説明

車両用照明装置

【課題】ドアが開いたときの点灯と、ユーザが車両に接近したと記の点灯と、を一つの照明で行うことにより、コストダウンを図った車両用照明装置を提供する。
【解決手段】マイコン7が、車載器4によりユーザの接近が検出されたときにデューティ60%でトランジスタスイッチ3をオンオフ制御して、ドームランプ用バルブ2を照度60%で点灯させるおもてなし点灯を行う。このおもてなし点灯中にドア開閉検出部5によりドアの開が検出されると、マイコン7は、トランジスタスイッチ3を常時オン制御(デューティ100%)して、ドームランプ用バルブ2を照度100%に上げて点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置に係り、特に、車両に設けた照明の点灯を制御する車両用照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した車両用照明装置1としては、例えば、図7に示されたようなものが提案されている(例えば特許文献1、2)。この車両用照明装置1においては、照明制御手段としてのマイクロコンピュータ(以下マイコン)7が、ドア開閉検出手段としてのドア開閉検出部5によりドアの開状態が検出されている間、トランジスタスイッチ3を制御して車両のドームランプ用バルブ2を徐々に明るくして点灯させ、ドアが閉められるとトランジスタスイッチ3を制御してドーム用ランプバルブ2を徐々に減光させて消灯させる(図8(B)参照)。また、上記マイコン7は、操作手段としてのドームスイッチ6がオンしているときにトランジスタスイッチ3をオン制御して車両のドームランプ用バルブ2を点灯させ、ドームスイッチ6がオフしているときにトランジスタスイッチ3を制御してドームランプ用バルブ2を消灯させる。このドームスイッチ6により手動でドームランプ用バルブ2の点灯、消灯を行うことができる。
【0003】
また、近年、メカニカルキーを使用することなく、車両のドアのロック又はアンロックを制御するスマートエントリーシステムが車両に搭載されるようになっている。このスマートエントリーシステムは、車両に搭載された車載器4と、携帯可能な携帯器8と、を備え、両者の無線通信によってドアのロック又はアンロックを制御する。即ち、車載器4がリクエスト信号を送信する。このリクエスト信号を外部から車両に近づいてきたユーザに携帯された携帯器8が、受信すると認証コードを含むアンサー信号を送信する。そして、車載器4が、このアンサー信号を受信すると予め登録された認証コードとアンサー信号に含まれる認証コードとを照合し、認証された場合にユーザのドアハンドルやラゲージハンドルの操作に伴って車両のドア又はラゲージをアンロックする。
【0004】
上記スマートエントリーシステムを搭載した車両において、上記車両用照明装置1のマイコン7は、図8(A)に示すように、携帯器8を持ったユーザが車両に近づいて車載器4が認証を行った結果、認証された場合に、トランジスタスイッチ10を制御してドームランプ付近に設けたおもてなし用ドームランプ9を徐々に明るくして点灯させる。その後、ユーザがドアを開いて車両に乗り込んだ後にドアを閉じて、ドアを閉じてから所定時間以上経過したり、エンジンがオンしたりすると、マイコン7は、トランジスタスイッチ10を制御しておもてなし用ドームランプ9を徐々に減光させて消灯させる(例えば特許文献3、4)。
【0005】
上述した従来の車両用照明装置1では、ドアが開いてドームランプ用バルブ2が消灯しているときにおもてなし用ドームランプ9も点灯しているため、車両に近づいたときとドアが開いたときとで明るさに差ができ、視覚的な効果が得られる。しかしながら、従来の車両用照明装置1は、ユーザが車両に接近したときに点灯するおもてなし用ドームランプ9と、車両のドアが開いたときに点灯するドームランプ用バルブ2と、を別々に設ける必要があり、コスト的に問題があった。また、おもてなし用ドームランプ9と、ドームランプ用バルブ2と、を別々に設けると、これらおもてなし用ドームランプ9、ドームランプ用バルブ2をオンオフするためのトランジスタスイッチ10、3もそれぞれ設ける必要があり、これもコスト高につながっていた。
【0006】
そこで、一つのランプを用いてユーザが車両に接近したときと、ドアが開いたときとに点灯させることも考えられるが、上記ユーザの車両接近とドアの開閉とは時間をおかずに連続して行われることが多い。このため、単に一つのランプを用いて行うと、ドアを開いたときランプの点灯状態が変化しないので、ドアを開いたときに視覚的な効果を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−338489号公報
【特許文献2】特開2001−71812号公報
【特許文献3】特開2009−1153号公報
