説明

車内案内表示システム

【課題】省スペース化を実現し、かつ、車両内配線の引き回しも容易とする高機能大容量伝送ネットワークを具備する車内案内表示システムを提供する。
【解決手段】車内案内中央装置1Xは、列車運行に関する基本情報を車両内部又は外部から受信する基本情報受信部101Xと車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dへこの基本情報を配信する基本情報配信インターフェイス部102Xを備えている。車内案内中央装置1Xと各車両の車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dは、支線伝送ライン3a〜3dにより接続される。具体的には、各車内案内表示器1A、3A、1B、3B、1C、3C、1D、3Dは、車内案内中央装置1Xから数珠繋ぎ的に支線伝送ラインにて接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両内の乗客に列車の運行情報や位置情報等の各種情報を提供する車内案内表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄道車両内の乗客に対して乗降案内を提供するツールとしては、次駅表示を目的としたLEDマトリクス表示による簡易タイプの表示器を、車両に採用する技術が一般的である。
【0003】
また、昨今では、駅表示以外にも全駅表示やホーム情報、加えて広告などのコンテンツ表示も行うことができるLCD液晶表示器を採用する表示システム(車内案内表示システム)が増加の傾向にある。このLCD液晶表示器を採用する表示システムでは、LCD液晶による表示器を用いることで、映像システムとして自由度の高い種々の表示機能を持たせることが可能となり、より多くの情報量を乗客に提供することができる。
【0004】
一方で、このような高機能な表示システムを採用する場合、車両内システム機器間において、高度な表示機能に見合う大容量情報を同期的(リアルタイム)に配信できる高速伝送ネットワークを合わせて具備する必要がある。特に、近年では、耐ノイズ性や、耐振動/衝撃性、省スペース性などの特殊な要件が求められる鉄道車両環境において、信頼性の高い大容量高速伝送ネットワークを構築できるか否かが、高機能LCD表示システム実現のポイントとなる。
【0005】
以下、標準的な車内案内表示システムについて説明する。なお、図17は、この標準的な車内案内表示システムの搭載機器接続イメージ図である。
図17に示すとおり、車内案内表示システムでは、車両毎に、案内情報等の各種情報を配信する車内案内装置1X、1Y、2Y、1Zと、当該車内案内装置1X、1Y、2Y、1Zから配信される情報を乗客に直接提供する車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dと、を備えている。
【0006】
この車内案内装置1X、1Y、2Y、1Zは、車内案内表示に適用する、例えば、列車運行情報、列車位置情報、駅停車/発車タイミング、ドア開/閉タイミング等の列車運行に関する基本情報を車両内部又は外部から受信する機能と、車内案内表示器1〜4A、1〜4B、1〜4C、1〜4Dへこの基本情報を表示情報として配信する機能と、を有している。
【0007】
なお、複数の車両に搭載されたこの車内案内装置1X、1Y、2Y、1Zでは、列車運行に関する基本情報を、代表して1車両の車内案内装置で受け取ることもできるし、複数の車両の車内案内装置で受け取ることも可能である(図17の括弧表記の部分)。
【0008】
また、図17に示す通り、車両毎の車内案内装置1X、1Y、2Y、1Zは、幹線伝送ライン1a、2a、1b、2b、1c、2c、1d、2dを介して互いに接続し合うことで大容量高速伝送ネットワークを構築し、さらに、自身に接続している車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dに対して、支線伝送ライン3a、3b、3c、3dを介して車内案内表示情報を同期的に配信する。
【0009】
ここで、図18−1は、6扉タイプ車両の乗降口上部に車内案内表示器1A〜6Aを設置する場合の接続イメージを示した図である。図18−1に示す通り、図上側の3台の車内案内表示器1A、3A、5Aに対しては、支線伝送ライン3a1を介して車内案内装置1Xから情報が配信され、図下側の3台の車内案内表示器2A、4A、6Aに対しては、支線伝送ライン3a2を介して車内案内装置1Xから情報が配信される。
【0010】
また、図18−2は8扉タイプ車両における接続イメージであり、図18−3は4扉タイプ車両における接続イメージであり、図18−4は2扉タイプ車両における接続イメージであり、図18−1の場合と同様に、各車内案内表示器には支線伝送ライン3a1、3a2を介して車内案内装置1Xから情報が配信される。但し、扉枚数と表示器設置数は必ずしも一致させる必要はなく、車両の扉枚数を限定するものではない。
【0011】
また、図19−1は車両間貫通扉上部に2台の車内案内表示器1A、2Aを設置する場合の接続イメージであり、図19−2は車両の中心付近に4台の車内案内表示器1A〜4Aを設置する接続イメージであり、図19−3は車両の中心付近に6台の車内案内表示器1A〜6Aを設置する接続イメージであり、図19−4は車両の中心付近に8台の車内案内表示器1A〜8Aを設置する接続イメージであり、図18と同様に、各車内案内表示器には支線伝送ライン3a1、3a2(、3a3、3a4)を介して車内案内装置1Xからの情報が配信される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上述した通り、鉄道車両内に搭載される車内案内表示システムにおける車内案内表示器は、通常車両乗降口上部や車両間貫通扉上部に配置されることが多い。しかしながら、車両内において、車内案内表示器の搭載スペース以外にシステムに関連する機器を設置するための専用スペースを設けることは、乗客用スペースを確保する観点や配線作業も含めた車両製造省力化の観点から敬遠されている。
