説明

車体構造及び車体構造体

【課題】車両側突時におけるルーフの変形量を低減することのできる車体構造を提供する。
【解決手段】ルーフ3側とセンタピラー2側とを接続する接続部材7を、インフレータ6を介してルーフ3側とセンタピラー2側を接続することによって、車両側突時における衝突荷重をインフレータ6を介してルーフ3側へ伝達することが可能な構成とする。インフレータ6は所定の大きさを有していると共に、エアバッグに気体を供給するため強固に構成されている。従って、インフレータ6を介して荷重伝達することによって、強固なインフレータ6を荷重伝達部材の一部として機能させると共に、ルーフ3側のルーフセンタリンフォース11に対する荷重伝達の受面を拡大する。これによって、ルーフ変形の安定性を向上させ、車両側突時におけるルーフ3の変形量を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフにおける車体構造及び車体構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のルーフにおける車体構造として、例えば特開2008−18805号公報に記載されるように、ルーフを構成するルーフパネルの後端部にルーフリヤヘッダが取り付けられると共に、ルーフリヤヘッダを覆うように天井板がルーフパネルに取り付けられ、天井板とルーフパネルとの間においてルーフリヤヘッダにインフレータが取り付けられたものが知られている。
【特許文献1】特開2008−18805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような車体構造にあっては、ルーフパネルに取り付けられたルーフリヤヘッダにインフレータが固定されているため、インフレータの質量がルーフパネルに付加される。これによって、他車両が側方から衝突することにより、車幅方向内側へ向かう衝突荷重が入力される場合に、ルーフの車両下側への変形が大きくなる可能性があった。従って、ルーフの変形量を低減することが求められていた。また、ルーフの変形量を低減するために様々な補強部材を設けると、部品点数が増加して重量が増加してしまうと共に、補強部材取付のためのスペースが必要となり車内スペースが減少してしまう。従って、部品点数と重量の増加を抑制すること、及び車内スペースの減少を抑制することが求められていた。
【0004】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、車両側突時におけるルーフの変形量を低減することのできる車体構造を提供することを目的とする。また、ルーフの変形量を低減するための部品点数と重量の増加を抑制すると共に、車内スペースの減少を抑制することができる車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車体構造は、車両上側で水平方向に広がるルーフと、車幅方向の両端側で車両の上下方向に延在するピラーと、ルーフとピラーとの結合部分の車両内側に配置され、エアバッグに気体を供給するインフレータと、ルーフ側とピラー側とを接続する接続部材と、を備え、接続部材は、インフレータを介してルーフ側とピラーとを接続することを特徴とする。
【0006】
この車体構造では、ルーフ側とピラー側とを接続する接続部材が、インフレータを介して接続されているため、車両側突時における衝突荷重をインフレータを介してルーフ側へ伝達することが可能な構成となっている。インフレータは所定の大きさを有していると共に、エアバッグに気体を供給するため強固に構成されている。従って、インフレータを介して荷重伝達することによって、ルーフ側に対する荷重伝達の受面を拡大することができると共に、強固なインフレータを荷重伝達部材の一部として機能させることができる。これによって、ルーフ変形の安定性を向上させ、車両側突時におけるルーフの変形量を低減することができる。
【0007】
本発明に係る車体構造では、車両上側で水平方向に広がるルーフと、車幅方向の両端側で車両の上下方向に延在するピラーと、ルーフとピラーとの結合部分の車両内側に配置され、エアバッグに気体を供給するインフレータと、ルーフ側とピラー側とを接続する接続部材と、を備え、接続部材とインフレータとが一体化していることを特徴とする。
【0008】
この車体構造では、ルーフ側とピラー側とを接続する接続部材を設けることによって、ルーフの変形モードを安定させて車両側突時におけるルーフの変形量を低減することができる。更に、接続部材が、インフレータと一体化しているため、接続部材とインフレータを別々に取り付けた場合に比して、部品点数と重量を少なくすることができる。また、インフレータはルーフとピラーとの結合部分の車両内側に配置されているため、ルーフ側とピラー側とを接続する接続部材を設けた場合、接続部材を取り付けるためのスペースを確保するために、インフレータを接続部材と異なる位置に配置する必要があり、車内スペースの減少を招来していた。しかし、本発明では、接続部材とインフレータとを一体化しているため、接続部材を避けるためのインフレータの配置スペースを確保する必要がなくなり、車内スペースの減少を抑制することができる。以上によって、ルーフの変形量を低減するための部品点数と重量の増加を抑制すると共に、車内スペースの減少を抑制することができる。
