説明

車室材構造

【課題】アームレストの使用時における剛性の確保と車室内側への衝撃力の低減性能の確保とを両立させる。
【解決手段】車室材構造10では、例えば側面衝突等により、アームレスト24の側面部28に形成された突条部30の下端に車室内側へ荷重が作用すると、突条部30が上面部26との連結部P1を支点としてR1方向へ回動し、上面部26にR2方向に曲げ力が作用し、上面部26が第一スリット34及び第二スリット36において屈曲される。従って、例えば側面衝突時等におけるアームレスト24の車室内側への衝撃力の低減性能が確保される。また、車室内側へ荷重が作用してはじめてアームレスト24の車両幅方向の剛性が低減される。従って、車室内側へ荷重が作用する前の使用時の段階においてアームレスト24の剛性を予め低くしておく必要が無い。これにより、アームレスト24の使用時における剛性も確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室材構造に係り、特に、車室内側に向けて膨出する膨出部が設けられた車室材を備えた車室材構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車室材構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、自動車用衝撃吸収ドアトリムを備えた例が開示されている。この特許文献1に記載の例では、ドアトリムに車室内側に膨出するアームレストが設けられている。また、このアームレストには、側突時における車室内側への衝撃力を低減するために複数の破断用溝部が設けられている。
【特許文献1】特開2000−103230号公報
【特許文献2】特開2005−047375号公報
【特許文献3】特開2002−029257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えば、特許文献1に記載の例の如く、アームレストに複数の破断用溝部が設けられた場合には、アームレストの使用時における剛性が低下する。従って、アームレストの使用時における剛性の確保と車室内側への衝撃力の低減性能とを両立させるためには改善の余地がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車室内側に向けて膨出する膨出部が設けられた車室材を備えた車室材構造において、膨出部の使用時における剛性の確保と車室内側への衝撃力の低減性能の確保とを両立させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車室材構造は、車室内側に向けて膨出する膨出部が設けられた車室材と、車室内側へ作用する荷重を利用して前記膨出部の膨出方向の剛性を低減させるための剛性低減手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の車室材構造では、車室材に車室内側に向けて膨出する膨出部が設けられている。そして、剛性低減手段に車室内側へ荷重が作用すると、この剛性低減手段によって膨出部の膨出方向の剛性が低減される。これにより、例えば衝突時等における膨出部の車室内側への衝撃力の低減性能が確保される。
【0007】
また、請求項1に記載の車室材構造では、車室内側へ荷重が作用してはじめて膨出部の膨出方向の剛性が低減される。従って、車室内側へ荷重が作用する前の使用時の段階において膨出部の剛性を予め低くしておく必要が無い。これにより、膨出部の使用時における剛性も確保できる。
【0008】
このように、請求項1に記載の車室材構造によれば、膨出部の使用時における剛性の確保と車室内側への衝撃力の低減性能の確保とを両立させることが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の車室材構造は、請求項1に記載の車室材構造において、前記剛性低減手段は、前記膨出部の膨出方向壁部を屈曲又は破断させるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の車室材構造によれば、剛性低減手段に車室内側へ作用する荷重が作用すると、この剛性低減手段によって膨出部の膨出方向壁部が屈曲又は破断される。これにより、膨出部の膨出方向の剛性を確実に低減できる。
【0011】
また、請求項2に記載の車室材構造によれば、上述の如く、膨出部の膨出方向壁部が屈曲又は破断されることにより、車室内側へ作用荷重が作用したときの膨出部の車室内側への侵入量を抑制できる。また、車室内側へ作用する荷重を利用して膨出方向壁部を屈曲又は破断させることで、膨出部が車室に配置された部材等と干渉する前に、膨出部の膨出量を低減できる。
【0012】
請求項3に記載の車室材構造は、請求項2に記載の車室材構造において、前記膨出部は、前記膨出方向壁部の端側に膨出方向に延びる膨出方向側壁部を有して構成され、前記剛性低減手段は、前記膨出方向側壁部に一体的に設けられ前記膨出方向壁部と非平行な方向に延在する突条部を有して構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の車室材構造によれば、膨出部の膨出方向側壁部に膨出方向壁部と非平行な方向に延在する突条部が一体的に設けられている。そして、例えば、この突条部の膨出方向壁部と遠い側の位置に車室内側へ荷重が作用すると、突条部が膨出方向壁部に近い側の位置を支点として回動する。これにより、膨出部の膨出方向壁部に曲げ力が作用するので、膨出部の膨出方向壁部を屈曲又は破断させることができる。
【0014】
