説明

車両用足元照明装置

【課題】独立して動作が行われる複数の光源を並列に接続したランプユニットであっても、制御手段に接続する電線の本数を2本にすることができる車両用足元照明装置を提供すること。
【解決手段】足元照明装置1は、電流の方向により点灯および消灯可能な光源からなり乗員の足元周辺を照明するための第1光源L1と、第1光源L1に並列に接続されて乗員の足元周辺を照明するための第2光源L2と、第1光源L1と第2光源L2とを備えたランプユニット2と、第1光源L1と第2光源L2とを点灯させる電力を供給する電源BTと、電源BTから第1光源L1と第2光源L2とに供給する電力を制御すると共に電流の方向を切り換え可能に構成されて第1光源L1と第2光源L2とを独立して動作させる制御を行う制御装置3と、を備えている。制御装置3とランプユニット2とは、2本の電線W1,W2で接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員の足元周辺を照明する車両用足元照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、ドアの開閉や半ドアの状態をドアスイッチで検出して、ドアが開扉の状態のときに、乗員の足元を照明して夜間時の乗員の乗降を補助したり、半ドア状態を知らせたりする車両用足元照明装置が搭載されている。
【0003】
車両に搭載されている車両用足元照明装置は、一般に、各ドアあるいは各座席等にそれぞれ足元照明用のランプユニットが設けられている。そのランプユニットには、一般に、1つの白熱電球(光源)が設置されている。
【0004】
このような白熱電球が1つのランプユニットでは、ランプユニットから離れるにしたがって明るさが暗くなるので、乗員の足元を明るく照明するために、2つの光源(ランプ)を並設したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2546712号公報(段落0011、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたような従来の車両用足元照明装置では、光源を2個に増設したことに伴って照度を向上できるが、互いに並列に接続した2個の光源を独立して動作するように2個の光源と制御装置とを電気的に接続した場合、正側が2本、負側が1本の合計3本の電線が必要となり、電線の本数が多くなるという問題点があった。
【0007】
このため、ハーネスなどからなる電線の本数が増えることによって、電線全体の重量が重くなると共に、電線の配線作業の作業工数が増加して、電気回路が複雑化し、車両用足元照明装置のコストアップの原因にもなっていた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、独立して動作が行われる複数の光源を並列に接続したランプユニットであっても、制御手段に接続する電線の本数を2本にすることができる車両用足元照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1に記載の車両用足元照明装置は、乗員の足元周辺を照明するための第1光源と、この第1光源に並列に接続されて前記乗員の足元周辺を照明するための第2光源と、前記第1光源と前記第2光源とを備えたランプユニットと、前記第1光源と第2光源とを点灯させる電力を供給する電源と、この電源から前記第1光源と第2光源とに供給する電力を制御して前記第1光源と第2光源とを独立して動作させる制御を行う制御手段と、この制御手段と前記ランプユニットとを接続する電線と、を備えた車両用足元照明装置であって、前記第1光源は、電流の方向により点灯および消灯可能な光源からなり、前記制御手段は、電流の方向を切り換え可能に構成され、前記制御手段と前記ランプユニットとは、2本の電線で接続されていることを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によれば、車両用足元照明装置は、第1光源と第2光源との複数の光源を並列に接続したランプユニットと、電流の方向を切り換え制御可能な制御手段とが、2本の電線で接続されていても、第1光源と第2光源とを独立して動作させることができるようになった。その結果、従来3本以上の電線が必要であったものを2本に削減して、電気回路および配線作業を簡素化し、重量やコストの低減を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載の車両用足元照明装置は、乗員の足元周辺を照明するための第1光源と、この第1光源に並列に接続されて前記乗員の足元周辺を照明するための第2光源と、前記第1光源に流れる電流の流れを一方向に規制するダイオードと、このダイオードと前記第1光源と前記第2光源とを備えたランプユニットと、前記第1光源と第2光源とを点灯させる電力を供給する電源と、この電源から前記第1光源と第2光源とに供給する電力を制御して前記第1光源と第2光源とを独立して動作させる制御を行う制御手段と、この制御手段と前記ランプユニットとを接続する電線と、を備えた車両用足元照明装置であって、前記制御手段は、電流の方向を切り換え可能に構成され、前記制御手段と前記ランプユニットとは、2本の電線で接続されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、車両用足元照明装置は、前記請求項1の発明と同様に、第1光源と、第1光源に並列に接続されて互いに独立して作動する第2光源と、第1光源に流れる電流の流れ一方向に規制するダイオードとを備えたランプユニットと、電流の方向を切り換え可能な制御手段とが、2本の電線で接続されていても、第1光源と第2光源とを独立して動作させることができるようになった。その結果、従来3本の電線が必要であったものを2本に削減して、電気回路および配線作業を簡素化し、重量やコストの低減を図ることができる。
