車両用走行支援装置
【課題】 車両の適切な誘導を図りながら、操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することが可能な走行支援装置を提供する。
【解決手段】 車両用走行支援装置100は、初期位置から目標位置までの目標移動軌跡に沿って走行するように車両の走行を支援する。この装置100は、目標移動軌跡に沿って車両が走行するように転舵手段32の転舵角を制御するための制御パターンを生成する転舵角制御パターン生成手段12と、操舵手段32の操舵角を制御するための制御パターンを生成する操舵角制御パターン生成手段12と、転舵角の制御パターンに基づいて転舵手段32を制御し、操舵角の制御パターンに基づいて操舵手段22を制御する制御手段20,30と、を備える。
【解決手段】 車両用走行支援装置100は、初期位置から目標位置までの目標移動軌跡に沿って走行するように車両の走行を支援する。この装置100は、目標移動軌跡に沿って車両が走行するように転舵手段32の転舵角を制御するための制御パターンを生成する転舵角制御パターン生成手段12と、操舵手段32の操舵角を制御するための制御パターンを生成する操舵角制御パターン生成手段12と、転舵角の制御パターンに基づいて転舵手段32を制御し、操舵角の制御パターンに基づいて操舵手段22を制御する制御手段20,30と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標位置への移動軌跡に沿って車両が走行するように、その走行を支援する車両用走行支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動操舵により、車両を目標位置へと誘導する走行支援装置が知られている。例えば特許文献1に記載の装置は、操舵手段(ステアリング)の連続等速操作により、ステアリングに連動させて転舵手段(車輪)を連続等速操作して、円滑な操作で車庫入れを誘導しようとしている。
【特許文献1】特開平6−75629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、円滑な移動軌跡を描くための演算は複雑であって演算量も多いため、実際には操舵途中でステアリングの回転速度が変化したり、ステアリングの回転に一旦停止を含んだりする移動軌跡が生成される場合が多かった。また障害物等を避けるために、速い回転速度でステアリングを操作するような移動軌跡が生成される場合もあった。その結果、ドライバがステアリングの動きに違和感を覚える虞があった。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みて為されたものであり、車両の適切な誘導を図りながら、操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することが可能な車両用走行支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車両用走行支援装置は、初期位置から目標位置までの目標移動軌跡に沿って走行するように車両の走行を支援する。この装置は、(1)目標移動軌跡に沿って車両が走行するように転舵手段の転舵角を制御するための制御パターンを生成する転舵角制御パターン生成手段と、(2)操舵手段の操舵角を制御するための制御パターンを生成する操舵角制御パターン生成手段と、(3)転舵角の制御パターンに基づいて転舵手段を制御し、操舵角の制御パターンに基づいて操舵手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この装置によれば、転舵角制御パターン生成手段により、目標移動軌跡に沿って車両が走行するように転舵手段の転舵角を制御するための制御パターンが生成される。一方、操舵角制御パターン生成手段により、操舵角を制御するための制御パターンが生成される。そして、転舵角の制御パターンに基づいて転舵手段を制御する一方、操舵角の制御パターンに基づいて操舵手段を制御することができる。従って、転舵手段の動きが滑らかでないときでも操舵手段の動きを滑らかにするような制御パターンで操舵手段を制御することができる。その結果、車両の適切な誘導を図りつつ、操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することができる。
【0007】
操舵角の制御パターンは、転舵角の制御パターンに基づいて生成されると好ましい。このようにすれば、転舵角の制御パターンに近似させつつ、操舵手段を滑らかに制御する操舵角の制御パターンを容易に生成することができる。
【0008】
操舵角の制御パターンは、転舵角の変化に対する操舵角の変化の割合を変更して生成された区間を含むと好ましい。このように、転舵角の変化に対する操舵角の変化の割合を変更することで、操舵手段を滑らかに制御する操舵角の制御パターンが生成される。
【0009】
操舵角の制御パターンは、転舵角を変化させないときに操舵角を変化させる区間を含むと好ましい。また、操舵角の制御パターンは、転舵角を変化させるときに操舵角を変化させない区間を含むと好ましい。操舵角の制御パターンがこのような区間を含むことで、操舵手段の滑らかな制御を実現し易くなる。
【0010】
操舵角の制御パターンは、転舵角の制御パターンにおける走行距離に対する転舵角の変化の割合よりも小さい割合で操舵角を変化させる区間を含むと好ましい。このようにすれば、転舵角の変化よりも操舵角の変化が緩やかになり、操舵手段の動きに対するドライバの違和感が低減される。
【0011】
操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点は、転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点と同一であると好ましい。このようにすれば、操舵手段の切り出し時点と転舵手段の切り出し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0012】
操舵角の制御パターンにおいて操舵角保持から角度変化を始める時点は、転舵角の制御パターンにおいて転舵角保持から角度変化を始める時点と同一であると好ましい。或いは、操舵角の制御パターンにおいて操舵角変化が極値となる時点は、転舵角の制御パターンにおいて転舵角変化が極値となる時点と同一であると好ましい。このようにすれば、操舵手段の切り返し時点と転舵手段の切り返し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0013】
操舵角の制御パターンは、転舵角の制御パターンにおいて最大転舵角と最小転舵角との間を直線で結んで生成される区間を含むと好ましい。このようにすれば、転舵角の制御パターンに近似させつつ、操舵手段を滑らかに制御する操舵角の制御パターンを容易に生成することができる。
【0014】
操舵角の制御パターンと転舵角の制御パターンとは、目標移動軌跡が生成されたときに生成されると好ましい。このようにすれば、目標移動軌跡が生成されたときに操舵角の制御パターンと転舵角の制御パターンとがそれぞれ生成され、それらに基づいて操舵手段と転舵手段とが制御手段により制御される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両用走行支援装置によれば、車両の適切な誘導を図りながら、操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することが可能となる。すなわち、ドライバは、操舵手段の動きにより車両がどのように動いているかを認識できる。従って、目標移動軌跡に沿って車両が走行するように転舵角の制御パターンに基づいて転舵手段を制御する一方、操舵角の制御パターンに基づいて車両の動きをドライバに示しながらも滑らかな動きで操舵手段を制御することで、車両の適切な誘導を行いながら操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
【0017】
本実施形態では、走行支援装置として駐車支援装置を例に説明する。図1は、本実施形態に係る駐車支援装置100のブロック構成図である。この駐車支援装置100は、自動操舵装置20及び自動転舵装置30を備えており、制御装置である駐車支援ECU1により制御される。駐車支援ECU1は、CPU、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成され、後述する後方カメラ42で取得された画像を処理する画像処理部10と、自動操舵装置20の制御を行う操舵制御部11と、自動転舵装置30の制御を行う転舵制御部12と、を有している。この画像処理部10、操舵制御部11、及び転舵制御部12は、駐車支援ECU1内でハード的に区分されていてもよいが、共通のCPU、ROM、RAM等を用い、ソフト的に区分されていてもよい。
【0018】
ステアリングホイール22の動きにより回転するステアリングシャフト21には、ステアリングシャフト21の操舵量を検出する操舵角センサ23と、操舵力を付与する操舵アクチュエータ24が接続されている。操舵制御部11は、操舵アクチュエータ24の駆動を制御するとともに、操舵角センサ23の出力信号が入力される。
【0019】
また、操舵制御部11には、操舵角センサ23の出力のほか、各輪に配置されてその車輪速を検出する車輪速センサ51と、車両の加速度を検出する加速度センサ52の出力が入力されている。
【0020】
車輪32を転舵させる転舵機構31には、車輪32の転舵量を検出する転舵角センサ33と、転舵力を付与する転舵アクチュエータ34が接続されている。転舵制御部12は、転舵アクチュエータ34の駆動を制御するとともに、転舵角センサ33の出力信号が入力される。
【0021】
また、転舵制御部12には、転舵角センサ33の出力のほか、各輪に配置されてその車輪速を検出する車輪速センサ51と、車両の加速度を検出する加速度センサ52の出力が入力されている。
【0022】
このように、本実施形態の駐車支援装置100は、ステアリングホイール22の操舵角と車輪32の転舵角とをそれぞれ独立して制御する。従って、この駐車支援装置100は、操舵と転舵とが機構的に分離されたステアバイワイヤ(SBW)の車両に好適に用いられる。
【0023】
駐車支援ECU1の前述した画像処理部10には、車両後部に配置されて、後方画像を取得する後方カメラ42の出力信号である画像信号が入力されるほか、駐車支援にあたって運転者の操作入力を受け付ける入力手段41と、運転者に対して画像により情報を表示するモニタ44と、音声により情報を提示するスピーカー43が接続されている。
【0024】