また、前記課題を解決するために、請求項4に記載の車室材構造は、車室内側に向けて膨出し、膨出方向壁部と前記膨出方向壁部の端側に膨出方向に延びる膨出方向側壁部とを有して構成された膨出部が設けられた車室材と、前記膨出方向側壁部に一体的に設けられ前記膨出方向壁部と非平行な方向に延在する突条部と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の車室材構造では、膨出部の膨出方向側壁部に膨出方向壁部と非平行な方向に延在する突条部が一体的に設けられている。そして、例えば、この突条部の膨出方向壁部と遠い側の位置に車室内側へ荷重が作用すると、突条部が膨出方向壁部に近い側の位置を支点として回動する。従って、膨出部の膨出方向壁部に曲げ力が作用し、膨出部の膨出方向壁部が屈曲又は破断される。これにより、膨出部の膨出方向の剛性が低減されるので、例えば衝突時等における膨出部の車室内側への衝撃力の低減性能が確保される。
【0016】
また、請求項4に記載の車室材構造では、車室内側へ荷重が作用してはじめて膨出部の膨出方向の剛性が低減される。従って、車室内側へ荷重が作用する前の使用時の段階において膨出部の剛性を予め低くしておく必要が無い。これにより、膨出部の使用時における剛性も確保できる。
【0017】
このように、請求項4に記載の車室材構造によれば、膨出部の使用時における剛性の確保と車室内側への衝撃力の低減性能の確保とを両立をさせることが可能となる。
【0018】
また、請求項4に記載の車室材構造によれば、上述の如く、膨出部の膨出方向壁部が屈曲又は破断されることにより、車室内側へ作用荷重が作用したときの膨出部の車室内側への侵入量を抑制できる。また、車室内側へ作用する荷重を利用して膨出方向壁部を屈曲又は破断させることで、膨出部が車室に配置された部材等と干渉する前に、膨出部の膨出量を低減できる。
【0019】
請求項5に記載の車室材構造は、請求項3又は請求項4に記載の車室材構造において、前記剛性低減手段は、前記膨出方向壁部に一体的に設けられ前記膨出方向壁部の車室側縁部の長手方向に沿って延在し且つ前記突条部に連結された連結突条部を有して構成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の車室材構造によれば、膨出部の膨出方向壁部に膨出方向壁部の車室側縁部の長手方向に沿って延在する連結突条部が一体的に設けられている。また、この連結突条部は、上述の突条部に連結されている。そして、例えば、この突条部の膨出方向壁部と遠い側の位置に車室内側へ荷重が作用すると、突条部が膨出方向壁部に近い側の位置を支点として回動し、連結突条部全体に回転力が作用する。これにより、膨出部の膨出方向壁部においては連結突条部の延在方向に亘って曲げ力が作用するので、膨出部の膨出方向壁部の屈曲又は破断を促進させることができる。
【0021】
請求項6に記載の車室材構造は、請求項5に記載の車室材構造において、前記膨出方向壁部には、前記連結突条部よりも車室外側に脆弱部が設けられていることを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の車室材構造によれば、膨出方向壁部の連結突条部よりも車室外側に脆弱部が設けられている。従って、上述の如く、膨出部の膨出方向壁部において連結突条部の延在方向に亘って曲げ力が作用したときには、この脆弱部において屈曲又は破断を生じさせることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上詳述したように、本発明によれば、車室内側に向けて膨出する膨出部が設けられた車室材を備えた車室材構造において、膨出部の使用時における剛性の確保と車室内側への衝撃力の低減性能の確保とを両立させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図1乃至図5を参照しながら、本発明の車室材構造10を車両のサイドドア12に適用した例について説明する。
【0025】
図1乃至図5は、本発明の一実施形態を示す図で、図1は車室材構造10が適用されたサイドドア12の正面断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、ドアトリム20の平面断面図、図4は、ドアトリム20の斜視図、図5は、図1に示される車室材構造10の動作説明図である。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Outは、車両幅方向外側をそれぞれ示している。
【0026】
はじめに、図1乃至図4を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車室材構造10が適用されたサイドドア12の構成について説明する。
【0027】
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る車室材構造10が適用されたサイドドア12では、ドアアウタパネル14及びドアインナパネル16により構成されたドアパネル体18の車室内側に、車室材としてのドアトリム20が設けられている。
【0028】
ドアトリム20は、ドアトリム本体22の車両上下方向中央部に、車両幅方向内側(車室内側)に向けて膨出する膨出部としてのアームレスト24を備えて構成されている。
【0029】
アームレスト24は、図4に示されるように、車両上下方向上側に設けられた膨出方向壁部としての上面部26と、この上面部26に連続し車両前後方向両端側に設けられた膨出方向側壁部としての側面部28と、を有して構成されている。これら上面部26及び側面部28は、いずれも車両幅方向(アームレスト24の膨出方向)に沿って延びるように形成されている。
【0030】