【0013】
本発明は、上記課題を解消するために提案されたものであって、その目的は、構成機器が少なく車両に対する省スペース化を実現し、かつ、車両内配線の引き回しも容易とする高機能大容量伝送ネットワークを具備する車内案内表示システムを提供することにある。また、単純な構成機器の削減変更のみでは従来構成におけるシステム機器故障発生時の機能冗長性が低下する可能性があるため、本発明は、従来からの表示システムの相当機能を損なわず、システム機能の冗長性確保対応策も合わせて提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、複数車両からなる所定の編成列車の各車両に1以上の表示器を搭載し、当該表示器に列車運行情報、列車位置情報、駅停車/発車タイミング、ドア開/閉タイミングを含む車内案内情報を表示させる車内案内表示システムであって、各車両に搭載された前記表示器を伝送ラインにより数珠繋ぎ状に接続する伝送ネットワークと、前記編成列車に前記車内案内情報を前記伝送ネットワークを介して前記表示器に配信する一台の端末装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のような本発明によれば、構成機器が少なく車両に対する省スペースを有し、かつ車両内配線の引き回しも容易に実現できる高機能大容量伝送ネットワークを具備した車内案内表示システムを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車内案内表示システムの搭載機器接続イメージ図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内表示器の設置接続イメージ図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内表示器のブロック回路図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内中央装置を示すブロック回路図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内表示器のブロック回路図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内中央装置を示すブロック回路図
【図7】本発明の第4の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内表示器の設置接続イメージ図
【図8】本発明の第4の実施形態に係る車内案内表示システムの中継器を示すブロック回路図
【図9】本発明の第5の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内表示器の設置接続イメージ図
【図10】本発明の第5の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内中央装置を示すブロック回路図
【図11】本発明の第5の実施形態に係る車内案内表示システムの中継器を示すブロック回路図
【図12】本発明の第6の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内中央装置を示すブロック回路図
【図13】本発明の第7の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内表示器の設置接続イメージ図
【図14】本発明の第7の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内中央装置を示すブロック回路図
【図15】本発明の第8の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内中央装置を示すブロック回路図
【図16】本発明の第9の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内中央装置を示すブロック回路図
【図17】従来技術に係る車内案内表示システムの搭載機器接続イメージ図
【図18】従来技術に係る車内案内表示システムの車内案内表示器の設置接続イメージ図(車両乗降口上部配置)
【図19】従来技術に係る車内案内表示システムの車内案内表示器の設置接続イメージ図(車両間貫通扉上部配置)
【発明を実施するための形態】
【0017】
[本実施形態]
[1.第1の実施形態]
[1.1.構成]
次に、本発明の第1の実施形態に係る車内案内表示システムの構成について、図1〜3を参照して以下に説明する。なお、以下では、代表構成例として、図18−3で示した4扉タイプ構成を挙げて説明するが、本発明はこの表示器の枚数・構成を限定するものではない。
【0018】
図1に示す通り、第1の実施形態に係る車内案内表示システムは、複数の車両全体で、1つの車内案内中央装置1Xを片先頭車に搭載し、また、4両からなる各車両には4枚の案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dを搭載する。すなわち、この車内案内中央装置1Xから各車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dに対して、車内案内情報である基本情報を同期配信することで、車内案内システム機能を実現する。
【0019】
