説明

車両監視システム、車両監視装置および車両監視方法

【課題】 車両駐車施設の領域内において、常時、個々の車両が置かれている敷地内の監視領域を明確に特定して車両を監視する。
【解決手段】 複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する可視光通信装置と、照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載され、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信して、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した位置識別情報に付加して送信する第1の車両監視装置と、第1の車両監視装置が送信する車両識別情報が付加された位置識別情報を受信して、指定された条件に従って車両識別情報を位置識別情報と関連付けて表示する第2の車両監視装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両監視システム、車両監視装置および車両監視方法に関し、特に、可視光通信を用いて車両を監視する車両監視システム、車両監視装置および車両監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車ディーラーや自動車の生産工場の施設内、自動車を運搬する前の車両集積場または車両運搬を行う船舶内等の場所においては多数の車両を管理する必要がある。例えば、個々の車両が広大な施設内のどこに置いてあるかというような車両の駐車場所を識別するための管理を行うことや、車両の盗難を防ぐための管理を行う必要がある。空港や商業施設等の広大な駐車場においても同様のことが言える。車両のユーザは、駐車した自分の車両の駐車場所を忘れがちである。そのため、広大な駐車場においては、探している車両の駐車場所を即座に発見するための設備が備わっていると、その利便性が高い。また、駐車場の管理者にとって、利用者から預かっている駐車中の車両の盗難を防ぐ手段を講じることは、必須の事項として求められるであろう。
【0003】
盗難を防止する目的で車両を監視する技術がこれまでにいくつか提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、駐車場における車両盗難防止システムが開示されている。このシステムは、車両に搭載される車載機と駐車場に設置される管理ステーションとを有する。車載機と管理ステーションは、所定の距離の範囲において暗号化による通信が可能な狭帯域無線通信装置を有し、これらの狭帯域無線通信装置間で定常的な相互通信を行って互いの状態を監視している。車両の盗難により車両が移動されると定常的な相互通信が中断されるので、これにより車両盗難行為を検出することができる。
【0005】
また、特許文献2には、多数の車両を受け入れるタイプの駐車場において、車両が盗難などに遭わないように監視する駐車場監視システムが開示されている。このシステムは、車両に搭載され、車両に異変が生じたときは無線で警告信号を発する車載監視ユニットと、その警告信号を受信して、人間が感知できる形態の警報表示に変換する携帯ユニットとを備える。この携帯ユニットは、車載監視ユニットとの無線通信が可能な範囲に設置された駐車場内の保管庫の保管セルに収納される。保管セルには、収納した携帯ユニットが発する警報表示を検知するセンサが設けられており、センサの検知内容が公衆通信網を介して車両の所有者が保持する携帯電話に通知される。
【0006】
特許文献3には、駐車場に停めている車両の異変をより的確に検知できる、盗難防止システムで用いられる車両検出装置が開示されている。この装置は、発光部と受光部とを備える。発光部は、車両の側面ガラスに向けて光を出射可能な高さに設置され、不可視光の赤外線ビームを出射する。受光部は、少なくとも車両1台分の距離を置いて発光部とで車両を挟む位置に配置され、発光部から出射される赤外線ビームを受光する。発光部から出射された赤外線ビームが車両の左右の側面ガラスを透過して受光部で受光された光の強さを基準光強度として設定し、単位時間毎に、受光部で受光している光の強さを基準光強度と比較する。受光部で受光している光の強さが基準光強度と一致していないと判定された場合には、車両に異変が生じているとして警戒情報を出力する。
【0007】
また、最近の自動車は、ロック状態のドアを所有者以外の者が開けようとすると、センサが感知して警報を発し、それにより盗難や破壊行為をする者を威嚇し、撃退する異常監視警報機能を備えたものが多くなっている。また、そのような機能を後付で付加する装置も市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004-227145号公報
【特許文献2】特開2006-330915号公報
【特許文献3】特開2009-123111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1乃至特許文献3が開示する車両監視システムや車両検出装置は、車両の盗難を防ぐ目的で車両の監視や検出を行っている。そのため、異常が発生していない正常な状態において、車両が置かれている敷地内の監視領域を明確に特定して、当該車両を監視することは、いずれの特許文献においても考慮されていない。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、常時、個々の車両が置かれている車両駐車施設内の監視領域を明確に特定して車両を監視することができる車両監視システム、車両監視装置および車両監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を実現するために、本発明の一形態である車両監視システムは、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する可視光通信装置と、前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載され、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信して、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して送信する第1の車両監視装置と、前記第1の車両監視装置が送信する前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信して、指定された条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて表示する第2の車両監視装置と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の他の形態である車両監視装置は、停車位置の照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信される当該照明装置の設置位置を特定する位置識別情報を受信する可視光通信受信部と、前記可視光通信受信部が前記位置識別情報を受信すると、予め記憶されている自車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して外部に送信する指示を出す装置制御部と、前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を、外部装置に送信する無線通信部と、を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明のさらに別の形態である車両監視装置は、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する可視光通信装置の、前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車して当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信した車両から、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信する無線通信部と、前記無線通信部が受信した前記車両識別情報および位置識別情報を、指定された条件に従って前記車両識別情報と前記位置識別情報とを関連付けて表示部に表示する制御を実行する監視制御部と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の他の形態である車両監視方法は、可視光に情報を重畳して送信する可視光通信装置が、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信し、前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載された第1の車両監視装置が、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信し、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して送信し、第2の車両監視装置が、前記第1の車両監視装置が送信する前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信し、指定された条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、車両駐車施設の領域内において、常時、個々の車両が置かれている敷地内の監視領域を明確に特定して車両を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態のシステム動作を示すシーケンス図である。
