説明

車両用制御装置

【課題】被牽引車両の牽引時及び非牽引時の双方において、車両の制動性と走行安定性とを両立することができる車両用制御装置を提供すること。
【解決手段】車両2の減速度Dが車速Vに応じて予め設定された所定値Da以上の場合に車両2の後輪制動力を前輪制動力に比較して制限する配分制御を行う制御手段54を備える車両用制御装置において、車両2が被牽引車両4を牽引しているか否かを判定する判定手段52を更に備える。制御手段54は、判定手段52により車両2が被牽引車両4を牽引していると判定された場合、上記配分制御を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制動力を制御する車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の減速度が車速に応じて予め設定された所定値以上の場合に車両の後輪制動力を前輪制動力に比較して制限する配分制御を行う車両用制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。一般に、車両の減速度が大きくなるほど、車両の荷重が前輪側にかかり、前輪荷重が大きくなり、後輪荷重が小さくなる。そこで、特許文献1記載の車両用制御装置は、車両の減速度が所定値以上の場合、後輪制動力を前輪制動力に比較して制限することで、後輪が前輪より先にロックするのを防止し、車両の横滑りを効果的に抑制し、走行安定性を高める。また、特許文献1記載の車両用制御装置は、所定値を車速に応じて予め設定する(所定値を車速が大きくなるほど小さな値に設定する)ことで、車両が不安定になりやすい高速状態では減速度が小さい場合でも車両の安定性を高めるため上記制御を行う。言い換えると、車両が比較的安定している低速状態では制動性を確保するため減速度が比較的大きくなるまで上記制御を行わない。これにより、制動性と走行安定性とを両立することができる。
【0003】
また、従来から、被牽引車両(トレーラ)の牽引時と非牽引時とで車両(トラクタ)の後輪制動力と前輪制動力との配分特性を修正し、車両の後輪のロックを防止する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−171502号公報
【特許文献2】実公平3−22057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の車両用制御装置では、被牽引車両については言及がない。被牽引車両の牽引時には、非牽引時と比較して、車両の後輪荷重が大きくなる。特にセミトレーラ方式では、車両の後部に被牽引車両の前部が載置されるので、車両の後輪荷重が大きくなる。このように、被牽引車両の牽引時と非牽引時とでは、車両の後輪荷重が変わるので、車両の後輪のロックを生じさせる制動力が変わる。従って、被牽引車両の牽引時及び非牽引時の双方において、車両の制動性と走行安定性とを両立することができない。
【0006】
また、特許文献2記載の技術では、後輪制動力と前輪制動力との配分特性を修正するため、非牽引時に圧縮空気の供給を所定圧以上で阻止可能な弁装置を用いるので、特許文献2記載の技術を特許文献1記載の車両用制御装置にそのまま適用することはできない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被牽引車両の牽引時及び非牽引時の双方において、車両の制動性と走行安定性とを両立することができる車両用制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、車両の減速度が車速に応じて予め設定された所定値以上の場合に車両の後輪制動力を前輪制動力に比較して制限する配分制御を行う制御手段を備える車両用制御装置において、
車両が被牽引車両を牽引しているか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判定手段により車両が被牽引車両を牽引していると判定された場合、前記配分制御を行わない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被牽引車両の牽引時及び非牽引時の双方において、車両の制動性と走行安定性とを両立することができる車両用制御装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の車両用制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】車両用制御装置を搭載した車両の外観を示す側面図である。
【図3】車両用制御装置の制動系の油圧回路図である。
【図4】車速Vと所定値Daとの対応関係を示すマップである。
【図5】ECU50により実現される処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】ECU50による制御下での、車速V、減速度D、前輪制動力(前輪FR、FL側のホイルシリンダ圧Pf)、後輪制動力(後輪RR、RL側のホイルシリンダ圧Pr)の推移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の車両用制御装置の構成を示すブロック図である。図2は、車両用制御装置を搭載した車両の外観を示す側面図であって、(A)は被牽引車両のない状態を示す側面図、(B)は被牽引車両を牽引した状態を示す側面図である。車両用制御装置は、被牽引車両(トレーラ)4を牽引可能な車両(トラクタ)2の制動力を制御する装置である。
