車両用内装部品
【課題】 本発明は、ホーンが進入する際の負荷を低減し、溶着速度を向上させる車両用内装部品を提供することを目的とする。
【解決手段】 溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように溝部が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
【解決手段】 溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように溝部が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波溶着方法で接合する車両用内装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の乗員室に装着される車両用内装部品は、様々な方法で内装部品同士やパネルに固定されており、一つの方法として超音波溶着方法が採用されている。
【0003】
図1は、従来のプルハンドル1を示す斜視図である。図2は、取付座2と孔部6を示す模式図である。プルハンドル1は取付座2、リブ3、凹部4などからなっており、取付座2とリブ3でドアトリム本体に固定されている。プルハンドル1はA方向に移動する金型とB方向に移動する金型により形成されているため、取付座2は容易に脱型できるようにテーパー形状となっている。また、取付座2にはC方向への金型のスライドで形成される孔部6が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−224012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
次に従来の問題点について説明する。図3(A)は、プルハンドル1をドアトリム本体10に超音波溶着する前の状態を示す図である。図3(B)はプルハンドル1をドアトリム本体10に超音波溶着した時の状態を示す図である。図3(A)に示すようにドアトリム本体10にはボス11が立設されている。
【0006】
プルハンドル1をドアトリム本体10に取り付ける際は、図3(A)に示すように、取付座2にボス11の基部11aが当接するまで孔部6にボス11を挿入する。次に、超音波溶着機のホーン20をボス11の端部11bに当ててE方向に動かしてプレスし、所定の振動を与えて図3(B)に示すようにボス11の端部11bを溶融し、溶着カシメ加工を行っている。
【0007】
しかしながら、上記の従来技術に係るプルハンドル1においては、溶着強度を得るためにダブルマウント構造を取付座2に形成する必要があるが、取付座2がテーパー形状となっているためにホーン20を取付座2のテーパー面2aにαほど食い込ませる必要がある。これにより、ホーン20を取付座2にα寸法ほど食い込ませるための負荷がかかり、溶着スピードが低下していた。また、テーパー面2aの抜き角度θが大きくなればなるほどα寸法を大きくする必要があるが、α寸法が大きくなればなるほど、ホーン20を食い込ませるための抵抗が増えていくため、ホーン20の進入速度が低下して作業時間が増していた。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、ホーンが進入する際の負荷を低減し、溶着速度を向上させる車両用内装部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用内装部品は、溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように溝部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、超音波溶着用ホーンには取付座の溝部以外の領域が接触するため、超音波溶着用ホーンの接触面積が減って超音波溶着用ホーンが進入する際の負荷を低減することができる。これにより溶着速度を向上させることができるため、作業速度の低下を軽減することが出来る。
【0011】
本発明に係る車両用内装部品は、溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように突出部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、超音波溶着用ホーンには取付座の突出部が接触するため、超音波溶着用ホーンの接触面積が減って超音波溶着用ホーンが進入する際の負荷を低減することができる。これにより溶着速度を向上させることができるため、作業速度の低下を軽減することが出来る。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る車両用内装部品によれば、ホーンが進入する際の負荷を低減し、溶着速度を向上させる車両用内装部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来のプルハンドルを示す斜視図である。
【図2】取付座と孔部を示す模式図である。
【図3】従来の問題点を説明する図であって(A)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着する前の状態を示す図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示す図である。
【図4】本発明に係るドアトリム本体とプルハンドルの取り付け状態を示す模式図である。
