説明

車体後部構造

【課題】車両用シートの車両前後方向のストロークを確保するために形成されたラゲッジボックスの前方のデッドスペースを有効利用できる構造でありながら、車両用シートの車両前後方向の位置が変更されても荷物の収納量が変化することがなく、荷物の収納量を一定に保つことができる車体後部構造を提供する。
【解決手段】フロア4に対して車両前後方向にスライド移動自在な車両用シート1を備え、車両用シート1の後方の後部荷室2にラゲッジボックス3を備えている車体後部構造であって、車両用シート1の車両前後方向のストロークを確保するために形成されたラゲッジボックス3の前方のデッドスペースSに荷物収納ボックス13が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
フロアに対して車両前後方向にスライド移動自在な車両用シートを備え、
前記車両用シートの後方の後部荷室にラゲッジボックスを備えている車体後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の車体後部構造では前記ラゲッジボックスの前方にデッドスペースが形成されている。このデッドスペースは、車両用シートの車両前後方向のストロークを確保するためにのみ形成されており、前記デッドスペースを有効利用する手段の開発が望まれていた。
そこで、従来、特許文献1に開示されているように、伸縮自在なネットで形成された袋状の荷物収納部を車両用シートのシートバックとラゲッジフロアボードとにわたって取り付ける構造が開発された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−314549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構造によれば、袋状の荷物収納部を車両用シートのシートバックとラゲッジフロアボードとにわたって取り付けていたために、車両用シートの車両前後方向の位置によって、荷物収納部の荷物の収納量が変化するという問題があった。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、車両用シートの車両前後方向のストロークを確保するために形成されたラゲッジボックスの前方のデッドスペースを有効利用できる構造でありながら、車両用シートの車両前後方向の位置が変更されても荷物の収納量が変化することがなく、荷物の収納量を一定に保つことができる車体後部構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
フロアに対して車両前後方向にスライド移動自在な車両用シートを備え、
前記車両用シートの後方の後部荷室にラゲッジボックスを備えている車体後部構造であって、
前記車両用シートの車両前後方向のストロークを確保するために形成された前記ラゲッジボックスの前方のデッドスペースに荷物収納ボックスが配置されている点にある。(請求項1)
【0006】
前記車両用シートの車両前後方向のストロークを確保するために形成された前記ラゲッジボックスの前方のデッドスペースに荷物収納ボックスが配置されているから、前記デッドスペースを有効利用することができる。また、車両用シートの車両前後方向の位置が変更されても荷物の収納量が変化することがなく、荷物の収納量を一定に保つことができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記車両用シートのシートクッションに設けられた被ガイド部が、前記フロアに設けられた車両前後方向に沿うガイドレールに対してスライド移動することで、前記車両用シートが前記フロアに対して車両前後方向にスライド移動し、
前記荷物収納ボックスは、前記ラゲッジボックスの前端部側と、前記ガイドレールの側方の上方側とにわたって位置していると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
前記荷物収納ボックスは前記ラゲッジボックスの前端部側と、前記ガイドレールの側方の上方側とにわたって位置しているから、荷物収納ボックスと車両用シートのスライド移動機構との干渉を回避することができる。そして、荷物収納ボックスの前端部をガイドレールの後端よりも車両前方側に入り込ませることができて、荷物の収納量を大きくすることができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
