車両用警告装置
【課題】この発明は、自車両に接近する対象物の存在を、運転者の視線移動に時間をかけさせることなく、明確に認知させることができる車両用警告装置を実現することを目的とする。
【解決手段】この発明は、車室内の前方中央に配置された第1の表示部及び第1の警報出力部と、車室内の前方右側に配置された第2の表示部及び第2の警報出力部と、車室内の前方左側に配置された第3の表示部及び第3の警報出力部と、自車両に接近する対象物と衝突する可能性があるかどうかを判定する衝突可能性判定手段と、前記衝突可能性判定手段により自車両に接近する対象物と衝突する可能性があると判定された時に、前記第1〜3の表示部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された表示部のみを点滅させ、前記第1〜3の警報出力部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された警報出力部のみから警報を出力させるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【解決手段】この発明は、車室内の前方中央に配置された第1の表示部及び第1の警報出力部と、車室内の前方右側に配置された第2の表示部及び第2の警報出力部と、車室内の前方左側に配置された第3の表示部及び第3の警報出力部と、自車両に接近する対象物と衝突する可能性があるかどうかを判定する衝突可能性判定手段と、前記衝突可能性判定手段により自車両に接近する対象物と衝突する可能性があると判定された時に、前記第1〜3の表示部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された表示部のみを点滅させ、前記第1〜3の警報出力部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された警報出力部のみから警報を出力させるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両用警告装置に係り、特に、自車両に接近する対象物の存在を運転者に明確に認知させることができる車両用警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、自車両に接近して衝突しそうな車両、歩行者等が有る場合に、運転者に警告を発して注意を喚起するシステムとして、車両用警告装置を搭載しているものがある。
従来の車両用警告装置には、自車両に接近する他車両、歩行者等の対象物が検出されたときに、運転者の視線を自車両に接近する対象物が存在する方向の、バックミラー、左サイドミラー、右サイドミラーの方向に誘導させるように、点滅または点灯する表示部を設けたものがある。(特許文献1)
また、図13に示すように、車両用警告装置101には、車車間通信手段102と、路車間通信手段103と、自車位置情報取得手段104と、表示部としてのナビゲーションモニタ105と、警報出力部としての車両スピーカ106と、電源・接地・車両信号を入力する車両側手段107と、衝突可能性判定手段108と、制御手段109とを備えているものがある。車車間通信手段102は、車車間通信アンテナ110及び車車間通信機111を有している。路車間通信手段103は、路車間通信アンテナ112及び路車間通信機113を有している。自車位置情報取得手段104は、GPS信号の受信アンテナ114を有している。衝突可能性判定手段108と制御手段109とは、装置ユニット115として一組に構成され、各手段102〜104および107から情報を入力する。
前記車両用警告装置101は、衝突可能性判定手段108によって、自車両に接近してこのままでは衝突しそうな他車両、歩行者等の対象物が有るかを判定し、制御手段109によって、自車両に衝突しそうな対象物が有る時に、ナビゲーションモニタ105および車両スピーカ106を利用して運転者に警告を発するように制御する。
【0003】
このように、従来の車両用警告装置は、自車両に接近する対象物(四輪など)と衝突しそうな可能性を演算し、可能性が高い場合は、(1).注意喚起音(「ピーン」等)をスピーカから出す、(2).ナビゲーション装置のモニタや専用モニタなどに注意を促す画像を表示をする、(3).「右から車が来ます」等の音声をスピーカから出す、等を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−9320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ナビゲーション装置のモニタや専用モニタを用いた場合には、車両用警告装置が高価なシステムとなってしまう問題がある。また、従来の車両用警告装置は、衝突しそうな対象物(四輪車,二輪車、自転車、歩行者など)が接近する方向を示すものであり、対象物がまだ少し離れているのか、直ぐ近くにいるのか、自車両までの距離をはっきりと運転者に認知させることができない問題がある。
さらに、従来の車両用警告装置は、運転者がモニタを見て、「何が;どの方向から接近して;どうなりそうだ」ということを認知しているが、モニタが四輪車内のインストルメントパネル中央にある場合、運転者はモニタへ視線を移動し、注意喚起内容を読み取らなければならないので、認知するのに時間がかかる問題がある。特に、交通量の多い道路で運転者が周囲状況(前方)に注視している時には、周囲の状況の注視を少しの時間でも中断し、視線移動でモニタを見て状況を認知するのは困難な場合がある。
【0006】
この発明は、自車両に接近する対象物の存在を、運転者の視線移動に時間をかけさせることなく、明確に認知させることができる車両用警告装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、車室内の前方中央に配置された第1の表示部及び第1の警報出力部と、車室内の前方右側に配置された第2の表示部及び第2の警報出力部と、車室内の前方左側に配置された第3の表示部及び第3の警報出力部と、自車両に接近する対象物と衝突する可能性があるかどうかを判定する衝突可能性判定手段と、前記衝突可能性判定手段により自車両に接近する対象物と衝突する可能性があると判定された時に、前記第1〜3の表示部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された表示部のみを点滅させ、前記第1〜3の警報出力部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された警報出力部のみから警報を出力させるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車両用警告装置は、自車両に接近する対象物と衝突する可能性がある時に、運転者に対象物の存在する方向を表示や警報で明確に知らせることができる。この発明の車両用警告装置は、インストルメントパネル中央に表示部や警報出力部が集中している場合に比べて、運転者の視線移動にかかる時間を短縮することができるので、特に、交通量の多い道路のような、運転者が周囲の状況を注視するのを中断することが困難な状況で有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】車両用警告装置のシステム構成を示すブロック図である。(実施例)
【図2】車室内における表示部及び警報出力部の設置位置を示す図である。(実施例)
【図3】警報出力部の警報出力の仕様例を示す図である。(実施例)
【図4】2つの方向から対象物が同時接近した場合の2つの警報出力部の警報出力の仕様例を示す図である。(実施例)
【図5】対象物の距離に対する表示部の点滅周期の仕様例を示す図である。(実施例)
【図6】2つの方向から対象物が同時接近した場合の2つの表示部の点滅タイミングの仕様例を示す図である。(実施例)
【図7】対象物の種類による表示部の点滅色の仕様例を示す図である。(実施例)
【図8】T字路を左折する場合の道路状況を示す図である。(実施例)
【図9】T字路を左折する場合の車両用警告装置による制御フローチャートの一部である。(実施例)
【図10】図9の制御フローチャートに続く、T字路を左折する場合の車両用警告装置による制御フローチャートの残部である。(実施例)
【図11】交差点を右折する場合の車両用警告装置による制御フローチャートの一部である。
【図12】車室内における後方から接近する対象物に対する表示部及び警報出力部の設置位置を示す図である。(変形例)
