説明

車載用コンテンツ再生装置およびこれを備えたプログラム更新システム

【課題】携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを簡便かつ確実に更新することができ、ひいては、携帯型コンテンツ再生装置に保有されたコンテンツを確実に再生することができる「車載用コンテンツ再生装置およびこれを備えたプログラム更新システム」を提供すること。
【解決手段】接続された携帯型コンテンツ再生装置7の識別情報をサーバ8に送信することに応答してサーバ8から送信された携帯型コンテンツ再生装置7に対応する制御プログラムを、制御プログラム保持手段11に新たに保持させることにより、制御プログラムの更新を行う制御プログラム更新手段10を備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用コンテンツ再生装置およびこれを備えたプログラム更新システムに係り、特に、携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを更新するのに好適な車載用コンテンツ再生装置およびこれを備えたプログラム更新システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用の技術として、図5に示すように、車両に搭載された車載用コンテンツ再生装置としてのヘッドユニット1に、携帯型コンテンツ再生装置としてのiPod(商標)等の携帯音楽/映像プレーヤ2をUARTケーブルやUSBケーブル等の接続ケーブル3を用いて接続した上で、ヘッドユニット1によって携帯音楽/映像プレーヤ2を制御する技術が知られていた。
【0003】
ヘッドユニット1による携帯音楽/映像プレーヤ2の制御の内容の典型的なものとしては、ヘッドユニット1によって携帯音楽/映像プレーヤ2から音楽コンテンツや映像コンテンツを読み込んで再生することがあった。
【0004】
このようなヘッドユニット1による携帯音楽/映像プレーヤ2の制御は、ヘッドユニット1が、自らが保有する携帯音楽/映像プレーヤ2を制御するためのファームウェア(プログラム)を実行することによって行われていた。
【0005】
【特許文献1】特開平10−269107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ヘッドユニット1および携帯音楽/映像プレーヤ2ともに、従来から様々な製品ラインナップがあり、モデル(品番)ごとに、動作および機能に違いがあった。
【0007】
さらに、モデルが同じであっても、ファームウェア(ソフトウェアバージョン)の違いによって動作および機能が異なる場合があった。
【0008】
このため、ヘッドユニット1のファームウェアが、ヘッドユニット1に接続された携帯音楽/映像プレーヤ2に対応しないものである場合には、例えば、携帯音楽/映像プレーヤ2からの映像コンテンツの読み込みおよび再生ができない等、ヘッドユニット1が実現可能な動作および機能に制限が課されてしまうことがあった。
【0009】
これを回避するためには、ユーザが、携帯音楽/映像プレーヤ2にヘッドユニット1が対応しているか否かを調べてヘッドユニット1のファームウェアを更新する必要があった。しかるに、このことは、ユーザに対して監視負担や操作負担を強いる結果となっていた。
【0010】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを簡便かつ確実に更新することができ、ひいては、携帯型コンテンツ再生装置に保有されたコンテンツを確実に再生することができる車載用コンテンツ再生装置およびこれを備えたプログラム更新システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用コンテンツ再生装置は、携帯型コンテンツ再生装置が接続可能に形成され、携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段を有し、接続された携帯型コンテンツ再生装置を、前記制御プログラム保持手段によって保持された前記制御プログラムを実行して制御することにより、当該携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを読み込んで再生することが可能に形成された車載用コンテンツ再生装置であって、前記接続された携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を取得する識別情報取得手段と、この識別情報取得手段によって取得された前記識別情報に基づいて、前記接続された携帯型コンテンツ再生装置が、前記制御プログラム保持手段によって現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置であるか否かを判定する判定手段と、この判定手段による判定の結果、前記接続された携帯型コンテンツ再生装置が、前記現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置でない場合に、前記識別情報をサーバに送信する送信手段と、この送信手段による前記識別情報の送信に応答して前記サーバから前記接続された携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムが送信された場合に、当該制御プログラムを受信する受信手段と、この受信手段によって受信された制御プログラムを、前記現在保持されている制御プログラムに替わって前記制御プログラム保持手段に新たに保持させることにより、前記制御プログラムの更新を行う制御プログラム更新手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
ここで、携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムとは、この制御プログラムを車載用コンテンツ再生装置が実行することによって、車載用コンテンツ再生装置が、携帯型コンテンツ再生装置を、動作や機能を制限されずに適切に制御することができるような制御プログラムをいうものとする(以下、同様)。
【0013】