荷物を載置する荷物載置ボードが前記ラゲッジボックスに載置され、
前端部が前記車両用シートの後端部に連結し、前記フロアに対する前記車両用シートの車両前後方向のスライド移動に伴って前記荷物載置ボード上をスライド移動するスライドボードが設けられ、
前記スライドボードが前記前端部側のシート幅方向に沿う回転中心周りに回転自在に構成され、
前記荷物収納ボックスは上側に開口し、
前記スライドボードが前記荷物収納ボックスの開口部を開閉自在に覆うと、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
車両用シートがフロアに対して車両前後方向にスライド移動しても、車両用シートとラゲッジボックスの間をスライドボードで覆った状態にしておくことができ、後部荷室の見栄えをよくすることができる。
また、荷物収納ボックスは上側に開口し、スライドボードが荷物収納ボックスの開口部を開閉自在に覆っているから、スライドボードを前記回転中心周りに上方に揺動回転させて開口部を開口させることで、荷物収納ボックスに荷物を出し入れすることができる。
さらに、スライドボードに荷物を載置することができて荷物の収納量を増やすことができる。
そして、前記スライドボードや荷物載置ボードが後部荷室に既に設けられている車体後部構造に本発明を適用する場合は、前記スライドボードや荷物載置ボードを新たに設ける必要がなく、荷物収納ボックスを設けるだけで済むので、製作コストを低廉化することができる。
例えば、荷物収納ボックス内の荷物が露出する構造では収納できる荷物の種類が限られるが、本発明の上記構成によれば、前記荷物載置ボードが前記荷物収納ボックスの開口部を開閉自在に覆うから、荷物収納ボックス内の荷物を見えなくすることができ、荷物収納ボックスに収納できる荷物の種類を多くすることができる。(請求項3)
【0011】
本発明において、
前記車両用シートが車両後方側のストローク端に位置した状態では、前記荷物収納ボックスの開口部の一部又は全部が前記車両用シートの後ろ側下端部に覆われて、前記スライドボードを前記回転中心周りに上方に揺動回転させても、前記開口部が荷物を出し入れ可能な大きさに開口しないと、次の作用を奏することができる。(請求項4)
【0012】
前記車両用シートが車両後方側のストローク端に位置した状態では、荷物収納ボックスの開口部が荷物を出し入れ可能な大きさに開口しないから、貴重品等の外部から隠しておきたい荷物などを収納しておくシークレットボックスとして荷物収納ボックスを使用することができる。(請求項4)
【0013】
本発明において、
前記荷物収納ボックスは前記ラゲッジボックスに一体に成形されていると、部品点数を削減できる。また、荷物収納ボックスを車体にラゲッジボックスと一体に組み付けることができるので組み付け性を向上させることができる。(請求項5)
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、
車両用シートの車両前後方向のストロークを確保するために形成されたラゲッジボックスの前方のデッドスペースを有効利用できる構造でありながら、車両用シートの車両前後方向の位置が変更されても荷物の収納量が変化することがなく、荷物の収納量を一定に保つことができる車体後部構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】車体後部構造の斜視図
【図2】図3のA−A断面図
【図3】ラゲッジボックスを後部荷室に収容する様子を示す斜視図
【図4】物品収納ボックスの開口部の開閉を示す車体後部構造の縦断側面図
【図5】第1の別実施形態の模式図であり、2シーター車の車体後部構造の側面図
【図6】第2の別実施形態の斜視図であり、ベンチ式スライドシートを備える車体後部構造の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に車体後部構造を示してある。この車体後部構造は、自動車のフロア4に対して車両前後方向にスライド移動自在な左右一対のリアシート1(車両用シートに相当)を備え、リアシート1の後方(車両後方側Rr)の後部荷室2にラゲッジボックス3を備えている。
【0017】
[後部荷室2の構造]
前記後部荷室2は、リアシート1と、リアシート1の車両後方側Rrのフロアパネル4Pと、左右一対のクォータトリムと、テールエンドトリム8(図2参照)とで形成されている。
