説明

車両用視認支援ユニット

【課題】ブレーキランプが点灯される場面であっても後方画像の正確な認識を容易なものとすることができる車両用視認支援ユニットを提供する。
【解決手段】車室内に設けられた表示手段16と、そこにおける表示内容を制御する制御手段21と、車室を形成する車両Cの後方を撮像する撮像手段12と、そこから受けた後方画像信号に基づく後方画像を表示手段16に表示させる画像信号処理手段23とを備える車両用視認支援ユニット10である。画像信号処理手段23は、制御手段21から出力された表示色無信号を受けると、後方画像信号に基づく後方画像をモノクロで表示手段16に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後方の画像を乗員に提供するための車両用視認支援ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、運転手等の乗員による車両の後方確認の支援のために、車両の後方を撮像可能に当該車両に取り付け可能な後方カメラと、この後方カメラからの後方画像を表示可能であり車室に設置可能なモニタとを備える車両用視認支援ユニットを搭載することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。この車両用視認支援ユニットでは、モニタに表示された後方画像により車両の後方を容易に視認することができるので、例えば、所望の位置へと後退しつつ駐車する時等に有用である。特に、トラック等のような大型車両では、運転手からの死角が大きくなることから、このような車両用視認支援ユニットを用いるのに好適である。
【特許文献1】特開2001−191846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した車両用視認支援ユニットでは、所望の位置へと駐車すべく車両を後退させている際にモニタに車両の後方画像を表示させている場面においてブレーキランプが点灯されると、このブレーキランプによる赤色の照射光で車両後方が照射されてモニタに表示される後方画像も赤く染められることとなり、モニタに表示された当該後方画像の認識が困難なものとなってしまう。特に、車両後方に近接して、建物や他の車両のように路面から立ち上がりブレーキランプからの照射光を後方カメラへ向けて反射するような構造物が存在すると、後方画像に含まれる当該構造物が強く赤く染められてしまい、当該構造物やその輪郭箇所の正確な認識がより困難なものとなってしまうとともに、強い赤色により後方画像全体の認識がより困難なものとなってしまう。ここで、この車両用視認支援ユニットは、運転時の車両後方の視認の支援をするものであることから、モニタを一見して後方画像を認識できることが望ましいので、後方画像の正確な認識が困難であることは改善することが望ましい。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたもので、ブレーキランプが点灯される場面であっても後方画像の正確な認識を容易なものとすることができる車両用視認支援ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両用視認支援ユニットは、車室内に設けられた表示手段と、該表示手段における表示内容を制御する制御手段と、前記車室を形成する車両の後方を撮像する撮像手段と、該撮像手段から受けた後方画像信号に基づく後方画像を前記表示手段に表示させる画像信号処理手段とを備える車両用視認支援ユニットであって、前記画像信号処理手段は、前記制御手段から出力された表示色無信号を受けると、前記後方画像信号に基づく後方画像をモノクロで前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の車両用視認支援ユニットは、請求項1に記載の車両用視認支援ユニットであって、さらに、前記車両の周辺の明るさを検知可能であり光量信号として前記制御手段へ出力する光検知手段を備え、前記制御手段は、前記光検知手段からの前記光量信号および前記車両に為された制動操作に基づく制動信号を取得可能であり、前記光量信号に基づいて前記車両の周辺が所定の明るさよりも暗いと判断した場合において前記制動信号を受けると前記画像信号処理手段へ向けて前記表示色無信号を出力することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の車両用視認支援ユニットは、請求項1または請求項2に記載の車両用視認支援ユニットであって、前記後方画像信号は、明度情報と色情報とを含むアナログ信号であり、前記画像信号処理手段は、前記明度情報に前記色信号を重ね合わせないことにより前記後方画像信号に基づく後方画像をモノクロで前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両用視認支援ユニットでは、画像信号処理手段が、表示色無信号を受けると撮像手段からの後方画像信号に基づく後方画像をモノクロで表示手段に表示させることから、ブレーキランプが点灯される場面において制御手段が画像信号処理手段へ向けて表示色無信号を出力する構成とする、または乗員の操作に応じて制御手段が画像信号処理手段へ向けて表示色無信号を出力する構成とすると、ブレーキランプによる赤色の照射光による照射に拘らず後方画像を容易に認識することができる。
【0009】
