説明

車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット、車両用灯具

【課題】従来の光源ユニットでは、発光チップの放熱上の課題がある。
【解決手段】この発明は、光源部10と、ソケット部11と、を備える。光源部10は、基板3、発光チップ41〜44と、を備える。発光チップ41〜44は、基板3の取付面34に取り付けられている。ソケット部11は、放熱部材8を備える。基板3の当接面35と放熱部材8の当接面80とが相互に当接されている。発光チップ41〜44が基板3を介して放熱部材8が位置する箇所に対応して位置する。この結果、この発明は、発光チップ41〜44の放熱上の課題を解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源を光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。以下、従来の光源ユニットについて説明する。特許文献1の光源ユニットは、リードフレームにLEDベアチップを搭載すると共に抵抗器を接続して発光部を構成し、この発光部をホルダと口金とに組み込んでなるものである。特許文献2の光源ユニットは、基板に複数のLEDチップを実装し、基板にリフレクターを配置し、樹脂でLEDチップの上面を覆ってなるものである。特許文献3の光源ユニットは、ベース部の主面に複数の絶縁性ヒートシンクを介して複数のLEDチップを設け、複数のLEDチップを樹脂モールドで封止し、ベース部の裏面に支持体および複数の放熱フィンを設け、支持体に口金を設けてなるものである。
【0003】
ところが、特許文献1の光源ユニットおよび特許文献2の光源ユニットは、LEDベアチップおよびLEDチップで発生する熱を外部に放射する手段が設けられていないので、LEDベアチップおよびLEDチップにおける放熱上に課題がある。また、特許文献2の光源ユニットおよび特許文献3の光源ユニットは、LEDチップの発光を制御する制御手段が基板およびベース部にLEDチップと共に設けられていないので、別個に制御手段を設ける必要があり、その分、部品点数が増して、部品が大型化し、かつ、製造コストが高くなる課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−205080号公報
【特許文献2】特開2007−176219号公報
【特許文献3】特開2009−21264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の光源ユニットでは、LEDベアチップおよびLEDチップにおける放熱上の課題と、部品点数が増して部品が大型化しかつ製造コストが高くなる課題と、があるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、光源部と、光源部が取り付けられているソケット部と、を備え、光源部が、取付面および当接面を有する取付部材と、半導体型光源の発光チップと、発光チップの発光を制御する制御素子と、制御素子を介して発光チップに給電する配線素子と、を備え、発光チップおよび制御素子および配線素子が取付部材の取付面に取り付けられていて、ソケット部が、絶縁部材と、当接面を有しかつ光源部で発生する熱を外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)させる放熱部材と、光源部に給電する給電部材と、を備え、放熱部材と給電部材とが絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込まれていて、取付部材の当接面と放熱部材の当接面とが相互に当接されていて、発光チップが取付部材を介して放熱部材が位置する箇所に対応して位置する、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、発光チップと制御素子との間には配線素子が配線されていて、配線素子には蛇行形状もしくは迂回形状をなしている接続部分が設けられていて、発光チップと制御素子との間には、配線素子の接続部分と、配線素子が配線されていない取付部材のままの絶縁部分とが、交互に配置されている、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、発光チップおよび制御素子および配線素子が複数個配置されていて、複数個の発光チップおよび複数個の制御素子および複数個の配線素子が複数のランプ機能ごとにグループ化されていて、複数のランプ機能のうち発熱容量が大きいグループの発光チップおよび制御素子および配線素子が取付部材を介して放熱部材のうち放熱容量が大きい箇所に対応して位置する、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、発光チップおよび制御素子および配線素子が複数個配置されていて、複数個の発光チップおよび複数個の制御素子および複数個の配線素子が複数のランプ機能ごとにグループ化されていて、取付部材および放熱部材のうち給電部材が位置する箇所には切欠が設けられていて、複数のランプ機能のうち発熱容量が大きいグループの発光チップおよび制御素子および配線素子が、取付部材のうち切欠が設けられていない箇所もしくは設けられている切欠が少ない箇所に位置する、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、発光チップが複数個配置されていて、複数個の発光チップが、複数のランプ機能ごとに、少なくとも、常時発光するグループとその他のグループとにグループ化されていて、常時発光するグループの発光チップがその他のグループの発光チップの間に配置されている、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、取付部材と放熱部材とが兼用されていて、発光チップおよび制御素子および配線素子が取付部と兼用の放熱部材に直接取り付けられている、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)は、ソケット部がランプハウジングに取り付けられていて、光源部が灯室内に配置されていて、発光チップが取付部材の中心であって放熱部材の中心近傍に配置されていて、制御素子が取付部材の縁部であって放熱部材の縁部に配置されている、ことを特徴とする。
【0014】
さらにまた、この発明(請求項9にかかる発明)は、発光チップから放射される光を配光制御する配光制御部を備え、発光チップが配光制御部の焦点の近傍に配置されている、ことを特徴とする。
【0015】
さらにまた、この発明(請求項10にかかる発明)は、発光チップが複数個集中して配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、前記の課題を解決するための手段により、発光チップで発生する熱が取付部材を介して放熱部材に伝達されてこの放熱部材から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)される。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップにおける放熱上の課題を解決することができる。