この車内案内中央装置1Xは、車内案内表示に適用する、例えば、列車運行情報、列車位置情報、駅停車/発車タイミング、ドア開/閉タイミング等の列車運行に関する基本情報を車両内部又は外部から受信する基本情報受信部101Xと、車内案内表示器1〜4A、1〜4B、1〜4C、1〜4Dへこの基本情報を表示情報として配信する基本情報配信インターフェイス部102Xと、を備えている。
【0020】
また、車内案内中央装置1Xと各車両の車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dは、支線伝送ライン3a〜3dにより接続され、車内案内中央装置1Xからの情報が当該車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dに配信される。
【0021】
より具体的には、図2に示す通り、図上側の列に、車内案内表示器1A、3A、1B、3B、1C、3C、1D、3Dが配設され、当該各車内案内表示器1A、3A、1B、3B、1C、3C、1D、3Dは、車内案内中央装置1Xから数珠繋ぎ的に支線伝送ライン3a1、3a3、3a5、3b1、3b3、3b5、3c1、3c3、3c5、3d1、3d3にて接続されている。また、図2の図下側の列も同様に、車内案内表示器2A、4A、2B、4B、2C、4C、2D、4Dが配設され、当該各車内案内表示器2A、4A、2B、4B、2C、4C、2D、4Dは、車内案内中央装置1Xから数珠繋ぎ的に支線伝送ライン3a2、3a4、3a6、3b2、3b4、3b6、3c2、3c4、3c6、3d2、3d4にて接続されている。
【0022】
さらに、伝送ライン3d7を用いて、図上側の車内案内表示器3Dと図下側の車内案内表示器4Dとを接続することで、図上側のマルチドロップ接続と図下側のマルチドロップ接続をジョイントしてループさせている。
【0023】
また、第1の実施形態で採用する車内案内表示器1Aでは、図3に示す通り、基本情報を受信する基本情報受信インターフェイス部101Aの他に、伝送リピータ回路102Aを設けることで、数珠繋ぎ構成で車内案内表示器を接続することを可能とする。なお、他の車内案内表示器2A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dも同様の構成を採用する。
【0024】
[1.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第1の実施形態に係る車内案内表示システムの作用について説明する。
【0025】
車内案内中央装置1Xは、基本情報を車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dに対して同期配信することで、各車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dにおいて当該基本情報の表示を実現する。すなわち、車内案内中央装置1Xから図2に示したように数珠繋ぎ構成で接続された、図上側の車内案内表示器1A、3A、1B、3B、1C、3C、1D、3Dに対して基本情報を配信し、同時に、図下側の車内案内表示器2A、4A、2B、4B、2C、4C、2D、4Dに対して基本情報を配信する。
【0026】
以上のような第1の実施形態によれば、複数の車両のうち、車内案内中央装置を1車両に対してのみ設置し、当該車内案内中央装置から数珠繋ぎ構成を有する各車内案内表示器に対して車内案内情報である基本情報を送信することができるので、システム構成機器を削減することによる車両内の省スペース化を実現し、また、車両内配線を削減・簡素化することが可能な高機能大容量伝送ネットワークを具備した車内案内表示システムを提供することができる。具体的には、第1の実施形態によれば、図17で示すような中間車両の車内案内端末装置1Y、2Yを削減することができ、また、図17で言う、伝送ライン2a,1b,2b,1c,2c,1dを削除することができるので、車両内の省スペース化及び伝送配線引き回しの簡素化を図ることが可能である。
【0027】
[2.第2の実施形態]
[2.1.構成]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車内案内表示システムの構成を図4及び5を参照して説明する。なお、第1の実施形態と共通する構成については説明を省略し同じ符号を付すものとする。
【0028】
第2の実施形態では、車内案内中央装置1X及び車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dにて2線/4線の自動切換機能を有する伝送ネットワークを備えた表示システムである点に特徴を有する。具体的には、図4及び5に示す通り、車内案内表示システムのネットワーク伝送は通常時に4線構成とし、伝送送信と受信で別のペア線に割り付け、ラインに差動信号を伝達させる全二重式伝送を採用する。
【0029】
すなわち、図4に示す通り、車内案内中央装置1Xにおいて、前記図2の上側及び下側車内案内表示器に繋がる送信用ライン3a1−1、3a2−1と、図2の上側及び下側車内案内表示器に繋がる受信用ライン3a1−2、3a2−2と、が基本情報配信インターフェイス部102Xに接続されている。また、この送信用ライン3a1−1と受信用ライン3a1−2、送信用ライン3a2−1と受信用ライン3a2−2はペア線であり、当該ライン間において後述する伝送自動切替部103Xにより2線/4線の自動切換が行われる。
【0030】
また、車内案内表示器1Aでは、図5に示す通り、基本情報受信インターフェイス101A(なお、ここでは伝送リピータ回路102Aを含む)に、隣接する車内案内中央装置1Xと車内案内表示器3Bの各々に繋がる、送信ライン3a1−2、3a3−1と、受信ライン3a1−1、3a3−2と、が接続されている。なお、上記では、車内案内表示器1Aを例に挙げて説明したが、直接的に車内案内中央装置1Xに繋がる車内案内表示器1A、2A以外は、4線の送信ラインと受信ラインは隣接する車内案内表示器に接続されている。また、この送信用3a1−2と受信用ライン3a1−1、3a3−1と3a1−2はペア線であり、当該ライン間において後述する伝送自動切替部103Aにより2線/4線の自動切換が行われる。
