説明

車載機器の制御装置

【課題】電気エネルギの消費を抑えつつ、揮発性メモリに記憶される車載機器の作動履歴を実際の作動に即したものとする。
【解決手段】車両の運転停止指令がなされると、車両の運転中に揮発性メモリ13に記憶されていたスロットルバルブ3の作動履歴が不揮発性メモリ14に記憶される。そして、次回の車両の始動開始時には、不揮発性メモリ14から読み出されたスロットルバルブ3の作動履歴に対し履歴追加処理が施され、同処理後の作動履歴が車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として設定される。これにより、車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴が実際のスロットルバルブ3の作動に即したものとされる。また、これを実現するうえで、従来のように車両の運転停止過程においてスロットルバルブ3や電子制御装置12への電力供給を長く継続しなくてもよくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両においては、予め定められた初期位置に向けて機械的に付勢される車載機器が設けられており、その車載機器が目標とする作動位置に変位するよう同車載機器を電子制御装置を通じて作動制御することが行われている。これら車載機器及び電子制御装置は、車両の運転中に電力供給を受けることで機能する。また、電子制御装置は、車載機器の作動履歴を用いて同機器における各部位の摩耗量等を推定すべく、その車載機器の作動履歴を同装置に設けられた揮発性メモリに記憶する。
【0003】
ところで、揮発性メモリに記憶された作動履歴は、車両の運転停止指令に基づく電子制御装置(揮発性メモリ)に対する電力供給の停止とともに消失してしまう。このため、電子制御装置に不揮発性メモリを設け、その不揮発性メモリに車載機器の作動履歴を記憶することが考えられる。ただし、不揮発性メモリには、データを正常に記憶することの可能な書き込み回数(記憶回数)の上限がある。従って、車載機器の作動履歴の記憶に揮発性メモリの代わりに不揮発性メモリを用いると、同不揮発性メモリに対する作動履歴の書き込み回数(記憶回数)が早期に上限まで達するおそれがある。
【0004】
こうした問題を回避するため、特許文献1の技術を適用することが考えられる。この場合、車両の運転中には車載機器の作動履歴が揮発性メモリに記憶される。こうした車両の運転中に同車両の運転停止指令がなされると、その指令があってから電子制御装置への電力供給が停止するまでの間に、揮発性メモリに記憶されている車載機器の作動履歴が不揮発性メモリに記憶される。そして、次回の車両の始動開始時には不揮発性メモリに記憶されている車載機器の作動履歴が読み出され、その読み出された作動履歴を初期状態として揮発性メモリへの同作動履歴の記憶が行われる。
【0005】
このように揮発性メモリに記憶されていた車載機器の作動履歴を電子制御装置への電力供給が行われなくなる車両の運転停止中に不揮発性メモリに待避させておくことで、その作動履歴が消失してしまうことを抑制できるようになる。更に、不揮発性メモリに対し車載機器の作動履歴が頻繁に書き込まれることがないため、その不揮発性メモリに対し作動履歴等のデータの書き込み回数(記憶回数)が早期に上限まで達するという問題が生じることもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−318267公報(段落[0067]〜[0069])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術を適用することで、電力供給の行われない車両の運転停止中に揮発性メモリに記憶された車載機器の作動履歴が消失することを抑制しつつ、不揮発性メモリに対するデータ(作動履歴)の記憶が頻繁に行われて同メモリに対する書き込み回数が早期に上限まで達するという問題を回避することができるようにはなる。
【0008】
しかし、車両の始動開始時に不揮発性メモリから読み出された車載機器の作動履歴は、その後に揮発性メモリへの記憶が行われる車載機器の作動履歴の初期状態として適切であるとは限らない。例えば、車両の運転停止指令がなされた後、車載機器が初期位置に変位完了する前に、揮発性メモリに記憶されている車載機器の作動履歴が不揮発性メモリに記憶される場合、次回の車両の始動開始時に不揮発性メモリから読み出された車載機器の作動履歴が、その後に揮発性メモリへの記憶が行われる車載機器の作動履歴の初期状態として不適切になる。
【0009】
これは、上述したように不揮発性メモリに車載機器の作動履歴が記憶された後、車載機器が初期位置まで変位する際、その際の車載機器の作動履歴が揮発性メモリには記憶されるものの不揮発性メモリには記憶されず、電子制御装置(揮発性メモリ)への電力供給の停止時には上記作動履歴が消失するためである。このように作動履歴が消失する関係から、次回の車両の始動開始時に不揮発性メモリから読み出される車載機器の作動履歴には上記消失した分の作動履歴が含まれなくなる。その結果、車両の始動開始時に不揮発性メモリから読み出された車載機器の作動履歴が、その後に揮発性メモリへの記憶が行われる車載機器の作動履歴の初期状態として不適切になる。そして、こうしたことが車両の運転停止・始動毎に繰り返されると、揮発性メモリに記憶された車載機器の作動履歴が実際の作動に即したものでなくなり、その作動履歴に基づいて車載機器における各部位の摩耗量等を推定する際の精度が悪くなるという問題がある。