【0013】
請求項3に記載の車両用足元照明装置は、請求項1または請求項2に記載の車両用足元照明装置であって、前記第1光源と第2光源とは、互いに種類が相違した光源から構成されていることを特徴とする。
ここで、互いに種類が相違する第1光源と第2光源とは、同一の光源でなければよく、例えば、点灯時に発光する光の色を相違させた光源や、点灯時の照度が相違する光源や、発光ダイオードと白熱電球のように異種構成の光源等である。
【0014】
請求項3の発明によれば、第1光源と第2光源は、互いに種類が相違する光源から構成されていることによって、例えば、相違する所望の色の照明光で足元周辺を照明したり、適宜に第1光源と第2光源の両方の光源を点灯して明るく照明したり、片方の光源を点灯させて照度を抑えて減光して照明することが可能となる。このため、第1光源と第2光源とのどちらかを点灯させるなどして、点灯状態を変えることができるため、様々な用途に適用できる。
【0015】
請求項4に記載の車両用足元照明装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用足元照明装置であって、前記第1光源と前記第2光源とは、それぞれ相違する色彩の有色光を発することを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明によれば、第1光源と第2光源とは、それぞれ相違する色彩の有色光を発することにより、それぞれの光源を異色に点灯させて区別させることができる。このようにしたことにより、例えば、ドアスイッチがONするドアの開放時および半ドア時には赤色系の光を発し、ライティングスイッチがONしたときには青色系の光を発する等して、用途に応じた適宜な有色光を発するようにして、点灯状態を区別させることができる。
【0017】
請求項5に記載の車両用足元照明装置は、請求項1に記載の車両用足元照明装置であって、前記第1光源は、発光ダイオードからなり、前記第2光源は、電球からなることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明によれば、第1光源が発光ダイオードからなり、第2光源が電球からなることにより、電流の流れる方向を変えれば、発光ダイオードを消灯させて、電球のみを点灯させることが可能となる。その結果、車両用足元照明装置は、電球が点灯する状態のときに、発光ダイオードを点消灯させて、ランプユニットの照明度を変えて照明することができる。
さらに、車両用足元照明装置は、発光ダイオードに流れる電流の方向で電灯および消灯させることができるため、第1光源と第2光源とが点消灯するときの状態を簡単な配線構造で区別させることができる。つまり、電線を2本のみ使用することによって第1光源と第2光源とを独立して点灯および消灯(以下「点消灯」という)させることが可能となると共に、電球が点灯中に発光ダイオードを適宜に点消灯させることが可能となる。したがって、従来と比較して電線の本数を削減できるのでハーネスなどからなる電線全体の重量およびコストを低減することができる。
【0019】
請求項6に記載の車両用足元照明装置は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用足元照明装置であって、前記制御手段は、車幅灯を点灯させるためのライティングスイッチのON信号に基づいて前記2つの電線を流れる電流の方向を前記第1光源または第2光源のみが点灯する方向に変化させ、ドアの開閉を検出するドアスイッチの前記ドアの開放時のON信号に基づいて前記2つの電線を流れる電流の方向を前記第1光源と第2光源とが点灯する方向にすることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明によれば、制御手段は、ライティングスイッチのON信号と、ドアスイッチのON信号とによって、第1光源と第2光源とがそれぞれ点消灯する条件を相違させることが可能である。このため、制御手段は、ライティングスイッチとドアスイッチとのON信号に基づいて、電線を流れる電流方向を変化(反転)させることが可能となる。その結果、ランプユニットは、制御手段によって決定された電線の電流方向に基づいて第1光源と第2光源とを同時に点灯させたり、第2光源のみを点灯させることができる。これにより、従来の2つの光源を独立して動作させることができる車両用足元照明装置と比較して電線の本数を3本から2本に削減できるので、電線の重量、配線作業工数、およびコストの低減を図ることができる。
また、制御手段は、夜間時にライティングスイッチをONして車幅灯等を点灯させたときには、第2光源のみを点灯させて乗員の足元周辺を適宜な照度に減光して照明することができる。
さらに、ドアスイッチでドアの開放を検出した場合に、第1光源と第2光源とを乗員の足元周辺を明るく照明することができると共に、ドアが開放していることを点灯させて知らせることができる。
【0021】