上記した構成に加えて、さらに、前記車両の周辺の明るさを検知可能であり光量信号として前記制御手段へ出力する光検知手段を備え、前記制御手段は、前記光検知手段からの前記光量信号および前記車両に為された制動操作に基づく制動信号を取得可能であり、前記光量信号に基づいて前記車両の周辺が所定の明るさよりも暗いと判断した場合において前記制動信号を受けると前記画像信号処理手段へ向けて前記表示色無信号を出力することとすると、車両の周辺が所定の明るさよりも暗い場合に制動信号を受けるすなわちブレーキランプが点灯されると、表示手段に表示される後方画像が自動的にモノクロに切り替えられることから、運転手は、ブレーキランプの点灯の有無に拘らず表示手段の後方画像を容易に認識することができるので、車両の運転に集中したままモニタからの車両の後方を視認することができる。ここで、車両周辺の明るさを、表示手段に表示される後方画像の自動的なモノクロへの切り替えの条件としたのは、ブレーキランプの赤色の照射光に起因する後方画像の認識の困難性が、車両の周辺の明るさすなわち撮像手段により後方画像として撮像される領域の明るさの変化に応じて変化することによる。
【0010】
上記した構成に加えて、前記後方画像信号は、明度情報と色情報とを含むアナログ信号であり、前記画像信号処理手段は、前記明度情報に前記色信号を重ね合わせないことにより前記後方画像信号に基づく後方画像をモノクロで前記表示手段に表示させることとすると、画像信号処理手段は、受けた画像信号に特殊な加工を施すことなくモノクロの表示とすることができる。このため、モノクロの表示とするための新たな撮像手段を設ける必要がなく、簡易な構成で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明に係る車両用視認支援ユニット10の構成を模式的に示す説明図であり、図2は、モニタ11が車室に設置された様子を示す説明図であり、図3は、後方カメラ12が車両Cに設けられた様子とその撮像領域(後方画像)とを模式的に示す説明図である。図4は、車両用視認支援ユニット10の構成を示すブロック図である。
【0013】
本発明に係る車両用視認支援ユニット10は、乗員特に運転手による車両後方の視認を支援するものであり、車両に適用可能とされている。本実施例では、車両用視認支援ユニット10は、図3に示すように、トラックである車両Cに適用されている。
【0014】
車両用視認支援ユニット10は、図1に示すように、モニタ11に、後方カメラ12と光センサ13とが接続されて構成されている。
【0015】
モニタ11は、後述する制御機構14(図4参照)が収容されたモニタケース15に、当該制御機構14の制御により後方カメラ12からの後方画像を表示可能な表示部16と、その周辺に複数(本実施例では7つ)のスイッチ(SW1〜SW7)と、点滅灯部17とが設けられて構成されている。
【0016】
このモニタ11は、本実施例では、図2に示すように、車室内に設けられるルームミラーと同様に、車両Cの車室内の天井から吊り下げるように取り付けられている。このため、運転手は、少ない視線移動でモニタ11の表示部16を見ることができる。
【0017】
本実施例では、このモニタ11の前面側(フロントガラス側)の上部に光センサ13が設けられている。この光センサ13は、モニタ11に設けられた制御機構14(図4参照)に接続されており、フロントガラスを経て車両Cの外部の光を受光可能であるとともに、この受光量に応じた光量信号を制御機構14(図4参照)へ向けて出力可能とされている。
【0018】
また、モニタ11は、図2では図示を略しているが、そこに設けられた制御機構14が、車両Cに設けられたAccスイッチ18、フットブレーキスイッチ19、バックギアスイッチ20に接続されるとともに、車両Cの接地箇所へと接続されている(図4参照)。
【0019】
このモニタ11に設けられたスイッチSW1〜SW7は、本実施例では、押すと導通状態(以下、ON状態という。)となり、離すと(押圧をやめると)非導通状態(以下、OFF状態という。)へと復帰するプッシュスイッチが用いられている。このスイッチSW1〜SW7は、本実施例では、以下で述べる各切り替え操作のために設けられており、制御機構14(図4参照)との協働により各切り替え操作を実行可能とされている。
【0020】
スイッチSW1は、自動モードと手動モードとを切り替えるものであり、いずれか一方のモードであるときに押圧されてON状態とされると、他方のモードへと切り替わるように設定されている。ここで、自動モードとは、通常の状態ではモニタ11の表示部16に後方画像を表示させず、バックギアスイッチ20(図4参照)がON状態とされている間のみモニタ11の表示部16に後方画像を表示させるものである。このバックギアスイッチ20とは、車両Cの変速ギア(図示せず)がバック(リバース)へと切り換えられたときにON状態となり後退信号が出力されるものである。このことから、自動モードは、車両Cが後退しており、乗員が当該車両Cの後方を確認する必要がある場面で、自動的にモニタ11の表示部16に後方画像を表示させるものである。また、手動モードとは、バックギアスイッチ20(図4参照)のON、OFFに拘らず、モニタ11の表示部16に後方画像を表示させるものである。換言すると、この手動モードは、モニタ11をルームミラーとして活用すべくモニタ11の表示部16に常に後方画像を表示させるものである。本実施例では、初期設定の状態では自動モードとされている。
【0021】
スイッチSW2は、モニタ11の表示部16に表示された後方画像に、図示を略す距離マーク画像を重ねて表示させるか否かを切り替えるものであり、いずれか一方であるときにON状態とされると、その他方へと切り替わるように設定されている。ここで、距離マーク画像とは、モニタ11の表示部16に表示された後方画像における距離の把握を容易とするために当該後方画像に重ねて表示される基準表示である。
【0022】
スイッチSW3は、モニタ11の表示部16に表示される後方画像を、カラーとするかモノクロとするかを切り替えるものであり、いずれか一方であるときにON状態とされると、その他方へと切り替わるように設定されている。本実施例では、初期設定の状態ではカラーでの表示とされている。
【0023】
スイッチSW4は、モニタ11の表示部16に表示される後方画像の明るさ(液晶の場合はバックライトの明るさ)を、昼間用の明るい状態と、夜間用の暗い状態とで切り替えるものであり、いずれか一方であるときにON状態とされると、その他方へと切り替わるように設定されている。本実施例では、初期設定の状態では昼間用とされている。