【図13】車両用警告装置のシステム構成を示すブロック図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図11は、この発明の実施例を示すものである。図2において、1は車両、2は車室、3はインストルメントパネル、4は右ピラー、5は左ピラー、6はフロントウインドウガラス、7はステアリングホイール、8はルームミラーである。車両1には、図1に示すように、車両用警告装置9を搭載している。
車両用警告装置9は、表示部10として3つの第1〜第3の表示部10−1〜10−3を備え、警報出力部11として第1〜第3の警報出力部11−1〜11−3を備えている。第1〜第3の表示部10−1〜10−3は、例えばLEDからなる。第1〜第3の警報出力部11−1〜11−3は、例えばブザーからなる。第1の表示部10−1及び第1の警報出力部11−1は、第1の警告ユニット12−1として一組に構成している。第2の表示部10−2及び第2の警報出力部11−2は、第2の警告ユニット12−2として一組に構成している。第3の表示部10−3及び第3の警報出力部11−3は、第3の警告ユニット12−3として一組に構成している。
図2に示すように、第1の表示部10−1及び第1の警報出力部11−1からなる第1の警告ユニット12−1は、車室2内の前方中央のインストルメントパネル3上部中央に配置されている。第2の表示部10−2及び第2の警報出力部11−2からなる第2の警告ユニット12−2は、車室2内の前方右側の右ピラー4に配置されている。第3の表示部10−3及び第3の警報出力部11−3からなる第3の警告ユニット12−3は、車室2内の前方左側の左ピラー5に配置されている。
【0012】
また、車両用警告装置9は、車車間通信手段13と、路車間通信手段14と、自車位置情報取得手段15と、車両側手段16と、車両スピーカ17と、衝突可能性判定手段18と、制御手段19とを備えている。衝突可能性判定手段18と制御手段19とは、装置ユニット20として一組に構成され、各手段13〜16から情報を入力する。
車車間通信手段13は、車車間通信アンテナ21及び車車間通信機22を有し、自車両26と他車両27−1・27−2(図8参照)との間で情報を送受信する。路車間通信手段14は、路車間通信アンテナ23及び路車間通信機24を有し、自車両26と路上機との間で情報を送受信する。自車位置情報取得手段15は、GPS信号の受信アンテナ25を有し、GPS信号を受信して自車位置の情報を得る。車両側手段16は、電源・接地・車両信号を出力する。車両スピーカ17は、警告音声を出力する。
前記衝突可能性判定手段18は、自車両26に接近する対象物27(図8参照)と衝突する可能性があるかどうかを判定する。前記制御手段19は、衝突可能性判定手段18により自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があると判定された時に、第1〜3の表示部10−1〜10−3のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された表示部10のみを点滅させ、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された警報出力部11のみから警報の喚起音を出力させるように制御する。
前記衝突可能性判定手段18は、車車間通信手段13および/または路車間通信手段14により取得した情報に基づいて、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があるかどうかを判定する。衝突可能性の判定は、自車両26と自車両26に接近してくる対象物27との距離・相対速度等から衝突する可能性を演算し、演算値と予め設定した規定値とを比較することで行う。
前記制御手段19は、車車間通信手段13または路車間通信手段14により対象物27の種類についての情報を取得し、図7に示すように、対象物27の種類に基づいて、対象物27の存在する方向に対応して配置された第1〜第3の表示部10−1〜10−3の点滅色を変える。なお、図7は、第1〜第3の表示部10−1〜10−3が、2個のLED(LED1・LED2)からなる場合の点滅の仕様例である。
【0013】
また、制御手段19は、衝突可能性判定手段18により衝突する可能性があると判定された対象物27との距離が短くなると、図5・図6に示すように、対象物27の存在する方向に対応して配置された第1〜第3の表示部10−1〜10−3の点滅周期を早くする。なお、図5は、第1〜第3の表示部10−1〜10−3のうちの1つが点滅する場合の仕様例である。また、図6は、第1〜第3の表示部10−1〜10−3のうちの2つ(第2・第3の表示部10−2・10−3)が点滅する場合の仕様例である。
さらに、前記制御手段19は、図3に示すように、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3から出力される警報の周波数を互いに異ならせる。なお、図3は、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3のそれぞれが単独で警報を出力する場合の仕様例である。
さらにまた、制御手段19は、衝突可能性判定手段18により衝突する可能性があると判定された対象物27が複数存在する時には、図6に示すように、第1〜3の表示部10−1〜10−3を点滅タイミングをずらして同時に点灯せず、図4に示すように、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3から同時に警報を出力させない。なお、図4は、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3のうちの2つ(第2・第3の警報出力部11−2・11−3)が同時に警報を出力する場合の仕様例である。
【0014】
次に作用を説明する。
図8に示すように、T字路の交差点で左折する場合について説明する。図8において、26は自車両、27−1は自車両26に対して左方向から接近する対象物27の一つである他車両、27−2は自車両26に対して右方向から接近する対象物27の一つである他車両、27−3は自車両26に対して左方向から接近する対象物27の一つである自転車、28は一時停止線、29は自車両26の左側にある高い塀(視界を遮る障害物)、30は自車両26の右側にある高い建物(視界を遮る障害物)、31は自車両26と対象物との間の距離が短い範囲、32は自車両26と対象物との間の距離が長い範囲である。
車両用警告装置1は、図9・図10に示すように、自車両26に接近する対象物27である他車両27−1、27−2・自転車27−3・歩行者等の存在を、運転者に明確に認知させるように警告を発する。図9において、T字路で左折する場合のプログラムが開始されると(A01)、車車間通信手段13/路車間通信手段14により前方T字路の交差点周辺の対象物27である他車両27−1、27−2・自転車27−3・歩行者等の位置・速度等の情報を取得(常時)し(A02)、自車両26がT字路の交差点手前の一時停止線28で停車し、左折するために左ウインカをONして点滅させ(A03)、自車両26がT字路で左折する場合に接近してくる対象物27である他車両27−1、27−2・自転車27−3等において、自車両26との距離・相対速度等から自車両26との衝突する可能性を演算(常時)し(A04)、演算値と規定値とを比較して衝突する可能性が規定値以上の対象物27があるかを判断する(A05)。
この判断(A05)がNOの場合は、情報の取得(A02)に戻る。この判断(A05)がYESの場合は、対象物27は1方向から接近かを判断する(A06)。この判断(A06)がYESの場合は、衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左あるいは前であるかを判断する(A07)。この判断(A07)がYESの場合は、衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左であるかを判断する(A08)。
【0015】
自車両26に対して左方向から接近する対象物27(他車両27−1・自転車27−3)の衝突の可能性が高く、この判断(A08)がYESの場合は、左ピラー5に配置した第3の警報出力部11−3を規定仕様(図3・図4)でON/OFFして喚起音を出力させ(A09)、左ピラー5に配置した第3の表示部10−3を規定仕様(図5〜図7)でONして点滅し(A10)、車両スピーカ17でどのような対象物27がどちらの方向から接近しているかを音声で出力(1回のみ)させ(A11)、対象物27との衝突の可能性の演算値が規定値未満であるかを判断する(A12)。
この判断(A12)がNOの場合は、この判断(A12)を繰り返す。この判断(A12)がYESの場合は、衝突の可能性が低くなった対象物27の方向に該当する第3の表示部10−3をOFFして点滅を終了し(A13)、衝突の可能性が高い対象物が他に無いかを判断する(A14)。