【0009】
本発明に係る車体構造において、車幅方向に延在してルーフを構成するルーフセンタリンフォースと、ルーフの車幅方向の両端側で車両前後方向に延在するルーフサイドレールと、を更に備え、接続部材は、ピラー上方でルーフサイドレールに固定され、インフレータを支持するインフレータ支持部材と、インフレータに固定され、ルーフセンタリンフォースの車幅方向の端部に接続されるルーフセンタリンフォース用接続部材と、を有することが好ましい。このような構成とすることによって、接続部材は、車両側突時における衝撃荷重をインフレータを介してルーフセンタリンフォースへ伝達することが可能となると共に、インフレータと一体化することが可能となる。
【0010】
本発明に係る車体構造体は、他の部材のブラケットが一体化されたエアバッグモジュールを有することを特徴とする。
【0011】
この車体構造体では、他の部材のブラケットが一体化されたエアバッグモジュールを有している。従って、強固に構成されているエアバッグモジュールに他の部材のブラケットを一体化することによって、他の部材のブラケットを荷重伝達部材として機能させる際に、荷重伝達のための受面を拡大することができると共に、強固なエアバッグモジュールを荷重伝達部材の一部として機能させることができる。これによって、車体の変形量を低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車体構造によれば、車両側突時におけるルーフの変形量を低減することができる。また、ルーフの変形量を低減するための部品点数と重量の増加を抑制すると共に、車内スペースの減少を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る車体構造の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、本明細書中において、車両が直前進している際の前方方向を「前方」と定め、「前」「後」等の方向を表す語を用いることとする。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車体構造を、車室空間内から見た図であり、図2は、図1に示すII−II線に沿った断面図である。図1及び図2には、車両の車幅方向の一方側のみの構造が示されている。また、図1においては、紙面右側を前方とし、紙面左側を後方とする。
【0015】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る車体構造1は、センタピラー2と、ルーフ3と、ルーフサイドレール4と、インフレータ6と、接続部材7とを備えて構成されている。なお、本実施形態ではセンタピラー2における車体構造について説明するが、センタピラー2に限らず、リアピラーやフロントピラーなどの全てのピラーに対して適用可能である。
【0016】
センタピラー2は、車幅方向の両側の車両前後方向略中央に配置されると共に車両の上下方向に延在する部材であり、センタピラーアウタリンフォース8とセンタピラーインナ9とを向かい合わせて溶接することによって構成され、その下部が車両下側で延在するロッカ(不図示)に連結される。
【0017】
ルーフ3は、車両上側で水平方向に拡がり車体天井として機能するものであり、車両前後方向略中央で車幅方向に延在するルーフセンタリンフォース11及びルーフセンタリンフォースアッパ12を平板状のルーフパネル15の下面に溶接することによって構成される。ルーフセンタリンフォース11は、断面略W字型に形成されており、車両下側に突出する二つの凸部11a,11bと、凸部11a及び凸部11bの間で車両上方に窪む凹部11cとを備えている。ルーフセンタリンフォース11の凸部11a,11bはルーフセンタリンフォースアッパ12との間で閉断面を構成している。
【0018】
ルーフサイドレール4は、ルーフ3の車幅方向の両側で車両前後方向に延在し断面略台形状の閉断面を構成する部材であり、センタピラー2とルーフ3との間に位置し、これらを結合するものである。このルーフサイドレール4は、ルーフサイドレールアウタ14とルーフサイドレールインナ13とを向かい合わせて溶接することによって構成され、ルーフ3側の溶接端部がルーフ3の溶接部において連結されると共にセンタピラー2側の溶接端部がセンタピラー2に連結される。また、ルーフサイドレール4の車両外側には、センタピラー2のセンタピラーアウタリンフォース8とルーフサイドレール4を覆うようにサイドアウタパネル16が配置されている。