【0024】
スイッチSW5は、モニタ11の表示部16に表示される後方画像の明るさ(液晶の場合はバックライトの明るさ)を、段階的に切り替えるものであり、一度の押圧により設定された段階を一つ上がり(一段階分明るくなり)、かつ一番上の段階であるときは一番下の段階となる(最も暗くなる)ように構成されており、単一のスイッチの繰り返しの押圧操作のみで各段階を選択可能とされている。この一番上の段階から一番下の段階への移行は、乗員が違和感を覚えることを防止すべく一度の押圧操作で段階的に行われるものとされている。また、スイッチSW5は、一定時間以上の押圧状態の継続により、設定された段階をゆっくりと一段ずつ上がるようにも設定されている。
【0025】
スイッチSW6は、モニタ11の表示部16に表示される後方画像の色の濃さを、段階的に切り替えるものであり、一度の押圧により設定された段階を一段上がり(一段階分濃くなり)、かつ一番上の段階であるときには一番下の段階となる(最も薄くなる)ように構成されており、単一のスイッチの繰り返しの押圧操作のみで各段階を選択可能とされている。この一番上の段階から一番下の段階への移行は、乗員が違和感を覚えることを防止すべく一度の押圧操作で段階的に行われるものとされている。また、スイッチSW6は、一定時間以上の押圧状態の継続により、設定された段階をゆっくりと一段ずつ上がるようにも設定されている。
【0026】
スイッチSW7は、モニタ11の表示部16に表示される後方画像の色合いを、段階的に切り替えるものであり、一度の押圧により設定された各段階を一段上がり、かつ一番上の段階であるときは一番下の段階となるように構成されており、単一のスイッチの繰り返しの押圧操作のみで各段階を選択可能とされている。この一番上の段階から一番下の段階への移行は、乗員が違和感を覚えることを防止すべく一度の押圧操作で段階的に行われるものとされている。また、スイッチSW7は、一定時間以上の押圧状態の継続により、設定された段階をゆっくりと一段ずつ上がるようにも設定されている。
【0027】
このように、スイッチSW1〜4は、モニタ11の表示部16の表示設定を適宜選択するものであり、スイッチSW5〜7は、モニタ11の表示部16における画質調整を行うものである。
【0028】
さらに、モニタ11に設けられた点滅灯部17は、車両用視認支援ユニット10すなわち制御機構14(図4参照)に電力が供給されているか否かを報知するために点灯されるものである。点滅灯部17は、本実施例では、電力が供給されているがモニタ11の表示部16が後方画像を表示していない状態(自動モードでバックギアスイッチ20(図4参照)がOFFのとき)では赤く点灯し、モニタ11の表示部16が後方画像を表示している状態では緑色に点灯するように設定されている。
【0029】
このモニタ11に接続された後方カメラ12は、図3に示すように、車両Cの後端の上部に取り付けられており、車両Cの後方の所定の領域の地面いわゆる後方画像を撮像可能とされている。この後方カメラ12により撮像された後方画像は、後方画像信号として制御機構14(図4参照)に出力される。
【0030】
この制御機構14は、図4に示すように、制御部21と情報画像生成部22とLCDコントローラー23とメモリ24とを有する。
【0031】
制御部21は、車両用視認支援ユニット10の動作を統括的に制御するものであり、スイッチSW1〜7、フットブレーキスイッチ19、バックギアスイッチ20、Accスイッチ18および光センサ13が接続され、かつ接地されている。また、制御部21は、情報画像生成部22とLCDコントローラー23とのそれぞれに接続されており、それぞれへ向けて動作させるための信号を出力可能とされている。さらに、制御部21は、メモリ24に接続されており、適宜情報をメモリ24に格納したり、この格納した情報をメモリ24から読み込んだりすることが可能とされている。
【0032】
制御部21は、Accスイッチ18がON状態とされると、車両Cの電源から電力が供給される構成とされており、動作を開始する。また、制御部21は、情報画像生成部22、LCDコントローラー23、表示部16(その駆動部)、光センサ13および後方カメラ12に電力を供給する。
【0033】
また、制御部21は、スイッチSW1〜7に為された押圧操作を認識することが可能とされており、スイッチSW1〜7に為された操作に応じた動作のための信号を情報画像生成部22およびLCDコントローラー23に出力する。
【0034】
具体的には、スイッチSW2が押されて距離マークを表示させる場合、制御部21は、距離マークの表示のための画像信号を生成させる信号(以下、距離マーク生成信号という。)を情報画像生成部22に出力するとともに、情報画像生成部22で生成された距離マーク画像信号に基づく距離マーク画像を、後方カメラ12からの画像信号に基づく後方画像に重ね合わせて表示部16に表示させる信号をLCDコントローラー23に出力する。
【0035】
また、他のスイッチSW1、3〜7が押圧操作された場合、制御部21は、それぞれに応じた信号をLCDコントローラー23に出力する。
【0036】
ここで、スイッチSW1〜7に為された操作により設定されたモニタ11の表示部16の表示設定および調整されたモニタ11の表示部16における画質設定は、制御部21に接続されたメモリ24に記憶される。このメモリ24に記憶された表示設定および画質設定は、Accスイッチ18がON状態とされて車両用視認支援ユニット10(制御部21)が動作状態とされると、制御部21により読み出されて再現される構成とされている。
【0037】