【0010】
なお、上記問題の対策として、車両の運転停止指令がなされた後、車載機器が初期位置に変位し、且つ、その状態で揮発性メモリに記憶されている車載機器の作動履歴が不揮発性メモリに記憶されるまで、電子制御装置(揮発性メモリ)及び車載機器への電力供給を継続し、それらが完了してから同電力供給を停止することも考えられる。ただし、こうした対策を実施すると、車両の運転停止過程において電子制御装置及び車載機器への電力供給を上述したように長く継続しなければならない分、車両での電気エネルギの消費が多くなることは避けられなくなる。
【0011】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電気エネルギの消費を抑えつつ、揮発性メモリに記憶される車載機器の作動履歴を実際の作動に即したものとすることができる車載機器の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、予め定められた初期位置に向けて機械的に付勢される車載機器が目標とする作動位置に変位するよう制御手段によって制御される。こうして車載機器が作動する際には、同機器の作動履歴が記憶手段によって揮発性メモリに記憶される。なお、上記車載機器、制御手段、揮発性メモリ、及び記憶手段はそれぞれ電力供給を受けることで機能する。車両の運転停止指令がなされると、その指令があってから電力供給の停止までの間に、揮発性メモリに記憶されている作動履歴が記憶手段によって不揮発性メモリに記憶される。そして、次回の車両の始動開始時には、不揮発性メモリから読み出した作動履歴に対し履歴追加処理を施したものを初期状態として揮発性メモリへの作動履歴の記憶が行われる。上記履歴追加処理では、不揮発性メモリに作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までの車載機器の作動履歴を、前記不揮発性メモリから読み出した作動履歴に追加することが行われる。
【0013】
仮に、車両の運転停止指令がなされた後、車載機器が初期位置に変位完了する前に、揮発性メモリに記憶されている車載機器の作動履歴が不揮発性メモリに記憶されたとすると、同不揮発性メモリに記憶された作動履歴は、次回の車両の始動開始時に揮発性メモリへの記憶が行われる車載機器の作動履歴の初期状態として不適切になる。これは、上述したように不揮発性メモリに車載機器の作動履歴が記憶された後、車載機器が初期位置まで変位する際、その際の車載機器の作動履歴が揮発性メモリには記憶されるものの不揮発性メモリには記憶されず、揮発性メモリへの電力供給の停止時に上記作動履歴が消失するためである。不揮発性メモリに記憶された車載機器の作動履歴には、上記消失した分の作動履歴が含まれないことから、その分だけ不揮発性メモリに記憶された車載機器の作動履歴が、次回の車両の始動開始時に揮発性メモリへの記憶が行われる車載機器の作動履歴の初期状態として不適切になる。
【0014】
この点、請求項1記載の発明では、車両の始動開始時に不揮発性メモリから読み出された車載機器の作動履歴に対し、上述した履歴追加処理が施されるようになる。このように履歴追加処理が施された後の作動履歴は、車両の始動開始後に揮発性メモリに記憶される車載機器の作動履歴の初期状態として適切なものとなる。従って、車両の始動開始後に揮発性メモリに記憶される車載機器の作動履歴を、実際の車載機器の作動に即したものとすることができる。また、このように揮発性メモリに記憶される車載機器の作動履歴を実際の車載機器の作動に即したものとするうえで、従来のように車両の運転停止過程において車載機器や揮発性メモリ等への電力供給を長く継続しなくてもよいため、車両において電気エネルギが過度に消費されることはない。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、上記履歴追加処理において、車載機器の初期位置と不揮発性メモリに記憶された作動位置とに基づき、その不揮発性メモリに作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までの車載機器の作動履歴が推定される。そして、その推定した作動履歴を前記不揮発性メモリから読み出した作動履歴に追加することが行われる。なお、上記不揮発性メモリに記憶された作動位置とは、揮発性メモリに記憶されていた作動履歴を不揮発性メモリに記憶するときにセンサによって検出された車載機器の作動位置である。また、上記のように推定される作動履歴は、前回の車両の運転停止に伴い揮発性メモリ等への電力供給の停止時に消失した作動履歴に対応したものとなる。従って、このように消失した作動履歴を推定し、それを車両の始動開始時に不揮発性メモリから読み出した作動履歴に追加することになるため、同追加後の作動履歴を車載機器の作動に即したものとすることができる。
【0016】
