説明

車両用ミラー装置

【課題】従来の車両用ミラー装置では一方のギアのスラスト力が他方のギアに影響する。
【解決手段】プレート11に回転可能に保持されているヘリカルギア27と、プレート11およびギアケース10に回転可能に保持されておりまたヘリカルギア27に傾倒可能に連結されておりさらにヘリカルギアと一体に回転する第2ウォームギア28と、を備える。第2ウォームギア28の回転軸54の両端球凸部55のスラスト力を受けるスラスト軸受部58がギアケース10に設けられており、ヘリカルギア27と第2ウォームギア28とがスラスト方向において非当接状態である。この結果、第2ウォームギア28のスラスト力がヘリカルギアに影響しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ミラーが車体に対して回転可能である車両用ミラー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用ミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用ミラー装置について説明する。従来の車両用ミラー装置は、回転可能とされた第1ギアと、前記第1ギアに傾倒可能に連結され、前記第1ギアが回転されることで前記第1ギアと一体に回転されて車両用のミラーが回動される第2ギアと、を備えるものである。
【0003】
ところが、従来の車両用ミラー装置は、第1ギアと第2ギアとがスラスト方向において当接状態にある。このため、従来の車両用ミラー装置は、ミラーが回動される際に、第1ギアと第2ギアのいずれか一方のギアにスラスト力が作用すると、この一方のギアのスラスト力が他方のギアに影響するという課題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−182117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用ミラー装置では、一方のギアのスラスト力が他方のギアに影響するという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1に記載の発明)は、保持部材と、この保持部材に回転可能に保持されている第1ギアと、同じく保持部材に回転可能に保持されておりまた第1ギアに傾倒可能に連結されておりさらに第1ギアと一体に回転する第2ギアと、を備え、この第1ギアと第2ギアのうち少なくともいずれか一方の回転軸の両端のスラスト力を受ける軸受部が保持部材に設けられており、第1ギアと第2ギアとがスラスト方向において非当接状態である、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2に記載の発明)は、車体に固定されるシャフトと、このシャフトに回転可能に取り付けられている回転駆動ユニットと、ミラーを有しかつ回転駆動ユニットに取り付けられているミラーアセンブリと、を備え、回転駆動ユニットが、シャフトに回転可能に取り付けられておりかつミラーアセンブリが取り付けられている保持部材と、この保持部材に取り付けられているモータと、このモータとシャフトとの間に設けられていてモータを駆動させることによりミラーアセンブリをシャフトに対して回転させる回転力伝達機構と、から構成されており、回転力伝達機構が、保持部材に回転可能に保持されている第1ギアと、保持部材に回転可能に保持されておりまた第1ギアに傾倒可能に連結されておりさらに第1ギアと一体に回転する第2ギアと、を有し、この第1ギアと第2ギアのうち少なくともいずれか一方の回転軸の両端のスラスト力を受ける軸受部が保持部材に設けられており、第1ギアと第2ギアとがスラスト方向において非当接状態である、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3に記載の発明)は、以下のことを特徴とする。すなわち、第1ギアと第2ギアのいずれか一方のギアには、透孔が回転中心方向に設けられており、他方のギアには、透孔中に挿入されている回転軸が設けられており、透孔のほぼ中間の内面と回転軸の外面とには、第1ギアと第2ギアとが一体に回転するように少なくとも一部非円形をなす接触部がそれぞれ設けられており、透孔の内面は、第2ギアが第1ギアに傾倒可能に連結されるように、中間から両端にかけて末広がり形状をなしていること。
【発明の効果】
【0009】
この発明(請求項1、2に記載の発明)の車両用ミラー装置は、保持部材の軸受部が第1ギアと第2ギアのうち少なくともいずれか一方の回転軸の両端のスラスト力を受け、第1ギアと第2ギアとがスラスト方向において非当接状態である。この結果、この発明(請求項1、2に記載の発明)の車両用ミラー装置は、ミラーが車体に対して回転する際に、第1ギアと第2ギアのいずれか一方のギアにスラスト力が作用しても、この一方のギアのスラスト力が他方のギアに影響を与えるようなことがない。これにより、この発明(請求項1、2に記載の発明)の車両用ミラー装置は、ミラーがスムーズにかつ確実に回転することができ、他方のギアにおいては高い強度を必要とせずその分製造コストを安価にすることができ、さらに、他方のギアの耐久性能を向上させることができる。
【0010】
また、この発明(請求項3に記載の発明)の車両用ミラー装置は、第1ギアと第2ギアのいずれか一方のギアの透孔の内面が中間から両端にかけて末広がり形状をなしているので、第1ギアまたは第2ギアが傾いても第2ギアまたは第1ギアに影響を与えるようなことがなく、騒音防止となり、耐久性能が向上される。しかも、この発明(請求項3に記載の発明)の車両用ミラー装置は、一方のギアの透孔の内面が中間から両端にかけて末広がり形状をなしているので、一方のギアの透孔中に他方のギアの回転軸を挿入し易く、第1ギアと第2ギアとの組付が容易であり、組付作業が向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、この発明にかかる車両用ミラー装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