【0018】
[リアシート1の構造]
リアシート1は、乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション5と、乗員の上半身を支持するシートバック6と、シートバック6の上端部に連結され、乗員の頭部を支持するヘッドレスト7(図1参照)とを備えている。シートクッション5とフロア4との間にはリアシート1のスライド移動機構30(図3参照)が設けられている。
【0019】
図3に示すように、前記スライド移動機構30は、シートクッション5の左右両端部の裏面部に各別に設けられた左右一対の被ガイド部と、シートクッション5の左右両端部の下方のフロア4に設けられた車両前後方向に沿う左右一対のガイドレール31とを備え、前記被ガイド部がガイドレール31に対してスライド移動することで、リアシート1がフロア4に対して車両前後方向にスライド移動する。
【0020】
[ラゲッジボックス3の構造]
図2,図3に示すように、前記フロアパネル4Pに、上側が開口した左右対称の樹脂製のラゲッジボックス3が収容固定されている。このラゲッジボックス3は、後部荷室2の略全幅にわたる車幅方向に長い横断面長方形状に形成され、車両前方側Frの前壁3S1と車両後方側Rrの後壁3S2と左右一対の側壁3S3と底壁3S4とから成る。ラゲッジボックス3の左右両端部は、左右両端部が盛り上がったフロアパネル4Pの形状に対応して浅く形成されている。そして、荷物を載置する荷物載置ボード15がラゲッジボックス3の上端部3Jに載置され、ラゲッジボックス3の上側の開口部を荷物載置ボード15が塞いでいる。
【0021】
[荷物収納ボックス13の構造]
前記ラゲッジボックス3の前方(車両前方側Fr)に、リアシート1の車両前後方向のストロークを確保するためのデッドスペースSが形成されている。そして、ラゲッジボックス3の前端部に一体に成形された左右一対の樹脂製の荷物収納ボックス13がデッドスペースSに配置されている。
【0022】
前記荷物収納ボックス13は車幅方向に長い横断面長方形状に成形され、車両前後方向において、ラゲッジボックス3の前端部側と、ガイドレール31の後端部の側方の上方側とにわたって位置して上側に開口している。詳しくは、左側の荷物収納ボックス13の前端部は、左側のリアシート1に対する左右一対のガイドレール31間の側方の上方に位置し、右側の荷物収納ボックス13の前端部は、右側のリアシート1の左右一対のガイドレール31間の上方に位置している。
【0023】
前記荷物収納ボックス13は、車両前方側Frの前壁13S1と車両後方側Rrの後壁13S2と左右一対の側壁13S3と底壁13S4とから成る。図2に示すように、荷物収納ボックス13の前壁13S1は後壁13S2よりも高さ寸法が短く設定され、前壁13S1の頂部が後壁13S2の頂部よりも低所に位置している。そして、リアシート1が車両後方側Rrのストローク端に位置した状態で、前壁13S1がリアシート1のシートクッション5の後端部の下方に入り込んでいる。
【0024】
荷物収納ボックス13の底壁13S4はラゲッジボックス3の底壁3S4よりも上方に位置し、荷物収納ボックス13の後壁13S2の頂部はラゲッジボックス3の前壁3S1の頂部と略同一位置に位置する。また、ラゲッジボックス3の各壁3S1,3S2,3S3,3S4の頂部と荷物収納ボックス13の各壁13S1,13S2,13S3,13S4の頂部とは各ボックス3,13の外側にフランジ状に張り出している。
【0025】
[スライドボード20の構造]
図2〜図4に示すように、前端部20Aがリアシート1の後端部の連結ブラケット(図示せず)に連結し、フロア4に対するリアシート1の車両前後方向のスライド移動に伴って荷物載置ボード15上をスライド移動するスライドボード20が設けられている。すなわち、スライドボード20の前端部20Aからリンフォース18がシート前方側(車両前方側Fr)に突出し、このリンフォース18がリアシート1の後端部の連結ブラケットに連結している。
【0026】
前記スライドボード20の前端部20A(前記連結ブラケットとの連結部よりも後方側の前端部部分)にシート幅方向に沿う第1薄肉ヒンジH1(図4参照)が形成され、スライドボード20が第1薄肉ヒンジH1のヒンジ軸線を回転中心O1としてこの回転中心O1周りに回転自在に構成されている。そして、前記スライドボード20が荷物収納ボックス13の開口部13Kを開閉自在に覆っている。
