説明

車両用前照灯

【課題】光源から放射された上向きの光が車両用前照灯の照射方向の前側にグレア光として照射されるおそれを排除し、光源からの光の利用効率を向上させる。
【解決手段】リフレクタ5の放物系反射面5a1a,5a1bからの反射光によりすれ違いビーム用配光パターンを形成し、反射面5a1aに入射しない発光素子光源1aからの光を配光制御する導光部8aと、反射面5a1bに入射しない発光素子光源1bからの光を配光制御する導光部8bとを有するインナーレンズ8を設けた車両用前照灯100において、発光素子光源1aからの上向きの光を屈折させて水平光または下向きの光を出射する屈折部8a1を反射面5a1aの前端部5a1a1よりも車両用前照灯の照射方向の後側に配置し、発光素子光源1bからの上向きの光を屈折させて水平光または下向きの光を出射する屈折部8b1を反射面5a1bの前端部5a1b1よりも車両用前照灯の照射方向の後側に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1発光素子光源と、第2発光素子光源と、第1発光素子光源からの光を反射する第1放物系反射面と、第2発光素子光源からの光を反射する第2放物系反射面とを有するリフレクタとを具備する車両用前照灯に関する。
【0002】
特に、本発明は、第1発光素子光源または第2発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光が車両用前照灯の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除しつつ、第1発光素子光源および第2発光素子光源からの光の利用効率を向上させると共に、車両用前照灯全体の前後方向寸法(照射方向寸法)を小型化することができる車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、第1発光素子光源と、第2発光素子光源と、第1発光素子光源からの光を反射する第1放物系(パラボラ状)反射面と、第2発光素子光源からの光を反射する第2放物系(パラボラ状)反射面とを具備し、第1放物系(パラボラ状)反射面および第2放物系(パラボラ状)反射面からの反射光によってすれ違いビーム用配光パターンが形成され、第1放物系(パラボラ状)反射面に入射しない第1発光素子光源からの直射光を配光制御する第1光学部品(レンズ体)と、第2放物系(パラボラ状)反射面に入射しない第2発光素子光源からの直射光を配光制御する第2光学部品(レンズ体)とを有する車両用前照灯が知られている。この種の車両用前照灯の例としては、例えば特許文献1(特開2008−226707号公報)に記載されたものがある。
【0004】
特許文献1に記載された車両用前照灯では、第1光学部品(レンズ体)に、第1発光素子光源からの直射光の出射方向を調整するレンズ機能と、第1発光素子光源からの直射光の一部を遮断するシェード機能とが備えられている。更に、第2光学部品(レンズ体)に、第2発光素子光源からの直射光の出射方向を調整するレンズ機能と、第2発光素子光源からの直射光の一部を遮断するシェード機能とが備えられている。
【0005】
そのため、特許文献1に記載された車両用前照灯では、第1発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光が車両用前照灯の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを低減することができ、第2発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光が車両用前照灯の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを低減することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−226707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された車両用前照灯では、第1光学部品(レンズ体)および第2光学部品(レンズ体)のそれぞれが、4分の1球形状に形成されている。そのため、特許文献1に記載された車両用前照灯では、特許文献1の図1に記載されているように、車両用前照灯の水平断面内において、車両用前照灯の光軸(車両用前照灯の前後方向)と大きい角度をなして第1発光素子光源から照射された光が、第1光学部品(レンズ体)によって屈折せしめられ、車両用前照灯の光軸(車両用前照灯の前後方向)と小さい角度をなす光となって車両用前照灯の照射方向の前側に照射される。また、車両用前照灯の水平断面内において、車両用前照灯の光軸(車両用前照灯の前後方向)と大きい角度をなして第2発光素子光源から照射された光が、第2光学部品(レンズ体)によって屈折せしめられ、車両用前照灯の光軸(車両用前照灯の前後方向)と小さい角度をなす光となって車両用前照灯の照射方向の前側に照射される。
【0008】
特許文献1には詳細に記載されていないが、上述したように第1光学部品(レンズ体)が4分の1球形状に形成されているため、特許文献1に記載された車両用前照灯では、仮に第1光学部品(レンズ体)にアルミニウム蒸着が施されていない場合には、車両用前照灯の光軸(車両用前照灯の前後方向)と大きい角度をなして第1発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に照射された上向きの光が、第1光学部品(レンズ体)によって屈折せしめられ、車両用前照灯の光軸(車両用前照灯の前後方向)と小さい角度をなす上向きの光となって車両用前照灯の照射方向の前側に照射されると考えられる。
【0009】
同様に、特許文献1には詳細に記載されていないが、上述したように第2光学部品(レンズ体)が4分の1球形状に形成されているため、特許文献1に記載された車両用前照灯では、仮に第2光学部品(レンズ体)にアルミニウム蒸着が施されていない場合には、車両用前照灯の光軸(車両用前照灯の前後方向)と大きい角度をなして第2発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に照射された上向きの光が、第2光学部品(レンズ体)によって屈折せしめられ、車両用前照灯の光軸(車両用前照灯の前後方向)と小さい角度をなす上向きの光となって車両用前照灯の照射方向の前側に照射されると考えられる。
【0010】
つまり、特許文献1に記載された車両用前照灯では、第1光学部品(レンズ体)および第2光学部品(レンズ体)のそれぞれが4分の1球形状に形成されているため、第1光学部品(レンズ体)は、第1発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に照射された上向きの光が水平光または下向きの光になるように第1発光素子光源からの光を屈折させることができないと考えられる。同様に、第2光学部品(レンズ体)は、第2発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に照射された上向きの光が水平光または下向きの光になるように第2発光素子光源からの光を屈折させることができないと考えられる。
【0011】
従って、特許文献1に記載された車両用前照灯では、第1発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光が車両用前照灯の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうのを回避するために、第1発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光を、第1光学部品(レンズ体)のシェード機能によって遮る必要があると考えられる。同様に、第2発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光が車両用前照灯の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうのを回避するために、第2発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光を、第2光学部品(レンズ体)のシェード機能によって遮る必要があると考えられる。
【0012】
つまり、特許文献1に記載された車両用前照灯では、第1発光素子光源からの光の一部が第1光学部品(レンズ体)に遮られるのに伴って、第1発光素子光源からの光の利用効率が低下してしまい、更に、第2発光素子光源からの光の一部が第2光学部品(レンズ体)に遮られるのに伴って、第2発光素子光源からの光の利用効率が低下してしまう。
【0013】
前記問題点に鑑み、本発明は、第1発光素子光源または第2発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光が車両用前照灯の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除しつつ、第1発光素子光源および第2発光素子光源からの光の利用効率を向上させることができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
【0014】
詳細には、本発明は、第1発光素子光源または第2発光素子光源から車両用前照灯の照射方向の前側に放射された上向きの光が車両用前照灯の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除しつつ、第1発光素子光源および第2発光素子光源からの光の利用効率を向上させると共に、車両用前照灯全体の前後方向寸法(照射方向寸法)を小型化することができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、第1発光素子光源(1a)と、
第2発光素子光源(1b)と、
第1発光素子光源(1a)からの光を反射する第1放物系反射面(5a1a)と、第2発光素子光源(1b)からの光を反射する第2放物系反射面(5a1b)とを有するリフレクタ(5)とを具備し、
リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)からの反射光(L1a)およびリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)からの反射光(L1b)によってすれ違いビーム用配光パターン(P1)が形成されるように、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)および第2放物系反射面(5a1b)を構成し、
第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光を配光制御する第1導光部(8a)と、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光を配光制御する第2導光部(8b)とを有するインナーレンズ(8)を設けた車両用前照灯(100)において、
第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光(L1aU1,L1aU2)を屈折させて水平光または下向きの光(L1a8a)を出射する屈折部(8a1)をインナーレンズ(8)の第1導光部(8a)に設け、
第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光(L1bU1,L1bU2)を屈折させて水平光または下向きの光(L1b8b)を出射する屈折部(8b1)をインナーレンズ(8)の第2導光部(8b)に設け、
インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)をリフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)の前端部(5a1a1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置し、
インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)をリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)の前端部(5a1b1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置したことを特徴とする車両用前照灯(100)が提供される。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、リフレクタ(5)の中心軸線(5’)上にヒートシンク(3)の光源支持部(3a)を配置し、
ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の左側面(3a1)上に第1発光素子光源(1a)を配置し、
ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の右側面(3a2)上に第2発光素子光源(1b)を配置し、
第1発光素子光源(1a)の光軸(1a1)を車両用前照灯(100)の左後向きに指向させ、
第2発光素子光源(1b)の光軸(1b1)を車両用前照灯(100)の右後向きに指向させたことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)に入射面(8a1a)と第1出射面(8a1b1)と第2出射面(8a1b2)とを設け、
第1発光素子光源(1a)を含む水平面(H1a)に対して第1の角度をなして第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU1)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の入射面(8a1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1a8a)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射され、