【特許文献4】特開2007−39982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、ドアが開いたときの点灯と、ユーザが車両に接近したときの点灯と、を一つの照明で行うことにより、コストダウンを図った車両用照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、ユーザが車両に近づいたことを検出するユーザ位置検出手段と、車両に設けられた照明と、前記ユーザ位置検出手段によりユーザの車両接近が検出されたときに前記照明を第1の照度で点灯するおもてなし点灯を行う照明制御手段と、を備えた車両用照明装置において、前記照明のオンオフ操作が行われる操作手段と、前記ドアの開閉を検出するドア開閉検出手段と、を備え、前記照明制御手段が、前記おもてなし点灯中に前記ドア開閉検出手段によりドアの開が検出されたとき、又は、前記操作手段がオンされたときに、前記第1の照度より高い第2の照度で前記照明を点灯することを特徴とする車両用照明装置に存する。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記照明制御手段が、前記ドア開閉検出手段によりドアの開が検出されたとき、又は、前記操作手段がオンされたとき、前記おもてなし点灯中でなければ、前記第2の照度より低い第3の照度で前記照明を点灯させるドア開閉・スイッチオン点灯を行い、前記ドア開閉・スイッチオン点灯中に前記ユーザ位置検出手段によりユーザの車両接近が検出されたときに、前記第2の照度で前記照明を点灯することを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置に存する。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、ユーザが車両に近づいた後にドアを開けると照明の照度が上がるため、1つの照明で2つの照明を用いた場合と同じ視覚的効果を与えることができ、コストダウンを図った車両用照明装置を提供できる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、操作スイッチの状態、又は、ドアが開いている状態でユーザが車両に近づくと照明の照度が上がるため、1つの照明で2つの照明を用いた場合と同じ視覚的効果を与えることができ、コストダウンを図った車両用照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の車両用照明装置の一例を示す回路図である。
【図2】おもてなし点灯判定処理における図1に示すマイコン7の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】ドア開閉・スイッチオン点灯判定処理における図1に示すマイコン7の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】点灯制御処理における図1に示すマイコン7の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】点灯制御処理を説明するための説明図である。
【図6】図1に示す車両用照明装置を構成するドームランプ用バルブの点灯状態を示すタイムチャートである。
【図7】従来の車両用照明装置の一例を示す回路図である。
【図8】(A)及び(B)はそれぞれ、図7に示す車両用照明装置を構成するドームランプ用バルブ及びおもてなし用ドームランプの点灯状態を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。同図に示すように、車両用照明装置1は、照明としてのドームランプ用バルブ2と、トランジスタスイッチ3と、ユーザ位置検出手段としての車載器4と、ドア開閉検出部5と、ドームスイッチ6と、マイコン7と、を備えている。上記ドームランプ用バルブ2は、例えば車両の天井に設けられた照明である。ドームランプ用バルブ2は、一端が12V電源に接続され、他端が後述するトランジスタスイッチ3を介してグランドに接続されている。
【0015】
上記トランジスタスイッチ3は、ドームランプ用バルブ2の他端とグランドとの間に設けられていて、ドームランプ用バルブ2に対する電源供給をオンオフするスイッチである。このトランジスタスイッチ3がオンすると、12V電源がドームランプ用バルブ2に供給されてドームランプ用バルブ2が点灯する。また、トランジスタスイッチ3がオフすると、12V電源が遮断されドームランプ用バルブ2が消灯する。このトランジスタスイッチ3のベースは、後述するマイコン7に接続されていて、マイコン7によりオンオフ制御される。
【0016】