以下、この実施例における車両用ミラー装置の構成について説明する。図1において、符号1は、この実施例における車両用ミラー装置であって、この例では、電動格納式ドアミラー装置である。前記電動格納式ドアミラー装置1は、自動車の左右のドア(図示せず)にそれぞれ装備される。前記電動格納式のドアミラー装置1は、図1に示すように、シャフト4と、回転駆動ユニットとしての電動格納ユニット3と、ミラーアセンブリ2と、を備えるものである。
【0013】
前記シャフト4は、前記自動車の左右のドアに固定されるものである。前記電動格納ユニット3は、前記シャフト4に回転可能に取り付けられている。前記ミラーアセンブリ2には、ミラー5が取付部材6を介して取り付けられている。前記ミラーアセンブリ2は、前記電動格納ユニット3に取り付けられている。前記ミラーアセンブリ2が前記電動格納ユニット3を介して前記シャフト4の回りに回転することにより、前記ミラー5が前記自動車の左右のドアすなわち車体に対して回転する。
【0014】
前記シャフト4は、図2に示すように、フランジ7に一体に立設されている。前記シャフト4と前記フランジ7とは、シャフトホルダ8を構成する。前記シャフトホルダ8は、図1に示すミラーベース9に固定される。前記ミラーベース9は、前記自動車の左右のドアに固定される。この結果、前記シャフト4は、前記自動車の左右のドアすなわち車体に固定される。また、前記シャフト4は、中空形状をなしていて、ハーネス(図示せず)が挿通するように構成されている。
【0015】
前記電動格納ユニット3は、図2に示すように、保持部材としてのギアケース10およびプレート11およびカバー12と、モータ13と、回転力伝達機構としての減速機構14およびクラッチ機構15と、を備えるものである。
【0016】
前記ギアケース10は、図2、図9、図10、図14、図15に示すように、一方(下方)が閉塞し、かつ、他方(上方)が開口した断面凹形状をなす。すなわち、前記ギアケース10には、前記シャフトホルダ8側が閉塞され、かつ、前記プレート11および前記カバー12側が開口された断面凹形状をなす収納部16が設けられている。前記ギアケース10の閉塞部には、挿入孔(図示せず)が設けられている。前記挿入孔には、前記シャフト4が挿入されている。この結果、前記ギアケース10は、前記シャフト4に回転可能に取り付けられることとなる。前記ギアケース10の閉塞部と前記シャフトホルダ8の前記フランジ7との間には、ボール17とワッシャー18が介在されている。
【0017】
前記プレート11は、図2、図7〜図16に示すように、前記ギアケース10の前記収納部16の開口を閉塞するほぼ平板形状をなす。前記プレート11の一端部側には、円形の透孔19が設けられている。前記プレート11の他端部側には、一面(上面)が開口する円筒形状のモータ収納取付部20が一体に設けられている。前記モータ収納取付部20中には、前記モータ13が収納されて取り付けられている。前記モータ収納取付部20の底部の中央には、凹状の収納部21が一体に設けられている。前記収納部21中には、前記モータ13の出力軸(図示せず)と前記出力軸に取り付けられているジョイント22とがそれぞれ収納されている。前記前記モータ収納取付部20の開口縁には、3本の基板取付片23が一体に設けられている。前記基板取付片23には、基板24が取り付けられている。
【0018】
前記プレート11は、前記ギアケース10の収納部16の開口を閉塞するように前記ギアケース10の前記収納部16の開口縁に嵌合されている。また、前記プレート11の前記透孔19中に前記シャフト4が挿通されている。さらに、前記プレート11は、前記ギアケース10にスクリューなど(図示せず)により固定されている。この結果、前記プレート11は、前記ギアケース10とともに前記シャフト4に回転可能に取り付けられることとなる。
【0019】
前記カバー12は、図2に示すように、一方(上方)が閉塞し、かつ、他方(下方)が開口した断面逆凹形状をなす。すなわち、前記カバー12には、一方の前記ギアケース10および前記プレート11側が開口され、かつ、他方側が開口された断面逆凹形状をなす収納部(図示せず)が設けられている。前記カバー12には、前記プレート11の前記透孔19と連通するハーネス挿通筒部25が一体に設けられている。前記カバー12は、前記ギアケース10の前記収納部16の開口縁の外側に嵌合固定されている。この結果、前記カバー12と前記ギアケース10内の収納部16中には、前記プレート11および前記モータ13および前記減速機構14および前記クラッチ機構15および前記基板24が収納される。また、前記カバー12は、前記ギアケース10および前記プレート11とともに前記シャフト4に回転可能に取り付けられることとなる。
【0020】
前記動力伝達機構の前記減速機構14および前記クラッチ機構15は、図2に示すように、前記ギアケース10の前記収納部16中に収納され、かつ、前記モータ13の前記出力軸と前記シャフト4との間に設けられ、前記モータ13の回転力を前記シャフト4に伝達するものである。
【0021】
前記減速機構14は、第1ウォームギア26と、前記第1ウォームギア26に噛み合うヘリカルギア27と、前記ヘリカルギア27に噛み合う第2ウォームギア28と、前記第2ウォームギア28が噛み合うクラッチギア29と、から構成されている。前記第1ウォームギア26は、前記プレート11の前記収納部21中において、前記モータ13の出力軸に前記ジョイント22を介して連結されている。