【図5】本発明に係るプルハンドルを示す斜視図である。
【図6】(A)取付座を示す平面図である。(B)取付座を示す斜視図である。
【図7】(A)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着する前の状態を示すF−F断面図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示すG−G断面図である。
【図8】(A)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着する前の状態を示すG−G断面図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示すG−G断面図である。
【図9】(A)本発明の変形例1にかかる取付座を示す平面図である。(B)取付座を示す斜視図である。
【図10】(A)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示すI−I断面図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示すJ−J断面図である。
【図11】(A)本発明の変形例2にかかるプルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示す断面図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図4は、本実施態様に係る車両用内装部品としてのドアトリムDを構成する第1の内装部品であるドアトリム本体60と第2の内装部品であるプルハンドル51の取り付け状態を示す模式図である。図4に示すように、プルハンドル51はドアトリム本体60のアームレスト60aに固定されている。ドアトリム本体60は、汎用の熱可塑性樹脂が使用でき、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用できる。また、この熱可塑性樹脂中に適宜フィラー、例えばガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維や、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等の充填剤が混入されていても良い。そして、ドアトリム本体60は、モールドプレス成形、射出成形等により所望の形状に成形される。プルハンドル51も、上記のような汎用の熱可塑性樹脂等を使用しても良いし、金属など他の材料を使用しても良い。
【0017】
図5は本発明に係るプルハンドルを示す斜視図である。プルハンドル51は取付座52、リブ53、凹部54などからなっており、取付座52とリブ53でドアトリム本体60に固定されている。プルハンドル51はAA方向に移動する金型とBB方向に移動する金型により形成されているため、取付座52は容易に脱型できるようにテーパー形状となっている。また、取付座52にはCC方向への金型のスライドで形成される孔部56が設けられており、3本の溝部が設けられている。
【0018】
図6(A)は取付座52を示す平面図であり、図6(B)は取付座52を示す斜視図である。図6(A)及び図6(B)に示すように、ボス61に固定される取付座52は図5におけるBB方向へ移動する金型で形成される。そのため取付座52は、脱型を容易にするためにテーパー形状となっている。また、取付座52には孔部56の周辺部に超音波溶着用のホーン70(図7(A)参照)の接触面積が少なくなるように3本の溝部53A、53B、53Cが形成されている。これらの溝部53A、53B、53Cは、BB方向に移動する金型により形成されているため、BB方向と平行に形成されている。
【0019】
また、ここではテーパー面52a側に孔部56にかかるように溝部53A、53B、53Cを設けており、溝部53A、53B、53Cにおける取付座52の肉厚が端部側で薄くなるように設定されている。
【0020】
図7(A)は、プルハンドル51をドアトリム本体60に超音波溶着する前の状態を示すF−F断面図である。図7(B)はプルハンドル51をドアトリム本体60に超音波溶着した時の状態を示すF−F断面図である。図7(A)に示すように、まず取付座52に設けられた孔部56にドアトリム本体60に立設される溶着用ボスであるボス61を挿入し、取付座52がボス61の基部61aに接するように設定する。その後、ボス61の端部61bにホーン70を当ててホーンをH方向に動かして所定の振動を与え、図7(B)に示すようにボス61の端部61bにダブルマウント構造を形成して溶着カシメ加工する。このように孔部56に挿入されたボス61の先端部61bを超音波溶着してドアトリム本体60にプルハンドル51が接合される。
【0021】
ここで、取付座52に設けられた溝部53A、53B、53Cの深さβは、図3(B)のα寸法と同程度に設定されているため、ホーン70がH方向に進入する際に、溝部53A、53B、53Cが設けられている箇所はホーン70に接触しないためホーン70に負荷を与えない。なお、ここではβ寸法は任意に変更可能であり、テーパー面52aの抜き角度が大きくなればなるほどホーン70の食い込み量が多くなるため、抜き角度に応じてβ寸法を大きくしてホーン70の接触面積を少なくし、ホーンが進入する際の負荷を低減することができる。また、溝部53A、53B、53CはBB方向に移動する金型を一部加工することで容易に形成できるため型費用の増減はなく、コストの影響もない。
