説明

車両用洗浄剤、車両用洗浄剤の保存方法および使用方法

【課題】絶縁性に優れた車両用洗浄剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の車両用洗浄剤は、ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有し、車両に備えたタンクから圧送されて該車両の外面に噴射される車両用洗浄剤であって、さらに、イオン交換体を含むことを特徴とする。イオン交換体はイオン交換樹脂であるのが好ましく、イオン交換樹脂が車両用洗浄剤に分散して存在するのが好ましい。
本発明の車両用洗浄剤によれば、イオン交換体により車両用洗浄剤に生じたイオン性物質が除去されるため、タンク内の車両用洗浄剤の絶縁性が長期に渡って保たれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両表面の洗浄に用いられる車両用洗浄剤であって、車両に備えたタンクに貯留して使用される車両用洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の表面に付着する汚染物質としては、空気中の塵、煤塵、油粒子の他、虫の死骸、植物性汚染成分、泥、アスファルト成分、手垢および自動車用ワックスの成分などが挙げられる。特に、これらの汚染物質は、車両の窓ガラスに付着すると明視性が阻害されるため、運転中の視界を確保する必要から車両用洗浄剤で適宜洗浄される。車両用洗浄剤としては、界面活性剤をアルコール水溶液に溶解したウィンドウォッシャー液が使用され、その品質については、日本工業規格(JISK 2398:2001)等によって規格化されている。
【0003】
また、車両用洗浄剤の一例として、特許文献1には、カチオン界面活性剤またはアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、炭化水素類、シリコーン、シリコーン誘導体、フッ素誘導体および水を配合したウィンドウォッシャーが開示されている。
【特許文献1】特開平10−183183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車の中でも、特に、燃料電池車の燃料電池部の付近で使用される液体は、安全性の点から絶縁性を有することが要求される。車両用洗浄剤は、通常、車両の前方に備えられたタンクに貯留されてフロントガラス等へと噴射されるため、燃料電池部付近で使用されることはほとんどない。ところが、たとえば事故によりタンクが破損するなどして、車両用洗浄剤が漏出することが考えられる。そのため、車両用洗浄剤は、絶縁性を有するのが望ましい。しかしながら、一般的に用いられている車両用洗浄剤は電離してイオンとなる界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性の界面活性剤)を含むものが多い。また、車両用洗浄剤は、通常、車両に設置されたタンクに貯留され、必要なときに必要な分だけ使用されるため、長期にわたってタンクに貯留され続けることが多い。長期に渡ってタンクに貯留された車両用洗浄剤は、たとえば、アルコールの酸化、また、水に溶解した大気中の二酸化炭素、等に起因するイオン性物質により電気抵抗が低下することがある。すなわち、絶縁性が考慮された車両用洗浄剤は、これまで提案されていない。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑み、絶縁性に優れた車両用洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用洗浄剤は、ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有し、車両に備えたタンクから圧送されて該車両の外面に噴射される車両用洗浄剤であって、さらに、イオン交換体を含むことを特徴とする。
【0007】
前記イオン交換体は、イオン交換樹脂であるのが好ましい。また、本発明の車両用洗浄剤において、前記イオン交換樹脂は、水溶性溶媒および/または水に分散して存在するのが好ましい。ただし、イオン交換体は、車両用洗浄剤と接触して存在しさえすればよく、水溶性溶媒および/または水への分散状態の均一性に限定はなく、また、沈積した状態であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両用洗浄剤は、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水とともに、界面活性剤としてノニオン界面活性剤を用いる。ノニオン界面活性剤を用いることで、車両用洗浄剤の初期の絶縁性は保持される。ところが、車両用洗浄剤は、既に述べたように、長期にわたってタンクに貯留され、その間に生じるグリコール類やアルコール類の酸化、また、水に溶解した大気中の二酸化炭素、等に起因するイオン性物質により電気抵抗が低下することがある。イオン交換体を含む車両用洗浄剤としたことで、イオン交換体により車両用洗浄剤に生じたイオン性物質が除去されるため、長期に渡って車両用洗浄剤の絶縁性が保たれる。
【0009】
この際、イオン交換体は、イオン交換樹脂であるのが好ましく、イオン交換樹脂が分散された車両用洗浄剤では、イオン性物質が適時に除去されるため、好ましい。