第1発光素子光源(1a)を含む水平面(H1a)に対して第1の角度より大きい第2の角度をなして第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU2)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の入射面(8a1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1a8a)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射され、
インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)の上端部(8a1b1b)を、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)の下端部(8a1b2a)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置し、
インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)に入射面(8b1a)と第1出射面(8b1b1)と第2出射面(8b1b2)とを設け、
第2発光素子光源(1b)を含む水平面(H1b)に対して第3の角度をなして第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU1)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の入射面(8b1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1b8b)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射され、
第2発光素子光源(1b)を含む水平面(H1b)に対して第3の角度より大きい第4の角度をなして第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU2)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の入射面(8b1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1b8b)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射され、
インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)の上端部(8b1b1b)を、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)の下端部(8b1b2a)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光(L1aD)を素通りさせて水平光または下向きの光(L1a8a)を出射する素通し部(8a2)をインナーレンズ(8)の第1導光部(8a)に設け、
第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光(L1bD)を素通りさせて水平光または下向きの光(L1b8b)を出射する素通し部(8b2)をインナーレンズ(8)の第2導光部(8b)に設け、
インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)をリフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)の前端部(5a1a1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置し、
インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)をリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)の前端部(5a1b1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置したことを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)の出射面(8a2b)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)から出射する光(L1b8b)、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)から出射する光(L1b8b)、および、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)の出射面(8b2b)から出射する光(L1b8b)のすべてが、すれ違いビーム用配光パターン(P1)を形成するために用いられることを特徴とする請求項4に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、第1導光部(8a)の素通し部(8a2)と第2導光部(8b)の素通し部(8b2)とを連結する連結部(8c)をインナーレンズ(8)に設け、
第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)に入射し、素通し部(8a2)内で内面反射する光が、連結部(8c)に導光され、
第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)に入射し、素通し部(8b2)内で内面反射する光が、連結部(8c)に導光され、
連結部(8c)に接続された出射部(8d)をインナーレンズ(8)に設け、
インナーレンズ(8)の連結部(8c)に導光された光が、出射部(8d)に導光され、出射部(8d)の前側表面(8d2)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側にイルミネーション光(L1a8d,L1b8d)として出射されることを特徴とする請求項5に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、第3発光素子光源(1c)を設け、
第3発光素子光源(1c)からの光を反射する第3放物系反射面(5a1c)をリフレクタ(5)に設け、
リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)からの反射光(L1b)およびリフレクタ(5)の第3放物系反射面(5a1c)からの反射光によって走行ビーム用配光パターン(P2)が形成されるように、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)および第3放物系反射面(5a1c)を構成し、
リフレクタ(5)の内側表面(5a)のうち、第1放物系反射面(5a1a)、第2放物系反射面(5a1b)および第3放物系反射面(5a1c)以外の部分に鏡面加工を施すことによりイルミネーション光用反射面(5a2)を形成し、
第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の後側かつ下向きに放射される光(L1aBD,L1bBD)の一部が、リフレクタ(5)のイルミネーション光用反射面(5a2)による反射、および、インナーレンズ(8)の内面反射を経て、インナーレンズ(8)の出射部(8d)の前側表面(8d2)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側にイルミネーション光(L1a8d,L1b8d)として出射されることを特徴とする請求項6に記載の車両用前照灯(100)が提供される。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)と、第2発光素子光源(1b)とが設けられている。また、第1発光素子光源(1a)からの光を反射する第1放物系反射面(5a1a)と、第2発光素子光源(1b)からの光を反射する第2放物系反射面(5a1b)とを有するリフレクタ(5)が設けられている。更に、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)からの反射光(L1a)およびリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)からの反射光(L1b)によってすれ違いビーム用配光パターン(P1)が形成されるように、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)および第2放物系反射面(5a1b)が構成されている。
【0023】
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光を配光制御する第1導光部(8a)と、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光を配光制御する第2導光部(8b)とを有するインナーレンズ(8)が設けられている。
【0024】
詳細には、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光(L1aU1,L1aU2)を屈折させて水平光または下向きの光(L1a8a)を出射する屈折部(8a1)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)に設けられている。
【0025】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU1,L1aU2)が車両用前照灯(100)の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU1,L1aU2)が遮光部材によって遮られ、車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射されない場合よりも、第1発光素子光源(1a)からの光の利用効率を向上させることができる。
【0026】
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光(L1bU1,L1bU2)を屈折させて水平光または下向きの光(L1b8b)を出射する屈折部(8b1)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)に設けられている。
【0027】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU1,L1bU2)が車両用前照灯(100)の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU1,L1bU2)が遮光部材によって遮られ、車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射されない場合よりも、第2発光素子光源(1b)からの光の利用効率を向上させることができる。
【0028】
更に、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)が、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)の前端部(5a1a1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置されている。また、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)が、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)の前端部(5a1b1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置されている。
【0029】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)がリフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)の前端部(5a1a1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の前側に配置されている場合や、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)がリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)の前端部(5a1b1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の前側に配置されている場合よりも、車両用前照灯(100)全体の前後方向寸法(照射方向寸法)を小型化することができる。
【0030】
換言すれば、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、第1発光素子光源(1a)または第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU1,L1aU2,L1bU1,L1bU2)が車両用前照灯(100)の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除しつつ、第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)からの光の利用効率を向上させると共に、車両用前照灯(100)全体の前後方向寸法(照射方向寸法)を小型化することができる。
【0031】
請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、リフレクタ(5)の中心軸線(5’)上にヒートシンク(3)の光源支持部(3a)が配置されている。更に、ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の左側面(3a1)上に第1発光素子光源(1a)が配置されている。また、ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の右側面(3a2)上に第2発光素子光源(1b)が配置されている。
