説明

車両用ワイパ及びワイパブレード

【課題】ウォッシャノズルを備える車両用ワイパにおいて、スプレーアウトの発生を抑え、払拭面に的確に洗浄液を供給する。
【解決手段】ウォッシャノズル21がワイパブレード13の幅方向中心線L0よりオープン払拭動作時の進行方向側に配置され、そのワイパブレード13の幅方向中心線L0と平行で噴射孔21aを通る直線L1よりも前記中心線L0側に向けて噴射孔21aの噴射方向が設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、払拭面に対して洗浄液を噴射するウォッシャノズルを備えた車両用ワイパ及びワイパブレードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
晴天時、即ち雨滴のない状態で自動車のフロントガラス(ウインドシールドガラス)に泥跳ね等の汚れが生じた場合に、ウォッシャ装置を作動させてガラス払拭面に洗浄液を噴射しつつワイパを作動させ、洗浄液が供給された払拭面をワイパブレードにて払拭することで汚れを落とすことができるようになっている。その際、洗浄液を払拭面に確実に着水させるのが好ましく、例えば特許文献1では、ウォッシャノズル(文献中、洗浄液噴射管)をワイパブレードに装着し、払拭面に向けて至近距離から洗浄液を噴射するものが知られている。
【0003】
ここで、ワイパブレードは所定角度範囲で往復払拭動作が行われるものであり、詳しくは、フロントガラス下端において車幅方向と略平行な方向に設定される停止位置を兼ねた下反転位置と、車幅方向と略直交する方向に設定された上反転位置との間で往復払拭動作が行われている。特許文献1においては、下反転位置から上反転位置に向かうオープン払拭時(アップ運動時)と、上反転位置から下反転位置に向かうクローズ払拭時(ダウン運動時)とのいずれにおいても、ワイパブレードの進行方向側に位置するウォッシャノズルから洗浄液を噴射するようになっている。
【特許文献1】実開昭50−104333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フロントガラスを払拭するワイパは一般に2本であり、上反転位置がフロントガラス側縁(車両ボディのAピラー)近傍に配置される側のワイパでは、オープン払拭時に噴射される洗浄液の一部が例えば走行風に流されることでフロントガラス側縁から外れる、所謂スプレーアウトが発生する場合がある。このスプレーアウトが発生すると、その分の洗浄液が無駄であり、場合によってはスプレーアウトした洗浄液が歩行者等に跳ねかけてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ウォッシャノズルを備える車両用ワイパ及びワイパブレードにおいて、スプレーアウトの発生を抑え、払拭面に的確に洗浄液を供給することができる車両用ワイパ及びワイパブレードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両ピボット軸に固定され、該ピボット軸の作動に伴い往復回動するワイパアームと、前記ワイパアームの先端部に連結され、前記往復回動に伴い払拭面を往復払拭するワイパブレードと、前記ワイパアーム及び前記ワイパブレードの少なくとも一方において前記ワイパブレードの幅方向中心線より払拭方向一方側に配置され、前記払拭面に洗浄液を噴射するウォッシャノズルとを備えてなる車両用ワイパであって、前記ウォッシャノズルは、前記ワイパブレードの幅方向中心線と平行で噴射孔を通る直線よりも前記中心線側に向けて前記噴射孔の噴射方向が設定されていることをその要旨とする。
【0007】
この発明では、ウォッシャノズルは、ワイパアーム及びワイパブレードの少なくとも一方においてワイパブレードの幅方向中心線より払拭方向一方側に配置され、ワイパブレードの幅方向中心線と平行で噴射孔を通る直線よりも前記中心線側に向けて噴射孔の噴射方向が設定される。つまり、ウォッシャノズルの噴射孔から噴射される洗浄液のワイパブレードから離れる方向への飛散が抑えられる。これにより、例えば自動車のフロントガラス側縁近傍にワイパブレードが配置される状態で洗浄液の噴射が実施されても、フロントガラス側縁から外れるスプレーアウトの発生を抑えることができ、払拭面に的確に洗浄液を供給できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ワイパにおいて、前記ウォッシャノズルは、長手方向中央部に配置され、前記噴射孔の噴射方向は、少なくとも前記ワイパブレードの長手方向両側に向けて設定されていることをその要旨とする。
【0009】