この判断(A14)がNOの場合は、判断(A12)に戻る。この判断(A14)がYESの場合は、全ての第1〜第3の表示部10−1〜10−3をOFFして点滅を終了する(A15)。
また、前記衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左であるかの判断(A08)において、自車両26に対して前方向から接近する対象物27の衝突の可能性が高く、NOの場合は、インストルメントパネル3中央に配置した第1の警報出力部11−1を規定仕様(図3・図4)でON/OFFして喚起音を出力させ(A16)、インストルメントパネル3上部の中央に配置した第1の表示部10−1を規定仕様(図5〜図7)でONして点滅し(A17)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
さらに、前記衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左あるいは前であるかの判断(A07)において、自車両26に対して右方向から接近する対象物27(他車両27−2)の衝突の可能性が高く、NOの場合は、右ピラー4に配置した第2の警報出力部11−2を規定仕様(図3・図4)でON/OFFして喚起音を出力させ(A18)、右ピラー4に配置した第2の表示部10−2を規定仕様(図5〜図7)でONして点滅し(A19)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
【0016】
一方、前記対象物は1方向から接近かの判断(A06)において、接近する対象物27が2方向で、NOの場合は、図10に示すように、衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左と右であるかを判断する(A20)。この判断(A20)がNOの場合は、衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左と前であるかを判断する(A21)。
自車両26に対して前方向と右方向から接近する対象物27の衝突の可能性が高く、この判断(A21)がNOの場合は、インストルメントパネル3中央に配置した第1の警報出力部11−1と右ピラー4に配置した第2の警報出力部11−2とを規定仕様(図3・図4+同時に警報を出力させない)でON/OFFして喚起音を出力させ(A22)、インストルメントパネル3中央に配置した第1の表示部10−1と右ピラー4に配置した第2の表示部10−2とを規定仕様(図5〜図7+点滅のタイミングをずらす。)でONして点滅し(A23)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
また、自車両26に対して左方向と前方向から接近する対象物27の衝突の可能性が高く、この判断(A21)がYESの場合は、インストルメントパネル3中央に配置した第1の警報出力部11−1と左ピラー5に配置した第3の警報出力部11−3とを規定仕様(図3・図4+同時に警報を出力させない)でON/OFFして喚起音を出力させ(A24)、インストルメントパネル3中央に配置した第1の表示部10−1と左ピラー5に配置した第3の表示部10−3とを規定仕様(図5〜図7+点滅のタイミングをずらす。)でONして点滅し(A25)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
さらに、前記衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左と右であるかの判断(A20)において、自車両26に対して右方向と左方向から接近する対象物27の衝突の可能性が高く、YESの場合は、右ピラー4に配置した第2の警報出力部11−2と左ピラー5に配置した第3の警報出力部11−3とを規定仕様(図3・図4+同時に警報を出力させない)でON/OFFして喚起音を出力させ(A26)、右ピラー4に配置した第2の表示部10−2と左ピラー5に配置した第3の表示部10−3とを規定仕様(図5〜図7+点滅のタイミングをずらす。)でONして点滅し(A27)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
【0017】
また、図11に示すように、十字路の交差点で右折する場合について説明する。なお、この説明においては、前記図8の符号・図9及び図10の記載を利用して説明する。
車両用警告装置1は、図11において、十字路で右折する場合のプログラムが開始されると(B01)、車車間通信手段13/路車間通信手段14により前方十字路の交差点周辺の対象物27である他車両27−1、27−2・自転車27−3・歩行者等の位置・速度等の情報を取得(常時)し(B02)、自車両26の右ウインカをONして点滅させながら交差点内の一時停止線28で停車し(B03)、自車両26が交差点で右折する場合に接近してくる対象物27において、自車両26との距離・相対速度等から自車両26との衝突する可能性を常時演算し(B04)、演算値と規定値とを比較して衝突する可能性が規定値以上の対象物27があるかを判断する(B05)。
この判断(B05)がNOの場合は、情報の取得(B02)に戻る。この判断(B05)がYESの場合は、図9・図10の前述(A06)〜(A27)の処理を、(B06)〜(B27)に置き換えて実行する。
即ち、自車両26に対象物27が1方向から接近する場合は、前述(A07)〜(A15)の処理を(B07)〜(B15)として実行する。一方、自車両26に対象物27が2方向から接近する場合は、前述(A20)〜(A27)の処理を(B20)〜(B27)として実行する。
【0018】
このように、車両用警告装置1は、車車間通信手段13/路車間通信手段14により車車間通信機22/路車間通信機24から入手した周辺車両(車両・自転車・歩行者等)の情報{位置(緯度経度)、車速等}と、自車位置情報取得手段15により受信アンテナ25で受信したGPS信号および車両側手段16から得た自車両情報{位置(緯度経度)、車速等}とを元に、自車両26に接近してくる対象物27と衝突する可能性を衝突可能性判定手段18・制御手段19で演算し、運転者に注意喚起を行う必要性を判断する。注意喚起が必要な状況は、出会い頭事故、右直事故、左折巻き込み、追突、一時停止見落とし、信号見落とし等があり、各々の状況に合致する場合に注意喚起を行う。
車両用警告装置1は、注意喚起が必要な場合、(1).第1〜3の表示部10−1〜10−3の点滅表示、(2).第1〜3の警報出力部11−1〜11−3による喚起音、(3).車両スピーカ17の音声出力(「右から車が近づいています」等)を行う。対象物27が自車両26の前を通り過ごしたりして衝突の可能性が低くなった場合は、第1〜3の表示部10−1〜10−3、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3、車両スピーカ17による注意喚起を終了する。
この車両用警告装置1は、従来のナビゲーション装置などのモニタに代わり、安価なシステムとして左方向・右方向・前方向に表示部10及び警報出力部11からなる警告ユニット12をそれぞれ1つずつ、計3つを配置する。車両用警告装置1は、自車両26と衝突する可能性が高い対象物27を検知した場合、対象物27の方向に配置(図2参照)した表示部10の点滅及び警報出力部11の喚起音出力で注意喚起し、更に、車両スピーカ17の音声で注意喚起する。そして、車両用警告装置1は、対象物27との衝突の可能性が低くなった時に、表示部10の点滅による注意喚起を終了する。なお、警報出力部11の出力は、喚起音として始めだけ鳴らし、車両スピーカ17の音声も1回だけとする。
【0019】
従来の問題であった「対象物との距離」について、この車両用警告装置1は、自車両26との距離を2段階に分けて表示部10の点滅周期により運転者に分かりやすくしている(図5、図8)。また、従来の問題であった「視線移動」について、この車両用警告装置1は、表示部10及び警報出力部11を運転者の左・右・前の上部に(運転者の視線を妨げないように)配置することで視線移動の時間を短縮することができる。さらに、従来の問題であった「認知の時間」について、この車両用警告装置1は、対象物27の方向にあたる警報出力部11が喚起音を出力した時点で運転者は方向を認知でき、この方向に視線を移動すれば表示部10の色で対象物27の種類(四輪車・自転車等、図7参照)を認知できるので、従来よりもトータルの時間が短縮できる。