【0017】
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップおよび制御素子および配線素子が取付部材の取付面に取り付けられているので、その分、部品点数を軽減することができ、部品を小型化することができ、かつ、製造コストを安価にすることができる。
【0018】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップと制御素子との間に位置する絶縁部分により、制御素子において発生する熱が配線素子を介して発光チップに伝達されるのを確実に防止することができる。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップにおける温度上昇を確実に防止することができ、その分、発光チップの発光効率が向上される。
【0019】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、前記の課題を解決するための手段により、発熱容量が大きいグループの発光チップや制御素子や配線素子において発生する熱が取付部材を介して放熱部材のうち放熱容量が大きい箇所に伝達されてこの放熱部材のうち放熱容量が大きい箇所から外部に放射される。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップや制御素子や配線素子において発生する熱を効率良く外部に放射することができ、その分、発光チップの発光効率を向上させることができる。
【0020】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、前記の課題を解決するための手段により、発熱容量が大きいグループの発光チップおよび制御素子および配線素子を、取付部材のうち切欠が設けられていない箇所もしくは設けられている切欠が少ない箇所、すなわち、取付部材の取付面のうち広い範囲の取付面に配置させることができる。この結果、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発熱容量が大きいグループの発光チップおよび制御素子および配線素子の、取付部材の広い範囲の取付面への配置、すなわち、レイアウトにおいて、自由度が増す。すなわち、前記の請求項2にかかる発明の絶縁部分を形成することができる。その分、発熱容量が大きいグループの発光チップおよび制御素子および配線素子において発生する熱を効率良く外部に放射することができ、発光チップの発光効率を向上させることができる。
【0021】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、常時発光するグループの発光チップがその他のグループの発光チップの間に配置されているので、常時発光するグループの発光チップを相互に近接させることができる。この結果、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、常時発光するグループの発光チップを発光させたときに、常時発光するグループの発光チップの間の光の抜けがないので、光学設計が容易となる。
【0022】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、前記の課題を解決するための手段により、発光チップや制御素子や配線素子において発生する熱が放熱部材に直接伝達されてこの放熱部材から外部に放射される。この結果、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップや制御素子や配線素子において発生する熱を効率良く外部に放射することができ、その分、発光チップの発光効率を向上させることができる。
【0023】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、前記の請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと同様の効果を達成することができる。
【0024】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、ソケット部をランプハウジングに取り付けて光源部を灯室内に配置した際に、発光チップが取付部材や放熱部材を介してソケット部の中心近傍に位置するので、発光チップの灯室内の位置のぶれを極力小さくすることができる。この結果、この発明(請求項8にかかる発明)の車両用灯具は、配光のぶれを極力小さくすることができ、配光制御や配光設計が容易となり、かつ、交通安全にも貢献することができる。
【0025】
さらにまた、この発明(請求項9にかかる発明)の車両用灯具は、発光チップが配光制御部の焦点の近傍に配置されているので、光学設計が容易となる。
【0026】
さらにまた、この発明(請求項10にかかる発明)の車両用灯具は、複数個の発光チップが集中して配置されているので、1灯タイプの車両用灯具に適している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1を示し、発光チップおよび制御素子および配線素子の配置状態の平面図(上から見た図)である。
【図2】図2は、同じく、第1配線素子を示す平面図である。
【図3】図3は、同じく、第2配線素子を示す平面図である。
【図4】図4は、同じく、第3配線素子を示す平面図である。
【図5】図5は、同じく、第4配線素子を示す平面図である。
【図6】図6は、同じく、第5配線素子を示す平面図である。
【図7】図7は、同じく、光源ユニットの光源部を示す一部拡大断面図である。
【図8】図8は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【図9】図9は、同じく、放熱部材を示す平面図である。
【図10】図10は、同じく、発光チップの配置状態を示す平面説明図である。
【図11】図11は、同じく、発光チップおよび制御素子の配置状態を示す平面説明図である。
【図12】図12は、同じく、光源部とソケット部を示す分解斜視図である。
【図13】図13は、同じく、光源部とソケット部の組付状態を示す平面図である。
【図14】図14は、同じく、光源部とソケット部の組付状態を示す背面図である。
【図15】図15は、同じく、図14におけるXV−XV線断面図である。
【図16】図16は、同じく、図14におけるXVI−XVI線断面図である。
【図17】図17は、同じく、4個の発光チップの配置状態を示す平面説明図である。
【図18】図18は、同じく、3個の発光チップの配置状態を示す平面説明図である。
【図19】図19は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図20】図20は、同じく、テールランプ機能の点灯状態を示す説明図である。