この発明では、ウォッシャノズルが長手方向中央部に配置されるとともに、噴射孔の噴射方向が少なくともワイパブレードの長手方向両側に向けて設定される。これにより、洗浄液はワイパブレードの幅方向中心線であって、しかもワイパブレードの長手方向への洗浄液の好適な分配が可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用ワイパにおいて、前記ワイパブレードは、前記払拭面に対して接触し前記払拭面を払拭するためのブレードラバーを備えており、前記ウォッシャノズルは、前記ブレードラバーに向けて前記噴射孔の噴射方向が設定されていることをその要旨とする。
【0011】
この発明では、ウォッシャノズルは、払拭面を払拭するためのブレードラバーに向けて噴射孔の噴射方向が設定される。これにより、洗浄液がブレードラバーに直接若しくは極めて近傍位置に供給されるため、ブレードラバーにて払拭される払拭面上を迅速にウェットな状態にでき、ドライで払拭させることによるブレードラバーの傷みを軽減できる。また、洗浄液がブレードラバーに直接若しくは極めて近傍位置に供給されることから、上記した洗浄液のスプレーアウトの発生がより一層抑えられる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパにおいて、前記ワイパブレードは、その長手方向が車幅方向に沿った姿勢となる下反転位置から前記払拭面の幅方向側縁に沿った姿勢となる上反転位置との間を払拭するものであり、前記ウォッシャノズルは、前記ワイパブレードの幅方向中心線に対して前記上反転位置側に設定された前記噴射孔から前記洗浄液を直線状に集中させたジェット流にて噴射するジェットノズルで構成されていることをその要旨とする。
【0013】
この発明では、ワイパブレードの幅方向中心線に対して上反転位置側に設定されたジェットノズルの噴射孔から洗浄液を直線状に集中させたジェット流にて噴射することにより、走行風の影響を受け難い指向性を持った噴射となるため、ワイパブレードが上反転位置の近傍に位置しているときに洗浄液を噴射しても払拭面側方にスプレーアウトして洗浄液を無駄に消費してしまうことをより一層防止できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、ワイパアームの先端部に連結され、該アームの往復回動に伴い払拭面を往復払拭するとともに、幅方向中心線より払拭方向一方側に配置され、前記払拭面に洗浄液を噴射するウォッシャノズルを備えてなるワイパブレードであって、前記ウォッシャノズルは、前記幅方向中心線と平行で噴射孔を通る直線よりも前記中心線側に向けて前記噴射孔の噴射方向が設定されていることをその要旨とする。
【0015】
この発明では、ウォッシャノズルは、ワイパブレードにおいてその幅方向中心線より払拭方向一方側に配置され、ワイパブレードの幅方向中心線と平行で噴射孔を通る直線よりも前記中心線側に向けて噴射孔の噴射方向が設定される。つまり、ウォッシャノズルの噴射孔から噴射される洗浄液のワイパブレードから離れる方向への飛散が抑えられる。これにより、例えば自動車のフロントガラス側縁近傍にワイパブレードが配置される状態で噴射が実施されても、フロントガラス側縁から外れるスプレーアウトの発生を抑えることができ、払拭面に的確に洗浄液を供給できる。
【発明の効果】
【0016】
従って、上記記載の発明によれば、ウォッシャノズルを備える車両用ワイパ及びワイパブレードにおいて、スプレーアウトの発生を抑え、払拭面に的確に洗浄液を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1及び図2は、自動車のフロントガラス1の払拭面1aに付着した汚れや雨滴等を払拭する一対の車両用ワイパ11a,11bを示す。車両用ワイパ11a,11bは、それぞれピボット軸2に基端部が固定されるワイパアーム12と、払拭面1aの湾曲形状に追従して回動するようにワイパアーム12の先端部に回動可能に連結されるワイパブレード13とを備えてなる。車両用ワイパ11a,11bは、ワイパモータ3の駆動によるピボット軸2、即ちワイパアーム12の往復回動に伴って、ワイパブレード13が払拭面1aの往復払拭動作を行うようになっている。
【0018】
ワイパブレード13は、図1〜図4に示すように、ワイパアーム12と連結されるレバー部材14にて長尺のブレードラバー15を保持し、そのレバー部材14がカバー部材16にて覆われて構成されている。このレバー部材14は、複数のレバーがトーナメント状に連結されて構成されたものである。レバー部材14にて保持されるブレードラバー15には長手方向に沿って一対のバッキング17が装着されており、そのバッキング17にてレバー部材14から受けるワイパアーム12からの払拭面1a側への押圧力がブレードラバー15の長手方向に分散されてブレードラバー15が払拭面1aに対して接触する。カバー部材16は、所定の剛性を有する樹脂製であり、レバー部材14を覆うとともにブレードラバー15の長手方向両端部まで延びるように設けられる。このカバー部材16は、長手方向中央部に位置するセンターカバー部16aと、そのセンターカバー部16aの両側に配置され基端部がレバー部材14に回動可能に連結される一対のサイドカバー部16bとから構成されている。