【0022】
前記クラッチ機構15は、前記クラッチギア29と、クラッチホルダ30と、スプリング31と、プッシュナット32とを備える。前記クラッチ機構15は、前記シャフト4に、ワッシャー33、前記クラッチギア29、前記クラッチホルダ30、前記スプリング31、を順次嵌め合せ、前記プッシュナット32で前記スプリング31を圧縮状態にすることによって構成されている。前記クラッチギア29に形成されている凹部(もしくは凸部)は、前記クラッチホルダ30に形成されている凸部(もしくは凹部)に噛み合っている。前記減速機構14の前記第2ウォームギア28と前記クラッチ機構15の前記クラッチギア29とが噛み合うことにより、前記モータ13の回転力が前記シャフト4に伝達されることとなる。なお、前記スプリング31は、コイルスプリングであるが、図2において図示が簡略化されている。
【0023】
前記第1ウォームギア26は、図2〜図4、図7〜図10に示すように、ギア部41と、軸部としてのピン42と、から構成されている。前記ギア部41は、図3に示すように、円柱部材の外面にウォームギアを設けてなるものである。前記ギア部41(円柱部材)の中心には、円形の孔43が設けられている。なお、図3(A)は、ギア部41の平面図、図3(B)は、図3(A)におけるB−B線概略断面図、図3(C)は、ギア部41の側面図、図3(D)は、ギア部41の概略側面図である。
【0024】
前記ピン42は、図4に示すように、ピン部材を加工してなるものである。すなわち、前記ピン42(ピン部材)の一端部には、ほぼ平行の2平面の面取からなる連結部44が設けられている。また、前記ピン42(ピン部材)の他端には、端部が半球形状をなす支持部45が設けられている。さらに、前記ピン42(ピン部材)の円柱形状の中間部の中央部には、平目ローレット加工されてなる固定部46がもうけられている。さらにまた、前記ピン42(ピン部材)の円柱形状の中間部の前記固定部46の両側部には、軸部47がそれぞれ設けられている。なお、図4(A)は、ピン42の正面図、図4(B)は、ピン42の平面図である。
【0025】
前記ギア部41の孔43中に前記ピン42を前記連結部44側から圧入して(図8参照)、前記ギア部41の孔43の内面に前記ピン42の前記固定部46を食い込み固定させることにより、前記ギア部41と前記ピン42と一体回転する前記第1ウォームギア26が構成される(図9および図10参照)。
【0026】
前記ヘリカルギア27は、図5に示すように、ギア部48と、軸部49と、から一体に構成されている。すなわち、前記ギア部48の両面に前記軸部49が段部50を介して一体に設けられている。前記ヘリカルギア27には、透孔51が回転中心方向に設けられている。前記透孔51のほぼ中間の内面には、一部非円形すなわちほぼ平行の2直線をなす接触部52が設けられている。前記接触部52は、回転中心方向に若干の幅を有している。前記接触部52のほぼ平行の2直線を結ぶ間は、円形の一部の円弧をなす。前記透孔51の内面は、ほぼ中間すなわち前記接触部52から両端にかけて末広がり形状(断面鼓形状)をなしている。なお、図5(A)は、ヘリカルギアの概略正面図、図5(B)は、図5(A)におけるB−B線概略断面図、図5(C)は、図5(A)におけるC−C線概略断面図である。
【0027】
前記第2ウォームギア28は、図6に示すように、ギア部53と、回転軸54と、から一体に構成されている。前記回転軸54の両端面には、球の一部の球凸部55がそれぞれ一体に設けられている。また、前記回転軸54の両端部とほぼ中間部とには、軸部56がそれぞれ形成されている。一端部の前記軸部56の外径は、ほぼ中間部の前記軸部56および他端部の前記軸部56の外径よりも小さい。さらに、前記回転軸54の一端部の前記軸部56とほぼ中間部の前記軸部56との間の外面には、一部非円形すなわちほぼ平行の2平面をなす接触部57が設けられている。前記接触部57のほぼ平行の2平面を結ぶ間は、円柱形の一部をなす。なお、図6(A)は、第2ウォームギア28の正面図、図6(B)は、第2ウォームギア28の平面図である。
【0028】
前記第2ウォームギア28の前記回転軸54の一端面からほぼ中間部の前記軸部56と前記接触部57との段部までの距離は、前記ヘリカルギア27の前記軸部49の回転中心方向の距離よりも長い。この結果、前記ヘリカルギア27と前記第2ウォームギア28とは、相互に組み付けた際には、スラスト方向において非当接状態にある。すなわち、図14および図15に示すように、前記ヘリカルギア27の前記軸部49の端面と前記第2ウォームギア28の前記段部との間には、隙間Sが開いている。前記第1ウォームギア26と前記ヘリカルギア27とは、ウォームギアとギアとを構成する。また、前記ヘリカルギア27と前記第2ウォームギア28とは、第1ギアと第2ギアとを構成する。
【0029】
前記プレート11には、一対の軸受部34および一対の弾性軸受部35がそれぞれ一体に設けられている。前記プレート11は、1個の軸受部材を構成する。前記一対の軸受部34は、図7〜図10に示すように、前記第1ウォームギア26の前記ピン42の両端部の前記軸部47をほぼ垂直軸回りに回転可能に軸受けするものである。前記一対の軸受部34は、前記プレート11の前記収納部21の底部と、前記底部と上下に間隔を開けて対向する部分とから構成されている。前記一対の軸受部34の上下の間隔は、前記第1ウォームギア26の前記ギア部41の長さより若干大きい。前記一対の軸受部34には、円形の透孔36が垂直方向にそれぞれ設けられている。前記一対の軸受部34の間には、仮止め部(仮置き部)37が設けられている。すなわち、前記一対の軸受部34と前記仮止め部37とは、一方(図7〜図10においては右側)が開口しかつ他方(図7〜図10においては左側)が閉塞した凹形状をなす。前記凹形状の底部、すなわち、前記仮止め部37には、開口部38が設けられている。前記開口部38の長さは、前記第1ウォームギア26の前記ギア部41の円柱部材の長さより若干小さくかつ前記ギア部41のウォームギアの長さより若干大きい。