上記車載器4は、ユーザが携帯可能な携帯器8と無線通信を行う機器である。上記車載器4は、車外に対して定期的にリクエスト信号を送信する。車両に近づいてきたユーザに携帯された携帯器8が、このリクエスト信号を受信すると、認証コードを含むアンサー信号を送信する。車載器4は、このアンサー信号を受信すると予め登録された認証コードとアンサー信号に含まれる認証コートとを照合し、認証された場合にユーザが近づいてきた旨を示す接近検出信号IN1を後述するマイコン7に対して供給する。
【0017】
上記ドア開閉検出部5は、例えばドアの開閉に応じてオンオフするカーテシスイッチなどから構成されていて、ドアの開閉状態を示すドア開閉信号IN2を後述するマイコン7に対して供給する。ドームスイッチ6は、上記ドームランプ用バルブ2の近くに設置されたユーザにより操作可能なスイッチである。このドームスイッチ6は、後述するマイコン7に接続されていて、ドームスイッチ6がオンオフ状態を示すオンオフ信号IN3をマイコン7に対して供給する。
【0018】
また、上記マイコン7は、周知のCPU、ROM、RAMから構成されていて、装置全体の制御を司る。上記マイコン7には、上述したように接近検出信号IN1、ドア開閉信号IN2、オンオフ信号IN3が供給されている。マイコン7は、上記信号IN1〜IN3により、ユーザの車両への接近、ドアの開閉状態、ドームスイッチ6のオンオフ状態を検出することができる。そして、上記マイコン7は、ユーザの車両への接近が検出されたときにドームランプ用バルブ2を点灯するおもてなし点灯を行うか否かを判定するおもてなし点灯判定処理7aを行う。
【0019】
また、上記マイコン7は、ドアを開いている間、又は、ドームスイッチ6がオンしている間、ドームランプ用バルブ2を点灯するドア開閉・スイッチオン点灯を行うか否かを判定するドア開閉・スイッチオン点灯判定処理7bを行う。さらに、上記マイコン7は、おもてなし点灯判定処理7a及びドア開閉・スイッチオン点灯判定処理7bの判定結果に応じてトランジスタスイッチ3の制御を行い、ドームランプ用バルブ2の点灯状態を制御する点灯制御処理7cを行う。
【0020】
即ち、マイコン7は、おもてなし点灯もドア開閉・スイッチオン点灯も行わないと判定されているときにトランジスタスイッチ3をオフ制御してドームランプ用バルブ2を消灯させる。また、おもてなし点灯及びドア開閉・スイッチオン点灯の何れか一方のみを行うと判定しているときにトランジスタスイッチ3をデューティ60%でオンオフ制御してドームランプ用バルブ2を照度60%で点灯させる。さらに、おもてなし点灯及びドア開閉・スイッチオン点灯の両方を行うと判定しているときにトランジスタスイッチ3をデューティ100%で常時オン制御してドームランプ用バルブ2を照度100%で点灯させる。
【0021】
次に、上記概略で説明した車両用照明装置1の詳細な動作について図2〜図4を参照して説明する。まず、上述したおもてなし点灯判定処理7aの詳細について、図2のフローチャートを参照して説明する。まず、マイコン7は、接近検出信号IN1に基づいてユーザが車両に接近したか否かを判定する(ステップS1)。ユーザが接近していなければ(ステップS1でN)、マイコン7は後述するおもてなし点灯フラグF1をオンすることなく直ちにステップS3に進む。これに対して、ユーザが接近していれば(ステップS1でY)、マイコン7は、おもてなし点灯条件が成立したと判断して、おもてなし点灯フラグF1をオンする(ステップS2)。
【0022】
その後、マイコン7は、接近検出信号IN1に基づいてユーザが車両から離れたか否かを判断する(ステップS3)。マイコン7は、ユーザが車両から離れていると判断すると(ステップS3でY)、おもてなし消灯条件が成立したと判断しておもてなし点灯フラグF1をオフした後(ステップS6)、ステップS1に戻る。一方、マイコン7は、ユーザが車両から離れていないと判断すると(ステップS3でN)、次にドア開閉信号IN2に基づいて、ドアが開いた後に閉まって、閉まってから所定時間以上経過したか否かを判断する(ステップS4)。
【0023】
マイコン7は、ドア開→ドア閉→所定時間以上経過したと判断すると(ステップS4でY)、おもてなし消灯条件が成立したと判断しておもてなし点灯フラグF1をオフした後(ステップS6)、ステップS1に戻る。一方、マイコン7は、ドア開→ドア閉→所定時間以上経過していないと判断すると(ステップS4でN)、次にエンジンがオンしたか否かを判断する(ステップS5)。マイコン7は、エンジンがオンしていると判断すると(ステップS5でY)、おもてなし消灯条件が成立したと判断しておもてなし点灯フラグF1をオフした後(ステップS6)、ステップS1に戻る。一方、マイコン7は、エンジンがオンしていなければ(ステップS5でN)、おもてなし消灯条件が成立していないと判断しておもてなし点灯フラグF1をオフすることなく、直ちにステップS1に戻る。
【0024】