【0031】
さらに、図示していないが、車内案内中央装置1Xは、自身に繋がる伝送ネットワークの2線/4線の自動切換制御を実行する伝送自動切替部103Xを備えている。この伝送自動切替部103Xは、基本情報配信インターフェイス部102Xにて、何らかの外的影響により伝送ネットワークの伝送不能を検知した場合に、可変設定可能な遅延時素の後に、自動的に正常側のペア線による2線半二重伝送に自動的に切り替える機能を有している。
【0032】
また、車内案内表示器1A(代表例として1Aを挙げているが、限定するものではない。)は、自身に繋がる伝送ネットワークの2線/4線の自動切換制御を実行する伝送自動切替部103Aを備えている。この伝送自動切替部103Aは、基本情報受信インターフェイス部101Aにて、何らかの外的影響により伝送ネットワークの伝送不能を検知した場合に、可変設定可能な遅延時素の後に、自動的に正常側のペア線による2線半二重伝送に自動的に切り替える機能を有している。なお、上記構成以外は第1の実施形態と構成を共通にする。
【0033】
[2.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第2の実施形態に係る車内案内表示システムの作用について説明する。なお、正常駆動時は、第1の実施形態の作用と共通するため説明は省略し、以下では、一部の伝送ラインに対して外的な影響(切断やライン間短絡)が加わったケースについて説明する。
【0034】
伝送ネットワークにおいて外的な影響(切断やライン間短絡)によって伝送が不能となった場合には、車内案内中央装置1Xの基本情報配信インターフェイス部102Xか、少なくとも1以上の車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4D(以下では車内案内表示器1Aを挙げて説明する。)の基本情報受信インターフェイス部101Aが、伝送停止を検知する。
【0035】
車内案内中央装置1Xの基本情報配信インターフェイス部102Xが伝送停止を検知した場合、当該車内案内中央装置1Xの伝送自動切替部103Xは、可変設定可能な遅延時素の後に、自動的に正常側のペア線による2線半二重伝送に切り替える。また、車内案内表示器1Aの基本情報受信インターフェイス部101Aが伝送停止を検知した場合、当該車内案内表示器1Aの伝送自動切替部103Aは、可変設定可能な遅延時素の後に、自動的に正常側のペア線による2線半二重伝送に切り替える。
【0036】
以上のような第2の実施形態によれば、通常時には4線の伝送ネットワークが機能するため、最大容量による伝送が可能となり、例えば表示コンテンツ情報等の大容量データのアップロード時のような超高速での伝送が必要な際の所要時間を最小化することができる。また、車両に異常(切断やライン間短絡)が生じた場合であっても、列車運行に関わる基本情報(列車速度、列車位置、駅停車・発車タイミング、ドア開閉タイミング)の定周期配信については、正常なペアによる定周期伝送が可能となり、異常時のバックアップ機能を実現することができる。
【0037】
[3.第3の実施形態]
[3.1.構成]
次に、本発明の第3の実施形態に係る車内案内表示システムの構成を、図6を参照して説明する。なお、第1又は2の実施形態と共通する構成については説明は省略し同じ符号を付すものとする。
【0038】
第3の実施形態では、図6に示す通り、車内案内中央装置1Xにおいて、前述した基本情報配信インターフェイス部102Xと、電圧可変の出力増幅回路104Xと、基本情報配信インターフェイス部102Xから送信されたデータと、車内案内中央装置1X外の伝送線に出力された送信データとを比較し、装置外の送信波形を最適な振幅電圧に自動的に調整する送信出力調整機能部105Xと、を備えた出力電圧自動調整回路を構成する点に特徴を有する。なお、第1の実施形態と同様に、基本情報受信部101Xを有し、上記車内案内中央装置1X以外の構成も第1の実施形態と共通するため説明は省略する。
【0039】
[3.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第3の実施形態に係る車内案内表示システムの作用について説明する。なお、以下では、車内案内中央装置1Xの出力電圧自動調整回路において、差動伝送適用ベース電圧を自動的に最適値に調整する設定手順について説明する。
【0040】
車内案内中央装置1Xの基本情報配信インターフェイス部102Xから基本情報を出力すると、この出力された伝送送信波形は電圧可変の出力増幅回路104Xを介して車内案内中央装置1X外へ送信される。ここで、送信出力調整機能部105Xは、基本情報配信インターフェイス部102Xから送信されたデータ(出力増幅回路104Xを介す前のデータ)と、車内案内中央装置1X外の伝送線に出力された送信データ(出力増幅回路104Xを介した後のデータ)と、を比較し、車内案内中央装置1X外の送信波形を最適な振幅電圧に自動的に調整する。
【0041】
なお、送信出力調整機能部105Xによる最適な振幅電圧値への調整とは、例えば、ジャンパー部を含めた伝送配線や、端子台・コネクタの接続抵抗による信号電圧の降下・減衰が検知された場合、正規規定値に達するまで増幅し、補完するものである。
【0042】
以上のような第3の実施形態によれば、車内案内中央装置において、差動伝送適用ベース電圧を自動的に最適値に調整する手段を有しているので、ジャンパー部を含めた伝送配線や、端子台・コネクタの接続抵抗による信号電圧の降下・減衰が検知された場合であっても、正規規定値まで振幅電圧を増幅することができ、安定したデータ配信が可能となる。