【0030】
前記一対の弾性軸受部35は、図7〜図16に示すように、前記ヘリカルギア27をほぼ水平軸回りに回転可能に軸受けするものである。前記一対の弾性軸受部35は、前記プレート11の下面に左右に間隔を開けて対向する2枚の弾性板から構成されている。前記一対の弾性軸受部35の左右の間隔は、前記ヘリカルギア27の前記ギア部48の幅よりも若干大きくかつ前記ヘリカルギア27の前記軸部49の回転中心方向の長さよりも短い。前記一対の弾性軸受部35は、前記一対の軸受部34および前記仮止め部37に隣接して、前記一対の軸受部34および前記仮止め部37の左右に位置する。前記一対の弾性軸受部35には、円形の透孔39が水平方向にそれぞれ設けられている。前記一対の弾性軸受部35の対向する面には、傾斜面40が前記一対の弾性軸受部35の下辺から前記透孔39のほぼ中間にかけてそれぞれ設けられている。
【0031】
前記ギアケース10には、図9、図14、図15に示すように、前記第2ウォームギア28の前記回転軸54の両端の前記球凸部55のスラスト力を受けるスラスト軸受部58がそれぞれ設けられている。前記スラスト軸受部58は、図9に示すように、前記ギアケース10の前記収納部16の開口から底にかけて、幅が狭くなるガイド溝59の下部に設けられている。
【0032】
前記ギアケース10および前記プレート11には、図11〜図15に示すように、前記ウォームギア28の回転軸54の軸部56のラジアル力を受けるラジアル軸受部60および61がそれぞれ設けられている。前記ギアケース10には、図9、図10に示すように、前記第1ウォームギア26の前記ピン42の前記支持部45を受ける受部62が設けられている。また、前記ギアケース10には、図14、図15に示すように、前記一対の弾性軸受部35の前記傾斜面40を含む下部が差し込まれる溝部63が設けられている。前記一対の弾性軸受部35の下部が前記溝部63に差し込まれることにより、前記一対の弾性軸受部35と前記ギアケース10とが一体となって、前記一対の弾性軸受部35が開いたり閉じたりすることなく前記ヘリカルギア27を確実に軸受けすることができる。
【0033】
以下、前記減速機構14の前記第1ウォームギア26および前記ヘリカルギア27および前記第2ウォームギア28の前記保持部材の前記ギアケース10および前記プレート11への組み立て方について説明する。
【0034】
まず、図7中の実線矢印に示すように、前記第1ウォームギア26のギア部41を前記プレート11の前記一対の軸受部34および前記仮止め部37にセットする。すると、図8に示すように、前記ギア部41は、前記一対の軸受部34の間に位置して、前記仮止め部37により仮止め(仮置き)されている。すなわち、前記ギア部41の円柱部材が前記仮止め部材37に仮止めされていてかつ前記ギア部41のウォームギアが前記開口部38に位置する。なお、前記ギア部41をセットする際に、前記仮止め部37側(図7および図8の紙面の左側)を下側にして、前記ギア部41を落とし込み式でセットすると前記ギア部41のセットが容易である。
【0035】
つぎに、図8中の実線矢印に示すように、前記ピン42の軸部47および固定部46を前記一対の軸受部34の透孔36および前記ギア部41の孔43中に連結部44側から挿入および圧入する。すると、図9に示すように、前記ピン42の軸部47が前記一対の軸受部34に回転可能に軸受けされる。また、前記ピン42の固定部46が前記ギア部41の孔43の内面に食い込み固定して、前記ギア部41と前記ピン42とが一体回転する前記第1ウォームギア26が構成される。これにより、前記プレート11の前記一対の軸受部34に前記第1ウォームギア26が回転可能に軸受けされる。
【0036】
つづいて、図11および図12中の実線矢印に示すように、前記ヘリカルギア27の両軸部49を前記プレート11の前記一対の弾性軸受部35に対向させて、前記ヘリカルギア27を前記一対の弾性軸受部35の間に圧入する。すると、前記ヘリカルギア27の両軸部49が前記一対の弾性軸受部35の傾斜面40に当接してかつ傾斜面40に沿って進入する。このとき、図12中の実線矢印に示すように、前記一対の弾性軸受部35が外側に弾性変形して開く。前記ヘリカルギア27の両軸部49が前記一対の弾性軸受部35の透孔39に達したところで、図13に示すように、外側に弾性変形して開いていた前記一対の弾性軸受部35が内側に弾性復帰して閉じて元の状態に戻る。この結果、前記ヘリカルギア27の両軸部49が元の状態に戻った前記一対の弾性軸受部35の透孔39中に挿入する。
【0037】
これにより、前記ヘリカルギア27のギア部48が前記プレート11の前記一対の弾性軸受部35の間にセットされ、かつ、前記ヘリカルギア27の両軸部49が前記プレート11の前記一対の弾性軸受部35に弾性挟持されて回転可能に軸受けされる。このとき、図9および図10に示すように、前記第1ウォームギア26のギア部41と前記ヘリカルギア27のギア部48とが前記プレート11の開口部38を通して相互に噛み合っている。
【0038】