【図3】第1の実施形態の車両監視装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態の他の車両監視装置の構成を示すブロック図である。
【図5】表示部に表示される車両識別情報と位置識別情報の表示例を示す図である。
【図6】指定された条件に従って車両識別情報が位置識別情報との関連で表示部に表示される表示例を示す図である。
【図7】第2の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態の車載装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態の監視制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施形態の車載装置の動作を示すフロー図である。
【図11】第2の実施形態の監視制御装置の動作を示すフロー図である。
【図12】第2の実施形態の監視状態に入ったシステム動作を示すシーケンス図である。
【図13】第2の実施形態の異常発生時のシステム動作を示すシーケンス図である。
【図14】第2の実施形態の車載装置の監視中の動作を示すフロー図である。
【図15】第2の実施形態の監視制御装置の監視中の動作を示すフロー図である。
【図16】第2の実施形態の変形例のシステム構成を示すブロック図である。
【図17】第2の実施形態の他の変形例のシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、本発明の構成要素の一つである可視光通信の概要を記す。
【0018】
可視光通信は、目に見える光を使ってデータをやりとりする通信技術である。データを照明や信号灯の光に紛れ込ませて、人間に気付かれずに通信を行うことができる。可視光通信の最大の特徴は、送信装置に既存の照明器具や信号灯が使えることである。LED(Light Emitting Diode)やインバータ型蛍光灯、直流型蛍光灯であれば変調装置を追加するだけで可視光通信が可能になる。この変調装置が電力をオン/オフしたり、周波数を変えることで光源の可視光を変化させてデータを送る。信号を受信するレシーバでは、受信した可視光を電気に変換し、そこから信号を取り出す。
【0019】
このように、可視光通信は、照明装置で特定の領域を照明すると同時に、その照明光に重畳した信号を用いて、その領域に存在する物に情報を伝達することができる。例えば、駐車場の各駐車領域を照明する照明器具を使用して可視光通信を行うことにより、その駐車領域に駐車している車両に情報を伝達することができる。
【0020】
なお、駐車領域に駐車している車両に情報を伝達する手段として、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線システムを用いることも一つの方法ではある。しかし、多数の車両を受け入れるタイプの駐車場の駐車領域のような、狭い領域が開放状態で密集している場所では、非常に微弱な電波を使ったとしても、数台の車両で同時に電波が受信されてしまい、各領域を明確に特定することはできない。また、各駐車領域に設置されたBluetooth(登録商標)の親装置と車載装置との間でペアリングを行うとか、チャネルを変えることにより、駐車領域毎での通信を行うことも考えられる。しかし、駐車領域には不特定多数の車両が駐車するので、それらの車載装置と任意にペアリングを行うとか、任意にチャネルを一致させて通信を行うことは非常に複雑な構成を必要とする。
【0021】
従って、本発明では、多数の車両を受け入れるタイプの駐車場の駐車領域のような、狭い領域が開放状態で密集している場所であっても、各駐車領域を明確に特定できるような構成として可視光通信を用いている。
【0022】
本発明を実施するためのいくつかの形態について、以下に図面を参照して説明する。なお、実施の形態は例示であり、開示のシステム、装置および方法は、以下の実施の形態の構成には限定されない。
【0023】
基本実施形態となる第1の実施形態のシステム構成、システムの動作および車両監視装置についてそれぞれ説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る第1の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【0025】
本実施形態の車両監視システムは、可視光通信装置10、各車両に搭載された第1の車両監視装置20および第1の車両監視装置と通信して監視制御を行う第2の車両監視装置30を含んで構成される。
【0026】
可視光通信装置10は、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、その照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する。
【0027】
第1の車両監視装置20は、照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載され、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信して、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した位置識別情報に付加して送信する。
【0028】
第2の車両監視装置30は、第1の車両監視装置20が送信する車両識別情報が付加された位置識別情報を受信する。そして、指定された条件に従って前記車両識別情報を位置識別情報と関連付けて表示する。
【0029】
図2は、第1の実施形態のシステム動作を示すシーケンス図である。
【0030】
可視光通信装置が、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、その照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する(S10)。車両を駐車することにより、照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載された第1の車両監視装置が、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信する(S11)。そして、第1の車両監視装置が、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した位置識別情報に付加して送信する(S12)。第2の車両監視装置が、第1の車両監視装置が送信する車両識別情報が付加された位置識別情報を受信し、指定された条件に従って車両識別情報を位置識別情報と関連付けて表示する(S13)。
【0031】
図3は、第1の実施形態の車両監視装置の構成を示すブロック図である。
【0032】
この車両監視装置は、第1の実施形態のシステム構成における第1の車両監視装置に相当し、可視光通信受信部201、装置制御部202および無線通信部203を含んで構成される。
【0033】
可視光通信受信部201は、停車位置の照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信される当該照明装置の設置位置を特定する位置識別情報を受信する。
【0034】
装置制御部202は、可視光通信受信部が位置識別情報を受信すると、予め記憶されている自車両を特定する車両識別情報を、受信した位置識別情報に付加して外部に送信する指示を出す。
【0035】