請求項7に記載の車両用足元照明装置は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用足元照明装置であって、前記制御手段には、前記第1光源および第2光源を点灯ないし消灯させるためのランプ点消灯スイッチが接続されていることを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明によれば、制御手段が、第1光源および第2光源を点灯ないし消灯させるためのランプ点消灯スイッチに接続されていることによって、そのランプ点消灯スイッチを操作して第1光源と第2光源とのどちから1つを点灯させるたり、両方との点灯させることができる。このため、夜間等の暗い場合には、乗員が足元周辺を照明したいときに、複数の光源を適宜に点消灯させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る車両用足元照明装置によれば、2つの光源を独立して動作させることを可能にしたので、ランプユニットと制御手段とを接続する電線の本数を2本にすることができ、電線の本数を削減してハーネスなどの電線の重量、電線の配線作業工数、およびコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図1〜図4を参照しながら本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置のランプユニットの設置状態を示す概略斜視図である。
【0025】
≪車両の構成≫
次に、本発明の実施形態に係る足元照明装置(車両用足元照明装置)1を説明する前に、図1を参照して足元照明装置1が搭載される車両10について説明する。
足元照明装置1が搭載される車両10は、乗員が着座する座席FL,FR,RL,RRを少なくとも1つ備えていればよく、全ての型式の車両10に使用可能であり、車両10の型式等には限定されない。すなわち、足元照明装置1が搭載される車両10は、乗用車や、バスや、トラックや、作業車等であっても構わない。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置を示す電気回路である。
以下、図2を主に参照しながら、運転席と、助手席と、左側後席と、右側後席とにそれぞれドアDR(図1参照)がある4ドアの車両10に使用される場合を例に挙げて本発明の実施形態を説明する。なお、後記するランプユニット2は、運転席、助手席、左側後席、右側後席にそれぞれ同じ構造のものを設置して同様に点消灯するので、運転席のランプユニット2の各構成部品を主に説明し、その他の席のランプユニット2についてはその説明を省略する。
【0027】
≪足元照明装置(車両用足元照明装置)の構成≫
図2に示すように、足元照明装置1は、ドア開閉時や、足元周辺が暗くなる夜間時等に乗員の足元周辺を照明するための照明装置であり、例えば、各座席FL,FR,RL,RRに着座した各乗員の足元周辺を各ランプユニット2の第1光源L1と第2光源L2とでそれぞれ照明できるように構成されている。
この足元照明装置1は、電流の方向により点灯および消灯可能な光源からなり乗員の足元周辺を照明するための第1光源L1と、この第1光源L1に並列に接続されて乗員の足元周辺を照明するための第2光源L2と、この第1光源L1と第2光源L2とを備えたランプユニット2と、第1光源L1と第2光源L2とを点灯させる電力を供給する電源BTと、この電源BTから第1光源L1と第2光源L2とに供給する電力を制御し、電流の方向を切り換え可能に構成されて第1光源L1と第2光源L2とを独立して動作させる制御を行う制御装置3と、この制御装置3とランプユニット2とを接続する2本の電線W1,W2と、を主に備えて構成されている。
【0028】
≪ランプユニットの構成≫
ランプユニット2は、種類が相違する第1光源L1と、第2光源L2とを備えて、各座席FL,FR,RL,RRに着座する乗員の足元周辺を第1光源L1、および第2光源L2によって照明可能な位置に設置される。例えば、ランプユニット2は、各座席FL,FR,RL,RRのシートクッションの前面部、背面部、あるいは外側側面部に設置されて、第1光源L1および第2光源L2の両方、または、どちらか片方で乗員の足元周辺を照明するように構成されている。
【0029】
ランプユニット2は、図2では、省略して1つのみを記載したが、実際には図1に示すように、運転席、助手席、左側後席、右側後席の各座席FL,FR,RL,RRにそれぞれ同一の構成のものが設置されて、ドアDRの数に応じた4個のユニットが制御装置3に並列に接続されている。
各ランプユニット2は、図2に示すように、例えば、発光ダイオードからなる第1光源L1と、この発光ダイオードとは相違する種類の第2光源L2と、抵抗Rと、2つの端子A,Bと、から構成されている。
ランプユニット2は、制御装置3によって決定された電線W1,W2の電流方向に基づいて第1光源L1を第2光源L2と共に点灯させたり、第2光源L2のみを点灯させて減光させたり、異色に照明させたりすることができる機能を備えている。
【0030】
≪第1光源および第2光源の構成≫
図2に示すように、第1光源L1と第2光源L2とは、発光ダイオードと電球等の2種類の発光体からなり、ランプユニット2内に互いに隣接して配置されている。第1光源L1と第2光源L2とは、それぞれ相違する色彩の有色光を発するように構成されている。
以下、その複数の光源を、電流の方向により点灯および消灯可能な光源である発光ダイオードからなる第1光源L1と、電球からなる第2光源L2とした場合を例に挙げて説明する。
【0031】
第1光源L1は、例えば、青色等の適宜な色の高輝度(25mA程度)の発光ダイオード(LED)からなり、アノードが抵抗Rに接続され、カソードが端子Bを介して制御装置3の出入力端子3aに接続されている。
第1光源L1および第2光源L2は、例えば、乗員が車両10に乗降する際にドアDR(図1参照)を開いた場合、ドアDRの開放に伴ってドアスイッチ4(図1参照)がONすると、制御装置3のIC36aによって両方とも点灯されるようになっている。第1光源L1および第2光源L2は、ドアDRを閉めれば、ドアスイッチ4のOFFに伴って、タイマー回路33のコンデンサC2によって所定時間後に消灯するようになっている。
【0032】
