説明

車体色判別方法及び装置。

【課題】高度な画像処理を行うことなく、安価であり、かつ迅速に車体色を判別できる車体色判別方法及び車体色判別装置を実現する。
【解決手段】車両の撮影されたカラー画像から車両のナンバープレートを検出し、検出したナンバープレートの位置座標30を設定する。設定したナンバープレート位置座標30から予め決められた相対的な位置の領域に、多角形、円形等の車体色判別エリア31を設定し、その設定したエリア31の色を車体色として判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像監視によるカラー画像から車両の塗装色を判別する車体色判別方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路交通流監視、交通量調査、特定車両捜索、ビジネスマーケティング等の画像監視による車両の検索は従来から知られている。このような車両の検索において、車体色は車両の特徴の一つであり、有用な情報である。この車体色を判別する方法は特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1では、カラー画像を画像分析し、車体の表面部分のエッジの多寡による凹凸の少ない平板部分を判別エリアとして抽出し、この判別エリアの色を車体色として判別する方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−222673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された車体色判別方法では、車体色の判別エエリアの抽出に高度な画像処理を必要とするため、画像処理装置の小型化や、低価格化が困難であった。
【0006】
一方、画像監視による車両の検索では、画像処理装置を複数設置することによるコストの上昇、メンテナンスの利便性の悪化等を抑えるために、車体色の判別を中央装置で一括して行うことが考えられるが、複数の地点から送信される大量の画像の色判別を行うこととなり、処理に長時間を要することとなる。この場合、特定車両の検索を迅速に行うことが困難となる場合もあり、望ましいものとはいえない。
【0007】
本発明の目的は、高度な画像処理を行うことなく、安価であり、かつ迅速に車体色を判別できる車体色判別方法及び車体色判別装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のように構成される。
(1)車体色判別方法において、車両を撮影し、撮影した画像から車両のナンバープレート位置を検出し、検出したナンバープレート位置を基準として、相対的に位置する領域を車体色判別エリアと設定し、設定した車体色判別エリアの色を判別し、判別した色を車体色とする。
【0009】
これにより、高度な画像処理を行うことなく、安価であり、かつ迅速に車体色を判別できる車体色判別方法を実現することができる。
【0010】
(2)好ましくは、上記(1)において、前記車体色判別エリアは多角形又は円形であるものとする。
【0011】
これにより、高度な画像処理を行うことなく、ナンバープレート位置を基準として一次演算により車体色判別エリアを設定することができる。
【0012】
(3)また、好ましくは、上記(1)において、前記車体色判別エリアは複数に分割された多角形または円形の多層領域を有し、それぞれの領域ごとに、その領域の色を判別するものとする。
【0013】
これにより、車体色判別エリアをより詳細に設定することができ、効果的かつ精度の高い車体色の判別を行うことができる。
【0014】
(4)また、好ましくは、上記(3)において、判別した各領域の色の組み合わせに基づいて、車体色を判別するものとする。
【0015】
これにより、車体色判別エリアをより詳細に設定することができ、効果的かつ精度の高い車体色の判別を行うことができる。
【0016】
(5)また、好ましくは、上記(1)において、車両は第1の撮影手段及び第2の撮影手段が撮影し、第1及び第2の撮影手段が撮影した車両画像の座標位置が互いに一致するように、いずれか一方の座標を基準として、他方の座標を座標変換し、第1の撮影手段により撮影された車両画像から車両のナンバープレート位置を検出し、検出されたナンバープレート位置を示す座標を基準として、第2の撮影手段が撮影した車両画像から上記ナンバープレート位置から相対的な位置の領域を車体色判別エリアとするものとする。
【0017】
これにより、複数のカメラにより、車体色の判別を行う場合に、車体色判別エリアを詳細に設定することができ、効果的な車体色の判別を行うことができる。
【0018】
(6)車体色判別装置において、車両を撮影する撮影手段と、上記撮影手段により撮影された車両画像から車両のナンバープレート位置を検出するナンバープレート位置検出手段と、上記検出されたナンバープレート位置を基準として、相対的に位置する領域を車体色判別エリアと設定する車体色判別エリア設定手段と、設定された車体色判別エリアの色を車体色として判別する車体色判別手段と、を備える。
【0019】