【0032】
仮に、第1発光素子光源(1a)の光軸(1a1)が車両用前照灯(100)の左向き(車両用前照灯(100)の照射方向に直交する向き)に指向せしめられている場合や、例えば特許文献1の図1に記載された車両用前照灯のように、第1発光素子光源(1a)の光軸(1a1)が車両用前照灯(100)の左前向きに指向せしめられている場合には、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光の量がかなり多くなる。そのため、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側かつ上向きに放射され、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光(L1aU1,L1aU2)が車両用前照灯(100)の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうのを回避するために、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)を大きくする必要がある。ところが、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)を大きくすると、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射される反射光(L1a)がインナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)によって妨げられるおそれが生じてしまう。
【0033】
この点に鑑み、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)の光軸(1a1)が車両用前照灯(100)の左後向きに指向せしめられている。
【0034】
そのため、請求項2に記載の車両用前照灯(100)によれば、第1発光素子光源(1a)の光軸(1a1)が車両用前照灯(100)の左向きに指向せしめられている場合や、第1発光素子光源(1a)の光軸(1a1)が車両用前照灯(100)の左前向きに指向せしめられている場合よりも、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される光の量を少なくすることができ、その結果、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)を小さくすることができる。
【0035】
同様に、仮に、第2発光素子光源(1b)の光軸(1b1)が車両用前照灯(100)の右向き(車両用前照灯(100)の照射方向に直交する向き)に指向せしめられている場合や、例えば特許文献1の図1に記載された車両用前照灯のように、第2発光素子光源(1b)の光軸(1b1)が車両用前照灯(100)の右前向きに指向せしめられている場合には、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光の量がかなり多くなる。そのため、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側かつ上向きに放射され、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光(L1bU1,L1bU2)が車両用前照灯(100)の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうのを回避するために、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)を大きくする必要がある。ところが、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)を大きくすると、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射される反射光(L1b)がインナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)によって妨げられるおそれが生じてしまう。
【0036】
この点に鑑み、請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、第2発光素子光源(1b)の光軸(1b1)が車両用前照灯(100)の右後向きに指向せしめられている。
【0037】
そのため、請求項2に記載の車両用前照灯(100)によれば、第2発光素子光源(1b)の光軸(1b1)が車両用前照灯(100)の右向きに指向せしめられている場合や、第2発光素子光源(1b)の光軸(1b1)が車両用前照灯(100)の右前向きに指向せしめられている場合よりも、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される光の量を少なくすることができ、その結果、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)を小さくすることができる。
【0038】
請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)に入射面(8a1a)と第1出射面(8a1b1)と第2出射面(8a1b2)とが設けられている。
【0039】
更に、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)を含む水平面(H1a)に対して第1の角度をなして第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU1)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の入射面(8a1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1a8a)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射される。
【0040】
また、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)を含む水平面(H1a)に対して第1の角度より大きい第2の角度をなして第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU2)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の入射面(8a1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1a8a)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射される。
【0041】
詳細には、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)の上端部(8a1b1b)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)の下端部(8a1b2a)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置されている。
【0042】
そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)の上端部(8a1b1b)がインナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)の下端部(8a1b2a)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置されていない場合よりも、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)のうち、第1発光素子光源(1a)を含む水平面(H1a)に対して第1の角度をなして第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU1)が透過せしめられる部分の厚さ寸法(入射面(8a1a)と第1出射面(8a1b1)との間隔)を小さくすることができる。
【0043】
また、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)に入射面(8b1a)と第1出射面(8b1b1)と第2出射面(8b1b2)とが設けられている。
【0044】
更に、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、第2発光素子光源(1b)を含む水平面(H1b)に対して第3の角度をなして第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU1)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の入射面(8b1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1b8b)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射される。
【0045】
また、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、第2発光素子光源(1b)を含む水平面(H1b)に対して第3の角度より大きい第4の角度をなして第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU2)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の入射面(8b1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1b8b)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射される。
【0046】
詳細には、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)の上端部(8b1b1b)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)の下端部(8b1b2a)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置されている。
【0047】
そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)の上端部(8b1b1b)がインナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)の下端部(8b1b2a)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置されていない場合よりも、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)のうち、第2発光素子光源(1b)を含む水平面(H1b)に対して第3の角度をなして第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU1)が透過せしめられる部分の厚さ寸法(入射面(8b1a)と第1出射面(8b1b1)との間隔)を小さくすることができる。
【0048】
請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光(L1aD)を素通りさせて水平光または下向きの光(L1a8a)を出射する素通し部(8a2)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)に設けられている。
【0049】
そのため、請求項4に記載の車両用前照灯(100)によれば、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される水平光または下向きの光(L1aD)がインナーレンズ(8)の第1導光部(8a)によって屈折せしめられ、上向きのグレア光となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、例えば特許文献1に記載された車両用前照灯のように、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される下向きの光(L1aD)が遮光部材(光学部品(レンズ体))によって遮られ、車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射されない場合よりも、第1発光素子光源(1a)からの光の利用効率を向上させることができる。
【0050】
また、請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光(L1bD)を素通りさせて水平光または下向きの光(L1b8b)を出射する素通し部(8b2)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)に設けられている。
【0051】
そのため、請求項4に記載の車両用前照灯(100)によれば、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される水平光または下向きの光(L1bD)がインナーレンズ(8)の第2導光部(8b)によって屈折せしめられ、上向きのグレア光となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、例えば特許文献1に記載された車両用前照灯のように、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される下向きの光(L1bD)が遮光部材(光学部品(レンズ体))によって遮られ、車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射されない場合よりも、第2発光素子光源(1b)からの光の利用効率を向上させることができる。