第2光源L2は、例えば、2W程度の小型の白熱電球やウエッジ球等の電球からなり、その電球の周囲には、有色光を発するための半透明な有色のカラーキャップL2aが装着されている。第2光源L2は、一方が端子Bを介して制御装置3の出入力端子3bに接続され、他方が端子Aを介して制御装置3の出入力端子3aに接続されている。第2光源L2は、例えば、運転者がライティングスイッチ5を車幅灯ポジションに操作した際に、制御装置3のIC36aによって点灯するようになっている。
【0033】
抵抗Rは、例えば、30〜20mA程度の電流が流れるように制限するための素子であって、430Ω程度のものからなる。この抵抗Rは、一方が端子Aを介して制御装置3の出入力端子3aに接続され、他方が第1光源L1のアノードに接続されている。
【0034】
端子A,Bは、第1光源L1および第2光源L2を点灯させる電流が入力および出力されるものであり、ランプユニット2にそれぞれ設けられている。この端子A,Bに流れる電流は、制御装置3によって流れる方向が切り換わるようになっている。
制御装置3とランプユニット2とは、端子Aと出入力端子3aとが電線W1によって接続され、端子Bと出入力端子3bとが電線W2によって接続されて、両者間が2本の電線W1,W2によって接続されている。
【0035】
≪電源の構成≫
電源BTは、例えば、車両10に搭載された12Vの直流電圧を制御装置3を介してランプユニット2に電力を供給する蓄電池等からなる。この電源BTは、一方がダイオードD2のアノードに接続され、他方がアースされている。
【0036】
≪制御装置(制御手段)の構成≫
図2に示すように、制御装置3は、各ランプユニット2の第1光源L1および第2光源L2を集中制御して点消灯させる制御ユニットであり、例えば、インストルメントパネルナ内や、コンソールパネル内等に配置されている。この制御装置3は、各ドアDR(図1参照)の開閉を検出するドアスイッチ4がドアDRの開放状態を検出した場合に発するドア開扉信号に基づいて第1光源L1と第2光源L2を点灯させるように制御する機能を備えている。さらに、制御装置3は、ON状態(ドア開閉時)のときにルームランプ(図示せず)と第1光源L1と第2光源L2とを点灯させるドアスイッチ4と、車幅灯6を点灯させるライティングスイッチ5とからの駆動信号に基づいて、電源BTからの電力の供給を制御して、電線W1,W2を流れる電流方向を変化させる機能を備えている。
【0037】
制御装置3は、ドアスイッチ入力回路31と、電源入力回路32と、タイマー回路33と、波形整形・極性反転回路34と、車幅灯信号入力制御回路35と、ランプ出力回路36と、を備えて構成されている。その制御装置3は、各ランプユニット2と、各ドアスイッチ4と、ライティングスイッチ5の車幅灯固定接点5cと、電源BTと、にそれぞれ電気的に接続されている。
【0038】
<ドアスイッチ入力回路の構成>
ドアスイッチ入力回路31は、ドアDRが開放されることに伴ってドアスイッチ4がONし、このドアスイッチ4からのON信号の入力に応じて電源BTから電力が出される電気回路である。ドアスイッチ入力回路31は、ダイオードD1と、抵抗R1と、抵抗R2とから構成されている。ダイオードD1は、カソードがドアスイッチ4に接続され、アノードが抵抗R2,R7を介してトランジスタQ1のベースに接続されている。
【0039】
<電源入力回路の構成>
電源入力回路32は、ドアスイッチ4およびライティングスイッチ5のONに伴って電源BTから投入される電力を安定した状態でランプ出力回路36等に供給するための電気回路である。この電源入力回路32は、電流の逆流防止用のダイオードD2と、サージを吸収して安定した電流供給するための平滑用のコンデンサC1と、から構成されている。そのダイオードD2は、アノードが電源BTに接続されカソードがコンデンサC1に接続されている。コンデンサC1は、一方がこのダイオードD2に接続され他方がアースされている。
【0040】
<タイマー回路の構成>
タイマー回路33は、ドアDRを閉めてドアスイッチ4がOFF状態になったときから所定時間ランプユニット2の第1光源L1および第2光源L2の点灯を維持させてから消灯させるための電気回路である。このタイマー回路33は、例えば、放電時にタイマー機能を果たすコンデンサC2と、スイッチ機能を有するトランジスタQ1,Q3と、抵抗R3,抵抗R4,抵抗R7と、から構成されている。
【0041】
コンデンサC2は、電源BTから電力が供給された際に充電して、その電源BTからの電力が遮断された際に放電してランプユニット2の点灯状態を一時的に持続する電解コンデンサであり、一方がダイオードD2のカソードに接続され、他方が10Ω程度の比較的小さな抵抗R2に接続されている。
トランジスタQ1,Q3は、電源BTから電力が供給されているときと、コンデンサC2から放電されているときに、ON状態になるスイッチング的な機能を有する素子である。このトランジスタQ1は、電流増幅率(hfe)がYランクのバイポーラトランジスタであり、エミッタがダイオードD2のカソードに接続され、コレクタが抵抗R5に接続され、ベースが100〜150KΩ程度の比較的大きな抵抗R7に接続されている。
トランジスタQ3は、エミッタがアースされ、コレクタが抵抗R8に接続され、ベースが抵抗R3に接続されている。
【0042】
<波形整形・極性反転回路の構成>
波形整形・極性反転回路34は、入力信号の波形を整形して第1光源L1および第2光源L2の点灯状態を制御すると共に、ランプ出力回路36から出力される電流を第1出力端子OUT1と第2出力端子OUT2とに切り換えて、発光ダイオードからなる第1光源L1の点消灯の切換制御を行う電気回路である。波形整形・極性反転回路34は、トランジスタQ2と、抵抗R6,R8,R9と、から構成されている。