これにより、高度な画像処理を行うことなく、安価であり、かつ迅速に車体色を判別できる車体色判別装置を構成することができる。
【0020】
(7)複数の車体色判別装置から伝送網を介して伝送される、車体ナンバー、車体色、検出位置、検出時刻情報から、特定車両の位置情報を判断し、表示する車体色判別システムにおいて、上記車体色判別装置は、車両を撮影する撮影手段と、上記撮影手段により撮影された車両画像から車両のナンバープレート位置を検出するナンバープレート位置検出手段と、上記検出されたナンバープレート位置を基準として、相対的に位置する領域を車体色判別エリアと設定する車体色判別エリア設定手段と、設定された車体色判別エリアの色を車体色として判別する車体色判別手段とを備える。
【0021】
これにより、高度な画像処理を行うことなく、安価であり、かつ迅速に車体色を判別できる車体色判別システムを構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、高度な画像処理を行うことなく、既存の画像処理(ナンバープレート位置抽出)と一次演算により車体色を判別することにより、安価であり、かつ迅速に車体色を判別できる車体色判別方法、装置及びシステムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
本発明の第1の実施の形態を図1〜図6により説明する。
【0025】
図1は本発明の第1の実施形態による車体色判別方法を適用した車両検索システムの概略ブロック図である。
【0026】
図1において、車両検索システムは中央装置1と、複数の路上車体色判別装置2−1〜2−Nとを備えている。中央装置1と、複数の路上車体色判別装置2−1〜2−Nとの間のデータ送受信は、広域ネットワーク網9を介して行われる。
【0027】
複数の路上車体色判別装置2−1〜2−Nはそれぞれ撮像部21と画像処理部22とを備えており、撮像装置21は、カラーカメラ211を備え、画像処理部22はナンバープレート読取部221と、車色判別部222と、車両情報伝送部223とを備えている。
【0028】
ナンバープレート読取部221は、道路を走行する車両をカラーカメラ211を通して監視し、車両がナンバープレート読取用カメラ211の視野内に進入したことを検知し、ナンバープレート情報の読み取りを行い、同時に後述するカラー画像におけるナンバープレート位置座標30を読み取る。
【0029】
このナンバープレート情報の読み取りは、既に知られる画像認識方法により比較的容易に実施可能であり、同様にナンバープレート位置座標30も判断可能である。
【0030】
読み取られたナンバープレート情報と車両検知時刻とが車両情報伝送部223へ送信され、同時に読み取られたナンバープレート位置座標30と車両検知時刻とが車色判別部222に送信される。
【0031】
車色判別部222は、カラーカメラ211から送信された画像を、AD変換し、画像処理装置22の内部に設置された内部メモリに記憶する。また、車色判別部222は、ナンバープレート読取部221より車両検知時刻を受信すると、その時刻にカラーカメラ211から送信されたカラー画像を抽出し、後述する方法により車色を判別する。
【0032】
そして、車色判別部222は、判別した車色と、検知時刻情報とを車両情報伝送部223へ送信する。車両情報伝送部223は、ナンバープレートと、車両検知時刻と、車色と、路上の地点名とを広域ネットワーク網9を介して中央装置1へ送信する。
【0033】
中央装置1はデータ受信部14と、特定の車両を検索する車両検索部12と、記憶部13とを備えている。
【0034】
データ受信部14は、路上車体色判別装置2−1〜2−Nが送信したナンバープレート、車両検知時刻、車色、路上地点名を受信し、記憶部13に記憶させる。
【0035】
車両検索部12は、車両検索部122と、結果表示部121とを備えている。車両検索部122は記憶部13に記憶された車両のナンバープレート情報や車体色情報等から特定車両情報と一致する車両を検索して特定し、特定した車両の位置情報等を結果表示部121へ送信する。結果表示部121は車両検索部122から送信された情報をディスプレイに表示する。
【0036】
次に、路上車体色判別装置2−1〜2−Nの車色判別方法について説明する。
【0037】
図2は、車色判別部222における車体色判別方法のフローチャートであり、図3は矩形の車体色判別エリア31の設定方法説明図である。
【0038】
図2のステップS201において、車色判別部222はカラーカメラ211から図3に示すカラー画像を受信する。
【0039】
続いて、ステップS202において、車色判別部222は、ナンバープレート読取部221からのナンバープレート位置座標により、受信したカラー画像にナンバープレート位置座標30を設定する。
【0040】
続いて、ステップS203において、車色判別部222は、受信したカラー画像のナンバープレート位置座標30から予め決められた距離の相対位置に、図3に示すように、矩形の形状の車体色判別エリア31を設定する。
【0041】
この車体色判別エリア31の設定について説明する。
【0042】