そして、無線通信部203は、車両識別情報が付加された位置識別情報を、外部装置に送信する。
【0036】
図4は、第1の実施形態の他の車両監視装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
この車両監視装置は、第1の実施形態のシステム構成における第2の車両監視装置に相当し、無線通信部301および監視制御部302を含んで構成される。
【0038】
可視光通信装置は、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信している。
【0039】
無線通信部301は、照明装置の可視光で照射される位置に駐車して当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信した車両から、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報が付加された位置識別情報を受信する。
【0040】
そして、監視制御部302は、無線通信部301が受信した車両識別情報および位置識別情報を、指定された条件に従って車両識別情報と位置識別情報とを関連付けて表示部に表示する。
【0041】
このように、第1の実施形態は、監視領域内の各特定領域が、照明装置で照射されると同時に、その位置を特定する位置識別情報が可視光通信により伝達されている。例えば、駐車車両をそれぞれ1台分だけカバーする範囲の照明を使用することにより、その領域に駐車している車両のみに、その領域に対応する位置識別情報を伝達することができる。
【0042】
そして、ある領域に車両が駐車すると、その車両に搭載されている第1の車両監視装置は、照明装置から可視光通信により伝達されている位置識別情報を受信する。このとき、第1の車両監視装置は、予め記憶されているその車両を特定する車両識別情報を、受信した位置識別情報に付加して送信する。つまり、どの位置にどのような車両が駐車しているのかという情報を、可視光通信により伝達されている位置識別情報を受信する毎に、周期的に伝達する。
【0043】
第2の車両監視装置は、第1の車両監視装置からその情報の伝達を受けると、指定された条件に従って車両識別情報を位置識別情報と関連付けて表示する。
【0044】
このように動作することにより、第1の実施形態は、監視領域内のそれぞれの特定領域に、どのような車両が駐車しているのかという情報を、指定された条件に従って車両識別情報と位置識別情報とを関連付けて表示する。
【0045】
そのため、第1の実施形態の構成により、車両駐車施設の領域内において、常時、個々の車両が置かれている敷地内の監視領域を明確に特定して車両を監視することができる。
【0046】
ここで、指定された条件に従って車両識別情報と位置識別情報とが関連付けて表示されることについて、図面を参照してもうすこし詳細に説明する。
【0047】
図5は、車両識別情報と位置識別情報とが関連付けて表示される表示例を示す図である。また、図6は、指定された条件に従って車両識別情報が位置識別情報との関連で表示部に表示される表示例を示す図である。
【0048】
図5に示す表示例は、車両駐車施設の各領域内に駐車している車両の識別情報と対応する位置識別情報との関連を視覚的に把握することができる表示例である。
【0049】
この表示例は、位置識別情報として、車両駐車施設の領域の列と行を座標で特定する例を示している。アルファベットのA、B、C〜Jと数字の1、2、3〜5の組合せを位置識別情報として用い、座標交点で特定される位置がその位置識別情報が示す位置となる。また、階層化されている車両駐車施設においては、どの階層なのかを特定する情報も含まれる。
【0050】
また、車両識別情報は、当該車両駐車施設における駐車車両の監視目的に合致すればどのような情報を用いてもよい。駐車場施設の空塞状態だけを監視する目的であれば単純な記号(例えば、○や×)でもかまわない。個々の車両を特定する必要があるのであれば、車両登録番号を車両識別情報として用いるのが一般的である。販売・出荷前の車両であれば、車両製造番号、車両種別、色、出荷先などが用いられる。さらに、これらの情報を組み合わせて用いてもかまわない。つまり、車両駐車施設の監視目的に合致した車両識別情報が適宜用いられる。
【0051】
図6に示す表示例は、指定されたある条件に従って、上記のような車両識別情報と位置識別情報とを関連付けて表示させたいくつかの例を示す。
【0052】
表示例1は、ある車両識別情報を指定して、その条件に該当する車両が車両駐車施設のどの領域に駐車しているかを表示させた例である。例えば、自動車ディーラーや自動車の生産工場の施設内で、特定の車種、特定の色、特定の出荷先の車両がどこに駐車しているのかを把握するような場合が想定される。この例の場合は、指定した条件の車両がどの位置に存在するかを表示することができればよい。そのため、図6の例では、指定された車両識別情報に合致する車両の駐車位置を、表示色を変えることにより示している。
【0053】
表示例2は、利用者に対して、広大な駐車施設の中のどこにその利用者の車両が駐車されているのかを表示させた例である。この場合は、唯一の車両識別情報として、車両登録番号を指定する。表示例では、指定された条件の車両が駐車している位置と、その車両の車両登録番号を表示させて、たしかに指定した条件の車両であることが確認できるようにしている。
【0054】
表示例3は、予め定めた条件で車両盗難の可能性を識別し、そのような条件の事象が発生したことを表示する例を示している。監視している車両の盗難の可能性を識別する具体例は、第2の実施形態で詳細に説明する。
【0055】
続いて、第2の実施形態について説明する。
【0056】
図7は、第2の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【0057】
第2の実施形態は、第1の実施形態の第1の車両監視装置20と第2の車両監視装置30が、それぞれ車載装置21と監視制御装置31に替わっている。また、監視制御装置31は、可視光通信装置10を制御可能な構成となっている。
【0058】
図8は、第2の実施形態の車載装置21の構成を示すブロック図である。これは、第1の実施形態のシステム構成における第1の車両監視装置20に相当する。
【0059】
車載装置21は、可視光通信受信部201、装置制御部202、無線通信部203、メモリ部204、入力・表示部205および盗難防止機能部206を含んで構成される。
【0060】
可視光通信受信部201は、停車位置の照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信される当該照明装置の設置位置を特定する位置識別情報を受信する。可視光の照射を受ける受光部は、例えば、フロントガラスの手前のダッシュボード上に配置される。
【0061】
装置制御部202は、可視光通信受信部が位置識別情報を受信すると、予め記憶されている自車両を特定する車両識別情報を、受信した位置識別情報に付加して外部に送信する指示を出す。
【0062】
そして、無線通信部203は、車両識別情報が付加された位置識別情報を、外部装置に送信する。
【0063】
メモリ部204は、当該車両の車両識別情報を記憶する。車両識別情報は、当該車両監視システムの監視目的に応じて、車両登録番号、車両製造番号、車両種別、車両の色等の任意の情報が使える。従って、後述する入力・表示部205から車両識別情報を任意に入力して、メモリ部204に記憶させることもできる。つまり、本実施形態が適用される車両駐車施設の監視目的に合致した車両識別情報を任意に記憶することができる。
【0064】
入力・表示部205は、当該車載装置21の動作に必要な情報の入力や、当該装置の状態を表示する。例えば、前述のように任意に車両識別情報を入力したり、後述するような監視動作解除の入力が行える。また、当該装置が監視中動作になっているか、動作解除の状態になっているかをユーザに表示する。入力・表示部205は、例えば、タッチセンサ付きのLCD(Liquid Crystal Display)で構成されている。
【0065】
盗難防止機能部206は、当該車両が盗難された可能性のある事象を検出した装置制御部202から通知された盗難警報要求により、周囲に盗難を知らせるために車両のライト点滅やホーンを鳴動させる。また、盗難者が車両を継続使用できないようにするために、エンジン停止後の再始動を禁止する。
【0066】
車載装置21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)がメモリ部204に蓄積されている各種の制御プログラムやアプリケーションプログラムを読み出して、実行することにより動作する。また、盗難防止機能部206は、車内ネットワークを介してライト、ホーンおよびエンジンの制御部と接続されている。