【図21】図21は、同じく、ストップランプ機能の点灯状態を示す説明図である。
【図22】図22は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2を示し、発光チップおよび制御素子および放熱部材の縦断面図(垂直断面図)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例のうちの2例およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0029】
図1〜図21は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例を示す。
【0030】
以下、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施例における車両用灯具の構成について説明する。図19において、符号100は、この実施例における車両用灯具である。
【0031】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能(図20参照)とストップランプ機能(図21参照)とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0032】
前記車両用灯具100は、図19に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路2(図8参照)と、を備えるものである。
【0033】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。
【0034】
前記ランプレンズ102は、たとえば、不透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0035】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0036】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、図12〜図19に示すように、光源部10と、ソケット部11と、カバー部12と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0037】
前記光源ユニット1は、図19に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101に防水パッキン(Oリング)108を介して水密性にかつ着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0038】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図1〜図13、図15〜図18に示すように、取付部材としての基板3と、前記半導体型光源の複数個この例では4個の発光チップ41、42、43、44と、制御素子としての2個の抵抗51、52および2個のダイオード53、54と、配線素子としての配線61、62、63、64、65、66、67、68、69と、を備えるものである。
【0039】
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、図1、図9〜図13、図15〜図18に示すように、平面(上)から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面(上面)には、平面の取付面34が設けられている。前記基板3の他面(下面)には、平面の当接面35が設けられている。前記基板3の取付面34には、高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面(図示せず)が設けられている。
【0040】
前記基板3の前記取付面34には、前記4個の発光チップ41〜44および前記2個の抵抗51、52および前記2個のダイオード53、54および前記配線61〜69が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、蒸着などにより、設けられている)。なお、図9〜図13、図15〜図18においては、図面を簡略化するために、前記2個の抵抗51、52および前記2個のダイオード53、54および前記配線61〜69および切欠31〜33などの図示を省略してある場合がある。
【0041】
前記4個の発光チップ41〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。前記発光チップ41〜44は、図1、図10〜図13、図15、図17、図18に示すように、平面(上)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記4個の発光チップ41〜44は、図17(A)に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O近傍に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されている。前記4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。
【0042】
前記4個の発光チップ41〜44は、テールランプ機能の一部(この例では2個)の発光チップ43、44と、ストップランプ機能の全部(この例では4個)の発光チップ41〜44と、にグループ化されている。1列に配置されている前記4個の発光チップ41〜44のうちの中の2個の発光チップ43、44は、前記テールランプ機能と前記ストップランプ機能とに兼用される。1列に配置されている前記4個の発光チップ41〜44のうちの両端(両外側)の2個の発光チップ41、42は、前記ストップランプ機能のみに使用される。前記ストップランプ機能と兼用の前記テールランプ機能(以下、単に「テールランプ機能」と称する)の2個の発光チップ43、44は、前記ストップランプ機能のみの2個の発光チップ41、42の間に配置されている。
【0043】
前記抵抗51、52は、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗などからなる。前記抵抗51、52は、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ41〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ41〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ41〜44の明るさ(光束、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗51、52の値を調整して(トリミングして)前記発光チップ41〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ41〜44の明るさ(光束、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。前記トリミングは、図7に示すように、たとえば、レーザーで前記抵抗51、52の一部を切り欠いて抵抗値を調整するものである。なお、トリミングにより抵抗値は増加する。
