説明

車載用アンテナコード及び車載用ラジオ受信機

【課題】平衡−不平衡変換器を備える車載用アンテナコードの特性のばらつきを抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】ラジオ信号を伝達する第3アンテナコード52はツイストペアケーブル520及びコネクタ部530を備えている。コネクタ部530のコネクタケース531内には、不平衡ケーブルが接続されるコネクタ535と、表面実装型の平衡−不平衡変換器536とが実装された基板532が収納されている。ツイストペアケーブル520は基板532に接続されている。ツイストペアケーブル520と平衡−不平衡変換器536の平衡側端子、コネクタ535と平衡−不平衡変換器536の不平衡側端子とは、それぞれ基板532に形成された導体で接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナで受信されたラジオ信号を伝達する車載用アンテナコード及び当該車載用アンテナコードを備える車載用ラジオ受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アンテナで受信されたラジオ信号を伝達する車載用アンテナコードに関して様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、アンテナから出力される不平衡信号を平衡信号に変換する平衡−不平衡変換器を備える車載用アンテナコードが開示されている。
【0003】
なお、特許文献2には、コネクタに接続された平衡−不平衡変換器をコネクタ本体に内蔵する技術が開示されている。また特許文献3には、平衡−不平衡変換器をシールド部内に収納する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−204199号公報
【特許文献2】特開平5−152997号公報
【特許文献3】特開平5−259943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、車載用アンテナコードの特性にばらつきが大きいと、車載用アンテナコードの歩留まりが悪化する。したがって、車載用アンテナコードの特性を安定させることが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、平衡−不平衡変換器を備える車載用アンテナコードの特性のばらつきを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、アンテナで受信されたラジオ信号を伝達する車載用アンテナコードであって、基板と、前記基板に接続された平衡ケーブルと、前記基板上に実装された、不平衡ケーブルが接続されるコネクタと、前記基板上に実装された、表面実装型の平衡−不平衡変換器とを備え、前記平衡ケーブルと、前記平衡−不平衡変換器の平衡側端子とは、前記基板に形成された導体で接続されており、前記コネクタと、前記平衡−不平衡変換器の不平衡側端子とは、前記基板に形成された導体で接続されている。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る車載用アンテナコードであって、前記コネクタを収納するコネクタケースをさらに備え、前記基板及び前記平衡−不平衡変換器は、前記コネクタケース内に収納されている。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1及び請求項2のいずれか一つの発明に係る車載用アンテナコードであって、前記基板上に設けられた、前記平衡−不平衡変換器を覆うシールドカバーをさらに備える。
【0010】
また、請求項4の発明は、車載用ラジオ受信機であって、ラジオ信号を受信するアンテナと、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明に係る車載用アンテナコードと、前記車載用アンテナコードが伝達するラジオ信号から、指定された受信チャネルの信号を取り出す受信回路とを備える。
【発明の効果】
【0011】
請求項1乃至請求項4の発明によれば、平衡ケーブルが基板に接続されるとともに、表面実装型の平衡−不平衡変換器及びコネクタが基板上に実装されているため、平衡ケーブル、平衡−不平衡変換器及びコネクタの位置関係が安定する。さらに、平衡ケーブルと、平衡−不平衡変換器の平衡側端子とは、基板に形成された導体で接続されており、コネクタと、平衡−不平衡変換器の不平衡側端子とは、基板に形成された導体で接続されているため、平衡ケーブルと、平衡−不平衡変換器と、コネクタとの間の接続も安定する。よって、本発明の車載用アンテナコードの特性のばらつきを抑制することができ。その結果、車載用アンテナコードの歩留まりを向上することができる。
【0012】
特に請求項2の発明によれば、コネクタを収納するコネクタケース内に基板及び平衡−不平衡変換器が収納されているため、コネクタケースを掴むだけで、本発明の車載用アンテナコードを他の部分に簡単に接続することが可能となる。
【0013】