【0043】
トランジスタQ2は、ドアスイッチ4およびライティングスイッチ5がONしたときと、コンデンサC2に放電状態のときに、ON状態になるスイッチング的な機能を有する素子である。トランジスタQ2は、エミッタがダイオードD2のカソードに接続され、ベースが抵抗R6を介してトランジスタQ3のコレクタに接続され、コレクタがIC36aの第1入力端子IN1に接続されている。抵抗R9は、抵抗R8に並列に接続されている。
【0044】
<車幅灯信号入力制御回路の構成>
車幅灯信号入力制御回路35は、ライティングスイッチ5の可動接点5aが車幅灯固定接点5cに接触してONする車幅灯ポジションおよび前照灯ポジションの操作位置のときに、出入力端子3bと出力端子3cとから出力して第2光源L2と車幅灯6とを点灯させる回路である。車幅灯信号入力制御回路35は、トランジスタQ4と、抵抗R4,R10,R11と、から構成されている。トランジスタQ4は、コレクタが抵抗R4を介してライティングスイッチ5の車幅灯固定接点5cに接続され、ベースが抵抗R11を介してトランジスタQ2のコレクタに接続され、エミッタがIC36aのアース端子に接続されている。
【0045】
<ランプ出力回路の構成>
ランプ出力回路36は、ドアスイッチ4がONしたときに、第1光源L1および第2光源L2を点灯させ、ライティングスイッチ5がONしたときに、第2光源L2を点灯させる回路であり、CPU、RAM、およびROM等からなるIC36aと、抵抗R12と、から構成されている。
IC36aは、例えば、第1入力端子IN1と、第2入力端子IN2と、第1出力端子OUT1と、第2出力端子OUT2と、制御端子VCCと、出力制御端子VSと、基準端子Vrefと、を備えたドライブ用ICであり、入力回路や出力制御回路や定電圧回路等を内蔵した汎用品等からなる。抵抗R12は、一方がIC36aの第2入力端子IN2に接続され、他方が抵抗R10に接続されている。
【0046】
≪ドアスイッチの構成≫
ドアスイッチ4は、各ドアDRが開閉する各ドア開口部11(図1参照)にそれぞれ設置されて、ドアDR(図1参照)が閉まっているときにそのドアDRに押圧されてOFF状態になり、ドアDRが半ドアや開いたときにON状態になる自動復帰型の押釦式開閉制御器である。ドアスイッチ4は、可動接点がアースされ、固定接点が制御装置3に接続されている。
なお、ドアスイッチ4は、図2では、省略して1つのみを記載したが、実際にはドアDRの数に応じた4個のスイッチを並列に接続して構成される。
【0047】
≪車幅灯の構成≫
車幅灯6は、スモールランプやクリアランスランプともいわれるランプであって、周囲が薄暗くなったとき等にライティングスイッチ5を車幅灯ポジションおよび前照灯ポジションに操作したときに点灯されるランプであり、IC36aの出力端子3cに接続されている。
なお、車幅灯6は、図2では、省略して1つのみを記載したが、実際には車体の前後左右にそれぞれ設けられて、例えば、4個のランプが並列に接続されてなる。
【0048】
≪ライティングスイッチの構成≫
ライティングスイッチ5は、前記車幅灯6と不図示の尾灯、番号灯、およびインストルメントパネル照明灯とを同時に点灯させると共に、前照灯を点灯させるための開閉制御器である。このライティングスイッチ5は、例えば、運転席の近傍に設置されるいわゆるターンシグナルスイッチの操作レバーの先端部に設置される回動式のノブスイッチからなる。ライティングスイッチ5は、操作ノブと共に回動する可動接点5aと、車幅灯6を消灯させるOFF接点5bと、車幅灯6を点灯させるための車幅灯固定接点5cと、前照灯を点灯させるための前照灯固定接点5dと、を備えて構成されている。
【0049】
≪足元照明装置の動作≫
図3は、本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置におけるICの動作を示すロジック表である。図4は、本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置の動作を示すフローチャートである。次に、図1〜図4を参照しながら足元照明装置1の動作について説明する。
【0050】
<足元照明装置がOFF状態の場合>
例えば、車両10のドアDRが閉めた状態で駐車中等の場合には、図3に示すIC36aの第1入力端子IN1および第2入力端子IN2が0レベルで、第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2から電力が出力されず、足元照明装置1の第1光源L1および第2光源L2が消灯した状態になっている。
【0051】
<ドアを開けた場合>
乗員が、例えば、車両10(図1参照)に乗降する際にドアDRを開けると、ドアスイッチ4がONする(ステップS1のYes)。すると、図2に示すタイマー回路33のトランジスタQ1,Q3および波形整形・極性反転回路34のトランジスタQ2がON状態になると共に、コンデンサC1,C2が充電され、電源BTからの電流がIC36aの第1入力端子IN1に入力される。このIC36aは、第1入力端子IN1が1レベルとなり、第2入力端子IN2が0レベルとなり、第1出力端子OUT1がHレベルとなり、第2出力端子OUT2がLレベルとなる(図3参照)。
【0052】
すると、制御装置3の第1出力端子OUT1から出入力端子3a、電線W1、抵抗R1、第1光源L1、電線W2、出入力端子3b、第2出力端子OUT2へと電流が流れて第1光源L1が点灯すると共に、制御装置3の第1出力端子OUT1から出入力端子3a、電線W1、第2光源L2、電線W2、出入力端子3b、第2出力端子OUT2へと電流が流れて第2光源L2が同時に点灯する(ステップS2)。