【0044】
前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に直列に接続されている前記抵抗51と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗52とは、図8においてそれぞれ1個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、複数個配置する場合がある。例えば、2個ずつ、もしくは、図1に示すように、前記テールランプ機能の前記抵抗51を3個、前記ストップランプ機能の前記抵抗52を4個配置する場合がある。
【0045】
前記ダイオード53、54は、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44と前記抵抗51とに直列に接続されているダイオード53と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗52とに直列に接続されているダイオード54とは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0046】
前記配線61〜69は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線やワイヤなどからなる。前記配線61〜69は、前記抵抗51、52、前記ダイオード53、54を介して前記発光チップ41〜44に給電するものである。
【0047】
(発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線61〜69のレイアウトの説明と駆動回路2の説明)
前記4個の発光チップ41〜44、および、前記2個の抵抗51、52、および、前記2個のダイオード53、54、および、前記配線61〜69は、図1の電気部品のレイアウト図および図8の電気回路図に示すように、配置されていてかつ接続されている。
【0048】
図2に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第1配線61には、前記ストップランプ機能の発光チップ41と抵抗52とダイオード54とが直列に配置接続されている。前記第1配線61のうち、前記発光チップ41側の部分と前記抵抗52および前記ダイオード54側の部分との間には、蛇行形状もしくは迂回形状をなしている接続部分610が設けられている。この結果、前記接続部分610と前記発光チップ41側の部分との間には、幅広の間S1が形成されている。また、前記接続部分610と前記抵抗52および前記ダイオード54側の部分との間には、幅狭の間S2が形成されている。なお、図1、図2において、前記抵抗52は、4個図示されているが、前記抵抗52の個数は、限定されず、1〜3個、もしくは、5個以上でも良い。
【0049】
図3に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第3配線63には、ボンディング部631と前記ストップランプ機能の発光チップ42とが直列に配置接続されている。前記第3配線63のうち、前記発光チップ42側の部分と前記ボンディング部631側の部分との間には、蛇行形状もしくは迂回形状をなしている接続部分630が設けられている。この結果、前記接続部分630と前記発光チップ42側の部分との間には、幅広の間S3が形成されている。前記第1配線61の前記発光チップ41と前記第3配線63の前記ボンディング部631とには、ワイヤの第2配線62が直列に接続されている。
【0050】
図4に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第5配線65には、前記テールランプ機能の発光チップ43と抵抗51とダイオード53とボンディング部651とが直列に配置接続されている。なお、図1、図4において、前記抵抗51は、3個図示されているが、前記抵抗51の個数は、限定されず、1個、2個、もしくは、4個以上でも良い。前記第3配線63の前記発光チップ42と前記第5配線65の前記ボンディング部651とには、ワイヤの第4配線64が直列に接続されている。
【0051】
図5に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第7配線67には、前記テールランプ機能の発光チップ44とボンディング部671とが直列に配置接続されている。前記第5配線65の前記発光チップ43と前記第7配線67の前記ボンディング部671とには、ワイヤの第6配線66が直列に接続されている。
【0052】
図6に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第9配線69には、ボンディング部691が配置接続されている。前記第7配線67の前記発光チップ44と前記第9配線69の前記ボンディング部691とには、ワイヤの第8配線68が直列に接続されている。
【0053】
前記光源部10は、前記の通り、取付部材としての前記基板3と、半導体型光源の前記発光チップ41〜44と、制御素子としての前記抵抗51、52および前記ダイオード53、54と、配線素子としての前記配線61〜69と、を備えるものである。
【0054】
図1に示すように、前記発光チップ41〜44と前記抵抗51、52および前記ダイオード53、54との間には、前記配線61、63、65の前記接続部分610、630、650と、前記配線61〜69が配線されていない前記基板3のままの絶縁部分すなわち前記間S1〜S4とが、交互に配置されている。
【0055】
前記4個の発光チップ41〜44および前記2個の抵抗51、52および前記2個のダイオード53、54および前記9個の配線61〜69は、前記テールランプ機能と前記ストップランプ機能ごとにグループ化されている。前記ストップランプ機能の前記発光チップ41〜44および前記抵抗52および前記ダイオード54および前記配線61〜63における発熱容量は、前記テールランプ機能の前記発光チップ43、44および前記抵抗51および前記ダイオード53および前記配線65における発熱容量と比較して大きい。
【0056】
このために、図10に示すように、発熱容量が大きい前記ストップランプ機能の前記発光チップ41〜44および前記抵抗52および前記ダイオード54および前記配線61〜63は、主に、前記基板3を介して後記放熱部材8のうち放熱容量が大きい箇所(図10中の斜線が施されている箇所)84に対応して位置する。前記箇所84は、前記基板3の上半分の箇所であって、前記基板3および後記放熱部材8のうち前記切欠31〜33および後記切欠81〜83が設けられていない箇所もしくは設けられている前記切欠が少ない箇所である。前記箇所84は、後記箇所85と比較して、面積が広い。
