説明

車載機器操作システム

【課題】車載機器の種類ごとの操作方法を覚えなくても当該車載機器を容易に設定操作できるようにする車載機器操作システムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置3の各設定処理と携帯電話機1のタッチパネル部13における複数のボタン表示とを個々に対応付け、ナビゲーション装置3の各設定処理の内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示を携帯電話機1のタッチパネル部13に行わせるとともに、タッチパネル部13におけるボタン表示に対する操作状態にナビゲーション装置3の設定処理を連動させる車載機器用と携帯端末用との各アプリを予め格納しているサーバ装置5から、携帯電話機1及びナビゲーション装置3が前記各アプリを取得し、それら各アプリに従って、携帯電話機1のタッチパネル部13におけるボタン表示に対する操作に応じてナビゲーション装置3の設定処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載機器の操作を行う車載機器操作システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載ナビゲーション装置には、車載ナビゲーション装置の各種機能の操作指示を行うための複数のスイッチが設けられていることが従来から知られている。例えば、車載ナビゲーション装置の種類によっては、ディスプレイと一体になったタッチスイッチを用いるものや本体に設けられたメカニカルなスイッチを用いるものなどが知られている。
【0003】
ただし、車載ナビゲーション装置に設けられるスイッチは、車載ナビゲーション装置の種類によって、すなわち、メーカーや品番が異なるとスイッチの種類自体が異なる他にも、各スイッチの配置が異なったり、各スイッチで操作指示を行うことができる機能の種類が異なったりする。なお、これは車載ナビゲーション装置以外のカーエアコン、自動車用メータ、カーオーディオ等の車載機器のスイッチについても同様である。
【0004】
また、近年では、車載機器の操作を携帯端末によって行う技術が提案されている。例えば、特許文献1には、1台の携帯電話によってドライビングポジション調整装置、エアコン制御アンプ、オーディオユニットの設定操作を行う車両用情報通信装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献2には、携帯電話のテンキーとナビゲーションが実行する処理内容との関係を示す操作ガイド画面をナビゲーション本体から携帯電話に送信し、その操作ガイド画面を携帯電話において表示するとともに、携帯電話のテンキーの操作状態を示す操作ボタン情報を携帯電話からナビゲーション本体に送信し、その操作ボタン情報に基づいて判断した処理内容をナビゲーション本体において実行する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、携帯端末からの操作によって、携帯端末とカーナビゲーションシステムとの無線通信を行って、カーナビゲーションシステムの表示部に表示される情報と同一の情報を携帯端末が取得し、その情報を携帯端末の表示部に表示する技術が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献4には、携帯電話から入力した音声信号に含まれる識別信号に対応した盗難防止ユニットやエアコンユニットやエンジンコントロールユニット等の車載ユニットの駆動と停止とを切り替える制御を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−170338号公報
【特許文献2】特開2005−265572号公報
【特許文献3】特開2004−28909号公報
【特許文献4】特開平10−322265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、同じ製品種に属する車載機器であっても、メーカー等の違いによりスイッチの種類や配置や操作指示を行うことができる機能の種類が異なっている。そのため、例えば、ユーザが普段使用している車載機器とは異なるメーカー製の車載機器を操作する場合には、改めてその車載機器の操作方法を覚えなければならない。従って、ユーザが自家用車以外の車両に乗る場合など、普段使用している車載機器とは異なる車載機器が搭載されている場合には、その操作方法が分からなかったり、操作に手間取ったりするという問題点が生じる。
【0010】
また、今後はレンタカーの他にもカーシェアリングなど、頻繁に違う車両に乗る機会が増加すると考えられることから、この問題点は特に顕著になるものと考えられる。
【0011】
これに対して、特許文献1には、車載機器の設定操作と携帯電話の操作部の操作とをどのように対応付けるかについての具体的な記載がなく、異なる車載機器ごとの設定操作を1台の携帯電話の操作部の操作によってどのように実現するのかが不明なため、上記問題点を解決することはできない。
【0012】
また、特許文献4に開示の技術でも、車載ユニットの設定操作と携帯電話機の操作とをどのように対応付けるかについての具体的な記載がなく、異なる車載ユニットごとの設定操作を1台の携帯電話の操作によってどのように実現するのかが不明なため、上記問題点を解決することはできない。
【0013】
さらに、特許文献2に開示の技術では、携帯電話のメカニカルなスイッチであるテンキーの1〜9の操作ボタンに、ナビゲーションが実行する処理内容を割り振るものの、携帯電話のテンキーの各操作ボタンとナビゲーションが実行する処理内容との対応関係については、操作ガイド画面を見て覚えなければならない。さらに、機能等が異なる複数のナビゲーション装置に対して、どのように対応するかに関してはなんら記載されていない。
【0014】
また、特許文献3に開示の技術では、カーナビゲーションシステムの表示部に表示される操作画面が携帯端末に表示されるだけなので、カーナビゲーションシステムの種類が変われば、表示される操作画面もそのカーナビゲーションシステムの操作画面と同様のものになるだけである。よって、カーナビゲーションシステムの種類ごとに操作方法を覚えなければならず、上記問題点を解決できない。
【0015】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、同一製品種に属する複数の車載機器の種類ごとの操作方法を覚えなくても、それぞれの車載機器を容易に設定操作できるようにする車載機器操作システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1の車載機器操作システムによれば、ユーザが異なる車両に乗り換える場合であっても、その車両に搭載される車載機器の各設定操作の処理内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示が、携行している携帯端末のタッチパネルに表示されることになる。そして、ボタン表示に対する操作状態に車載機器の設定操作を連動させるので、ユーザは、上記設定操作の処理内容を端的に表す表示を頼りにボタン表示を操作するだけで、そのボタン表示に対応する当該車載機器の設定操作を行うことができる。