特に請求項3の発明によれば、平衡−不平衡変換器がシールドカバーで覆われているため、外部から平衡−不平衡変換器に不要な信号が入力されることを防止できるとともに、平衡−不平衡変換器から不要な信号が外部に漏れることを防止できる。よって、本発明の車載用アンテナコードでの平衡−不平衡変換特性が向上するとともに、外部機器の誤動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係るラジオ受信機の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るアンテナコード部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る第3アンテナコードの構成を示す上面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る第3アンテナコードの構成を示す上面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る第3アンテナコードの構成を示す底面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る第3アンテナコードの構成を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る第3アンテナコードの基板を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る第3アンテナコードの基板を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る第3アンテナコードの構成の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の実施の形態に係るラジオ受信機1の構成を示す図である。本実施の形態に係るラジオ受信機1は、自動車等の車両に搭載される車載用のラジオ受信機である。
【0016】
図1に示されるように、ラジオ受信機1は、ラジオ放送を受信するアンテナ2と、アンテナ2が受信したラジオ信号を増幅する増幅器3と、増幅器3で増幅されたラジオ信号から所望のチャネルの信号を取り出して、当該信号に含まれる音声信号を取得する受信回路4とを備えている。増幅器3と受信回路4とはアンテナコード部5で接続されており、増幅器3で増幅されたラジオ信号はアンテナコード部5によって受信回路4に伝達される。
【0017】
アンテナ2は、不平衡型アンテナであって、例えば、自動車のリアガラス6上に導体パターンにより形成されている。アンテナ2の一方端は増幅器3に電気的に接続されている。増幅器3は車両の後方部分においてアンテナ2の近傍に配置されている。受信回路4は、例えば車両の前方部分に配置されている。受信回路4は、ユーザによって指定された受信チャネルの信号をラジオ信号から取り出すチューナー回路4aを有している。受信回路4では、チューナー回路4aによって取り出された、受信チャネルの信号に対して復号化処理や誤り訂正処理等が行われて、受信チャネルの音声信号が取得される。なお、ユーザは、車両の前方部分に設けられた操作パネルを操作することによって受信回路4での受信チャネルを指定することができる。
【0018】
図2はアンテナコード部5の構成を示す図である。図2に示されるように、アンテナコード部5は、増幅器3に接続された第1アンテナコード50と、受信回路4に接続された第2アンテナコード51と、第1アンテナコード50及び第2アンテナコード51の間を接続する第3アンテナコード52とを備えている。
【0019】
第1アンテナコード50は、不平衡ケーブルの一種である同軸ケーブル500とコネクタ部501とを備えている。同軸ケーブル500では、一方端が増幅器3に接続され、他方端がコネクタ部501に接続されている。
【0020】
第2アンテナコード51は、第1アンテナコード50と同様に、同軸ケーブル510とコネクタ部511とを備えている。同軸ケーブル510では、一方端が受信回路4に接続され、他方端がコネクタ部511に接続されている。
【0021】
第3アンテナコード52は、平衡ケーブルの一種であるツイストペアケーブル520と、2つのコネクタ部530とを備えている。ツイストペアケーブル520の両端には2つのコネクタ部530がそれぞれ接続されている。一方のコネクタ部530は、第1アンテナコード50のコネクタ部501と嵌合し、他方のコネクタ部530は、第2アンテナコード51のコネクタ部511と嵌合する。これにより、増幅器3と受信回路4とが、第1アンテナコード50、第2アンテナコード51及び第3アンテナコード52によって電気的に接続され、増幅器3から出力されるラジオ信号が受信回路4に伝達される。
【0022】
上述のように、アンテナ2及び増幅器3は車両の後方に配置され、受信回路4は車両の前方に配置されることから、増幅器3から出力されるラジオ信号を受信回路4まで伝達するアンテナコード部5は、車両の後方から前方にかけて延在することになる。また、本実施の形態に係るアンテナコード部5では、第3アンテナコード52の長さが、第1アンテナコード50及び第2アンテナコード51のそれぞれの長さよりも十分に長く設定されている。したがって、アンテナコード部5の信号伝達特性は、第3アンテナコード52の信号伝達特性によってほぼ決まることになる。
【0023】