【0057】
なお、発熱容量が小さい前記テールランプ機能の前記発光チップ43、44および前記抵抗51および前記ダイオード53および前記配線65は、主に、前記基板3を介して後記放熱部材8のうち放熱容量が小さい箇所(図10中の格子が施されている箇所)85に対応して位置する。前記箇所85は、前記基板3の下半分の箇所であって、前記基板3および後記放熱部材8のうち前記切欠31〜33および後記切欠81〜83が設けられている箇所である。
【0058】
前記発光チップ41〜44は、図11に示すように、前記基板3の中心Oであって後記放熱部材8の中心O近傍部分(図11中の格子が施されている部分)86に配置されている。前記抵抗51、52および前記ダイオード53、54は、前記基板3の縁部であって後記放熱部材8の縁部(図11中の斜線が施されている部分)87に配置されている。
【0059】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図12〜図16に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0060】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、ほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、取付部70が設けられている。前記取付部70は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記取付部70は、前記ソケット部11の前記カバー12側の一部を前記ランプハウジング101の前記透孔104中に挿入して、その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに回転させることにより、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101に前記防水パッキン108を介して水密性にかつ着脱可能に取り付けられるためのものである。
【0061】
前記絶縁部材7の他端部(下端部)には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0062】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部(上端部)が平板形状をなし、中間部から他端部(下端部)にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性接着剤(図示せず)により接着されている。この結果、前記発光チップ41〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心O近傍部分86が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0063】
前記放熱部材8の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記切欠31〜33にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記切欠31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置している。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在している。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0064】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の一端部(上端部)は、末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記切欠31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93の一端部は、前記光源部10の前記配線65、61、69にそれぞれ電気的に接続されている。このようにして、前記光源部10は、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられることとなる。なお、前記給電部材91〜93の一端部は、前記基板3を前記放熱部材8に機械的に固定する場合もある。
【0065】
前記給電部材91〜93の他端部(下端部)は、窄まった形状をなしていて、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナル(おす型端子)910、920、930を構成するものである。
【0066】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
図8に示すように、前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナル(めす型端子)141、142、143が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナル141〜143が前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナル141〜143と前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0067】
図8、図19に示すように、前記コネクタ14の前記第1メスターミナル141および前記第2メスターミナル142は、ハーネス144、145およびスイッチSWを介して電源(直流電源のバッテリー)15に接続されている。前記コネクタ14の前記第3メスターミナル143は、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナル141〜143)タイプのコネクタ部およびコネクタである。
【0068】
(スイッチSWの説明)
前記スイッチSWは、可動接点150と、第1固定接点151と、第2固定接点152と、第3固定接点153と、共通固定接点154と、からなる3位置切替スイッチである。
【0069】
前記可動接点150が第1固定接点151の位置に切り替わっているとき(図8中の一点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記テールランプ機能のダイオード53と抵抗51とを経て前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に供給されている状態である。すなわち、前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44は、前記テールランプ機能のダイオード53と抵抗51を経て駆動電流が供給されている。
【0070】