【0022】
図8(A)は、プルハンドル51をドアトリム本体60に超音波溶着する前の状態を示すG−G断面図である。図8(B)はプルハンドル51をドアトリム本体60に超音波溶着した時の状態を示すG−G断面図である。
【0023】
図8(A)に示すようにボス61の端部61bにホーン70を当ててホーンをH方向に動かしてプレスし所定の振動を与えると、図8(B)に示すようにボス61の端部61bにダブルマウント構造が形成される。G−Gは溝部が形成されていない一般部52b上であるため、ホーン70が取付座52に食い込み、取付座52からホーン70に負荷が与えられる。
【0024】
しかし、ホーン70には取付座52の溝部53A、53B、53C以外の一般部52bのみが接触するため、ホーン70の接触面積が減ってホーン70が進入する際の負荷を低減することができる。これにより溶着速度を向上させることができるため、作業速度の低下を軽減することが出来る。
【0025】
なお、ここではホーン70の上部70aや下部70bが溝部53A、53B、53Cの底面(取付座面)に全く食い込まない構成としたが、上部70aのみが若干食い込むようにしてもよいし、上部70aと下部70bとが若干食い込むようにしても良い。この場合でも、溝部53A、53B、53Cが設けられた箇所では、ホーン70画接触しないためホーン70に与えられる負荷を従来よりも低減でき、溶着スピードの低下を防ぐ事ができる。また、溝部53A、53B、53Cにおける取付座52の肉厚が端部側で薄くなる構成としたが、溝部における取付座52の肉厚が一定となるようにしても良い。
【0026】
図9(A)は、本発明の変形例1にかかる取付座152を示す平面図であり、図9(B)は取付座152を示す斜視図である。上記の例では、取付座52に溝部53A、53B、53Cを形成することによってホーン70の接触面積を減らした例について説明した。変形例1では、取付座152を上記例よりも薄く形成し、突出部153A、153B、153Cを形成することで、ホーン170の接触面積を少なくした。
【0027】
変形例1にかかる取付座152の一般部152bは、取付座152の孔部156の周辺部にホーン170の接触面積が少なくなるように突出部153A、153B、153Cが形成されている。ここでは一般部152は従来の取付座2(図3(A)参照)よりも薄肉化されており、孔部156にかかるように3本の突出部153A、153B、153Cが形成されている。突出部153A、153B、153Cはリブを追加することで設定しても良いし、ビート(凸)形状として設定したものでもよい。
【0028】
図10(A)はプルハンドルをドアトリム本体160に超音波溶着した時の状態を示すI−I断面図である。図10(B)はプルハンドルをドアトリム本体160に超音波溶着した時の状態を示すJ−J断面図である。図10(A)に示すように突出部153A、153B、153Cが形成されていない一般部152bは、従来よりも薄肉になっているためホーン170をK方向に動かして溶着カシメ加工をしても、ホーン170の先端は一般部152bに食い込まない。そのため、一般部152bからホーン170に対して負荷が与えられない。
【0029】
一方、突出部153A、153B、153Cが形成されている部分では、図10(B)に示すように、ホーン170をK方向に動かして溶着カシメ加工をすると、ホーン170は突出部153A、153B、153Cに食い込むため、突出部153A、153B、153Cからホーン170に負荷が与えられる。
【0030】
しかし、ホーン170には取付座152の突出部153A、153B、153Cのみが接触するため、ホーン170の接触面積が減ってホーン170が進入する際の負荷を低減することができる。これにより溶着速度を向上させることができるため、作業速度の低下を軽減することが出来る。
【0031】
図11(A)と図11(B)は、本発明の変形例2にかかるプルハンドルをドアトリム本体260に超音波溶着した時の状態を示す断面図である。上記の例では取付座がテーパー形状となっており、テーパー面にホーンが接触する場合について説明したが、取付座252がテーパー形状となっていない場合でも、ダブルマウント形状を取付座252上に形成するためにはホーン270の先端を一般部252bに食い込ませる必要がある。
【0032】
ここでは、プルハンドルに設けられた取付座252はテーパー形状となっておらず、取付座面252aは平らに形成されている。そして図11(A)に示すように、取付座252の取付座面252aには溝部253を設けている。そのためホーン270をL方向に動かして溶着カシメ加工をしても、ホーン270の先端は取付座252に食い込まず、溝部253が設けられた取付座252からホーン270に対して負荷が与えられない。
【0033】
一方、溝部253が形成されていない一般部252bでは、ホーン270をL方向に動かして溶着カシメ加工をした場合は、ホーン270が取付座252に食い込み、取付座252からホーン270に負荷が与えられる。
【0034】