【0013】
車両用制御装置は、周知のABS制御やEBD(Electronic Brake force Distribution)制御を行うシステムの一部であってよい。ABS制御は、各車輪速から推定演算される車速と各車輪速とに基づいて各車輪のスリップ量(率)を演算することによって制動時の車輪のロックを抑制するための制御である。EBD制御は、前後輪の車輪速の速度差を演算することによって制動時の後輪のスリップを抑制するための制御である。
【0014】
図3は、車両用制御装置の制動系の油圧回路図である。ブレーキペダル10が運転者により踏み込まれると、マスタシリンダ11には踏力に応じた液圧が発生する。マスタシリンダ11は、液通路を介して、各車輪FR〜RLに対応して設けられたホイルシリンダ25〜28に接続されている。ホイルシリンダ25〜28は、内部の圧力(ホイルシリンダ圧P)に応じた制動力を発生させる。尚、FRは右前輪、FLは左前輪、RRは右後輪、RLは左後輪をそれぞれ表す。
【0015】
マスタシリンダ11は、ソレノイド弁12、13を介して、両前輪FR、FLのホイルシリンダ25、26に接続されている。ソレノイド弁12、13は、常態で閉状態をとり、内部に備える電磁コイルが通電状態となると、開状態となる電磁弁である。マスタシリンダ11と、各ソレノイド弁12、13との間の液通路には、内部の圧力(マスタ圧)を検出するマスタ圧センサ38、39がそれぞれ設けられている。マスタシリンダ11には、リザーバタンク16が連結されている。
【0016】
リザーバタンク16は、ポンプ17に接続されている。ポンプ17は、モータ18により駆動されると、作動油を吸引し、加圧して吐出する。ポンプ17の下流側(吐出側)には、ポンプ17から吐出された高圧の作動油を蓄えるアキュームレータ19、液圧(ブレーキ圧)を検出するブレーキ圧センサ31が設けられる。ポンプ17の吐出口には、各リニア弁21a〜24aを介して、各ホイルシリンダ25〜28が接続されている。リニア弁21a〜24aは、常態で開状態をとり、内部に備える電磁コイルが通電状態となると、閉状態となる電磁弁である。
【0017】
各ホイルシリンダ25〜28は、対応する減圧弁21b〜24bを介して、リザーバタンク16に接続されている。減圧弁21b〜24bは、常態で閉状態をとり、内部に備える電磁コイルが通電状態となると、開状態となる電磁弁である。各ホイルシリンダ25〜28の上流側には、各ホイルシリンダ25〜28のホイルシリンダ圧Pを検出するホイルシリンダ圧センサ32〜35が設けられている。
【0018】
車両用制御装置は、図1に示すように、電子制御ユニット50(以下、「ECU50」という)を中心に構成される。ECU50は、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。CPUはROM等に格納されたプログラムを実行する。CPUの実行時に発生するデータは、RAM等に格納される。
【0019】
ECU50は、図1に示すように、車載ネットワークを介して、ソレノイド弁12、13、モータ18、アキュームレータ19、リニア弁21a〜24a、減圧弁21b〜24b、各種センサ31〜46と接続されている。各種センサ31〜46からの出力信号は、ECU50に供給される。ECU50は、詳しくは後述するが、各種センサ31〜46からの出力信号に基づいて、リニア弁21a〜24a等を制御して、各車輪FR〜RLのホイルシリンダ圧Pを制御する。これにより、各車輪FR〜RLの制動力を制御する。
【0020】
各種センサとしては、上述のブレーキ圧センサ31、ホイルシリンダ圧センサ32〜35、マスタ圧センサ38、39の他、ブレーキペダル10の踏み込み量を検出するブレーキセンサ40、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ41、各車輪FR〜RLの車輪速を検出する車輪速センサ42〜45、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ46等が含まれる。
【0021】
次に、ECU50による制御下での油圧回路の基本的な動作について説明する。
【0022】
ブレーキペダル10が踏み込まれると、マスタシリンダ11には踏力に応じた液圧(マスタ圧)が発生する。正常時には、ソレノイド弁12、13は閉状態にあるので、マスタ圧が直接に両前輪FR、FLのホイルシリンダ25、26に伝達されることはない。
【0023】
一方、制動系の異常時(フェール時)には、ソレノイド弁12、13が通電状態とされ開状態とされるので、マスタ圧がソレノイド弁12、13を介して両前輪FR、FLのホイルシリンダ25、26に伝達される。これにより、両前輪FR、FLの制動が行われる。
【0024】