以上のことから明らかなように、ユーザが近づくとおもてなし点灯条件が成立して、マイコン7がおもてなし点灯フラグF1をオンする。また、(A)ユーザが離れる、(B)ドア開→ドア閉→所定時間以上経過する、(C)エンジンがオンする、の何れか1つでも当てはまると、おもてなし消灯条件が成立して、マイコン7がおもてなし点灯フラグF1をオフする。
【0025】
次に、上述したドア開閉・スイッチオン点灯判定処理7bの詳細について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、マイコン7は、ドームスイッチ6がオンしているか否かを判断する(ステップS11)。ドームスイッチ6がオンしていれば(ステップS11でY)、マイコン7は、ドア開閉・スイッチオン点灯条件が成立したと判定してドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオンする(ステップS12)。
【0026】
その後、マイコン7は、ドームスイッチ6がオフしたか否かを判断する(ステップS13)。マイコン7は、ドームスイッチ6がオフしたと判断すると(ステップS13でY)、ドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立したと判定してドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオフした後(ステップS14)、ステップS11に戻る。一方、マイコン7は、ドームスイッチ6がオンのままであると判断すると(ステップS13でN)、ドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立していないと判断してドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオンすることなく直ちにステップS11に戻る。
【0027】
これに対して、マイコン7は、ドームスイッチ6がオンしていなければ(ステップS11でN)、ドアが開いているか否かを判断する(ステップS15)。マイコン7は、ドアが開いていると判断すると(ステップS15でY)、ドア開閉・スイッチオン点灯条件が成立したと判定してドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオンする(ステップS16)。その後、マイコン7は、ドアが閉まっていると判断すると(ステップS17でY)、ドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立したと判断してドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオフした後(ステップS14)、ステップS11に戻る。一方、マイコン7は、ドアが開いたままの状態であると判断すると(ステップS17でN)、次にイグニッションスイッチがオンしたか否かを判断する(ステップS18)。
【0028】
マイコン7は、イグニッションスイッチがオンしたと判断すると(ステップS18でY)、ドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立したと判定してドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオフした後(ステップS14)、ステップS11に戻る。一方、マイコン7は、イグニッションスイッチがオフのままであれば(ステップS18でN)、ドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立していないと判断してドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオンすることなく直ちにステップS11に戻る。
【0029】
以上のことから明らかなように、(a)ドームスイッチ6がオンする、(b)ドアが開く、の何れか1つでも当てはまると、ドア開閉・スイッチオン点灯条件が成立して、マイコン7がドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオンする。また、(a)ドームスイッチ6がオンしてドア開閉・スイッチオン点灯条件が成立した場合、(c)ドームスイッチ6がオフするとドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立して、マイコン7がドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオフする。一方、(b)ドアが開いてドア開閉・スイッチオン点灯条件が成立した場合、(d)ドアが閉まる、(e)イグニッションがオンする、の何れか1つでも当てはまるとドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立して、マイコン7がドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2をオフする。