このように取付座面252aが平らに形成されている場合でも、取付座252に溝部253を設けることで、ホーン270に与えられる負荷は少なくなるため、ホーン270の進入速度の低下を防ぐ事ができ、溶着速度を向上させる事が出来る。なお、ここでは取付座252に溝部253を設ける構成としたが、上述の変形例1と同様に取付座252の一般部252bを薄肉化し、突出部を設けるようにしても良い。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係る車両用内装部品は上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。本実施例では取付座に溝部や突出部を3つ設けた構造としたが、本発明はこれらに限定されず溝部や突出部を1つ若しくは複数設ける構成であればよい。また、溝部と突出部を共に取付座に設定する構成としてもよい。
【0036】
なお、ここでは第1の内装部品の例としてプルハンドルに本発明を適用した場合を例にして説明するが、ルーフトリム、ピラートリム、エスカッシュ等にも適用でき、これらに限定されるものでは無い。
【0037】
また、本実施例では各溝部や各突出部の幅や長さが同じ構成としたが、本発明はこれに限定されず、各溝部の幅や各突出部の幅や長さを夫々異なるように構成しても良い。なお、ホーンが接触する領域のみに溝部や突出部を設けるようにしても良い。また、本実施例では溝部の深さや突出部の高さが一定になっているが、本発明はこれに限定されず、各々異なる深さや高さになるようにしてもよい。
【0038】
また、本実施例では孔部は溝部が設けられる領域を超えて形成されている構成としたが、本発明はこれに限定されず、溝部が設けられた領域内に孔部を設ける構成としても良い。同様に、本実施例では孔部は突出部が設けられた領域内に形成される構成としたが、本発明はこれに限定されず孔部が設けられる領域を超えて形成される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0039】
51 プルハンドル
52 取付座
53A、53B、53C 溝部
60 ドアトリム本体
61 ボス
61b ボス端部
70 ホーン
153A、153B、153C 突出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波溶着方法で接合する車両用内装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の乗員室に装着される車両用内装部品は、様々な方法で内装部品同士やパネルに固定されており、一つの方法として超音波溶着方法が採用されている。
【0003】
図1は、従来のプルハンドル1を示す斜視図である。図2は、取付座2と孔部6を示す模式図である。プルハンドル1は取付座2、リブ3、凹部4などからなっており、取付座2とリブ3でドアトリム本体に固定されている。プルハンドル1はA方向に移動する金型とB方向に移動する金型により形成されているため、取付座2は容易に脱型できるようにテーパー形状となっている。また、取付座2にはC方向への金型のスライドで形成される孔部6が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−224012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
次に従来の問題点について説明する。図3(A)は、プルハンドル1をドアトリム本体10に超音波溶着する前の状態を示す図である。図3(B)はプルハンドル1をドアトリム本体10に超音波溶着した時の状態を示す図である。図3(A)に示すようにドアトリム本体10にはボス11が立設されている。
【0006】
プルハンドル1をドアトリム本体10に取り付ける際は、図3(A)に示すように、取付座2にボス11の基部11aが当接するまで孔部6にボス11を挿入する。次に、超音波溶着機のホーン20をボス11の端部11bに当ててE方向に動かしてプレスし、所定の振動を与えて図3(B)に示すようにボス11の端部11bを溶融し、溶着カシメ加工を行っている。
【0007】
しかしながら、上記の従来技術に係るプルハンドル1においては、溶着強度を得るためにダブルマウント構造を取付座2に形成する必要があるが、取付座2がテーパー形状となっているためにホーン20を取付座2のテーパー面2aにαほど食い込ませる必要がある。これにより、ホーン20を取付座2にα寸法ほど食い込ませるための負荷がかかり、溶着スピードが低下していた。また、テーパー面2aの抜き角度θが大きくなればなるほどα寸法を大きくする必要があるが、α寸法が大きくなればなるほど、ホーン20を食い込ませるための抵抗が増えていくため、ホーン20の進入速度が低下して作業時間が増していた。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、ホーンが進入する際の負荷を低減し、溶着速度を向上させる車両用内装部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用内装部品は、溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように溝部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、超音波溶着用ホーンには取付座の溝部以外の領域が接触するため、超音波溶着用ホーンの接触面積が減って超音波溶着用ホーンが進入する際の負荷を低減することができる。これにより溶着速度を向上させることができるため、作業速度の低下を軽減することが出来る。
【0011】