これにより、この車両用警告装置1は、一瞬の視線移動で認知が可能となる。更に、この車両用警告装置1は、警報出力部11のブザーによる喚起音を左・右・前で異なるようにしているので(図3)、対象物27の方向の認知も容易となる。また、対象物27が複数方向からほぼ同時に接近してきた場合は、図4、図6のように、表示部10の点滅及び警報出力部11の出力させる、つまり、各々の対象物の方向の表示部10の点滅及び警報出力部11の出力を同時に行わないことで、運転者による複数の対象物27の認知を向上させることができる。
【0020】
このように、この車両用警告装置1は、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があると判定された時に、第1〜3の表示部10−1〜10−3のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された表示部10のみを点滅させ、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された警報出力部11のみから警報を出力させるように制御することで、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性がある時に、運転者に対象物27の存在する方向を表示や警報で明確に知らせることができる。
このため、この車両用警告装置1は、従来のインストルメントパネル中央に表示部や警報出力部が集中している場合に比べて、運転者の視線移動にかかる時間を短縮することができるので、特に、交通量の多い道路のような、運転者が周囲の状況を注視するのを中断することが困難な状況で有効である。
この車両用警告装置は、車車間通信手段13又は路車間通信手段14により取得した情報に基づいて、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があるかどうかを判定するので、自車両26に接近する対象物27を容易に検出することができる。また、この車両用警告装置1は、車車間通信手段13又は路車間通信手段14により、対象物27の種類(車両。自転車等)等の情報を得ることができる。
この車両用警告装置1は、車車間通信手段13または路車間通信手段14により対象物27の種類についての情報を取得し、対象物27の種類に基づいて、対象物27の存在する方向に対応して配置された第1〜第3の表示部10−1〜10−3の点滅色を変えるので、運転者に、対象物27の種類を容易に認知させることができる。
また、この車両用警告装置1は、衝突可能性判定手段18により衝突する可能性があると判定された対象物27との距離が短くなると、対象物27の存在する方向に対応して配置された第1〜第3の表示部10−1〜10−3の点滅周期を早くするので、運転者に、対象物27までのおおよその距離を把握させることができる。
さらに、この車両用警告装置1は、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3から出力される警報の周波数を互いに異ならせるので、運転者に、対象物27の存在する方向を容易に認知させることができる。
さらにまた、この車両用警告装置1は、衝突可能性判定手段18により衝突する可能性があると判定された対象物27が複数存在する時には、第1〜3の表示部10−1〜10−3を点滅のタイミングをずらして同時に点灯せず、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3から同時に警報を出力させないので、自車両26に接近し衝突する可能性がある対象物27が複数存在しても、運転者に、対象物27の存在する方向を判別して認知させることができる。
【0021】
なお、上述実施例においては、第1の表示部10−1及び第1の警報出力部11−1からなる第1の警告ユニット12−1と、第2の表示部10−2及び第2の警報出力部11−2からなる第2の警告ユニット12−2と、第3の表示部10−3及び第3の警報出力部11−3からなる第3の警告ユニット12−3とにより、左・右・前の3方向の注意喚起を行ったが、図12に示すように、後方の注意喚起を加えることもできる。
図12の車両用警告装置1は、後方からの対象物27である他車両による自車両26への追突を想定し、ルームミラー8の側部に後方用の第4の表示部10−4及び第4の警報出力部11−4からなる第4の警告ユニット12−4を配置している。
即ち、変形例の車両用警告装置1は、車室2内の前方中央下方に配置された第1の表示部10−1及び第1の警報出力部1−1と、車室2内の前方右側に配置された第2の表示部10−2及び第2の警報出力部11−2と、車室2内の前方左側に配置された第3の表示部10−3及び第3の警報出力部11−3と、車室2内の前方中央上方に配置された第4の表示部10−4及び第4の警報出力部11−4と、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があるかどうかを判定する衝突可能性判定手段18と、衝突可能性判定手段18により自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があると判定された時に、第1〜4の表示部10−1〜10−4のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された表示部10のみを点滅させ、第1〜3の警報出力部11−1〜11−4のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された警報出力部11のみから警報を出力させるように制御する制御手段19とを備えている。これにより、この変形例の車両用警告装置1は、左・右・前と同様にして後方の注意喚起を行うことができる。
また、表示部10及び警報出力部11の配置位置は、図2・図12に示す以外でも、視線移動距離が少ない位置ならば、どの位置でも良い。表示部10及び警報出力部11は、運転者の左・右・前の上部に配置して、左・右・前の3方向の注意喚起を喚起したが、3方向に限らず、2方向(左・右)、1方向(前)のみでも実行可能である。表示部10及び警報出力部11は、LED及びブザーを例示したが、これ以外の部品でも、安価で表示と音声を出せる部品があれば使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明は、交通量の多い道路のような、運転者が周囲の状況を注視するのを中断することが困難な状況でも、運転者に対象物の存在する方向を明確に知らせることができるものであり、ナビゲーション装置と組み合わせることで、さらに有効な活用をすることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 車両
2 車室
3 インストルメントパネル
4 右ピラー
5 左ピラー
8 ルームミラー
10−1〜10−3 第1〜第3の表示部
11−1〜11−3 第1〜第3の警報出力部
13 車車間通信手段
14 路車間通信手段
15 自車位置情報取得手段
16 車両側手段
17 車両スピーカ
18 衝突可能性判定手段
19 制御手段
26 自車両
27 対象物
【技術分野】
【0001】
この発明は車両用警告装置に係り、特に、自車両に接近する対象物の存在を運転者に明確に認知させることができる車両用警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、自車両に接近して衝突しそうな車両、歩行者等が有る場合に、運転者に警告を発して注意を喚起するシステムとして、車両用警告装置を搭載しているものがある。
従来の車両用警告装置には、自車両に接近する他車両、歩行者等の対象物が検出されたときに、運転者の視線を自車両に接近する対象物が存在する方向の、バックミラー、左サイドミラー、右サイドミラーの方向に誘導させるように、点滅または点灯する表示部を設けたものがある。(特許文献1)
また、図13に示すように、車両用警告装置101には、車車間通信手段102と、路車間通信手段103と、自車位置情報取得手段104と、表示部としてのナビゲーションモニタ105と、警報出力部としての車両スピーカ106と、電源・接地・車両信号を入力する車両側手段107と、衝突可能性判定手段108と、制御手段109とを備えているものがある。車車間通信手段102は、車車間通信アンテナ110及び車車間通信機111を有している。路車間通信手段103は、路車間通信アンテナ112及び路車間通信機113を有している。自車位置情報取得手段104は、GPS信号の受信アンテナ114を有している。衝突可能性判定手段108と制御手段109とは、装置ユニット115として一組に構成され、各手段102〜104および107から情報を入力する。