【0019】
また、本実施の形態の車両用ワイパ11a,11bのそれぞれには、払拭面1aに向けて洗浄液Wを噴射する第1〜第3ウォッシャノズル21〜23がワイパアーム12に備えられている。第1ウォッシャノズル21は、洗浄液Wを直線状に集中させたジェット流にて噴射するジェットノズルで構成され、第2及び第3ウォッシャノズル22,23は、洗浄液Wを主としてワイパブレード13の長手方向の所定領域に拡散させて噴射する拡散ノズルで構成されている。
【0020】
第1及び第2ウォッシャノズル21,22は、装着部材20に取り付けられ、その装着部材20を介してワイパアーム12の先端部に着脱可能に装着されている。装着部材20は、ワイパアーム12の先端部側縁にそれぞれ係止する一対の係止爪20aが設けられ、各係止爪20aがワイパアーム12の先端部側縁に係止することで着脱可能に装着される。この装着部材20にて装着される第1及び第2ウォッシャノズル21,22は、ワイパブレード13の長手方向略中央に位置する。また、第3ウォッシャノズル23は、ワイパアーム12の長手方向中央部に装着されている。これら第1〜第3ウォッシャノズル21〜23はウォッシャホース24に接続され、図示しないウォッシャタンク側から洗浄液Wが圧送される。
【0021】
ここで、ワイパブレード13は、フロントガラス1の下端1xにおいて車幅方向と略平行な方向に設定される(車幅方向に沿った姿勢となる)停止位置兼下反転位置P1と、車幅方向と略直交する方向に設定された(フロントガラス1の側縁1yに沿った姿勢となる)上反転位置P2とをその端位置とした所定角度範囲で往復払拭動作が行われる。この場合、ワイパブレード13が下反転位置P1から上反転位置P2に向かう払拭方向をオープン払拭方向A1とし、上反転位置P2から下反転位置P1に向かう払拭方向をクローズ払拭方向A2とする。
【0022】
第1ウォッシャノズル21は、ワイパブレード13の幅方向中心線(ブレードラバー15の払拭面1aとの当接部分)L0より所定寸法だけオープン払拭方向A1側(オープン払拭動作時の進行方向側)に位置し、第2ウォッシャノズル22は、その中心線L0より所定寸法だけクローズ払拭方向A2側(クローズ払拭動作時の進行方向側)に位置している。ワイパアーム12の中央部に装着される第3ウォッシャノズル23も同様に、ワイパブレード13の中心線L0より所定寸法だけクローズ払拭方向A2側(クローズ払拭動作時の進行方向側)に位置している。そして、ワイパブレード13の払拭方向A1へのオープン払拭動作時には、その払拭軌跡上に着水するように第1ウォッシャノズル21から洗浄液Wのジェット噴射がなされ、ワイパブレード13の払拭方向A2へのクローズ払拭動作時には、その払拭軌跡上に着水するように第2及び第3ウォッシャノズル22,23から図示しないが洗浄液Wの拡散噴射がなされる。つまり、往復払拭動作を行うワイパブレード13において、常にその進行方向側に洗浄液Wが供給されるようになっている。
【0023】
また、第1ウォッシャノズル21について詳述すると、洗浄液Wの噴射をブレードラバー15の長手方向両側に向けて実施すべく、該ノズル21の同方向両端部にそれぞれに噴射孔21aが設けられている。各噴射孔21aは、ワイパブレード13の幅方向中心線L0と平行な直線L1上に位置しており、本実施の形態では噴射孔21aの開口方向をその直線L1よりも内側(ワイパブレード13の幅方向中心線L0側)に向くように設定されている。つまり、図2のワイパブレード13の平面視、及び図4のワイパブレード13の側方視の両方において、噴射孔21aからワイパブレード13の幅方向中心線L0側に向けられてブレードラバー15の近傍位置に洗浄液Wが噴射される。
【0024】
従って、特に上反転位置P2がフロントガラス1の幅方向側縁1y、即ち車両ボディのAピラーX近傍に配置される側のワイパ11aでは、ワイパブレード13のオープン払拭動作時に第1ウォッシャノズル21から洗浄液Wが噴射されつつ上反転位置P2に近接しても、噴射孔21aから洗浄液Wがワイパブレード13の幅方向中心線L0側に向けて噴射されるため、ワイパブレード13から離れる方向への洗浄液Wの飛散が抑えられ、フロントガラス1の側縁1yから外れるスプレーアウトの発生が抑えられる構成となっている。