本発明に係る車両用内装部品は、溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように突出部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、超音波溶着用ホーンには取付座の突出部が接触するため、超音波溶着用ホーンの接触面積が減って超音波溶着用ホーンが進入する際の負荷を低減することができる。これにより溶着速度を向上させることができるため、作業速度の低下を軽減することが出来る。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る車両用内装部品によれば、ホーンが進入する際の負荷を低減し、溶着速度を向上させる車両用内装部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来のプルハンドルを示す斜視図である。
【図2】取付座と孔部を示す模式図である。
【図3】従来の問題点を説明する図であって(A)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着する前の状態を示す図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示す図である。
【図4】本発明に係るドアトリム本体とプルハンドルの取り付け状態を示す模式図である。
【図5】本発明に係るプルハンドルを示す斜視図である。
【図6】(A)取付座を示す平面図である。(B)取付座を示す斜視図である。
【図7】(A)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着する前の状態を示すF−F断面図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示すG−G断面図である。
【図8】(A)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着する前の状態を示すG−G断面図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示すG−G断面図である。
【図9】(A)本発明の変形例1にかかる取付座を示す平面図である。(B)取付座を示す斜視図である。
【図10】(A)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示すI−I断面図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示すJ−J断面図である。
【図11】(A)本発明の変形例2にかかるプルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示す断面図である。(B)プルハンドルをドアトリム本体に超音波溶着した時の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図4は、本実施態様に係る車両用内装部品としてのドアトリムDを構成する第1の内装部品であるドアトリム本体60と第2の内装部品であるプルハンドル51の取り付け状態を示す模式図である。図4に示すように、プルハンドル51はドアトリム本体60のアームレスト60aに固定されている。ドアトリム本体60は、汎用の熱可塑性樹脂が使用でき、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用できる。また、この熱可塑性樹脂中に適宜フィラー、例えばガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維や、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等の充填剤が混入されていても良い。そして、ドアトリム本体60は、モールドプレス成形、射出成形等により所望の形状に成形される。プルハンドル51も、上記のような汎用の熱可塑性樹脂等を使用しても良いし、金属など他の材料を使用しても良い。
【0017】
図5は本発明に係るプルハンドルを示す斜視図である。プルハンドル51は取付座52、リブ53、凹部54などからなっており、取付座52とリブ53でドアトリム本体60に固定されている。プルハンドル51はAA方向に移動する金型とBB方向に移動する金型により形成されているため、取付座52は容易に脱型できるようにテーパー形状となっている。また、取付座52にはCC方向への金型のスライドで形成される孔部56が設けられており、3本の溝部が設けられている。
【0018】
図6(A)は取付座52を示す平面図であり、図6(B)は取付座52を示す斜視図である。図6(A)及び図6(B)に示すように、ボス61に固定される取付座52は図5におけるBB方向へ移動する金型で形成される。そのため取付座52は、脱型を容易にするためにテーパー形状となっている。また、取付座52には孔部56の周辺部に超音波溶着用のホーン70(図7(A)参照)の接触面積が少なくなるように3本の溝部53A、53B、53Cが形成されている。これらの溝部53A、53B、53Cは、BB方向に移動する金型により形成されているため、BB方向と平行に形成されている。
【0019】
また、ここではテーパー面52a側に孔部56にかかるように溝部53A、53B、53Cを設けており、溝部53A、53B、53Cにおける取付座52の肉厚が端部側で薄くなるように設定されている。
【0020】