説明の便宜上、図3に示す画像の左下を座標原点(0,0)とし、ナンバープレート座標を(X,Y)とすると、生成される矩形の車体色判別エリア31の各頂点の座標として、以下の値が算出される。
【0043】
(X−a1,Y+b1)、(X+a2,Y+b1)、(X−a1,Y+b1+b2)、(X+a2,Y+b1+b2)。
【0044】
このとき矩形の幅はa1+a2となり、高さはb2となる。ナンバープレート位置座標30と矩形エリア31との縦方向(y方向)の距離は縦方向オフセット距離b1になる。この縦方向オフセット距離b1は車体色を表現しない車体前面部のグリル部分の高さにより決められる。
【0045】
続いて、ステップS204において、設定された車体色判別エリア31の色を車体色として判別する。
【0046】
車両の色を判別容易な領域は、ナンバープレートを基準位置として、その基準位置から、一定距離だけ離れた領域(ボンネット部の一部領域)とすることができる。そして、車両のナンバープレート位置は車両画像から容易に検出可能である。
【0047】
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、特殊な画像処理を必要とせず、車体色の判別を行うことができ、安価でありながら、高速処理可能な車体色判別方法及び車体色判別装置を実現できる。
【0048】
なお、上述した例では、車体色判別エリア31として矩形が設定され、その矩形エリアの色を車体色として判別するものとしたが、カラーカメラ211の画角や視野方向または、対象となる車種に応じて、車体色判別エリア31として円形や矩形以外の多角形を設定し、その円形や矩形以外の多角形の色を車体色として判別するものとしてもよい。
【0049】
また、a1、a2、b1、b2の値は、検索すべき車両の形状が特定可能な場合は、その形状に適合した値に設定することができる。
【0050】
図4は車体色判別エリア31として三角形のエリアを設定した場合の画像例を示す図であり、図5は車体色判別エリア31として楕円形のエリアを設定した場合の画像例を示す図である。
【0051】
図4に示すように、車体色判別エリア31として三角形が設定された場合には、ナンバープレート座標30から予め設定された距離として、三角形の底辺(2a3)と、高さ(b3)が設定され、同様に、図5に示すように、車体色判別エリア31として楕円形が設定された場合には、ナンバープレート座標30から予め設定された距離として、縦方向オフセット距離(b4)と、楕円中心(X+a4,Y+b4)と長軸(a5)と短軸(b5)が定義される。
【0052】
車体色判別エリア31として、三角形が設定された場合には、特に車両の後部の車体色判別を正確に行うことができる。また、車体色判別エリアとして、楕円形が設定された場合には、フロントノーズが長い車両の車体色判別を正確に行うことができる。
【0053】
以上のように、車体色判別エリア31として円形や矩形以外の楕円形や多角形が設定されることにより、判別する車種が変化したり、カラーカメラ211の画角や視野方向が変化した場合にも車体色判別を正確に行うことができる。
【0054】
なお、上述した例では、カラーカメラ211により撮影された画像に基づき、ナンバープレート情報が読み取られ、車体色が判別されるものとしたが、ナンバープレート情報の読み取り用のカメラと車体色判別用カメラとを別に設け、カラーカメラ211とその他のカメラにより、車体色が判別されるものとしてもよい。この場合、複数のカメラの視野が異なる場合には、以下に示す座標変換を行う必要がある。
【0055】
図6は複数のカメラにより車体色が判別される場合に行う座標変換の説明図である。
【0056】
図6の(A)は、ナンバープレート情報読み取り、及びナンバープレート位置座標30読み取り用カメラ(カメラ1)により、撮影された車両の画像であり、図6の(B)は、車体色判別用カラーカメラ(カメラ2)により撮影された車両の画像である。カメラ1の画像とカメラ2の画像は視野が互いにずれている。
【0057】
この場合、予め同じ車両を撮影した場合の視野のずれる量を調べておき、その量(a6,b6)に応じてカメラ2による画像の原点座標を変換する((0,0)→(a6,b6))。
【0058】
続いて、この原点の座標変換に合わせて、カメラ2による画像の車体色判別エリア31の座標が算出される。元の座標は図3に示す車体色判別エリア31と同じであるとすると、変換後の車体色判別エリア31の座標として、以下の値が算出される。
【0059】
(X−a1+a6,Y+b1+b6)、(X−a1+a6,Y+b1+b2+b6)、(X+a2+a6,Y+b1+b6)、(X+a2+a6,Y+b1+b2+b6)。
【0060】
以上のように、複数のカメラにより車体色の判別を行う場合に、座標変換を行うことにより、車体色判別エリア31を適切に設定することができ、車体色の判別を精度良く行うことができる。
【0061】
本発明の第2の実施の形態を図7及び図8を参照して説明する。
【0062】
本発明の第2の実施形態の車体色判別方法は、第1の実施の形態と同様な車両検索システムに適用され、図2に示すフローチャートで同様な方法により車体色が判別される。ただし、図2に示すステップS203において、図7に示す車体色判別エリア32が設定される。その他の構成および動作については、第1の実施の形態と同様である。
