車体構造
【課題】高い衝撃吸収性能を発揮することができる車体構造を提供する。
【解決手段】本発明の車体構造10は、環状に形成されると共に、弾性を有するベースフレーム12と、それぞれ環状に形成されると共に、弾性を有し、且つ、ベースフレーム12とで四面体状を成すようにベースフレーム12上に配置されてベースフレーム12に結合されると共に、ベースフレーム12の周方向に隣り合う同士が互いに結合された三つのアッパフレーム14,16,18とを備えている。
【解決手段】本発明の車体構造10は、環状に形成されると共に、弾性を有するベースフレーム12と、それぞれ環状に形成されると共に、弾性を有し、且つ、ベースフレーム12とで四面体状を成すようにベースフレーム12上に配置されてベースフレーム12に結合されると共に、ベースフレーム12の周方向に隣り合う同士が互いに結合された三つのアッパフレーム14,16,18とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、環状の車体骨格部材と、この車体骨格部の上側に形成された車室部とを備えた車体構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−23706号公報
【特許文献2】米国特許第4810028号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の車体構造では、高い衝撃吸収性能を発揮できることが必要である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、高い衝撃吸収性能を発揮することができる車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車体構造は、環状に形成されると共に、弾性を有するベースフレームと、それぞれ環状に形成されると共に、弾性を有し、且つ、前記ベースフレームとで四面体状を成すように前記ベースフレーム上に配置されて前記ベースフレームに結合されると共に、前記ベースフレームの周方向に隣り合う同士が互いに結合された三つのアッパフレームと、を備えている。
【0007】
この車体構造によれば、ベースフレームと三つのアッパフレームとが四面体を成すように配置された状態で互いに結合されている。従って、この車体構造に対し、どの方向から衝突荷重が入力された場合でも、この衝突荷重がベースフレーム及び三つのアッパフレームの全体に伝達(分散)されて、これらの全体が弾性変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。これにより、高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0008】
請求項2に記載の車体構造は、請求項1に記載の車体構造において、前記ベースフレームが、車両水平方向と平行に配置され、前記三つのアッパフレームが、車両幅方向に延在されて、前記ベースフレームの車両前後方向前側部に配置された第一アッパフレームと、前記第一アッパフレームの車両前後方向後側に配置されると共に、前記ベースフレームの車両幅方向中央部を中心とする面対称に形成された一対の第二アッパフレームとによって構成されたものである。
【0009】
この車体構造によれば、例えば、車両前面衝突時に、ベースフレーム及び第一アッパフレームに対し、車両前方から衝突荷重が入力された場合でも、この衝突荷重を一対の第二アッパフレームに伝達(分散)することができる。これにより、ベースフレーム及び第一アッパフレームに加えて、一対の第二アッパフレームも弾性変形させることができるので、衝突エネルギをより多く吸収することができ、車両前面衝突時における高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0010】
請求項3に記載の車体構造は、請求項1又は請求項2に記載の車体構造において、前記ベースフレーム及び前記三つのアッパフレームが、それぞれ繊維強化樹脂によって形成された構成とされている。
【0011】
この車体構造によれば、ベースフレーム及び三つのアッパフレームとは、それぞれ繊維強化樹脂によって形成されているので、高い衝撃吸収性能を発揮しつつ、車体を軽量化することができる。
【0012】
請求項4に記載の車体構造は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車体構造において、前記ベースフレームの車両外側に設けられた衝撃吸収部材をさらに備えている。
【0013】
この車体構造によれば、ベースフレームの車両外側には、衝撃吸収部材が設けられているので、衝撃吸収性能をより向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の車体構造は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車体構造において、前記ベースフレームと、前記三つのアッパフレームとによって構成された車体ユニットが複数組み合わされて構成されたものである。
【0015】
この車体構造によれば、ベースフレームと、三つのアッパフレームとによって構成された車体ユニットが複数組み合わされて構成されているので、高い衝撃吸収性能を発揮しつつ、車室用のスペースも拡大することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上詳述したように、本発明によれば、高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る車体構造の斜視図である。
【図2】図1に示される車体構造の正面図である。