なお、揮発性メモリに対し車載機器の作動履歴を記憶する際には、それを具体的には請求項3記載の発明のように行うことが可能である。すなわち、車載機器の作動範囲を複数の作動領域に区画して同機器の作動位置を検出するセンサからの検出信号に基づき車載機器が各作動領域を通過した回数を各作動領域毎にカウントし、その回数を各作動領域毎に作動履歴として揮発性メモリに記憶する。また、この場合の履歴追加処理は次のように行われる。すなわち、不揮発性メモリに作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までに、車載機器が不揮発性メモリに記憶された作動位置と同機器の初期位置との間に存在する各作動領域を通過した回数の推定値が「1」とされ、その推定値(「1」)が揮発性メモリから読み出された上記各作動領域に対応する回数に対してそれぞれ加算される。
【0017】
ちなみに、上記車載機器としては、例えば請求項4記載の発明のように、内燃機関の吸気通路に設けられるスロットルバルブがあげられる。この場合、車載機器の作動範囲を区画して得られる複数の作動領域は、スロットルバルブを開閉動作させるためのギヤの歯に対応して設定することが好ましい。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、車両の運転停止指令があった後、揮発性メモリに記憶されている車載機器の作動履歴が定期的に不揮発性メモリに記憶される。このため、車両の運転停止過程で電力供給が停止される際、可能な限り同電力供給の停止直前で不揮発性メモリへの作動履歴の記憶を行うことができる。従って、不揮発性メモリに記憶された車載機器の作動履歴を、可能な限り車載機器の実際の動作に即したものとすることができる。そして、次回の車両の始動開始時に上記不揮発性メモリから読み出された作動履歴に対し履歴追加処理を施すことで、同処理後の作動履歴が揮発性メモリに記憶される作動履歴の初期状態として適切なものになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態におけるスロットルバルブの制御装置全体を示す略図。
【図2】同スロットルバルブの作動範囲を区画して得られる各作動領域毎のスロットルバルブの通過回数の傾向を示すグラフ。
【図3】(a)〜(c)は、車両の運転停止過程での同車両の運転停止指令の有無の変化、不揮発性メモリへの作動履歴の書き込み態様、及び、スロットルバルブの作動位置の変化を示すタイムチャート。
【図4】車両の運転停止過程で揮発性メモリに記憶されているスロットルバルブの作動履歴を不揮発性メモリに記憶する手順を示すフローチャート。
【図5】車両の始動開始時に不揮発性メモリに記憶されているスロットルバルブの作動履歴の読み出し、及び、それに伴って実行される処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を、車載機器の一つであるスロットルバルブの制御装置に具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、車両に搭載される内燃機関1の吸気通路2には、同通路2を通じて内燃機関1に吸入される空気の量を調整すべく開閉動作する電子制御式のスロットルバルブ3が設けられている。
【0021】
このスロットルバルブ3は、軸受け4によって回動可能に支持された軸5と、その軸5に固定されたバルブ本体6と、その軸5を回動させるモータ7とを備えている。そして、モータ7の出力軸7aにはドライブギヤ8が固定されており、軸5にはドリブンギヤ9が固定されている。それらドライブギヤ8とドリブンギヤ9とは噛み合っているため、モータ7の駆動を通じてドライブギヤ8を回動させると、それに伴いドリブンギヤ9、軸5、及びバルブ本体6が回動する。そして、これら軸5及びバルブ本体6の回動によりスロットルバルブ3が開閉動作する。なお、上記モータ7は、バッテリ10等からの電力供給を受けて駆動される。
【0022】
スロットルバルブ3(バルブ本体6)の作動位置、言い換えればスロットルバルブ3の開度は、モータ7の駆動を通じて、軸5の回動方向についてのスロットルバルブ3の作動範囲(開度範囲)内で変化する。なお、スロットルバルブ3は、ばね11の付勢力により、予め定められた初期位置に向けて付勢されている。従って、モータ7への電力供給が停止されて同モータ7による駆動が行われない状態では、スロットルバルブ3は、ばね11の付勢力によって初期位置に変位する。ちなみに、この初期位置としては、スロットルバルブ3の開度が内燃機関1のアイドル運転時の値(アイドル開度)よりも開き側の値となり、且つ車両の待避走行を行うことの可能な作動位置が採用されている。
【0023】
こうしたスロットルバルブ3の作動を制御すべく、車両には電子制御装置12が設けられている。この電子制御装置12もバッテリ10等からの電力供給を受けて機能する。電子制御装置12は、各種のデータを記憶可能な揮発性メモリ13や不揮発性メモリ14を備えている。また、電子制御装置12は、バッテリ10等からの電力供給を受けてスロットルバルブ3におけるバルブ本体6の作動位置を検出するスロットルポジションセンサ15など各種センサからの検出信号を入力する。更に、電子制御装置12は、車両の乗員によって同車両の始動開始時や運転停止時に操作されるイグニッションスイッチ16からの信号も入力する。電子制御装置12は、各種センサからの検出信号に基づき内燃機関1に対する出力要求を把握し、その出力要求に応じた機関吸入空気量が得られるようスロットルバルブ3の開度(作動位置)を調整する。詳しくは、電子制御装置12は、上記出力要求に基づき目標作動位置を設定するとともに、その目標作動位置に向けてスロットルバルブ3が変位するよう同スロットルバルブ3を作動制御する。