【0052】
更に、請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)が、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)の前端部(5a1a1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置されている。また、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)が、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)の前端部(5a1b1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置されている。
【0053】
そのため、請求項4に記載の車両用前照灯(100)によれば、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)がリフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)の前端部(5a1a1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の前側に配置されている場合や、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)がリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)の前端部(5a1b1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の前側に配置されている場合よりも、車両用前照灯(100)全体の前後方向寸法(照射方向寸法)を小型化することができる。
【0054】
請求項5に記載の車両用前照灯(100)では、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)の出射面(8a2b)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)から出射する光(L1b8b)、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)から出射する光(L1b8b)、および、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)の出射面(8b2b)から出射する光(L1b8b)のすべてが、すれ違いビーム用配光パターン(P1)を形成するために用いられる。
【0055】
そのため、請求項5に記載の車両用前照灯(100)によれば、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)の出射面(8a2b)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)から出射する光(L1b8b)、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)から出射する光(L1b8b)、および、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)の出射面(8b2b)から出射する光(L1b8b)のいずれかがすれ違いビーム用配光パターン(P1)を形成するために用いられない場合よりも、第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)からの光がすれ違いビーム用配光パターン(P1)を形成するために用いられる効率を向上させることができる。
【0056】
請求項6に記載の車両用前照灯(100)では、第1導光部(8a)の素通し部(8a2)と第2導光部(8b)の素通し部(8b2)とを連結する連結部(8c)が、インナーレンズ(8)に設けられている。
【0057】
詳細には、請求項6に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)に入射し、素通し部(8a2)内で内面反射する光が、連結部(8c)に導光される。また、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)に入射し、素通し部(8b2)内で内面反射する光が、連結部(8c)に導光される。
【0058】
更に、請求項6に記載の車両用前照灯(100)では、連結部(8c)に接続された出射部(8d)がインナーレンズ(8)に設けられている。
【0059】
詳細には、請求項6に記載の車両用前照灯(100)では、インナーレンズ(8)の連結部(8c)に導光された光が、出射部(8d)に導光され、出射部(8d)の前側表面(8d2)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側にイルミネーション光(L1a8d,L1b8d)として出射される。
【0060】
そのため、請求項6に記載の車両用前照灯(100)によれば、第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)に入射する光のうち、素通し部(8a2)を素通りしない光(L1aD)をイルミネーション光(L1a8d)として有効利用することができる。更に、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)に入射する光のうち、素通し部(8b2)を素通りしない光(L1bD)をイルミネーション光(L1b8d)として有効利用することができる。
【0061】
請求項7に記載の車両用前照灯(100)では、第3発光素子光源(1c)が設けられている。また、第3発光素子光源(1c)からの光を反射する第3放物系反射面(5a1c)がリフレクタ(5)に設けられている。更に、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)からの反射光(L1b)およびリフレクタ(5)の第3放物系反射面(5a1c)からの反射光によって走行ビーム用配光パターン(P2)が形成されるように、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)および第3放物系反射面(5a1c)が構成されている。
【0062】
詳細には、請求項7に記載の車両用前照灯(100)では、リフレクタ(5)の内側表面(5a)のうち、第1放物系反射面(5a1a)、第2放物系反射面(5a1b)および第3放物系反射面(5a1c)以外の部分に鏡面加工を施すことによりイルミネーション光用反射面(5a2)が形成されている。
【0063】
更に、請求項7に記載の車両用前照灯(100)では、第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の後側かつ下向きに放射される光(L1aBD,L1bBD)の一部が、リフレクタ(5)のイルミネーション光用反射面(5a2)による反射、および、インナーレンズ(8)の内面反射を経て、インナーレンズ(8)の出射部(8d)の前側表面(8d2)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側にイルミネーション光(L1a8d,L1b8d)として出射される。
【0064】
そのため、請求項7に記載の車両用前照灯(100)によれば、リフレクタ(5)の内側表面(5a)にイルミネーション光用反射面(5a2)が形成されておらず、第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の後側かつ下向きに放射される光(L1aBD,L1bBD)の一部が車両用前照灯(100)の照射方向の前側にイルミネーション光(L1a8d,L1b8d)として出射されない場合よりも、第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)からの光の利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1の実施形態の車両用前照灯100を示した図である。
【図2】第1の実施形態の車両用前照灯100を示した図である。
【図3】左上側かつ前側から見た第1の実施形態の車両用前照灯100の分解斜視図である。
【図4】第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成する光源モジュール4の斜視図である。
【図5】第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成するインナーレンズ8の拡大図である。
【図6】第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。
【図7】第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。
【図8】第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。
【図9】第1の実施形態の車両用前照灯100によって形成されるすれ違いビーム用配光パターンP1等を示した図である。
【図10】第1の実施形態の車両用前照灯100によって形成される走行ビーム用配光パターンP2等を示した図である。
【図11】第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。
【図12】第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。
【図13】第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、本発明の車両用前照灯の第1の実施形態について説明する。図1および図2は第1の実施形態の車両用前照灯100を示した図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態の車両用前照灯100の正面図、図1(B)は図1(A)のA−A線に沿った概略的な水平断面図、図2(A)は図1(A)のB−B線に沿った概略的な鉛直断面図、図2(B)は図1(A)のC−C線に沿った概略的な鉛直断面図である。図3は左上側かつ前側から見た第1の実施形態の車両用前照灯100の分解斜視図である。図4は第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成する光源モジュール4の斜視図である。詳細には、図4(A)は左上側かつ前側から見た光源モジュール4の斜視図、図4(B)は右上側かつ前側から見た光源モジュール4の斜視図である。図5は第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成するインナーレンズ8の拡大図である。詳細には、図5(A)は図1(A)のB−B線に沿ったインナーレンズ8の鉛直断面図、図5(B)は図1(A)のC−C線に沿ったインナーレンズ8の鉛直断面図である。
【0067】
図6〜図8は第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。詳細には、図6(A)は図1(B)に示す水平断面内における発光素子光源1aからの光L1aおよび発光素子光源1bからの光L1bを示した図、図6(B)は図1(B)に示す水平断面内における発光素子光源1aからの光L1a8aおよび発光素子光源1bからの光L1b8bを示した図である。図7(A)は図2(A)に示す鉛直断面内における発光素子光源1aからの光L1a8aを概略的に示した図、図7(B)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1bからの光L1b8bを概略的に示した図である。図8(A)は図5(A)に示す鉛直断面内における発光素子光源1aからの光L1a8aを概略的に示した図、図8(B)は図5(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1bからの光L1b8bを概略的に示した図である。
【0068】
図9および図10は第1の実施形態の車両用前照灯100によって形成されるすれ違いビーム用配光パターンP1、走行ビーム用配光パターンP2等を示した図である。詳細には、図9(A)は発光素子光源1a,1bからの光によって形成されるすれ違いビーム用配光パターンP1を示している。図9(B)は発光素子光源1aから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1a用の放物系反射面5a1aによって反射された反射光により形成される配光パターンP1aを示している。図9(C)は発光素子光源1aから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1a用の放物系反射面5a1aの自車線側カットライン形成用反射部5a1a2によって反射された反射光により形成される配光パターンP1a2を示している。図9(D)は発光素子光源1bから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1b用の放物系反射面5a1bによって反射された反射光により形成される配光パターンP1bを示している。図10(A)は発光素子光源1aから照射され、インナーレンズ8の発光素子光源1a用の導光部8aを透過せしめられた光により形成される配光パターンP1a8aを示している。図10(B)は発光素子光源1bから照射され、インナーレンズ8の発光素子光源1b用の導光部8bを透過せしめられた光により形成される配光パターンP1b8bを示している。図10(C)は発光素子光源1a,1cからの光によって形成される走行ビーム用配光パターンP2を示している。図10(D)は発光素子光源1cから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1c用の放物系反射面5a1cによって反射された反射光により形成される配光パターンP1cを示している。