【図3】図1に示される車体構造の側面図である。
【図4】図1に示される車体構造の平面図である。
【図5】図1に示される車体構造を展開した状態を模式的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す図5に対応する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0019】
なお、各図において示される矢印UP、矢印FR、矢印OUTは、車両上下方向上側、車両前後方向前側、車両幅方向外側(左側)をそれぞれ示している。
【0020】
図1〜図5に示されるように、本発明の一実施形態に係る車体構造10は、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とを備えている。
【0021】
このベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とは、それぞれ円形又は楕円形の環状に形成されると共に、例えばFRP(GFRPやCFRP)のような繊維強化樹脂等の弾性を有する中空体又は中実体によって形成されている。
【0022】
なお、この各フレームは、それぞれ棒状の中空パイプを曲げて形成された構成とされていると、製造が容易で且つ材料も少なくて済むので好適である。また、この各フレームは、中空に形成されていると、曲げ強度が増し軽量化することができるので好適である。
【0023】
ベースフレーム12は、車両水平方向と平行に配置されており、その四方には、車輪20が配置されている。
【0024】
第一アッパフレーム14及び一対の第二アッパフレーム16,18は、ベースフレーム12の周方向に隣り合って並べられると共に、ベースフレーム12とで四面体状を成すように、ベースフレーム12上に配置されている。
【0025】
なお、この場合の四面体状を成すとは、ベースフレーム12、第一アッパフレーム14、及び、一対の第二アッパフレーム16,19をそれぞれ面に見立てた場合に、これらのフレームが四面体を構成するように配置されていることを言う。
【0026】
また、第一アッパフレーム14は、車両幅方向に延在されて、ベースフレーム12の車両前後方向前側部に配置されている。
【0027】
一方、一対の第二アッパフレーム16,18は、第一アッパフレーム14の車両前後方向後側に配置されると共に、ベースフレーム12の車両幅方向中央部を中心とする面対称に形成されている。
【0028】
そして、ベースフレーム12は、結合部22により第一アッパフレーム14と結合されると共に、結合部24により一方の第二アッパフレーム16と結合され、結合部26により他方の第二アッパフレーム18と結合されている。
【0029】
また、第一アッパフレーム14と一方の第二アッパフレーム16とは、結合部28により結合され、第一アッパフレーム14と他方の第二アッパフレーム18とは、結合部30により結合され、一対の第二アッパフレーム16,18は、互いに結合部32により結合されている。なお、各フレームの結合には、例えば、接着剤等が用いられると好適である。
【0030】
以上、本発明の一実施形態に係る車体構造10の構成について説明したが、本実施形態において、第一アッパフレーム14及び一対の第二アッパフレーム16,18は、本発明における三つのアッパフレームを構成している。
【0031】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0032】
この車体構造10によれば、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とが四面体を成すように配置された状態で互いに結合されている。従って、この車体構造10に対し、どの方向から衝突荷重が入力された場合でも、この衝突荷重がベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18の全体に伝達(分散)されて、これらの全体が弾性変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。これにより、高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0033】
特に、例えば、車両前面衝突時に、ベースフレーム12及び第一アッパフレーム14に対し、車両前方から衝突荷重が入力された場合でも、この衝突荷重を一対の第二アッパフレーム16,18に伝達(分散)することができる。これにより、ベースフレーム12及び第一アッパフレーム14に加えて、一対の第二アッパフレーム16,18も弾性変形させることができるので、衝突エネルギをより多く吸収することができ、車両前面衝突時における高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0034】
また、車両が横転した場合でも、天井に入力された荷重を第一アッパフレーム14及び一対の第二アッパフレーム16,18からベースフレーム12に伝達(分散)することができる。これにより、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18の全体が弾性変形されるので、車両横転時における高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0035】
また、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とは、それぞれ繊維強化樹脂によって形成されているので、高い衝撃吸収性能を発揮しつつ、車体を軽量化することができる。
【0036】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0037】