前記車両用警告装置101は、衝突可能性判定手段108によって、自車両に接近してこのままでは衝突しそうな他車両、歩行者等の対象物が有るかを判定し、制御手段109によって、自車両に衝突しそうな対象物が有る時に、ナビゲーションモニタ105および車両スピーカ106を利用して運転者に警告を発するように制御する。
【0003】
このように、従来の車両用警告装置は、自車両に接近する対象物(四輪など)と衝突しそうな可能性を演算し、可能性が高い場合は、(1).注意喚起音(「ピーン」等)をスピーカから出す、(2).ナビゲーション装置のモニタや専用モニタなどに注意を促す画像を表示をする、(3).「右から車が来ます」等の音声をスピーカから出す、等を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−9320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ナビゲーション装置のモニタや専用モニタを用いた場合には、車両用警告装置が高価なシステムとなってしまう問題がある。また、従来の車両用警告装置は、衝突しそうな対象物(四輪車,二輪車、自転車、歩行者など)が接近する方向を示すものであり、対象物がまだ少し離れているのか、直ぐ近くにいるのか、自車両までの距離をはっきりと運転者に認知させることができない問題がある。
さらに、従来の車両用警告装置は、運転者がモニタを見て、「何が;どの方向から接近して;どうなりそうだ」ということを認知しているが、モニタが四輪車内のインストルメントパネル中央にある場合、運転者はモニタへ視線を移動し、注意喚起内容を読み取らなければならないので、認知するのに時間がかかる問題がある。特に、交通量の多い道路で運転者が周囲状況(前方)に注視している時には、周囲の状況の注視を少しの時間でも中断し、視線移動でモニタを見て状況を認知するのは困難な場合がある。
【0006】
この発明は、自車両に接近する対象物の存在を、運転者の視線移動に時間をかけさせることなく、明確に認知させることができる車両用警告装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、車室内の前方中央に配置された第1の表示部及び第1の警報出力部と、車室内の前方右側に配置された第2の表示部及び第2の警報出力部と、車室内の前方左側に配置された第3の表示部及び第3の警報出力部と、自車両に接近する対象物と衝突する可能性があるかどうかを判定する衝突可能性判定手段と、前記衝突可能性判定手段により自車両に接近する対象物と衝突する可能性があると判定された時に、前記第1〜3の表示部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された表示部のみを点滅させ、前記第1〜3の警報出力部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された警報出力部のみから警報を出力させるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車両用警告装置は、自車両に接近する対象物と衝突する可能性がある時に、運転者に対象物の存在する方向を表示や警報で明確に知らせることができる。この発明の車両用警告装置は、インストルメントパネル中央に表示部や警報出力部が集中している場合に比べて、運転者の視線移動にかかる時間を短縮することができるので、特に、交通量の多い道路のような、運転者が周囲の状況を注視するのを中断することが困難な状況で有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】車両用警告装置のシステム構成を示すブロック図である。(実施例)
【図2】車室内における表示部及び警報出力部の設置位置を示す図である。(実施例)
【図3】警報出力部の警報出力の仕様例を示す図である。(実施例)
【図4】2つの方向から対象物が同時接近した場合の2つの警報出力部の警報出力の仕様例を示す図である。(実施例)
【図5】対象物の距離に対する表示部の点滅周期の仕様例を示す図である。(実施例)
【図6】2つの方向から対象物が同時接近した場合の2つの表示部の点滅タイミングの仕様例を示す図である。(実施例)
【図7】対象物の種類による表示部の点滅色の仕様例を示す図である。(実施例)
【図8】T字路を左折する場合の道路状況を示す図である。(実施例)
【図9】T字路を左折する場合の車両用警告装置による制御フローチャートの一部である。(実施例)
【図10】図9の制御フローチャートに続く、T字路を左折する場合の車両用警告装置による制御フローチャートの残部である。(実施例)
【図11】交差点を右折する場合の車両用警告装置による制御フローチャートの一部である。
【図12】車室内における後方から接近する対象物に対する表示部及び警報出力部の設置位置を示す図である。(変形例)
【図13】車両用警告装置のシステム構成を示すブロック図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図11は、この発明の実施例を示すものである。図2において、1は車両、2は車室、3はインストルメントパネル、4は右ピラー、5は左ピラー、6はフロントウインドウガラス、7はステアリングホイール、8はルームミラーである。車両1には、図1に示すように、車両用警告装置9を搭載している。
車両用警告装置9は、表示部10として3つの第1〜第3の表示部10−1〜10−3を備え、警報出力部11として第1〜第3の警報出力部11−1〜11−3を備えている。第1〜第3の表示部10−1〜10−3は、例えばLEDからなる。第1〜第3の警報出力部11−1〜11−3は、例えばブザーからなる。第1の表示部10−1及び第1の警報出力部11−1は、第1の警告ユニット12−1として一組に構成している。第2の表示部10−2及び第2の警報出力部11−2は、第2の警告ユニット12−2として一組に構成している。第3の表示部10−3及び第3の警報出力部11−3は、第3の警告ユニット12−3として一組に構成している。
図2に示すように、第1の表示部10−1及び第1の警報出力部11−1からなる第1の警告ユニット12−1は、車室2内の前方中央のインストルメントパネル3上部中央に配置されている。第2の表示部10−2及び第2の警報出力部11−2からなる第2の警告ユニット12−2は、車室2内の前方右側の右ピラー4に配置されている。第3の表示部10−3及び第3の警報出力部11−3からなる第3の警告ユニット12−3は、車室2内の前方左側の左ピラー5に配置されている。
【0012】
また、車両用警告装置9は、車車間通信手段13と、路車間通信手段14と、自車位置情報取得手段15と、車両側手段16と、車両スピーカ17と、衝突可能性判定手段18と、制御手段19とを備えている。衝突可能性判定手段18と制御手段19とは、装置ユニット20として一組に構成され、各手段13〜16から情報を入力する。
車車間通信手段13は、車車間通信アンテナ21及び車車間通信機22を有し、自車両26と他車両27−1・27−2(図8参照)との間で情報を送受信する。路車間通信手段14は、路車間通信アンテナ23及び路車間通信機24を有し、自車両26と路上機との間で情報を送受信する。自車位置情報取得手段15は、GPS信号の受信アンテナ25を有し、GPS信号を受信して自車位置の情報を得る。車両側手段16は、電源・接地・車両信号を出力する。車両スピーカ17は、警告音声を出力する。
前記衝突可能性判定手段18は、自車両26に接近する対象物27(図8参照)と衝突する可能性があるかどうかを判定する。前記制御手段19は、衝突可能性判定手段18により自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があると判定された時に、第1〜3の表示部10−1〜10−3のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された表示部10のみを点滅させ、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された警報出力部11のみから警報の喚起音を出力させるように制御する。
前記衝突可能性判定手段18は、車車間通信手段13および/または路車間通信手段14により取得した情報に基づいて、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があるかどうかを判定する。衝突可能性の判定は、自車両26と自車両26に接近してくる対象物27との距離・相対速度等から衝突する可能性を演算し、演算値と予め設定した規定値とを比較することで行う。