図7(A)は、プルハンドル51をドアトリム本体60に超音波溶着する前の状態を示すF−F断面図である。図7(B)はプルハンドル51をドアトリム本体60に超音波溶着した時の状態を示すF−F断面図である。図7(A)に示すように、まず取付座52に設けられた孔部56にドアトリム本体60に立設される溶着用ボスであるボス61を挿入し、取付座52がボス61の基部61aに接するように設定する。その後、ボス61の端部61bにホーン70を当ててホーンをH方向に動かして所定の振動を与え、図7(B)に示すようにボス61の端部61bにダブルマウント構造を形成して溶着カシメ加工する。このように孔部56に挿入されたボス61の先端部61bを超音波溶着してドアトリム本体60にプルハンドル51が接合される。
【0021】
ここで、取付座52に設けられた溝部53A、53B、53Cの深さβは、図3(B)のα寸法と同程度に設定されているため、ホーン70がH方向に進入する際に、溝部53A、53B、53Cが設けられている箇所はホーン70に接触しないためホーン70に負荷を与えない。なお、ここではβ寸法は任意に変更可能であり、テーパー面52aの抜き角度が大きくなればなるほどホーン70の食い込み量が多くなるため、抜き角度に応じてβ寸法を大きくしてホーン70の接触面積を少なくし、ホーンが進入する際の負荷を低減することができる。また、溝部53A、53B、53CはBB方向に移動する金型を一部加工することで容易に形成できるため型費用の増減はなく、コストの影響もない。
【0022】
図8(A)は、プルハンドル51をドアトリム本体60に超音波溶着する前の状態を示すG−G断面図である。図8(B)はプルハンドル51をドアトリム本体60に超音波溶着した時の状態を示すG−G断面図である。
【0023】
図8(A)に示すようにボス61の端部61bにホーン70を当ててホーンをH方向に動かしてプレスし所定の振動を与えると、図8(B)に示すようにボス61の端部61bにダブルマウント構造が形成される。G−Gは溝部が形成されていない一般部52b上であるため、ホーン70が取付座52に食い込み、取付座52からホーン70に負荷が与えられる。
【0024】
しかし、ホーン70には取付座52の溝部53A、53B、53C以外の一般部52bのみが接触するため、ホーン70の接触面積が減ってホーン70が進入する際の負荷を低減することができる。これにより溶着速度を向上させることができるため、作業速度の低下を軽減することが出来る。
【0025】
なお、ここではホーン70の上部70aや下部70bが溝部53A、53B、53Cの底面(取付座面)に全く食い込まない構成としたが、上部70aのみが若干食い込むようにしてもよいし、上部70aと下部70bとが若干食い込むようにしても良い。この場合でも、溝部53A、53B、53Cが設けられた箇所では、ホーン70画接触しないためホーン70に与えられる負荷を従来よりも低減でき、溶着スピードの低下を防ぐ事ができる。また、溝部53A、53B、53Cにおける取付座52の肉厚が端部側で薄くなる構成としたが、溝部における取付座52の肉厚が一定となるようにしても良い。
【0026】
図9(A)は、本発明の変形例1にかかる取付座152を示す平面図であり、図9(B)は取付座152を示す斜視図である。上記の例では、取付座52に溝部53A、53B、53Cを形成することによってホーン70の接触面積を減らした例について説明した。変形例1では、取付座152を上記例よりも薄く形成し、突出部153A、153B、153Cを形成することで、ホーン170の接触面積を少なくした。
【0027】
変形例1にかかる取付座152の一般部152bは、取付座152の孔部156の周辺部にホーン170の接触面積が少なくなるように突出部153A、153B、153Cが形成されている。ここでは一般部152は従来の取付座2(図3(A)参照)よりも薄肉化されており、孔部156にかかるように3本の突出部153A、153B、153Cが形成されている。突出部153A、153B、153Cはリブを追加することで設定しても良いし、ビート(凸)形状として設定したものでもよい。
【0028】
図10(A)はプルハンドルをドアトリム本体160に超音波溶着した時の状態を示すI−I断面図である。図10(B)はプルハンドルをドアトリム本体160に超音波溶着した時の状態を示すJ−J断面図である。図10(A)に示すように突出部153A、153B、153Cが形成されていない一般部152bは、従来よりも薄肉になっているためホーン170をK方向に動かして溶着カシメ加工をしても、ホーン170の先端は一般部152bに食い込まない。そのため、一般部152bからホーン170に対して負荷が与えられない。
【0029】
一方、突出部153A、153B、153Cが形成されている部分では、図10(B)に示すように、ホーン170をK方向に動かして溶着カシメ加工をすると、ホーン170は突出部153A、153B、153Cに食い込むため、突出部153A、153B、153Cからホーン170に負荷が与えられる。
【0030】
しかし、ホーン170には取付座152の突出部153A、153B、153Cのみが接触するため、ホーン170の接触面積が減ってホーン170が進入する際の負荷を低減することができる。これにより溶着速度を向上させることができるため、作業速度の低下を軽減することが出来る。
【0031】