次に、この駐車支援装置100における支援動作を具体的に説明する。この駐車支援装置100の駐車支援ECU1内には、車輪(転舵手段)32の転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成するための転舵角用ロジックと、ステアリングホイール(操舵手段)22の操舵角を制御する操舵角制御パターンを生成するための操舵角用ロジックとが格納されている。更に、転舵角用ロジックは、縦列駐車のための移動軌跡パターン生成ロジックと、車庫入れ駐車のための移動軌跡パターン生成ロジックを含んでいる。図2に縦列駐車の基本的な移動軌跡パターンを、図3に車庫入れ駐車の基本的な移動軌跡パターンをそれぞれ示す。
【0025】
図2に示される縦列駐車では、道路211の脇に駐車している車両201(以下、前車両と呼ぶ。)と車両202(以下、後車両と呼ぶ。)の間の駐車スペース215に自車両200を後退により到達させるもので、初期位置200aから目標位置200gまでは、図に示される経路P1を通って到達する。このP1は、概説すると、操舵を左に切りながら後退し、そこから逆にステアリングを戻し、中立位置を超えて右に切りながら後退して、目標位置へと到達するものである。なお、目標位置に近づいたら操舵を中立へと戻す場合もある(この場合、駐車スペースの長さが必要になる)。
【0026】
図3に示される車庫入れ駐車では、道路210に面して設けられている車庫220内に自車両200を後退により到達させるもので、初期位置200aから目標位置200gまでは、図に示される経路P2を通って到達する。このP2は、概説すると、操舵を右に切りながら後退し、そこから逆にステアリングを戻し、中立位置へ戻して目標位置へと到達するものである。
【0027】
ここで、縦列駐車の経路の前半部(ステアリングを中立に戻すまでの状態)は、車庫入れ時の動作に類似している(図2における経路P1の前半と図3における経路P2とは反転した状態となる)。そこで、駐車支援装置100はこの類似性に着目して、縦列駐車の経路設定において初期経路の経路設定に車庫入れ駐車の移動軌跡パターン(経路設定ロジック)を用いる。
【0028】
以下、この縦列駐車の経路設定について具体的に説明する。経路設定においては、運転者が入力手段41を操作して、駐車支援制御の開始を駐車支援ECU1に指示してから、指示した目標駐車位置近傍へ到達するまで、あるいは、目標駐車位置へ1回の後退で到達することができないと判定されるまで、運転者が入力手段41から支援動作をキャンセルしない限り駐車支援ECU1により実行され続ける。
【0029】
具体的には、運転者は、任意の駐車支援の開始位置(前車両201の右側前方)へと車両200を移動させ、モニタ44に表示されている後方カメラ42で撮像した後方画像中で目標位置である駐車スペース215を確認した後、入力手段41を操作して、この駐車支援制御を開始する。駐車スペース215がモニタ44の表示画像中で確認できない場合には、確認可能な位置へと車両を移動させて支援をスタートさせる。以下、この駐車支援の開始位置における車両200の基準点(以下の説明では、車両の後輪の車軸中心を基準点として説明する。もちろん、他の位置、例えば、車両の後端の中心や重心、片側の前端あるいは後端等を基準点にとってもよい。)をA点とし、この位置での車両を200aで表すものとする。
【0030】
駐車支援をスタートさせたら、運転者はモニタ44に表示されている後方カメラ42で撮像した画像を見ながら、入力手段41を操作することにより、画面上に表示されている駐車枠(図2に示される駐車スペース215に相当し、車両200より前後左右に余裕距離分だけ大きな矩形枠として設定されている。)を動かして、目標駐車位置へと移動させることにより目標駐車位置の設定を行う。
【0031】
駐車支援ECU1は、画像認識処理により目標駐車位置における車両位置200g、具体的には、基準点Gの位置と、その位置における車両の方向を求める。このG点の位置は、例えば現在の車両位置における基準点Aに対する相対座標として求めればよい。以下、図4に示されるように、目標位置G点を原点とし、目標位置における車両の向きをz軸方向にとり、これに直交する方向をx軸にとった座標系により説明する。以下、現在の車両の向きとz軸のなす角度を偏向角θと称し、初期偏向角をθ0で表す。また、A点の位置を座標(X0,Z0)で表す。
【0032】
次に、2円モデルを用いて切換位置を算出する。図5はこの2円モデルの概念を説明する図である。車庫入れロジックの利用のためには、車庫入れロジック利用の経路と、縦列駐車に特有のロジックを利用する経路との切換点を算出する必要がある。実際の経路は、円弧、直線、及びクロソイド曲線を組み合わせて設定されるが、単純化のため、ここでは、それぞれの経路が円弧によって形成されているものとモデル化して取り扱う。
【0033】
つまり、図5に示されるように、初期位置A(X0,Z0)からO1(XA,Z0)を中心とする半径RAの円弧を辿って切換位置M(XM,ZM)に到達し、そこからは、O2(XB,0)を中心とする半径Rminの円弧を辿って目標位置G(0,0)へと到達する。ここで、切換位置Mからは、経路設定において使用可能な最小旋回半径Rminで移動するものとする。これにより、X0,Z0,XA,XBを用いて、切替位置Mの座標とこの位置における偏向角θmaxを求めることができる。
【0034】
次に、車庫入れロジックを利用するため、切替位置Mまでの経路を幾何変換する。図4に示されるように、切替位置Mを原点とし、この位置における車両方向をZ'軸、これに直交する水平方向をX'軸とするX'Z'座標系への座標系変換を行う。この座標系変換により、初期位置A(X0,Z0)は(X0',Z0')へ変換され、初期偏向角θ0はθ0'として表せる。この偏向角の変化量がθ0'となる経路を設定することで、X'Z'座標系の原点Mにおける車両の偏向角を一致させることができる。
【0035】
次に、車庫入れロジックを利用して、初期位置Aから切替位置Mまでの移動経路を生成する。移動経路は、図6に示すように、通常、舵角を増大させる区間(区間S1)と、増大した状態で舵角を維持する区間(区間S2)と、舵角を中立に戻す区間(区間S3)の3つの区間を含み、区間S1と区間S3においては、走行距離に対する旋回曲率の変化量(曲率勾配)を一定とする。その結果、設定される走行軌跡は、区間S2が所定の半径(曲率)を有する円弧であり、区間S1と区間S3は、一端がこの所定曲率、他端が曲率0のクロソイド曲線となる。
【0036】
また、縦列駐車ロジックを利用して、切換位置M点から目標位置G点までの経路を生成する。この経路は、例えば、走行距離に対して所定の傾き(曲率勾配を例えば、−ωmaxとする。)で曲率の絶対値を増大させ(曲率は負となる)、曲率最大の状態を維持して目標位置Gへと到達する経路である。その結果、設定される走行軌跡は、区間S6が所定の半径(曲率)を有する円弧であり、区間S5は、一端がこの所定曲率、他端が曲率0のクロソイド曲線となる。
【0037】
そして、車庫入れロジックにより生成した前半部の経路と、縦列駐車ロジックにより生成した後半部の経路を組み合わせて、現在位置Aから目標位置Gまでの経路を設定する。このとき、2円モデルではクロソイド区間を考慮していないため、不足するX方向及びZ方向の移動距離を満足させるために、区間S1の前及び区間S3の後に直線区間S0,S4を付与する。
【0038】
このようにして生成された目標移動軌跡に沿って車両を誘導するように、転舵制御部(転舵角制御パターン生成手段)12は車輪32の転舵角の制御パターンを生成する。図7は、転舵制御部12において生成された転舵角の制御パターンを示す図である。この制御パターンは、直線区間S4を含んでいるため、この転舵角の制御パターンに合わせて操舵角を制御したのでは、操舵を行っている途中でステアリングホイール22が一旦静止してしまい、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれがある。
【0039】
そこで、本実施形態では、操舵角用ロジックを利用して、操舵制御部(操舵角制御パターン生成手段)11において操舵角の制御パターンを別個に生成して、操舵角を独自に制御する。
【0040】
操舵角用ロジックを利用した操舵角の制御パターンの生成においては、まず、図8に示すように、最大曲率γmax、最大曲率勾配ωmaxをとり、最大偏向角θmaxを満足する基本軌道を生成する。次に、基本軌道の一部を相似変換して、X方向の移動距離を満足させる。そして、初期に直線区間を付加することで、不足しているZ方向の移動距離を満足させる。図9は、このようにして生成した縦列駐車の軌道のセグメント構成を示している。区間S1から区間S3が、相似変換により生成された区間である。この軌道を満たすように生成された操舵角の制御パターンを図10に示す。図10に示すように、相似変換を利用して生成した操舵角制御パターンによれば、操舵途中に図7の区間S4のような直線区間が生じることがない。
【0041】
このようにして転舵角制御パターンと操舵角制御パターンを生成した後、実際の誘導制御へと移行する。ここで、駐車支援ECU1は、シフトレバーが後退位置に設定されたら、図示していない駆動系に対して、エンジンのトルクアップ制御を行うよう指示することが好ましい。トルクアップ制御とは、エンジンを通常のアイドル時より高い回転数で回転させることで、駆動力の高い状態(トルクアップ状態)に移行させるものである。これにより、運転者がアクセル操作を行うことなく、ブレーキペダルのみで調整できる車速範囲が拡大し、車両のコントロール性が向上する。運転者がブレーキペダルを操作すると、そのペダル開度に応じて各輪に付与される制動力を調整することで車速の調整を行う。このとき、車輪速センサ51で検出している車速が上限車速を超えないよう各車輪に付与する制動力を制御することで上限車速のガードを行うことが好ましい。
【0042】
誘導制御においては、上記のように生成した転舵角の制御パターンに基づいて、自動転舵装置(制御手段)30により車輪32の転舵角を制御する。これにより、車両200の適切な誘導を図ることができる。一方、上記のように生成した操舵角の制御パターンに基づいて、自動操舵装置(制御手段)20によりステアリングホイール22の操舵角を制御する。このとき、図10に示すように、操舵角の制御パターンには、操舵途中に直線区間が含まれていない。その結果、操舵を行っている途中でステアリングホイール22が一旦静止することがないため、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0043】