このアームレスト24の各側面部28には、図3に示されるように、裏面28Aに突条部30が設けられている。この突条部30は、例えば一体成形等により側面部28に一体的に設けられている。また、この各側面部28において、突条部30は、図2に示されるように、車室外側から内側に向かうに従って車両上下方向(上面部26と非平行な方向)下側から上側に向かうように傾斜して延在されている。
【0031】
また、突条部30は、その長手方向中間部で屈曲するように構成されている。つまり、突条部30は、車両上下方向に延びる基準線L1に対して傾斜角度の小さな上側突条部30Aと、車両上下方向に延びる基準線L1に対して傾斜角度の大きな下側突条部30Bとにより構成されている。また、この下側突条部30Bの下端は、図1に示されるように、例えば側面衝突時の衝突荷重の入力点となるサイドドア12の車両上下方向中央部に位置されている。
【0032】
アームレスト24の上面部26は、図2に示されるように、その表面26Aにおいて乗員の腕を載置可能な構成とされている。また、このアームレスト24の上面部26には、裏面26Bの車両幅方向内側(車室内側)寄りの位置に連結突条部32が設けられている。
【0033】
この連結突条部32は、例えば一体成形等により上面部26に一体的に設けられている。また、この連結突条部32は、図4に示されるように、上面部26の車室側縁部26Cの長手方向(車両前後方向)に沿って延在され、且つ、その両端が上述の突条部30に連結されている。
【0034】
なお、本実施形態では、上述の突条部30及び連結突条部32によって、本発明に係る剛性低減手段が構成されている。
【0035】
また、この上面部26には、図2に示されるように、表面26Aの車両幅方向外側(車室外側)の位置に上側に開口する第一スリット34と、裏面26Bの車両幅方向中央部の位置に下側に開口する第二スリット36とが設けられている。この第一スリット34及び第二スリット36は、いずれも上述の連結突出部32よりも車両幅方向外側に設けられている。また、この第一スリット34及び第二スリット36は、図4に示されるように、連結突条部32と平行に車両前後方向に沿って形成されている。
【0036】
なお、本実施形態では、上述の第一スリット34及び第二スリット36によって、本発明に係る脆弱部が構成されている。
【0037】
次に、図5を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車室材構造10の作用及び効果について説明する。
【0038】
図5に示されるように、本発明の一実施形態に係る車室材構造10が適用されたサイドドア12では、例えば側面衝突等により、サイドドア12の車両上下方向中央部に対して車室内側へ所定値以上の荷重が作用すると、ドアアウタパネル14及びドアインナパネル16が車室内側へ変形する。
【0039】
また、これに伴って、アームレスト24に形成された突条部30のうち下側突条部30Bの下端に、図中矢印F1で示される如く、車室内側へ荷重が作用すると、突条部30のうち上側突条部30Aが、上面部26との連結部P1を支点として図中矢印R1で示される如く回動する。そして、上面部26に図中矢印R2で示される方向に曲げ力が作用し、上面部26が屈曲される。
【0040】
また、この上面部26には、車両前後方向に延在する連結突条部32が一体的に設けられている。そして、この連結突条部32は、上述の突条部30の上側突条部30Aに連結されている。従って、上述の如く、上側突条部30Aが図中矢印R1で示される如く回動すると、連結突条部32全体にR2方向へ回転力が作用する。これにより、上面部26においては連結突条部32の延在方向に亘って図中矢印R2で示される方向に曲げ力が作用し、上面部26の屈曲が促進される。
【0041】
また、本発明の一実施形態に係る車室材構造10では、上面部26の連結突条部32よりも車室外側に脆弱部となる第一スリット34及び第二スリット36が設けられている。従って、上述の如く、上面部26において連結突条部32の延在方向に亘って図中矢印R2で示される方向に曲げ力が作用したときには、上面部26の第一スリット34及び第二スリット36において屈曲が生じる。
【0042】
また、本発明の一実施形態に係る車室材構造10では、上述の如く、上面部26に第一スリット34及び第二スリット36が設けられることで、上面部26が下側に屈曲する(つまり、アームレスト24の内側に割れる)。
【0043】
このように、本発明の一実施形態に係る車室材構造10によれば、例えば側面衝突等により、サイドドア12の車両上下方向中央部に対して車室内側へ所定値以上の荷重が作用した場合には、この荷重を利用することで、上面部26を第一スリット34及び第二スリット36において屈曲できる。
【0044】
従って、例えば側面衝突時等によってドアアウタパネル14及びドアインナパネル16が車室内側へ変形しても、アームレスト24の車室内側への侵入量を抑制できる。また、車室内側へ作用する荷重を利用して上面部26を屈曲させることで、アームレスト24が車室に配置された部材等と干渉する前に、アームレスト24の膨出量を低減できる。
【0045】
また、本発明の一実施形態に係る車室材構造10によれば、アームレスト24の上面部26を割れ易い樹脂(例えば、剛性の高い樹脂)で構成しなくても、突条部30の下端に車室内側への荷重が入力されることで、上面部26を確実に屈曲させることができる。
【0046】
また、本発明の一実施形態に係る車室材構造10によれば、上面部26が第一スリット34及び第二スリット36において屈曲されることで、アームレスト24の膨出方向(車両幅方向)の剛性が低減される。従って、例えば側面衝突時等におけるアームレスト24の車室内側への衝撃力の低減性能が確保される。
【0047】