【0019】
インフレータ6は、ルーフ3とセンタピラー2との結合部分、すなわちルーフサイドレール4の車両内側に配置され、車両前後方向に延在する円柱状部材である。このインフレータ6は、車室空間横側のカーテンエアバッグ(不図示)に気体を供給する機能を有しており、内部が高圧となるため、周囲の鋼板よりも強固に構成されている。インフレータ6は、ルーフセンタリンフォース11の車幅方向端部よりも低い位置に配置されている。このインフレータ6はエアバッグモジュールの一部を構成するものである。
【0020】
接続部材7は、ルーフ3側のルーフセンタリンフォース11とセンタピラー2側のルーフサイドレール4とを接続するものであり、インフレータ6と一体化して構成されていると共に、インフレータ6を介してルーフ3側とセンタピラー2側を接続することによって、車両側突時における衝突荷重をルーフ3側へ伝達し、変形モードを安定させてルーフ3の変形量を低減する機能を有している。接続部材7は、センタピラー2の上端部の上方でルーフサイドレール4に固定され、インフレータ6を下方から支持するインフレータ取付ブラケット(インフレータ支持部材)17と、インフレータ6に固定され、ルーフセンタリンフォース11の車幅方向の端部と接続されるルーフセンタリンフォース用ブラケット(ルーフセンタリンフォース用接続部材)18と、を有している。
【0021】
インフレータ取付ブラケット17は、ルーフサイドレール4のルーフサイドレールインナ13において、センタピラー2の車両前後方向の両端部の上側の位置に一つずつ設けられている。インフレータ取付ブラケット17は、鋼板を板金加工することによって形成されており、インフレータ6の周面と下方から面接触するように湾曲する支持部17aと、支持部17aの車幅方向外側端部から車幅方向外側に突出してルーフサイドレール4のルーフサイドレールインナ13の内側面と面接触するように下方へ拡がり、固定ボルト19を介して固定される固定部17bとを備えて構成されている。
【0022】
ルーフセンタリンフォース用ブラケット18は、インフレータ6において、車両前後方向の略中央位置、すなわちセンタピラー2及びルーフセンタリンフォース11と対応する位置に設けられている。ルーフセンタリンフォース用ブラケット18は、インフレータ6の上側の周面と面接触すると共に溶接あるいはボルト締めによって固定される本体部18aと、本体部18aの上端部において車両前後方向両端に形成された突出部18b,18cと、突出部18bと突出部18cとの間に形成された突出部18dとを備えて構成されている。
【0023】
突出部18bは、本体部18aの上端部の車両後側の端部から車幅方向内側へ突出すると共に、ルーフセンタリンフォース11の凸部11aとルーフセンタリンフォースアッパ12との間で構成される閉断面内に、ルーフセンタリンフォース11の車幅方向外側の端部から入り込むように形成されている。また、突出部18cは、本体部18aの上端部の車両前側の端部から車幅方向内側へ突出すると共に、ルーフセンタリンフォース11の凸部11bとルーフセンタリンフォースアッパ12との間で構成される閉断面内に、ルーフセンタリンフォース11の車幅方向外側の端部から入り込むように形成されている。これによって、突出部18b,18cは、ルーフセンタリンフォースアッパ12と共にルーフセンタリンフォース11の落下を受け止めることができる。
【0024】
突出部18dは、本体部18aの車両前後方向中央位置から車幅方向内側へ突出すると共に、ルーフセンタリンフォース11の凹部11cの底面と対向するように形成されている。これによって、突出部18dは、ルーフセンタリンフォース11の落下を受け止めることができる。
【0025】
次に、本実施形態に係る車体構造1の作用・効果について説明する。
【0026】
まず、車両側面に他車両が側突すると、センタピラー2に車幅方向内側へ向かう衝突荷重が入力される。衝突荷重が入力されることによって、センタピラー2が車幅方向内側へ変形し、それに伴って、センタピラー2上方のルーフサイドレール4も車幅方向内側へ移動する。ルーフサイドレール4の移動に伴って接続部材7も移動し、これによって、ルーフセンタリンフォース用ブラケット18の突出部18b,18cと突出部18dと本体部18aとの間にルーフセンタリンフォース11の車幅方向外側の端部が噛み合うと共に、ルーフセンタリンフォース11に軸方向に衝突荷重が入力される。
【0027】