【0017】
このように、携帯端末のタッチパネルにおけるボタン表示と一体となった、車載機器の各設定操作の処理内容を端的に表す表示を頼りに、ユーザが携帯端末のタッチパネルにおけるボタン表示を操作するだけで、当該車載機器の目的とする設定操作を行うことが可能になる。従って、ユーザが当該車載機器の操作方法を覚えていない場合であっても、当該車載機器を容易に設定操作することが可能となる。
【0018】
また、請求項2の車載機器操作システムによっても、請求項1の場合と同様に、車載機器の各設定操作の処理内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示が、携行している携帯端末のタッチパネルに表示され、ボタン表示に対する操作状態に車載機器の設定操作を連動させることになるので、ユーザが当該車載機器の操作方法を覚えていない場合であっても、当該車載機器を容易に設定操作することが可能となる。
【0019】
また、請求項3の構成によれば、複数種類の車載機器の各設定操作を、処理内容が同一の設定操作同士については、タッチパネルにおける同一のボタン表示に対応付ける一方、処理内容が異なる設定操作同士については、タッチパネルにおける別々のボタン表示にそれぞれ対応付けるので、対象とする車載機器が変わるごとにアプリケーションプログラムを取得する必要がなくなる。よって、アプリケーションプログラムを取得するのにかかる通信のコストを抑えることができる。また、車載機器が変わるごとにアプリケーションプログラムを取得する時間をとられることがなくなるので、より利便性が向上する。
【0020】
また、請求項3のようにする場合には、請求項4のように、携帯端末と通信が確立中の車載機器に存在しない設定操作に対応するタッチパネルのボタン表示については、設定操作の処理内容を端的に表す表示を見にくくするマスク及び当該表示を隠すマスクのうちのいずれかのマスクを行うことが好ましい。これによれば、対象とする車載機器で行うことができない設定操作が一目でわかるので、より利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】車載機器操作システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置3の概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】サーバ装置5の概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】携帯電話機1の概略的な構成を示すブロック図である。
【図5】車載機器操作システム100における携帯電話機1とナビゲーション装置3とサーバ装置5との間でのデータの流れの一例を示すシーケンス図である。
【図6】(a)は、ナビ側表示部40でのボタン表示の一例を示す図であって、(b)は、タッチパネル部13でのボタン表示の一例を示す図である。
【図7】(a)は、ナビ側表示部40でのボタン表示の一例を示す図であって、(b)は、タッチパネル部13でのボタン表示の一例を示す図である。
【図8】(a)は、ナビ側表示部40でのボタン表示の一例を示す図であって、(b)は、タッチパネル部13でのボタン表示の一例を示す図である。
【図9】タッチパネル部13でのボタン表示の一例を示す図である。
【図10】車載機器操作システム200の概略的な構成を示すブロック図である。
【図11】携帯電話機1aの概略的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された車載機器操作システム100の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す車載機器操作システム100は、携帯電話機1、オーディオ機器2、ナビゲーション装置3、及びサーバ装置5を含んでいる。
【0023】
オーディオ機器2は、CDやHDD等の記録媒体に記憶されている楽曲データを再生するデッキやラジオ放送を受信するラジオチューナー等を備えている。また、オーディオ機器2は、ナビゲーション装置3の後述するナビ側制御部45を介して、後述するナビ側音声出力部41にオーディオ音声信号を出力することによってオーディオ音声を出力させる所謂ナビ一体型のオーディオである。
【0024】
詳しくは、オーディオ機器2は、ナビゲーション装置3においてAMラジオ、FMラジオ、CD、メモリースティック等のオーディオソースのうちのいずれかを選択する操作入力を受け付けた場合に、この操作入力に従った信号を受け、この操作入力に従ったオーディオソースからナビ側制御部45を介してナビ側音声出力部41にオーディオ音声信号を出力することによってオーディオ音声を出力させるものである。なお、オーディオ機器2が請求項の車載機器に相当する。
【0025】
ナビゲーション装置3は、自動車等の車両に搭載される車載ナビゲーション装置である。なお、ナビゲーション装置3も、請求項の車載機器に相当する。ナビゲーション装置3は、一般的なナビゲーション装置と同様の経路案内を行うナビゲーション機能を有している他に、例えば、携帯電話機1との間でBluetooth(登録商標)通信を行う機能を有している。なお、ナビゲーション装置3を搭載している車両を以降では、自車両と呼ぶものとする。
【0026】
ここで、図2を用いてナビゲーション装置3の概略的な構成について説明を行う。図2は、ナビゲーション装置3の概略的な構成を示すブロック図である。図2に示すようにナビゲーション装置3は、位置検出器31、地図データ入力器36、ナビ側操作スイッチ群37、リモコン38、リモコンセンサ39、ナビ側表示部40、ナビ側音声出力部41、外部メモリ42、ナビ側Bluetooth通信部(以下、ナビ側BT通信部)43、ナビ側サーバ通信部44、及びナビ側制御部45を備えている。
【0027】
位置検出器31は、自車両の加速度を検出する加速度センサ32、自車両の鉛直方向周りの角速度を検出するジャイロスコープ33、各転動輪の回転速度から自車両の速度を検出する車輪速センサ34、及び人工衛星からの電波に基づいて自車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機35を有している。これらのセンサ等32〜35は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、さらにステアリングの回転センサ等を用いてもよい。
【0028】
地図データ入力器36は、記憶媒体(図示せず)が装着され、その記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ、及び目印データを含む各種データを入力するための装置である。
【0029】
また、上記記憶媒体には、各種施設の種類、名称、住所のデータなども記憶されており、それらのデータは経路探索の際の目的地設定などに用いられる。なお、上記記憶媒体としては、CD−ROMまたはDVD−ROM、メモリカード、HDD等が用いられる。
【0030】