【0063】
図7は、車体画像に3層に分割された矩形の車体色判別エリア32が設定された場合を示す図である。
【0064】
図7において、車体色判別エリア32は、上層部32Aと、中層部32Bと、下層部32Cとの3層に分割された矩形のエリアを有し、ナンバープレート位置座標30から、予め設定された距離の相対位置に設定される。
【0065】
この車体色判別エリアの具体的な設定方法について説明する。説明の便宜上、図7に示す画像の左下を座標原点(0,0)とし、ナンバープレート座標を(X,Y)とすると、車体色判別エリア32の座標として以下の座標が算出される。
【0066】
(X−a7,Y+b7)、(X+a8,Y+b7)、(X−a7,Y+b7+b8)、(X+a8,Y+b7+b8)、(X−a7,Y+b7+b8×2)、(X+a8,Y+b7+b8×2)、(X−a7,Y+b7+b8×3)、(X+a8,Y+b7+b8×3)。
【0067】
このとき3層に分割された矩形の幅はa7+a8となり、3層に分割された矩形のそれぞれの高さはb8となり、3層の合計の高さはb8×3となる。ナンバープレート位置座標と3層に分割された矩形の縦方向の距離は縦方向オフセット距離b7になる。この縦方向オフセット距離b7は車体色を表現しない車体前面部の高さにより決められる。
【0068】
一般に、車体色の判別を行う領域は広い方が好ましいが、ワンボックスカーやトラックのようなフロント部分が平板な車両においては、フロント部分にグリル部分やフロントガラス部分など車体色判別に不要な部分が含まれるため、一般車より車体色判別領域が狭くなる。
【0069】
そこで、第2の実施形態の車体色判別方法においては、車体色判別エリア32をY軸方向に3層に分割し、フロントガラス部分を含む可能性の高い上層部32Aの色と、グリル部分を含む可能性の高い下層部32Cの色と、中層部32Bの色とを別個に判別し、これらの色を総合的に判断して車色を判別する。
【0070】
図8は、3層に分割された矩形のエリアである車体色判別エリア32の各層の色の組み合わせと、判別された車体色の表を示す図である。
【0071】
図8において、1番左の項目は組み合わせ種類(p)を示し、2番目は上層部32A、3番目は中層部32B、4番目は下層部32C、5番目は判別された車体色を示している。
【0072】
下層部32Cはグリル部分が入る可能性が高く、グリル部分は黒または灰と判別される確率が高い。また、上層部32Aにはフロントガラス部分が入る可能性が高く、フロントガラス部分はアオまたは白と判別される確率が高い。
【0073】
例えば、図8のp13〜p21に示すように、上層部32Aが、アオである場合には、フロントガラス部分が判別されたものとして、残りの中層部32B、下層部32Cの各層により車体色が判別され、また図8のp7,p11,p15,p18に示すように、下層部32Cのみが黒と判別される場合には、グリル部分が判別されたものとして、残りの上層部32A、中層部32Bの各層により、車体色が判別される。
【0074】
このような方法により車色判別を行えば、上記のワンボックスカーやトラックのような前面が平板形状の車両の車体色判別を、上記と同様に正確に行うことができる。
【0075】
また、本実施の形態では、車体色判別エリア32として、3層に分割された矩形が設定されるものとしたが、カラーカメラ211の画角や視野方向に応じて、または対象となる車種に応じて、車体色判別エリア32として、多層に分割された円形や矩形以外の多角形が設定されるものとしてもよい。
【0076】
このように、車体色判別エリア32として多層に分割された円形や矩形以外の多角形が設定されることにより、判別する車種が変化したり、カラーカメラ211の画角や視野方向が変化した場合にも車体色判別を正確に行うことができる。
【0077】
図9は本発明の車体色判別方法の車体色判別精度を測定した実験データの表を示す図である。
【0078】
図9において、上段は本発明の適用がされる以前の従来の車体色判別方法により実験を行った場合の車体色判別の正解率であり、下段は本発明の車体色判別方法により実験を行った場合の車体色判別の正解率である。
【0079】
また、左の項目は車体色判別の第1候補の正解率であり、右の項目は車体色判別の第1及び第2候補のうちのいずれかが正解であった場合の正解率である。
【0080】
尚、実験で測定した台数はそれぞれ200台である。
【0081】
第1候補のみ算出した場合には、正解率は対策前の74.7%から76.3%に向上し、また第1+第2候補の2色を算出した場合には、正解率は83.0%から83.5%に向上している。
【0082】
以上のように、どちらの場合にも車体色判別精度に効果が認められ、本発明は車体色の判別に効果的であることが理解できる。このため、高価な色判別手段を用いることなく、車体色の判別を精度良く行うことができる。
【0083】