【0010】
また、本発明の車両用洗浄剤の保存方法は、ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有する車両用洗浄剤を、イオン交換体と接触させた状態で保存することを特徴とする。
【0011】
また、車両用洗浄剤の使用方法は、ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有する車両用洗浄剤を、車両に備えたタンクから圧送して該車両の外面に噴射する車両用洗浄剤の使用方法において、
前記タンク内に貯留された前記車両用洗浄剤を該タンク内でイオン交換体に接触させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の車両用洗浄剤は、主として車両の外面の洗浄に使用する洗浄剤である。車両用洗浄剤は、車両に備えた噴射装置により洗浄される対象物へと噴射されるのが一般的である。噴射装置は、主として、車両用洗浄剤を貯留するタンクと、タンク内の洗浄剤を圧送するポンプと、圧送された洗浄剤を噴射するノズル装置と、から構成される。車両用洗浄剤は、車両に備えたタンクから圧送され、車両の外面に噴射される。噴射の対象物(洗浄の対象物)としては、フロントガラス等の窓ガラスの他、ヘッドランプに対して噴射されてもよい。
【0013】
本発明の車両用洗浄剤は、界面活性剤と、水溶性溶媒および/または水と、を含有する。車両用洗浄剤では、洗浄性を付与するために、界面活性剤を含有することが必要である。界面活性剤としては、車両用洗浄剤の絶縁性の点から、水溶性溶媒中や水中でイオンに解離しないノニオン界面活性剤を用いる。イオンに解離しないノニオン界面活性剤を用いれば、車両用洗浄剤の初期の絶縁性が確保されるとともに、後述のイオン交換体によって界面活性剤が除去されることがないため、洗浄性が保たれる。
【0014】
使用できるノニオン界面活性剤に特に限定はなく、たとえば、ポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系、等が挙げられる。なかでも、ノニオン界面活性剤は、特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤およびポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合型ノニオン界面活性剤からなる群から選択される1種以上であるのが望ましい。具体的には、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
【0015】
水溶性溶媒は、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上を用いることができる。アルコール類としては炭素数3以下のアルコールが好ましく、中でも好適なのは、メタノール、エタノール、2−プロパノールである。グリコール類としては炭素数3以下のグリコールやグリコール化合物が好ましく、中でも好適なのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンである。
【0016】
本発明の車両用洗浄剤は、車両用洗浄剤全体(後述のイオン交換体を含まない;以下同様)を100重量%としたときに、ノニオン界面活性剤を0.01〜10重量%含有するのが好ましい。ノニオン界面活性剤の含有量が0.01重量%未満であると、洗浄性が十分に得られないことがあるため望ましくない。また、ノニオン界面活性剤の含有量が10重量%を超えると、車両の外面に噴射された車両用洗浄剤が乾燥して表面に白残することがあるため望ましくなく、特に、車両の窓ガラスの洗浄剤として望ましくない。車両用洗浄剤全体を100重量%としたときに、ノニオン界面活性剤の含有量が0.01〜5重量%さらには0.01〜2重量%であっても、十分な洗浄性を示す。また、本発明の車両用洗浄剤は、アルコール類やグリコール類を含むと凍結温度が低下して凍結が防止されるが、使用条件に応じて所望の凍結温度になるように水を含有してもよい。たとえば、本発明の車両用洗浄剤は、車両用洗浄剤全体を100重量%としたときに、ノニオン界面活性剤を0.01〜10重量%、上記水溶性溶媒を80重量%以下含み、残部が主として水であるのが好ましい。
【0017】
以上説明した本発明の車両用洗浄剤は、前述のように長期にわたって、車両に備えられたタンクに貯留される。その間、グリコール類やアルコール類の酸化により生じた酸化物、水に溶解した大気中の二酸化炭素、また、少量ではあるが、ノニオン界面活性剤の酸化により生じた酸化物、水道水に溶出した腐食イオン、等に起因するイオン性物質の生成により、車両用洗浄剤の絶縁性が低下する。そこで、本発明の車両用洗浄剤は、イオン性物質を除去するべく、少なくともタンク内でイオン交換体と接触する構成とする。すなわち、本発明の車両用洗浄剤は、イオン交換体を含む車両用洗浄剤である。
【0018】
イオン交換体は、陰イオン交換樹脂や陽イオン交換樹脂などのイオン交換樹脂であるのが望ましい。この際、イオン交換体として陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とを併用すれば、時間の経過に伴ってタンク内に発生した全てのイオン性物質を除去することができるため好適である。