さらに、制御部21は、スイッチSW1〜4で為されたモニタ11の表示部16の表示設定の選択状況を示す選択状況情報の表示のための画像信号を生成させる信号、およびスイッチSW5〜7で為されたモニタ11の表示部16における画質調整の各段階と現在の状況とを示す調整段階情報の表示のための画像信号を生成させる信号を情報画像生成部22に出力するとともに、選択状況情報および調整段階情報を後方カメラ12からの後方画像信号に基づく後方画像に重ね合わせて表示部16に表示させる信号をLCDコントローラー23に出力する。
【0038】
制御部21は、フットブレーキスイッチ19がON状態とされたことを認識可能とされ、バックギアスイッチ20がON状態とされたことを認識可能とされ、かつ光センサ13からの光量信号を受けることが可能とされている。ここで、フットブレーキスイッチ19とは、車両Cを制動させるために図示を略すフットブレーキが押圧操作(制動操作)された際にON状態となるものである。
【0039】
制御部21は、自動モードにおいて、バックギアスイッチ20がON状態とされると、後方カメラ12からの画像信号に基づく後方画像を表示部16に表示させる信号をLCDコントローラー23に出力する。
【0040】
また、制御部21は、光センサ13から受けた光量信号に基づいて車両Cの周辺が所定の明るさよりも暗いか否かを判断することが可能とされている。
【0041】
さらに、制御部21は、表示部16に後方画像を表示させている際、車両Cの周辺が所定の明るさよりも暗いと判断した場合において、フットブレーキスイッチ19がON状態とされると、後方カメラ12からの画像信号に基づく後方画像をモノクロで表示部16に表示させる信号(以下、表示色無信号という。)をLCDコントローラー23に出力する。
【0042】
この制御部21に接続された情報画像生成部22は、制御部21から距離マーク生成信号を受けると、後方画像に重ねる距離マーク画像の表示のための距離マーク画像信号を生成し、当該距離マーク画像信号をLCDコントローラー23に出力する。
【0043】
また、情報画像生成部22は、制御部21から選択状況情報の表示のための画像信号を生成させる信号、または調整段階情報の表示のための画像信号を生成させる信号を受けると、当該信号に応じた選択状況情報または調整段階情報の表示のための情報画像信号を生成し、当該情報画像信号をLCDコントローラー23に出力する。
【0044】
このLCDコントローラー23は、後方カメラ12からの後方画像の画像信号を受けることが可能とされており、当該画像信号に基づいて後方画像を表示部16に表示させることができる。このため、LCDコントローラー23は、画像信号処理手段として機能する。LCDコントローラー23は、制御部21からモニタ11の表示部16に後方画像を表示させる信号が入力されると、後方カメラ12からの後方画像信号に基づく後方画像を表示部16に表示させるように設定されている。このとき、LCDコントローラー23は、表示部16に表示させる後方画像において、明るさ、色の濃さおよび色合いを変更することができる。この明るさ、色の濃さおよび色合いの変更も、スイッチSW5〜7に為された操作を認識した制御部21からの制御に応じて行われる。
【0045】
また、LCDコントローラー23は、後方カメラ12からの画像信号に基づく後方画像に、情報画像生成部22で生成された距離マーク画像信号に基づく距離マーク画像を重ね合わせて表示部16に表示させることができる。LCDコントローラー23は、制御部21から、後方画像に距離マーク画像を重ね合わせて表示部16に表示させる信号が入力されると、後方画像に距離マーク画像信号を重ね合わせて表示部16に表示させる。
【0046】
さらに、LCDコントローラー23は、後方カメラ12からの画像信号に基づく後方画像に、情報画像生成部22で生成された選択状況情報の表示のための画像信号に基づく選択状況情報画像および情報画像生成部22で生成された調整段階情報の表示のための画像信号に基づく調整段階情報画像を重ね合わせて表示部16に表示させることができる。LCDコントローラー23は、制御部21から、後方画像に選択状況情報画像または調整段階情報画像を重ね合わせて表示部16に表示させる信号が入力されると、後方画像に選択状況情報画像または調整段階情報画像を適宜重ね合わせて表示部16に表示させる。
【0047】
ついで、LCDコントローラー23は、表示部16に表示させる後方画像において、カラーで表示することとモノクロで表示することとを切り替えることが可能とされている。具体的には、本実施例では、後方カメラ12からの後方画像の画像信号が、明度情報(画像情報)に色情報が加えられて形成された(明度情報の少なくとも一部の振幅として色情報が載せられている)アナログ信号とされており、後方画像をカラーで表示部16に表示させる際には明度情報と色情報とを合わせて得られた後方画像を表示部16に表示させ、後方画像をモノクロで表示部16に表示させる際には色情報を合わせることなく明度情報から得られた後方画像を表示部16に表示させる構成とされている。ここで、後方カメラ12からの後方画像の画像信号がRGBの信号として送られてくる場合には、表示部16に表示させる後方画像における色情報を可能な限り低下させることによりモノクロとして表示する構成であってもよい。また、明度情報に色情報が加えられて形成されたアナログ信号の場合であっても、一度明度情報と色情報とを合わせた後方画像を得ておき、表示部16に表示させる際、当該後方画像における色情報を可能な限り低下させることによりモノクロとするものであってもよい。このことから、LCDコントローラー23は、モノクロの表示にするための特別な構成を新たに追加する、例えばモノクロで表示される後方画像のためのカメラ等を新たに設けることなく、表示部16に表示させる後方画像をモノクロとすることができる。LCDコントローラー23は、制御部21から表示色無信号を受けると、このように表示部16に表示させる後方画像をモノクロに切り替える設定とされ、制御部21からの表示色無信号の出力が停止すると表示部16に表示させる後方画像をカラーに切り替える設定とされている。
【0048】