ナビ側操作スイッチ群37は、例えばナビ側表示部40と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作によりナビ側制御部45へ各種機能の操作指示を行う。スイッチの一例としては、ナビ側表示部40の画面の明るさや色の濃さの調整を行うためのモード(以下、設定モード)に切り替えるスイッチである「設定」スイッチや燃費情報等の車両情報を表示させるためのモード(以下、車両情報モード)に切り替えるスイッチである「車両情報」スイッチがある。なお、車両情報スイッチによって表示させる情報としては、燃費情報の他にもタイヤ空気圧の情報や自車両に取り付けられた周辺監視用のカメラの映像等がある。
【0031】
さらに、スイッチとしては、ナビゲーション機能としての各種機能の操作指示を行うモード(以下、NAVIモード)に切り替えるためのスイッチである「NAVI」スイッチやナビゲーション機能としての各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、再探索、地点登録、表示画面変更、表示中止、音量調整等)の操作指示を行うスイッチがある。また、スイッチとしては、オーディオ機能としての各種機能の操作指示を行うモード(以下、AUDIOモード)に切り替えるためのスイッチである「AUDIO」スイッチやオーディオ機能としての各種機能(例えば、オーディオソース選択、ラジオ局選択、選曲、演奏開始、演奏中断、曲送り、曲戻し、演奏順序設定、音量調整、音質調整等)の操作指示を行うスイッチがある。
【0032】
リモコン38には複数の操作スイッチ(図示せず)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ39を介して各種指令信号をナビ側制御部45に入力することにより、ナビ側操作スイッチ群37と同じ機能をナビ側制御部45に対して実行させることが可能である。
【0033】
ナビ側表示部40は、自車両の走行を案内するための地図、目的地選択画面やオーディオソースの選択画面、オーディオの操作画面等を表示する。ナビ側表示部40は、例えばフルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。また、ナビ側音声出力部41は、スピーカ等から構成され、ナビ側制御部45の指示に基づいて、経路案内時の案内音声などを出力する。
【0034】
外部メモリ42は、HDD等の書き込み可能な大容量記憶装置である。外部メモリ42には大量のデータや電源をOFFしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器36からコピーして利用したりする等の用途がある。なお、外部メモリ42は、リムーバブルなメモリであってもよい。
【0035】
ナビ側BT通信部43は、Bluetooth通信専用のアンテナ(以下、BTアンテナ)を有しており、このBTアンテナを介して携帯電話機1に対し2.4GHz帯の電波にて信号を送信するとともに、2.4GHz帯の電波にて携帯電話機1から送信されてくる信号を、BTアンテナを介して受信する。また、ナビ側BT通信部43は、ナビ側制御部45に接続されており、BTアンテナにて携帯電話機1から受信した信号をナビ側制御部45に出力する。
【0036】
また、ナビ側BT通信部43から送信される信号の通信エリアは、例えば車室内に限られており、ナビゲーション装置3と携帯電話機1との間でのBT通信は車室内に限定して行うことができる構成とすればよい。
【0037】
ナビ側サーバ通信部44は、携帯電話網やインターネット等の通信網を介してサーバ装置5と通信を行う。詳しくは、ナビ側サーバ通信部44は、サーバ装置5に後述するデータダウンロード要求と携帯種別ID及びナビ種別IDとの送信を行い、携帯種別ID及びナビ種別IDに応じた後述する携帯用アプリ及びナビ用アプリを受信(つまり、ダウンロード)して、ナビ側制御部45に入力する。
【0038】
また、ナビ側サーバ通信部44は、無線通信を介して携帯電話網やインターネット等の通信網に接続するものとする。よって、例えばナビ側サーバ通信部44は、通信モジュールを介してネットワークに接続する構成としてもよい。ここで言うところの通信モジュールとしては、例えば車両に搭載されるDCM(data communication module)等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュール等がある。
【0039】
ナビ側制御部45は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)が備えられている。ナビ側制御部45は、位置検出器31、地図データ入力器36、ナビ側操作スイッチ群37、リモコンセンサ39、外部メモリ42、ナビ側BT通信部43、ナビ側サーバ通信部44から入力された各種情報に基づき、前述のモードを選択する処理を行ったりする。
【0040】
他にも、ナビゲーション機能としての処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索処理、再探索処理、地点登録処理、表示画面変更処理、表示中止処理、音量調整処理等)やオーディオ機能としての処理(例えば、オーディオソース選択処理、ラジオ局選択処理、選曲処理、演奏開始処理、演奏中断処理、曲送り処理、曲戻し処理、演奏順序設定処理、音量調整処理、音質調整処理等)や携帯電話機1との間でのBluetooth通信を行う処理やサーバ装置5からダウンロードを行う処理等を実行する。
【0041】
例えば、ナビ側制御部45は、携帯電話機1とナビ側BT通信部43を介してBluetooth通信を行うことができるように、ペアリング処理を行う。なお、ペアリング処理の詳細については後述する。
【0042】
また、ナビ側制御部45は、ペアリング中の携帯電話機1からナビ側BT通信部43を介して携帯電話機1の種別(例えばメーカーや機種)を特定するための情報(以下、携帯種別ID)を取得するとともに、例えばナビ側制御部45のROM等のメモリに格納されているナビゲーション装置3の種別(例えばメーカーや機種)を特定するための情報(以下、ナビ種別ID)を読み出し、ナビ側サーバ通信部44からサーバ装置5に送信させる。
【0043】
さらに、ナビ側制御部45は、携帯用アプリ及びナビ用アプリがナビ側サーバ通信部44から入力されたときに、携帯電話機1とナビゲーション装置3とがペアリング中であった場合は、その携帯用アプリ及びナビ用アプリのうちの携帯用アプリをナビ側BT通信部43に送り、携帯電話機1に送信させる。また、ナビ側制御部45は、ナビ側サーバ通信部44を介してサーバ装置5から入力されたナビ用アプリに従った制御を実行する。
【0044】
図1に戻って、サーバ装置5は、携帯電話機1の後述するタッチパネル部13における複数のボタン表示に対する操作状態にナビゲーション装置3の各設定処理を連動させる携帯電話機1用のアプリケーションプログラム(以下、携帯用アプリ)とナビゲーション装置3用のアプリケーションプログラム(以下、ナビ用アプリ)とを保持しているサーバである。なお、サーバ装置5は、1つのサーバからなるものであってもよいし、複数のサーバからなっているものであってもよい。
【0045】
ここで、図3を用いてサーバ装置5の概略的な構成について説明を行う。図3は、サーバ装置5の概略的な構成を示すブロック図である。図3に示すようにサーバ装置5は、サーバ側通信部51、アプリ格納部52、及びサーバ側制御部53を備えている。