これに対して、正常時には、ブレーキペダル10の踏み込み量に応じてリザーバタンク16から送出された作動油は、ポンプ17及びアキュームレータ19によって昇圧された後、各リニア弁21a〜24aを介して、対応する車輪FR〜RLのホイルシリンダ25〜28へ供給される。これにより、ホイルシリンダ圧Pが発生し、各車輪FR〜RLの制動が行われる。
【0025】
このとき、ECU50は、各リニア弁21a〜24aの開閉状態を独立に制御することで、各ホイルシリンダ圧Pを独立に調圧することができる。このようにして、各車輪FR〜RLに印加される制動力を独立して制御することができる。
【0026】
また、ブレーキペダル10の踏み込みが解除されると、減圧弁21b〜24bが開状態とされ、減圧弁21b〜24bを介して作動油がホイルシリンダ25〜28からリザーバタンク16へ回収され、各ホイルシリンダ圧Pが減圧される。このようにして、各車輪FR〜RLの制動が解除される。
【0027】
ECU50は、また、図1に示すように、車載ネットワークを介して、被牽引車両4の有無を検出する被牽引車検出スイッチ48と接続されている。被牽引車検出スイッチ48は、例えば、運転者から操作可能な位置に設けられ、車両2に被牽引車両4が連結された場合に運転者による操作に応じてオン信号を出力し、それ以外の場合にオフ状態を維持する。被牽引車検出スイッチ48からの出力信号は、ECU50に供給される。
【0028】
尚、本実施形態では、被牽引車検出スイッチ48は、車両2に被牽引車両4が連結された場合に運転者による操作に応じてオン信号を出力するとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、被牽引車検出スイッチ48は、車両2に被牽引車両4が連結されること連動してオン信号を自動的に出力する構成としてもよい。
【0029】
ECU50は、図1に示すように、判定部(判定手段)52と、制御部(制御手段)54とを備える。ECU50は、各部52、54に対応する制御プログラムをROM等に格納し、各制御プログラムをCPUに実行処理させることにより、各部52、54が有する機能を実現する。
【0030】
制御部54は、車両2の減速度Dが所定値Da以上の場合に後輪制動力(後輪RR、RL側のホイルシリンダ圧Pr)を前輪制動力(前輪FR、FL側のホイルシリンダ圧Pf)に比較して制限する配分制御(以下、「高速配分制御」という)を行う機能を有する。尚、車両2の減速度Dは、例えば、各車輪速から推定演算される車速Vを時間微分して算出される。
【0031】
車両2の減速度Dが所定値Da以上の場合、一般に、車両2の荷重が前輪FR、FL側にかかり、前輪荷重が大きくなり、後輪荷重が小さくなる。そこで、この場合、後輪制動力を前輪制動力に比較して制限することで、後輪RR、RLが前輪FR、FLより先にロックするのを防止し、車両2の横滑りを効果的に抑制する。これにより、走行安定性を高める。
【0032】
一方、減速度Dが所定値Da未満の場合、EBD制御等の通常の配分制御(以下、「通常配分制御」という)を行う機能を有する。
【0033】
所定値Daは、車速Vに応じて予め設定され、車速Vが大きくなるほど小さな値に設定される。従って、制御部54は、車両2が不安定になりやすい高速側では減速度Dが小さい場合でも車両2の安定性を高めるため高速配分制御を行う。言い換えると、制御部54は、車両2が比較的安定している低速側では制動性を確保するため減速度が比較的大きくなるまで高速配分制御を行わない。従って、制動性と走行安定性とを両立することができる。
【0034】
図4は、車速Vと所定値Daとの対応関係の一例を示すマップである。車速Vと所定値Daとの対応関係を示すマップや関数等は、ROM等に予め記憶され、必要に応じて読み出される。尚、所定値Daは、車両2の種別、変速機のシフト位置等に応じて適宜設定されてよい。
【0035】
図4に示す例では、所定値Daを、第1領域(0≦V<Va)では十分に大きな値(略無限大)とし、第2領域(Va≦V)では車速Vと関数f(V)とに基づいて算出する。関数f(V)は、図4に示すように、車速Vが大きくなるほど小さな値をとる関数である。
【0036】
第1領域では、車速が十分に小さく車両2が比較的安定しやすいので、高速配分制御を行わずに、制動性を確保する。第2領域では、上述の如く、車両2が比較的安定しやすい低速側ほど、減速度Dが比較的大きくなるまで高速配分制御を行わずに制動性を確保する。
【0037】
判定部52は、車両2が被牽引車両4を牽引しているか否かを判定する機能を有する。判定部52は、被牽引車検出スイッチ48からの出力信号に基づいて判定を行う。
【0038】
制御部54は、判定部52により車両2が被牽引車両4を牽引していると判定された場合、高速配分制御を行わない(通常配分制御を行う)機能を有する。
【0039】
一般に、被牽引車両4の牽引時には、非牽引時と比較して、車両2の後輪荷重が大きくなる。特にセミトレーラ方式では、車両2の後部に被牽引車両4の前部が載置されるので、車両2の後輪荷重が大きくなる。従って、被牽引車両4の牽引時には、非牽引時と比較して、後輪ロックを生じさせる制動力が大きくなる。
【0040】
そこで、本実施形態では、被牽引車両4の牽引時には、後輪制動力を前輪制動力に比較して制限する高速配分制御を行わずに通常配分制御を行い、制動性を高める。従って、被牽引車両4の牽引時、及び非牽引時の双方において、車両2の制動性と走行安定性とを両立することができる。