ついで、LCDコントローラー23は、後方カメラ12からの後方画像信号に基づく後方画像を、左右反転させて表示部16(モニタ11)に表示させる構成とされている。これにより、表示部16に表示される後方画像が、ルームミラーに映し出される後方の風景と同様に左右反転していることとなるので、乗員特に運転手が違和感を覚えることが防止されている。
【0049】
この車両用視認支援ユニット10により後方視認支援制御が行われる工程を、図5に示すフローチャートに沿って説明する。なお、図5のフローチャートでは、Accスイッチ18がON状態とされて車両用視認支援ユニット10が動作状態となった場面をスタートとしている。また、図5のフローチャートでは、理解容易のために後述するようにステップS6においてAccスイッチ18がOFF状態とされると終了するものとされているが、このAccスイッチ18がOFF状態とされると制御部21すなわち制御機構14の動作が停止することから、いずれのステップであるかに拘らず強制的に図5のフローチャートを終了する。さらに、スイッチSW2、4〜7に為された操作は、図5のフローチャートにおいていずれのステップであるかに拘らず実行され、スイッチSW3に為された操作によりモノクロの表示に切り替えられると、図5のフローチャートを終了する。
【0050】
制御部21は、スイッチSW1に操作が為されて手動モードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1)。切り替えられた(手動モードである)場合にはステップS2に進み、切り替えられていない場合(自動モードである)にはステップS8に進む。
【0051】
制御部21は、手動モードに切り替えられたことから、LCDコントローラー23に信号を出力して後方カメラ12により撮像された後方画像を表示部16(モニタ11)に表示させる(ステップS2)。
【0052】
制御部21は、手動モード制御を実行する(ステップS3)。この手順を図6に示すフローチャート(処理A)に沿って説明する。
【0053】
制御部21は、バックギアスイッチ20がON状態とされたか否かを判断する(ステップS3−1)。ON状態とされた場合にはステップS3−2に進み、ON状態とされていない場合には手動モード制御を終了する。
【0054】
制御部21は、光センサ13からの光量信号に基づいて、車両Cの周辺が所定の明るさよりも暗いか否かを判断する(ステップS3−2)。所定の明るさよりも暗い場合にはステップS3−3に進み、明るい場合には手動モード制御を終了する。
【0055】
制御部21は、フットブレーキスイッチ19がON状態となったか否かを判断する(ステップS3−3)。ON状態となった場合にはステップS3−7に進み、ON状態となっていない場合にはステップS3−4に進む。
【0056】
フットブレーキスイッチ19がON状態となっていないので、制御部21は、スイッチSW1が操作されて自動モードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS3−4)。切り替えられた(自動モードである)場合には手動モード制御を終了し、切り替えられていない場合(手動モードである)にはステップS3−5に進む。
【0057】
制御部21は、光センサ13からの光量信号に基づいて、車両Cの周辺が所定の明るさよりも明るくなったか否かを判断する(ステップS3−5)。所定の明るさよりも明るくなった場合には手動モード制御を終了し、暗いままである場合にはステップS3−6に進む。
【0058】
制御部21は、バックギアスイッチ20がON状態を維持しているか否かを判断する(ステップS3−6)。ON状態である場合にはステップS3−3に戻り、OFF状態とされている場合には手動モード制御を終了する。
【0059】
ステップS3−3においてフットブレーキスイッチ19がON状態とされたと判断すると、制御部21は、表示色無信号をLCDコントローラー23に出力する(ステップS3−7)。すると、表示色無信号を受けたLCDコントローラー23は、前述したように、表示部16に後方画像をモノクロで表示させる。
【0060】
制御部21は、バックギアスイッチ20がON状態を維持しているか否かを判断する(ステップS3−8)。ON状態である場合にはステップS3−9に進み、OFF状態とされている場合にはステップS3−11に進む。
【0061】
制御部21は、光センサ13からの光量信号に基づいて、車両Cの周辺が所定の明るさよりも明るくなったか否かを判断する(ステップS3−9)。所定の明るさよりも暗い場合にはステップS3−10に進み、明るい場合にはステップS3−11に進む。
【0062】
バックギアスイッチ20がON状態を維持しかつ車両Cの周辺が所定の明るさよりも暗いことから、制御部21は、フットブレーキスイッチ19がOFF状態であるか否かを判断する(ステップS3−10)。OFF状態とされた場合にはステップS3−11に進み、OFF状態とされていない場合にはステップS3−8に戻る。
【0063】
フットブレーキスイッチ19がOFF状態とされる、またはバックギアスイッチ20がOFF状態とされる、もしくは車両Cの周辺が所定の明るさよりも明るくなると、制御部21は、LCDコントローラー23への表示色無信号の出力を止める(ステップS3−11)。すると、表示色無信号を受けなくなったLCDコントローラー23は、前述したように、表示部16に後方画像をカラーで表示させる。これにより、手動モード制御(図5のフローチャートのステップS3)を終了する。
【0064】
換言すると、手動モード制御では、所定の明るさよりも暗い条件下で車両Cが後退している時に制動操作されると、当該制動操作が終了するまでの間、表示部16の後方画像がモノクロで表示され、それ以外では表示部16の後方画像がカラーで表示される。なお、手動モード制御は、このような動作が実行されるものであればよく、図6のフローチャートに限定されるものではない。
【0065】