【0030】
次に、上述して点灯制御処理7cの詳細について図4及び図5を参照して説明する。まず、マイコンは、おもてなし点灯フラグF1、ドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2の何れもオフの場合(図4のステップS21でY)、トランジスタスイッチ3にLレベルの信号を供給してドームランプ用バルブ2を消灯させる(図4のステップS22、図5の消灯状態)。また、マイコン7は、おもてなし点灯フラグF1のみがオンの場合(図4のステップS23でY)、トランジスタスイッチ3をデューティ60%でオンオフ制御する(図4のステップS24)。これによりドームランプ用バルブ2が60%の照度で点灯する(図5のおもてなし点灯状態)。一方、マイコン7は、ドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2のみがオンの場合(図4のステップS23でN、かつ、ステップS25でY)、トランジスタスイッチ3をデューティ60%でオンオフ制御する(図4のステップS26)。これによりドームランプ用バルブ2が60%の照度で点灯する(図5のドア開閉・スイッチオン点灯状態)。
【0031】
また、マイコン7は、おもてなし点灯フラグF1、ドア開閉・スイッチオン点灯フラグF2の両方がオンの場合(図4のステップS25でN)、トランジスタスイッチ3を常時オン制御(デューティ100%)する(図4のステップS27)。これにより、トランジスタスイッチ3が常時オンして、ドームランプ用バルブ2が100%の照度で点灯する(図5の両点灯状態)。
【0032】
なお、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2を消灯状態からおもてなし点灯状態、ドア開閉・スイッチオン点灯状態(照度60%)又は両点灯状態(照度100%)に切り換えるときや、おもてなし点灯状態又はドア開閉・スイッチオン点灯状態(照度60%)から両点灯状態(照度100%)に切り換えるとき、トランジスタスイッチ3のオンオフデューティを徐々に大きくして、ドームランプ用バルブ2の照度が徐々に上がるように制御する。また、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2をおもてなし点灯状態、ドア開閉・スイッチオン点灯状態(照度60%)又は両点灯状態(照度100%)から消灯状態に切り換えるときや、両点灯状態(照度100%)からドームランプ用バルブ2をおもてなし点灯状態又はドア開閉・スイッチオン点灯状態(照度60%)に切り換えるとき、トランジスタスイッチ3のオンオフデューティを徐々に小さくして、ドームランプ用バルブ2が徐々に減光するように制御する。
【0033】
次に、ドームランプ用バルブ2の点灯状況の一例について図6(A)を参照して説明する。まず、おもてなし消灯条件及びドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立している状態(F1←0、F2←0)で携帯器8を持ったユーザが車両に近づくと、おもてなし点灯条件が成立して(F1←1、F2←0)、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2を照度60%で点灯させておもてなし点灯状態にする。このおもてなし点灯中に、ユーザが車両のドアを開くと、ドア開閉・スイッチオン点灯条件が成立して(F1←1、F2←1)、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2を照度100%で点灯させる両点灯状態にする。さらに、ユーザが車に乗り込んでドアを閉めると、ドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立して(F1←1、F2←0)、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2の照度を60%に戻しておもてなし点灯状態にする。その後、ドアを閉めてから所定時間以上経過するか、イグニッションスイッチがオンされると、おもてなし消灯条件が成立して(F1←0、F2←0)、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2を消灯状態にする。
【0034】