【0069】
図11〜図13は第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。詳細には、図11(A)は図5(A)に示す鉛直断面内における発光素子光源1aからの光L1a8dを概略的に示した図、図11(B)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1bからの光L1b8dを概略的に示した図である。図12(A)は図2(A)に示す鉛直断面内における発光素子光源1aからの光L1a8dを概略的に示した図、図12(B)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1bからの光L1b8dを概略的に示した図である。図13(A)は図2(A)に示す鉛直断面内における発光素子光源1aからの光L1a8dを概略的に示した図、図13(B)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1bからの光L1b8dを概略的に示した図である。
【0070】
第1の実施形態の車両用前照灯100では、例えばLEDなどのような発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図3、図4(A)および図5(A)参照)と、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)と、発光素子光源1c(図3、図4(A)および図4(B)参照)とが設けられている。また、発光素子光源1aからの光を反射する放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)と、発光素子光源1bからの光を反射する放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図3参照)と、発光素子光源1cからの光を反射する放物系反射面5a1c(図1(A)、図2(A)および図2(B)参照)とが、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の前側表面5a(図1(B)、図2(A)、図2(B)および図3参照)に形成されている。詳細には、放物系反射面5a1a,5a1b,5a1cが、例えば回転放物面、放物柱面等をベースとする自由曲面によって構成されている。
【0071】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)からの反射光L1a(図6(A)参照)によって配光パターンP1a(図9(B)参照)が形成されるように、リフレクタ5の放物系反射面5a1aが構成されている。詳細には、リフレクタ5の放物系反射面5a1aの自車線側カットライン形成用反射部5a1a2(図1(A)参照)からの反射光によって配光パターンP1a2(図9(C)参照)が形成されるように、リフレクタ5の放物系反射面5a1aの自車線側カットライン形成用反射部5a1a2が構成されている。更に詳細には、放物系反射面5a1aの焦点上またはその近傍に発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図3、図4(A)および図5(A)参照)が配置されている。
【0072】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)および図2(B)参照)からの反射光L1b(図6(A)参照)によって配光パターンP1b(図9(D)参照)が形成されるように、リフレクタ5の放物系反射面5a1bが構成されている。詳細には、放物系反射面5a1bの焦点上またはその近傍に発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)が配置されている。
【0073】
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図3、図4(A)および図5(A)参照)と、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)とを点灯することにより、すれ違いビーム用配光パターンP1(図9(A)参照)を形成することができる。
【0074】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1c(図1(A)、図2(A)および図2(B)参照)からの反射光によって配光パターンP1c(図10(D)参照)が形成されるように、リフレクタ5の放物系反射面5a1cが構成されている。詳細には、放物系反射面5a1cの焦点上またはその近傍に発光素子光源1c(図3、図4(A)および図4(B)参照)が配置されている。
【0075】
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)と、発光素子光源1c(図3、図4(A)および図4(B)参照)とを点灯することにより、走行ビーム用配光パターンP2(図10(C)参照)を形成することができる。第1の実施形態の車両用前照灯100の変形例では、代わりに、発光素子光源1a,1b,1cを点灯することにより走行ビーム用配光パターンP2を形成することも可能である。
【0076】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、基板2a(図1(B)、図3、および図4参照)に搭載された発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図3、図4(A)および図5(A)参照)が、ヒートシンク3(図1(B)、図3および図4参照)の光源支持部3a(図1(B)、図3および図4参照)の左側面3a1(図1(B)、図3および図4(A)参照)上に配置されている。また、基板2b(図1(B)および図4参照)に搭載された発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)が、ヒートシンク3の光源支持部3aの右側面3a2(図1(B)および図4(B)参照)上に配置されている。更に、基板2c(図3および図4参照)に搭載された発光素子光源1c(図3および図4参照)が、ヒートシンク3の光源支持部3aの上面3a3(図3および図4参照)上に配置されている。更に、ヒートシンク3の光源支持部3aがリフレクタ5(図1、図2および図3参照)の中心軸線5’(図1(A)および図1(B)参照)上に配置されている。また、発光素子光源1a,1b,1cと基板2a,2b,2cとヒートシンク3とによって光源モジュール4(図1(B)、図3および図4参照)が構成されている。更に、光源モジュール4が例えばねじ止めなどによってリフレクタ5(図1、図2および図3参照)に接続されている。詳細には、ヒートシンク3のフランジ部3b(図1(B)、図3および図4参照)が、リフレクタ5の後側表面5b(図1(B)、図2および図3参照)の支持部5b1(図1(B)、図2および図3参照)によって支持されている。更に、発光素子光源1a,1b,1cが発生した熱がヒートシンク3のフィン形状の放熱部3c(図1(B)、図3および図4参照)、リフレクタ5の後側表面5bのフィン形状の放熱部5b2(図1(B)および図3参照)などを介して放熱されるように、ヒートシンク3およびリフレクタ5が構成されている。
【0077】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図3、図4(A)および図5(A)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側、図2(A)の左側)に放射される光のうち、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)に入射しない光を配光制御する導光部8a(図1、図2(A)、図3および図5(A)参照)と、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される光のうち、リフレクタ5の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図3参照)に入射しない光を配光制御する導光部8b(図1、図2(B)、図3および図5(B)参照)とを有するインナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)が設けられている。詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図3に示すように、点灯回路基板6などを覆うためのエクステンション7が、例えばねじ止めなどによってリフレクタ5に接続されている。また、例えばフック止め(スナップフィット)などによって、インナーレンズ8がエクステンション7に接続されている。更に、例えばフック止めなどによって、アウターレンズ9がハウジング5に接続されている。
【0078】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図3、図4(A)および図5(A)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側、図2(A)の左側)に放射される上向きの光のうち、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)に入射しない光L1aU1,L1aU2(図8(A)参照)を屈折させて水平光または下向きの光L1a8a(図8(A)参照)を出射する屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)が、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図3および図5(A)参照)に設けられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1aU1,L1aU2が車両用前照灯100の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1aU1,L1aU2が遮光部材によって遮られ、車両用前照灯100の照射方向の前側に照射されない場合よりも、発光素子光源1aからの光の利用効率を向上させることができる。
【0079】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側、図2(B)の左側)に放射される上向きの光のうち、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図3参照)に入射しない光L1bU1,L1bU2(図8(B)参照)を屈折させて水平光または下向きの光L1b8b(図8(B)参照)を出射する屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)が、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の導光部8b(図1、図2(B)、図3および図5(B)参照)に設けられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1bU1,L1bU2が車両用前照灯100の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1bU1,L1bU2が遮光部材によって遮られ、車両用前照灯100の照射方向の前側に照射されない場合よりも、発光素子光源1bからの光の利用効率を向上させることができる。
【0080】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図3および図5(A)参照)の屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)が、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)の前端部5a1a1(図1(B)参照)よりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図1(B)の上側)に配置されている。また、インナーレンズ8の導光部8b(図1、図2(B)、図3および図5(B)参照)の屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)が、リフレクタ5の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)および図2(B)参照)の前端部5a1b1(図1(B)および図3参照)よりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図1(B)の上側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1がリフレクタ5の放物系反射面5a1aの前端部5a1a1よりも車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側)に配置されている場合や、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1がリフレクタ5の放物系反射面5a1bの前端部5a1b1よりも車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側)に配置されている場合よりも、車両用前照灯100全体の前後方向寸法(照射方向寸法)(図1(B)の上下方向寸法)を小型化することができる。
【0081】