また、本発明の一実施形態に係る車室材構造10では、上述の如く車室内側へ荷重が作用してはじめてアームレスト24の膨出方向(車両幅方向)の剛性が低減される。従って、車室内側へ荷重が作用する前の使用時の段階においてアームレスト24の剛性を予め低くしておく必要が無い。これにより、アームレスト24の使用時における剛性も確保できる。
【0048】
このように、本発明の一実施形態に係る車室材構造10によれば、アームレスト24の使用時における剛性の確保と車室内側への衝撃力の低減性能の確保とを両立をさせることが可能となる。
【0049】
次に、本発明の一実施形態に係る車室材構造10の変形例について説明する。
【0050】
上記実施形態では、本発明の車室材構造10が車両のサイドドア12に適用され、例えば側面衝突時等においてアームレスト24の車室内側への侵入量が低減される例について説明したが、本発明の車室材構造10はこれに限定されるものではない。その他にも、例えば、本発明の車室材構造10が車両のインストルメントパネルや内装トリム材等に適用され、衝突時等に、これらのインストルメントパネルや内装トリム材に設けられた膨出部の車室内側への侵入量が低減されるように構成されていても良い。
【0051】
また、上記実施形態では、例えば側面衝突時等に、上面部26が第一スリット34及び第二スリット36において屈曲されるように構成されていたが、例えば側面衝突時等に、上面部26が第一スリット34及び第二スリット36において破断されるように構成されていても良い。このようにしても、例えば側面衝突時等におけるアームレスト24の膨出方向の剛性及び車室内側への侵入量を低減できる。
【0052】
また、上記実施形態では、例えば側面衝突時等に、上面部26が屈曲されるように説明したが、その他にも、例えば、側面衝突時等に、側面部28が屈曲されるように構成されていても良く、また、上面部26及び側面部28の両方が屈曲されるように構成されていても良い。
【0053】
また、上記実施形態では、側面部28に設けられた突条部30が傾斜して設けられると共に、その長手方向中間部において屈曲するように構成されていたが、本発明に係る突条部30はこれに限定されるものではない。その他にも、突条部30は、その下端に車室内側への荷重を受けたときに上面部26との連結部を支点として回動できる構成であれば、その他の形状に構成されていても良い。
【0054】
また、上記実施形態では、側面部28に脆弱部としての第一スリット34及び第二スリット36が設けられていたが、側面部28に脆弱部としての薄肉部が設けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る車室材構造が適用されたサイドドアの断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るドアトリムの平面断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るドアトリムの斜視図である。
【図5】図1に示される車室材構造の動作説明図である。
【符号の説明】
【0056】
10 車室材構造
12 サイドドア
20 ドアトリム(車室材)
24 アームレスト(膨出部)
26 上面部(膨出方向壁部)
28 側面部(膨出方向側壁部)
30 突条部(剛性低減手段の一部)
32 連結突条部(剛性低減手段の一部)
34 第一スリット(脆弱部)
36 第二スリット(脆弱部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内側に向けて膨出する膨出部が設けられた車室材と、
車室内側へ作用する荷重を利用して前記膨出部の膨出方向の剛性を低減させるための剛性低減手段と、
を備えたことを特徴とする車室材構造。
【請求項2】
前記剛性低減手段は、前記膨出部の膨出方向壁部を屈曲又は破断させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車室材構造。
【請求項3】
前記膨出部は、前記膨出方向壁部の端側に膨出方向に延びる膨出方向側壁部を有して構成され、
前記剛性低減手段は、前記膨出方向側壁部に一体的に設けられ前記膨出方向壁部と非平行な方向に延在する突条部を有して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車室材構造。
【請求項4】
車室内側に向けて膨出し、膨出方向壁部と前記膨出方向壁部の端側に膨出方向に延びる膨出方向側壁部とを有して構成された膨出部が設けられた車室材と、
前記膨出方向側壁部に一体的に設けられ前記膨出方向壁部と非平行な方向に延在する突条部と、
を備えたことを特徴とする車室材構造。
【請求項5】
前記剛性低減手段は、前記膨出方向壁部に一体的に設けられ前記膨出方向壁部の車室側縁部の長手方向に沿って延在し且つ前記突条部に連結された連結突条部を有して構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車室材構造。
【請求項6】
前記膨出方向壁部には、前記連結突条部よりも車室外側に脆弱部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の車室材構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−12946(P2008−12946A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183026(P2006−183026)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】