【0043】
[4.第4の実施形態]
[4.1.構成]
次に、本発明の第4の実施形態に係る車内案内表示システムの構成を、図7及び8を参照して説明する。なお、第1、2又は3の実施形態と共通する構成については説明は省略し同じ符号を付すものとする。
【0044】
第4の実施形態では、図7に示す通り、全体構成は第1の実施形態における車内表示システムと共通にし、自列車内の車内案内表示器1A〜4A、1B〜4B、1C〜4C、1D〜4Dのループ接続の中でどこかが異常となった場合に、逆周りで情報を継続配信することができるバイパス回路を内部に備えた中継器1Zを有する構成に特徴を有する。
【0045】
具体的には、中継器1Zは、図8−1に示すように、全装置正常時に、図上側(仮に海側とする)と図下側(山側)の回線をオープンにするバイパスリレー回路101Zと、各ラインの伝送配信状態が検知できる異常検出回路102Zと、を備えている。また、異常検出回路102Zからの出力に応じて、バイパスリレー回路101Zの開閉を制御する開閉制御部103Z(図示しない)を備えている。
【0046】
[4.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第4の実施形態に係る車内案内表示システムの作用について説明する。なお、正常時では、バイパスリレー回路101Zにおいて海側と山側の回線はオープンであり、第1の実施形態の作用と同様であるから説明は省略し、以下では、伝送ネットワークにおいて異常が発生した場合について説明する。
【0047】
車両電源起動後、異常検出回路102Zにおいて、一定時間が経過しても山側ラインに伝送配信されないことを検知した場合には、開閉制御部103Zは、図8−2に示すように、海側から山側へ情報の配信をバックアップする回線バイパスリレーで短絡接続するようバイパスリレー回路101Zの開閉を制御する。また、車両電源起動後、一定時間が経過しても海側ラインに伝送配信されない場合も同様に、異常検出回路102Zにおいて伝送配信されない状態を検知すると、開閉制御部103Zは、山側から海側へ情報の配信をバイパスリレーを短絡接続するようバイパスリレー回路101Zの開閉を制御することによりバックアップする。
【0048】
以上のような第4の実施形態によれば、伝送ネットワークにおいて異常による伝送不能状態が生じる場合であっても、中継器において当該異常を検知しバイパスリレー回路を短絡接続させることで、逆周りで情報を継続配信することが可能となる。
【0049】
[5.第5の実施形態]
[5.1.構成]
次に、第5の実施形態に係る車内案内表示システムの構成を図9〜11を参照して説明する。なお、第1、2、3又は4の実施形態と共通する構成については説明は省略し同じ符号を付すものとする。
【0050】
第5の実施形態では、図9〜11に示す通り、第1の実施形態の車内案内表示システムにおいて第4の実施形態と同様に中継器Z1を配設し、車内案内中央装置1Xと中継器1Zが、複数列車の併結のための接続回路を有する構成に特徴を有する。
【0051】
具体的には、図9に示す通り、片先頭車には車内案内中央装置1Xが搭載され、もう一方の片先頭車には車内案内中継器1Zが搭載される。ここで、第5の実施形態では、この車内案内中央装置1X及び中継器1Zは、図10及び11に示すように、それぞれバイパスリレー回路111X、111Zを備えている。
【0052】
この車内案内中央装置1Xのバイパスリレー回路111Xは、基本情報の配信元を、自列車搭載の中央装置1Xとするか、あるいは併結する例えば他車搭載の中央装置2Xとするか、のいずれかを有効とする回路構成とする。より詳細には、このバイパスリレー回路111Xの他に、図示しないが、併結列車の存在の有無を検知する併結列車検知部112Xと、当該併結列車検知部112Xの検知結果に応じてバイパスリレー回路111Xの切替を制御するバイパスリレー切替制御部113Xと、を備えている。
【0053】
また、中継器1Zのバイパスリレー回路111Zは、自列車内でループ回路をクローズさせるか、併結他列車を含めたループ構成とするか、のいずれかを有効とする回路構成とする。より詳細には、このバイパスリレー回路111Zの他、図示しないが、併結列車の存在の有無を検知する併結列車検知部112Zと、当該併結列車検知部112Zの検知結果に応じてバイパスリレー回路111Zの切替を制御するバイパスリレー切替制御部113Zと、を備えている。
【0054】
[5.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第5の実施形態に係る車内案内表示システムの作用について説明する。
【0055】
まず、車内案内中央装置1Xでは、併結列車検知部112Xが自列車との併結列車が存在しないことを検知した場合には、バイパスリレー切替制御部113Xは、自車内案内中央装置1Xから情報を配信する側にバイパスリレー回路111Xを切り換える(図10−1参照)。一方、併結列車検知部112Xが自列車との併結列車が存在することを検知した場合には、バイパスリレー切替制御部113Xは、併結列車からの情報配信を受ける側にバイパスリレー回路111Xを切り換える(図10−2参照)。
【0056】
また、中継器1Zでは、併結列車検知部112Zが自列車との併結列車が存在しないことを検知した場合には、バイパスリレー切替制御部113Zが、自列車内でループ構成を閉じる側にバイパスリレー回路111Zを切り換える(図11−1参照)。一方、併結列車検知部112Zが自列車との併結列車が存在することを検知した場合には、バイパスリレー切替制御部113Zが、併結列車側へループ構成を広げる側にバイパスリレー回路111Zを切り換える(図11−2参照)。