【0025】
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施の形態では、ワイパブレード13の幅方向中心線L0よりオープン払拭動作時の進行方向側に第1ウォッシャノズル21が配置され、そのワイパブレード13の幅方向中心線L0と平行で噴射孔21aを通る直線L1よりも前記中心線L0側に向けて噴射孔21aの噴射方向が設定されている。つまり、この第1ウォッシャノズル21の噴射孔21aから噴射される洗浄液Wのワイパブレード13から離れる方向への飛散を抑えることができる。これにより、ワイパ11aのようにフロントガラス1の側縁1y近傍にワイパブレード13が配置される状態で洗浄液Wの噴射が実施されても、フロントガラス1の側縁1yから外れるスプレーアウトの発生を抑えることができ、払拭面1aに的確に洗浄液を供給することができる。
【0026】
(2)本実施の形態の第1ウォッシャノズル21は、長手方向中央部に配置されるとともに、噴射孔21aの噴射方向がワイパブレード13の長手方向両側に向けて設定されている。これにより、洗浄液Wはワイパブレード13の幅方向中心線L0であって、しかもワイパブレード13の長手方向への洗浄液Wを好適に分配することができる。
【0027】
(3)本実施の形態の第1ウォッシャノズル21は、洗浄液Wを直線状に集中させたジェット流にて噴射するジェットノズルで構成されている。つまり、このようにジェット式の第1ウォッシャノズル21の噴射孔21aから洗浄液Wを直線状のジェット流にて噴射することにより、走行風の影響を受け難い指向性を持った噴射となるため、狙った払拭面1a上の着水点に的確に洗浄液Wを供給することができ、ワイパブレード13が上反転位置P2の近傍に位置しているときに洗浄液Wを噴射しても払拭面1a側方にスプレーアウトして洗浄液Wを無駄に消費してしまうことをより一層防止することができる。
【0028】
(4)本実施の形態では、ワイパブレード13の幅方向中心線L0よりオープン払拭動作時の進行方向側に第1ウォッシャノズル21を配置することに加え、それとは反対のクローズ払拭動作時の進行方向側に第2及び第3ウォッシャノズル22,23が配置されている。これにより、ワイパブレード13の往復払拭動作のいずれの方向への動作中においても払拭面1aに洗浄液Wを供給できるため、払拭面1aに十分な洗浄液Wを短時間で供給することができる。
【0029】
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、第1ウォッシャノズル21をジェットノズルで構成したが、洗浄液Wを例えばワイパブレード13の長手方向の所定領域に拡散させて噴射する拡散ノズルで構成してもよい。このように拡散ノズルとした場合では、洗浄液Wが所定領域に拡散されて払拭面1aに供給できるため、拡散方向を長手方向とすれば、少ない数のウォッシャノズル、若しくは少ない数の噴射孔でワイパブレード13の長手方向に亘って洗浄液Wを供給することができる。また、第2及び第3ウォッシャノズル22,23を拡散ノズルから例えばジェットノズルに変更してもよい。また、第1〜第3ウォッシャノズル21〜23の全部をジェットノズル、若しくは拡散ノズルとしてもよい。
【0030】
・上記実施の形態の第1〜第3ウォッシャノズル21〜23の配置位置を、適宜変更してもよい。例えば、第1ウォッシャノズル21をワイパブレード13の長手方向中央部から端部側に離間させて配置してもよい。この場合、ワイパブレード13の長手方向両側に向けて設定される噴射孔21aの噴射方向や孔の数を適宜変更して対応する。また、第1ウォッシャノズル21に合わせて第2ウォッシャノズル22をワイパブレード13の長手方向中央部から離間させて配置してもよい。
【0031】
・上記実施の形態では、第1〜第3ウォッシャノズル21〜23といった3つのウォッシャノズルを用いたが、ウォッシャノズルの数はこれに限らない。例えば、ワイパアーム12の途中に配置した第3ウォッシャノズル23を省略し、ワイパブレード13の長手方向中央部に位置する第1及び第2ウォッシャノズル21,22のみとしてもよい。また、ウォッシャノズルの数を1つとしてもよく、この場合、停止位置である下反転位置P1からオープン払拭動作が開始されるのを考慮し、ワイパブレード13の幅方向中心線L0よりオープン払拭動作時の進行方向側に少なくとも配置するのが好ましい。
【0032】