【0024】
また、電子制御装置12は、スロットルバルブ3における軸5やドライブギヤ8等のギヤの摩耗量等を推定すべく、そのスロットルバルブ3の作動履歴を揮発性メモリ13に記憶する。詳しくは、スロットルバルブ3の作動範囲(開度範囲)を複数の作動領域i(i=1、2、3、4、5、・・・、n)に区画し、それら区画された作動領域i毎にスロットルバルブ3が同作動領域iを通過した回数をカウントする。そして、このようにカウントされる通過回数を各作動領域i毎にスロットルバルブ3の作動履歴として揮発性メモリ13に記憶する。なお、この実施形態では、各作動領域i(i=1〜n)のうち、作動領域i(i=1)が最もスロットルバルブ3を閉じ側に変位させるときの作動領域となっており、その作動領域i(i=1)から作動領域i(i=n)に向かうほどスロットルバルブ3の開き側の作動領域になる。また、各作動領域i(i=1〜n)はそれぞれ、ドライブギヤ8の各歯8aに対応するように設定されている。
【0025】
ここで、各作動領域i毎にカウントされる上記通過回数の作動領域i毎の傾向を図2に示す。これら各作動領域iのうち、作動領域i(i=7)は、スロットルバルブ3の上記初期位置を含む作動領域となっている。図2から分かるように、各作動領域iのうちスロットルバルブ3の全閉寄りの作動領域iでは上記通過回数が多くなる一方、スロットルバルブ3の全開よりの作動領域iでは上記作動回数が少なくなる。こうした通過回数が多くなるほど、スロットルバルブ3における軸5やギヤ(ドライブギヤ8等)の上記通過回数に対応する部分の摩耗が進み易くなる傾向がある。このことから、各作動領域iにそれぞれ対応する上記通過回数を監視することにより、スロットルバルブ3における軸5やギヤ(ドライブギヤ8等)の各部位の摩耗量等を推定することができる。
【0026】
次に、車両の運転停止過程におけるスロットルバルブ3の作動の制御の仕方、及び、揮発性メモリ13に記憶されたスロットルバルブ3の作動履歴の扱い方について、図3のタイムチャートを参照して説明する。
【0027】
車両の乗員によりイグニッションスイッチ16がオフ操作されると、イグニッションスイッチ16から車両の運転停止指令としてオフ信号が出力される(図3(a)のタイミングT1)。なお、イグニッションスイッチ16のオフ操作は、通常、車両の内燃機関1がアイドル運転状態となっているときに行われる。電子制御装置12は、イグニッションスイッチ16からのオフ信号を入力すると、内燃機関1をアイドル運転状態とすべくアイドル開度となっているスロットルバルブ3を図3(c)に示されるように初期位置に向けて変位させる。
【0028】
上述したように車両の運転停止指令がなされると、その後に同運転停止指令に基づきバッテリ10からスロットルバルブ3(モータ7)及び電子制御装置12等への電力供給が停止される。こうした電力供給の停止がスロットルバルブ3の初期位置への変位完了前になされた場合(例えば図3のタイミングT3)、スロットルバルブ3をモータ7の駆動によっては初期位置まで変位させることができなくなる。ただし、スロットルバルブ3はばね11によって初期位置に向けて付勢されているため、上述したように電力供給が停止されるとしても、上記ばね11の付勢力によってスロットルバルブ3が初期位置まで変位される(図3(c)のT3〜T4)。
【0029】
ところで、車両の運転停止指令に基づき電子制御装置12への電力供給が停止されたとき、揮発性メモリ13に記憶されたスロットルバルブ3の作動履歴が消失しないよう、電子制御装置12は、揮発性メモリ13に記憶された上記作動履歴を不揮発性メモリ14に待避させる。具体的には、車両の運転停止指令があってから電力供給が停止するまでの間に(例えば図3(b)のタイミングT2)、揮発性メモリ13に記憶された上記作動履歴を不揮発性メモリ14に記憶させる。そして、次回の車両の始動開始時、すなわち乗員によるイグニッションスイッチ16のオン操作時、同スイッチ16から出力されるオン信号に基づき、不揮発性メモリ14に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴を読み出し、その作動履歴を初期状態として揮発性メモリ13への同作動履歴の記憶を行うようにすることが考えられる。このようにすれば、車両の運転停止に伴う電力供給の停止により、電子制御装置12の揮発性メモリ13に記憶されていたスロットルバルブ3の作動履歴が消失してしまうことを回避できるようになる。なお、書き込み回数(記憶回数)に上限のある不揮発性メモリ14への上記作動履歴の記憶が車両の運転停止の際に限られるため、不揮発性メモリ14への上記作動履歴の書き込み回数が早期に上限まで達してしまうことを回避できるようにもなる。
【0030】