上記実施形態において、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とは、弾性を有する金属材料によって形成されていても良い。なお、各フレームの結合には、溶接や、ボルト等の締結具が用いられると好適である。
【0038】
また、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とは、互いに一箇所の結合部で結合されていたが、互いに二箇所の結合部で結合されていても良い。
【0039】
すなわち、図6に示されるように、ベースフレーム12は、結合部22A,22Bにより第一アッパフレーム14と結合されると共に、結合部24A,24Bにより一方の第二アッパフレーム16と結合され、結合部26A,26Bにより他方の第二アッパフレーム18と結合されても良い。
【0040】
また、第一アッパフレーム14と一方の第二アッパフレーム16とは、結合部28A,28Bにより結合され、第一アッパフレーム14と他方の第二アッパフレーム18とは、結合部30A,30Bにより結合され、一対の第二アッパフレーム16,18は、互いに結合部32A,32Bにより結合されても良い。
【0041】
また、図7に示されるように、ベースフレーム12の車両外側、すなわち、この場合、車両前後方向前側及び後側と、車両幅方向両側とには、衝撃吸収部材34がそれぞれ設けられていても良い。
【0042】
このように構成されていると、衝撃吸収性能をより向上させることができる。
【0043】
また、車体構造10は、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とを備えて構成されていたが、必要に応じて、その他のフレームや補強部材が追加されても良い。
【0044】
また、上記実施形態において、車体構造10は、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とによって構成された車体ユニットが複数組み合わされた構成とされていても良い。
【0045】
つまり、例えば、図8,図9に示されるように、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とによって構成された車体ユニット40が車両前後方向に並んで複数配置されていても良く、また、図10,図11に示されるように、複数の車体ユニット40が車両幅方向に並んで複数配置されていても良い。
【0046】
さらに、図12に示されるように、複数の車体ユニット40がマトリックス状に配置されていても良く、また、図13,図14に示されるように、複数の車体ユニット40がピラミッド状に配置されていても良い。また、図15に示されるように、複数の車体ユニット40が十字状に配置されていても良い。
【0047】
なお、上述の各変形例において、複数の車体ユニット40のうち隣り合う車体ユニットは、互いに結合されている。
【0048】
また、図16に示されるように、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とが車体ユニット40Aを構成すると共に、この車体ユニット40Aを構成する第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とに、それぞれ第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とが設けられて車体ユニット40Bが構成されていても良い。
【0049】
なお、この変形例において、車体ユニット40Aを構成する第一アッパフレーム14、第二アッパフレーム16、第二アッパフレーム18は、各車体ユニット40Bのベースフレーム12を構成している。
【0050】
また、特に図示しないが、図8〜図16に示される変形例においても、ベースフレーム12(ベースフレームが複数配列されている場合には、車両最外部に位置するベースフレーム)の車両外側に衝撃吸収部材(図7参照)が設けられても良い。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10 車体構造
12 ベースフレーム
14 第一アッパフレーム(アッパフレーム)
16,18 第二アッパフレーム(アッパフレーム)
40,40A,40B 車体ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、環状の車体骨格部材と、この車体骨格部の上側に形成された車室部とを備えた車体構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−23706号公報
【特許文献2】米国特許第4810028号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の車体構造では、高い衝撃吸収性能を発揮できることが必要である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、高い衝撃吸収性能を発揮することができる車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車体構造は、環状に形成されると共に、弾性を有するベースフレームと、それぞれ環状に形成されると共に、弾性を有し、且つ、前記ベースフレームとで四面体状を成すように前記ベースフレーム上に配置されて前記ベースフレームに結合されると共に、前記ベースフレームの周方向に隣り合う同士が互いに結合された三つのアッパフレームと、を備えている。
【0007】