【0057】
以上のような第5の実施形態によれば、車内案内中央装置及び中継器に、複数列車の併結のための接続回路を備えているので、併結列車がある場合には自車内案内中央装置から基本情報を配信せずに、当該併結列車から配信される基本情報を利用することができ、また、何らかの要因で自車内案内中央装置の不具合が生じ基本情報が配信できない場合であっても、併結列車からの基本情報を配信することが可能となる。
【0058】
[6.第6の実施形態]
[6.1.構成]
次に、第6の実施形態に係る車内案内表示システムの構成を図12を参照して説明する。なお、第1、2、3、4又は5の実施形態と共通する構成については説明は省略し同じ符号を付すものとする。
【0059】
第6の実施形態では、他の列車編成が併結した場合、編成毎の車内案内中央装置同士でタイミングを同期させることで、複数の編成分の車内案内表示器に対して、同期した基本情報を配信する構成に特徴を有する。
【0060】
具体的には、図12に示す通り、車内案内中央装置1Xは、第1の実施形態に係る構成に加え、併結列車の伝送ネットワークに繋がる併結列車伝送受信局106Xを設けることで、編成毎にネットワークは独立として、車内案内表示のタイミングのみ照査することが可能となる。すなわち、図12に示すように、基本情報配信インターフェイス部102Xと併結列車伝送受信局106Xとの間で応答し合うことで車内案内表示のタイミングを同期させる。車内案内表示のタイミングを照査する方法としては、表示スケジュールを介して伝達する方法と、リアルの表示タイミングにより伝達する方法の2種類がある。なお、それ以外は第1の実施形態と構成を共通にするため説明は省略する。
【0061】
[6.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第6の実施形態に係る車内案内表示システムの作用については、併結列車伝送受信局106Xと自列車の車内案内中央装置1Xの基本情報配信インターフェイス部102Xとの間で、車内案内表示の配信タイミングを同期させる以外は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
以上のような第6の実施形態によれば、自列車の車内案内中央装置に併結列車の伝送ネットワークと繋がる併結列車伝送受信局を設けているため、他の列車編成が併結した場合、編成毎の中央装置同士でタイミングを同期させることで、複数の編成分の車内案内表示器に対して、同期した基本情報を配信することが可能となる。
【0063】
[7.第7の実施形態]
[7.1.構成]
次に、第6の実施形態に係る車内案内表示システムの構成を図13及び14を参照して説明する。なお、第1、2、3、4、5又は6の実施形態と共通する構成については説明は省略し同じ符号を付すものとする。
【0064】
第7の実施形態では、編成先頭車に搭載する車内案内中央装置1Xが故障した場合、編成内で逆端先頭車の中央装置2Xから車内案内情報である基本情報をバックアップ的に配信する機能を有する構成に特徴を有する。
【0065】
具体的には、図13に示す通り、第1の実施形態に係る車内案内表示システムの編成内の逆端先頭車に車内案内中央装置2Xを設け、当該車内案内中央装置2Xを介して伝送ライン3d5及び3d6により図上側の車内案内表示器3Dと図下側の車内案内表示器4Dとを接続する構成に特徴を有する。
【0066】
特に、この編成内の逆端先頭車に搭載された車内案内中央装置2Xは、図14に示す通り、第1の実施形態に係る車内案内中央装置1Xの構成に加え、正常時には開放し、異常時には当該中央装置2Xの基本情報配信インターフェイス部202Xに接続するバイパスリレー回路221Xと、何らかの外的影響により伝送ラインの不能状態を検知する異常検出回路222Xと、図示しないが、当該異常検出回路222Xの検知結果に応じて前記バイパスリレー回路221Xの切替を制御するバイパスリレー切替制御回路223Xと、を備えている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と共通するため説明を省略する。
【0067】
[7.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第7の実施形態に係る車内案内表示システムの作用について説明する。なお、正常時には第1の実施形態と同様に、固定で片先頭車搭載の中央装置1Xから基本情報が配信される。
【0068】
一方、伝送ネットワークに何らの外的影響が生じ、車両電源投入後、一定時間経過しても伝送ラインに情報が配信されない場合には、まずこの異常を逆先頭車に搭載の車内案内中央装置2Xの異常検出回路222Xが検知する。そして、異常検出回路222Xにより異常が検知されると、バイパスリレー切替制御回路223Xが、バイパスリレー回路221Xを自車内案内中央装置2X側に接続するよう切り替える。すなわち、逆先頭車に搭載された車内案内中央装置2は、バックアップ的に基本情報を配信する機能を有する。
【0069】
より詳細には、正常時から常に編成両端の先頭車の中央装置1Xから基本情報を配信する構成とし、車内案内表示器側で中央装置1Xが正常である場合は、その情報を正規入力として受け付ける。一方、中央装置1Xに異常が生じる場合には、もう一方の中央装置2X入力を自動的に正規入力として読み替え受け付ける。
【0070】
以上のような第7の実施形態によれば、編成先頭車に搭載する車内案内中央装置1Xが故障した場合であっても、編成内で逆端先頭車の中央装置2Xから基本情報をバックアップ的に配信することが可能となる。すなわち、異常時バックアップの機能を有する車内案内表示システムを構築することができる。
【0071】
[8.第8の実施形態]
[8.1.構成]