【0067】
図9は、第2の実施形態の監視制御装置の構成を示すブロック図である。これは、第1の実施形態のシステム構成における第2の車両監視装置30に相当する。監視制御装置31は、例えば、車両駐車領域の全体を監視する監視センターに設置される。
【0068】
監視制御装置31は、無線通信部301、監視制御部302、可視光通信装置起動部303、データベース304、入力部305および表示部306を含んで構成される。
【0069】
可視光通信装置起動部303は、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、その照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する可視光通信装置を起動する。監視制御装置31が可視光通信装置を起動する構成となっているのは、監視制御装置31から可視光通信装置を制御することができるようにするためである。例えば、各領域に設置された照明装置から送信される位置識別情報が正しいか否かを検査等の目的で確認するような場合がある。そのような場合に、検査対象となる領域に試験用の車載装置を仮設置し、その領域のみを指定して位置識別情報が正しく送信されているか否かの確認試験を監視制御装置31から行うことがある。その他、監視制御装置31は、重畳する信号の種別を変えたり、送信する周期を変えたりする制御を行う。可視光通信装置は、一旦起動されると設定された条件に従って各照明装置からそれぞれの位置識別情報を周期的に送信する動作を実行する。
【0070】
無線通信部301は、照明装置の可視光で照射される位置に駐車して当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信した車両から、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報が付加された位置識別情報を受信する。
【0071】
監視制御部302は、無線通信部301が受信した車両識別情報および位置識別情報を関連付けてデータベース304に記憶する。なお、第1の実施形態においては、車両識別情報および位置識別情報が監視対象の車両から周期的に送信されてくるので、車両識別情報と位置識別情報とを関連付けて表示する限りにおいては、いちいちデータベースに記憶する必要が無かった。しかし、第2の実施形態は、よりこまかな制御を実行するため、受信した車両識別情報と位置識別情報をデータベースに記憶する構成となっている。
【0072】
データベース304は、車両が車両駐車施設のどの領域に駐車しているかを示す情報として、車両識別情報を位置識別情報と関連付けて記憶している。データベース304に記憶される情報は、蓄積され、状況に応じて更新される。
【0073】
入力部305は、当該監視制御装置31に情報を入力する際に用いる。例えば、車両識別情報と位置識別情報とを関連付けて表示するためのデータベース304の検索条件を入力する。表示部306は、当該監視制御装置31から出力される情報が表示される。例えば、検索結果の車両識別情報が位置識別情報と関連付けられて表示される。図9において、入力部305と表示部306をそれぞれ別の構成として示しているが、これらは、タッチセンサ付きのLCDで構成される一つのデバイス(入力・表示部)であってもかまわない。
【0074】
監視制御装置31は、図示しないCPUが図示しない記憶装置に蓄積されている各種の制御プログラムやアプリケーションプログラムを読み出して、実行することにより動作する。
【0075】
続いて車載装置21と監視制御装置31の動作を説明する。
【0076】
図10は、第2の実施形態の車載装置21の動作を示すフロー図である。また、図11は、第2の実施形態の監視制御装置31の動作を示すフロー図である。
【0077】
図10を参照すると、監視領域内のある特定領域に駐車した車両に搭載されている車載装置21は、照明装置から可視光通信により伝達されている位置識別情報を受信する(S20)。駐車した状態であることを確定するために、車載装置21は、照明装置から可視光通信により周期的に伝達されている位置識別情報を連続して規定回数受信したことを確認する(S21、YES)。つまり、照明装置が照射する可視光を受けて、位置識別情報を受信したとしても、それが連続して規定回数を超えて受信しない限りは駐車した状態と確定されない(S21、NO)。
【0078】
なお、本実施形態では、構成を簡単にするために規定回数を超えて位置識別情報を受信することを駐車状態の確認としているが、別の手段により駐車状態を確認する構成にしてもよい。例えば、車載装置21の装置制御部202が、当該車両の図示しないエンジン制御部やキー(鍵)制御部と接続され、エンジンの停止やキーのロックを検出することで駐車状態を確認する構成にしてもよい。
【0079】
駐車した状態と確定された時点から、当該車載装置21は当該車両の監視状態に入る(S22)。監視状態に入ったことは入力・表示部205に表示される。これは、LCD上にメッセージが表示されてもよいし、監視中状態を示すLEDを点灯させてもよい。
【0080】
このようにして監視状態に入った車載装置21は、照明装置から可視光通信により周期的に伝達されている位置識別情報の受信を監視する。そして、位置識別情報を受信する度に、メモリ部204から車両識別情報を読み出して、それを受信した位置識別情報に付加して無線通信部203から送信する。つまり、監視状態に入った車載装置21からは、車両識別情報と位置識別情報の組が周期的に送信される。なお、メモリ部204から読み出される車両識別情報は、個々の車両駐車施設の監視目的に合致した車両識別情報が予め定められている。例えば、一般利用者が車両を駐車する駐車場であれば、車両登録番号が使われる。
【0081】
図11を参照して監視制御装置31の動作を説明する。
【0082】
監視制御装置31は、最初に可視光通信装置を起動する(S30)。起動された可視光通信装置は、監視領域内に設置されている各照明装置から、その照明装置が設置されている位置を特定する位置識別情報を照明光に重畳して送信する。可視光通信装置は、一旦起動されると、周期的に位置識別情報を照明光に重畳して送信する。従って、監視制御装置31は、当該システムを立ち上げるときにだけ可視光通信装置を起動する。また、監視制御装置31が可視光通信装置を起動する構成となっているのは、既に説明したように、監視制御装置31から可視光通信装置を制御することができるようにするためである。
【0083】
可視光通信装置が起動されると、監視制御装置31は、車両識別情報と位置識別情報の組が送信されるのを待つ(S31)。車両が1台も駐車していない場合にはそれらの情報を受信することはない(S31、NO)。
【0084】
少なくとも1台の車両が監視領域内に駐車すると、その車両に搭載された車載装置21から、前述のごとく車両識別情報と位置識別情報の組が周期的に送信される。そして、監視制御装置31は、車両識別情報と位置識別情報の組を受信する(S31、YES)。
【0085】
監視制御装置31は、受信した車両識別情報と位置識別情報の組をデータベース304に登録し、車両識別情報と位置識別情報とを関連付けた車両別位置管理情報を作成する(S32)。車両別位置管理情報には、各車両識別情報に対して、監視中表示、入庫時間、位置識別情報、後述する駐車位置変更後の位置識別情報、駐車位置変更時間、出庫時間、異常警報検出時間等が、ログ情報として記録されている。
【0086】
この時点から、当該監視制御装置31は、車両別位置管理情報に監視中表示が付された車両の状態を監視する、監視状態に入る(S33)。このようにして監視状態に入った監視制御装置31は、車載装置21から周期的に送信される車両識別情報と位置識別情報の組の受信を監視する。
【0087】
監視状態に入った車載装置21と監視制御装置31の監視動作について説明する。
【0088】
図12は、第2の実施形態の監視状態に入ったシステム動作を示すシーケンス図である。また、図13は、第2の実施形態の異常発生時のシステム動作を示すシーケンス図である。
【0089】
図12は、駐車中の車両が駐車場所を移動した場合の動作(車両移動)と、駐車場から出てゆく場合の動作(出庫)を示す。そして、図13は、車両盗難が発生した可能性がある場合の動作(車両盗難)を示す。
【0090】
図12を参照すると、ある領域に駐車していた車両が駐車場所を移動したとする(S40)。監視領域内の各領域ではその位置識別情報が周期的に照明光に重畳されて送信されている(S41)。
【0091】