この車体構造によれば、ベースフレームと三つのアッパフレームとが四面体を成すように配置された状態で互いに結合されている。従って、この車体構造に対し、どの方向から衝突荷重が入力された場合でも、この衝突荷重がベースフレーム及び三つのアッパフレームの全体に伝達(分散)されて、これらの全体が弾性変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。これにより、高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0008】
請求項2に記載の車体構造は、請求項1に記載の車体構造において、前記ベースフレームが、車両水平方向と平行に配置され、前記三つのアッパフレームが、車両幅方向に延在されて、前記ベースフレームの車両前後方向前側部に配置された第一アッパフレームと、前記第一アッパフレームの車両前後方向後側に配置されると共に、前記ベースフレームの車両幅方向中央部を中心とする面対称に形成された一対の第二アッパフレームとによって構成されたものである。
【0009】
この車体構造によれば、例えば、車両前面衝突時に、ベースフレーム及び第一アッパフレームに対し、車両前方から衝突荷重が入力された場合でも、この衝突荷重を一対の第二アッパフレームに伝達(分散)することができる。これにより、ベースフレーム及び第一アッパフレームに加えて、一対の第二アッパフレームも弾性変形させることができるので、衝突エネルギをより多く吸収することができ、車両前面衝突時における高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0010】
請求項3に記載の車体構造は、請求項1又は請求項2に記載の車体構造において、前記ベースフレーム及び前記三つのアッパフレームが、それぞれ繊維強化樹脂によって形成された構成とされている。
【0011】
この車体構造によれば、ベースフレーム及び三つのアッパフレームとは、それぞれ繊維強化樹脂によって形成されているので、高い衝撃吸収性能を発揮しつつ、車体を軽量化することができる。
【0012】
請求項4に記載の車体構造は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車体構造において、前記ベースフレームの車両外側に設けられた衝撃吸収部材をさらに備えている。
【0013】
この車体構造によれば、ベースフレームの車両外側には、衝撃吸収部材が設けられているので、衝撃吸収性能をより向上させることができる。
【0014】
請求項5に記載の車体構造は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車体構造において、前記ベースフレームと、前記三つのアッパフレームとによって構成された車体ユニットが複数組み合わされて構成されたものである。
【0015】
この車体構造によれば、ベースフレームと、三つのアッパフレームとによって構成された車体ユニットが複数組み合わされて構成されているので、高い衝撃吸収性能を発揮しつつ、車室用のスペースも拡大することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上詳述したように、本発明によれば、高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る車体構造の斜視図である。
【図2】図1に示される車体構造の正面図である。
【図3】図1に示される車体構造の側面図である。
【図4】図1に示される車体構造の平面図である。
【図5】図1に示される車体構造を展開した状態を模式的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す図5に対応する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る車体構造の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0019】
なお、各図において示される矢印UP、矢印FR、矢印OUTは、車両上下方向上側、車両前後方向前側、車両幅方向外側(左側)をそれぞれ示している。
【0020】
図1〜図5に示されるように、本発明の一実施形態に係る車体構造10は、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とを備えている。
【0021】
このベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とは、それぞれ円形又は楕円形の環状に形成されると共に、例えばFRP(GFRPやCFRP)のような繊維強化樹脂等の弾性を有する中空体又は中実体によって形成されている。
【0022】
なお、この各フレームは、それぞれ棒状の中空パイプを曲げて形成された構成とされていると、製造が容易で且つ材料も少なくて済むので好適である。また、この各フレームは、中空に形成されていると、曲げ強度が増し軽量化することができるので好適である。
【0023】
ベースフレーム12は、車両水平方向と平行に配置されており、その四方には、車輪20が配置されている。
【0024】
第一アッパフレーム14及び一対の第二アッパフレーム16,18は、ベースフレーム12の周方向に隣り合って並べられると共に、ベースフレーム12とで四面体状を成すように、ベースフレーム12上に配置されている。
【0025】
なお、この場合の四面体状を成すとは、ベースフレーム12、第一アッパフレーム14、及び、一対の第二アッパフレーム16,19をそれぞれ面に見立てた場合に、これらのフレームが四面体を構成するように配置されていることを言う。
【0026】
また、第一アッパフレーム14は、車両幅方向に延在されて、ベースフレーム12の車両前後方向前側部に配置されている。