【0046】
サーバ側通信部51は、携帯電話網やインターネット等の通信網を介してナビゲーション装置3と通信を行う。詳しくは、サーバ側通信部51は、ナビゲーション装置3から送信される携帯用アプリ及びナビ用アプリのダウンロード要求(以下、データダウンロード要求)、ならびに携帯種別ID及びナビ種別IDを受信し、そのデータダウンロード要求と携帯種別ID及びナビ種別IDをサーバ側制御部53に入力する。また、サーバ側通信部51は、サーバ側制御部53の指示に従って、サーバ側制御部53から送られてくる携帯用アプリ及びナビ用アプリをナビゲーション装置3に送信する。
【0047】
アプリ格納部52は、前述の携帯用アプリ及びナビ用アプリを記憶している。よって、アプリ格納部52が請求項の記憶部に相当する。詳しくは、携帯用アプリ及びナビ用アプリは、オーディオ機器2やナビゲーション装置3の各設定処理と携帯電話機1のタッチパネル部13における複数のボタン表示とを個々に対応付け、オーディオ機器2やナビゲーション装置3の各設定処理の内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示をタッチパネル部13に行わせるとともに、それらのボタン表示に対する操作状態にオーディオ機器2やナビゲーション装置3の設定処理を連動させる携帯電話機1用とナビゲーション装置3用とのアプリケーションプログラムである。
【0048】
また、携帯用アプリ及びナビ用アプリは、例えばナビゲーション装置3のメーカーや機種ごとの設定処理の種類の差に合わせたボタン表示をタッチパネル部13に行わせるとともに、それらのボタン表示に対する操作状態にナビゲーション装置3の設定処理を連動させることが可能なように、ナビゲーション装置3のメーカーや機種ごとにアプリ格納部52に格納されている。
【0049】
なお、携帯用アプリ及びナビ用アプリは、携帯電話機1のメーカーや機種及びナビゲーション装置3のメーカーや機種ごとにアプリ格納部52に格納される構成としてもよい。本実施形態では、一例として携帯電話機1のメーカー及びナビゲーション装置3のメーカーの組み合わせごとに予め用意された携帯用アプリ及びナビ用アプリがアプリ格納部52に予め格納されているものとする。
【0050】
サーバ側制御部53は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)が備えられている。サーバ側制御部53は、サーバ側通信部51、アプリ格納部52から入力された各種情報に基づき、各種処理を実行する。
【0051】
例えば、サーバ側制御部53は、サーバ側通信部51を介してナビゲーション装置3からデータダウンロード要求と携帯種別ID及びナビ種別IDとの入力を受け付けると、その携帯種別ID及びナビ種別IDをもとに、その携帯種別ID及びナビ種別IDが示す携帯電話機1のメーカー及びナビゲーション装置3のメーカーの組み合わせに対応する携帯用アプリ及びナビ用アプリをアプリ格納部52から読み出す。そして、読み出した携帯用アプリ及びナビ用アプリをサーバ側通信部51に送り、サーバ側通信部51からナビゲーション装置3に向けて送信させる。
【0052】
図1に戻って、携帯電話機1は、ユーザに携行される一般的な携帯電話機と同様の通話機能やメール機能等を有している他に、ナビゲーション装置3との間でBluetooth通信を行う機能やタッチパネル機能を有している。また、本実施形態では、携帯電話機1として、例えば操作部分を画面に集約したタッチパネルを搭載したスマートフォンを想定している。なお、携帯電話機1は、請求項の携帯端末に相当する。
【0053】
ここで、図4を用いて携帯電話機1の概略的な構成について説明を行う。なお、便宜上、タッチパネルを搭載した一般的なスマートフォンが有している機能に関する構成のうち、本発明の説明に不要なものについては説明を省略する。図4は、携帯電話機1の概略的な構成を示すブロック図である。図4に示すように携帯電話機1は、携帯側表示部11と携帯側操作検出部12とからなるタッチパネル部13、携帯側音声出力部14、携帯側Bluetooth通信部(以下、携帯側BT通信部)15、及び携帯側制御部16を備えている。
【0054】
携帯側表示部11は、携帯電話機1の各種アプリに応じた画面等を表示するものであって、例えばフルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。なお、携帯側表示部11が請求項の表示部に相当する。
【0055】
また、携帯側操作検出部12は、携帯側表示部11と一体になったタッチスイッチが用いられ、タッチ位置に対応するスイッチが操作されたことを検出する。タッチスイッチは、静電容量方式によるものであってもよいし、抵抗膜方式によるものであってもよいし、他の方式によるものであってもよい。なお、携帯側操作検出部12が請求項の操作部に相当する。ここで、携帯側操作検出部12として、タッチスイッチに加えてメカニカルなスイッチも用いる構成としてもよい。
【0056】
タッチパネル部13は、携帯側表示部11と携帯側操作検出部12とが一体化したものであって、携帯側制御部16の指示に従って携帯側表示部11の画面上に複数のボタン表示を行う。よって、タッチパネル部13が請求項のタッチパネルに相当する。また、タッチパネル部13は、その複数のボタン表示に対する操作が行われた場合に、操作が行われたボタン表示の位置に対応するタッチスイッチで入力を検出する。
【0057】
携帯側音声出力部14は、スピーカ等から構成され、携帯側制御部16の指示に基づいて、通話相手の音声等を出力する。携帯側BT通信部15は、BTアンテナを有しており、このBTアンテナを介してナビゲーション装置3に対し2.4GHz帯の電波にて信号を送信するとともに、2.4GHz帯の電波にてナビゲーション装置3から送信されてくる信号を、BTアンテナを介して受信する。例えば、携帯側BT通信部15は、ナビゲーション装置3から送信されてくる携帯用アプリを受信して携帯側制御部16に入力する。
【0058】
携帯側制御部16は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)が備えられている。携帯側制御部16は、携帯側操作検出部12、携帯側BT通信部15から入力された各種情報に基づき、各種処理を実行する。
【0059】
例えば、携帯側制御部16は、携帯側操作検出部12で携帯電話機1とのペアリングの対象となるBluetooth機器を選択する入力を検出した場合に、選択されたBluetooth機器と携帯側BT通信部15を介してBluetooth通信を行うことができるように、ペアリング処理を行う。
【0060】
なお、ペアリング処理は、一般的なBT機器同士で行われる周知のペアリング処理と同様にして行う構成とすればよい。また、本実施形態では、携帯電話機1とナビゲーション装置3とがペアリングするものとして以降の説明を行う。さらに、携帯側制御部16は、携帯側BT通信部15を介してナビゲーション装置3から入力された携帯用アプリに従った制御を実行する。
【0061】
また、携帯側制御部16は、タッチパネル部13のタッチスイッチで入力を検出したときに、タッチ位置に対応するスイッチが操作されたことを判定し、ボタン表示に応じた処理を実行する。