ここで、図10に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点EWは、図7に示すように、転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点ETと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り出し時点と車輪32の切り出し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0044】
また、図10に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角保持から角度変化を始める時点FWは、図7に示すように、転舵角の制御パターンにおいて転舵角保持から角度変化を始める時点FTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り返し時点と車輪32の切り返し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0045】
更に、図10に示すように、操舵角の制御パターンにおいて最終の操舵角保持を始める時点VWは、図7に示すように、転舵角の制御パターンにおいて最終の転舵角保持を始める時点VTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の動きに対するドライバの違和感を一層低減することができる。
(第2実施形態)
【0046】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
【0047】
上記第1実施形態では、駐車支援ECU1の転舵制御部12は、転舵角用ロジックを用いて転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成し、操舵制御部11は操舵角用ロジックを用いて操舵角を制御する操舵角制御パターンを生成していた。これに対し、本実施形態では、転舵制御部12は、転舵角用ロジックにより転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成し、操舵制御部11は生成された転舵角制御パターンを利用して、操舵角制御パターンを生成する。
【0048】
図11(a)に示すように、上記第1実施形態と同様にして(図7参照)、転舵制御部12は、転舵角用ロジックを用いて転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成する。操舵制御部11は、この転舵角制御パターンを利用して、図11(b)に示す操舵角制御パターンを生成する。具体的には、転舵角制御パターンの区間S6の始点VTを前にずらし、始点VWとして舵角を保持する区間T4を長くする。また、転舵角制御パターンの区間S0、区間S1、及び区間S2は、そのまま区間T0、区間T1、及び区間T2として利用する。そして、区間T2の終点FWと区間T4の始点VWを直線で結び、区間T3とする。このように、転舵角制御パターンを利用して操舵角制御パターンを生成する。なお、区間T2の終点FWと点VTとを直接直線で結んで、区間T3としてもよい。
【0049】
また、転舵角用ロジックを用いて転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成するとき、初期位置Aから切換位置Mまでの距離、偏向角の変化量によっては、図12(a)に示すように、区間S3の後に直線経路が付与されない場合もある。この場合は、図12(b)に示すように、転舵角制御パターンの区間S0、区間S1、区間S2、及び区間S5は、そのまま区間T0、区間T1、区間T2、及び区間T4として利用する。そして、区間T2の終点FWと区間T4の始点VWを直線で結び、区間T3とする。このようにして、転舵角制御パターンを利用して操舵角制御パターンを生成する。
【0050】
更に、転舵角用ロジックを用いて転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成するとき、初期位置Aから切換位置Mまでの距離、偏向角の変化量によっては、図13(a)に示すように、区間S1と区間S2との間に円弧経路の舵角保持区間が付与されない場合もある。この場合は、図13(b)に示すように、転舵角制御パターンの区間S0、区間S1、及び区間S4は、そのまま区間T0、区間T1、及び区間T3として利用する。そして、区間T1の終点FWと区間T3の始点VWを直線で結び、区間T2とする。このようにして、転舵角制御パターンを利用して操舵角制御パターンを生成する。
【0051】
なお、図示は省略するが、転舵角の制御パターンとして、図13(a)の区間S0,S1,S2と、図11(a)の区間S4,S5,S6とが合体したようなものが生成されることも有り得る。この場合、操舵角の制御パターンの区間S0、区間S1、及び区間S6は、そのまま区間T0、区間T1、及び区間T3として利用する。そして、区間T1の終点FWと区間T3の始点VWを直線で結び、区間T2とする。このようにして、転舵角制御パターンを利用して操舵角制御パターンを生成してもよい。
【0052】
次に、実際の誘導制御へと移行する。誘導制御においては、上記のように生成した転舵角の制御パターンに基づいて、自動転舵装置30により車輪32の転舵角を制御する。これにより、車両200の適切な誘導を図ることができる。一方、上記のように生成した操舵角の制御パターンに基づいて、自動操舵装置20によりステアリングホイール22の操舵角を制御する。このとき、図11(b)に示す場合は、操舵角の制御パターンには操舵途中に直線区間が含まれていない。その結果、操舵を行っている途中でステアリングホイール22が一旦静止することがないため、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。なお、上記した制御では、転舵角と操舵角との関係が一時的に変化するが、通常のドライバは関係が変化していることに気づかないため、この関係の変化に対して違和感を生じるおそれは小さい。
【0053】
また、図12(b)に示す場合は、操舵角の制御パターンは操舵途中の切り返し操作の区間T3において、曲率勾配が一定となる。その結果、区間T3において操舵を行っている途中でステアリングホイール22の回転速度が変化することがないため、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0054】
更に、図13(b)に示す場合は、操舵角の制御パターンは操舵途中の切り返し操作の区間T2において、曲率勾配が一定となる。その結果、区間T2において操舵を行っている途中でステアリングホイール22の回転速度が変化することがないため、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0055】
上記したように、本実施形態では、操舵角の制御パターンを、転舵角の制御パターンに基づいて生成することで、転舵角の制御パターンに近似させつつ、ステアリングホイール22を滑らかに制御する操舵角の制御パターンを容易に生成することができる。
【0056】
ここで、図11、図12及び図13に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点EWは、転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点ETと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り出し時点と車輪32の切り出し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0057】
また、図11及び図12に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角保持から角度変化を始める時点FWは、転舵角の制御パターンにおいて転舵角保持から角度変化を始める時点FTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り返し時点と車輪32の切り返し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0058】
また、図13に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角変化が極値となる時点FWは、転舵角の制御パターンにおいて転舵角変化が極値となる時点FTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り返し時点と車輪32の切り返し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0059】
また、図12及び図13に示すように、操舵角の制御パターンにおいて最終の操舵角保持を始める時点VWは、転舵角の制御パターンにおいて最終の転舵角保持を始める時点VTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の動きに対するドライバの違和感を一層低減することができる。
【0060】
また、図11、図12及び図13に示すように、操舵角の制御パターンは、転舵角の変化に対する操舵角の変化の割合を変更して生成された区間を含むと好ましい。このように、転舵角の変化に対する操舵角の変化の割合を変更することで、ステアリングホイール22を滑らかに制御する操舵角の制御パターンが容易に生成される。
【0061】
また、図11に示すように、操舵角の制御パターンは、転舵角を変化させないときに操舵角を変化させる区間を含むと好ましい。また、操舵角の制御パターンは、転舵角を変化させるときに操舵角を変化させない区間を含むと好ましい。操舵角の制御パターンがこのような区間を含むことで、ステアリングホイール22の滑らかな制御を実現し易くなる。
【0062】
また、図11、図12、及び図13に示すように、操舵角の制御パターンは、転舵角の制御パターンにおける走行距離に対する転舵角の変化の割合よりも小さい割合で操舵角を変化させる区間を含むと好ましい。このようにすれば、転舵角の変化よりも操舵角の変化が緩やかになり、ステアリングホイール22の動きに対するドライバの違和感が低減される。
(第3実施形態)
【0063】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
【0064】
縦列駐車の移動軌跡は、図14(a)に示すように、車両挙動及びステアリングホイールの回転の見栄えの観点から、第1旋回円が緩い円である軌道を生成することが求められる。しかしながら、初期位置Aと障害物Eとの位置関係や、初期位置Aと目標位置Gとの幾何学的な位置関係が原因となって、第1旋回円を急な円とし、移動軌跡の初めと途中に直線区間を挿入した移動軌跡となることがある。図14(b)は、初期位置Aと障害物Eとの位置関係により、第1旋回円が急な円となる場合の移動軌跡を示している。