前記可動接点150が第2固定接点152の位置に切り替わっているとき(図8中の二点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。すなわち、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、前記ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て駆動電流が供給されている。
【0071】
前記可動接点150が第3固定接点153の位置に切り替わっているとき(図8中の実線に示す状態のとき)には、前記4個の発光チップ41〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0072】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記4個の発光チップ41〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記カバー部12は、図19に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記4個の発光チップ41〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記カバー部12は、前記4個の発光チップ41〜44を外乱から保護するものである。
【0073】
この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例における車両用灯具100(以下、「この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0074】
まず、スイッチSWの可動接点150を第1固定接点151に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能のダイオード53と抵抗51とを経て、テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に供給される。この結果、テールランプ機能の2個の発光チップ43、44が発光する。
【0075】
このテールランプ機能の2個の発光チップ43、44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ43、44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、図20に示す、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0076】
つぎに、スイッチSWの可動接点150を第2固定接点152に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。すなわち、今まで発光していたテールランプ機能の2個の発光チップ43、44に対して、今まで消光状態のストップランプ機能の2個の発光チップ41、42が、今まで発光していたテールランプ機能の2個の発光チップ43、44と共に、新たに発光する。
【0077】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、図21に示す、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、光度、照度が大である)。
【0078】
それから、スイッチSWの可動接点150を第3固定接点153に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、4個の発光チップ41〜44もしくは2個の発光チップ43、44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0079】
そして、光源部10の発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線61〜69において発生した熱は、基板3を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。
【0080】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0081】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44で発生する熱が取付部材の基板3を介して放熱部材8に伝達されてこの放熱部材8(特に他端部のフィン形状の部分)から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)される。なお、熱の一部は、放熱部材8から絶縁部材7に伝達されてこの絶縁部材7から外部に放射される。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44における放熱上の課題を解決することができる。
【0082】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44および制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54および配線素子の配線61〜69が取付部材の基板3の取付面34に取り付けられているので、その分、部品点数を軽減することができ、部品を小型化することができ、かつ、製造コストを安価にすることができる。
【0083】
また、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44と制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54との間に位置する絶縁部分S1〜S4により、制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54において発生する熱が配線素子の配線61〜69を介して発光チップ41〜44に伝達されるのを確実に防止することができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44における温度上昇を確実に防止することができ、その分、発光チップ41〜44の発光効率が向上される。
【0084】
さらに、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発熱容量が大きいストップランプ機能の発光チップ41〜44や制御素子の抵抗52、ダイオード54や配線素子の配線61〜69において発生する熱が取付部材の基板3を介して放熱部材8のうち放熱容量が大きい箇所84に伝達されてこの放熱部材8のうち放熱容量が大きい箇所84から外部に放射される。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44や制御素子の抵抗52、ダイオード54や配線素子の配線61〜69において発生する熱を効率良く外部に放射することができ、その分、発光チップ41〜44の発光効率を向上させることができる。