換言すれば、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図3、図4(A)および図5(A)参照)または発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1aU1,L1aU2,L1bU1,L1bU2(図8参照)が車両用前照灯100の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除しつつ、発光素子光源1a,1bからの光の利用効率を向上させると共に、車両用前照灯100全体の前後方向寸法(照射方向寸法)を小型化することができる。
【0082】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図3、図4(A)および図5(A)参照)の光軸1a1(図1(B)参照)が車両用前照灯100の左後向き(図1(B)の左上向き)に指向せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aの光軸1a1が車両用前照灯100の左向き(図1(B)の左向き)に指向せしめられている場合や、発光素子光源1aの光軸1a1が車両用前照灯100の左前向き(図1(B)の左下向き)に指向せしめられている場合よりも、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側)に放射される光の量を少なくすることができ、その結果、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図3および図5(A)参照)の屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)を小さくすることができる。
【0083】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図4(B)および図5(B)参照)の光軸1b1(図1(B)参照)が車両用前照灯100の右後向き(図1(B)の右上向き)に指向せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bの光軸1b1が車両用前照灯100の右向き(図1(B)の右向き)に指向せしめられている場合や、発光素子光源1bの光軸1b1が車両用前照灯100の右前向き(図1(B)の右下向き)に指向せしめられている場合よりも、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側)に放射される光の量を少なくすることができ、その結果、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の導光部8b(図1、図2(B)、図3および図5(B)参照)の屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)を小さくすることができる。
【0084】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図3および図5(A)参照)の屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)に入射面8a1a(図5(A)参照)と出射面8a1b1,8a1b2(図5(A)参照)とが設けられている。
【0085】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(A)に示すように、発光素子光源1aを含む水平面H1aに対して第1の角度をなして発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に放射される上向きの光L1aU1が、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)の入射面8a1a(図5(A)参照)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b1から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光L1a8aとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に照射される。
【0086】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(A)に示すように、発光素子光源1aを含む水平面H1aに対して第1の角度より大きい第2の角度をなして発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に放射される上向きの光L1aU2が、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)の入射面8a1a(図5(A)参照)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b2から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光L1a8aとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に照射される。
【0087】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図5(A)に示すように、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b1の上端部8a1b1bが、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b2の下端部8a1b2aよりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図5(A)の右側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b1の上端部8a1b1bがインナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b2の下端部8a1b2aよりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図5(A)の右側)に配置されていない場合よりも、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1のうち、発光素子光源1aを含む水平面H1aに対して第1の角度をなして発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1aU1(図8(A)参照)が透過せしめられる部分の厚さ寸法(入射面8a1aと出射面8a1b1との間隔)を小さくすることができる。
【0088】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の導光部8b(図1、図2(B)、図3および図5(B)参照)の屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)に入射面8b1a(図5(B)参照)と出射面8b1b1,8b1b2(図5(B)参照)とが設けられている。
【0089】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(B)に示すように、発光素子光源1bを含む水平面H1bに対して第3の角度をなして発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に放射される上向きの光L1bU1が、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)の入射面8b1a(図5(B)参照)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光L1b8bとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に照射される。
【0090】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(B)に示すように、発光素子光源1bを含む水平面H1bに対して第3の角度より大きい第4の角度をなして発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に放射される上向きの光L1bU2が、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)の入射面8b1a(図5(B)参照)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光L1b8bとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に照射される。
【0091】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図5(B)に示すように、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1の上端部8b1b1bが、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2の下端部8b1b2aよりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図5(B)の右側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1の上端部8b1b1bがインナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2の下端部8b1b2aよりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図5(B)の右側)に配置されていない場合よりも、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1のうち、発光素子光源1bを含む水平面H1bに対して第3の角度をなして発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1bU1(図8(B)参照)が透過せしめられる部分の厚さ寸法(入射面8b1aと出射面8b1b1との間隔)を小さくすることができる。
【0092】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(A)に示すように、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)に入射しない光L1aDを素通りさせて水平光または下向きの光L1a8aを出射する素通し部8a2(図2(A)および図5(A)参照)が、インナーレンズ8の導光部8aに設けられている。詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(A)に示すように、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ5の放物系反射面5a1aに入射しない光L1aDが、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2の入射面8a2aを透過せしめられ、次いで、出射面8a2bを透過せしめられ、水平光または下向きの光L1a8aとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に照射される。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に放射される水平光または下向きの光L1aDがインナーレンズ8の導光部8aによって屈折せしめられ、上向きのグレア光となって車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、例えば特許文献1に記載された車両用前照灯のように、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に放射される下向きの光L1aDが遮光部材によって遮られ、車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(A)の左側)に照射されない場合よりも、発光素子光源1aからの光の利用効率を向上させることができる。
【0093】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(B)に示すように、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図3参照)に入射しない光L1bDを素通りさせて水平光または下向きの光L1b8bを出射する素通し部8b2(図2(B)および図5(B)参照)が、インナーレンズ8の導光部8bに設けられている。詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(B)に示すように、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ5の放物系反射面5a1bに入射しない光L1bDが、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2の入射面8b2aを透過せしめられ、次いで、出射面8b2bを透過せしめられ、水平光または下向きの光L1b8bとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に照射される。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に放射される水平光または下向きの光L1bDがインナーレンズ8の導光部8bによって屈折せしめられ、上向きのグレア光となって車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、例えば特許文献1に記載された車両用前照灯のように、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に放射される下向きの光L1bDが遮光部材によって遮られ、車両用前照灯100の照射方向の前側(図8(B)の左側)に照射されない場合よりも、発光素子光源1bからの光の利用効率を向上させることができる。