【0062】
ここで、図5を用いて、車載機器操作システム100における携帯電話機1のタッチパネル部13のボタン表示に対する操作状態にナビゲーション装置3の各設定処理を連動させる処理に関連する処理についての詳細な説明を行う。なお、図5は、車載機器操作システム100における携帯電話機1とナビゲーション装置3とサーバ装置5との間でのデータの流れの一例を示すシーケンス図である。
【0063】
まず、携帯電話機1とのペアリングの対象となるBluetooth機器を選択するユーザからの入力を携帯電話機1の携帯側操作検出部12で検出したとき(図中のt1)に、携帯電話機1の携帯側制御部16が、携帯電話機1の携帯側BT通信部15とナビゲーション装置3のナビ側BT通信部43との接続設定を開始し、携帯側制御部16とナビゲーション装置3のナビ側制御部45とでペアリング処理を行う(図中のt2)。
【0064】
続いて、携帯電話機1とナビゲーション装置3とがペアリングし、携帯側BT通信部15とナビ側BT通信部43との間でBluetooth通信が確立した後に、携帯電話機1の携帯側制御部16が、携携帯側BT通信部15から前述の携帯種別IDをBluetooth通信でナビゲーション装置3に送信させる(図中のt3)。
【0065】
そして、携帯側BT通信部15から送信されてくる携帯種別IDをナビ側BT通信部43が受信した後に、ナビゲーション装置3のナビ側制御部45が、この携帯種別IDに加えて前述のナビ種別IDを、携帯用アプリ及びナビ用アプリの送信を要求するデータダウンロード要求とともに、ナビ側サーバ通信部44からサーバ装置5に送信させる(図中のt4)。
【0066】
上記携帯種別ID及びナビ種別IDとダウンロード要求とをサーバ装置5のサーバ側通信部51で受信すると、サーバ側制御部53が、その携帯種別ID及びナビ種別IDが示す携帯電話機1のメーカー及びナビゲーション装置3のメーカーの組み合わせに対応する携帯用アプリ及びナビ用アプリをアプリ格納部52から読み出す(図中のt5)。そして、読み出した携帯用アプリ及びナビ用アプリをサーバ側通信部51に送り、サーバ側通信部51からナビゲーション装置3に送信させる(図中のt6)。
【0067】
サーバ側通信部51から送信されてくる携帯用アプリ及びナビ用アプリをナビ側サーバ通信部44が受信(つまり、ダウンロード)した後に、ナビゲーション装置3のナビ側制御部45が、ナビ用アプリを例えば外部メモリ42に格納する(図中のt7)。よって、ナビ側サーバ通信部44が請求項の車載側アプリケーション取得部に相当する。また、ナビ側制御部45は、受信した携帯用アプリをナビ側BT通信部43からBluetooth通信で携帯電話機1に送信させる(図中のt8)。よって、ナビ側BT通信部43が請求項の車載側アプリケーション送信部に相当する。
【0068】
なお、一旦携帯用アプリ及びナビ用アプリをダウンロードした後は、同一の携帯電話機1との組み合わせについては、ナビ側制御部45がその携帯用アプリ及びナビ用アプリを再度ダウンロードしないようにする構成としてもよい。ここで、同一の携帯電話機1であるか否かの判別については、個々の携帯電話機1に固有な識別情報(例えばIDや携帯電話番号)をペアリング時に記憶しておき、Bluetooth通信が確立中の携帯電話機1の識別情報と記憶しておいた識別情報とを比較することによって行う構成とすればよい。
【0069】
続いて、ナビ側BT通信部43から送信されてくる携帯用アプリを携帯側BT通信部15が受信すると、携帯側制御部16がその携帯用アプリに従った制御を実行する。始めに、携帯側制御部16は、その携帯用アプリに従って、オーディオ機器2やナビゲーション装置3の各設定処理の内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示をタッチパネル部13(詳しくは携帯側表示部11)に行わせる(図中のt10)。なお、受信した携帯用アプリは、例えば携帯側制御部16のEEPROM等の不揮発性メモリに格納(図中のt9)し、必要なときに読み出して利用する構成とすればよい。
【0070】
ここで、図6(a)〜図7(b)を用いて、タッチパネル部13でのボタン表示の一例について説明を行う。図6(a)は、タッチスイッチとして前述の「設定」スイッチ、「車両情報」スイッチ、「NAVI」スイッチ、及び「AUDIO」スイッチを有するナビゲーション装置3のナビ側表示部40でのボタン表示の一例である。また、図6(b)は、そのナビゲーション装置3に対応して、設定モード、車両情報モード、NAVIモード、及びAUDIOモードのいずれかのモードを選択するための携帯電話機1のタッチパネル部13でのボタン表示の一例である。
【0071】
図6(b)のボタン表示においては、設定モードを選択するボタン表示には、設定モードを選択することを端的に表す表示として「設定」という文字が一体となっている。なお、車両情報モードについは「車両情報」という文字、NAVIモードについては「NAVI」という文字、AUDIOモードについては「AUDIO」という文字がボタン表示と一体となっている。
【0072】
また、図7(a)は、タッチスイッチとして「車両情報」スイッチを有さない一方、「設定」スイッチ、「NAVI」スイッチ及び、「AUDIO」スイッチを有するナビゲーション装置3のナビ側表示部40でのボタン表示の一例である。また、図7(b)は、そのナビゲーション装置3において、設定モード、NAVIモード、及びAUDIOモードのいずれかのモードを選択するための携帯電話機1のタッチパネル部13でのボタン表示の一例である。なお、図7(b)のボタン表示においては、設定モードを選択するボタン表示には「設定」という文字、NAVIモードについては「NAVI」という文字、AUDIOモードについては「AUDIO」という文字が一体となっている。
【0073】
例えば、携帯電話機1とペアリング中のナビゲーション装置3が、「設定」スイッチ、「車両情報」スイッチ、「NAVI」スイッチ、及び「AUDIO」スイッチを有するナビゲーション装置3である場合には、携帯用アプリに従って図6(b)に示すようなパターンのボタン表示を行う構成となる。また、携帯電話機1とペアリング中のナビゲーション装置3が、「設定」スイッチ、「車両情報」スイッチ、「NAVI」スイッチ、及び「AUDIO」スイッチのうちの「車両情報」スイッチを有さないナビゲーション装置3である場合には、携帯用アプリに従って図7(b)に示すようなパターンのボタン表示を行う構成となる。
【0074】
続いて、携帯電話機1のタッチパネル部13のボタン表示を操作するユーザからの入力を、そのボタン表示の位置に対応するタッチスイッチで受け付けたとき(図中のt11)に、携帯側制御部16が、携帯用アプリに従って、操作が行われたボタン表示に応じた選択処理を実行させる指示(以下、選択処理実行指示)を携帯側BT通信部15からナビゲーション装置3に送信させる。一例として、AUDIOモードを選択するボタン表示の操作が行われた場合には、AUDIOモードを選択する選択処理を実行させる選択処理実行指示を携帯電話機1からナビゲーション装置3に送信する(図中のt12)ことになる。
【0075】