移動した車両の車載装置21からみると、元の駐車領域から出た時点で位置識別情報の受信がなくなる。そして、新たな駐車領域に入ったときに新しい位置識別情報を受信する。なお、車載装置21は受信する位置識別情報の内容については感知せず、位置識別情報を受信したか受信しないかを識別している。
【0092】
後述するように、車載装置21は、監視状態において規定時間を超えて位置識別情報を受信しない状況があると、それを盗難の可能性のある事象として認識する。また、監視制御装置31は、監視状態の車両から規定時間を超えて車両識別情報と位置識別情報の組を受信しない状況があると、それを盗難の可能性のある事象として認識する。従って、この駐車領域内の移動は、その規定時間以内に行われるものとする。
【0093】
新たな駐車領域に駐車した車両は、その領域にて照明装置から伝達される位置識別情報を受信すると、予め記憶している当該車両の車両識別情報を、受信した位置識別情報に付加して送信する(S42)。
【0094】
監視制御装置31は、車両識別情報と位置識別情報の組を受信して、受信した車両識別情報と位置識別情報の対応関係がこれまでデータベース304に登録していた車両別位置管理情報と異なる場合は、その車両別位置管理情報を更新する。この場合、車両別位置管理情報における元の駐車場所の位置識別情報は残しておき、新たな駐車場所の位置識別情報を別途記録して、車両の移動がわかるようにする。また、このときの時刻もログ情報として記録する。
【0095】
このようにして、駐車場所を移動した車両は、新たな駐車領域で監視状態に入る。
【0096】
次に、出庫する場合の動作を説明する。
【0097】
図12において、駐車領域から出庫する場合、利用者は、車載装置21に出庫情報を入力する(S44)。これは、メモリ部204に記憶されている予め決めた暗証番号で、入力・表示部205から入力する。また、暗証カードに登録された暗証コードであって、当該暗証カードを入力・表示部205で読み込ませる形態でもよい。
【0098】
車載装置21で出庫情報が受け付けられると、車載装置21は自身の監視状態を解除する。また、直前に受け取っていた位置識別情報に、当該車両の車両識別情報と出庫情報を付加して送信する(S45)。
【0099】
車載装置21から出庫情報を含む車両識別情報と位置識別情報の組を受信した監視制御装置31は、車両別位置管理情報の当該車両識別情報に対応する車両の監視中表示を消去する(S46)。これにより、その車両に対する監視状態が解除される(S47)。
【0100】
このように、出庫情報が受け付けられると監視状態が解除され、車両は駐車領域から出庫しても盗難としての警報が発せられることは無い。
【0101】
次に、図13を参照して、車両の盗難が発生した場合の動作について説明する。
【0102】
出庫情報の入力なしに駐車領域から出庫した場合は、盗難の可能性がある事象として検出される(S50)。
【0103】
この場合、車載装置21は、まだ監視状態にあり、出庫したことにより位置識別情報の受信が断たれる(S51)。しかも、その位置識別情報を受信できない時間が規定した時間を超えると、車載装置21は、盗難と認定して異常警報を送信する(S53)。異常警報は、直前に受け取っていた位置識別情報と当該車両の車両識別情報との組に付加されて送信される。
【0104】
また、車載装置21は、盗難防止機能部206を起動して、ライトの点滅、ホーンの鳴動そしてエンジンの再起動禁止の制御を実行させる(S54)。
【0105】
また、監視状態に入った監視制御装置31は、車両別位置管理情報に監視中表示が付されている車両毎に、規定した時間内に車両識別情報と位置識別情報の組が受信されているか否かを監視している。
【0106】
従って、車載装置21で位置識別情報の受信が断たれた時点から監視制御装置31においても、その車両に対しては車両識別情報と位置識別情報の組が受信できなくなる。そして、その状態が規定時間継続した場合に(S55)、監視制御装置31も盗難と認定する。
【0107】
従って、監視制御装置31は、車載装置21が送信した異常警報を受信した場合、または自身で規定時間内に車両識別情報と位置識別情報の組が受信できなくなった場合のいずれにおいても盗難を認識する。
【0108】
車載装置21が送信した異常警報を受信した場合には、同時に受信した車両識別情報と位置識別情報の組から、異常が発生した車両とその駐車場所を特定することができる。また、規定時間内に車両識別情報と位置識別情報の組が受信できなくなった場合には、監視している車両別位置管理情報から、異常が発生した車両とその駐車場所を特定することができる。
【0109】
盗難を認識した監視制御装置31は、異常警報を出力する(S56)。異常警報としてはアラーム音の鳴動および表示部306における盗難情報表示を行う。表示部306における盗難情報表示は、例えば、図6の表示例3に示した表示がなされる。
【0110】
引き続き、図14と図15を参照して、車載装置21の監視中の動作および監視制御装置31の監視中の動作を説明する。
【0111】
図14は、第2の実施形態の車載装置の監視中の動作を示すフロー図である。車載装置21は、周期的に位置識別情報を受信してこの監視動作を繰り返す。また、図15は、第2の実施形態の監視制御装置の監視中の動作を示すフロー図である。監視制御装置31は、データベース304に登録された車両別位置管理情報の監視中表示が付された車両毎に、規定した時間内に車両識別情報と位置識別情報の組が受信されているか否かを監視している。
【0112】
図14を参照すると、監視動作中の車載装置21は、周期的に送信されている位置識別情報を規定時間内に受信しているか否かを判定する(S60)。つまり、前述したように、監視動作中の車両移動を許容するために、規定時間以内であれば、位置識別情報を受信しなくてもよいように構成されている。
【0113】
規定時間内に位置識別情報を受信した場合(S60、YES)は、車両識別情報をその受信した位置識別情報に付加して送信する(S61)。
【0114】
規定時間内に位置識別情報を受信できなかった場合(S60、NO)は、盗難発生と認識して異常警報を送信する(S62)。つまり、直前に受け取っていた位置識別情報と当該車両の車両識別情報との組に異常警報の情報が付加されて送信される。また、盗難防止機能部206を起動して、ライトの点滅、ホーンの鳴動そしてエンジンの再起動禁止の制御を実行する(S63)。
【0115】
図15を参照すると、監視動作中の監視制御装置31は、車載装置21が送信する位置識別情報および車両識別情報の組の受信を監視している(S70)。位置識別情報および車両識別情報の組を受信すると、異常警報の情報が含まれているか否かを識別する(S71)。異常警報の情報が含まれていない場合(S71、NO)には、監視制御装置31は出庫情報の有無を確認する(S72)。
【0116】
監視制御装置31は、出庫情報が含まれていない場合(S72、NO)は、車両識別情報に対応する位置識別情報に変化がないかを確認する(S73)。位置識別情報に変化がない場合(S73、YES)は当該周期での処理を終了する。一方、位置識別情報に変化がある場合(S73、NO)は、駐車領域を移動したことを意味するので、監視制御装置31は、当該車両に対応する車両別位置管理情報を更新する(S74)。
【0117】
また、S72において、出庫情報が含まれている場合(S72、YES)は、車両が駐車領域から出庫したことを意味するので、監視制御装置31は、車両別位置管理情報の当該車両に対応する監視中表示を消去する(S75)。これにより、その車両に対する監視状態が解除される(S76)。
【0118】
S70の監視において位置識別情報および車両識別情報の組を受信していない場合(S70、NO)、監視制御装置31は、受信していない時間が規定時間を超えたか否かを識別する(S77)。受信していない時間が規定時間を超えていない場合(S77、NO)、監視制御装置31は、引き続き車載装置21が送信する位置識別情報および車両識別情報の組の受信を監視する(S70)。一方、位置識別情報および車両識別情報の組を受信していない時間が規定時間を超えた場合(S77、YES)、監視制御装置31は、車両の盗難の可能性があるとして異常警報を出力する(S78)。
【0119】
また、S71の識別において、受信した位置識別情報および車両識別情報の組とともに異常警報の情報が含まれる場合(S71、YES)、監視制御装置31は、異常警報を出力する(S78)。
【0120】