【0094】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図3および図5(A)参照)の素通し部8a2(図2(A)および図5(A)参照)が、リフレクタ5(図1、図2および図3参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)の前端部5a1a1(図1(B)参照)よりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図1(B)の上側、図2(A)の右側、図5(A)の右側)に配置されている。また、インナーレンズ8の導光部8b(図1、図2(B)、図3および図5(B)参照)の素通し部8b2(図2(B)および図5(B)参照)が、リフレクタ5の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図3参照)の前端部5a1b1(図1(B)および図3参照)よりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図1(B)の上側、図2(B)の右側、図5(B)の右側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2がリフレクタ5の放物系反射面5a1aの前端部5a1a1よりも車両用前照灯100の照射方向の前側に配置されている場合や、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2がリフレクタ5の放物系反射面5a1bの前端部5a1b1よりも車両用前照灯100の照射方向の前側に配置されている場合よりも、車両用前照灯100全体の前後方向寸法(照射方向寸法)を小型化することができる。
【0095】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(A)に示すように、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)の出射面8a1b1から出射する光L1a8aと、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)の出射面8a1b2から出射する光L1a8aと、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2(図2(A)および図5(A)参照)の出射面8a2bから出射する光L1a8aとによって配光パターンP1a8a(図10(A)参照)が形成される。更に、図8(B)に示すように、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)の出射面8b1b1から出射する光L1b8bと、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)の出射面8b1b2から出射する光L1b8bと、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図5(B)参照)の出射面8b2bから出射する光L1b8bとによって配光パターンP1b8b(図10(B)参照)が形成される。
【0096】
換言すれば、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(A)および図8(B)に示すように、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)の出射面8a1b1から出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図5(A)参照)の出射面8a1b2から出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2(図2(A)および図5(A)参照)の出射面8a2bから出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)の出射面8b1b1から出射する光L1b8b、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図5(B)参照)の出射面8b1b2から出射する光L1b8b、および、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図5(B)参照)の出射面8b2bから出射する光L1b8bのすべてが、すれ違いビーム用配光パターンP1(図9(A)参照)を形成するために用いられる。
【0097】
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b1から出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b2から出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2の出射面8a2bから出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1から出射する光L1b8b、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2から出射する光L1b8b、および、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2の出射面8b2bから出射する光L1b8bのいずれかがすれ違いビーム用配光パターンP1を形成するために用いられない場合よりも、発光素子光源1a,1bからの光がすれ違いビーム用配光パターンP1を形成するために用いられる効率を向上させることができる。
【0098】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図3に示すように、導光部8aの素通し部8a2(図2(A)および図5(A)参照)と導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図5(B)参照)とを連結する連結部8cが、インナーレンズ8に設けられている。また、連結部8cに接続された出射部8dがインナーレンズ8に設けられている。
【0099】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図11(A)に示すように、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図11(A)の左側)に放射され、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2(図2(A)および図5(A)参照)に入射し、素通し部8a2内で内面反射する光が、連結部8cに導光される。また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図11(B)に示すように、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図11(B)の左側)に放射され、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図5(B)参照)に入射し、素通し部8b2内で内面反射する光が、連結部8cに導光される。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図11(A)および図11(B)に示すように、インナーレンズ8の連結部8cに導光された光が、出射部8dに導光され、出射部8dの前側表面8d2から車両用前照灯100の照射方向の前側(図11(A)の左側、図11(B)の左側)にイルミネーション光L1a8d,L1b8dとして出射される。
【0100】
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図11(A)の左側)に放射され、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2(図2(A)および図5(A)参照)に入射する光のうち、素通し部8a2を素通りしない光L1aD(図11(A)参照)をイルミネーション光L1a8d(図11(A)参照)として有効利用することができる。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図11(B)の左側)に放射され、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図5(B)参照)に入射する光のうち、素通し部8b2を素通りしない光L1bD(図11(B)参照)をイルミネーション光L1b8d(図11(B)参照)として有効利用することができる。
【0101】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)および図2(B)に示すように、リフレクタ5の内側表面5aのうち、放物系反射面5a1a,5a1b,5a1c以外の部分に鏡面加工を施すことによりイルミネーション光用反射面5a2が形成されている。
【0102】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図12(A)に示すように、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の後側(図12(A)の右側)かつ下向きに放射される光L1aBDが、リフレクタ5のイルミネーション光用反射面5a2によって2回反射され、次いで、インナーレンズ8によって内面反射され、次いで、インナーレンズ8の出射部8dの前側表面8d2(図5(A)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図12(A)の左側)にイルミネーション光L1a8dとして出射される。
【0103】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図12(B)に示すように、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の後側(図12(B)の右側)かつ下向きに放射される光L1bBDが、リフレクタ5のイルミネーション光用反射面5a2によって2回反射され、次いで、インナーレンズ8によって内面反射され、次いで、インナーレンズ8の出射部8dの前側表面8d2(図5(B)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図12(B)の左側)にイルミネーション光L1b8dとして出射される。
【0104】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(A)に示すように、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の後側(図13(A)の右側)かつ下向きに放射される光L1aBDが、リフレクタ5のイルミネーション光用反射面5a2によって反射され、次いで、インナーレンズ8によって内面反射され、次いで、インナーレンズ8の出射部8dの前側表面8d2(図5(A)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)にイルミネーション光L1a8dとして出射される。
【0105】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(B)に示すように、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の後側(図13(B)の右側)かつ下向きに放射される光L1bBDが、リフレクタ5のイルミネーション光用反射面5a2によって反射され、次いで、インナーレンズ8によって内面反射され、次いで、インナーレンズ8の出射部8dの前側表面8d2(図5(B)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)にイルミネーション光L1b8dとして出射される。
【0106】
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、リフレクタ5の内側表面5aにイルミネーション光用反射面5a2が形成されておらず、発光素子光源1a,1bから車両用前照灯100の照射方向の後側かつ下向きに放射される光L1aBD,L1bBDの一部が車両用前照灯100の照射方向の前側にイルミネーション光L1a8d,L1b8dとして出射されない場合よりも、発光素子光源1a,1bからの光の利用効率を向上させることができる。
【0107】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、イルミネーション光L1a8d,L1b8dを拡散させて照射するためのレンズカットがインナーレンズ8(図1(A)、図2、図3および図5参照)の出射部8d(図1(B)、図2、図3および図5参照)の前側表面8d2(図5参照)に形成されている。リフレクタ5のイルミネーション光用反射面5a2からの反射光がインナーレンズ8の出射部8dの後側表面8d1に入射するように構成されている第2の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8の出射部8dの後側表面8d1にレンズカットを形成することも可能である。
【0108】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図3に示すように、発光素子光源1aからの光を拡散させて反射するための拡散部7aと、発光素子光源1b(図4(B)参照)からの光を拡散させて反射するための拡散部7bと、ヒートシンク3の光源支持部3aを覆うための化粧部7cと、点灯回路基板6を覆うための化粧部7dとが、エクステンション7に設けられている。更に、インナーレンズ8の導光部8a,8bおよび連結部8cを挿入するための開口部7d1が、エクステンション7の化粧部7dに形成されている。第1の実施形態の車両用前照灯100では、エクステンション7の後側表面に鏡面加工が施されていないが、第3の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、イルミネーション光L1a8d,L1b8d(図11、図12および図13参照)の量を増加させるためにエクステンション7の後側表面に鏡面加工を施すことも可能である。