【0065】
図15(a)は、このような移動軌跡に沿って車両を誘導するように転舵角を制御するために、駐車支援ECU1の転舵制御部12により生成される転舵角制御パターンを示している。図15(a)に示すように、この転舵角制御パターンでは、直線の区間S0と区間S4の間に、第1旋回円に応じた区間S1、区間S2、及び区間S3が設けられている。これら区間S1〜S3は、急な軌道とするために、最大曲率及び曲率勾配が大きくなる。従って、この転舵角制御パターンに応じて操舵角を制御したのでは、ステアリングホイール22の動きが急になり、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれがある。
【0066】
そこで、本実施形態では、図14(a)に示すように、障害物Eがないと仮定して縦列駐車の移動軌跡を別個に求め、これに基づいて操舵制御部11において操舵角の制御パターンを別個に生成する。このようにして生成した操舵角制御パターンを、図15(b)に実線で示す(破線は、転舵角の制御パターンを示す)。図15(b)に示すように、この場合は第1旋回円が緩やかな円になるため、最大曲率及び曲率勾配が転舵角の制御パターンよりも小さくなる。従って、ステアリングホイール22の動きが穏やかになる。
【0067】
誘導制御においては、上記のように生成した転舵角の制御パターンに基づいて、自動転舵装置30により車輪32の転舵角を制御する。これにより、車両200の適切な誘導を図ることができる。一方、上記のように生成した操舵角の制御パターンに基づいて、自動操舵装置20によりステアリングホイール22の操舵角を制御する。このとき、図15(b)に示す操舵角の制御パターンでは、最大曲率及び曲率勾配が転舵角の制御パターンよりも小さくなる。従って、ステアリングホイール22の動きが穏やかになる。その結果、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0068】
ここで、図15に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点EWは、転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点ETと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り出し時点と車輪32の切り出し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0069】
また、図15に示すように、操舵角の制御パターンにおいて最終の操舵角保持を始める時点VWは、転舵角の制御パターンにおいて最終の転舵角保持を始める時点VTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の動きに対するドライバの違和感を一層低減することができる。
【0070】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態の駐車支援装置100は、操舵と転舵とが機構的に分離されたステアバイワイヤ(SBW)の車両に適用される場合について説明したが、本発明は、操舵と転舵とがギア比可変装置(VGRS)を介して機構的に繋がった車両にも適用可能である。この場合は、図16に示すように、自動転舵装置30は転舵角制御パターンに基づいて車輪32の転舵角を制御する一方、自動操舵装置20は操舵角制御パターンに基づいてギア比可変装置を制御することで、ステアリングホイール22の操舵角を制御する。すなわち、操舵角の曲率勾配を転舵角の曲率勾配よりも緩やかにする区間T4では、ステアリングホイール22の操舵を緩やかにするためにギア比を上げる。
【0071】
このようにして、転舵角の制御パターンに基づいて、車輪32の転舵角を制御することで、車両200の適切な誘導を図ることができる。一方、上記のように生成した操舵角の制御パターンに基づいて、ギア比可変装置を制御してステアリングホイール22の操舵角を制御することで、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0072】
また本発明は、トーコントロールアクチュエータ機構により操舵と転舵との関係を変更する車両にも適用可能である。また本発明は、後輪転舵により操舵と移動軌跡との関係を変更する4WS機構を搭載する車両にも適用可能である。4WS機構を搭載する車両であれば、操舵制御パターンに沿った操舵角制御を行いながら、後輪転舵によって目標移動軌跡に沿った車両の移動を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施形態に係る車両用走行支援装置としての駐車支援装置のブロック構成図である。
【図2】縦列駐車の基本的な移動軌跡パターンを示す図である。
【図3】車庫入れ駐車の基本的な移動軌跡パターンを示す図である。
【図4】車庫入れロジックを利用するときの座標変換を説明するための図である。
【図5】2円モデルの概念を説明する図である。
【図6】第1実施形態における縦列駐車の軌道のセグメント構成を示す図である。
【図7】第1実施形態における転舵角の制御パターン及び偏向角の変化を示す図である。
【図8】操舵角用ロジックにより相似変換を利用して縦列駐車の軌道を生成する手法を説明するための図である。
【図9】相似変換を利用して生成した縦列駐車の軌道のセグメント構成を示す図である。
【図10】第1実施形態における操舵角の制御パターンを示す図である。
【図11】第2実施形態における転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンを示す図である。
【図12】第2実施形態における他の転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンを示す図である。
【図13】第2実施形態における他の転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンを示す図である。
【図14】図14(a)は障害物がないときの縦列駐車の軌道を示し、図14(b)は障害物があるときの縦列駐車の軌道を示す。
【図15】第3実施形態における転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンを示す図である。
【図16】駐車支援装置を、操舵と転舵とがギア比可変装置(VGRS)を介して機構的に繋がった車両に適用したときの、転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンと、ギア比可変装置のギア比との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1…駐車支援ECU、10…画像処理部、11…操舵制御部、12…転舵制御部、20…自動操舵装置、21…ステアリングシャフト、22…ステアリングホイール、23…操舵角センサ、24…操舵アクチュエータ、30…自動転舵装置、31…転舵機構、32…車輪、33…転舵角センサ、34…転舵アクチュエータ、41…入力手段、42…後方カメラ、43…スピーカー、44…モニタ、51…車輪速センサ、52…加速度センサ、100…駐車支援装置、200…自車両、201…前車両、202…後車両、210,211…道路、215…駐車スペース、220…車庫。
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標位置への移動軌跡に沿って車両が走行するように、その走行を支援する車両用走行支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動操舵により、車両を目標位置へと誘導する走行支援装置が知られている。例えば特許文献1に記載の装置は、操舵手段(ステアリング)の連続等速操作により、ステアリングに連動させて転舵手段(車輪)を連続等速操作して、円滑な操作で車庫入れを誘導しようとしている。
【特許文献1】特開平6−75629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、円滑な移動軌跡を描くための演算は複雑であって演算量も多いため、実際には操舵途中でステアリングの回転速度が変化したり、ステアリングの回転に一旦停止を含んだりする移動軌跡が生成される場合が多かった。また障害物等を避けるために、速い回転速度でステアリングを操作するような移動軌跡が生成される場合もあった。その結果、ドライバがステアリングの動きに違和感を覚える虞があった。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みて為されたものであり、車両の適切な誘導を図りながら、操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することが可能な車両用走行支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車両用走行支援装置は、初期位置から目標位置までの目標移動軌跡に沿って走行するように車両の走行を支援する。この装置は、(1)目標移動軌跡に沿って車両が走行するように転舵手段の転舵角を制御するための制御パターンを生成する転舵角制御パターン生成手段と、(2)操舵手段の操舵角を制御するための制御パターンを生成する操舵角制御パターン生成手段と、(3)転舵角の制御パターンに基づいて転舵手段を制御し、操舵角の制御パターンに基づいて操舵手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この装置によれば、転舵角制御パターン生成手段により、目標移動軌跡に沿って車両が走行するように転舵手段の転舵角を制御するための制御パターンが生成される。一方、操舵角制御パターン生成手段により、操舵角を制御するための制御パターンが生成される。そして、転舵角の制御パターンに基づいて転舵手段を制御する一方、操舵角の制御パターンに基づいて操舵手段を制御することができる。従って、転舵手段の動きが滑らかでないときでも操舵手段の動きを滑らかにするような制御パターンで操舵手段を制御することができる。その結果、車両の適切な誘導を図りつつ、操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することができる。
【0007】
操舵角の制御パターンは、転舵角の制御パターンに基づいて生成されると好ましい。このようにすれば、転舵角の制御パターンに近似させつつ、操舵手段を滑らかに制御する操舵角の制御パターンを容易に生成することができる。
【0008】