なお、S78は異常警報を出力する動作であるが、車載装置21から異常警報の情報を受信した場合と、規定時間内に車両識別情報と位置識別情報の組が受信できなくなった場合とでは、その処理が若干異なっている。車載装置21から異常警報の情報を受信した場合、監視制御装置31は、車載装置21から同時に受信した車両識別情報と位置識別情報の組から、異常が発生した車両とその駐車場所を特定する。また、規定時間内に車両識別情報と位置識別情報の組が受信できなくなった場合、監視制御装置31は、当該監視処理中の車両の車両別位置管理情報から、異常が発生した車両とその駐車場所を特定する。
【0121】
異常警報としては、アラーム音の鳴動および監視制御装置31の表示部306に盗難情報表示を行う。表示部306における盗難情報表示は、例えば、図6の表示例3に示した表示がなされる。
【0122】
以上に説明したように、第2の実施形態では、車載装置21と監視制御装置31のそれぞれにおいて、監視対象となっている駐車領域に駐車している車両を監視している。そして、車両の駐車領域の移動、出庫に応じた監視状態の変更が行われ、盗難の可能性のある事象の発生においては異常警報を発する。
【0123】
従って、第2の実施形態の構成により、車両駐車施設の領域内において、常時、個々の車両が置かれている敷地内の監視領域を明確に特定して車両を監視することができる。特に、第2の実施形態の構成により、監視中の車両が駐車領域を移動したこと、駐車領域から出庫したこと、盗難の可能性があることを、それぞれ識別することができる。
【0124】
また、特許文献3が開示する盗難防止システムで用いられる車両検出装置や最近の自動車に備えられている異常監視警報機能は、機能が作動して監視状態に置かれると、その車両をその位置から移動させることができない。
【0125】
しかし、第2の実施形態は、車両駐車施設の領域内において、個々の車両が備えている異常監視警報機能を作動させたまま車両を移動させることができる。
【0126】
次に、第2の実施形態の変形例を説明する。
【0127】
図16は、第2の実施形態の変形例のシステム構成を示すブロック図である。また、図17は、第2の実施形態の他の変形例のシステム構成を示すブロック図である。
【0128】
第2の実施形態において、監視制御装置31は、当該車両駐車施設を管理する管理センターまたは監視センターに設置され、当該施設の職員により管理、監視の業務が行われる形態が想定される。この車両駐車施設が、空港や商業施設等の広大な駐車場であった場合、車両を駐車する利用者は、自分が駐車した車両の位置を即座に特定できるサービスを望む。特に空港のような場合、利用者が駐車場に車両を駐車して旅行に行き、数日後に戻ってきたときにはどこに自分の車両を駐車したのかを忘れてしまっている傾向が強い。
【0129】
図16は、そのような利用者が、自分の車両の位置を即座に特定するために使用できる外部設置端末40を設置する例を示す。この外部設置端末40は少なくとも1台を、そして、車両駐車施設の規模に応じて必要数設置すればよい。例えば、車両駐車施設内に人が戻るための入口付近とか、複数の階層に分かれている車両駐車施設の場合であれば、エレベータの各階の乗降口近辺とか、広大な駐車施設であれば、施設内の適宜な場所に設置する。
【0130】
外部設置端末40は入力部と出力部を備え、監視制御装置31の監視制御部303に接続されている。もちろん、入力部と出力部が一体化した入力・出力部でもよい。そして、利用者が、駐車位置を知りたい車両の車両識別情報を、外部設置端末40の入力部から入力すると、監視制御装置31のデータベース304が検索され、該当車両の位置を特定する表示が外部設置端末40の出力部に出力される。この場合の車両識別情報は車両登録番号が一般的に使われる。
【0131】
外部設置端末40の出力部には、例えば、図6の表示例2のように表示される。
【0132】
また、図17は、外部設置端末40を設置することなく、各利用者が所持している携帯電話機に代表される利用者端末50を用いて同様のサービスを提供する例を示す。利用者端末50としては、電気通信網45を介した通信機能と、入力部、出力部を備えた装置であればよい。携帯電話機以外では、PDA(Personal Digital Assistant)やPC(Personal Computer)等が利用者端末50として使える。
【0133】
自分が駐車した車両の位置を知りたい利用者は、利用者端末50を用いて電気通信網45を介して監視制御装置31にアクセスする。また、このとき図示しない制御サーバを電気通信網45に設置し、当該制御サーバが利用者端末50と監視制御装置31の通信を仲介する形態でもよい。
【0134】
代表的な利用例としては、監視制御装置31にアクセスした利用者端末45に対してサービスメニューを表示し、利用者が位置を特定したい車両の車両登録番号を利用者に入力させる。入力された車両登録番号にもとづいて監視制御装置31のデータベース304が検索され、該当車両の位置を特定する表示が利用者端末45に送信され、表示部に結果が表示される。この場合も、図6の表示例2のように表示される。
【0135】
このように、第2の実施形態の変形例は、多数の車両を駐車するサービスを提供する駐車場において、駐車場内の個々の車両が駐車している監視領域を明確に特定して車両を監視するシステムの機能の一部を利用者に開放することができる。そして、このことにより、駐車場としてのサービスの利便性の向上を図ることができる。
(付記1)複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する可視光通信装置と、前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載され、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信して、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して送信する第1の車両監視装置と、前記第1の車両監視装置が送信する前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信して、指定された条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて表示する第2の車両監視装置とを備えることを特徴とする車両監視システム。
(付記2)前記第2の車両監視装置と接続する外部端末装置をさらに備え、前記第2の車両監視装置は、前記外部端末装置から入力される指定条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて、前記外部端末装置に表示することを特徴とする付記1に記載の車両監視システム。
(付記3)前記第2の車両監視装置と電気通信網を介して接続する端末装置をさらに備え、前記第2の車両監視装置は、前記端末装置から入力される指定条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて、前記端末装置に表示することを特徴とする付記1または付記2に記載の車両監視システム。
(付記4)前記第1の車両監視装置は、前記可視光通信装置の可視光で照射される位置に前記車両を停止したとき、前記位置識別情報を予め定めた規定の回数を超えて受信すると当該車両の監視状態に入り、当該監視状態においては、前記位置識別情報を受信する度に、当該位置識別情報に前記車両情報を付加して送信することを特徴とする付記1乃至3のいずれかの付記に記載の車両監視システム。
(付記5)前記第1の車両監視装置は、前記監視状態において、前記位置識別情報を予め定めた規定の時間を超えて受信しないときには、当該車両の異常を通知する第1の異常警報と前記車両識別情報を、直前に受信した前記位置識別情報に付加して送信することを特徴とする付記4に記載の車両監視システム。
(付記6)前記第1の車両監視装置は、前記第1の異常警報を送信したときには、少なくとも可聴音または可視光を当該車両から発する警報を出力することを特徴とする付記5に記載の車両監視システム。
(付記7)前記第2の車両監視装置は、前記第1の車両監視装置から前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信すると、当該車両識別情報および位置識別情報を関連付けてデータベースに記憶して車両別位置管理情報を作成し、当該車両別位置管理情報が作成された車両を監視する監視状態に入ることを特徴とする付記1乃至6のいずれかの付記に記載の車両監視システム。
(付記8)前記第2の車両監視装置は、前記第1の車両監視装置から受信した前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報に、前記車両が駐車している前記可視光通信装置の可視光で照射される位置から離れることを示す出庫情報が含まれる場合には、当該車両識別情報に対応する前記車両別位置管理情報の監視中表示を消去し、当該車両に対する監視状態を解除することを特徴とする付記7に記載の車両監視システム。