しかし、車両の始動開始時に不揮発性メモリ14から読み出されたスロットルバルブ3の作動履歴は、その後に揮発性メモリ13への記憶が行われるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として適切であるとは限らない。例えば、車両の運転停止指令がなされた後(T1後)、スロットルバルブ3が初期位置に変位完了する前に、例えば図3のタイミングT4以前のタイミングT2で、揮発性メモリ13に記憶されている上記作動履歴が不揮発性メモリ14に記憶される場合が考えられる。この場合、次回の車両の始動開始時に不揮発性メモリ14から読み出された作動履歴が、その後に揮発性メモリ13への記憶が行われるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として不適切になる。
【0031】
これは、上述したように不揮発性メモリ14にスロットルバルブ3の作動履歴が記憶された後、スロットルバルブ3が初期位置まで変位する際の作動履歴(T2〜T4間の作動履歴)が、揮発性メモリ13には記憶されるものの不揮発性メモリ14には記憶されないためである。従って、上記作動履歴が電子制御装置12(揮発性メモリ13)への電力供給の停止時(T3)に消失し、その関係から次回の車両の始動開始時に不揮発性メモリ14から読み出されるスロットルバルブ3の作動履歴には上記消失した分の作動履歴が含まれなくなる。その結果、車両の始動開始時に不揮発性メモリ14から読み出されたスロットルバルブ3の作動履歴が、その後に揮発性メモリ13への記憶が行われるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として不適切になる。
【0032】
そして、こうしたことが車両の運転停止・始動毎に繰り返されると、揮発性メモリ13に記憶されたスロットルバルブ3の作動履歴が実際のスロットルバルブ3の作動に即したものでなくなり、その作動履歴に基づいてスロットルバルブ3における軸5やギヤ(ドライブギヤ8等)の各部位の摩耗量等を推定する際の精度が悪くなるという問題がある。なお、こうした問題に対処するため、車両の運転停止指令がなされた後、スロットルバルブ3が初期位置まで変位し、且つ、その状態で揮発性メモリ13に記憶されている作動履歴が不揮発性メモリ14に記憶されるまで、電子制御装置12(揮発性メモリ13)及びスロットルバルブ3(モータ7)への電力供給を継続することも考えられる。ただし、こうした対処の仕方では、車両の運転停止過程において電子制御装置12及びスロットルバルブ3への電力供給を上述したように長く継続しなければならない分、車両での電気エネルギの消費が多くなることは避けられなくなる。
【0033】
次に、本実施形態の上記問題への対策の概要について説明する。
電子制御装置12は、上記と同様、車両の運転停止指令があってから電力供給が停止するまでの間に、揮発性メモリ13に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴を不揮発性メモリ14に記憶する(T2)。更に、電子制御装置12は、上記のように揮発性メモリ13に記憶されている作動履歴を不揮発性メモリ14に記憶する際、そのときのスロットルバルブ3の作動位置(スロットル開度)も同不揮発性メモリ14に記憶する。そして、電子制御装置12は、次に車両の始動が開始された後、その車両の始動開始時に不揮発性メモリ14から読み出された上記作動履歴に対し履歴追加処理を施したものを初期状態として揮発性メモリ13への作動履歴の記憶を行う。
【0034】
上記履歴追加処理では、不揮発性メモリ14に上記作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時まで(T2〜T4)のスロットルバルブ3の作動履歴を、不揮発性メモリ14から読み出した作動履歴に追加することが行われる。なお、不揮発性メモリ14に作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までのスロットルバルブ3の作動履歴は、スロットルバルブ3の初期位置と不揮発性メモリ14に記憶されたスロットルバルブ3の作動位置、すなわち不揮発性メモリ14に作動履歴が記憶された時点(T2)でのスロットルバルブ3の作動位置に基づいて推定される。
【0035】
車両の始動開始時に不揮発性メモリ14から読み出されたスロットルバルブ3の作動履歴に対し上述した履歴追加処理を施すことにより、同履歴追加処理後の作動履歴が車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として適切なものとされる。従って、車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴を、実際のスロットルバルブ3の作動に即したものとすることができる。また、このように揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴を実際のスロットルバルブ3の作動に即したものとするうえで、従来のように車両の運転停止過程においてスロットルバルブ3や電子制御装置12(揮発性メモリ13等)への電力供給を長く継続しなくてもよい。このため、上記電力供給を長く継続することに起因して車両において電気エネルギが過度に消費されることは抑制される。
【0036】
次に、車両の運転停止過程で揮発性メモリ13に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴を不揮発性メモリ14に記憶する手順について、作動履歴書き込みルーチンを示す図4のフローチャートを参照して説明する。この作動履歴書き込みルーチンは、電子制御装置12を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