次に、第6の実施形態に係る車内案内表示システムの構成を図15を参照して説明する。なお、第1、2、3、4、5、6又は7の実施形態と共通する構成については説明は省略し同じ符号を付すものとする。
【0072】
第8の実施形態では、図15に示す通り、第5の実施形態に係る車内表示案内システムの車内案内中央装置1Xの構成に、異常検出回路114Xを設ける点に特徴を有する。具体的には、図15に示すように、上述したバイパスリレー回路111Xと、併結列車の存在の有無を検知する併結列車検知部112X(図示しない)とバイパスリレー回路111Xの切替を制御するバイパスリレー切替制御部113X(図示しない)に加え、伝送ラインの異常を検出する異常検出回路114Xを備えている。
【0073】
[8.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第8の実施形態に係る車内案内表示システムの作用について説明する。なお、以下では、例えば、有効とすべき車内案内中央装置を2Xとし、基本情報等の配信を行わない予定である有効でない車内案内中央装置を1Xとし、説明する。すなわち、編成で有効でない中央装置1Xでは、伝送ライン上に正常な基本情報を検知されている間は自身のバイパスリレー回路111Xをオープンにしている。
【0074】
併結列車検知部112Xが併結列車を検知した状況下において、例えば、複数編成で有効とすべき中央装置2Xに故障が生じると、まず、中央装置1Xの異常検出回路114Xが当該故障による異常を検知する。特に、この異常検出回路114Xは、車両電源起動後、一定時間以上伝送ラインに正常な配信情報が検知できているかを判断する。
【0075】
異常検出回路114Xにより異常が検知されると、すなわち、車両電源起動後、異常検出回路114Xにより一定時間以上伝送ラインに正常な配信情報が検知されなかった場合、バイパスリレー切替制御部113Xは、自動的に当該中央装置1Xのバイパスリレー回路111Xを短絡接続させる。これにより、自身の中央装置1Xの基本情報配信インターフェイス部102Xからの基本情報を、編成全車内案内表示器1A〜4A等に配信することができる。
【0076】
以上のような第8の実施形態によれば、複数編成のうち、有効としていた車内案内中央装置において、何らかの要因により故障が生じ、基本情報が配信できなくなった場合であっても、その他の車内案内中央装置によりその異常を検知し、当該中央装置から改めて基本情報を配信することが可能となる。これにより、他の中央装置による車内案内情報等の基本情報のバックアップ的な配信が可能となる。
【0077】
[9.第9の実施形態]
[9.1.構成]
次に、第9の実施形態に係る車内案内表示システムの構成を図16を参照して説明する。なお、第1〜7又は8の実施形態と共通する構成については説明は省略し同じ符号を付すものとする。
【0078】
第9の実施形態では、配信情報容量と車両走行有無に応じ、伝送速度を自動的に切り換え、最適かつ高品質の伝送ネットワークを提供する構成に特徴を有する。具体的には、図16に示す通り、第1の実施形態に係る車内案内表示システムの車内案内中央装置1Xの構成に、伝送速度を変調とする伝送速度変調回路131Xと、各種車両の情報や、車内案内表示システムのモード情報に基づき、最適な伝送速度の送信となるように前記伝送速度変調回路131Xを調整制御する伝送速度調整機能部132Xと、を加えた伝送速度自動調整回路を備えている。
【0079】
[9.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第9の実施形態に係る車内案内表示システムの作用について説明する。なお、以下では、車内案内中央装置1Xの伝送速度自動調整回路において、伝送速度を自動的に最適値に調整する設定手順について説明する。
【0080】
車内案内中央装置1Xの基本情報配信インターフェイス部102Xから基本情報を出力すると、この出力された伝送送信波形は伝送速度可変の伝送速度変調回路131Xを介して車内案内中央装置1X外へ送信される。ここで、伝送速度調整機能部132Xは、各種車両の情報や、車内案内表示システムのモード情報に基づき、最適な伝送速度による送信になるよう伝送速度変調回路131Xを自動的に調整設定する。
【0081】
なお、伝送速度調整機能部132Xによる最適な伝送速度の調整とは、例えば、伝送速度を高速にすると信号電圧を低くする必要があり信頼性が低下するが、リアルタイム性を重視しない検修時などのデータ再送が容易な状況では大容量のデータ送信を可能とするため、伝送速度を高速に切り替える。また、比較的少量データであるがリアルタイム制御が必要な走行時は信頼性を重視して低速に切り替える。このように最適な伝送速度とは、状況に応じた必要かつ最低限の伝送速度設定値のことを示している。
【0082】
以上のような第9の実施形態によれば、伝送速度変調回路及び伝送速度調整機能部を設け、リアルタイム性を重視しない検修時などのデータ再送が容易な状況では伝送速度を高速に切り替え、リアルタイム制御が必要な走行時では信頼性を重視して低速に切り替えることができるため、状況に応じた必要かつ最低限の伝送速度を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0083】
1〜4A、1〜4B、1〜4C、1〜4D…車内案内表示器
1a、2a、1b、2b、1c、2c、1d、2d…幹線伝送ライン
1X、1Y、2Y、1Z…車内案内装置
1X、2X…車内案内中央装置
1Z…車内案内中継器
3a〜3d…伝送ライン
101A…基本情報受信インターフェイス部
102A…伝送リピータ回路
103A…伝送自動切替部
101X…基本情報受信部
102X…基本情報配信インターフェイス部
103X…伝送自動切替部
104X…出力増幅回路