【0019】
イオン交換体をタンク内で車両用洗浄剤と接触させる方法としては、粉末状のイオン交換樹脂を車両用洗浄剤に混合し、イオン交換樹脂を車両用洗浄剤に分散させる方法が挙げられる。イオン交換樹脂が水溶性溶媒および/または水に分散して存在する車両用洗浄剤では、イオン性物質が適時に除去されるため、好ましい。なお、イオン交換樹脂は、車両用洗浄剤に均一に分散されるのが望ましいが、車両用洗浄剤とイオン交換樹脂とが接触しさえすればよいため、イオン交換樹脂がタンクの底部に沈積した状態であってもよい。イオン交換樹脂がタンクの底部にあれば、車両用洗浄剤の使用により液面が低下しても、車両用洗浄剤とイオン交換樹脂とが良好に接触する。ただし、イオン交換樹脂の少なくとも一部が分散して存在する車両用洗浄剤を噴射装置により使用する場合には、タンクの出口付近にフィルタ等を設置して濾過するなどしてイオン交換樹脂を回収するとよい。
【0020】
また、イオン交換体は、車両用洗浄剤が流入可能な容器と、その容器内に充填されたイオン交換樹脂と、からなり、タンク内に配設されるとよい。タンク内に配設されたイオン交換体は、車両用洗浄剤に浸漬され、イオン交換樹脂と車両用洗浄剤とが接触する。容器としては、イオン交換樹脂が通過できない程度の大きさの複数の通孔を有する箱状体や袋状体、また、メッシュ素材からなる容器を用いることができる。容器は、タンクの底部に設置する他、タンク内で車両用洗浄剤の液面に浮かせて使用してもよい。なお、タンクや容器は、車両用洗浄剤に成分が溶出しなければ、材質に特に限定はない。
【0021】
イオン交換体は、主として、グリコール類やアルコール類の酸化により生じた酸化物が水溶性溶媒中や水中で解離して生じたイオン性物質を除去する。また、水を含有する場合には水に溶解した大気中の二酸化炭素や水道水に溶出した腐食イオン、ノニオン界面活性剤の酸化により生じた酸化物、等に起因するイオン性物質も除去される。その結果、タンク内に貯留された車両用洗浄剤は、その絶縁性が保持される。イオン性物質の具体例としては、アルコール類やグリコール類の酸化物に起因するH、RCOO、二酸化炭素に起因するHCOO、水道水に起因するCl、Fe2+等が挙げられる。
【0022】
イオン交換体としてイオン交換樹脂を用いる場合は、イオン交換樹脂は、タンク内に貯留されている車両用洗浄剤全体(イオン交換体を含まない)を100重量部としたときに、1重量部以上存在するのが望ましく、さらに望ましくは3〜30重量部である。車両用洗浄剤がタンク内で少なくとも1重量部のイオン交換樹脂と接触すれば、タンクで車両用洗浄剤に生じると想定されるイオン性物質を十分に除去できる。なお、イオン交換樹脂が5重量部以下であっても、イオン性物質の除去効果は発揮される。
【0023】
なお、本発明の車両用洗浄剤の好ましい導電率は20μS/cm以下、さらに好ましくは10μS/cm以下である。
【0024】
また、本発明は、その電気抵抗を保持できる車両用洗浄剤の保存方法として捉えることもできる。すなわち、ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有する車両用洗浄剤を、イオン交換体と接触させた状態で保存することで、車両用洗浄剤の電気抵抗が高く保持される。
【0025】
さらに、本発明は、ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有する一般的な車両用洗浄剤の使用方法として捉えることもできる。車両用洗浄剤を車両に備えたタンクから圧送して車両の外面に噴射する車両用洗浄剤の使用方法において、タンク内に貯留された車両用洗浄剤をタンク内でイオン交換体に接触させることにより、車両用洗浄剤の電気抵抗が高く保持される。
【0026】
以上、本発明の車両用洗浄剤の実施形態を説明したが、本発明の車両用洗浄剤は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の車両用洗浄剤は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。たとえば、防曇剤、紫外線吸収剤、着色剤などを本発明の車両用洗浄剤に添加してもよい。
【実施例】
【0027】
以下に、本発明の車両用洗浄剤の実施例を比較例とともに説明する。
【0028】
[実施例1]
メタノール水溶液に、ノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製エマルゲン420)を溶解して、車両用洗浄剤を調製した。ノニオン界面活性剤、メタノールおよび水の含有量を表1に示す。得られた車両用洗浄剤100重量部に対して、イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製ダイヤイオンSMT1200およびSAT1200)を3重量部となるように、イオン交換樹脂を車両用洗浄剤へ投入して混合し、実施例1の車両用洗浄剤を得た。
【0029】
[比較例1]
メタノール水溶液に、ノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製エマルゲン420)を溶解して、車両用洗浄剤を調製した。ノニオン界面活性剤、メタノールおよび水の含有量を表1に示す。なお、比較例1では、イオン交換樹脂を用いなかった。