【0037】
同ルーチンにおいては、まず、イグニッションスイッチ16からのオフ信号の有無に基づき、車両の運転停止指令がなされているか否かが判断される(S101)。そして、イグニッションスイッチ16からオフ信号が出力されている場合、すなわち車両の運転停止指令がある場合には、スロットルバルブ3及び電子制御装置12等への電力要求の停止前であることを条件に(S102:YES)、揮発性メモリ13に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴が不揮発性メモリ14に記憶される(S103)。詳しくは、各作動領域i毎のスロットルバルブ3の作動領域iの通過回数が同スロットルバルブ3の作動履歴として揮発性メモリ13に記憶されており、その揮発性メモリ13に記憶されている各作動領域i毎の上記通過回数が不揮発性メモリ14に記憶される。その後、上記通過回数(作動履歴)が不揮発性メモリ14に記憶されたときのスロットルバルブ3の作動位置も同不揮発性メモリ14に記憶される(S104)。
【0038】
作動履歴書き込みルーチンでは、車両の運転停止指令があった後、同ルーチンの実行周期毎(S104の実行毎)という定期性をもって、揮発性メモリ13に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴(上記通過回数)が不揮発性メモリ14に記憶される。このため、車両の運転停止過程で電力供給が停止される際(例えば図3のタイミングT3)、可能な限り同電力供給の停止直前で不揮発性メモリ14への作動履歴の記憶を行うことができる。従って、不揮発性メモリ14に記憶されたスロットルバルブ3の作動履歴を、可能な限りスロットルバルブ3の実際の作動に即したものとすることができる。
【0039】
次に、車両の始動開始時に不揮発性メモリ14に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴を読み出し、その作動履歴に基づいて車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態の設定を行う手順について、作動履歴読み出しルーチンを示す図5のフローチャートを参照して説明する。この作動履歴読み出しルーチンは、電子制御装置12を通じて、イグニッションスイッチ16からオン信号が出力されたとき、すなわち車両の始動開始時に実行される。
【0040】
同ルーチンにおいては、まず、 不揮発性メモリ14に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴が読み出される(S201)。詳しくは、各作動領域i毎のスロットルバルブ3の作動領域iの通過回数が同スロットルバルブ3の作動履歴として不揮発性メモリ14に記憶されており、その不揮発性メモリ14に記憶されている各作動領域i毎の上記通過回数が読み出される。その後、読み出されたスロットルバルブ3の作動履歴、すなわち各作動領域i毎の上記通過回数に対し履歴追加処理が実行される(S202)。
【0041】
この履歴追加処理では、最後に不揮発性メモリ14に作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までのスロットルバルブ3の作動履歴が推定され、その推定された作動履歴が不揮発性メモリ14から読み出されたスロットルバルブ3の作動履歴に追加される。詳しくは、まず、不揮発性メモリ14に作動履歴(各作動領域i毎のスロットルバルブ3の作動領域iの通過回数)が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までに、スロットルバルブ3が不揮発性メモリ14に記憶された作動位置と初期位置との間に存在する各作動領域iを通過した回数が推定される。より具体的には、スロットルバルブ3が上記各作動領域iを通過した回数の推定値が「1」とされる。そして、その推定値が上記各作動領域iに対応する回数にそれぞれ加算される。
【0042】
なお、最後に不揮発性メモリ14に作動履歴が記憶された時点までにスロットルバルブ3への初期位置への変位が完了している場合、不揮発性メモリ14に記憶されている作動位置、すなわち最後に不揮発性メモリ14に作動履歴の記憶が行われた時点のスロットルバルブ3の作動位置が同バルブ3の初期位置と一致する。このことは、最後に不揮発性メモリ14に作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までに、スロットルバルブ3が作動(変位)しないこと、言い換えれば不揮発性メモリ14に記憶された作動位置と初期位置との間に存在する各作動領域iがないことを意味する。この場合、最後に不揮発性メモリ14に作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までに、スロットルバルブ3が不揮発性メモリ14に記憶された作動位置と初期位置との間に存在する各作動領域iを通過した回数が「0」となる。従って、この場合に不揮発性メモリ14から読み出されたスロットルバルブ3の作動履歴(各作動領域i毎のスロットルバルブ3の作動領域iの通過回数)に対しS202の履歴追加処理を実行したとき、それによって上記作動履歴が変化することはない。