それから、図13中の実線矢印に示すように、前記第2ウォームギア28の接触部57側の端部を前記一対の弾性軸受部35に回転可能に軸受けされている前記ヘリカルギア27に、前記プレート11のラジアル軸受部61を挟んで対向させる。前記第2ウォームギア28の回転軸54(球凸部55および軸部56および接触部57)を前記ヘリカルギア27の透孔51中に挿入する。すると、図14および図15に示すように、前記第2ウォームギア28の回転軸54の接触部57と前記ヘリカルギア27の透孔51の接触部52とが相互に接触する。
【0039】
これにより、前記第2ウォームギア28が前記ヘリカルギア27に仮保持される。また、一部非円形の前記ヘリカルギア27の接触部52と前記第2ウォームギア28の接触部57との相互接触で、第1ギアの前記ヘリカルギア27と第2ギアの前記第2ウォームギア28とが一体回転可能となる。このとき、図14および図15に示すように、前記第2ウォームギア28のギア部53を挟む2個の軸部56が前記プレート11の2個のラジアル軸受部61にそれぞれ位置する。また、前記第2ウォームギア28のギア部53の一部が前記プレート11の2個のラジアル軸受部61の間の凹部に収納される。
【0040】
このように、前記減速機構14(回転力伝達機構)の前記第1ウォームギアギア26(ウォームギア)および前記ヘリカルギア27(ギア)は、前記プレート11(1個の軸受部材)に回転可能に軸受けされている。また、前記減速機構14(回転力伝達機構)の前記第2ウォームギアギア28(第2ギア)は、前記ヘリカルギア27(第1ギア)に仮保持されている。この結果、図9および図14に示すように、前記第1ウォームギアギア26および前記ヘリカルギア27および前記第2ウォームギア28と前記プレート11とは、サブアセンブリされている。
【0041】
そして、図9および図14中の実線矢印に示すように、サブアセンブリされている前記第1ウォームギアギア26および前記ヘリカルギア27および前記第2ウォームギア28および前記プレート11を前記ギアケース10の収納部16中に落とし込み式でセットする。すると、図10および図15に示すように、前記プレート11にサブアセンブリされている前記第1ウォームギアギア26および前記ヘリカルギア27および前記第2ウォームギア28は、前記ギアケース10および前記プレート11により区画されている収納部中に収納される。
【0042】
これにより、前記第1ウォームギア26の支持部45が前記ギアケース10の受部62にスラスト軸受けされる。また、前記プレート11の一対の弾性軸受部35が前記ギアケース10の溝部63に差し込まれて、前記ヘリカルギア27の軸部49が前記一対の弾性軸受部35に確実に軸受けされる。さらに、前記第2ウォームギア28の軸部56が前記ギアケース10のラジアル軸受部60および前記プレート11のラジアル軸受部61にラジアル軸受けされる。さらにまた、前記第2ウォームギア28の両端の球凸部55が前記ギアケース10のスラスト軸受部58に軸受けされる。
【0043】
このとき、前記ヘリカルギア27と前記第2ウォームギア28とは、スラスト方向において非当接状態にある。すなわち、図15に示すように、前記ヘリカルギア27の軸部49の端面と前記第2ウォームギア28の段部(軸部56と接触部57との間の段部)との間には、隙間Sが開いている。
【0044】
以上のようにして、前記減速機構14の前記第1ウォームギア26および前記ヘリカルギア27および前記第2ウォームギア28は、前記保持部材の前記ギアケース10および前記プレート11に組み立てられる。そして、前記モータ13を前記プレート11に取り付け、前記モータ13の出力軸と前記第1ウォームギア26とを前記ジョイント22を介して連結し、前記クラッチ機構15を前記シャフト4および前記ギアケース10に組み付け、前記カバー12を前記ギアケース10に取り付けることにより、前記電動格納ユニット3が前記シャフト4に回転可能に取り付けられる。また、前記ミラーアセンブリ2を前記電動格納ユニット3に取り付けることにより、前記電動格納式ドアミラー装置1が構成される。さらに、前記シャフト4を前記自動車の左右のドアに固定することにより、前記電動格納式ドアミラー装置1が自動車の左右のドア(図示せず)にそれぞれ装備される。
【0045】
この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0046】
まず、自動車内部のスイッチを操作してモータ13を駆動させる。すると、モータ13の回転力は、出力軸、ジョイント22、減速機構14を介してシャフト4に固定されたクラッチギア29伝達される。この時クラッチギア29は、シャフト4に対して回転不能に固定されているために、減速機構14の第2ウォームギア28がクラッチギア29を中心として回転する。この回転により電動格納ユニット3を内蔵したミラーアセンブリ2がシャフト4を中心として回転される。この回転に伴って、図1に示すように、ミラーアセンブリ2を使用位置(図1の状態の位置)と格納位置Bとの間で回転させることができる。また、ミラーアセンブリ2が使用位置A、格納位置Bに達したところで、スイッチ機構(図示せず)のスイッチ作動によりモータ13への通電が遮断され、ミラーアセンブリ2が所定の使用位置A、格納位置Bに停止する。
【0047】
つぎに、ミラーアセンブリ2に前方側からまた後方側から荷重がかかると、クラッチギア29がスプリング31の押圧力に抗して回転し、クラッチギア29とクラッチホルダ30の凹凸の噛み合いが解除される。これにより、クラッチ機構15が解除されて、ミラーアセンブリ2が緩衝のために、使用位置と格納位置Bとの間、また、使用位置と前方傾倒位置Aとの間を回転する。
【0048】
なお、一部非円形のヘリカルギア27の接触部52と第2ウォームギア28の接触部57とが相互に接触しているので、第1ギアのヘリカルギア27と第2ギアの第2ウォームギア28とが一体に回転することができ、ヘリカルギア27と第2ウォームギア28との間において回転力が相互に伝達される。