【0041】
図5は、ECU50により実現される処理の一例を示すフローチャートである。図5の処理は、例えばエンジンがオン状態にされてからオフ状態にされるまで、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0042】
図5のS100では、判定部52は、被牽引車検出スイッチ48からの出力信号に基づいて、被牽引車4の有無を判定する。被牽引車が無い場合(S100、YES)、S102に進む。S102では、制御部54は、車速Vが所定値Va以上か否かを判定する。車速Vが所定値Va以上の場合(S102、YES)、S104に進む。S104では、制御部54は、減速度Dが所定値Da以上か否かを判定する。減速度Dが所定値Da以上の場合(S104、YES)、S106に進む。S106では、制御部54は、高速配分制御を行い、今回の処理は終了される。
【0043】
一方、上記S100で被牽引車が有る場合(S100、NO)、上記S102で車速Vが所定値Va未満の場合(S102、NO)、上記S104で減速度Dが所定値Da未満の場合(S104、NO)、S108に進む。S108では、制御部54は、通常配分制御を行い、今回の処理は終了される。
【0044】
図6は、ECU50による制御下での、車速V、車両2の減速度D、ホイルシリンダ圧P(制動力)の推移の一例を示す図である。
【0045】
図6に示す時刻t0の時点で、ブレーキペダル10が踏み込まれると、ECU50は、リニア弁21a〜24a等を制御して、前輪FR、FL側のホイルシリンダ圧Pf(前輪制動力)と、後輪RR、RL側のホイルシリンダ圧Pr(後輪制動力)とを図6に示すように増加させてゆく。これにより、減速度Dが増加し、車速Vが低下する。
【0046】
図6に示す時刻t1の時点で、減速度Dが車速Vに応じて予め設定された所定値Da以上となると、ECU50は、高速配分制御を行う。例えば図6に示すように、後輪RR、RL側のリニア弁23a、24aを閉状態とする制御を行い、後輪RR、RL側のホイルシリンダ圧Prを液圧P1で保持する制御を行う。これにより、高速時に後輪RR、RLが前輪FR、FLより先にロックされるのを防止して、走行安定性を高めることができる。
【0047】
続いて、減速度Dが増加し、車速Vが低下していくと、時刻t2の時点では、減速度Dが所定値Da未満となるので、ECU50は、通常配分制御を行う。例えば図6に示すように、後輪RR、RL側のリニア弁23a、24aを開状態とする制御を行い、後輪RR、RL側のホイルシリンダ圧Prを液圧P1より増加する制御を行う。
【0048】
これにより、減速度Dが高まると、時刻t3の時点では、再び減速度Dが所定値Da以上となるので、ECU50は、高速配分制御を行う。例えば図6に示すように、再び後輪RR、RL側のリニア弁23a、24aを閉状態とする制御を行い、後輪RR、RL側のホイルシリンダ圧Prを液圧P2で保持する制御を行う。
【0049】
こうして、高速配分制御と通常配分制御とが繰り返され、時刻t4の時点で車速Vが所定値Va未満となると、通常配分制御のみが行われ、十分な制動力を確保することができる。
【0050】
尚、図6に示す例では、説明のため、後輪RR、RL側のホイルシリンダ圧Prを、階段状に変化させたが、乗員が違和感を覚えないように滑らかに変化させてもよい。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0052】
例えば、上述した実施形態おいて、制御部54は、リニア弁21a〜24aを独立に制御して高速配分制御を行うとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部54は、減圧弁21b〜24bを独立に制御して高速配分制御を行ってもよい。
【0053】
また、上述した実施形態において、油圧回路として、図3に示すものを用いたが、本発明はこれに限定されない。
【符号の説明】
【0054】
10 ブレーキペダル
11 マスタシリンダ
16 リザーバタンク
17 ポンプ
18 モータ
19 アキュームレータ
21a〜24a リニア弁
21b〜24b 減圧弁
25〜28 ホイルシリンダ
32〜35 ホイルシリンダ圧センサ
42〜45 車輪速センサ
48 被牽引車検出スイッチ
50 ECU
52 判定部(判定手段)
54 制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の減速度が車速に応じて予め設定された所定値以上の場合に車両の後輪制動力を前輪制動力に比較して制限する配分制御を行う制御手段を備える車両用制御装置において、
車両が被牽引車両を牽引しているか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判定手段により車両が被牽引車両を牽引していると判定された場合、前記配分制御を行わない車両用制御装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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