前記制御手段19は、車車間通信手段13または路車間通信手段14により対象物27の種類についての情報を取得し、図7に示すように、対象物27の種類に基づいて、対象物27の存在する方向に対応して配置された第1〜第3の表示部10−1〜10−3の点滅色を変える。なお、図7は、第1〜第3の表示部10−1〜10−3が、2個のLED(LED1・LED2)からなる場合の点滅の仕様例である。
【0013】
また、制御手段19は、衝突可能性判定手段18により衝突する可能性があると判定された対象物27との距離が短くなると、図5・図6に示すように、対象物27の存在する方向に対応して配置された第1〜第3の表示部10−1〜10−3の点滅周期を早くする。なお、図5は、第1〜第3の表示部10−1〜10−3のうちの1つが点滅する場合の仕様例である。また、図6は、第1〜第3の表示部10−1〜10−3のうちの2つ(第2・第3の表示部10−2・10−3)が点滅する場合の仕様例である。
さらに、前記制御手段19は、図3に示すように、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3から出力される警報の周波数を互いに異ならせる。なお、図3は、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3のそれぞれが単独で警報を出力する場合の仕様例である。
さらにまた、制御手段19は、衝突可能性判定手段18により衝突する可能性があると判定された対象物27が複数存在する時には、図6に示すように、第1〜3の表示部10−1〜10−3を点滅タイミングをずらして同時に点灯せず、図4に示すように、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3から同時に警報を出力させない。なお、図4は、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3のうちの2つ(第2・第3の警報出力部11−2・11−3)が同時に警報を出力する場合の仕様例である。
【0014】
次に作用を説明する。
図8に示すように、T字路の交差点で左折する場合について説明する。図8において、26は自車両、27−1は自車両26に対して左方向から接近する対象物27の一つである他車両、27−2は自車両26に対して右方向から接近する対象物27の一つである他車両、27−3は自車両26に対して左方向から接近する対象物27の一つである自転車、28は一時停止線、29は自車両26の左側にある高い塀(視界を遮る障害物)、30は自車両26の右側にある高い建物(視界を遮る障害物)、31は自車両26と対象物との間の距離が短い範囲、32は自車両26と対象物との間の距離が長い範囲である。
車両用警告装置1は、図9・図10に示すように、自車両26に接近する対象物27である他車両27−1、27−2・自転車27−3・歩行者等の存在を、運転者に明確に認知させるように警告を発する。図9において、T字路で左折する場合のプログラムが開始されると(A01)、車車間通信手段13/路車間通信手段14により前方T字路の交差点周辺の対象物27である他車両27−1、27−2・自転車27−3・歩行者等の位置・速度等の情報を取得(常時)し(A02)、自車両26がT字路の交差点手前の一時停止線28で停車し、左折するために左ウインカをONして点滅させ(A03)、自車両26がT字路で左折する場合に接近してくる対象物27である他車両27−1、27−2・自転車27−3等において、自車両26との距離・相対速度等から自車両26との衝突する可能性を演算(常時)し(A04)、演算値と規定値とを比較して衝突する可能性が規定値以上の対象物27があるかを判断する(A05)。
この判断(A05)がNOの場合は、情報の取得(A02)に戻る。この判断(A05)がYESの場合は、対象物27は1方向から接近かを判断する(A06)。この判断(A06)がYESの場合は、衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左あるいは前であるかを判断する(A07)。この判断(A07)がYESの場合は、衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左であるかを判断する(A08)。
【0015】
自車両26に対して左方向から接近する対象物27(他車両27−1・自転車27−3)の衝突の可能性が高く、この判断(A08)がYESの場合は、左ピラー5に配置した第3の警報出力部11−3を規定仕様(図3・図4)でON/OFFして喚起音を出力させ(A09)、左ピラー5に配置した第3の表示部10−3を規定仕様(図5〜図7)でONして点滅し(A10)、車両スピーカ17でどのような対象物27がどちらの方向から接近しているかを音声で出力(1回のみ)させ(A11)、対象物27との衝突の可能性の演算値が規定値未満であるかを判断する(A12)。
この判断(A12)がNOの場合は、この判断(A12)を繰り返す。この判断(A12)がYESの場合は、衝突の可能性が低くなった対象物27の方向に該当する第3の表示部10−3をOFFして点滅を終了し(A13)、衝突の可能性が高い対象物が他に無いかを判断する(A14)。
この判断(A14)がNOの場合は、判断(A12)に戻る。この判断(A14)がYESの場合は、全ての第1〜第3の表示部10−1〜10−3をOFFして点滅を終了する(A15)。
また、前記衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左であるかの判断(A08)において、自車両26に対して前方向から接近する対象物27の衝突の可能性が高く、NOの場合は、インストルメントパネル3中央に配置した第1の警報出力部11−1を規定仕様(図3・図4)でON/OFFして喚起音を出力させ(A16)、インストルメントパネル3上部の中央に配置した第1の表示部10−1を規定仕様(図5〜図7)でONして点滅し(A17)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
さらに、前記衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左あるいは前であるかの判断(A07)において、自車両26に対して右方向から接近する対象物27(他車両27−2)の衝突の可能性が高く、NOの場合は、右ピラー4に配置した第2の警報出力部11−2を規定仕様(図3・図4)でON/OFFして喚起音を出力させ(A18)、右ピラー4に配置した第2の表示部10−2を規定仕様(図5〜図7)でONして点滅し(A19)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
【0016】
一方、前記対象物は1方向から接近かの判断(A06)において、接近する対象物27が2方向で、NOの場合は、図10に示すように、衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左と右であるかを判断する(A20)。この判断(A20)がNOの場合は、衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左と前であるかを判断する(A21)。
自車両26に対して前方向と右方向から接近する対象物27の衝突の可能性が高く、この判断(A21)がNOの場合は、インストルメントパネル3中央に配置した第1の警報出力部11−1と右ピラー4に配置した第2の警報出力部11−2とを規定仕様(図3・図4+同時に警報を出力させない)でON/OFFして喚起音を出力させ(A22)、インストルメントパネル3中央に配置した第1の表示部10−1と右ピラー4に配置した第2の表示部10−2とを規定仕様(図5〜図7+点滅のタイミングをずらす。)でONして点滅し(A23)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
また、自車両26に対して左方向と前方向から接近する対象物27の衝突の可能性が高く、この判断(A21)がYESの場合は、インストルメントパネル3中央に配置した第1の警報出力部11−1と左ピラー5に配置した第3の警報出力部11−3とを規定仕様(図3・図4+同時に警報を出力させない)でON/OFFして喚起音を出力させ(A24)、インストルメントパネル3中央に配置した第1の表示部10−1と左ピラー5に配置した第3の表示部10−3とを規定仕様(図5〜図7+点滅のタイミングをずらす。)でONして点滅し(A25)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