105X…送信出力調整機能部
106X…併結列車伝送受信局
111X…バイパスリレー回路
112X…併結列車検知部
113X…バイパスリレー切替制御部
114X…異常検出回路
131X…伝送速度変調回路
132X…伝送速度調整機能部
202X…基本情報配信インターフェイス部
221X…バイパスリレー回路
222X…異常検出回路
223X…バイパスリレー切替制御回路
101Z…バイパスリレー回路
102Z…異常検出回路
103Z…開閉制御部
111Z…バイパスリレー回路
112Z…併結列車検知部
113Z…バイパスリレー切替制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数車両からなる所定の編成列車の各車両に1以上の表示器を搭載し、当該表示器に列車運行情報、列車位置情報、駅停車/発車タイミング、ドア開/閉タイミングを含む車内案内情報を表示させる車内案内表示システムであって、
各車両に搭載された前記表示器を伝送ラインにより数珠繋ぎ状に接続する伝送ネットワークと、
前記編成列車に前記車内案内情報を前記伝送ネットワークを介して前記表示器に配信する一台の端末装置と、
を備えることを特徴とする車内案内表示システム。
【請求項2】
前記端末装置と前記表示器の接続及び前記表示器間の接続には、全二重伝送と半二重伝送とで切替可能なバイパス回路を採用し、
前記端末装置又は表示器は、
伝送の停止を検知する伝送停止検知部と、
前記全二重伝送と半二重伝送を切り替える伝送切替部と、を備え、
前記伝送切替部は、前記伝送停止検知部により伝送停止が検知された場合に、当該伝送停止が生じた回線を回避するように前記全二重伝送を前記半二重伝送に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の車内案内表示システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
出力増幅器と、
前記出力増幅器を介して前記車内案内情報を配信する情報配信部と、
前記情報配信部により配信される送信波形と前記出力増幅器を介して端末装置外に配信される送信波形とを対比し、当該端末装置外に配信する送信波形を所定の振幅電圧に自動調整する出力調整部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車内案内表示システム。
【請求項4】
前記伝送ネットワーク中に、前記伝送ラインの異常を検出する中継器用異常検出部と、前記中継器用異常検出部により異常が検出された場合に、前記車内案内情報を他の伝送ラインから前記表示器に配信すよう伝送ラインを切り替える中継器用伝送切替部と、を有する中継器を配設することを特徴とする請求項1に記載の車内案内表示システム。
【請求項5】
前記端末装置は、
他の編成列車と併結用の接続回路と、
前記接続回路を通じて併結編成列車の有無を検知する併結列車検知部と、
前記併結列車検知部により併結編成列車が有ると判定された場合に、前記車内案内情報の配信元を前記接続回路を通じて併結編成列車側に切り替える併結用伝送切替部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車内案内表示システム。
【請求項6】
前記中継器は、
他の編成列車と併結用の接続回路と、
前記接続回路を通じて併結編成列車の有無を検知する併結列車検知部と、
前記併結列車検知部により併結編成列車が有ると判定された場合に、前記車内案内情報の配信元を前記接続回路を通じて併結編成列車側に切り替える併結用伝送切替部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の車内案内表示システム。
【請求項7】
前記端末装置は前記伝送ラインの異常を検出する端末用異常検出部を備え、
前記併結用伝送切替部は、前記端末用異常検出部又は前記中継器用異常検出部により異常が検出された場合に、前記車内案内情報の配信元を前記接続回路を通じて併結編成列車側に切り替えることを特徴とする請求項4、5、6のいずれか1項に記載の車内案内表示システム。
【請求項8】
前記端末装置は、
併結される他の編成列車との間で情報の通信を行う併結用通信部と、
前記併結用通信部を介して併結編成列車と通信することで、当該併結編成列車と車内案内情報の配信タイミングを同期させる配信タイミング同期部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3、5のいずれか1項に記載の車内案内表示システム。
【請求項9】
前記編成列車に前記車内案内情報を前記表示器に配信する前記端末装置をもう1台備え、
いずれか一方の前記端末装置は、
前記伝送ラインの異常を検出する異常検出部と、
前記車内案内情報の配信のON/OFFを切り替える端末用配信切替部と、
を備え、
前記端末用伝送切替部は、前記異常検出部により異常が検出された場合に、車内案内情報の配信をONとすることを特徴とする請求項1に記載の車内案内表示システム。
【請求項10】
前記端末装置は、
伝送速度を変調する伝送速度変調回路と、
前記伝送速度変調回路を通じて伝送速度を所定値に自動調整する伝送速度調整部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3、5、7〜9のいずれか1項に記載の車内案内表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−240737(P2011−240737A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112353(P2010−112353)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】