【0030】
[比較例2]
メタノール水溶液に、アニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム(花王株式会社製エマール20C)を溶解して、車両用洗浄剤を調製した。アニオン界面活性剤、メタノールおよび水の含有量を表1に示す。
[評価]
実施例1、比較例1および比較例2の各車両用洗浄剤について、導電率を測定した。車両用洗浄剤の絶縁性の低下は長時間を要する現象であるため、加熱による促進試験を行い加熱前後の導電率を比較した。促進試験は、各車両用洗浄剤100mLを、それぞれ250mLの耐熱瓶に移し、これを加熱して672時間100℃(大気中)に保った。なお、実施例1については、100mL中に表1に示す所定量のイオン交換樹脂が含まれる。また、比較例3として水を準備し、水についても同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0031】
実施例1および比較例1の車両用洗浄剤は、イオン交換樹脂の有無の点で異なる。実施例1と比較例1とでノニオン界面活性剤、メタノールおよび水の配合量は同じであり、加熱前の導電率は、ともに2.8μS/cmであった。イオン交換樹脂を用いた実施例1では、加熱の前後で導電率に大きな変化はなく、導電率は低く保たれた。一方、イオン交換樹脂を用いなかった比較例1では、加熱後の導電率が大きく上昇した。また、アニオン界面活性剤を用いた比較例2では、アニオン界面活性剤の電離によるイオン性物質のため、加熱前後の導電率は非常に高かった。比較例1および比較例2では、加熱によるメタノールの酸化などで生じたイオン性物質が除去されずに洗浄剤中に存在するため、加熱後さらに高い導電率を示した。
【0032】
なお、比較例2でイオン交換樹脂を用いると、アニオン界面活性剤がメタノール水溶液中でイオンに解離し、イオン交換樹脂によりアニオン界面活性剤が除去されるため、洗浄性が低下する。また、水(比較例3)の導電率は、25.7μS/cmであるが、加熱により大気中の二酸化炭素が溶け込むことでイオン性物質が生成され、加熱後はさらに導電率が上昇した。
【0033】
また、実施例1の車両用洗浄剤は、加熱の前後で洗浄性に大きな差はなかった。
【0034】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有し、車両に備えたタンクから圧送されて該車両の外面に噴射される車両用洗浄剤であって、
さらに、イオン交換体を含むことを特徴とする車両用洗浄剤。
【請求項2】
前記イオン交換体は、イオン交換樹脂である請求項1記載の車両用洗浄剤。
【請求項3】
前記イオン交換樹脂は、水溶性溶媒および/または水に分散して存在する請求項2記載の車両用洗浄剤。
【請求項4】
前記イオン交換体は、車両用洗浄剤の流入が可能な容器と、該容器内に充填されたイオン交換樹脂と、からなり、前記タンク内に配設される請求項1記載の車両用洗浄剤。
【請求項5】
前記イオン交換樹脂は、該イオン交換樹脂を除く車両用洗浄剤全体を100重量部としたときに、1重量部以上存在する請求項2〜4のいずれかに記載の車両用洗浄剤。
【請求項6】
前記イオン交換樹脂を除く車両用洗浄剤全体を100重量%としたときに、前記ノニオン界面活性剤を0.01〜10重量%、前記水溶性溶媒を80重量%以下含み、残部が主として水である請求項1〜5のいずれかに記載の車両用洗浄剤。
【請求項7】
前記ノニオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤およびポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合型ノニオン界面活性剤からなる群から選択される1種以上である請求項1〜6のいずれかに記載の車両用洗浄剤。
【請求項8】
噴射の対象物は、前記車両のフロントガラスおよび/またはヘッドランプである請求項1記載の車両用洗浄剤。
【請求項9】
ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有する車両用洗浄剤を、車両に備えたタンクから圧送して該車両の外面に噴射する車両用洗浄剤の使用方法において、
前記タンク内に貯留された前記車両用洗浄剤を該タンク内でイオン交換体に接触させることを特徴とする車両用洗浄剤の使用方法。
【請求項10】
ノニオン界面活性剤と、グリコール類およびアルコール類からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒および/または水と、を含有する車両用洗浄剤を、イオン交換体と接触させた状態で保存することを特徴とする車両用洗浄剤の保存方法。

【公開番号】特開2008−280462(P2008−280462A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127271(P2007−127271)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(591125289)日本ケミカル工業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】