また、制御プログラム保持手段によって現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置とは、車載用コンテンツ再生装置が、当該制御プログラムを実行することによって、動作や機能を制限されずに適切に制御することができるような携帯型コンテンツ再生装置をいうものとする(以下、同様)。
【0014】
そして、このような構成によれば、接続された携帯型コンテンツ再生装置が制御プログラム保持手段によって保持されている制御プログラムに対応しているか否かを識別情報に基づいて自動的に判定することができ、当該携帯型コンテンツ再生装置が当該制御プログラムに対応していない場合には、サーバへの識別情報の送信に応答してサーバから受信された当該携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを制御プログラム保持手段に新たに保持させることにより、制御プログラムを自動的に更新することが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る他の車載用コンテンツ再生装置は、前記識別情報が、前記接続された車載用コンテンツ再生装置の機種名情報およびバージョン情報を含むことを特徴としている。
【0016】
そして、このような構成によれば、機種名情報およびバージョン情報に基づいて、接続された携帯型コンテンツ再生装置が制御プログラム保持手段によって保持されている制御プログラムに対応しているか否かをさらに簡便かつ確実に判定することが可能となり、また、サーバにおいても、当該携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを確実に抽出して車載用コンテンツ再生装置に送信することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明に係るプログラム更新システムは、携帯型コンテンツ再生装置と、携帯型コンテンツ再生装置が接続可能に形成され、携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段を有し、接続された携帯型コンテンツ再生装置を、前記制御プログラム保持手段によって保持された前記制御プログラムを実行して制御することにより、当該携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを読み込んで再生することが可能に形成された車載用コンテンツ再生装置と、複数種類の携帯型コンテンツ再生装置にそれぞれ対応する複数種類の制御プログラムを保有するサーバとを備え、前記制御プログラムの更新を行うプログラム更新システムであって、前記車載用コンテンツ再生装置が、接続された携帯型コンテンツ再生装置から当該携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を取得し、取得された前記識別情報に基づいて、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記制御プログラム保持手段によって現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置であるか否かを判定し、判定の結果、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置でない場合には、前記識別情報を前記サーバに送信するように形成され、前記サーバが、前記車載用コンテンツ再生装置から送信された前記識別情報に基づいて、自らが保有する前記制御プログラムの中から前記接続された携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを抽出し、抽出された制御プログラムを前記車載用コンテンツ再生装置に送信するように形成され、前記車載用コンテンツ再生装置が、前記サーバによって送信された前記制御プログラムを受信し、受信された前記制御プログラムを前記現在保持されている制御プログラムに替わって前記制御プログラム保持手段に新たに保持させることにより、前記制御プログラムの更新を行うように形成されていることを特徴としている。
【0018】
そして、このような構成によれば、車載用コンテンツ再生装置に接続された携帯型コンテンツ再生装置が制御プログラム保持手段によって保持されている制御プログラムに対応しているか否かを、識別情報に基づいて自動的に判定することが可能となる。この判定の結果、車載用コンテンツ再生装置に接続された携帯型コンテンツ再生装置が、制御プログラム保持手段によって保持された制御プログラムに対応していない場合には、車載用コンテンツ再生装置側からサーバ側に、当該携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を送信することが可能となる。そして、サーバは、車載用コンテンツ再生装置から送信された識別情報に基づいて、車載用コンテンツ再生装置に接続された携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを確実に抽出して車載用コンテンツ再生装置に送信することが可能となる。さらに、車載用コンテンツ再生装置は、サーバから送信された制御プログラムを、制御プログラム保持手段に新たに保持させることにより、制御プログラムを自動的に更新することが可能となる。
【0019】