・上記実施の形態では、第1ウォッシャノズル21から噴射される洗浄液Wの着水点をブレードラバー15から若干離間した位置となるように噴射孔21aの噴射方向としたが、例えば図5に示すように、ブレードラバー15に向けて噴射孔21aの噴射方向を設定してもよい。これにより、洗浄液Wがブレードラバー15に直接若しくは極めて近傍位置に供給されるため、ブレードラバー15にて払拭される払拭面1a上を迅速にウェットな状態にでき、ドライで払拭させることによるブレードラバー15の傷みを軽減することができる。また、洗浄液Wがブレードラバー15に直接若しくは極めて近傍位置に供給されることから、上記した洗浄液Wのスプレーアウトの発生をより一層抑えることができる。
【0033】
・上記実施の形態では、ウォッシャノズル21〜23をワイパアーム12側に装備したが、ワイパブレード13側に装備させてもよい。また、ワイパアーム12とワイパブレード13の両者にウォッシャノズルを装備させてもよい。
【0034】
・上記実施の形態のワイパブレード13は、ブレードラバー15をレバー部材14で保持し、そのレバー部材14をカバー部材16にて覆う構成としたものであるが、これに限定されるものではない。例えば、カバー部材16を省略した構成のものであってもよい。また、複数のレバーにてトーナメント状に連結したレバー部材14を用いているが、例えば単一のレバー部材でブレードラバー15を保持する構成のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施の形態の車両用ワイパの車両への取付状態を示す概略構成図である。
【図2】本実施の形態のワイパの平面図である。
【図3】本実施の形態のワイパブレードの断面図である。
【図4】本実施の形態のワイパブレードの断面図である。
【図5】別例のワイパブレードの断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1a…払拭面、1y…側縁、2…ピボット軸、12…ワイパアーム、13…ワイパブレード、15…ブレードラバー、21…ウォッシャノズルとしての第1ウォッシャノズル、21a…噴射孔、W…洗浄液、L0…幅方向中心線、L1…直線、P1…下反転位置、P2…上反転位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ピボット軸に固定され、該ピボット軸の作動に伴い往復回動するワイパアームと、
前記ワイパアームの先端部に連結され、前記往復回動に伴い払拭面を往復払拭するワイパブレードと、
前記ワイパアーム及び前記ワイパブレードの少なくとも一方において前記ワイパブレードの幅方向中心線より払拭方向一方側に配置され、前記払拭面に洗浄液を噴射するウォッシャノズルと
を備えてなる車両用ワイパであって、
前記ウォッシャノズルは、前記ワイパブレードの幅方向中心線と平行で噴射孔を通る直線よりも前記中心線側に向けて前記噴射孔の噴射方向が設定されていることを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ワイパにおいて、
前記ウォッシャノズルは、長手方向中央部に配置され、前記噴射孔の噴射方向は、少なくとも前記ワイパブレードの長手方向両側に向けて設定されていることを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用ワイパにおいて、
前記ワイパブレードは、前記払拭面に対して接触し前記払拭面を払拭するためのブレードラバーを備えており、
前記ウォッシャノズルは、前記ブレードラバーに向けて前記噴射孔の噴射方向が設定されていることを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパにおいて、
前記ワイパブレードは、その長手方向が車幅方向に沿った姿勢となる下反転位置から前記払拭面の幅方向側縁に沿った姿勢となる上反転位置との間を払拭するものであり、
前記ウォッシャノズルは、前記ワイパブレードの幅方向中心線に対して前記上反転位置側に設定された前記噴射孔から前記洗浄液を直線状に集中させたジェット流にて噴射するジェットノズルで構成されていることを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項5】
ワイパアームの先端部に連結され、該アームの往復回動に伴い払拭面を往復払拭するとともに、幅方向中心線より払拭方向一方側に配置され、前記払拭面に洗浄液を噴射するウォッシャノズルを備えてなるワイパブレードであって、
前記ウォッシャノズルは、前記幅方向中心線と平行で噴射孔を通る直線よりも前記中心線側に向けて前記噴射孔の噴射方向が設定されていることを特徴とするワイパブレード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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