一方、携帯側BT通信部15から送信されてくる選択処理実行指示をナビ側BT通信部43が受信すると、ナビ側制御部45がナビ用アプリに従って、その設定処理実行指示に従った制御を実行(つまり、設定処理実行)する(図中のt13)。一例として、AUDIOモードを選択する設定処理を実行させる設定処理実行指示を受信した場合には、AUDIOモードに切り替える制御を実行する。
【0076】
そして、ナビ側制御部45がその選択処理実行指示に従った制御を実行すると、ナビ側制御部45がナビ用アプリに従って、その選択処理実行指示に従った制御を実行したことを示す情報(以下、ナビ側動作情報)をナビ側BT通信部43から携帯電話機1に送信させる(図中のt14)。一例として、AUDIOモードに切り替える制御を実行した場合には、AUDIOモードに切り替える制御を実行したことを示すナビ側動作情報をナビゲーション装置3から携帯電話機1に送信することになる。
【0077】
続いて、ナビ側BT通信部43から送信されてくるナビ側動作情報を携帯側BT通信部15が受信すると、携帯側制御部16が携帯用アプリに従って、そのナビ側動作情報に従った制御を実行する。一例として、AUDIOモードに切り替える制御を実行したことを示すナビ側動作情報を受信した場合には、例えば図8(a)に示すようなナビ側表示部40でのボタン表示に対して、図8(b)に示すようなボタン表示をタッチパネル部13に行わせる(図中のt15)。
【0078】
図8(a)は、オーディオソースとしてCDを選択するための「CD」スイッチ、ラジオを選択するための「RADIO」スイッチ、及びHDDを選択するための「HDD」スイッチを有するナビゲーション装置3のナビ側表示部40でのボタン表示の一例である。また、図8(b)は、そのナビゲーション装置3に対応して、オーディオソースとしてCD、ラジオ、及びHDDを選択する設定処理を行うための携帯電話機1のタッチパネル部13でのボタン表示の一例である。
【0079】
図8(b)のボタン表示においては、オーディオソースを選択するボタン表示には、CDを選択することを端的に表す表示として「CD」という文字が一体となっている。なお、ラジオについは「RADIO」という文字、HDDについては「HDD」という文字がボタン表示と一体となっている。
【0080】
その後も、前述したのと同様にして、携帯電話機1とナビゲーション装置3とのBluetooth通信による接続が解消されるまで、携帯用アプリおよびナビ用アプリに従って、タッチパネル部13におけるボタン表示に対する操作状態にオーディオ機器2やナビゲーション装置3の操作画面の表示を連動させる制御を繰り返しつつ、タッチパネル部13のスイッチ操作により、ナビゲーション装置3に対して所定の機能の実行が指示された場合には、ナビゲーション装置3は指示された機能を実行する。
【0081】
また、ここでは、AUDIOモードを選択した場合の一例として、タッチパネル部13にオーディオソースを選択するボタン表示が行われる例を示したが、NAVIモードを選択した場合には、タッチパネル部13に例えばナビゲーション機能としての各種機能の設定操作を行うためのボタン表示が行われる。なお、ナビゲーション機能としての各種機能の設定操作を行うためのボタン表示の一例としては、表示する地図の縮尺を大きくする「広域」、表示する地図の縮尺を小さくする「詳細」、案内経路の表示に戻る「現在地」、案内経路を再探索する「再探索」などがある。
【0082】
以上の構成によれば、サーバ装置5から携帯種別ID及びナビ種別IDに応じた携帯用アプリ及びナビ用アプリを携帯電話機1およびナビゲーション装置3が取得するので、ユーザが異なる車両に乗り換え、操作方法を覚えていないオーディオ機器2やナビゲーション装置3を使用しなければならなくなった場合であっても、乗り換え先の車両に搭載されるオーディオ機器2やナビゲーション装置3の各設定操作の処理内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示が、携帯電話機1のタッチパネル部13に表示されることになる。
【0083】
また、以上の構成によれば、ボタン表示に対する操作状態にオーディオ機器2やナビゲーション装置3の操作画面の表示を連動させるとともに、タッチパネル部13のスイッチ操作により、ナビゲーション装置3に対して所定の機能の実行が指示された場合には、ナビゲーション装置3は指示された機能を実行するので、ユーザは、設定操作の処理内容を端的に表す表示を頼りにボタン表示を操作するだけで、そのボタン表示に対応するナビゲーション装置3の設定操作を行うことができる。従って、ユーザがオーディオ機器2やナビゲーション装置3の操作方法を覚えていない場合であっても、それらの車載機器を容易に設定操作することが可能となる。
【0084】
なお、前述の実施形態では、ナビゲーション装置3のメーカーや機種ごとの携帯用アプリ及びナビ用アプリをサーバ装置5のアプリ格納部52に予め格納しておき、ナビゲーション装置3のメーカーや機種ごとの携帯用アプリを携帯電話機1で取得し、ナビゲーション装置3のメーカーや機種ごとに応じたボタン表示をタッチパネル部13に行わせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。
【0085】
例えば、複数のメーカーや機種のナビゲーション装置3の各機能の処理(設定処理)を、処理内容が同一のもの同士については、タッチパネル部13における同一のボタン表示に対応付ける一方、処理内容が異なるもの同士については、タッチパネル部13における別々のボタン表示にそれぞれ対応付ける携帯用アプリ(以下、普遍携帯用アプリ)及びナビ用アプリ(以下、普遍ナビ用アプリ)をアプリ格納部52に予め格納しておく構成としてもよい。
【0086】
また、ここで言うところの処理内容が同一とは、複数種類のナビゲーション装置3間での処理を表す表現も処理内容も同一の場合だけでなく、処理を表す表現が違うが、処理内容は実質的に同一である場合も含むものとする。例えば、複数種類のナビゲーション装置3間で、地図の縮尺を大小させる設定操作を行うためのスイッチに用いる表示として「広域」及び「詳細」を用いたり、「−」及び「+」を用いたりする場合であっても、処理の内容自体は地図の縮尺を大小させることで共通している場合が例に挙げられる。
【0087】
なお、普遍携帯用アプリ及び普遍ナビ用アプリも、ナビゲーション装置3の各機能の処理の内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示を携帯電話機1のタッチパネル部13に行わせるとともに、タッチパネル部13のボタン表示に対する操作状態にオーディオ機器2やナビゲーション装置3の機能の処理を連動させるものであるとする。なお、オーディオ機器2やナビゲーション装置3の機能の処理が請求項の設定処理に相当する。
【0088】
ここで、図9を用いて、普遍携帯用アプリを用いる構成とした場合のタッチパネル部13のボタン表示についての説明を行う。また、ここでは、図6(a)で示したようなナビ側表示部40でのボタン表示を行うナビゲーション装置3(以下、ナビA)と図7(a)で示したようなナビ側表示部40でのボタン表示を行うナビゲーション装置3(以下、ナビB)との各機能の処理を対応付けた普遍携帯用アプリを用いる場合を例に挙げて説明を行う。
【0089】
