説明

車止めユニット

【課題】比較的簡易な構造で、比較的低コストで自動車を確実に停止させ得る車止めユニットを提供する。
【解決手段】駐車場に設けられる車止めユニットであって、回転体1と回転体1を回転可能に地面に固定するアンカー2とを備えてなり、駐車のために徐行する自動車の駆動輪が回転体1に当接すると、回転体1が駆動輪5の回転に伝達されて回転することにより、駆動輪5が車止めで停止するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に設けられる車止めユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場においては、自動車の車止めが設けられている。この車止めは、自動車を駐車する場合に、所定の位置においてタイヤを車止めに当接させて自動車を停止させるものであるが、駐車の度に当接に伴う大きな衝撃を受けるために、耐衝撃性を考慮してコンクリートブロックが用いられることが多い。しかしながら、コンクリートブロックは、自動車が所定の停止位置を超えないようにするに留まる。そこで、種々の提案がなされているが、複雑な構造を設けるものが多く、コストの点からも満足すべきものとはいい難い。そこで、比較的簡易な構造で、比較的低コストで自動車を確実に停止させ得る車止めがなお望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の課題を解決して比較的簡易な構造で、比較的低コストで自動車を停止させ得る車止めユニットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の発明を提供する。
(1)駐車場に設けられる車止めであって、回転体と該回転体を回転可能に地面に固定するアンカーとを備えてなり、駐車のために徐行する自動車の駆動輪が該回転体に当接すると、該回転体が該駆動輪の回転に伝達されて回転することにより、該駆動輪が車止めで停止するように構成された車止めユニット。
(2)回転体は回転軸の周りに駆動輪と反対方向に回転する上記(1)に記載の車止めユニット。
(3)回転体がゴム、プラスチックおよび/または金属からなる上記(1)または(2)に記載の車止めユニット。
(4)ゴムが古タイヤを原料とする再生ゴムである上記(3)に記載の車止めユニット。
(5)駆動輪が車止めを乗越えた場合に、駆動輪を停止させるために車止めの前方に設けられた第2車止めをさらに備えてなる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の車止めユニット。
(6)第2車止めがゴム、プラスチックおよび/または金属からなるる上記(5)に記載の車止めユニット。
(7)第2車止めが電気自動車用充電コンセントを備えたスタンドとなる上記(5)または(6)に記載の車止めユニット。
(8)充電コンセントが停止する自動車と反対側の面に設けられている上記(7)に記載の車止めユニット。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、比較的簡易な構造で、比較的低コストで自動車を確実に停止させ得る車止めユニットを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の車止めユニットの車止めの一例を示す模式図。
【図2】本発明の車止めユニットの車止めと駆動輪が当接した状態を示す図。
【図3】本発明の車止めユニットの車止めに駆動輪が当接した状態の一例を示す模式図。
【図4】本発明の車止めユニットの車止めを駆動輪乗越えて第2車止めで停止した状態の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の車止めユニットは、駐車場に設けられる車止めであって、回転体と回転体を回転可能に地面に固定するアンカーとを備えてなる。駐車のために徐行する自動車の駆動輪が該回転体に当接すると、回転体が駆動輪の回転に伝達されて回転軸の周りに駆動輪と反対方向に回転することにより、該駆動輪が車止めで停止するように構成されている。
【0008】
本発明において、回転体はゴム、プラスチックおよび/または金属からなるのが好適である。ゴム等の弾性体が最も好適である。ゴムとしては合成、天然のいずれでもよいが、最も好ましくは少なくとも表面を、古タイヤを原料とする再生ゴムで構成する。プラスチックスとしては、ゴム以外のプラスチックス、たとえばポリウレタン等が好適である。金属としては、鉄鋼、ステンレス鋼が好適である。金属を芯として、ゴム等を貼り付けて構成したものであってもよい。
【0009】
駐車しようとする自動車は、通常車止め直前で通常20km/時以下、好ましくは10km/時以下の速度で進入して車止めに当接し、停止する。しかしながら、たとえば30〜40km/時の速度で進入して駆動輪が車止めを乗越える場合がある。