このように、ドアDRが開放されると、第1光源L1と第2光源L2の2つの光源(第1光源L1および第2光源L2)が点灯するため、足元周辺が明るく照明されると共に、ドアDRが開放状態または半ドアの状態であることを照明表示できる。
【0053】
なお、ドアDRが閉まった状態のままの場合には、ドアスイッチ4がOFFしているための第1光源L1および第2光源L2の消灯状態が維持されて、ドアスイッチ4によってドアDRの開放および半ドアが監視されている状態にある(ステップS1のNo)。
【0054】
<開けたドアを閉めた場合>
乗員が開けたドアDRを閉めると、ドアスイッチ4がOFFになり、電源BTからの電流の供給が遮断される(ステップS3)。これと同時に制御装置3は、タイマー回路33のコンデンサC1,C2から電力が所定時間放電されてタイマーがONした状態になる(ステップS4)。このタイマー回路33がONしている期間中は、トランジスタQ1,Q2,Q3のON状態が維持されて、コンデンサC2からIC36aに電力が供給され、第1入力端子IN1が1レベル、第2入力端子IN2が0レベル、第1出力端子OUT1がHレベル、第2出力端子OUT2がLレベルとなって、第1光源L1および第2光源L2の点灯状態が維持される(図3参照)。
そして、タイマー回路33のコンデンサC2がONしてから所定時間(例えば、8〜10秒程度)が経過すると、コンデンサC2の放電電圧が低下してトランジスタQ3のベース電圧が所定電圧(例えば、0.6V)以下となるとOFF状態となり、制御装置3の出入力端子3a(第1出力端子OUT1)からランプユニット2に供給していた電流が遮断されて、第1光源L1および第2光源L2が消灯する(ステップS5)。
【0055】
<ライティングスイッチをONした場合>
車両周辺が薄く暗くなった場合等に、運転者がライティングスイッチ5を車幅灯ポジションまたは前照灯ポジションに操作すると、可動接点5aが車幅灯固定接点5cに接触してONし、IC36aの第2入力端子IN2にライティングスイッチ5のON信号が送られて、車幅灯6が点灯する(ステップS6)。
【0056】
制御装置3は、ライティングスイッチ5がONしたことによって、電源BTからの電流を、IC36aの第2出力端子OUT2から出入力端子3bおよび電線W2を介してランプユニット2の端子Bから端子Aの方向に向けて送る。すると、電流がその端子Bから第2光源L2、端子A、電線W2、出入力端子3aを通ってIC36aの第1出力端子OUT1へ流れて、第2光源L2が点灯する(ステップS7)。このとき、発光ダイオードからなる第1光源L1は、電流が遮断されるため消灯状態が維持される。
【0057】
このように、ライティングスイッチ5のONした場合には、第2光源L2のみが点灯して、各ランプユニット2が減光されて乗員の足元周辺を有色光で照明する。この場合、第2光源L2に装着したカラーキャップL2aを適宜に変更すれば、所望の色の有色光で足元周辺を照明することができる。例えば、青色のカラーキャップL2aを第2光源L2に装着すれば、青色の光を発し、緑色のカラーキャップL2aを第2光源L2に装着すれば、その色に応じた緑色の光を発するように変えることも可能である。
【0058】
<ライティングスイッチをOFFした場合>
ライティングスイッチ5をOFFポジションに操作すると、可動接点5aが車幅灯固定接点5cから離間し、OFF信号がIC36aの第2入力端子IN2に送られる(ステップS8)。すると、IC36aは、第2出力端子OUT2から出入力端子3bを介してランプユニット2の端子Bに供給していた電流を遮断して、第2光源L2を消灯させる(ステップS9)。
【0059】
<ドアを開けた場合>
乗員が降車するために、ドアDRを開放した場合には、前記したステップS1からステップS5までを繰り返すことになる。
なお、前記ライティングスイッチ5をONして車幅灯6を点灯させているときにドアDRを開けた場合には、制御装置3の各トランジスタQ1〜Q4がON状態となるため、前記したドアスイッチ4のみがONになった場合と同様に、第1光源L1および第2光源L2が点灯して足元周辺を照明する。
【0060】
以上説明したように、本発明の足元照明装置1は、各座席FL,FR,RL,RRに配置された各ランプユニット2が第1光源L1と第2光源L2との2つの光源を備えていたとしても、第1光源L1を発光ダイオードにして一方向に電流が流れるようにし、制御装置3から各ランプユニット2に供給される電流の流れる方向を変えることで、2本の電線W1,W2のみで各ランプユニット2に接続しても、第1光源L1と第2光源L2と両方電灯させたり、第2光源L2のみを点灯させたりすることを可能にする。
【0061】
すなわち、従来の足元照明装置のランプユニットでは、互いに並列に接続した2個の光源を有して両方の光源を点灯したり、片方のみの光源を点灯したりして、2個の光源を独立して動作するように2個の光源と制御装置とを電気的に接続した場合、2つの光源をそれぞれ2本の電線を用いてランプユニットに接続していたので、通常、4本(少なくとも3本以上)の電線が必要であった。
これに対して、本発明の足元照明装置1は、2本の電線W1,W2によって各ランプユニット2で接続しても第1光源L1と第2光源L2とを両方点灯したり、片方のみを点灯したりできるように、独立して動作するように改善した。
【0062】
本発明は、このようにして電線W1,W2の本数を減らしたことによって、足元照明装置1の配線が省線化されて、軽量化が実現できると共に、配線作業を簡素化してコストダウンを図ることができる。さらに、電線W1,W2の本数が削減されることによって車両全体としてのコストの低減を図ることができると共に、重量についても、車全体の重量の軽減に寄与できる。
【0063】