特に、この車体構造1では、ルーフ3側とセンタピラー2側とを接続する接続部材7が、インフレータ6を介して接続されているため、車両側突時における衝突荷重をインフレータ6を介してルーフ3側へ伝達することが可能な構成となっている。また、インフレータ6は所定の大きさを有していると共に、エアバッグに気体を供給するため強固に構成されている。従って、インフレータ6を介して荷重伝達することによって、ルーフ3側のルーフセンタリンフォース11に対する荷重伝達の受面を拡大することができると共に、強固なインフレータ6を荷重伝達部材の一部として機能させることができる。これによって、ルーフ変形の安定性を向上させ、車両側突時におけるルーフ3の変形量を低減することができる。また、車両側突時にルーフセンタリンフォース11がルーフセンタリンフォース用ブラケット18から外れた場合に、インフレータ6自体を落下防止部材として機能させることができる。
【0028】
また、この車体構造1では、接続部材7が、インフレータ6と一体化しているため、接続部材7とインフレータ6を別々に取り付けた場合に比して、部品点数と重量を少なくすることができる。また、インフレータ6はルーフ3とセンタピラー2との接続部分の車両内側に配置されているため、ルーフ3側とセンタピラー2側とを接続する接続部材7を設けた場合、接続部材を取り付けるためのスペースを確保するために、インフレータ6を接続部材と異なる位置に配置する必要があり、車内スペースの減少を招来していた。しかし、本実施形態では、接続部材7とインフレータ6とを一体化しているため、接続部材7を避けるためのインフレータ6の配置スペースを確保する必要がなくなり、車内スペースの減少を抑制することができる。以上によって、ルーフ3の変形量を低減するための部品点数と重量の増加を抑制すると共に、車内スペースの減少を抑制することができる。
【0029】
また、本実施形態に係る車体構造1において、接続部材7は、センタピラー2上方でルーフサイドレール4に固定され、インフレータ6を支持するインフレータ取付ブラケット17と、インフレータ6に固定され、ルーフセンタリンフォースの車幅方向の端部を支持するルーフセンタリンフォース用ブラケット18と、を有している。このような構成とすることによって、接続部材7は、車両側突時における衝撃荷重をインフレータ6を介してルーフセンタリンフォース11へ伝達することが可能となると共に、インフレータ6と一体化されることが可能となる。
【0030】
また、本実施形態に係る車体構造1では、インフレータ6などを含んで構成されるエアバッグモジュールにルーフセンタリンフォース用ブラケット18などの他の部材のブラケットを一体化した構成となっている。このような車体構造1では、強固に構成されているエアバッグモジュールにルーフセンタリンフォース用ブラケット18などの他の部材のブラケットを一体化することによって、他の部材のブラケットを荷重伝達部材として機能させる際に、荷重伝達のための受面を拡大することができると共に、強固なエアバッグモジュールを荷重伝達部材の一部として機能させることができる。これによって、車体の変形量を低減することができる。また、車内スペースの減少を抑制することもできる。なお、「他の部材のブラケット」とはエアバッグモジュール自体を車体に取り付けるためのブラケットとは異なるものである。例えば、本実施形態では、ルーフ3を支持して荷重伝達を行うものとして機能するルーフセンタリンフォース用ブラケット18などが該当する。
【0031】
ここで、比較のため、従来の車体構造について説明する。図3は、従来の車体構造30の断面図であり、図2に対応する図である。図3においては、本発明の実施形態に係る車体構造1におけるインフレータ6の位置が一点鎖線で示されている。図3に示すように、従来の車体構造30における接続部材は、インフレータ6とは別体とされたルーフセンタリンフォース用ブラケット38のみから構成されており、このルーフセンタリンフォース用ブラケット38は、本体部38a、突出部38b,38c及び突出部38dの他に、ルーフサイドレール4のルーフサイドレールインナ13とボルトを介して固定される固定部38eを備えて構成される。このように、ルーフセンタリンフォース用ブラケット38がルーフサイドレールインナ13に直接固定されるため、固定部38eとの干渉を避けるべく、インフレータ6の位置を図中の距離Aだけ車両下側へ移動させ、それに伴ってインフレータ取付ブラケット17も車両下側へ移動させる必要がある。以上のように、従来の車体構造では、ルーフセンタリンフォース11を固定するためのボルトが必要となると共に、ルーフサイドレールインナ13に固定するための固定部38eを形成する必要があり、部品点数と重量が増加する。更に、インフレータ6とインフレータ取付ブラケット17を車両下側に移動させる必要があるため、車内スペースも減少する。