操舵角の制御パターンは、転舵角の変化に対する操舵角の変化の割合を変更して生成された区間を含むと好ましい。このように、転舵角の変化に対する操舵角の変化の割合を変更することで、操舵手段を滑らかに制御する操舵角の制御パターンが生成される。
【0009】
操舵角の制御パターンは、転舵角を変化させないときに操舵角を変化させる区間を含むと好ましい。また、操舵角の制御パターンは、転舵角を変化させるときに操舵角を変化させない区間を含むと好ましい。操舵角の制御パターンがこのような区間を含むことで、操舵手段の滑らかな制御を実現し易くなる。
【0010】
操舵角の制御パターンは、転舵角の制御パターンにおける走行距離に対する転舵角の変化の割合よりも小さい割合で操舵角を変化させる区間を含むと好ましい。このようにすれば、転舵角の変化よりも操舵角の変化が緩やかになり、操舵手段の動きに対するドライバの違和感が低減される。
【0011】
操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点は、転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点と同一であると好ましい。このようにすれば、操舵手段の切り出し時点と転舵手段の切り出し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0012】
操舵角の制御パターンにおいて操舵角保持から角度変化を始める時点は、転舵角の制御パターンにおいて転舵角保持から角度変化を始める時点と同一であると好ましい。或いは、操舵角の制御パターンにおいて操舵角変化が極値となる時点は、転舵角の制御パターンにおいて転舵角変化が極値となる時点と同一であると好ましい。このようにすれば、操舵手段の切り返し時点と転舵手段の切り返し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0013】
操舵角の制御パターンは、転舵角の制御パターンにおいて最大転舵角と最小転舵角との間を直線で結んで生成される区間を含むと好ましい。このようにすれば、転舵角の制御パターンに近似させつつ、操舵手段を滑らかに制御する操舵角の制御パターンを容易に生成することができる。
【0014】
操舵角の制御パターンと転舵角の制御パターンとは、目標移動軌跡が生成されたときに生成されると好ましい。このようにすれば、目標移動軌跡が生成されたときに操舵角の制御パターンと転舵角の制御パターンとがそれぞれ生成され、それらに基づいて操舵手段と転舵手段とが制御手段により制御される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両用走行支援装置によれば、車両の適切な誘導を図りながら、操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することが可能となる。すなわち、ドライバは、操舵手段の動きにより車両がどのように動いているかを認識できる。従って、目標移動軌跡に沿って車両が走行するように転舵角の制御パターンに基づいて転舵手段を制御する一方、操舵角の制御パターンに基づいて車両の動きをドライバに示しながらも滑らかな動きで操舵手段を制御することで、車両の適切な誘導を行いながら操舵手段の動きに対するドライバの違和感を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
【0017】
本実施形態では、走行支援装置として駐車支援装置を例に説明する。図1は、本実施形態に係る駐車支援装置100のブロック構成図である。この駐車支援装置100は、自動操舵装置20及び自動転舵装置30を備えており、制御装置である駐車支援ECU1により制御される。駐車支援ECU1は、CPU、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成され、後述する後方カメラ42で取得された画像を処理する画像処理部10と、自動操舵装置20の制御を行う操舵制御部11と、自動転舵装置30の制御を行う転舵制御部12と、を有している。この画像処理部10、操舵制御部11、及び転舵制御部12は、駐車支援ECU1内でハード的に区分されていてもよいが、共通のCPU、ROM、RAM等を用い、ソフト的に区分されていてもよい。
【0018】
ステアリングホイール22の動きにより回転するステアリングシャフト21には、ステアリングシャフト21の操舵量を検出する操舵角センサ23と、操舵力を付与する操舵アクチュエータ24が接続されている。操舵制御部11は、操舵アクチュエータ24の駆動を制御するとともに、操舵角センサ23の出力信号が入力される。
【0019】
また、操舵制御部11には、操舵角センサ23の出力のほか、各輪に配置されてその車輪速を検出する車輪速センサ51と、車両の加速度を検出する加速度センサ52の出力が入力されている。
【0020】
車輪32を転舵させる転舵機構31には、車輪32の転舵量を検出する転舵角センサ33と、転舵力を付与する転舵アクチュエータ34が接続されている。転舵制御部12は、転舵アクチュエータ34の駆動を制御するとともに、転舵角センサ33の出力信号が入力される。
【0021】
また、転舵制御部12には、転舵角センサ33の出力のほか、各輪に配置されてその車輪速を検出する車輪速センサ51と、車両の加速度を検出する加速度センサ52の出力が入力されている。
【0022】
このように、本実施形態の駐車支援装置100は、ステアリングホイール22の操舵角と車輪32の転舵角とをそれぞれ独立して制御する。従って、この駐車支援装置100は、操舵と転舵とが機構的に分離されたステアバイワイヤ(SBW)の車両に好適に用いられる。
【0023】
駐車支援ECU1の前述した画像処理部10には、車両後部に配置されて、後方画像を取得する後方カメラ42の出力信号である画像信号が入力されるほか、駐車支援にあたって運転者の操作入力を受け付ける入力手段41と、運転者に対して画像により情報を表示するモニタ44と、音声により情報を提示するスピーカー43が接続されている。
【0024】
次に、この駐車支援装置100における支援動作を具体的に説明する。この駐車支援装置100の駐車支援ECU1内には、車輪(転舵手段)32の転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成するための転舵角用ロジックと、ステアリングホイール(操舵手段)22の操舵角を制御する操舵角制御パターンを生成するための操舵角用ロジックとが格納されている。更に、転舵角用ロジックは、縦列駐車のための移動軌跡パターン生成ロジックと、車庫入れ駐車のための移動軌跡パターン生成ロジックを含んでいる。図2に縦列駐車の基本的な移動軌跡パターンを、図3に車庫入れ駐車の基本的な移動軌跡パターンをそれぞれ示す。
【0025】
図2に示される縦列駐車では、道路211の脇に駐車している車両201(以下、前車両と呼ぶ。)と車両202(以下、後車両と呼ぶ。)の間の駐車スペース215に自車両200を後退により到達させるもので、初期位置200aから目標位置200gまでは、図に示される経路P1を通って到達する。このP1は、概説すると、操舵を左に切りながら後退し、そこから逆にステアリングを戻し、中立位置を超えて右に切りながら後退して、目標位置へと到達するものである。なお、目標位置に近づいたら操舵を中立へと戻す場合もある(この場合、駐車スペースの長さが必要になる)。
【0026】
図3に示される車庫入れ駐車では、道路210に面して設けられている車庫220内に自車両200を後退により到達させるもので、初期位置200aから目標位置200gまでは、図に示される経路P2を通って到達する。このP2は、概説すると、操舵を右に切りながら後退し、そこから逆にステアリングを戻し、中立位置へ戻して目標位置へと到達するものである。
【0027】
ここで、縦列駐車の経路の前半部(ステアリングを中立に戻すまでの状態)は、車庫入れ時の動作に類似している(図2における経路P1の前半と図3における経路P2とは反転した状態となる)。そこで、駐車支援装置100はこの類似性に着目して、縦列駐車の経路設定において初期経路の経路設定に車庫入れ駐車の移動軌跡パターン(経路設定ロジック)を用いる。
【0028】
以下、この縦列駐車の経路設定について具体的に説明する。経路設定においては、運転者が入力手段41を操作して、駐車支援制御の開始を駐車支援ECU1に指示してから、指示した目標駐車位置近傍へ到達するまで、あるいは、目標駐車位置へ1回の後退で到達することができないと判定されるまで、運転者が入力手段41から支援動作をキャンセルしない限り駐車支援ECU1により実行され続ける。
【0029】
具体的には、運転者は、任意の駐車支援の開始位置(前車両201の右側前方)へと車両200を移動させ、モニタ44に表示されている後方カメラ42で撮像した後方画像中で目標位置である駐車スペース215を確認した後、入力手段41を操作して、この駐車支援制御を開始する。駐車スペース215がモニタ44の表示画像中で確認できない場合には、確認可能な位置へと車両を移動させて支援をスタートさせる。以下、この駐車支援の開始位置における車両200の基準点(以下の説明では、車両の後輪の車軸中心を基準点として説明する。もちろん、他の位置、例えば、車両の後端の中心や重心、片側の前端あるいは後端等を基準点にとってもよい。)をA点とし、この位置での車両を200aで表すものとする。
【0030】
駐車支援をスタートさせたら、運転者はモニタ44に表示されている後方カメラ42で撮像した画像を見ながら、入力手段41を操作することにより、画面上に表示されている駐車枠(図2に示される駐車スペース215に相当し、車両200より前後左右に余裕距離分だけ大きな矩形枠として設定されている。)を動かして、目標駐車位置へと移動させることにより目標駐車位置の設定を行う。
【0031】
駐車支援ECU1は、画像認識処理により目標駐車位置における車両位置200g、具体的には、基準点Gの位置と、その位置における車両の方向を求める。このG点の位置は、例えば現在の車両位置における基準点Aに対する相対座標として求めればよい。以下、図4に示されるように、目標位置G点を原点とし、目標位置における車両の向きをz軸方向にとり、これに直交する方向をx軸にとった座標系により説明する。以下、現在の車両の向きとz軸のなす角度を偏向角θと称し、初期偏向角をθ0で表す。また、A点の位置を座標(X0,Z0)で表す。
【0032】
次に、2円モデルを用いて切換位置を算出する。図5はこの2円モデルの概念を説明する図である。車庫入れロジックの利用のためには、車庫入れロジック利用の経路と、縦列駐車に特有のロジックを利用する経路との切換点を算出する必要がある。実際の経路は、円弧、直線、及びクロソイド曲線を組み合わせて設定されるが、単純化のため、ここでは、それぞれの経路が円弧によって形成されているものとモデル化して取り扱う。