(付記9)前記第2の車両監視装置は、前記第1の車両監視装置から受信した前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報が、当該車両識別情報に対応する前記車両別位置管理情報の位置識別情報と異なる場合には、当該車両別位置管理情報を受信した前記位置識別情報で更新することを特徴とする付記5または付記8に記載の車両監視システム。
(付記10)前記第2の車両監視装置は、前記第1の車両監視装置が送信する前記第1の異常警報を受信すると、同時に受信した前記車両識別情報に対応する車両の第2の異常警報を出力することを特徴とする付記9に記載の車両監視システム。
(付記11)前記第2の車両監視装置は、前記監視状態において、前記第1の車両監視装置から前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を予め定めた規定の時間を超えて受信しないときには、当該車両の異常を通知する第3の異常警報を出力することを特徴とする付記9に記載の車両監視システム。
(付記12)停車位置の照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信される当該照明装置の設置位置を特定する位置識別情報を検出する可視光通信受信部と、
前記可視光通信受信部が前記位置識別情報を受信すると、予め記憶されている自車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して外部に送信する指示を出す装置制御部と、前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を、外部装置に送信する無線通信部と、を備えることを特徴とする車両監視装置。
(付記13)前記装置制御部は、前記可視光通信装置の可視光で照射される位置に当該車両を停止したとき、前記位置識別情報を予め定めた規定の回数を超えて受信すると当該車両の監視状態に入り、当該監視状態においては、前記位置識別情報を受信する度に、当該位置識別情報に前記車両情報を付加して外部に送信する指示を出すことを特徴とする付記12に記載の車両監視装置。
(付記14)前記装置制御部は、前記監視状態において、前記位置識別情報を予め定めた規定の時間を超えて受信しないときには、当該車両の異常を通知する異常警報と前記車両識別情報を、直前に受信した前記位置識別情報に付加して外部装置に送信するように前記無線通信部に指示を出すことを特徴とする付記13に記載の車両監視装置。
(付記15)少なくとも可聴音または可視光を当該車両から発する警報を出力する盗難防止機能部をさらに備え、前記装置制御部は、前記異常警報を送信するように指示したとき、前記盗難防止機能部を起動することを特徴とする付記14に記載の車両監視装置。
(付記16)前記装置制御部は、当該車両が駐車している前記可視光通信装置の可視光で照射される位置から離れることを示す出庫情報が入力されると、前記車両識別情報と前記位置識別情報に前記出庫情報を付加して外部装置に送信するように前記無線通信部に指示を出し、当該車両の前記監視状態を解除することを特徴とする付記13に記載の車両監視装置。
(付記17)複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する可視光通信装置の、前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車して当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信した車両から、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信する無線通信部と、前記無線通信部が受信した前記車両識別情報および位置識別情報を、指定された条件に従って前記車両識別情報と前記位置識別情報とを関連付けて表示部に表示する制御を実行する監視制御部と、を備えることを特徴とする車両監視装置。
(付記18)前記監視制御部は、前記車両から前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信すると、当該車両識別情報および位置識別情報を関連付けてデータベースに記憶して車両別位置管理情報を作成し、当該車両別位置管理情報が作成された車両を監視する監視状態に入ることを特徴とする付記17に記載の車両監視装置。
(付記19)前記監視制御部は、前記第1の車両監視装置から受信した前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報に、前記車両が駐車している前記可視光通信装置の可視光で照射される位置から離れることを示す出庫情報が含まれる場合には、当該車両識別情報に対応する前記車両別位置管理情報の監視中表示を消去し、当該車両に対する監視状態を解除することを特徴とする付記18に記載の車両監視装置。
(付記20)前記監視制御部は、前記第1の車両監視装置から受信した前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報が、当該車両識別情報に対応する前記車両別位置管理情報の位置識別情報と異なる場合には、当該車両別位置管理情報を受信した前記位置識別情報で更新することを特徴とする付記18または付記19に記載の車両監視装置。
(付記21)前記監視制御部は、前記第1の車両監視装置が送信する前記車両の異常を通知する異常警報を受信すると、同時に受信した前記車両識別情報に対応する車両の異常警報を出力することを特徴とする付記20に記載の車両監視装置。
(付記22)前記監視制御部は、前記監視状態において、前記第1の車両監視装置から前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を予め定めた規定の時間を超えて受信しないときには、当該車両に対する異常警報を出力することを特徴とする付記20に記載の車両監視装置。
(付記23)可視光に情報を重畳して送信する可視光通信装置が、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信し、前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載された第1の車両監視装置が、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信し、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して送信し、第2の車両監視装置が、前記第1の車両監視装置が送信する前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信し、指定された条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて表示することを特徴とする車両監視方法。
(付記24)前記第2の車両監視装置が、接続された外部端末装置から入力される指定条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて、前記外部端末装置に表示することを特徴とする付記23に記載の車両監視方法。
(付記25)前記第2の車両監視装置が、電気通信網を介して接続された端末装置から入力される指定条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて、前記端末装置に表示することを特徴とする付記23または付記24に記載の車両監視方法。
(付記26)前記可視光通信装置の可視光で照射される位置に前記車両を停止したとき、前記第1の車両監視装置が、前記位置識別情報を予め定めた規定の回数を超えて受信すると当該車両の監視状態に入り、当該監視状態においては、前記位置識別情報を受信する度に、当該位置識別情報に前記車両情報を付加して送信することを特徴とする付記23乃至25のいずれかの付記に記載の車両監視方法。
(付記27)前記監視状態において、前記第1の車両監視装置が、前記位置識別情報を予め定めた規定の時間を超えて受信しないときには、当該車両の異常を通知する第1の異常警報と前記車両識別情報を、直前に受信した前記位置識別情報に付加して送信することを特徴とする付記26に記載の車両監視方法。
(付記28)前記第1の車両監視装置が、前記第1の異常警報を送信したときには、少なくとも可聴音または可視光を当該車両から発する警報を出力することを特徴とする付記27に記載の車両監視方法。