【0032】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る車体構造について説明する。第2の実施形態に係る車体構造40は、ルーフセンタリンフォース用ブラケットの突出部を互いに別体としてインフレータ6に直接固定した点で、第1の実施形態に係る車体構造1と主に相違している。図4は、第2の実施形態に係る車体構造40を示す断面図であり、図2に対応する図である。
【0033】
車体構造40の接続部材は、インフレータ取付ブラケット17で支持されるインフレータ6の上側周面に、一対の突出部材42を固定すると共に、突出部材41を固定することによって構成されている。具体的には、突出部材42は、板状部材から構成され、インフレータ6の上側周面から車幅方向内側へ突出すると共に、ルーフセンタリンフォース11の凸部11a,11bとルーフセンタリンフォースアッパ12との間で構成される閉断面内に、ルーフセンタリンフォース11の車幅方向外側の端部から入り込むようにそれぞれ形成されている。また、突出部材41は、板状部材から構成され、インフレータ6の上側周面から車幅方向内側へ突出すると共に、ルーフセンタリンフォース11の凹部11cの底面と対向するように形成されている。
【0034】
このような車体構造40によれば、突出部材41,42を直接インフレータ6に固定することによって、更に重量の増加を抑制すると共に、車内スペースの減少を抑制することができる。
【0035】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0036】
例えば、接続部材のルーフセンタリンフォース用ブラケットは、本実施形態のような構成に限らず、インフレータ6にボルト締めあるいは溶接によって固定されている一枚の鋼板に対し、その車幅方向内側の端部に折曲加工及び切断加工を施して爪部を形成することで突出部18b,18c及び突出部18dを設けるような構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車体構造を、車室空間内から見た図である。
【図2】図1に示すII−II線に沿った断面図である。
【図3】従来の車体構造の断面図であり、図2に対応する図である。
【図4】第2の実施形態に係る車体構造を示す断面図であり、図2に対応する図である。
【符号の説明】
【0038】
1,40…車体構造、2…センタピラー(ピラー)、3…ルーフ、4…ルーフサイドレール、6…インフレータ、7…接続部材、11…ルーフセンタリンフォース、17…インフレータ取付ブラケット(インフレータ支持部材)、18…ルーフセンタリンフォース用ブラケット(ルーフセンタリンフォース用接続部材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両上側で水平方向に広がるルーフと、
車幅方向の両端側で車両の上下方向に延在するピラーと、
前記ルーフと前記ピラーとの結合部分の車両内側に配置され、エアバッグに気体を供給するインフレータと、
前記ルーフ側と前記ピラー側とを接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、前記インフレータを介して前記ルーフ側と前記ピラーとを接続することを特徴とする車体構造。
【請求項2】
車両上側で水平方向に広がるルーフと、
車幅方向の両端側で車両の上下方向に延在するピラーと、
前記ルーフと前記ピラーとの結合部分の車両内側に配置され、エアバッグに気体を供給するインフレータと、
前記ルーフ側と前記ピラー側とを接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材と前記インフレータとが一体化していることを特徴とする車体構造。
【請求項3】
車幅方向に延在して前記ルーフを構成するルーフセンタリンフォースと、
前記ルーフの車幅方向の両端側で車両前後方向に延在するルーフサイドレールと、を更に備え、
前記接続部材は、
前記ピラー上方で前記ルーフサイドレールに固定され、前記インフレータを支持するインフレータ支持部材と、
前記インフレータに固定され、ルーフセンタリンフォースの車幅方向の端部に接続されるルーフセンタリンフォース用接続部材と、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の車体構造。
【請求項4】
他の部材のブラケットが一体化されたエアバッグモジュールを有することを特徴とする車体構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−95088(P2010−95088A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266564(P2008−266564)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】