本例では、ナビAとナビBとの各機能の処理を対応付けた普遍携帯用アプリを用いるので、ナビAとナビBとの両方に存在する設定モード、NAVIモード、AUDIOモードを選択する選択処理については、タッチパネル部13における同一のボタン表示にそれぞれ対応付けられることになる。一方、ナビAには存在するがナビBには存在しない車両情報モードを選択する選択処理については、ナビAについてのみタッチパネル部13におけるボタン表示に対応付けられることになる。
【0090】
ナビAについては、上述したようにタッチパネル部13における全ボタン表示に対応付けられるので、図6(b)に示すように、設定モードを選択するボタン表示、車両情報モードを選択するボタン表示、NAVIモードを選択するボタン表示、AUDIOモードを選択するボタン表示の4つのボタン表示を行うようにすればよい。
【0091】
また、ナビBについては、上述したように車両情報モードを選択するボタン表示には対応付けられていないので、図9に示すように、設定モードを選択するボタン表示、NAVIモードを選択するボタン表示、AUDIOモードを選択するボタン表示の3つのボタン表示を行う一方、車両情報モードを選択するボタン表示についてはグレーアウトすることによって、ナビBで行うことができない設定操作が一目でわかるようにすればよい。
【0092】
以上の構成によれば、1種類の普遍携帯用アプリによって、複数種類のナビゲーション装置3間で共通する設定操作に対応するボタン表示に加え、複数種類のナビゲーション装置3間で共通しない設定操作に対応するボタン表示も行うことが可能になる。よって、対象とするナビゲーション装置3が切り替わった場合であっても、1種類の普遍携帯用アプリによって、対象とするナビゲーション装置3の設定操作に必要なだけのボタン表示を行うことが可能になる。
【0093】
また、対象とするナビゲーション装置3が変わるごとに携帯用アプリ及びナビ用アプリを取得する必要がなくなるので、携帯用アプリ及びナビ用アプリを取得するのにかかる通信のコストを抑えることができる。さらに、ナビゲーション装置3が変わるごとに携帯用アプリ及びナビ用アプリを取得する時間をとられることがなくなるので、利便性も向上する。
【0094】
なお、対象とする車載機器で行うことができない設定操作が一目でわかるようにする方法としては、前述のグレーアウトのように、設定操作の処理内容を端的に表す表示を見にくくするマスクを行う方法を用いてもよいし、設定操作の処理内容を端的に表す表示を隠すマスクを行う方法を用いてもよい。
【0095】
また、前述の実施形態では、携帯用アプリ及びナビ用アプリをナビゲーション装置3で一旦受信した後に、ナビゲーション装置3から携帯電話機1に携帯用アプリを送信することによって、携帯電話機1とナビゲーション装置3とのそれぞれにアプリケーションプログラムを持たせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、携帯用アプリ及びナビ用アプリを携帯電話機(携帯電話機1aとする)で一旦受信した後に、携帯電話機1aからナビゲーション装置3にナビ用アプリを送信することによって、携帯電話機1aとナビゲーション装置3とのそれぞれにアプリケーションプログラムを持たせる構成としてもよい。
【0096】
なお、この場合には、携帯電話機1aがナビゲーション装置3からナビ種別IDを取得し、携帯電話機1aからサーバ装置5に携帯種別ID及びナビ種別IDを送信して、その携帯種別ID及びナビ種別IDに対応する携帯用アプリ及びナビ用アプリを携帯電話機1aがサーバ装置5から取得する構成とすればよい。
【0097】
以下では、携帯電話機1が携帯用アプリ及びナビ用アプリをサーバ装置5から取得する実施形態について図面を用いて説明を行う。図10は、本発明が適用された車載機器操作システム200の概略的な構成を示す図である。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。図10に示す車載機器操作システム200は、携帯電話機1a、オーディオ機器2、ナビゲーション装置3、及びサーバ装置5を含んでいる。
【0098】
携帯電話機1aは、ユーザに携行される一般的な携帯電話機と同様の通話機能やメール機能等を有している他に、ナビゲーション装置3との間でBluetooth通信を行う機能やインターネット等の通信網に接続する機能やタッチパネル機能を有している。また、本実施形態では、携帯電話機1aとして、例えば操作部分を画面に集約したタッチパネルを搭載したスマートフォンを想定するものとする。なお、携帯電話機1aは、請求項の携帯端末に相当する。
【0099】
ここで、図11を用いて携帯電話機1aの概略的な構成について説明を行う。図11は、携帯電話機1aの概略的な構成を示すブロック図である。図11に示すように携帯電話機1aは、携帯側表示部11と携帯側操作検出部12とからなるタッチパネル部13、携帯側音声出力部14、携帯側BT通信部15、携帯側制御部16、及び携帯側サーバ通信部17を備えている。なお、携帯電話機1aは、携帯側サーバ通信部17を備えている点と携帯側制御部16の一部の処理が異なる点を除けば携帯電話機1と同様の構成である。
【0100】
携帯側サーバ通信部17は、携帯電話網やインターネット等の通信網を介してサーバ装置5と通信を行う。詳しくは、携帯側サーバ通信部17は、サーバ装置5にデータダウンロード要求と携帯種別ID及びナビ種別IDとの送信を行い、携帯種別ID及びナビ種別IDに応じた携帯用アプリ及びナビ用アプリを受信(つまり、ダウンロード)して、携帯側制御部16に入力する。
【0101】
携帯側制御部16は、ペアリング中のナビゲーション装置3から携帯側BT通信部15を介してナビ種別IDを取得するとともに、例えば携帯側制御部16のROM等のメモリに格納されている携帯種別IDを読み出し、携帯側サーバ通信部17からサーバ装置5に送信させる。
【0102】
また、携帯側制御部16は、携帯用アプリ及びナビ用アプリが携帯側サーバ通信部17から入力されたときに、携帯電話機1とナビゲーション装置3とがペアリング中であった場合は、その携帯用アプリ及びナビ用アプリのうちのナビ用アプリを携帯側BT通信部15に送り、ナビゲーション装置3に送信させる。よって、携帯側サーバ通信部17が請求項の携帯側アプリケーション取得部に相当し、携帯側BT通信部15が請求項の携帯側アプリケーション送信部に相当する。なお、ナビゲーション装置3では、そのナビ用アプリに従った制御が実行されることになる。また、携帯側制御部16は、携帯側サーバ通信部17を介してサーバ装置5から入力された携帯用アプリに従った制御を実行する。
【0103】
以上の構成によれば、ナビゲーション装置3にサーバ装置5との間で通信を行う手段を設ける必要がなくなる。インターネットに接続する機能は携帯電話機では一般的な機能であるので、以上の構成によれば、汎用性を向上させることができる。
【0104】
なお、前述の実施形態では、携帯電話機1とナビゲーション装置3との間での双方向通信にBluetooth通信を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、Wi−fi(登録商標)などの他の無線通信を用いる構成としてもよいし、USB通信などの有線通信を用いる構成としてもよい。