【0010】
本発明の車止めユニットは、その乗越えた駆動輪を停止させるために、車止めの前方に設けられた第2車止めをさらに備えてなる。第2車止めは、上記の車止めと同様な材質とすることができる。車止めとの間隔は、前輪と自動車最前部との水平方向の距離より大きいのが通常である。
【0011】
さらに、第2車止めは電気自動車用充電コンセントを備えたスタンドを兼ねることができる。駐車場はできるだけ多くの自動車を駐車できるように設計されるのが通常であるので、電気自動車用充電器のためのスペースを十分に確保することが困難な場合には、このようなスタンドは、有意義である。充電コンセントは停止する自動車と反対側の面に設けられるのが好ましい。充電コンセントは、AC200Vまたは100Vのコンセントユニットとするのが好適である。コンセントの位置は、地上30cm以上の高さに、自動車の充電プラグの抜き差しの際に雨水を遮断するために、防雨型とするか、または防水箱の内部に収めるような構造とされる。
【0012】
さらに、本発明における第2車止めスタンドの表面には、必要に応じて広告・宣伝スペースを設けることにより、広告・宣伝の機能も持たせ得る。
【0013】
図1は本発明の車止めユニットの車止めの一例を示す模式図であり、図2は本発明の車止めユニットの車止めと駆動輪が当接した状態を示す図である。
【0014】
図1および2において、本発明の車止めユニットは、駐車場に設けられる車止めであって、回転体1とその回転体1を回転可能に地面に固定するアンカー2とを備えてなる。車止めは駆動輪の一対に対応して、一対が設けられるのが通常である。回転体1は、自動車6の進行方向に対して直交するように設けられ、アンカー2により地面3に固定される。駐車のために徐行する自動車6の駆動輪5が回転体1に当接すると、その回転体1は駆動輪5の回転(A方向)に伝達されて回転軸4の周りに回転(B方向)する。その結果、駆動輪5の進行が止められ、車止めで停止することになる。本発明の車止めユニットによれば、コンクリートブロック等のブロックが、自動車が所定の停止位置を超えないようにするに留まるのに対し、回転体の回転により、駆動輪の進行を停止させる機能も有する。
【0015】
図3の(a)および(b)は、本発明の車止めユニットの車止めに駆動輪が当接した状態の一例を示す模式図であり、図4の(a)および(b)は、本発明の車止めユニットの車止めを駆動輪が乗越えて第2車止めで停止した状態の一例を示す模式図である。図3および図4において、7は第2車止めを示す。図4に示されるように、もし駆動輪が車止めを乗越えて第2車止めに乗り上げて停止した場合には、ジャッキを用いて正常な位置に戻すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明によれば、比較的簡易な構造で、かつ比較的低コストで自動車を確実に停止させ得る車止めユニットを提供し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に設けられる車止めであって、回転体と該回転体を回転可能に地面に固定するアンカーとを備えてなり、駐車のために徐行する自動車の駆動輪が該回転体に当接すると、該回転体が該駆動輪の回転に伝達されて回転することにより、該駆動輪が車止めで停止するように構成された車止めユニット。
【請求項2】
回転体は回転軸の周りに駆動輪と反対方向に回転する請求項1に記載の車止めユニット。
【請求項3】
回転体がゴム、プラスチックおよび/または金属からなる請求項1または2に記載の車止めユニット。
【請求項4】
ゴムが古タイヤを原料とする再生ゴムである請求項3に記載の車止めユニット。
【請求項5】
駆動輪が車止めを乗越えた場合に、駆動輪を停止させるために車止めの前方に設けられた第2車止めをさらに備えてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の車止めユニット。
【請求項6】
第2車止めがゴム、プラスチックおよび/または金属からなる請求項5に記載の車止めユニット。
【請求項7】
第2車止めが電気自動車用充電コンセントを備えたスタンドとなる請求項5または6に記載の車止めユニット。
【請求項8】
充電コンセントが停止する自動車と反対側の面に設けられている請求項7に記載の車止めユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−72223(P2013−72223A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212368(P2011−212368)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(599054307)
【Fターム(参考)】