手動モード制御が終了するすなわち図6のフローチャートが終了すると、図5のフローチャートにおいてステップS4に進む。
【0066】
制御部21は、スイッチSW1が操作されて自動モードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS4)。切り替えられた(自動モードである)場合にはステップS5に進み、切り替えられていない場合(手動モードである)にはステップS6に進む。
【0067】
手動モード制御中またはその後に自動モードとされている場合、制御部21は、LCDコントローラー23に信号を出力して後方カメラ12により撮像された後方画像を表示部16に表示させることを止めさせる(ステップS5)。その後、ステップS6に進む。
【0068】
Accスイッチ18がON状態である場合にはステップS7に進み、Accスイッチ18がOFF状態とされると動作(後方視認支援制御)を終了する(ステップS6)。
【0069】
制御部21は、表示部16(モニタ11)に後方画像が表示されていないか否かを判断、すなわち現在自動モードであるか手動モードであるかを判断する(ステップS7)。後方画像が表示されていない(自動モードである)場合ステップS1に戻り、後方画像が表示されている(手動モードである)場合ステップS3に戻る。
【0070】
また、ステップS1で手動モードとされていないと判断した場合、制御部21は、自動モード制御を実行する(ステップS8)。この手順を図7に示すフローチャート(処理B)に沿って説明する。
【0071】
制御部21は、バックギアスイッチ20がON状態とされたか否かを判断する(ステップS8−1)。ON状態とされた場合にはステップS8−3に進み、ON状態とされていない場合にはステップS8−2に進む。
【0072】
制御部21は、スイッチSW1が操作されて手動モードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS8−2)。切り替えられた(手動モードである)場合には自動モードを終了し、切り替えられていない場合(自動モードである)にはステップS8−1に戻る。
【0073】
ステップS8−1においてバックギアスイッチ20がON状態とされたと判断されると、制御部21は、LCDコントローラー23に信号を出力して後方カメラ12により撮像された後方画像を表示部16(モニタ11)に表示させる(ステップS8−3)。
【0074】
制御部21は、光センサ13からの光量信号に基づいて、車両Cの周辺が所定の明るさよりも暗いか否かを判断する(ステップS8−4)。所定の明るさよりも暗い場合にはステップS8−5に進み、明るい場合にはステップS8−13に進む。
【0075】
制御部21は、バックギアスイッチ20がON状態を維持しているか否かを判断する(ステップS8−5)。ON状態である場合にはステップS8−6に進み、OFF状態とされている場合にはステップS8−14に進む。
【0076】
制御部21は、フットブレーキスイッチ19がON状態となったか否かを判断する(ステップS8−6)。ON状態となった場合にはステップS8−9に進み、ON状態となっていない場合にはステップS8−7に進む。
【0077】
フットブレーキスイッチ19がON状態となっていないので、制御部21は、スイッチSW1が操作されて手動モードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS8−7)。切り替えられた(手動モードである)場合には自動モード制御を終了し、切り替えられていない場合(自動モードである)にはステップS8−8に進む。
【0078】
制御部21は、光センサ13からの光量信号に基づいて、車両Cの周辺が所定の明るさよりも明るくなったか否かを判断する(ステップS8−8)。所定の明るさよりも明るくなった場合にはステップS8−13に進み、暗いままである場合にはステップS8−5に戻る。
【0079】
ステップS8−6においてフットブレーキスイッチ19がON状態とされたと判断すると、制御部21は、表示色無信号をLCDコントローラー23に出力する(ステップS8−9)。すると、表示色無信号を受けたLCDコントローラー23は、前述したように、表示部16に後方画像をモノクロで表示させる。
【0080】
制御部21は、フットブレーキスイッチ19がOFF状態とされたか否かを判断する(ステップS8−10)。OFF状態とされた場合にはステップS8−12に進み、OFF状態とされていない場合にはステップS8−11に進む。
【0081】
制御部21は、バックギアスイッチ20がOFF状態とされたか否かを判断する(ステップS8−11)。OFF状態とされた場合にはステップS8−14に進み、ON状態を維持している場合にはステップS8−10に戻る。
【0082】
フットブレーキスイッチ19がOFF状態とされると、制御部21は、LCDコントローラー23への表示色無信号の出力を止める(ステップS8−12)。すると、表示色無信号を受けなくなったLCDコントローラー23は、前述したように、表示部16に後方画像をカラーで表示させる。
【0083】
表示部16の後方画像の表示がカラーとされるすなわち表示部16が通常の状態とされると、制御部21は、バックギアスイッチ20がOFF状態とされたか否かを判断する(ステップS8−13)。OFF状態とされた場合にはステップS8−14に進み、ON状態を維持している場合にはステップS8−4に戻る。
【0084】
バックギアスイッチ20がOFF状態とされると、制御部21は、LCDコントローラー23に後方カメラ12により撮像された後方画像の表示部16での表示を止めさせる(ステップS8−14)。これにより、自動モード制御(図5のフローチャートのステップS8)を終了する。
【0085】
換言すると、自動モード制御では、車両Cが後退している時のみ表示部16に後方カメラ12からの後方画像が表示されるとともに、所定の明るさよりも暗い条件下で制動操作されると、当該制動操作が終了するまでの間、表示部16の後方画像がモノクロで表示され、それ以外では表示部16の後方画像がカラーで表示されることとなる。なお、自動モード制御は、このような動作が実行されるものであればよく、図7のフローチャートに限定されるものではない。