【0033】
つまり、図5に示されるように、初期位置A(X0,Z0)からO1(XA,Z0)を中心とする半径RAの円弧を辿って切換位置M(XM,ZM)に到達し、そこからは、O2(XB,0)を中心とする半径Rminの円弧を辿って目標位置G(0,0)へと到達する。ここで、切換位置Mからは、経路設定において使用可能な最小旋回半径Rminで移動するものとする。これにより、X0,Z0,XA,XBを用いて、切替位置Mの座標とこの位置における偏向角θmaxを求めることができる。
【0034】
次に、車庫入れロジックを利用するため、切替位置Mまでの経路を幾何変換する。図4に示されるように、切替位置Mを原点とし、この位置における車両方向をZ'軸、これに直交する水平方向をX'軸とするX'Z'座標系への座標系変換を行う。この座標系変換により、初期位置A(X0,Z0)は(X0',Z0')へ変換され、初期偏向角θ0はθ0'として表せる。この偏向角の変化量がθ0'となる経路を設定することで、X'Z'座標系の原点Mにおける車両の偏向角を一致させることができる。
【0035】
次に、車庫入れロジックを利用して、初期位置Aから切替位置Mまでの移動経路を生成する。移動経路は、図6に示すように、通常、舵角を増大させる区間(区間S1)と、増大した状態で舵角を維持する区間(区間S2)と、舵角を中立に戻す区間(区間S3)の3つの区間を含み、区間S1と区間S3においては、走行距離に対する旋回曲率の変化量(曲率勾配)を一定とする。その結果、設定される走行軌跡は、区間S2が所定の半径(曲率)を有する円弧であり、区間S1と区間S3は、一端がこの所定曲率、他端が曲率0のクロソイド曲線となる。
【0036】
また、縦列駐車ロジックを利用して、切換位置M点から目標位置G点までの経路を生成する。この経路は、例えば、走行距離に対して所定の傾き(曲率勾配を例えば、−ωmaxとする。)で曲率の絶対値を増大させ(曲率は負となる)、曲率最大の状態を維持して目標位置Gへと到達する経路である。その結果、設定される走行軌跡は、区間S6が所定の半径(曲率)を有する円弧であり、区間S5は、一端がこの所定曲率、他端が曲率0のクロソイド曲線となる。
【0037】
そして、車庫入れロジックにより生成した前半部の経路と、縦列駐車ロジックにより生成した後半部の経路を組み合わせて、現在位置Aから目標位置Gまでの経路を設定する。このとき、2円モデルではクロソイド区間を考慮していないため、不足するX方向及びZ方向の移動距離を満足させるために、区間S1の前及び区間S3の後に直線区間S0,S4を付与する。
【0038】
このようにして生成された目標移動軌跡に沿って車両を誘導するように、転舵制御部(転舵角制御パターン生成手段)12は車輪32の転舵角の制御パターンを生成する。図7は、転舵制御部12において生成された転舵角の制御パターンを示す図である。この制御パターンは、直線区間S4を含んでいるため、この転舵角の制御パターンに合わせて操舵角を制御したのでは、操舵を行っている途中でステアリングホイール22が一旦静止してしまい、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれがある。
【0039】
そこで、本実施形態では、操舵角用ロジックを利用して、操舵制御部(操舵角制御パターン生成手段)11において操舵角の制御パターンを別個に生成して、操舵角を独自に制御する。
【0040】
操舵角用ロジックを利用した操舵角の制御パターンの生成においては、まず、図8に示すように、最大曲率γmax、最大曲率勾配ωmaxをとり、最大偏向角θmaxを満足する基本軌道を生成する。次に、基本軌道の一部を相似変換して、X方向の移動距離を満足させる。そして、初期に直線区間を付加することで、不足しているZ方向の移動距離を満足させる。図9は、このようにして生成した縦列駐車の軌道のセグメント構成を示している。区間S1から区間S3が、相似変換により生成された区間である。この軌道を満たすように生成された操舵角の制御パターンを図10に示す。図10に示すように、相似変換を利用して生成した操舵角制御パターンによれば、操舵途中に図7の区間S4のような直線区間が生じることがない。
【0041】
このようにして転舵角制御パターンと操舵角制御パターンを生成した後、実際の誘導制御へと移行する。ここで、駐車支援ECU1は、シフトレバーが後退位置に設定されたら、図示していない駆動系に対して、エンジンのトルクアップ制御を行うよう指示することが好ましい。トルクアップ制御とは、エンジンを通常のアイドル時より高い回転数で回転させることで、駆動力の高い状態(トルクアップ状態)に移行させるものである。これにより、運転者がアクセル操作を行うことなく、ブレーキペダルのみで調整できる車速範囲が拡大し、車両のコントロール性が向上する。運転者がブレーキペダルを操作すると、そのペダル開度に応じて各輪に付与される制動力を調整することで車速の調整を行う。このとき、車輪速センサ51で検出している車速が上限車速を超えないよう各車輪に付与する制動力を制御することで上限車速のガードを行うことが好ましい。
【0042】
誘導制御においては、上記のように生成した転舵角の制御パターンに基づいて、自動転舵装置(制御手段)30により車輪32の転舵角を制御する。これにより、車両200の適切な誘導を図ることができる。一方、上記のように生成した操舵角の制御パターンに基づいて、自動操舵装置(制御手段)20によりステアリングホイール22の操舵角を制御する。このとき、図10に示すように、操舵角の制御パターンには、操舵途中に直線区間が含まれていない。その結果、操舵を行っている途中でステアリングホイール22が一旦静止することがないため、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0043】
ここで、図10に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点EWは、図7に示すように、転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点ETと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り出し時点と車輪32の切り出し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0044】
また、図10に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角保持から角度変化を始める時点FWは、図7に示すように、転舵角の制御パターンにおいて転舵角保持から角度変化を始める時点FTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り返し時点と車輪32の切り返し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0045】
更に、図10に示すように、操舵角の制御パターンにおいて最終の操舵角保持を始める時点VWは、図7に示すように、転舵角の制御パターンにおいて最終の転舵角保持を始める時点VTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の動きに対するドライバの違和感を一層低減することができる。
(第2実施形態)
【0046】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
【0047】
上記第1実施形態では、駐車支援ECU1の転舵制御部12は、転舵角用ロジックを用いて転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成し、操舵制御部11は操舵角用ロジックを用いて操舵角を制御する操舵角制御パターンを生成していた。これに対し、本実施形態では、転舵制御部12は、転舵角用ロジックにより転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成し、操舵制御部11は生成された転舵角制御パターンを利用して、操舵角制御パターンを生成する。
【0048】
図11(a)に示すように、上記第1実施形態と同様にして(図7参照)、転舵制御部12は、転舵角用ロジックを用いて転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成する。操舵制御部11は、この転舵角制御パターンを利用して、図11(b)に示す操舵角制御パターンを生成する。具体的には、転舵角制御パターンの区間S6の始点VTを前にずらし、始点VWとして舵角を保持する区間T4を長くする。また、転舵角制御パターンの区間S0、区間S1、及び区間S2は、そのまま区間T0、区間T1、及び区間T2として利用する。そして、区間T2の終点FWと区間T4の始点VWを直線で結び、区間T3とする。このように、転舵角制御パターンを利用して操舵角制御パターンを生成する。なお、区間T2の終点FWと点VTとを直接直線で結んで、区間T3としてもよい。
【0049】
また、転舵角用ロジックを用いて転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成するとき、初期位置Aから切換位置Mまでの距離、偏向角の変化量によっては、図12(a)に示すように、区間S3の後に直線経路が付与されない場合もある。この場合は、図12(b)に示すように、転舵角制御パターンの区間S0、区間S1、区間S2、及び区間S5は、そのまま区間T0、区間T1、区間T2、及び区間T4として利用する。そして、区間T2の終点FWと区間T4の始点VWを直線で結び、区間T3とする。このようにして、転舵角制御パターンを利用して操舵角制御パターンを生成する。
【0050】
更に、転舵角用ロジックを用いて転舵角を制御する転舵角制御パターンを生成するとき、初期位置Aから切換位置Mまでの距離、偏向角の変化量によっては、図13(a)に示すように、区間S1と区間S2との間に円弧経路の舵角保持区間が付与されない場合もある。この場合は、図13(b)に示すように、転舵角制御パターンの区間S0、区間S1、及び区間S4は、そのまま区間T0、区間T1、及び区間T3として利用する。そして、区間T1の終点FWと区間T3の始点VWを直線で結び、区間T2とする。このようにして、転舵角制御パターンを利用して操舵角制御パターンを生成する。
【0051】
なお、図示は省略するが、転舵角の制御パターンとして、図13(a)の区間S0,S1,S2と、図11(a)の区間S4,S5,S6とが合体したようなものが生成されることも有り得る。この場合、操舵角の制御パターンの区間S0、区間S1、及び区間S6は、そのまま区間T0、区間T1、及び区間T3として利用する。そして、区間T1の終点FWと区間T3の始点VWを直線で結び、区間T2とする。このようにして、転舵角制御パターンを利用して操舵角制御パターンを生成してもよい。