【0105】
また、前述の実施形態では、請求項の携帯端末として携帯電話機1を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。例えば、ナビゲーション装置3と通信が可能であるとともにタッチパネル機能を有している携帯端末でありさえすれば、例えばPDA(Personal Digital Assistant)等を用いる構成としてもよい。
【0106】
なお、前述の実施形態では、請求項の車載機器としてオーディオ機器2やナビゲーション装置3を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。例えば、メータやエアコン等の車両に搭載される他の機器を請求項の車載機器として用いる構成としてもよい。
【0107】
また、携帯電話機1やサーバ装置5との間で通信を行うための手段を持たないメータやエアコン等の車両に搭載される機器については、ナビゲーション装置3やDCM等の通信モジュールを介して通信を行う構成とすればよい。この場合、携帯電話機1やサーバ装置5との間で通信を行うための手段を持たない機器とナビゲーション装置3や通信モジュールとを含めた構成が請求項の車載機器に相当することになる。
【0108】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1 携帯電話機(携帯端末)、2 オーディオ機器(車載機器)、3 ナビゲーション装置(車載機器)、4 サーバ装置、11 携帯側表示部(表示部)、12 携帯側操作検出部(操作部)、13 タッチパネル部(タッチパネル)、14 携帯側音声出力部、15 携帯側BT通信部(携帯側アプリケーション送信部)、16 携帯側制御部、17 携帯側サーバ通信部(携帯側アプリケーション取得部)31 位置検出器、36 地図データ入力器、37 ナビ側操作スイッチ群(スイッチ)、38 リモコン(スイッチ)、39 リモコンセンサ、40 ナビ側表示部、41 ナビ側音声出力部、42 外部メモリ、43 ナビ側BT通信部(車載側アプリケーション送信部)、44 ナビ側サーバ通信部(車載側アプリケーション取得部)、45 ナビ側制御部、51 サーバ側通信部、52 アプリ格納部(記憶部)、53 サーバ側制御部、100 車載機器操作システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携行される携帯端末と、
車両に搭載され、所定の設定操作を行うための複数のスイッチを備える車載機器とを含み、
前記携帯端末と前記車載機器との間で双方向通信を行うことが可能な車載機器操作システムであって、
前記車載機器と通信網を介して接続されるサーバ装置をさらに含み、
前記携帯端末は、
表示部と操作部とが一体化されたタッチパネルを備え、
前記サーバ装置は、
前記車載機器の各設定処理と前記携帯端末のタッチパネルにおける複数のボタン表示とを個々に対応付け、前記車載機器の各設定処理の内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示を前記携帯端末のタッチパネルに行わせるとともに、前記タッチパネルにおけるボタン表示に対する操作状態に前記車載機器の設定処理を連動させる前記車載機器用と前記携帯端末用との各アプリケーションプログラムを予め格納している記憶部を備え、
前記車載機器は、
前記サーバ装置から前記各アプリケーションプログラムを取得する車載側アプリケーション取得部と、
前記アプリケーション取得部で取得した前記携帯端末用のアプリケーションプログラムを前記携帯端末に送信する車載側アプリケーション送信部とを備え、
前記携帯端末及び前記車載機器は、前記各アプリケーションプログラムに従い、前記携帯端末の前記タッチパネルにおけるボタン表示に対する操作に応じて前記車載機器の設定処理を行うことを特徴とする車載機器操作システム。
【請求項2】
ユーザに携行される携帯端末と、
車両に搭載され、所定の設定操作を行うための複数のスイッチを備える車載機器とを含み、
前記携帯端末と前記車載機器との間で双方向通信を行うことが可能な車載機器操作システムであって、
前記携帯端末と通信網を介して接続されるサーバ装置をさらに含み、
前記携帯端末は、
表示部と操作部とが一体化されたタッチパネルを備え、
前記サーバ装置は、
前記車載機器の各設定処理と前記携帯端末のタッチパネルにおける複数のボタン表示とを個々に対応付け、前記車載機器の各設定処理の内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示を前記携帯端末のタッチパネルに行わせるとともに、前記タッチパネルにおけるボタン表示に対する操作状態に前記車載機器の設定処理を連動させる前記車載機器用と前記携帯端末用との各アプリケーションプログラムを予め格納している記憶部を備え、
前記携帯端末は、
前記サーバ装置から前記各アプリケーションプログラムを取得する携帯側アプリケーション取得部と、
前記アプリケーション取得部で取得した前記携帯端末用のアプリケーションプログラムを前記車載機器に送信する携帯側アプリケーション送信部とをさらに備え、
前記携帯端末及び前記車載機器は、前記各アプリケーションプログラムに従い、前記携帯端末の前記タッチパネルにおけるボタン表示に対する操作に応じて前記車載機器の設定処理を行うことを特徴とする車載機器操作システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記サーバ装置の記憶部は、前記複数種類の車載機器の各設定処理を、処理内容が同一の設定処理同士については、前記タッチパネルにおける同一のボタン表示に対応付ける一方、処理内容が異なる設定処理同士については、前記タッチパネルにおける別々のボタン表示にそれぞれ対応付け、前記車載機器の各設定処理の内容を端的に表す表示とそれぞれ一体となった複数のボタン表示を前記携帯端末のタッチパネルに行わせるとともに、前記タッチパネルのボタン表示に対する操作状態に前記車載機器の設定処理を連動させる前記車載機器用と前記携帯端末用との各アプリケーションプログラムを予め格納しており、
前記携帯端末及び前記携帯端末と通信が確立中の前記車載機器は、前記各アプリケーションプログラムに従い、前記携帯端末の前記タッチパネルのボタン表示に対する操作に応じて当該車載機器の設定処理を行うことを特徴とする車載機器操作システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記携帯端末と通信が確立中の前記車載機器に存在しない設定処理に対応する前記タッチパネルのボタン表示については、前記設定処理の内容を端的に表す表示を見にくくするマスク及び当該表示を隠すマスクのうちのいずれかのマスクを行うことを特徴とする車載機器操作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−60396(P2012−60396A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201310(P2010−201310)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】