(付記29)前記第2の車両監視装置が、前記第1の車両監視装置から前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信すると、当該車両識別情報および位置識別情報を関連付けてデータベースに記憶して車両別位置管理情報を作成し、当該車両別位置管理情報が作成された車両を監視する監視状態に入ることを特徴とする付記23乃至28のいずれかの付記に記載の車両監視方法。
(付記30)前記第1の車両監視装置から受信した前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報に、前記車両が駐車している前記可視光通信装置の可視光で照射される位置から離れることを示す出庫情報が含まれる場合には、前記第2の車両監視装置が、当該車両識別情報に対応する前記車両別位置管理情報の監視中表示を消去し、当該車両に対する監視状態を解除することを特徴とする付記29に記載の車両監視方法。
(付記31)前記第1の車両監視装置から受信した前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報が、当該車両識別情報に対応する前記車両別位置管理情報の位置識別情報と異なる場合には、前記第2の車両監視装置が、当該車両別位置管理情報を受信した前記位置識別情報で更新することを特徴とする付記29または付記30に記載の車両監視方法。
(付記32)前記第2の車両監視装置が、前記第1の車両監視装置が送信する前記第1の異常警報を受信すると、同時に受信した前記車両識別情報に対応する車両の第2の異常警報を出力することを特徴とする付記31に記載の車両監視方法。
(付記33)前記第2の車両監視装置が、前記監視状態において、前記第1の車両監視装置から前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を予め定めた規定の時間を超えて受信しないときには、当該車両に対する第3の異常警報を出力することを特徴とする付記31に記載の車両監視方法。
【符号の説明】
【0136】
10 可視光通信装置
20 第1の車両監視装置
21 車載装置
30 第2の車両監視装置
31 監視制御装置
40 外部設置端末
45 電気通信網
50 利用者端末
201 可視光通信受信部
202 装置制御部
203、301 無線通信部
204 メモリ部
205 入力・表示部
206 盗難防止機能部
303 可視光通信装置起動部
303 監視制御部
304 データベース
305 入力部
306 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する可視光通信装置と、
前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載され、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信して、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して送信する第1の車両監視装置と、
前記第1の車両監視装置が送信する前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信して、指定された条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて表示する第2の車両監視装置と
を備えることを特徴とする車両監視システム。
【請求項2】
前記第1の車両監視装置は、前記可視光通信装置の可視光で照射される位置に前記車両を停止したとき、前記位置識別情報を予め定めた規定の回数を超えて受信すると当該車両の監視状態に入り、当該監視状態においては、前記位置識別情報を受信する度に、当該位置識別情報に前記車両情報を付加して送信することを特徴とする請求項1に記載の車両監視システム。
【請求項3】
前記第1の車両監視装置は、前記監視状態において、前記位置識別情報を予め定めた規定の時間を超えて受信しないときには、当該車両の異常を通知する第1の異常警報と前記車両識別情報を、直前に受信した前記位置識別情報に付加して送信することを特徴とする請求項2に記載の車両監視システム。
【請求項4】
前記第2の車両監視装置は、前記第1の車両監視装置から前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信すると、当該車両識別情報および位置識別情報を関連付けてデータベースに記憶して車両別位置管理情報を作成し、当該車両別位置管理情報が作成された車両を監視する監視状態に入ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの請求項に記載の車両監視システム。
【請求項5】
前記第2の車両監視装置は、前記第1の車両監視装置から受信した前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報が、当該車両識別情報に対応する前記車両別位置管理情報の位置識別情報と異なる場合には、当該車両別位置管理情報を受信した前記位置識別情報で更新することを特徴とする請求項4に記載の車両監視システム。
【請求項6】
前記第2の車両監視装置は、前記第1の車両監視装置が送信する前記第1の異常警報を受信すると、同時に受信した前記車両識別情報に対応する車両の第2の異常警報を出力することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両監視システム。
【請求項7】
前記第2の車両監視装置は、前記監視状態において、前記第1の車両監視装置から前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を予め定めた規定の時間を超えて受信しないときには、当該車両の異常を通知する第3の異常警報を出力することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかの請求項に記載の車両監視システム。
【請求項8】
停車位置の照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信される当該照明装置の設置位置を特定する位置識別情報を検出する可視光通信受信部と、
前記可視光通信受信部が前記位置識別情報を受信すると、予め記憶されている自車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して外部に送信する指示を出す装置制御部と、
前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を、外部装置に送信する無線通信部と
を備えることを特徴とする車両監視装置。
【請求項9】
複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信する可視光通信装置の、前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車して当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信した車両から、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信する無線通信部と、
前記無線通信部が受信した前記車両識別情報および位置識別情報を、指定された条件に従って前記車両識別情報と前記位置識別情報とを関連付けて表示部に表示する制御を実行する監視制御部と
を備えることを特徴とする車両監視装置。
【請求項10】
可視光に情報を重畳して送信する可視光通信装置が、複数設置された照明装置の各設置位置を特定する位置識別情報を、前記照明装置が発する可視光に重畳して周期的に送信し、
前記照明装置の可視光で照射される位置に駐車している車両に搭載された第1の車両監視装置が、当該可視光に重畳されている位置識別情報を受信し、予め記憶されている当該車両を特定する車両識別情報を、受信した前記位置識別情報に付加して送信し、
第2の車両監視装置が、前記第1の車両監視装置が送信する前記車両識別情報が付加された前記位置識別情報を受信し、指定された条件に従って前記車両識別情報を前記位置識別情報と関連付けて表示する
ことを特徴とする車両監視方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−53823(P2012−53823A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197629(P2010−197629)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】