図11(A)と図11(B)は、本発明の変形例2にかかるプルハンドルをドアトリム本体260に超音波溶着した時の状態を示す断面図である。上記の例では取付座がテーパー形状となっており、テーパー面にホーンが接触する場合について説明したが、取付座252がテーパー形状となっていない場合でも、ダブルマウント形状を取付座252上に形成するためにはホーン270の先端を一般部252bに食い込ませる必要がある。
【0032】
ここでは、プルハンドルに設けられた取付座252はテーパー形状となっておらず、取付座面252aは平らに形成されている。そして図11(A)に示すように、取付座252の取付座面252aには溝部253を設けている。そのためホーン270をL方向に動かして溶着カシメ加工をしても、ホーン270の先端は取付座252に食い込まず、溝部253が設けられた取付座252からホーン270に対して負荷が与えられない。
【0033】
一方、溝部253が形成されていない一般部252bでは、ホーン270をL方向に動かして溶着カシメ加工をした場合は、ホーン270が取付座252に食い込み、取付座252からホーン270に負荷が与えられる。
【0034】
このように取付座面252aが平らに形成されている場合でも、取付座252に溝部253を設けることで、ホーン270に与えられる負荷は少なくなるため、ホーン270の進入速度の低下を防ぐ事ができ、溶着速度を向上させる事が出来る。なお、ここでは取付座252に溝部253を設ける構成としたが、上述の変形例1と同様に取付座252の一般部252bを薄肉化し、突出部を設けるようにしても良い。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係る車両用内装部品は上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。本実施例では取付座に溝部や突出部を3つ設けた構造としたが、本発明はこれらに限定されず溝部や突出部を1つ若しくは複数設ける構成であればよい。また、溝部と突出部を共に取付座に設定する構成としてもよい。
【0036】
なお、ここでは第1の内装部品の例としてプルハンドルに本発明を適用した場合を例にして説明するが、ルーフトリム、ピラートリム、エスカッシュ等にも適用でき、これらに限定されるものでは無い。
【0037】
また、本実施例では各溝部や各突出部の幅や長さが同じ構成としたが、本発明はこれに限定されず、各溝部の幅や各突出部の幅や長さを夫々異なるように構成しても良い。なお、ホーンが接触する領域のみに溝部や突出部を設けるようにしても良い。また、本実施例では溝部の深さや突出部の高さが一定になっているが、本発明はこれに限定されず、各々異なる深さや高さになるようにしてもよい。
【0038】
また、本実施例では孔部は溝部が設けられる領域を超えて形成されている構成としたが、本発明はこれに限定されず、溝部が設けられた領域内に孔部を設ける構成としても良い。同様に、本実施例では孔部は突出部が設けられた領域内に形成される構成としたが、本発明はこれに限定されず孔部が設けられる領域を超えて形成される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0039】
51 プルハンドル
52 取付座
53A、53B、53C 溝部
60 ドアトリム本体
61 ボス
61b ボス端部
70 ホーン
153A、153B、153C 突出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、
前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように溝部が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
【請求項2】
溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、
前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように突出部が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
【請求項1】
溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、
前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように溝部が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
【請求項2】
溶着用ボスが立設される第1の内装部品と、前記溶着用ボスに固定される取付座と前記取付座に設けられ前記溶着用ボスが挿入される孔部とを有する第2の内装部品とを備え、前記孔部に挿入された前記溶着用ボスの先端部を超音波溶着して前記第1の内装部品に前記第2の内装部品が接合される車両用内装部品であって、
前記第2の内装部品は、前記取付座の前記孔部の周辺部に超音波溶着用ホーンの接触面積が少なくなるように突出部が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−73607(P2011−73607A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227926(P2009−227926)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】
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