以上のような構成を有するラジオ受信機1では、不平衡型のアンテナ2で受信されたラジオ信号が不平衡信号で増幅器3に入力される。増幅器3は、増幅後のラジオ信号を不平衡信号でアンテナコード部5に入力する。アンテナコード部5では、増幅器3から出力された不平衡のラジオ信号が、まず第1アンテナコード50の同軸ケーブル500に入力される。同軸ケーブル500に入力された不平衡のラジオ信号は、コネクタ部501を通じて第3アンテナコード52に入力される。後述するように、第3アンテナコード52の各コネクタ部530には、平衡−不平衡変換器が内蔵されており、第3アンテナコード52に入力された不平衡のラジオ信号は、一方のコネクタ部530に内蔵されている平衡−不平衡変換器によって平衡のラジオ信号に変換される。平衡信号に変換されたラジオ信号は、ツイストペアケーブル520によって他方のコネクタ部530にまで伝達される。そして、他方のコネクタ部530に内蔵されている平衡−不平衡変換器によって、平衡のラジオ信号が不平衡のラジオ信号に戻される。この不平衡のラジオ信号は、第2アンテナコード51に入力され、その同軸ケーブル510によって受信回路4まで伝達される。
【0024】
このように、アンテナ2で受信されたラジオ信号を受信回路4まで伝達するアンテナコード部5の大部分をツイストペアケーブル520で構成することによって、アンテナコード部5の信号伝達特性を良好にすることができる。一般的に、ラジオ信号の周波数帯域では、同軸ケーブルよりもツイストペアケーブルの方がノイズシールド特性は全般的に良好である。特に、AM(Amplitude Modulation)ラジオ信号の周波数帯域では、同軸ケーブルとツイストペアケーブルのノイズシールド特性の差は顕著になる。したがって、ラジオ信号を伝達するアンテナコード部5の大部分をツイストペアケーブル520で構成することによって、ラジオ信号に対するノイズシールド特性が良好となる。
【0025】
次に第3アンテナコード52の構成について詳細に説明する。図3〜6は、第3アンテナコード52の一方の端部を拡大して示す図である。図3,4は第3アンテナコード52の上面図であって、図5は第3アンテナコード52の底面図であって、図6は第3アンテナコード52の側面図である。図4〜6では、コネクタ部530の内部構造を示すために、第3アンテナコード52が備えるコネクタケース531については、その外形のみを破線で示している。なお、第3アンテナコード52の他方の端部の構造も同様となっている。
【0026】
図3〜6に示されるように、第3アンテナコード52のコネクタ部530はコネクタケース531を備えており、このコネクタケース531には、基板532と、コネクタ535と、平衡−不平衡変換器536とが収納されている。また、ツイストペアケーブル520は、平衡信号を伝達する一対の第1信号線521及び第2信号線522と、ドレイン線523とを備えている。
【0027】
基板532は、第1主面533と、当該第1主面533と対面する第2主面534とを備えている。図7,8は基板532の構成を示す平面図である。図7は第1主面533側から見た際の基板532の平面図であって、図8は第2主面534側から見た際の基板532の平面図である。
【0028】
図7,8に示されるように、基板532は例えば長方形の板状部材である。図7に示されるように、基板532の第1主面533における長手方向の一方の端部には、平衡側第1信号パターン533a、平衡側第2信号パターン533b及び平衡側グランドパターン533cが形成されている。平衡側第1信号パターン533a、平衡側グランドパターン533c及び平衡側第2信号パターン533bは、この順で基板532の短手方向に沿って並んでいる。また、基板532の第1主面533における長手方向の他方の端部には、不平衡側グランドパターン533d及び不平衡側信号パターン533eが形成されている。平衡側第1信号パターン533a、平衡側第2信号パターン533b、平衡側グランドパターン533c、不平衡側グランドパターン533d及び不平衡側信号パターン533eのそれぞれは、例えば銅から成る導体パターンである。
【0029】
これに対して、基板532の第2主面534における長手方向の一方の端部には、図8に示されるように、基板532の短手方向に沿って並んだ第1ランドパターン534a及び第2ランドパターン534bが形成されている。第1ランドパターン534aは、第1主面533上の平衡側第1信号パターン533aと対向するように配置され、第2ランドパターン534bは、第1主面533上の平衡側第2信号パターン533bと対向するように配置されている。また、基板532の第2主面534における長手方向の他方の端部には、第3ランドパターン534cが形成されている。第3ランドパターン534cは、第1主面533上の不平衡側信号パターン533eと対向するように配置されている。そして、基板532の第2主面534の大部分には、第1ランドパターン534a、第2ランドパターン534b及び第3ランドパターン534cと接触しないようにグランドパターン534dが形成されている。第1ランドパターン534a、第2ランドパターン534b、第3ランドパターン534c及びグランドパターン534dのそれぞれは、例えば銅からなる導体パターンである。
【0030】
基板532には、その厚み方向に貫通する第1スルーホール601、第2スルーホール602、第3スルーホール603、第4スルーホール604、第5スルーホール605及び第6スルーホール606が形成されている。第1スルーホール601、第2スルーホール602、第3スルーホール603、第4スルーホール604、第5スルーホール605及び第6スルーホール606のそれぞれの内側には銅などの導体が形成されている。
【0031】