【0085】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発熱容量が大きいストップランプ機能の発光チップ41〜44および制御素子の抵抗52、ダイオード54および配線素子の配線61〜69を、取付部材の基板3のうち切欠31〜33が設けられていない箇所もしくは設けられている切欠31〜33が少ない箇所、すなわち、取付部材の基板3の取付面34のうち広い範囲84の取付面34に配置させることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発熱容量が大きいストップランプ機能の発光チップ41〜44および制御素子の抵抗52、ダイオード54および配線素子の配線61〜69の、取付部材の基板3の広い範囲84の取付面34への配置、すなわち、レイアウトにおいて、自由度が増す。すなわち、絶縁部分S1〜S4を形成することができる。その分、発熱容量が大きいストップランプ機能の発光チップ41〜44および制御素子の抵抗52、ダイオード54および配線素子の配線61〜69において発生する熱を効率良く外部に放射することができ、発光チップ41〜44の発光効率を向上させることができる。
【0086】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44がその他のグループの発光チップすなわちストップランプ機能の発光チップ(ストップランプ機能のとき発光しテールランプ機能のとき発光しない発光チップ)41、44の間に配置されているので、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能の発光チップ43、44を相互に近接させることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44を発光させたときに、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44の間の光の抜けがないので、光学設計が容易となる。
【0087】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、ソケット部11を中心O軸回りに回転させて取付部70によりランプハウジング101に取り付けて、光源部10を灯室105内に配置した際に、発光チップ41〜44が取付部材の基板3や放熱部材8を介してソケット部11の中心O近傍に位置するので、発光チップ41〜44の灯室105内の位置のぶれを極力小さくすることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、配光のぶれを極力小さくすることができ、配光制御や配光設計が容易となり、かつ、交通安全にも貢献することができる。
【0088】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44特にテールランプ機能発光チップ43、44が配光制御部としてのリフレクタ103の焦点Fの近傍に配置されているので、光学設計が容易となる。
【0089】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、4個の発光チップ41〜44が集中して配置されているので、1灯タイプの車両用灯具に適している。
【実施例2】
【0090】
図22は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2を示す。図中、図1〜図21中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0091】
この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、取付部材の基板と放熱部材800とを兼用するものである。すなわち、放熱部材800の一端面800に取り付け面801を設ける。この放熱部材800の取付面801に、発光チップ41〜44および制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54および配線素子の配線を、直接取り付けている。なお、放熱部材800の取付面801と、発光チップ41〜44および制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54および配線素子の配線との間には、熱抵抗が低くかつ厚さが薄い(たとえば、100μ)絶縁層802が形成されている。この絶縁層802は、熱抵抗が低くかつ厚さが薄いので、発光チップ41〜44および制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54および配線素子の配線が放熱部材800の取付面801に直接取り付けているのとほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0092】
この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ41〜44および制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54および配線素子の配線において発生する熱が放熱部材800に直接(絶縁層802は、熱抵抗が低くかつ厚さが薄いので、ほぼ無視できる)伝達されてこの放熱部材800から外部に放射される。この結果、この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ41〜44や制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54や配線素子の配線において発生する熱を効率良く外部に放射することができ、その分、発光チップ41〜44の発光効率を向上させることができる。
【0093】
なお、前記の実施例1、2においては、4個の発光チップ41〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、2個、あるいは図18に示すように3個、5個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0094】
また、前記の実施例1、2においては、テール・ストップランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプ以外のコンビネーションランプにも使用することができる。
【0095】
さらに、前記の実施例1、2においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用できる。
【0096】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、4個の発光チップ41〜44を1列に配置したものである。ところが、この発明においては、発光チップを、複数列に、角形の角上に、円形状に、配置しても良い。たとえば、図17(B)に示すように四角形の4つの角に、または、図18(B)に示すように三角形の3つの角に、配置しても良い。