さらに、前記衝突の可能性が高い対象物27の接近する方向は左と右であるかの判断(A20)において、自車両26に対して右方向と左方向から接近する対象物27の衝突の可能性が高く、YESの場合は、右ピラー4に配置した第2の警報出力部11−2と左ピラー5に配置した第3の警報出力部11−3とを規定仕様(図3・図4+同時に警報を出力させない)でON/OFFして喚起音を出力させ(A26)、右ピラー4に配置した第2の表示部10−2と左ピラー5に配置した第3の表示部10−3とを規定仕様(図5〜図7+点滅のタイミングをずらす。)でONして点滅し(A27)、その後、前述(A11)〜(A15)の処理を実行する。
【0017】
また、図11に示すように、十字路の交差点で右折する場合について説明する。なお、この説明においては、前記図8の符号・図9及び図10の記載を利用して説明する。
車両用警告装置1は、図11において、十字路で右折する場合のプログラムが開始されると(B01)、車車間通信手段13/路車間通信手段14により前方十字路の交差点周辺の対象物27である他車両27−1、27−2・自転車27−3・歩行者等の位置・速度等の情報を取得(常時)し(B02)、自車両26の右ウインカをONして点滅させながら交差点内の一時停止線28で停車し(B03)、自車両26が交差点で右折する場合に接近してくる対象物27において、自車両26との距離・相対速度等から自車両26との衝突する可能性を常時演算し(B04)、演算値と規定値とを比較して衝突する可能性が規定値以上の対象物27があるかを判断する(B05)。
この判断(B05)がNOの場合は、情報の取得(B02)に戻る。この判断(B05)がYESの場合は、図9・図10の前述(A06)〜(A27)の処理を、(B06)〜(B27)に置き換えて実行する。
即ち、自車両26に対象物27が1方向から接近する場合は、前述(A07)〜(A15)の処理を(B07)〜(B15)として実行する。一方、自車両26に対象物27が2方向から接近する場合は、前述(A20)〜(A27)の処理を(B20)〜(B27)として実行する。
【0018】
このように、車両用警告装置1は、車車間通信手段13/路車間通信手段14により車車間通信機22/路車間通信機24から入手した周辺車両(車両・自転車・歩行者等)の情報{位置(緯度経度)、車速等}と、自車位置情報取得手段15により受信アンテナ25で受信したGPS信号および車両側手段16から得た自車両情報{位置(緯度経度)、車速等}とを元に、自車両26に接近してくる対象物27と衝突する可能性を衝突可能性判定手段18・制御手段19で演算し、運転者に注意喚起を行う必要性を判断する。注意喚起が必要な状況は、出会い頭事故、右直事故、左折巻き込み、追突、一時停止見落とし、信号見落とし等があり、各々の状況に合致する場合に注意喚起を行う。
車両用警告装置1は、注意喚起が必要な場合、(1).第1〜3の表示部10−1〜10−3の点滅表示、(2).第1〜3の警報出力部11−1〜11−3による喚起音、(3).車両スピーカ17の音声出力(「右から車が近づいています」等)を行う。対象物27が自車両26の前を通り過ごしたりして衝突の可能性が低くなった場合は、第1〜3の表示部10−1〜10−3、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3、車両スピーカ17による注意喚起を終了する。
この車両用警告装置1は、従来のナビゲーション装置などのモニタに代わり、安価なシステムとして左方向・右方向・前方向に表示部10及び警報出力部11からなる警告ユニット12をそれぞれ1つずつ、計3つを配置する。車両用警告装置1は、自車両26と衝突する可能性が高い対象物27を検知した場合、対象物27の方向に配置(図2参照)した表示部10の点滅及び警報出力部11の喚起音出力で注意喚起し、更に、車両スピーカ17の音声で注意喚起する。そして、車両用警告装置1は、対象物27との衝突の可能性が低くなった時に、表示部10の点滅による注意喚起を終了する。なお、警報出力部11の出力は、喚起音として始めだけ鳴らし、車両スピーカ17の音声も1回だけとする。
【0019】
従来の問題であった「対象物との距離」について、この車両用警告装置1は、自車両26との距離を2段階に分けて表示部10の点滅周期により運転者に分かりやすくしている(図5、図8)。また、従来の問題であった「視線移動」について、この車両用警告装置1は、表示部10及び警報出力部11を運転者の左・右・前の上部に(運転者の視線を妨げないように)配置することで視線移動の時間を短縮することができる。さらに、従来の問題であった「認知の時間」について、この車両用警告装置1は、対象物27の方向にあたる警報出力部11が喚起音を出力した時点で運転者は方向を認知でき、この方向に視線を移動すれば表示部10の色で対象物27の種類(四輪車・自転車等、図7参照)を認知できるので、従来よりもトータルの時間が短縮できる。
これにより、この車両用警告装置1は、一瞬の視線移動で認知が可能となる。更に、この車両用警告装置1は、警報出力部11のブザーによる喚起音を左・右・前で異なるようにしているので(図3)、対象物27の方向の認知も容易となる。また、対象物27が複数方向からほぼ同時に接近してきた場合は、図4、図6のように、表示部10の点滅及び警報出力部11の出力させる、つまり、各々の対象物の方向の表示部10の点滅及び警報出力部11の出力を同時に行わないことで、運転者による複数の対象物27の認知を向上させることができる。
【0020】
このように、この車両用警告装置1は、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があると判定された時に、第1〜3の表示部10−1〜10−3のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された表示部10のみを点滅させ、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された警報出力部11のみから警報を出力させるように制御することで、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性がある時に、運転者に対象物27の存在する方向を表示や警報で明確に知らせることができる。
このため、この車両用警告装置1は、従来のインストルメントパネル中央に表示部や警報出力部が集中している場合に比べて、運転者の視線移動にかかる時間を短縮することができるので、特に、交通量の多い道路のような、運転者が周囲の状況を注視するのを中断することが困難な状況で有効である。
この車両用警告装置は、車車間通信手段13又は路車間通信手段14により取得した情報に基づいて、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があるかどうかを判定するので、自車両26に接近する対象物27を容易に検出することができる。また、この車両用警告装置1は、車車間通信手段13又は路車間通信手段14により、対象物27の種類(車両。自転車等)等の情報を得ることができる。
この車両用警告装置1は、車車間通信手段13または路車間通信手段14により対象物27の種類についての情報を取得し、対象物27の種類に基づいて、対象物27の存在する方向に対応して配置された第1〜第3の表示部10−1〜10−3の点滅色を変えるので、運転者に、対象物27の種類を容易に認知させることができる。
また、この車両用警告装置1は、衝突可能性判定手段18により衝突する可能性があると判定された対象物27との距離が短くなると、対象物27の存在する方向に対応して配置された第1〜第3の表示部10−1〜10−3の点滅周期を早くするので、運転者に、対象物27までのおおよその距離を把握させることができる。
さらに、この車両用警告装置1は、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3から出力される警報の周波数を互いに異ならせるので、運転者に、対象物27の存在する方向を容易に認知させることができる。
さらにまた、この車両用警告装置1は、衝突可能性判定手段18により衝突する可能性があると判定された対象物27が複数存在する時には、第1〜3の表示部10−1〜10−3を点滅のタイミングをずらして同時に点灯せず、第1〜3の警報出力部11−1〜11−3から同時に警報を出力させないので、自車両26に接近し衝突する可能性がある対象物27が複数存在しても、運転者に、対象物27の存在する方向を判別して認知させることができる。
【0021】
なお、上述実施例においては、第1の表示部10−1及び第1の警報出力部11−1からなる第1の警告ユニット12−1と、第2の表示部10−2及び第2の警報出力部11−2からなる第2の警告ユニット12−2と、第3の表示部10−3及び第3の警報出力部11−3からなる第3の警告ユニット12−3とにより、左・右・前の3方向の注意喚起を行ったが、図12に示すように、後方の注意喚起を加えることもできる。