第1主面533上の平衡側第1信号パターン533aと、第2主面534上の第1ランドパターン534aとは、第1スルーホール601で電気的に接続されている。第1主面533上の平衡側第2信号パターン533bと、第2主面534上の第2ランドパターン534bとは、第2スルーホール602で電気的に接続されている。第1主面533上の不平衡側信号パターン533eと、第2主面534上の第3ランドパターン534cとは、第4スルーホール604で電気的に接続されている。第1主面533上の平衡側グランドパターン533cと、第2主面534上のグランドパターン534dとは、第3スルーホール603で電気的に接続されている。第1主面533上の不平衡側グランドパターン533dと、第2主面534上のグランドパターン534dとは、第5スルーホール605で電気的に接続されているとともに、第6スルーホール606で電気的に接続されている。第4スルーホール604、第5スルーホール605及び第6スルーホール606は直線状に並んでいる。
【0032】
平衡−不平衡変換器536は、例えば表面実装型のバランであって、図4に示されるように、基板532の第1主面533の略中央部に搭載されている。平衡−不平衡変換器536は、平衡側端子として、平衡側第1信号端子536aと、平衡側第2信号端子536bと、平衡側グランド端子536cとを備えている。また、平衡−不平衡変換器536は、不平衡側端子として、不平衡側グランド端子536dと不平衡側信号端子536eとを備えている。
【0033】
平衡側第1信号端子536a、平衡側第2信号端子536b及び平衡側グランド端子536cの裏面は、第1主面533上の平衡側第1信号パターン533a、平衡側第2信号パターン533b及び平衡側グランドパターン533cとそれぞれ接触している。不平衡側グランド端子536d及び不平衡側信号端子536eの裏面は、第1主面533上の不平衡側グランドパターン533d及び不平衡側信号パターン533eとそれぞれ接触している。
【0034】
平衡側第1信号端子536aと平衡側第1信号パターン533a、平衡側第2信号端子536bと平衡側第2信号パターン533b、平衡側グランド端子536cと平衡側グランドパターン533cは、それぞれ半田で固定されている。また、不平衡側グランド端子536dと不平衡側グランドパターン533d、不平衡側信号端子536eと不平衡側信号パターン533eは、それぞれ半田で固定されている。なお、図4〜6では、半田が形成されている箇所を斜線で示している。
【0035】
コネクタ535は、基板実装タイプのコネクタであって、基板532の第1主面533上に形成されている不平衡側グランドパターン533d及び不平衡側信号パターン533eの大部分を覆うように第1主面533上に搭載されている。コネクタ535は、図6に示されるように、基板532の第1主面533上に搭載された状態で基板532の厚み方向に延びる信号端子535a、第1グランド端子535b及び第2グランド端子535cを備えている。
【0036】
信号端子535aは、基板532の第1主面533側から第4スルーホール604に挿入されている。信号端子535aの先端部は、第2主面534から突出しており、第2主面534上の第3ランドパターン534cと半田で電気的に接続されている。第1グランド端子535bは、基板532の第1主面533側から第5スルーホール605に挿入されており、第2グランド端子535cは、基板532の第1主面533側から第6スルーホール606に挿入されている。第1グランド端子535b及び第2グランド端子535cのそれぞれの先端部は、第2主面534から突出しており、第2主面534上のグランドパターン534dと半田で電気的に接続されている。
【0037】
ツイストペアケーブル520の端部では、図3〜6に示されるように、第1信号線521、第2信号線522及びドレイン線523が保護被覆材524から露出している。露出している第1信号線521の端部521aは、基板532の第1主面533側から第1スルーホール601に挿入されている。第1信号線521の端部521aは、基板532の第2主面534から突出しており、第2主面534上の第1ランドパターン534aと半田で電気的に接続されている。
【0038】
露出している第2信号線522の端部522aは、基板532の第1主面533側から第2スルーホール602に挿入されている。第2信号線522の端部522aは、基板532の第2主面534から突出しており、第2主面534上の第2ランドパターン534bと半田で電気的に接続されている。
【0039】
露出しているドレイン線523の端部523aは、基板532の第1主面533側から第3スルーホール603に挿入されている。ドレイン線523の端部523aは、基板532の第2主面534から突出しており、第2主面534上のグランドパターン534dと半田で電気的に接続されている。
【0040】
以上の構成を有する第3アンテナコード52では、第1アンテナコード50側のコネクタ部530が備えるコネクタ535の信号端子535a、第1グランド端子535b及び第2グランド端子535cに入力された不平衡信号は、当該コネクタ部530が備える平衡−不平衡変換器536の不平衡側信号端子536e及び不平衡側グランド端子536dに入力されて、平衡−不平衡変換器536で平衡信号に変換される。そして、平衡−不平衡変換器536の平衡側第1信号端子536a及び平衡側第2信号端子536bから出力された平衡信号は、ツイストペアケーブル520の第1信号線521及び第2信号線522によって第2アンテナコード51に向かって伝達される。
【0041】