また、図6(B)に示すように、ユーザが車に乗り込んでドアを閉めて、ドア開閉・スイッチオン消灯条件が成立した後であり、かつ、ドアを閉めてから所定時間経過する前、又は、イグニッションスイッチがオンされる前に、ドームスイッチ6をオン操作すると、再びドア開閉・スイッチオン点灯条件が成立して(F1←1、F2←1)、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2の照度を再び100%に上げて両点灯状態にする。これにより、ユーザが車両に近づいた後に、ドアを開けたり、ドームスイッチ6をオンするとドームランプ用バルブ2の照度が上がるため、1つの照明で2つの照明を用いた場合と同じ視覚的効果を与えることができ、コストダウンを図ることができる。
【0035】
また、図6(C)に示すように、ドームスイッチ6をオンしたり、ドアを開けると、ドア開閉・スイッチオン点灯条件が成立する。このとき、おもてなし点灯条件が成立していなければ(F1←0、F2←1)、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2を照度60%で点灯させてドア開閉・スイッチオン点灯状態にする。ドームスイッチ6をオンのまま、又は、ドアを開けたままユーザが車から離れて、再び車に近づくと、おもてなし点灯条件が成立して(F1←1、F2←1)、マイコン7は、ドームランプ用バルブ2を照度100%で点灯させて両点灯状態にする。これにより、ドームランプ6がオンの状態、又は、ドアが開いている状態でユーザが車両に近づくとドームランプ用バルブ2の照度が上がるため、1つの照明で2つの照明を用いた場合と同じ視覚的効果を与えることができる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、F1←0、F2←1のときとF1←1、F2←0のときとは同じ照度(デューティ60%)でドームランプ用バルブ2を点灯させていたが、本発明はこれに限ったものではない。F1←0、F2←1のときとF1←1、F2←0のときとで照度が異なるようにドームランプ用バルブ2を点灯させるようにしてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、トランジスタスイッチ3を常時オン(デューティ100%)して両点灯状態としていたが、本発明はこれに限ったものではない。両点灯状態の照度は、おもてなし点灯状態やドア開閉・スイッチオン点灯状態での照度より高ければよく、100%より小さくしても良い。
【0038】
また、上述した実施形態では、ドア開→ドア閉→所定時間以上経過した後、又は、エンジンをオンしたときにおもてなし消灯条件を成立させていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、ドアのロックが行われたときにおもてなし消灯条件を成立させるようにしてもよい。
【0039】
また、上述した実施形態では、照明として車両の天井に配置されるドームランプ用バルブを用いていたが、これは一例に過ぎない。照明としては車両に設けられるものであればよい。
【0040】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0041】
2 ドームランプ用バルブ(照明)
4 車載器(ユーザ位置検出手段)
5 ドア開閉検出部(ドア開閉検出手段)
6 ドームスイッチ(操作手段)
7 マイコン(照明制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが車両に近づいたことを検出するユーザ位置検出手段と、車両に設けられた照明と、前記ユーザ位置検出手段によりユーザの車両接近が検出されたときに前記照明を第1の照度で点灯するおもてなし点灯を行う照明制御手段と、を備えた車両用照明装置において、
前記照明のオンオフ操作が行われる操作手段と、
前記ドアの開閉を検出するドア開閉検出手段と、を備え、
前記照明制御手段が、前記おもてなし点灯中に前記ドア開閉検出手段によりドアの開が検出されたとき、又は、前記操作手段がオンされたときに、前記第1の照度より高い第2の照度で前記照明を点灯する
ことを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記照明制御手段が、前記ドア開閉検出手段によりドアの開が検出されたとき、又は、前記操作手段がオンされたとき、前記おもてなし点灯中でなければ、前記第2の照度より低い第3の照度で前記照明を点灯させるドア開閉・スイッチオン点灯を行い、前記ドア開閉・スイッチオン点灯中に前記ユーザ位置検出手段によりユーザの車両接近が検出されたときに、前記第2の照度で前記照明を点灯する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−25870(P2011−25870A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175546(P2009−175546)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】