図12の車両用警告装置1は、後方からの対象物27である他車両による自車両26への追突を想定し、ルームミラー8の側部に後方用の第4の表示部10−4及び第4の警報出力部11−4からなる第4の警告ユニット12−4を配置している。
即ち、変形例の車両用警告装置1は、車室2内の前方中央下方に配置された第1の表示部10−1及び第1の警報出力部1−1と、車室2内の前方右側に配置された第2の表示部10−2及び第2の警報出力部11−2と、車室2内の前方左側に配置された第3の表示部10−3及び第3の警報出力部11−3と、車室2内の前方中央上方に配置された第4の表示部10−4及び第4の警報出力部11−4と、自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があるかどうかを判定する衝突可能性判定手段18と、衝突可能性判定手段18により自車両26に接近する対象物27と衝突する可能性があると判定された時に、第1〜4の表示部10−1〜10−4のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された表示部10のみを点滅させ、第1〜3の警報出力部11−1〜11−4のうち対象物27の存在する方向に対応して配置された警報出力部11のみから警報を出力させるように制御する制御手段19とを備えている。これにより、この変形例の車両用警告装置1は、左・右・前と同様にして後方の注意喚起を行うことができる。
また、表示部10及び警報出力部11の配置位置は、図2・図12に示す以外でも、視線移動距離が少ない位置ならば、どの位置でも良い。表示部10及び警報出力部11は、運転者の左・右・前の上部に配置して、左・右・前の3方向の注意喚起を喚起したが、3方向に限らず、2方向(左・右)、1方向(前)のみでも実行可能である。表示部10及び警報出力部11は、LED及びブザーを例示したが、これ以外の部品でも、安価で表示と音声を出せる部品があれば使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明は、交通量の多い道路のような、運転者が周囲の状況を注視するのを中断することが困難な状況でも、運転者に対象物の存在する方向を明確に知らせることができるものであり、ナビゲーション装置と組み合わせることで、さらに有効な活用をすることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 車両
2 車室
3 インストルメントパネル
4 右ピラー
5 左ピラー
8 ルームミラー
10−1〜10−3 第1〜第3の表示部
11−1〜11−3 第1〜第3の警報出力部
13 車車間通信手段
14 路車間通信手段
15 自車位置情報取得手段
16 車両側手段
17 車両スピーカ
18 衝突可能性判定手段
19 制御手段
26 自車両
27 対象物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内の前方中央に配置された第1の表示部及び第1の警報出力部と、
車室内の前方右側に配置された第2の表示部及び第2の警報出力部と、
車室内の前方左側に配置された第3の表示部及び第3の警報出力部と、
自車両に接近する対象物と衝突する可能性があるかどうかを判定する衝突可能性判定手段と、
前記衝突可能性判定手段により自車両に接近する対象物と衝突する可能性があると判定された時に、前記第1〜3の表示部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された表示部のみを点滅させ、前記第1〜3の警報出力部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された警報出力部のみから警報を出力させるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用警告装置。
【請求項2】
自車両と他車両との間で情報を送受信する車車間通信手段と、自車両と路上機との間で情報を送受信する路車間通信手段とのいずれか又は両方を備え、
前記車車間通信手段または路車間通信手段により取得した情報に基づいて、前記衝突可能性判定手段は自車両に接近する対象物と衝突する可能性があるかどうかを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用警告装置。
【請求項3】
前記車車間通信手段または路車間通信手段により対象物の種類についての情報を取得し、
対象物の種類に基づいて、前記制御手段は対象物の存在する方向に対応して配置された表示部の点滅色を変えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用警告装置。
【請求項4】
前記衝突可能性判定手段により衝突する可能性があると判定された対象物との距離が短くなると、前記制御手段は対象物の存在する方向に対応して配置された表示部の点滅周期を早くすることを特徴とする請求項1に記載の車両用警告装置。
【請求項5】
前記第1〜3の警報出力部から出力される警報の周波数は互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の車両用警告装置。
【請求項6】
前記衝突可能性判定手段により衝突する可能性があると判定された対象物が複数存在する時には、前記制御手段は第1〜3の表示部を点滅タイミングをずらして同時に点灯せず、第1〜3の警報出力部から同時に警報を出力させないことを特徴とする請求項1に記載の車両用警告装置。
【請求項1】
車室内の前方中央に配置された第1の表示部及び第1の警報出力部と、
車室内の前方右側に配置された第2の表示部及び第2の警報出力部と、
車室内の前方左側に配置された第3の表示部及び第3の警報出力部と、
自車両に接近する対象物と衝突する可能性があるかどうかを判定する衝突可能性判定手段と、
前記衝突可能性判定手段により自車両に接近する対象物と衝突する可能性があると判定された時に、前記第1〜3の表示部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された表示部のみを点滅させ、前記第1〜3の警報出力部のうち対象物の存在する方向に対応して配置された警報出力部のみから警報を出力させるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用警告装置。
【請求項2】
自車両と他車両との間で情報を送受信する車車間通信手段と、自車両と路上機との間で情報を送受信する路車間通信手段とのいずれか又は両方を備え、
前記車車間通信手段または路車間通信手段により取得した情報に基づいて、前記衝突可能性判定手段は自車両に接近する対象物と衝突する可能性があるかどうかを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用警告装置。
【請求項3】
前記車車間通信手段または路車間通信手段により対象物の種類についての情報を取得し、
対象物の種類に基づいて、前記制御手段は対象物の存在する方向に対応して配置された表示部の点滅色を変えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用警告装置。
【請求項4】
前記衝突可能性判定手段により衝突する可能性があると判定された対象物との距離が短くなると、前記制御手段は対象物の存在する方向に対応して配置された表示部の点滅周期を早くすることを特徴とする請求項1に記載の車両用警告装置。
【請求項5】
前記第1〜3の警報出力部から出力される警報の周波数は互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の車両用警告装置。
【請求項6】
前記衝突可能性判定手段により衝突する可能性があると判定された対象物が複数存在する時には、前記制御手段は第1〜3の表示部を点滅タイミングをずらして同時に点灯せず、第1〜3の警報出力部から同時に警報を出力させないことを特徴とする請求項1に記載の車両用警告装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−103100(P2011−103100A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258547(P2009−258547)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
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