【0086】
自動モード制御が終了するすなわち図7のフローチャートが終了すると、図5のフローチャートにおいてステップS6に進む。
【0087】
このように、車両用視認支援ユニット10では、車両Cの周辺が暗い場合、車両Cが後退している場面であってフットブレーキ(図示せず)が踏まれて制動操作された際、後方画像を表示部16にモノクロで表示することから、ブレーキランプ25(図3参照)による赤色の照射光に拘らず後方画像の把握の容易性を確保することができる。これは、以下のことが考えられる。ここで、図8はモニタ11の表示部16にモノクロで後方画像が表示された様子を示す説明図であり、図9はモニタ11の表示部16にカラーで後方画像が表示された様子を示す説明図である。なお、図9において中央近傍の二箇所を中心として外側へ向かうほど密度が薄くなるドットは、ブレーキランプ25(図3参照)による赤色の照射光により強い赤色に染められた様子を概念的に示すものであり、この強い赤色に染められた箇所(ドットが描かれた領域)では後方画像中の種々の輪郭線等が滲んで見える様子を概念的に示している。
【0088】
後方カメラ12からの後方画像の画像信号が、明度情報(画像情報)に色情報が加えられて形成された(明度情報の少なくとも一部の振幅として色情報が載せられている)アナログ信号とされている場合、明度情報と色情報とを合わせて後方画像を得る際に明度情報と色情報との位置が完全に一致されていない虞がある。すると、例えば、図8および図9に示すように、地面とそこから立ち上がっている壁等との境界線、後方画像中の種々の輪郭線等が、そこからはみ出した赤色の箇所で滲んで見えてしまい、境界線および輪郭線等を正確に把握することが困難となってしまう(図9参照)。このような場合、上記したアナログ信号の明度情報から得られた後方画像を表示部16に表示させて後方画像をモノクロとすると、上記したような明度情報と色情報との位置ずれに起因して境界線および輪郭線等が滲んで見えることを防止することができる(図8参照)。
【0089】
その他には、車両Cの周辺が所定の明るさよりも暗い場合、一般に視認される風景は色の鮮やかさ(色彩)が薄れて全体的にモノクロに近い状態となってしまう。このような状態において、ブレーキランプ(図示せず)のように強烈な赤色の照射光が照射されると、視認される風景が全体に赤色に染まってしまい、違和感を覚えるとともに風景の認識が困難となってしまう。このことは、後方カメラ12で撮像された画像信号に基づいてモニタ11(表示部16)に表示された後方画像を視認する場合には、特に強調されてしまう(図9参照)。ところが、この後方画像がモニタ11(表示部16)にモノクロで表示されると、ブレーキランプ(図示せず)の照射光は単なる光源と化すことから、後方画像の把握が容易となる(図8参照)。このことから、制御部21による暗さの判断基準となる所定の明るさは、モニタ11(表示部16)に表示された後方画像がカラーであった方が見易いかモノクロであった方が見易いかの境界であるように設定することが望ましい。換言すると、カラーでは表示部16に表示された後方画像の認識が困難となるときのみ、後方画像をモノクロで表示部16に表示させるように、制御部21による暗さの判断基準となる所定の明るさを設定すればよい。
【0090】
また、車両用視認支援ユニット10では、車両Cの周辺が暗い場合、車両Cが後退している場面であってフットブレーキ(図示せず)が踏まれて制動操作された際、後方画像を表示部16にモノクロで表示し、かつそれ以外の場面では後方画像を表示部16にカラーで表示することから、乗員は、常に表示部16で後方画像を良好に認識することができる。
【0091】
さらに、車両用視認支援ユニット10では、車両Cの周辺が暗い場合、車両Cが後退している場面であってフットブレーキ(図示せず)が踏まれて制動操作された際、表示部16の後方画像が自動的にモノクロでの表示に切り替えられることから、運転手は、車両の操作に集中したままブレーキランプの点灯の有無に拘らず表示手段の後方画像を正確に認識することができる。
【0092】
車両用視認支援ユニット10では、後方カメラ12からの後方画像信号が、明度情報に色情報が加えられて形成されたアナログ信号であり、明度情報から得られた後方画像を表示部16に表示させることで後方画像をモノクロで表示部16に表示させる構成とされていることから、後方カメラ12からの後方画像の画像信号に特殊な加工を施すことなくモノクロの表示とすることができる。
【0093】
車両用視認支援ユニット10では、制御機構14による自動的な切り替えの他に、スイッチSW3を押圧操作することにより表示部16に表示される後方画像をモノクロとすることができるので、車両Cの周辺が暗い場合に車両Cが後退している場面であってフットブレーキ(図示せず)が踏まれて制動操作されたとき以外であっても、乗員が視認し易い表示方法を適宜選択することができる。
【0094】
車両用視認支援ユニット10では、スイッチSW1〜4で行ったモニタ11の表示部16の表示設定の選択、およびスイッチSW5〜7で行ったモニタ11の表示部16における画質調整がそれぞれメモリ24に記憶されるとともに、このメモリ24に記憶された表示設定および画質設定が、Accスイッチ18がON状態とされて制御部21が動作状態とされると、当該制御部21により読み出されて再現されることから、乗員が使用する度に表示設定および画質設定をし直す煩わしさを防止することができる。
【0095】
車両用視認支援ユニット10では、スイッチSW1〜4がいずれも単一のスイッチの押圧操作のみで選択可能とされ、かつスイッチSW5〜7がいずれも単一のスイッチの押圧操作のみで繰り返し各段階を選択可能とされていることから、一つの機能に一つのスイッチを対応させることで誤操作を防止することができるとともに、モニタ11を簡易な構成とすることができる。