【0043】
そして、上記履歴追加処理が施された後のスロットルバルブ3の作動履歴(上記通過回数)は、揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として設定される(S203)。従って、車両の始動開始後においては、上記履歴追加処理が施された後のスロットルバルブ3の作動履歴を初期状態として、揮発性メモリ13への作動履歴の記憶が行われる。上記履歴追加処理を施した後のスロットルバルブ3の作動履歴は、車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として適切なものとなる。このため、車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴は、実際のスロットルバルブ3の作動に即したものとされるようになる。
【0044】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)車両の運転中、スロットルバルブ3が各作動領域iを通過した回数が各作動領域i毎にカウントされる。そして、その回数を各作動領域i毎にスロットルバルブ3の作動履歴として揮発性メモリ13に記憶することが行われる。また、車両の運転停止指令がなされると、揮発性メモリ13に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴(各作動領域i毎の通過回数)が、不揮発性メモリ14に記憶される。そして、車両の始動開始時には、不揮発性メモリ14から読み出されたスロットルバルブ3の作動履歴に対し履歴追加処理が施され、同処理後の作動履歴が車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として設定される。上記履歴追加処理が施された後の作動履歴は、車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴の初期状態として適切なものとなる。従って、車両の始動開始後に揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴を、実際のスロットルバルブ3の作動に即したものとすることができる。また、このように揮発性メモリ13に記憶されるスロットルバルブ3の作動履歴を実際のスロットルバルブ3の作動に即したものとするうえで、従来のように車両の運転停止過程においてスロットルバルブ3や電子制御装置12への電力供給を長く継続しなくてもよいため、その継続に伴う電気エネルギの消費を抑制することができる。
【0045】
(2)上記履歴追加処理では、最後に不揮発性メモリ14に作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までのスロットルバルブ3の作動履歴が推定される。この作動履歴の推定は、不揮発性メモリ14に記憶されているスロットルバルブ3の作動位置、すなわち最後に不揮発性メモリ14に作動履歴の記憶が行われた時点のスロットルバルブ3の作動位置と同バルブ3の初期位置とに基づいて行われる。上記のように推定されるスロットルバルブ3の作動履歴は、前回の車両の運転停止に伴い電子制御装置12(揮発性メモリ13等)への電力供給の停止時に消失した作動履歴に対応したものとなる。従って、上記履歴追加処理では、このように消失した作動履歴を推定し、それを車両の始動開始時に不揮発性メモリ14から読み出した作動履歴に対して追加することになる。詳しくは、不揮発性メモリ14に作動履歴(各作動領域i毎のスロットルバルブ3の作動領域iの通過回数)が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までに、スロットルバルブ3が不揮発性メモリ14に記憶された作動位置と初期位置との間に存在する各作動領域iを通過した回数が推定される。より具体的には、スロットルバルブ3が上記各作動領域iを通過した回数の推定値が「1」とされる。そして、その推定値が上記各作動領域iに対応する回数にそれぞれ加算される。上述したように、不揮発性メモリ14から読み出したスロットルバルブ3の作動履歴(各作動領域i毎のスロットルバルブ3の作動領域iの通過回数)に対し履歴追加処理を施すことで、その履歴追加処理後の作動履歴をスロットルバルブ3の作動に即したものとすることができる。
【0046】
(3)スロットルバルブ3の作動範囲を区画して設定される各作動領域i(i=1〜n))はそれぞれ、スロットルバルブ3を作動させるためのドライブギヤ8の各歯8aに対応するように設定されている。このため、各作動領域i毎のスロットルバルブ3の作動領域iの通過回数は、ドライブギヤ8の各歯8a毎の摩耗量に対応した値となる。従って、揮発性メモリ13に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴、すなわち各作動領域i毎のスロットルバルブ3の作動領域iの通過回数に基づいて、ドライブギヤ8の各歯8a毎の摩耗量を推定することができる。
【0047】