ツイストペアケーブル520によって伝達される平衡信号は、第2アンテナコード51側のコネクタ部530が備える平衡−不平衡変換器536の平衡側第1信号端子536a及び平衡側第2信号端子536bに入力されて、平衡−不平衡変換器536で不平衡信号に変換される。平衡−不平衡変換器536の不平衡側信号端子536e及び不平衡側グランド端子536dから出力される不平衡信号は、第2アンテナコード51側のコネクタ部530が備えるコネクタ535の信号端子535a、第1グランド端子535b及び第2グランド端子535cに入力される。そして、不平衡信号は、第2アンテナコード51の同軸ケーブル510に入力されて、当該同軸ケーブル510によって受信回路4に向かって伝達される。
【0042】
以上のように、本実施の形態に係る第3アンテナコード52では、平衡ケーブルたるツイストペアケーブル520が基板532に接続されるとともに、表面実装型の平衡−不平衡変換器536及びコネクタ535が基板532上に実装されているため、ツイストペアケーブル520、平衡−不平衡変換器536及びコネクタ535の位置関係が安定する。さらに、ツイストペアケーブル520と、平衡−不平衡変換器536の平衡側端子とは、基板532に形成された導体で接続されており、コネクタ535と、平衡−不平衡変換器536の不平衡側端子とは、基板532に形成された導体で接続されているため、ツイストペアケーブル520と、平衡−不平衡変換器536と、コネクタ535との間の接続も安定する。よって、第3アンテナコード52の特性のばらつきを抑制することができる。その結果、第3アンテナコード52の歩留まりを向上することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、コネクタ535を収納するコネクタケース531内に基板532及び平衡−不平衡変換器536が収納されているため、コネクタケース531を掴むだけで、第1アンテナコード50や第2アンテナコード51と接続することが可能となる。よって、第3アンテナコード52を他の部分に簡単に接続することができる。
【0044】
なお、図9に示されるように、平衡−不平衡変換器536をシールドカバー537で覆うことが望ましい。シールドカバー537は、金属で形成されており、コネクタケース531内において、基板532の第1主面533上に半田等によって固定されている。
【0045】
このように、平衡−不平衡変換器536をシールドカバー537で覆うことにより、外部から平衡−不平衡変換器536に不要な信号が入力されることを防止できるとともに、平衡−不平衡変換器536から不要な信号が外部に漏れることを防止できる。よって、第3アンテナコード52での平衡−不平衡変換特性が向上するとともに、外部機器の誤動作を防止できる。
【0046】
なお、シールドカバー537のシールド性能を向上するために、シールドカバー537は、基板532の第2主面534上のグランドパターン534dに電気的に接続される方が望ましい。
【符号の説明】
【0047】
1 ラジオ受信機
2 アンテナ
4 受信回路
52 第3アンテナコード
520 ツイストペアケーブル
531 コネクタケース
532 基板
533a 平衡側第1信号パターン
533b 平衡側第2信号パターン
533c 平衡側グランドパターン
533d 不平衡側信号パターン
533e 不平衡側グランドパターン
534a〜534c 第1〜第3ランドパターン
534d グランドパターン
535 コネクタ
536 平衡−不平衡変換器
536a 平衡側第1信号端子
536b 平衡側第2信号端子
536c 平衡側グランド端子
536d 不平衡側グランド端子
536e 不平衡側信号端子
537 シールドカバー
601〜606 第1〜第6スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナで受信されたラジオ信号を伝達する車載用アンテナコードであって、
基板と、
前記基板に接続された平衡ケーブルと、
前記基板上に実装された、不平衡ケーブルが接続されるコネクタと、
前記基板上に実装された、表面実装型の平衡−不平衡変換器と
を備え、
前記平衡ケーブルと、前記平衡−不平衡変換器の平衡側端子とは、前記基板に形成された導体で接続されており、
前記コネクタと、前記平衡−不平衡変換器の不平衡側端子とは、前記基板に形成された導体で接続されている、車載用アンテナコード。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用アンテナコードであって、
前記コネクタを収納するコネクタケースをさらに備え、
前記基板及び前記平衡−不平衡変換器は、前記コネクタケース内に収納されている、車載用アンテナコード。
【請求項3】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の車載用アンテナコードであって、
前記基板上に設けられた、前記平衡−不平衡変換器を覆うシールドカバーをさらに備える、車載用アンテナコード。
【請求項4】
ラジオ信号を受信するアンテナと、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の車載用アンテナコードと、
前記車載用アンテナコードが伝達するラジオ信号から、指定された受信チャネルの信号を取り出す受信回路と
を備える、車載用ラジオ受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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