【0027】
図2に示すように、リアシート1が車両後方側Rrのストローク端に位置した状態では、荷物収納ボックス13の開口部13Kの前側の一部(全部であってもよい)がリアシート1の後ろ側下端部(シートクッションの後端部とシートバック6の下端部)に覆われて、スライドボード20を第1薄肉ヒンジH1のヒンジ軸線を回転中心O1として上方に揺動させても、前記開口部13Kが荷物を出し入れ可能な大きさに開口しないよう構成されている。図2において、車両後方側Rrのストローク端に位置したリアシート1は実線で描かれ、車両前方側Frのストローク端に位置したリアシート1は二点鎖線で描かれている。
【0028】
[前側ボード25の構造]
図2,図4に示すように、上端部がシートバック6の背面6Hに当接する前側ボード25の下端部が、シート幅方向に沿う第2薄肉ヒンジH2を介してスライドボード20の前端部20Aに連結し、前側ボード25が第2薄肉ヒンジH2のヒンジ軸線を回転中心O2としてスライドボード20に対し回転自在に構成されている。また、前側ボード25をシートバック6の背面6H側に押圧付勢するばね(図示せず)が設けられ、前側ボード25と、スライドボード20の前端部20Aとが、シートバック6の下端部と後部荷室2の荷物載置ボード15の前端部との間の隙間を覆い隠している。
【0029】
スライドボード20と前側ボード25は車幅方向に長い長方形状に成形され、車幅方向の長さが互いに略同一に設定されるとともに、前側ボード25の幅方向と直交する方向の長さが、スライドボード20の車両前後方向の長さ(スライドボード20の幅方向と直交する方向の長さ)よりも短く設定されている。
【0030】
これにより、リアシート1がフロア4に対して車両前後方向にスライド移動しても、リアシート1とラゲッジボックス3の間をスライドボード20及び前側ボード25で覆った状態にしておくことができ、後部荷室2の見栄えをよくすることができる。
【0031】
上記の構成によれば、
(1) 前記リアシート1の車両前後方向のストロークを確保するために形成されたラゲッジボックス3の前方のデッドスペースSに荷物収納ボックス13が配置されているから、デッドスペースSを有効利用することができる。また、リアシート1の車両前後方向の位置が変更されても荷物の収納量が変化することがなく、荷物の収納量を一定に保つことができる。
【0032】
(2) 前記荷物収納ボックス13はラゲッジボックス3の前端部側と、ガイドレール31の側方の上方側とにわたって位置しているから、荷物収納ボックス13とリアシート1のスライド移動機構30との干渉を回避することができる。そして、荷物収納ボックス13の前端部をガイドレール31の後端よりも車両前方側Frに入り込ませることができて、荷物の収納量を大きくすることができる。
【0033】
(3) 荷物収納ボックス13は上側に開口し、スライドボード20及び前側ボード25が荷物収納ボックス13の開口部13Kを開閉自在に覆っているから、スライドボード20を前記第1薄肉ヒンジH1のヒンジ軸線を回転中心O1として上方に揺動回転させて開口部13Kを開口させることで、荷物収納ボックス13に荷物を出し入れすることができる(図4参照)。
さらに、スライドボード20に荷物を載置することができて荷物の収納量を増やすことができる。
そして、前記スライドボード20や荷物載置ボード15が後部荷室2に既に設けられている車体後部構造に本発明を適用する場合は、前記スライドボード20や荷物載置ボード15を新たに設ける必要がなく、荷物収納ボックス13を設けるだけで済むので、製作コストを低廉化することができる。
例えば、荷物収納ボックス13内の荷物が露出する構造では収納できる荷物の種類が限られるが、本発明の上記構成によれば、前記荷物載置ボード15が荷物収納ボックス13の開口部13Kを開閉自在に覆うから、荷物収納ボックス13内の荷物を見えなくすることができ、荷物収納ボックス13に収納できる荷物の種類を多くすることができる。
【0034】
(4) 前記リアシート1が車両後方側Rrのストローク端に位置した状態では、荷物収納ボックス13の開口部13Kが荷物を出し入れ可能な大きさに開口しないから、貴重品等の外部から隠しておきたい荷物などを収納しておくシークレットボックスとして荷物収納ボックス13を使用することができる。
【0035】
(5) 日常では使用しない工具、パンク修理キット、ファーストエイドキット等を前記荷物収納ボックス13に収納することで、通常出し入れする物品に対するラゲッジボックス3の収納量を増やすことができる。