【0052】
次に、実際の誘導制御へと移行する。誘導制御においては、上記のように生成した転舵角の制御パターンに基づいて、自動転舵装置30により車輪32の転舵角を制御する。これにより、車両200の適切な誘導を図ることができる。一方、上記のように生成した操舵角の制御パターンに基づいて、自動操舵装置20によりステアリングホイール22の操舵角を制御する。このとき、図11(b)に示す場合は、操舵角の制御パターンには操舵途中に直線区間が含まれていない。その結果、操舵を行っている途中でステアリングホイール22が一旦静止することがないため、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。なお、上記した制御では、転舵角と操舵角との関係が一時的に変化するが、通常のドライバは関係が変化していることに気づかないため、この関係の変化に対して違和感を生じるおそれは小さい。
【0053】
また、図12(b)に示す場合は、操舵角の制御パターンは操舵途中の切り返し操作の区間T3において、曲率勾配が一定となる。その結果、区間T3において操舵を行っている途中でステアリングホイール22の回転速度が変化することがないため、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0054】
更に、図13(b)に示す場合は、操舵角の制御パターンは操舵途中の切り返し操作の区間T2において、曲率勾配が一定となる。その結果、区間T2において操舵を行っている途中でステアリングホイール22の回転速度が変化することがないため、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0055】
上記したように、本実施形態では、操舵角の制御パターンを、転舵角の制御パターンに基づいて生成することで、転舵角の制御パターンに近似させつつ、ステアリングホイール22を滑らかに制御する操舵角の制御パターンを容易に生成することができる。
【0056】
ここで、図11、図12及び図13に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点EWは、転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点ETと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り出し時点と車輪32の切り出し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0057】
また、図11及び図12に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角保持から角度変化を始める時点FWは、転舵角の制御パターンにおいて転舵角保持から角度変化を始める時点FTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り返し時点と車輪32の切り返し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0058】
また、図13に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角変化が極値となる時点FWは、転舵角の制御パターンにおいて転舵角変化が極値となる時点FTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り返し時点と車輪32の切り返し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0059】
また、図12及び図13に示すように、操舵角の制御パターンにおいて最終の操舵角保持を始める時点VWは、転舵角の制御パターンにおいて最終の転舵角保持を始める時点VTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の動きに対するドライバの違和感を一層低減することができる。
【0060】
また、図11、図12及び図13に示すように、操舵角の制御パターンは、転舵角の変化に対する操舵角の変化の割合を変更して生成された区間を含むと好ましい。このように、転舵角の変化に対する操舵角の変化の割合を変更することで、ステアリングホイール22を滑らかに制御する操舵角の制御パターンが容易に生成される。
【0061】
また、図11に示すように、操舵角の制御パターンは、転舵角を変化させないときに操舵角を変化させる区間を含むと好ましい。また、操舵角の制御パターンは、転舵角を変化させるときに操舵角を変化させない区間を含むと好ましい。操舵角の制御パターンがこのような区間を含むことで、ステアリングホイール22の滑らかな制御を実現し易くなる。
【0062】
また、図11、図12、及び図13に示すように、操舵角の制御パターンは、転舵角の制御パターンにおける走行距離に対する転舵角の変化の割合よりも小さい割合で操舵角を変化させる区間を含むと好ましい。このようにすれば、転舵角の変化よりも操舵角の変化が緩やかになり、ステアリングホイール22の動きに対するドライバの違和感が低減される。
(第3実施形態)
【0063】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
【0064】
縦列駐車の移動軌跡は、図14(a)に示すように、車両挙動及びステアリングホイールの回転の見栄えの観点から、第1旋回円が緩い円である軌道を生成することが求められる。しかしながら、初期位置Aと障害物Eとの位置関係や、初期位置Aと目標位置Gとの幾何学的な位置関係が原因となって、第1旋回円を急な円とし、移動軌跡の初めと途中に直線区間を挿入した移動軌跡となることがある。図14(b)は、初期位置Aと障害物Eとの位置関係により、第1旋回円が急な円となる場合の移動軌跡を示している。
【0065】
図15(a)は、このような移動軌跡に沿って車両を誘導するように転舵角を制御するために、駐車支援ECU1の転舵制御部12により生成される転舵角制御パターンを示している。図15(a)に示すように、この転舵角制御パターンでは、直線の区間S0と区間S4の間に、第1旋回円に応じた区間S1、区間S2、及び区間S3が設けられている。これら区間S1〜S3は、急な軌道とするために、最大曲率及び曲率勾配が大きくなる。従って、この転舵角制御パターンに応じて操舵角を制御したのでは、ステアリングホイール22の動きが急になり、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれがある。
【0066】
そこで、本実施形態では、図14(a)に示すように、障害物Eがないと仮定して縦列駐車の移動軌跡を別個に求め、これに基づいて操舵制御部11において操舵角の制御パターンを別個に生成する。このようにして生成した操舵角制御パターンを、図15(b)に実線で示す(破線は、転舵角の制御パターンを示す)。図15(b)に示すように、この場合は第1旋回円が緩やかな円になるため、最大曲率及び曲率勾配が転舵角の制御パターンよりも小さくなる。従って、ステアリングホイール22の動きが穏やかになる。
【0067】
誘導制御においては、上記のように生成した転舵角の制御パターンに基づいて、自動転舵装置30により車輪32の転舵角を制御する。これにより、車両200の適切な誘導を図ることができる。一方、上記のように生成した操舵角の制御パターンに基づいて、自動操舵装置20によりステアリングホイール22の操舵角を制御する。このとき、図15(b)に示す操舵角の制御パターンでは、最大曲率及び曲率勾配が転舵角の制御パターンよりも小さくなる。従って、ステアリングホイール22の動きが穏やかになる。その結果、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0068】
ここで、図15に示すように、操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点EWは、転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点ETと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の切り出し時点と車輪32の切り出し時点とを一致させることができ、ドライバの違和感を一層低減することができる。
【0069】
また、図15に示すように、操舵角の制御パターンにおいて最終の操舵角保持を始める時点VWは、転舵角の制御パターンにおいて最終の転舵角保持を始める時点VTと同一であると好ましい。このようにすれば、ステアリングホイール22の動きに対するドライバの違和感を一層低減することができる。
【0070】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態の駐車支援装置100は、操舵と転舵とが機構的に分離されたステアバイワイヤ(SBW)の車両に適用される場合について説明したが、本発明は、操舵と転舵とがギア比可変装置(VGRS)を介して機構的に繋がった車両にも適用可能である。この場合は、図16に示すように、自動転舵装置30は転舵角制御パターンに基づいて車輪32の転舵角を制御する一方、自動操舵装置20は操舵角制御パターンに基づいてギア比可変装置を制御することで、ステアリングホイール22の操舵角を制御する。すなわち、操舵角の曲率勾配を転舵角の曲率勾配よりも緩やかにする区間T4では、ステアリングホイール22の操舵を緩やかにするためにギア比を上げる。
【0071】
このようにして、転舵角の制御パターンに基づいて、車輪32の転舵角を制御することで、車両200の適切な誘導を図ることができる。一方、上記のように生成した操舵角の制御パターンに基づいて、ギア比可変装置を制御してステアリングホイール22の操舵角を制御することで、ステアリングホイール22の動きに対してドライバが違和感を覚えるおそれを低減することができる。
【0072】
また本発明は、トーコントロールアクチュエータ機構により操舵と転舵との関係を変更する車両にも適用可能である。また本発明は、後輪転舵により操舵と移動軌跡との関係を変更する4WS機構を搭載する車両にも適用可能である。4WS機構を搭載する車両であれば、操舵制御パターンに沿った操舵角制御を行いながら、後輪転舵によって目標移動軌跡に沿った車両の移動を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施形態に係る車両用走行支援装置としての駐車支援装置のブロック構成図である。