【0097】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、カバー部12とランプレンズ102とにより配光制御するものである。ところが、この発明においては、カバー部12もしくはランプレンズ102のうち少なくともいずれか一方により配光制御するようにしても良い。
【0098】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、4個の発光チップ41〜44のうち全部をストップランプ機能に使用して、中の2個の発光チップ43、44をテールランプ機能に使用するものである。ところが、この発明においては、4個の発光チップ41〜44のうち全部をストップランプ機能に使用して、外の2個の発光チップ41、42をテールランプ機能に使用しても良い。
【符号の説明】
【0099】
1 光源ユニット
10 光源部
11 ソケット部
12 カバー部
13 コネクタ部
14 コネクタ
141 第1メスターミナル
142 第2メスターミナル
143 第3メスターミナル
144、145、146 ハーネス
15 電源
150 可動接点
151 第1固定接点
152 第2固定接点
153 第3固定接点
154 共通固定接点
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 防水パッキン
2 駆動回路
3 基板(取付部材)
31、32、33 切欠
34 取付面
35 当接面
41、42、43、44 発光チップ
51、52 抵抗
53、54 ダイオード
61、62、63、64、65、66、67、68、69 配線
610、630、650 接続部分
631、651、671、691 ボンディング部
7 絶縁部材
70 取付部
8 放熱部材
80 当接面
81、82、83 切欠
84 放熱容量が大きい箇所
85 放熱容量が小さい箇所
86 中心近傍部分
87 縁部
91、92、93 給電部材
910 第1オスターミナル
920 第2オスターミナル
930 第3オスターミナル
F 焦点
O 中心
SW スイッチ
S1、S、S3、S4 間(絶縁部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットにおいて、
光源部と、前記光源部が取り付けられているソケット部と、を備え、
前記光源部は、取付面および当接面を有する取付部材と、半導体型光源の発光チップと、前記発光チップの発光を制御する制御素子と、前記制御素子を介して前記発光チップに給電する配線素子と、を備え、前記発光チップおよび前記制御素子および前記配線素子は、前記取付部材の取付面に取り付けられていて、
前記ソケット部は、絶縁部材と、当接面を有しかつ前記光源部で発生する熱を外部に放射させる放熱部材と、前記光源部に給電する給電部材と、を備え、前記放熱部材と前記給電部材とは、前記絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込まれていて、
前記取付部材の前記当接面と前記放熱部材の前記当接面とは、相互に当接されていて、
前記発光チップは、前記取付部材を介して前記放熱部材が位置する箇所に対応して位置する、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項2】
前記発光チップと前記制御素子との間には、前記配線素子が配線されていて、
前記配線素子には、蛇行形状もしくは迂回形状をなしている接続部分が設けられていて、
前記発光チップと前記制御素子との間には、前記配線素子の前記接続部分と、前記配線素子が配線されていない前記取付部材のままの絶縁部分とが、交互に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項3】
前記発光チップおよび前記制御素子および前記配線素子は、複数個配置されていて、
前記複数個の発光チップおよび前記複数個の制御素子および前記複数個の配線素子は、複数のランプ機能ごとにグループ化されていて、
前記複数のランプ機能のうち発熱容量が大きいグループの前記発光チップおよび前記制御素子および前記配線素子は、前記取付部材を介して前記放熱部材のうち放熱容量が大きい箇所に対応して位置する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項4】
前記発光チップおよび前記制御素子および前記配線素子は、複数個配置されていて、
前記複数個の発光チップおよび前記複数個の制御素子および前記複数個の配線素子は、複数のランプ機能ごとにグループ化されていて、
前記取付部材および前記放熱部材のうち前記給電部材が位置する箇所には、切欠が設けられていて、
前記複数のランプ機能のうち発熱容量が大きいグループの前記発光チップおよび前記制御素子および前記配線素子は、前記取付部材のうち前記切欠が設けられていない箇所もしくは設けられている前記切欠が少ない箇所に位置する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項5】
前記発光チップは、複数個配置されていて、
前記複数個の発光チップは、複数のランプ機能ごとに、少なくとも、常時発光するグループとその他のグループとにグループ化されていて、
常時発光するグループの前記発光チップは、その他のグループの前記発光チップの間に配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項6】
前記取付部材と前記放熱部材とは、兼用されていて、
前記発光チップおよび前記制御素子および前記配線素子は、前記取付部と兼用の前記放熱部材に直接取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項7】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項8】
前記ソケット部は、前記ランプハウジングに取り付けられていて、
前記光源部は、前記灯室内に配置されていて、
前記発光チップは、前記取付部材の中心であって前記放熱部材の中心近傍に配置されていて、
前記制御素子は、前記取付部材の縁部であって前記放熱部材の縁部に配置されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の車両用灯具。
【請求項9】
前記発光チップから放射される光を配光制御する配光制御部を備え、
前記発光チップは、前記配光制御部の焦点の近傍に配置されている、
ことを特徴とする請求項7または8に記載の車両用灯具。
【請求項10】
前記発光チップは、複数個集中して配置されている、
ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−146483(P2011−146483A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5305(P2010−5305)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】