【0049】
また、ヘリカルギア27の透孔51の内面が中間から両端にかけて末広がり形状をなしているので、モータ13の回転力が減速機構14およびクラッチ機構15を介してシャフト4に伝達される際に、第2ウォームギア28が図16中の二点差線に示す正常状態から実線に示す状態に傾くことができる。このとき、ヘリカルギア27の透孔51の内面が中間から両端にかけて末広がり形状をなしているので、第2ウォームギア28が回転中心に対して傾いてもヘリカルギア27に影響を与えるようなことがない。
【0050】
この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0051】
この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、保持部材としてのギアケース10のスラスト軸受部58が第2ギアの第2ウォームギア28の回転軸54の両端球凸部55のスラスト力を受け、第1ギアのヘリカルギア27と第2ギアの第2ウォームギア28とがスラスト方向において非当接状態である。すなわち、図15に示すように、前記ヘリカルギア27の軸部49の端面と前記第2ウォームギア28の段部(軸部56と接触部57との間の段部)との間には、隙間Sが開いている。この結果、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、ミラーアセンブリ2を介してミラー5が車体(ドア)に対して回転する際に、第2ウォームギア28にスラスト力が作用しても、この第2ウォームギア28のスラスト力がヘリカルギア27に影響を与えるようなことがない。これにより、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、ミラーアセンブリ2( ミラー5)がスムーズにかつ確実に回転することができ、ヘリカルギア27の強度を低下させることができその分製造コストを安価にすることができ、さらに、ヘリカルギア27の耐久性能を向上させることができる。特に、第2ウォームギア28からの入力の力が大きい場合には、上記の効果は大きい。
【0052】
また、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、ヘリカルギア27の透孔51の内面が中間から両端にかけて末広がり形状をなしているので、ヘリカルギア27または第2ウォームギア28が回転中心に対して傾いても第2ウォームギア28またはヘリカルギア27に影響を与えるようなことがなく、騒音防止となり、耐久性能が向上される。しかも、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、ヘリカルギア27の透孔51の内面が中間から両端にかけて末広がり形状をなしているので、ヘリカルギア27の透孔51中に第2ウォームギア28の回転軸54を挿入し易く、ヘリカルギア27と第2ウォームギア28との組付が容易であり、組付作業が向上される。
【0053】
さらに、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、一部非円形のヘリカルギア27の接触部52と第2ウォームギア28の接触部57との間にヘリカルギア27と第2ウォームギア28とが一体に回転することができる程度の若干の隙間を設けることにより、ヘリカルギア27と第2ウォームギア28とが相互に位置規制されていないこととなる。これにより、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、第2ウォームギア28のラジアル力がヘリカルギア27に影響を与えることがない。しかも、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、ヘリカルギア27の透孔51と第2ウォームギア28の回転軸54との嵌合寸法精度が高精度である必要がない。この結果、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、寸法玉成が必要なくその分製造コストを安価にすることができる。
【0054】
さらにまた、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、1個の軸受部材としてのプレート11に一対の軸受部34が一体に設けられており、一方、回転力伝達機構の少なくとも1個のギアとしての第1ウォームギア26がギア部41と軸部としてのピン42とから構成されている。このために、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、一対の軸受部34の間にギア部41をセットし、この一対の軸受部34およびギア部41にピン42を回転可能に挿入しおよび圧入固定することにより、ギア部41とピン42とから第1ウォームギア26が構成され、かつ、この第1ウォームギア26が1個のプレート11の一対の軸受部34に回転可能に軸受けされることとなる。この結果、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、第1ウォームギア26の回転中心軸の軸出しが正確に行われるので、第1ウォームギア26の回転ブレや傾きなどを確実に防止することができる。これにより、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、作動音が小さくなって商品価値が向上され、かつ、耐久性能が向上される。しかも、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、第1ウォームギア26と1個のプレート11とをサブアセンブリすることができるので、回転力伝達機構の減速機構14と保持部材のギアケース10およびプレート11とを組み付ける作業性が向上する。
