことになり、口金具の正しい角度を保持することができる。
【0022】
さらに、詳述すると、図1に示すように、ブレーキホースの両端には、異種の口金具が固着されることがあり、ブラケットに組み付ける際には、口金具は正しい角度で固着されることが求められる。中間保持具10の外周面に嵌合方向指示部15を設けることによって、後述するように、所定の方向からしかブラケットに圧入することができなくなり、ブレーキホース両端部の口金具の取付角度を維持するとともに、ホースの捩じれを防止することができる。
【0023】
図6は、第2実施形態に係る中間保持具10Aであって、図3に相当する断面図である。この実施形態の中間保持具10Aが第1実施形態の中間保持部10と異なるのは、突出部13の円周方向の片側にテーパー面17を設けた点にある。前記テーパー面17を設けることによって嵌合方向が一層明瞭になる。他の構成においては、第1実施形態と同一であるから、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
【0024】
図7は、第3実施形態に係る中間保持具10Bであって、図3に相当する断面図である。この実施形態の中間保持具10Bが第1実施形態の中間保持具10と異なるのは、突出部13を設けることなく、嵌合方向指示部15は、その上部を部材嵌合部12の一部とともに切り落とした平滑面に形成した点にある。この実施形態では、嵌合方向指示部15の上部の平滑面が大きくなり、嵌合方向が一層明瞭になる。他の構成においては、第1実施形態と同一であるから、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
【0025】
図8は、第4実施形態に係る中間保持具10Cであって、図3に相当する断面である。この実施形態の中間保持具が第1実施形態の中間保持部10とは、ホース保持部11のホース挿通孔11aの内周面に軸方向に平行な小突起を設けて凹凸面18とした点において異なる。ホース挿通孔11aの内周面を凹凸面18とすることによって、ブレーキホースの中間部に装着した場合に輸送や保管中においては勿論、使用中にもホースの外周面での回動が防止される。
【0026】
次に、図9に示す第5実施形態に係る中間保持具10Dについて説明する。上記実施形態においては、ホース保持部11及び部材嵌合部12の外周面を円形状に形成した場合について説明したが、この発明に係る中間保持具の外周は円形状に限定されない。中間保持具10Dは、外周面を長方形状に形成したホース保持部11Aと同じく外周面を長方形状に形成した部材嵌合部12Aからなる。部材嵌合部12Aは、ホース保持部11Aの外周面の三面にフランジ状突起20,20を平行に設けることによって形成されている。
【0027】
前記フランジ状突起20,20の間隔が、ブラケットの係止孔に圧入させてブラケットに組み付けるためのブラケット嵌合溝12bとなる。前記ブラケット嵌合溝12bは、ホース保持部12Aの三面に沿って略U字状に形成されており、その両端は対抗する面においてそれぞれ開口している。ブラケット嵌合溝12bの開口側におけるホース保持部11Aの平滑面が嵌合方向指示部となる。ブラケット嵌合溝12bにブラケットを嵌入したときに、フランジ状突起20,20によってブラケットが挟持される。
【0028】
さらに詳述すると、ホース保持部11Aの平行な一辺の幅寸法をL3とし、直交する他の辺の幅寸法をL4とすると、L3<L4となるように形成されている。ブラケットへの圧入方向を、例えばL3の幅方向とし、ブラケットの透孔の大きさをL3と同一に形成しておけば、L4の幅方向ではブラケットの透孔に圧入させることができない。従って、ホース保持部11Aの外形を長方形状に形成することによって、ブラケットに組み付ける際に中間保持具10Dの圧入方向を確認することになり、捩じった状態で組み付けられるのを防止することができる。また、ブラケットに組み付けた後にホースが回動することもない。
【0029】
上記第5実施形態のように、ホース保持部11Aの外形を長方形状とすることによって、直交する面のいずれかを嵌合方向指示部とすることができる。尚、上記第5実施形態では、ブラケット嵌合溝12bをホース保持部11Aの外面形状に沿って形成する場合について説明したが、ホース保持部11Aの外形を円形状に形成し、部材嵌合部12Aにおけるブラケット嵌合溝12bを形成する外面のみを長方形状としてもよい。
【0030】
即ち、ホース保持部11Aにおいて軸芯からのブラケット嵌合溝12bの距離が直交する方向で異なる場合には、一方側はブラケットの透孔に嵌合できるが、他方側はブラケットの透孔に嵌合することができないことになる。尚、部材嵌合部12Aはホース保持部11Aの外周面の三面に設けたフランジ状突起20,20によって形成したが、フランジ状突起20,20はホース保持部11Aの外周面全体に設けてもよい。また、嵌合方向指示部の形成は第4実施形態までのように、嵌合溝の両端部を略180度折り返して略丸底フラスコ形状とする場合に限定されない。
【0031】
また、上記説明から明らかなように、本願発明は、中間保持具をブラケットへ嵌合する際に、嵌合方向が確認できることによってホースが捩じれた状態で組み付けられるのを防止するものであるから、部材嵌合部におけるブラケット嵌合溝を形成する外面形状が、ホース保持部の軸芯からブラケット嵌合溝までの距離が直交する方向において異なればよい。従って、ブラケット嵌合溝は、長方形の他、楕円形、台形、菱形のような多角形の一部をなす形状であればよいし、軸芯から直交する方向において非対称な寸法であればよい。