【0036】
[別実施形態]
(1) 図5に示すように、本発明は前記リアシート1を備えた車両だけでなく、2シータ車の車体後部構造にも適用できる。
【0037】
(2) 前記荷物収納ボックス13の形状、大きさはガイドレール31の可動に支障の無い範囲であれば自由に設定することができる。できるだけ、広く荷物収納ボックス13の容積を確保したい場合は、リアシート1が左右独立して前後移動可能なシートについては、上記の実施形態のように、それぞれの左右一対のガイドレール31の間に、荷物収納ボックス13が収まるようにすれば良く、それぞれのリアシート1のシート幅方向内側のガイドレール31を避けた、中央が車両後方側Rrに凹んだ形状とすれば良い。
【0038】
(3) 図6に示すように、左右のシートが一体となったベンチタイプのシートでは、シート幅方向中央の下方にガイドレール31が設けられていない為、前記荷物収納ボックス13を左右のガイドレール31のみ避けた矩形状とすれば良い。この様に、本発明は、左右独立スライド式シートのみではなく、ベンチ式スライドシートにも応用することができる。
【0039】
(4) 上記の実施形態では、後部荷室2のフロア4に配置しているラゲッジボックス3の前側に荷物載置ボード15をラゲッジボックス3と一体に成形しているが、この構成に換えて、前記荷物載置ボード15をラゲッジボックス3とは別体に成形して後部荷室のフロア4に固定しても良い。
【0040】
(5) 前記荷物載置ボード15の前端の位置は、リアシート1を車両後方側Rrのストローク端(リヤモースト位置)に位置させた状態において、前記シートクッション5の前端より出ない範囲で車両前方側Frに配置することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 車両用シート(リアシート)
2 後部荷室
3 ラゲッジボックス
4 フロア
5 シートクッション
13 荷物収納ボックス
13K 荷物収納ボックスの開口部
15 荷物載置ボード
20 スライドボード
20A 前端部(スライドボードの前端部)
31 ガイドレール
O1 回転中心
Rr 車両後方側
S デッドスペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアに対して車両前後方向にスライド移動自在な車両用シートを備え、
前記車両用シートの後方の後部荷室にラゲッジボックスを備えている車体後部構造であって、
前記車両用シートの車両前後方向のストロークを確保するために形成された前記ラゲッジボックスの前方のデッドスペースに荷物収納ボックスが配置されている車体後部構造。
【請求項2】
前記車両用シートのシートクッションに設けられた被ガイド部が、前記フロアに設けられた車両前後方向に沿うガイドレールに対してスライド移動することで、前記車両用シートが前記フロアに対して車両前後方向にスライド移動し、
前記荷物収納ボックスは、前記ラゲッジボックスの前端部側と、前記ガイドレールの側方の上方側とにわたって位置している請求項1記載の車体後部構造。
【請求項3】
荷物を載置する荷物載置ボードが前記ラゲッジボックスに載置され、
前端部が前記車両用シートの後端部に連結し、前記フロアに対する前記車両用シートの車両前後方向のスライド移動に伴って前記荷物載置ボード上をスライド移動するスライドボードが設けられ、
前記スライドボードが前記前端部側のシート幅方向に沿う回転中心周りに回転自在に構成され、
前記荷物収納ボックスは上側に開口し、
前記スライドボードが前記荷物収納ボックスの開口部を開閉自在に覆う請求項1又は2記載の車体後部構造。
【請求項4】
前記車両用シートが車両後方側のストローク端に位置した状態では、前記荷物収納ボックスの開口部の一部又は全部が前記車両用シートの後ろ側下端部に覆われて、前記スライドボードを前記回転中心周りに上方に揺動回転させても、前記開口部が荷物を出し入れ可能な大きさに開口しない請求項3記載の車体後部構造。
【請求項5】
前記荷物収納ボックスは前記ラゲッジボックスに一体に成形されている請求項1〜4のいずれか一つに記載の車体後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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