【0055】
さらにまた、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、1個のプレート11に一対の弾性軸受部35が一体に設けられており、一方、回転力伝達機構の少なくとも1個のギアとしてのヘリカルギア27がギア部48と軸部49とから構成されている。このために、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、ギア部48を一対の弾性軸受部35の間にセットするとともに軸部49を一対の弾性軸受部35に回転可能に弾性挟持することにより、ギア部48と軸部49とから構成されているヘリカルギア27が1個のプレート11の一対の弾性軸受部35に回転可能に軸受けされることとなる。この結果、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、ヘリカルギア27の回転中心軸の軸出しが正確に行われるので、ヘリカルギア27の回転ブレや傾きなどを確実に防止することができる。これにより、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、作動音が小さくなって商品価値が向上され、かつ、耐久性能が向上される。しかも、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、ヘリカルギア27と1個のプレート11とをサブアセンブリすることができるので、回転力伝達機構の減速機構14と保持部材のギアケース10およびプレート11とを組み付ける作業性が向上する。
【0056】
さらにまた、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、第1ウォームギア26とこの第1ウォームギア26と噛み合うヘリカルギア27とが1個のプレート11の一対の軸受部34と一対の弾性軸受部35とにそれぞれ回転可能に軸受けされるので、第1ウォームギア26とヘリカルギア27との回転中心軸の軸出しが正確に行われるので、第1ウォームギア26とヘリカルギア27との回転ブレや傾きなどを確実に防止することができる。これにより、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、第1ウォームギア26とヘリカルギア27との軸間ピッチが安定するので、作動音が小さくなって商品価値が向上され、かつ、耐久性能が向上される。しかも、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、第1ウォームギア26およびこの第1ウォームギア26と噛み合うヘリカルギア27と1個のプレート11とをサブアセンブリすることができるので、回転力伝達機構の減速機構14と保持部材のギアケース10およびプレート11とを組み付ける作業性が向上する。
【0057】
さらにまた、この実施例における電動格納式ドアミラー装置1は、保持部材の寸法精度管理や玉成がプレート11の1個の部品で行われるので、部品の寸法精度管理や玉成などの費用を低減することができ、かつ、製品化の日程の短縮化を図ることができる。
【0058】
なお、上記の実施例においては、電動格納式のドアミラー装置について説明するものである。ところが、この発明においては、電動格納式のドアミラー装置以外の車両用ミラー装置にも適用できる。たとえば、車両用フェンダミラー装置などの車両用アウトサイドミラー装置、および、車両用室内ミラー装置などの車両用インサイドミラー装置に適用することができる。
【0059】
また、上記の実施例においては、第2ギアの第2ウォームギア28の回転軸54の両端球凸部55を保持部材のギアケース10のスラスト軸受部58にスラスト軸受けさせるものである。ところが、この発明においては、第1ギアのヘリカルギア27の回転軸(軸部49)の両端を保持部材のスラスト軸受部にスラスト軸受けさせても良いし、第1ギアおよび第2ギア双方の回転軸の両端を保持部材のスラスト軸受部にスラスト軸受けさせても良い。
【0060】
さらに、上記の実施例においては、第1ギアのヘリカルギア27に内面が中間から両端にかけて末広がり形状をなしている透孔51を設け、第2ギアの第2ウォームギア28に透孔51中に挿入される回転軸54を設けるものである。ところが、この発明においては、その逆に、第2ギアに内面が中間から両端にかけて末広がり形状をなしている透孔を設け、第1ギアに透孔中に挿入される回転軸を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明にかかる車両用ミラー装置の実施例を示し、一部を破断した平面図である。
【図2】同じく、要部の電動格納ユニットの分解斜視図である。
【図3】同じく、ウォームギアとしての第1ウォームギアのギア部を示す説明図である。
【図4】同じく、ウォームギアとしての第1ウォームギアの軸部としてのピンを示す説明図である。
【図5】同じく、ギアまたは第1ギアとしてのヘリカルギアを示す説明図である。
【図6】同じく、第2ギアとしての第2ウォームギアを示す説明図である。
【図7】同じく、保持部材としてのプレートの仮止め部に第1ウォームギアのギア部を仮止めさせる状態を示す説明図である。
【図8】同じく、プレートの一対の軸受部と仮止めされているギア部とに第1ウォームギアの軸部としてのピンを挿入圧入させる状態を示す説明図である。