【0027】
一方、一対の第二アッパフレーム16,18は、第一アッパフレーム14の車両前後方向後側に配置されると共に、ベースフレーム12の車両幅方向中央部を中心とする面対称に形成されている。
【0028】
そして、ベースフレーム12は、結合部22により第一アッパフレーム14と結合されると共に、結合部24により一方の第二アッパフレーム16と結合され、結合部26により他方の第二アッパフレーム18と結合されている。
【0029】
また、第一アッパフレーム14と一方の第二アッパフレーム16とは、結合部28により結合され、第一アッパフレーム14と他方の第二アッパフレーム18とは、結合部30により結合され、一対の第二アッパフレーム16,18は、互いに結合部32により結合されている。なお、各フレームの結合には、例えば、接着剤等が用いられると好適である。
【0030】
以上、本発明の一実施形態に係る車体構造10の構成について説明したが、本実施形態において、第一アッパフレーム14及び一対の第二アッパフレーム16,18は、本発明における三つのアッパフレームを構成している。
【0031】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0032】
この車体構造10によれば、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とが四面体を成すように配置された状態で互いに結合されている。従って、この車体構造10に対し、どの方向から衝突荷重が入力された場合でも、この衝突荷重がベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18の全体に伝達(分散)されて、これらの全体が弾性変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。これにより、高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0033】
特に、例えば、車両前面衝突時に、ベースフレーム12及び第一アッパフレーム14に対し、車両前方から衝突荷重が入力された場合でも、この衝突荷重を一対の第二アッパフレーム16,18に伝達(分散)することができる。これにより、ベースフレーム12及び第一アッパフレーム14に加えて、一対の第二アッパフレーム16,18も弾性変形させることができるので、衝突エネルギをより多く吸収することができ、車両前面衝突時における高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0034】
また、車両が横転した場合でも、天井に入力された荷重を第一アッパフレーム14及び一対の第二アッパフレーム16,18からベースフレーム12に伝達(分散)することができる。これにより、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18の全体が弾性変形されるので、車両横転時における高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
【0035】
また、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とは、それぞれ繊維強化樹脂によって形成されているので、高い衝撃吸収性能を発揮しつつ、車体を軽量化することができる。
【0036】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0037】
上記実施形態において、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とは、弾性を有する金属材料によって形成されていても良い。なお、各フレームの結合には、溶接や、ボルト等の締結具が用いられると好適である。
【0038】
また、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とは、互いに一箇所の結合部で結合されていたが、互いに二箇所の結合部で結合されていても良い。
【0039】
すなわち、図6に示されるように、ベースフレーム12は、結合部22A,22Bにより第一アッパフレーム14と結合されると共に、結合部24A,24Bにより一方の第二アッパフレーム16と結合され、結合部26A,26Bにより他方の第二アッパフレーム18と結合されても良い。
【0040】
また、第一アッパフレーム14と一方の第二アッパフレーム16とは、結合部28A,28Bにより結合され、第一アッパフレーム14と他方の第二アッパフレーム18とは、結合部30A,30Bにより結合され、一対の第二アッパフレーム16,18は、互いに結合部32A,32Bにより結合されても良い。
【0041】
また、図7に示されるように、ベースフレーム12の車両外側、すなわち、この場合、車両前後方向前側及び後側と、車両幅方向両側とには、衝撃吸収部材34がそれぞれ設けられていても良い。
【0042】
このように構成されていると、衝撃吸収性能をより向上させることができる。
【0043】
また、車体構造10は、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とを備えて構成されていたが、必要に応じて、その他のフレームや補強部材が追加されても良い。
【0044】
また、上記実施形態において、車体構造10は、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とによって構成された車体ユニットが複数組み合わされた構成とされていても良い。
【0045】