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
【0064】
前記実施形態では、第1光源L1を発光ダイオード、第2光源L2を電球としたランプユニット2を説明したが(図1参照)、ランプユニット2は、第1光源L1と第2光源L2を発光ダイオードと電球とで構成されるものに限定されるものではない。
【0065】
図5は、本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置の変形例を示す電気回路である。
図5に示すように、足元照明装置1Aのランプユニット2Aは、例えば、電球からなる第1光源L3と、同じく電球からなる第2光源L4とを備えたものであっても構わない。
この場合、第1光源L3、または、第2光源L4のいずれか一方のリード線L3b,L4bには、電流の流れを一方向に規制するダイオードDを接続する。例えば、第2光源L4のリード線L4bにダイオードDを設けて、そのダイオードDのアノードを第2光源L4に接続し、カソードを端子Aに接続する。そして、第1光源L3および第2光源L4には、互いに色が相違するカラーキャップL3a,L4aをそれぞれ装着する。
【0066】
このようにしても、前記実施形態のときと同様に第1光源L3と第2光源L4とが点消灯する。すなわち、ドアスイッチ4がONすれば第1光源L3および第2光源L4が点灯して乗員の足元周辺を明るく照明する。
また、ライティングスイッチ5がONされて、車幅灯6が点灯した場合には、制御装置3Aの出入力端子3bから電流が流れ出るように切り換えられ、第1光源L3のみが、カラーキャップL3aの色に応じた有色光で点灯するようになる。
【0067】
[その他の変形例]
≪制御装置の変形例≫
なお、図5に示すように、制御装置3Aには、第1光源L3および第2光源L4を点滅させるための点滅制御部37を設けても構わない。
例えば、点滅制御部37によって、ドアDRが半ドアの状態のときに第1光源L3および第2光源L4を点滅表示させて乗員に警報したり、ドアDR開放時に後続車に対してドアDRが開いていることを点滅表示して知らせるようにしてもよい。
また、その点滅制御部37によって、交流電流やパルス信号の周期を調整して整流化し、第1光源L3および第2光源L4を連続点灯したときの状態に維持させたり、減光させたり、あるいは、ドアDRを閉めた後にタイマー機能が働いている期間中に、除々に減光するようにしてもよい。
【0068】
≪第1光源および第2光源を点灯させる手段の変形例≫
また、図5に示すように、各座席FL,FR,RL,RRには、それぞれのランプユニット2Aの第1光源L3および第2光源L4を点消灯することができるランプ点消灯スイッチ8を運転席や各席や各ランプユニット2Aに設けてもよい。
この場合、ランプ点消灯スイッチ8は、操作ノブに連動する可動接点8aと、OFF接点8bと、出入力端子3aから出入力端子3b方向に電流を流して第1光源L3と第2光源L4とを点灯させるための点灯接点8cと、出入力端子3bから出入力端子3a方向に電流を逆流させて第2光源L4のみを点灯させるための減光接点8dと、から構成されている。
【0069】
このようにすれば、夜間等の暗い場合において、各乗員が足元周辺を照明したいときに、ランプ点消灯スイッチ8の可動接点8aを点灯接点8cに接触させる操作を行えば、第1光源L3および第2光源L4を点灯して乗員の足元周辺を所望時に適宜に点灯させることができる。
また、ランプ点消灯スイッチ8の可動接点8aを減光接点8dに接触させる操作を行えば、第2光源L4を減光した状態で異色な照明光で照明させることができる。
このように、乗員の各人が足元周辺を照明したときに、ランプ点消灯スイッチ8を所望時に適宜な色でランプユニット2Aを点灯照明させて、足元周辺の照明が不要なときに、ランプユニット2Aを消灯させることができるため、便利で、省エネ的な点消灯ができる。
【0070】
≪ランプユニットの変形例≫
なお、前記実施形態で説明したランプユニット2は、各座席FL,FR,RL,RRに設置することに限定されるものではなく、乗員の足元周辺を照明することが可能であれば、適宜にその設置位置を変更しても構わない。
例えば、ランプユニット2は、ドアDR(図1参照)の内側側面や、座席FL,FR,RL,RRに隣接した車室内壁面等を構成するものに設置してもよい。
【0071】
さらに、具体的に説明すると、例えば、運転席の乗員の足元周辺を照明する場合には、運転席のドアDRの車室側側面やインストルメントパネルの下面部位等にランプユニット2を設置してもよい。
助手席の乗員の足元周辺を照明する場合には、助手席のドアDRの車室側側面や、グローボックスの下面部位や、車室とエンジンルームとを仕切る隔壁等に、ランプユニット2を設置してもよい。
左右後席の乗員の足元周辺を照明する場合には、左右の後席のドアDRの車室側側面や、それぞれの前席の背もたれの背面等に、ランプユニット2を設置してもよい。
【0072】
また、ランプユニット2Aは、座席FL,FR,RL,RRの外側側面部や、ステップ付近に設置すれば、乗員が車両10に乗降する際にドアDRを開けた場合、車室の床面のドアDR付近を照明したり、車両10のドア開口部11の車両外側付近を照明したりして、足元周辺を照明することができると共に、車両10の後方から走行して来る他車に対してドアDRを開放して乗員が乗降中であることを照明表示して知らせることも可能となる。
このようにランプユニット2は、ドアDRやドアDR周辺部位に設置されるいわゆるステップランプや、車室内を照明するルームランプとしても構わない。
【0073】
≪第1光源および第2光源の変形例≫