【0032】
上記構成にかかる中間保持具の材質は、硬さが60〜80度のゴム又はエラストマー等の弾性材であることが好ましい。上記硬さと材質によりホースに装着するときの弾力による圧入性を確保するとともに、ホースの剛性を高めたり、可撓性を減少させることがない。また、固定部材に組み付けたときの固定機能を確保することができる。
【0033】
次に、図10に基づいて上記実施形態の中間保持具10と固定部材であるブラケットとの組み付け構造の例について説明する。図10(a)に示すブラケット21は、ホース中間保持具10のブラケット嵌合溝12aを嵌合するための略丸底フラスコ形状の開口21aを有している。前記開口21aは、円形の一部を係止部21bとテーパー面21cを有するように切り欠くことによって形成されている。
【0034】
中間保持具10を組み付けるには、前記構成の開口21aに部材嵌合部12の嵌合方向指示部15を外向きにして嵌合溝12a側からを嵌合すればよい。中間保持具10は、係止部21bによって確実に保持され、嵌合方向指示部15によって回動が防止される。上記の通り、ホース中間保持具のブラケット嵌合溝12aとブラケットの開口21aを丸底フラスコ形状とすることによって、容易に組付けることができるとともに、抜けを防止することができる。
【0035】
図10(b)は、図10(a)の組付け構造とは反対に嵌合方向指示部からブラケットの開口に差し込んだ組付け構造を示す。ブラケット22は、ホース中間保持具10のブラケット嵌合溝12aと嵌合方向指示部15を嵌合するための略長方形開口22aを有している。前記長方形開口22aは、開口側に凹部22bとテーパー面22cを有するように切り欠くことによって形成されている。この組み付け構造では、嵌合方向指示部15を図10(a)の場合とは反対に、部材嵌合部12の嵌合方向指示部15を内向きにして前記構成の長方形開口22aの開口側から圧入するから組み付けが容易である。中間保持具10は、凹部22bによって確実に保持され、嵌合方向指示部15によって回動が防止される。
【0036】
図10(c)は、図9に示すホース中間保持具10Dのブラケットへの組み付け構造を示す。ブラケット23は、ホース中間保持具10Dのブラケット嵌合溝12bを嵌合するための略長方形開口23aを有している。前記長方形開口23aは、開口側に係止部23bを有するように切り欠くことによって形成されている。
【0037】
この組み付け構造では、ホース中間保持具10のブラケット嵌合溝12bにおける厚さの厚い辺L4の方を向けても圧入することができないので、厚さの小さい辺L3の方を向けて圧入することになり、圧入方向が確実に指示されることになる。ブラケット23に組み付けた後の中間保持具10Dは、係止部23bによって確実に保持され長方形であることによって回動が防止される。
【符号の説明】
【0038】
1:ブレーキホース
2:雌型口金具 3:アイジョイント口金具
10,10A、10B、10C、10D:中間保持具
11,11A:ホース保持部
12,12A:部材嵌合部
12a:ブラケット嵌合溝
12b:ブラケット嵌合溝
13:突出部
14:平滑面
15:嵌合方向指示部
17:テーパー面
18:凹凸面
20:フランジ状突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースの中間部に装着し固定部材に固定する弾性材による車両用ホースの中間保持具であって、ホースを保持するホース保持部と、固定部材に組み付けられる部材嵌合部とを有しており、前記ホース保持部の内径は、ホースの外径よりも小さく形成され、前記部材嵌合部は、外周面に両端部が略180度折り返して略丸底フラスコ形状をなす部材嵌合溝が形成されており、前記部材嵌合溝の両端部の間を嵌合方向指示部とすることを特徴とする車両用ホースの中間保持具。
【請求項2】
嵌合方向指示部は、部材嵌合部の外面よりも突出させて形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ホースの中間保持具。
【請求項3】
ホースの中間部に装着し固定部材に固定する弾性材による車両用ホースの中間保持具であって、ホースを保持するホース保持部と、固定部材に組み付けられる部材嵌合部とを有しており、前記部材嵌合部は、外周面に両端部が略180度折り返して略U字状をなす部材嵌合溝を形成してなり、前記嵌合溝は部材嵌合部の軸芯からの寸法が直交する方向において異なるように形成されていることを特徴とする車両用ホースの中間保持具。
【請求項4】
略U字状嵌合溝は、長方形の一部をなすように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用ホースの中間保持具。
【請求項5】
略U字状嵌合溝は、楕円形の一部をなすように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用ホースの中間保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−57387(P2013−57387A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197042(P2011−197042)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【出願人】(504366707)株式会社 メイジフローシステム (7)
【Fターム(参考)】