(4)車両の運転停止指令があった後、揮発性メモリ13に記憶されているスロットルバルブ3の作動履歴(上記通過回数)が定期的に、より詳しくは図4の作動履歴書き込みルーチンの実行周期毎に不揮発性メモリ14に記憶される。このため、車両の運転停止過程で電力供給が停止される際、可能な限り同電力供給の停止直前で不揮発性メモリ14への作動履歴の記憶を行うことができる。従って、不揮発性メモリ14に記憶されたスロットルバルブ3の作動履歴を、可能な限りスロットルバルブ3の実際の作動に即したものとすることができる。そして、次回の車両の始動開始時に不揮発性メモリ14から読み出された作動履歴に対し履歴追加処理を施すことで、同処理後の作動履歴が揮発性メモリ13に記憶される作動履歴の初期状態として適切なものになる。
【0048】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・車両の運転停止指令があった後、揮発性メモリ13に記憶されている作動履歴を必ずしも定期的に不揮発性メモリ14に記憶する必要はない。例えば、車両の運転停止指令があった後、揮発性メモリ13に記憶されている作動履歴を一度だけ不揮発性メモリ14に記憶するということも可能である。
【0049】
・スロットルバルブ3以外の車載機器に本発明を適用してもよい。本発明を適用可能な車載機器としては、例えば、車両に搭載された油圧式や電動式のステアリング装置があげられる。
【符号の説明】
【0050】
1…内燃機関、2…吸気通路、3…スロットルバルブ、4…軸受け、5…軸、6…バルブ本体、7…モータ、7a…出力軸、8…ドライブギヤ、8a…歯、9…ドリブンギヤ、10…バッテリ、11…ばね、12…電子制御装置(制御手段、記憶手段)、13…揮発性メモリ、14…不揮発性メモリ、15…スロットルポジションセンサ、16…イグニッションスイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた初期位置に向けて機械的に付勢される車載機器を目標とする作動位置に変位させるよう作動制御する制御手段と、前記車載機器の作動履歴を揮発性メモリに記憶する記憶手段とを備え、前記車載機器、前記制御手段、前記揮発性メモリ、及び前記記憶手段はそれぞれ電力供給を受けることで機能する車載機器の制御装置において、
前記記憶手段は、車両の運転停止指令があってから前記電力供給の停止までの間に前記揮発性メモリに記憶されている作動履歴を不揮発性メモリに記憶し、次回の車両の始動開始時に前記不揮発性メモリから読み出した作動履歴に対し履歴追加処理を施したものを初期状態として前記揮発性メモリへの作動履歴の記憶を行うものであり、
前記履歴追加処理では、前記不揮発性メモリに作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までの前記車載機器の作動履歴を、前記不揮発性メモリから読み出した作動履歴に対して追加する
ことを特徴とする車載機器の制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の車載機器の制御装置において、
電力供給を受けて前記車載機器の作動位置を検出するセンサを更に備え、
前記記憶手段は、前記揮発性メモリに記憶されている作動履歴を前記不揮発性メモリに記憶する際、そのときの前記車載機器の作動位置も同不揮発性メモリに記憶するものであり、
前記履歴追加処理では、前記初期位置と前記不揮発性メモリに記憶された作動位置とに基づき、前記不揮発性メモリに作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までの前記車載機器の作動履歴を推定し、その推定した作動履歴を前記不揮発性メモリから読み出した作動履歴に追加する
請求項1記載の車載機器の制御装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、車載機器の作動範囲を複数の作動領域に区画して前記センサからの検出信号に基づき前記車載機器が各作動領域を通過した回数を各作動領域毎にカウントし、その回数を各作動領域毎に作動履歴として前記揮発性メモリに記憶するものであり、
前記履歴追加処理では、前記不揮発性メモリに作動履歴が記憶された時点から次回の車両の始動開始時までに、前記車載機器が前記不揮発性メモリに記憶された作動位置と前記初期位置との間に存在する各作動領域を通過した回数の推定値を「1」とし、その推定値を前記不揮発性メモリから読み出した前記各作動領域に対応する回数に対しそれぞれ加算する
請求項2記載の車載機器の制御装置。
【請求項4】
前記車載機器は、内燃機関の吸気通路に設けられるスロットルバルブであり、
前記作動領域は、前記スロットルバルブを開閉動作させるためのギヤの歯に対応して設定されている
請求項3記載の車載機器の制御装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、車両の運転停止指令があった後、前記揮発性メモリに記憶されている作動履歴を定期的に前記不揮発性メモリに記憶する
請求項1記載の車載機器の制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−188997(P2012−188997A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53093(P2011−53093)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】