電球からなる第1光源L3および第2光源L2,L4に装着されて有色光にするためのカラーキャップL2a,L3a,L4aは、第1光源L3および第2光源L2,L4の前方に配置した有色の半透明なレンズ配設したり、有色光を発するように電球のガラス球に光を透過する半透明な適宜な色の塗料を塗付したりしたものであっても構わない。
【0074】
なお、前記実施形態では、ランプユニット2に発光ダイオードからなる第1光源L1と、電球からなる第2光源L2とを設けた場合を説明したが、第1光源L1と第2光源L2との両方を発光ダイオードとしてもよい。この場合には、第1光源L1側または第2光源L2側のどちらかにダイオードを設置すればよい。
このように構成すれば、ランプユニット2に流れる電流の向きを変えることによって、第1光源L1と第2光源L2のどちらかが切り換わって点灯するようになる。
さらに、その第1光源L1と第2光源L2とを相違する色の発光ダイオードにすれば、点灯する照明色を適宜に2色に切り換えて点灯できるようになる。
【0075】
また、前記実施形態では、第1光源L1,L3と第2光源L2,L4とをそれぞれ1つの光源で構成した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。つまり、第1光源L1,L3と第2光源L2,L4とは、それぞれを複数の光源の群として明るく広範囲に照明できるように設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置のランプユニットの設置状態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置を示す電気回路である。
【図3】本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置におけるICの動作を示すロジック表である。
【図4】本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る車両用足元照明装置の変形例を示す電気回路である。
【符号の説明】
【0077】
1,1A 足元照明装置
2,2A,2B ランプユニット
3,3A 制御装置(制御手段)
4 ドアスイッチ
5 ライティングスイッチ
6 車幅灯
8 ランプ点消灯スイッチ
10 車両
BT 電源
D,D1,D2 ダイオード
DR ドア
FL,FR,RL,RR 座席
L1,L3 第1光源
L2,L4 第2光源
W1,W2 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員の足元周辺を照明するための第1光源と、
この第1光源に並列に接続されて前記乗員の足元周辺を照明するための第2光源と、
前記第1光源と前記第2光源とを備えたランプユニットと、
前記第1光源と第2光源とを点灯させる電力を供給する電源と、
この電源から前記第1光源と第2光源とに供給する電力を制御して前記第1光源と第2光源とを独立して動作させる制御を行う制御手段と、
この制御手段と前記ランプユニットとを接続する電線と、
を備えた車両用足元照明装置であって、
前記第1光源は、電流の方向により点灯および消灯可能な光源からなり、
前記制御手段は、電流の方向を切り換え可能に構成され、
前記制御手段と前記ランプユニットとは、2本の電線で接続されていることを特徴とする車両用足元照明装置。
【請求項2】
乗員の足元周辺を照明するための第1光源と、
この第1光源に並列に接続されて前記乗員の足元周辺を照明するための第2光源と、
前記第1光源に流れる電流の流れを一方向に規制するダイオードと、
このダイオードと前記第1光源と前記第2光源とを備えたランプユニットと、
前記第1光源と第2光源とを点灯させる電力を供給する電源と、
この電源から前記第1光源と第2光源とに供給する電力を制御して前記第1光源と第2光源とを独立して動作させる制御を行う制御手段と、
この制御手段と前記ランプユニットとを接続する電線と、
を備えた車両用足元照明装置であって、
前記制御手段は、電流の方向を切り換え可能に構成され、
前記制御手段と前記ランプユニットとは、2本の電線で接続されていることを特徴とする車両用足元照明装置。
【請求項3】
前記第1光源と第2光源とは、互いに種類が相違した光源から構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用足元照明装置。
【請求項4】
前記第1光源と前記第2光源とは、それぞれ相違する色彩の有色光を発することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用足元照明装置。
【請求項5】
前記第1光源は、発光ダイオードからなり、
前記第2光源は、電球からなることを特徴とする請求項1に記載の車両用足元照明装置。
【請求項6】
前記制御手段は、車幅灯を点灯させるためのライティングスイッチのON信号に基づいて前記2つの電線を流れる電流の方向を前記第1光源または第2光源のみが点灯する方向に変化させ、
ドアの開閉を検出するドアスイッチの前記ドアの開放時のON信号に基づいて前記2つの電線を流れる電流の方向を前記第1光源と第2光源とが点灯する方向にすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用足元照明装置。
【請求項7】
前記制御手段には、前記第1光源および第2光源を点灯ないし消灯させるためのランプ点消灯スイッチが接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用足元照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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