【0096】
車両用視認支援ユニット10では、自動モードである場合、車両Cが後退しているときのみモニタ11(表示部16)に後方画像を表示させるものであることから、車両Cが通常走行をしている状態においてモニタ11に表示されている後方画像に運転手の注意が向くことを防止することができる。
【0097】
車両用視認支援ユニット10では、手動モードである場合、モニタ11(表示部16)に常に後方画像を表示させるものであることから、モニタ11をルームミラーとして活用することができる。ここで、車両用視認支援ユニット10では、乗員の自らの操作で切り替えないと手動モードとはならないことから、乗員が、通常走行をしている状態におけるモニタ11の後方画像の表示を煩わしく感じる場合には手動モードが実行されることはないので、問題とはならない。
【0098】
よって、本発明にかかる車両用視認支援ユニット10によれば、ブレーキランプ25が点灯される場面であっても後方画像の正確な認識を容易なものとすることができる。
【0099】
なお、上記した実施例では、車両用視認支援ユニット10が後方カメラ12による後方画像のみをモニタ11(表示部16)に表示させる構成とされていたが、車両Cに側方の死角を撮像する側方カメラまたは前方の死角を撮像する前方カメラを設け、それらからの側方画像および前方画像を適宜モニタ11(表示部16)に表示させる構成であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0100】
また、上記した実施例では、制御機構14の制御部21と情報画像生成部22とLCDコントローラー23とがモニタ11を構成するモニタケース15に収容されていたが、例えば、制御部と画像生成部とがコントロールユニットとして構成され、そことは別体にLCDコントローラーと表示部とでモニタを構成するものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0101】
さらに、上記した実施例では、モニタ11は、ルームミラーと同様に天井から吊り下げられるように車室に設けられていた(図2参照)が、車両Cの運転を阻害することなく乗員が表示部16を容易に視認することができる箇所であれば、例えば、図10に示すようにインストルメントパネルの上部に設けられていてもよく、また、図示は略すがインストルメントパネルに埋め込むように設けられていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に係る車両用視認支援ユニットの構成を模式的に示す説明図である。
【図2】モニタが車室に設置された様子を示す説明図である。
【図3】後方カメラが車両に設けられた様子とその撮像領域(後方画像)とを模式的に示す説明図である。
【図4】車両用視認支援ユニットの構成を示すブロック図である。
【図5】車両用視認支援ユニットにより後方視認支援制御が行われる工程を示すフローチャートである。
【図6】処理A(手動モードの工程)を示す工程を示すフローチャートである。
【図7】処理B(自動モードの工程)を示す工程を示すフローチャートである。
【図8】モニタの表示部にモノクロで後方画像が表示された様子を示す説明図である。
【図9】モニタの表示部にカラーで後方画像が表示された様子を示す説明図である。
【図10】図2とは異なる例のモニタが車室に設置された様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0103】
10 車両用視認支援ユニット
12 (撮像手段としての)後方カメラ
13 (光検知手段としての)光センサ
16 (表示手段としての)表示部
21 (制御手段としての)制御部
23 (画像信号処理手段としての)LCDコントローラー
C 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に設けられた表示手段と、該表示手段における表示内容を制御する制御手段と、前記車室を形成する車両の後方を撮像する撮像手段と、該撮像手段から受けた後方画像信号に基づく後方画像を前記表示手段に表示させる画像信号処理手段とを備える車両用視認支援ユニットであって、
前記画像信号処理手段は、前記制御手段から出力された表示色無信号を受けると、前記後方画像信号に基づく後方画像をモノクロで前記表示手段に表示させることを特徴とする車両用視認支援ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用視認支援ユニットであって、
さらに、前記車両の周辺の明るさを検知可能であり光量信号として前記制御手段へ出力する光検知手段を備え、
前記制御手段は、前記光検知手段からの前記光量信号および前記車両に為された制動操作に基づく制動信号を取得可能であり、前記光量信号に基づいて前記車両の周辺が所定の明るさよりも暗いと判断した場合において前記制動信号を受けると前記画像信号処理手段へ向けて前記表示色無信号を出力することを特徴とする車両用視認支援ユニット。
【請求項3】
前記後方画像信号は、明度情報と色情報とを含むアナログ信号であり、
前記画像信号処理手段は、前記明度情報に前記色信号を重ね合わせないことにより前記後方画像信号に基づく後方画像をモノクロで前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用視認支援ユニット。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−83694(P2009−83694A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257236(P2007−257236)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】