つまり、例えば、図8,図9に示されるように、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とによって構成された車体ユニット40が車両前後方向に並んで複数配置されていても良く、また、図10,図11に示されるように、複数の車体ユニット40が車両幅方向に並んで複数配置されていても良い。
【0046】
さらに、図12に示されるように、複数の車体ユニット40がマトリックス状に配置されていても良く、また、図13,図14に示されるように、複数の車体ユニット40がピラミッド状に配置されていても良い。また、図15に示されるように、複数の車体ユニット40が十字状に配置されていても良い。
【0047】
なお、上述の各変形例において、複数の車体ユニット40のうち隣り合う車体ユニットは、互いに結合されている。
【0048】
また、図16に示されるように、ベースフレーム12と、第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とが車体ユニット40Aを構成すると共に、この車体ユニット40Aを構成する第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とに、それぞれ第一アッパフレーム14と、一対の第二アッパフレーム16,18とが設けられて車体ユニット40Bが構成されていても良い。
【0049】
なお、この変形例において、車体ユニット40Aを構成する第一アッパフレーム14、第二アッパフレーム16、第二アッパフレーム18は、各車体ユニット40Bのベースフレーム12を構成している。
【0050】
また、特に図示しないが、図8〜図16に示される変形例においても、ベースフレーム12(ベースフレームが複数配列されている場合には、車両最外部に位置するベースフレーム)の車両外側に衝撃吸収部材(図7参照)が設けられても良い。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10 車体構造
12 ベースフレーム
14 第一アッパフレーム(アッパフレーム)
16,18 第二アッパフレーム(アッパフレーム)
40,40A,40B 車体ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に形成されると共に、弾性を有するベースフレームと、
それぞれ環状に形成されると共に、弾性を有し、且つ、前記ベースフレームとで四面体状を成すように前記ベースフレーム上に配置されて前記ベースフレームに結合されると共に、前記ベースフレームの周方向に隣り合う同士が互いに結合された三つのアッパフレームと、
を備えた車体構造。
【請求項2】
前記ベースフレームは、車両水平方向と平行に配置され、
前記三つのアッパフレームは、
車両幅方向に延在されて、前記ベースフレームの車両前後方向前側部に配置された第一アッパフレームと、
前記第一アッパフレームの車両前後方向後側に配置されると共に、前記ベースフレームの車両幅方向中央部を中心とする面対称に形成された一対の第二アッパフレームとによって構成されている、
請求項1に記載の車体構造。
【請求項3】
前記ベースフレーム及び前記三つのアッパフレームは、それぞれ繊維強化樹脂によって形成されている、
請求項1又は請求項2に記載の車体構造。
【請求項4】
前記ベースフレームの車両外側に設けられた衝撃吸収部材を備えた、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車体構造。
【請求項5】
前記ベースフレームと、前記三つのアッパフレームとによって構成された車体ユニットが複数組み合わされて構成されている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車体構造。
【請求項1】
環状に形成されると共に、弾性を有するベースフレームと、
それぞれ環状に形成されると共に、弾性を有し、且つ、前記ベースフレームとで四面体状を成すように前記ベースフレーム上に配置されて前記ベースフレームに結合されると共に、前記ベースフレームの周方向に隣り合う同士が互いに結合された三つのアッパフレームと、
を備えた車体構造。
【請求項2】
前記ベースフレームは、車両水平方向と平行に配置され、
前記三つのアッパフレームは、
車両幅方向に延在されて、前記ベースフレームの車両前後方向前側部に配置された第一アッパフレームと、
前記第一アッパフレームの車両前後方向後側に配置されると共に、前記ベースフレームの車両幅方向中央部を中心とする面対称に形成された一対の第二アッパフレームとによって構成されている、
請求項1に記載の車体構造。
【請求項3】
前記ベースフレーム及び前記三つのアッパフレームは、それぞれ繊維強化樹脂によって形成されている、
請求項1又は請求項2に記載の車体構造。
【請求項4】
前記ベースフレームの車両外側に設けられた衝撃吸収部材を備えた、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車体構造。
【請求項5】
前記ベースフレームと、前記三つのアッパフレームとによって構成された車体ユニットが複数組み合わされて構成されている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−245912(P2011−245912A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118601(P2010−118601)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
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