なお、上述した例においては、各路上装置において車色判別を行うようにしたが中央装置側で、車体の色を判別するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の車体色判別方法を適用した車両検索システムのブロック図である。
【図2】本発明の車体色判別方法における車体色判別手順のフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態による車体色判別方法の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による車体色判別方法において使用される三角形の車体色判別エリアを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による車体色判別方法において使用される楕円形の車体色判別エリアを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態による車体色判別方法において複数のカメラを使用する場合の座標変換の例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による車体色判別方法の車体色認識部において使用される3層に分割された矩形の車体色判別エリアを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による車体色判別方法により、判別された車体色の表を示す図である。
【図9】本発明の車体色判定方法の車体色判別精度を測定した実験データを示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 中央装置
2−1〜2−N 路上車体色判別
9 広域ネットワーク網
12 車両検索部
13 記憶部
14 データ受信部
21 撮像部
22 画像処理部
30 ナンバープレート位置座標
31 車体色判別エリア
32 車体色判別エリア(複数層)
121 結果表示部
122 車両検索部
211 カラーカメラ
221 ナンバープレート読取部
222 車色判別部
223 車両情報伝送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を撮影し、撮影した画像から車両のナンバープレート位置を検出し、
検出したナンバープレート位置を基準として、相対的に位置する領域を車体色判別エリアと設定し、
設定した車体色判別エリアの色を判別し、判別した色を車体色とすることを特徴とする車体色判別方法。
【請求項2】
請求項1記載の車体色判別方法において、
前記車体色判別エリアは多角形又は円形であることを特徴とする車体色判別方法。
【請求項3】
請求項1記載の車体色判別方法において、
前記車体色判別エリアは複数に分割された多角形または円形の多層領域を有し、それぞれの領域ごとに、その領域の色を判別することを特徴とする車体色判別方法。
【請求項4】
請求項3記載の車体色判別方法において、
判別した各領域の色の組み合わせに基づいて、車体色を判別することを特徴とする車体色判別方法。
【請求項5】
請求項1記載の車体色判別方法において、
車両は第1の撮影手段及び第2の撮影手段が撮影し、第1及び第2の撮影手段が撮影した車両画像の座標位置が互いに一致するように、いずれか一方の座標を基準として、他方の座標を座標変換し、第1の撮影手段により撮影された車両画像から車両のナンバープレート位置を検出し、検出されたナンバープレート位置を示す座標を基準として、第2の撮影手段が撮影した車両画像から上記ナンバープレート位置から相対的な位置の領域を車体色判別エリアとすることを特徴とする車体色判別方法。
【請求項6】
車両を撮影する撮影手段と、
上記撮影手段により撮影された車両画像から車両のナンバープレート位置を検出するナンバープレート位置検出手段と、
上記検出されたナンバープレート位置を基準として、相対的に位置する領域を車体色判別エリアと設定する車体色判別エリア設定手段と、
設定された車体色判別エリアの色を車体色として判別する車体色判別手段と、
を備えることを特徴とする車体色判別装置。
【請求項7】
複数の車体色判別装置から伝送網を介して伝送される、車体ナンバー、車体色、検出位置、検出時刻情報から、特定車両の位置情報を判断し、表示する車体色判別システムにおいて、
上記車体色判別装置は、
車両を撮影する撮影手段と、
上記撮影手段により撮影された車両画像から車両のナンバープレート位置を検出するナンバープレート位置検出手段と、
上記検出されたナンバープレート位置を基準として、相対的に位置する領域を車体色判別エリアと設定する車体色判別エリア設定手段と、
設定された車体色判別エリアの色を車体色として判別する車体色判別手段と、
を備えることを特徴とする車体色判別システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−201817(P2006−201817A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9623(P2005−9623)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】