【図2】縦列駐車の基本的な移動軌跡パターンを示す図である。
【図3】車庫入れ駐車の基本的な移動軌跡パターンを示す図である。
【図4】車庫入れロジックを利用するときの座標変換を説明するための図である。
【図5】2円モデルの概念を説明する図である。
【図6】第1実施形態における縦列駐車の軌道のセグメント構成を示す図である。
【図7】第1実施形態における転舵角の制御パターン及び偏向角の変化を示す図である。
【図8】操舵角用ロジックにより相似変換を利用して縦列駐車の軌道を生成する手法を説明するための図である。
【図9】相似変換を利用して生成した縦列駐車の軌道のセグメント構成を示す図である。
【図10】第1実施形態における操舵角の制御パターンを示す図である。
【図11】第2実施形態における転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンを示す図である。
【図12】第2実施形態における他の転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンを示す図である。
【図13】第2実施形態における他の転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンを示す図である。
【図14】図14(a)は障害物がないときの縦列駐車の軌道を示し、図14(b)は障害物があるときの縦列駐車の軌道を示す。
【図15】第3実施形態における転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンを示す図である。
【図16】駐車支援装置を、操舵と転舵とがギア比可変装置(VGRS)を介して機構的に繋がった車両に適用したときの、転舵角の制御パターン及び操舵角の制御パターンと、ギア比可変装置のギア比との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1…駐車支援ECU、10…画像処理部、11…操舵制御部、12…転舵制御部、20…自動操舵装置、21…ステアリングシャフト、22…ステアリングホイール、23…操舵角センサ、24…操舵アクチュエータ、30…自動転舵装置、31…転舵機構、32…車輪、33…転舵角センサ、34…転舵アクチュエータ、41…入力手段、42…後方カメラ、43…スピーカー、44…モニタ、51…車輪速センサ、52…加速度センサ、100…駐車支援装置、200…自車両、201…前車両、202…後車両、210,211…道路、215…駐車スペース、220…車庫。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期位置から目標位置までの目標移動軌跡に沿って走行するように車両の走行を支援する車両用走行支援装置であって、
前記目標移動軌跡に沿って前記車両が走行するように転舵手段の転舵角を制御するための制御パターンを生成する転舵角制御パターン生成手段と、
操舵手段の操舵角を制御するための制御パターンを生成する操舵角制御パターン生成手段と、
前記転舵角の制御パターンに基づいて前記転舵手段を制御し、前記操舵角の制御パターンに基づいて前記操舵手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用走行支援装置。
【請求項2】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角の制御パターンに基づいて生成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行支援装置。
【請求項3】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角の変化に対する前記操舵角の変化の割合を変更して生成された区間を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用走行支援装置。
【請求項4】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角を変化させないときに前記操舵角を変化させる区間を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用走行支援装置。
【請求項5】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角を変化させるときに前記操舵角を変化させない区間を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項6】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角の制御パターンにおける走行距離に対する転舵角の変化の割合よりも小さい割合で操舵角を変化させる区間を含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項7】
前記操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点は、前記転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点と同一であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項8】
前記操舵角の制御パターンにおいて操舵角保持から角度変化を始める時点は、前記転舵角の制御パターンにおいて転舵角保持から角度変化を始める時点と同一であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項9】
前記操舵角の制御パターンにおいて操舵角変化が極値となる時点は、前記転舵角の制御パターンにおいて転舵角変化が極値となる時点と同一であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項10】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角の制御パターンにおいて最大転舵角と最小転舵角との間を直線で結んで生成される区間を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項11】
前記操舵角の制御パターンと前記転舵角の制御パターンとは、前記目標移動軌跡が生成されたときに生成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項1】
初期位置から目標位置までの目標移動軌跡に沿って走行するように車両の走行を支援する車両用走行支援装置であって、
前記目標移動軌跡に沿って前記車両が走行するように転舵手段の転舵角を制御するための制御パターンを生成する転舵角制御パターン生成手段と、
操舵手段の操舵角を制御するための制御パターンを生成する操舵角制御パターン生成手段と、
前記転舵角の制御パターンに基づいて前記転舵手段を制御し、前記操舵角の制御パターンに基づいて前記操舵手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用走行支援装置。
【請求項2】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角の制御パターンに基づいて生成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行支援装置。
【請求項3】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角の変化に対する前記操舵角の変化の割合を変更して生成された区間を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用走行支援装置。
【請求項4】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角を変化させないときに前記操舵角を変化させる区間を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用走行支援装置。
【請求項5】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角を変化させるときに前記操舵角を変化させない区間を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項6】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角の制御パターンにおける走行距離に対する転舵角の変化の割合よりも小さい割合で操舵角を変化させる区間を含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項7】
前記操舵角の制御パターンにおいて操舵角中立から角度変化を始める時点は、前記転舵角の制御パターンにおいて転舵角中立から角度変化を始める時点と同一であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項8】
前記操舵角の制御パターンにおいて操舵角保持から角度変化を始める時点は、前記転舵角の制御パターンにおいて転舵角保持から角度変化を始める時点と同一であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項9】
前記操舵角の制御パターンにおいて操舵角変化が極値となる時点は、前記転舵角の制御パターンにおいて転舵角変化が極値となる時点と同一であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項10】
前記操舵角の制御パターンは、前記転舵角の制御パターンにおいて最大転舵角と最小転舵角との間を直線で結んで生成される区間を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【請求項11】
前記操舵角の制御パターンと前記転舵角の制御パターンとは、前記目標移動軌跡が生成されたときに生成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の車両用走行支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−8009(P2006−8009A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190018(P2004−190018)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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