【0109】
第4の実施形態では、上述した第1から第3の実施形態およびそれらの変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0110】
1a,1b,1c 発光素子光源
5 リフレクタ
5a1a,5a1b,5a1c 反射面
5a1a1,5a1b1 前端部
8 インナーレンズ
8a,8b 導光部
8a1,8b1 屈折部
100 車両用前照灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発光素子光源(1a)と、
第2発光素子光源(1b)と、
第1発光素子光源(1a)からの光を反射する第1放物系反射面(5a1a)と、第2発光素子光源(1b)からの光を反射する第2放物系反射面(5a1b)とを有するリフレクタ(5)とを具備し、
リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)からの反射光(L1a)およびリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)からの反射光(L1b)によってすれ違いビーム用配光パターン(P1)が形成されるように、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)および第2放物系反射面(5a1b)を構成し、
第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光を配光制御する第1導光部(8a)と、第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光を配光制御する第2導光部(8b)とを有するインナーレンズ(8)を設けた車両用前照灯(100)において、
第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光(L1aU1,L1aU2)を屈折させて水平光または下向きの光(L1a8a)を出射する屈折部(8a1)をインナーレンズ(8)の第1導光部(8a)に設け、
第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光(L1bU1,L1bU2)を屈折させて水平光または下向きの光(L1b8b)を出射する屈折部(8b1)をインナーレンズ(8)の第2導光部(8b)に設け、
インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)をリフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)の前端部(5a1a1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置し、
インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)をリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)の前端部(5a1b1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置したことを特徴とする車両用前照灯(100)。
【請求項2】
リフレクタ(5)の中心軸線(5’)上にヒートシンク(3)の光源支持部(3a)を配置し、
ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の左側面(3a1)上に第1発光素子光源(1a)を配置し、
ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の右側面(3a2)上に第2発光素子光源(1b)を配置し、
第1発光素子光源(1a)の光軸(1a1)を車両用前照灯(100)の左後向きに指向させ、
第2発光素子光源(1b)の光軸(1b1)を車両用前照灯(100)の右後向きに指向させたことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯(100)。
【請求項3】
インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)に入射面(8a1a)と第1出射面(8a1b1)と第2出射面(8a1b2)とを設け、
第1発光素子光源(1a)を含む水平面(H1a)に対して第1の角度をなして第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU1)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の入射面(8a1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1a8a)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射され、
第1発光素子光源(1a)を含む水平面(H1a)に対して第1の角度より大きい第2の角度をなして第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1aU2)が、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の入射面(8a1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1a8a)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射され、
インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)の上端部(8a1b1b)を、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)の下端部(8a1b2a)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置し、
インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)に入射面(8b1a)と第1出射面(8b1b1)と第2出射面(8b1b2)とを設け、
第2発光素子光源(1b)を含む水平面(H1b)に対して第3の角度をなして第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU1)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の入射面(8b1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1b8b)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射され、
第2発光素子光源(1b)を含む水平面(H1b)に対して第3の角度より大きい第4の角度をなして第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される上向きの光(L1bU2)が、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の入射面(8b1a)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光(L1b8b)となって車両用前照灯(100)の照射方向の前側に照射され、
インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)の上端部(8b1b1b)を、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)の下端部(8b1b2a)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用前照灯(100)。
【請求項4】
第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)に入射しない光(L1aD)を素通りさせて水平光または下向きの光(L1a8a)を出射する素通し部(8a2)をインナーレンズ(8)の第1導光部(8a)に設け、
第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)に入射しない光(L1bD)を素通りさせて水平光または下向きの光(L1b8b)を出射する素通し部(8b2)をインナーレンズ(8)の第2導光部(8b)に設け、
インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)をリフレクタ(5)の第1放物系反射面(5a1a)の前端部(5a1a1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置し、
インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)をリフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)の前端部(5a1b1)よりも車両用前照灯(100)の照射方向の後側に配置したことを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯(100)。
【請求項5】
インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第1出射面(8a1b1)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の屈折部(8a1)の第2出射面(8a1b2)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)の出射面(8a2b)から出射する光(L1a8a)、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第1出射面(8b1b1)から出射する光(L1b8b)、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の屈折部(8b1)の第2出射面(8b1b2)から出射する光(L1b8b)、および、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)の出射面(8b2b)から出射する光(L1b8b)のすべてが、すれ違いビーム用配光パターン(P1)を形成するために用いられることを特徴とする請求項4に記載の車両用前照灯(100)。
【請求項6】
第1導光部(8a)の素通し部(8a2)と第2導光部(8b)の素通し部(8b2)とを連結する連結部(8c)をインナーレンズ(8)に設け、
第1発光素子光源(1a)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、インナーレンズ(8)の第1導光部(8a)の素通し部(8a2)に入射し、素通し部(8a2)内で内面反射する光が、連結部(8c)に導光され、
第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側に放射され、インナーレンズ(8)の第2導光部(8b)の素通し部(8b2)に入射し、素通し部(8b2)内で内面反射する光が、連結部(8c)に導光され、
連結部(8c)に接続された出射部(8d)をインナーレンズ(8)に設け、
インナーレンズ(8)の連結部(8c)に導光された光が、出射部(8d)に導光され、出射部(8d)の前側表面(8d2)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側にイルミネーション光(L1a8d,L1b8d)として出射されることを特徴とする請求項5に記載の車両用前照灯(100)。
【請求項7】
第3発光素子光源(1c)を設け、
第3発光素子光源(1c)からの光を反射する第3放物系反射面(5a1c)をリフレクタ(5)に設け、
リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)からの反射光(L1b)およびリフレクタ(5)の第3放物系反射面(5a1c)からの反射光によって走行ビーム用配光パターン(P2)が形成されるように、リフレクタ(5)の第2放物系反射面(5a1b)および第3放物系反射面(5a1c)を構成し、
リフレクタ(5)の内側表面(5a)のうち、第1放物系反射面(5a1a)、第2放物系反射面(5a1b)および第3放物系反射面(5a1c)以外の部分に鏡面加工を施すことによりイルミネーション光用反射面(5a2)を形成し、
第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)から車両用前照灯(100)の照射方向の後側かつ下向きに放射される光(L1aBD,L1bBD)の一部が、リフレクタ(5)のイルミネーション光用反射面(5a2)による反射、および、インナーレンズ(8)の内面反射を経て、インナーレンズ(8)の出射部(8d)の前側表面(8d2)から車両用前照灯(100)の照射方向の前側にイルミネーション光(L1a8d,L1b8d)として出射されることを特徴とする請求項6に記載の車両用前照灯(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−124111(P2011−124111A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281237(P2009−281237)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】