【図9】同じく、サブアセンブリされたプレートおよび第1ウォームギアおよびヘリカルギアおよび第2ウォームギアを保持部材としてのギアケース中に収納させる状態を示す説明図である。
【図10】同じく、回転力伝達機構としての減速機構の第1ウォームギアおよびヘリカルギアおよび第2ウォームギアがギアケースおよびプレートにより区画されている収納部中に収納されている状態を示す説明図である。
【図11】同じく、保持部材としてのプレートの一対の弾性軸受部にギアまたは第1ギアとしてのヘリカルギアをセットさせる状態を示す説明図である。
【図12】同じく、ヘリカルギアの進入に伴ってプレートの一対の弾性軸受部が外側に開いて弾性変形している状態を示す説明図である。
【図13】同じく、一対の弾性軸受部に軸受けされているヘリカルギアの透孔中に第2ギアとしての第2ウォームギアの回転軸を挿入させる状態を示す説明図である。
【図14】同じく、サブアセンブリされたプレートおよび第1ウォームギアおよびヘリカルギアおよび第2ウォームギアを保持部材としてのギアケース中に収納させる状態を示す説明図である。
【図15】同じく、回転力伝達機構としての減速機構の第1ウォームギアおよびヘリカルギアおよび第2ウォームギアがギアケースおよびプレートにより区画されている収納部中に収納されている状態を示す説明図である。
【図16】同じく、ヘリカルギアに対して第2ウォームギアが傾いている状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1 電動格納式ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
2 ミラーアセンブリ
3 電動格納ユニット(回転駆動ユニット)
4 シャフト
5 ミラー
6 取付部材
7 フランジ
8 シャフトホルダ
9 ミラーベース
10 ギアケース(保持部材)
11 プレート(1個の軸受部材、保持部材)
12 カバー(保持部材)
13 モータ
14 減速機構(回転力伝達機構)
15 クラッチ機構(回転力伝達機構)
16 収納部
17 ボール
18 ワッシャー
19 透孔
20 モータ収納取付部
21 収納部
22 ジョイント
23 基板取付片
24 基板
25 ハーネス挿通筒部
26 第1ウォームギア(ウォームギア)
27 ヘリカルギア(ギア、第1ギア)
28 第2ウォームギア(第2ギア)
29 クラッチギア
30 クラッチホルダ
31 スプリング
32 プッシュナット
33 ワッシャー
34 一対の軸受部
35 一対の弾性軸受部
36 透孔
37 仮止め部
38 開口部
39 透孔
40 傾斜面
41 ギア部
42 ピン(軸部)
43 孔
44 連結部
45 支持部
46 固定部
47 軸部
48 ギア部
49 軸部
50 段部
51 透孔
52 接触部
53 ギア部
54 回転軸
55 球凸部(両端)
56 軸部
57 接触部
58 スラスト軸受部
59 ガイド溝
60 ラジアル軸受部
61 ラジアル軸受部
62 受部
63 溝部
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラーが車体に対して回転可能である車両用ミラー装置において、
保持部材と、
前記保持部材に回転可能に保持されている第1ギアと、
前記保持部材に回転可能に保持されており、前記第1ギアに傾倒可能に連結されており、前記第1ギアと一体に回転する第2ギアと、
を備え、
前記保持部材には、前記第1ギアと前記第2ギアのうち少なくともいずれか一方の回転軸の両端のスラスト力を受ける軸受部が設けられており、前記第1ギアと前記第2ギアとは、スラスト方向において非当接状態である、ことを特徴とする車両用ミラー装置。
【請求項2】
ミラーが車体に対して回転可能である車両用ミラー装置において、
前記車体に固定されるシャフトと、
前記シャフトに回転可能に取り付けられている回転駆動ユニットと、
前記ミラーを有し、かつ、前記回転駆動ユニットに取り付けられているミラーアセンブリと、
を備え、
前記回転駆動ユニットは、
前記シャフトに回転可能に取り付けられており、かつ、前記ミラーアセンブリが取り付けられている保持部材と、
前記保持部材に取り付けられているモータと、
前記モータと前記シャフトとの間に設けられていて前記モータを駆動させることにより前記ミラーアセンブリを前記シャフトに対して回転させる回転力伝達機構と、
から構成されており、
前記回転力伝達機構は、前記保持部材に回転可能に保持されている第1ギアと、前記保持部材に回転可能に保持されており、前記第1ギアに傾倒可能に連結されており、前記第1ギアと一体に回転する第2ギアと、を有し、
前記保持部材には、前記第1ギアと前記第2ギアのうち少なくともいずれか一方の回転軸の両端のスラスト力を受ける軸受部が設けられており、前記第1ギアと前記第2ギアとは、スラスト方向において非当接状態である、ことを特徴とする車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記第1ギアと前記第2ギアのいずれか一方のギアには、透孔が回転中心方向に設けられており、他方のギアには、前記透孔中に挿入されている回転軸が設けられており、前記透孔のほぼ中間の内面と前記回転軸の外面とには、前記第1ギアと前記第2ギアとが一体に回転するように少なくとも一部非円形をなす接触部がそれぞれ設けられており、前記透孔の内面は、前記第2ギアが前記第1ギアに傾倒可能に連結されるように、中間から両端にかけて末広がり形状をなしている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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