さらにまた、本発明に係る他のプログラム更新システムは、携帯型コンテンツ再生装置と、携帯型コンテンツ再生装置が接続可能に形成され、携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段を有し、接続された携帯型コンテンツ再生装置を、前記制御プログラム保持手段によって保持された前記制御プログラムを実行して制御することにより、当該携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを読み込んで再生することが可能に形成された車載用コンテンツ再生装置と、複数種類の携帯型コンテンツ再生装置にそれぞれ対応する複数種類の制御プログラムを保有するサーバと、前記携帯型コンテンツ再生装置が接続可能に形成され、前記サーバとの間で通信が可能に形成されたホーム・コンピュータとを備え、前記制御プログラムの更新を行う制御プログラム更新システムであって、前記車載用コンテンツ再生装置が、接続された携帯型コンテンツ再生装置から当該携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を取得し、取得された前記識別情報に基づいて、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記制御プログラム保持手段によって現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置であるか否かを判定し、判定の結果、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置でない場合には、当該携帯型コンテンツ再生装置に対して、当該携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを前記サーバから取得するためのプログラムである取得用プログラムを送信するように形成され、前記取得用プログラムを送信された携帯型コンテンツ再生装置が、前記車載用コンテンツ再生装置から切断された後に前記ホーム・コンピュータに接続された場合に、前記取得用プログラムを実行して当該携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を前記ホーム・コンピュータを介して前記サーバに送信するように形成され、前記サーバが、前記ホーム・コンピュータを介して送信された前記識別情報に基づいて、自らが保有する前記制御プログラムの中から前記ホーム・コンピュータに接続された携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを抽出し、抽出された制御プログラムを前記ホーム・コンピュータに送信するように形成され、前記ホーム・コンピュータに接続された前記携帯型コンテンツ再生装置が、前記サーバから前記ホーム・コンピュータに送信された前記制御プログラムを、前記ホーム・コンピュータから取得し、その後、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記車載用コンテンツ再生装置に再接続された際に、当該制御プログラムを前記車載用コンテンツ再生装置に提供するように形成され、前記車載用コンテンツ再生装置が、再接続された前記携帯型コンテンツ再生装置から提供された前記制御プログラムを、前記現在保持されている制御プログラムに替わって前記制御プログラム保持手段に新たに保持させることにより、前記制御プログラムの更新を行うように形成されていることを特徴としている。
【0020】
そして、このような構成によれば、車載用コンテンツ再生装置が、接続された携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムをサーバから直接受信するための通信手段を有しない場合であっても、当該携帯型コンテンツ再生装置に、ホーム・コンピュータを介してサーバから当該携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを取得(受信)させ、取得させた制御プログラムを、当該携帯型コンテンツ再生装置の車載用コンテンツ再生装置への再接続の際に当該車載用コンテンツ再生装置から取得することによって、制御プログラムを自動的に更新することが可能となる。
【0021】
また、本発明に係る他のプログラム更新システムは、前記識別情報が、前記接続された車載用コンテンツ再生装置の機種名情報およびバージョン情報を含むことを特徴としている。
【0022】
そして、このような構成によれば、機種名情報およびバージョン情報に基づいて、接続された携帯型コンテンツ再生装置が制御プログラム保持手段によって保持されている制御プログラムに対応しているか否かをさらに簡便かつ確実に判定することが可能となり、また、サーバが、当該携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを確実に抽出して車載用コンテンツ再生装置に送信することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、車載用コンテンツ再生装置が、接続された携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を用いて、当該携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムをサーバから取得して自動的に更新することができる結果、車載用コンテンツ再生装置が、携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを簡便かつ確実に更新することができ、ひいては、携帯型コンテンツ再生装置に保有されたコンテンツを確実に再生することができる。
【0024】
また、識別情報として、携帯型コンテンツ再生装置の機種名情報およびバージョン情報を用いれば、携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムをさらに簡便かつ確実に更新することができる。
【0025】
さらに、このような制御プログラムの自動的な更新は、車載用コンテンツ再生装置が、制御プログラムをサーバから直接受信するための通信手段を備えていない場合であっても、ホーム・コンピュータを介して行うことができるので、種々の車載用コンテンツ再生装置における制御プログラムの更新に対応することができ、汎用性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る車載用コンテンツ再生装置およびこれを備えたプログラム更新システムの実施形態として、車載用コンテンツ再生装置としてのヘッドユニットおよびプログラム更新システムとしてのファームウェア更新システムの第1実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
【0027】
図1は、本実施形態におけるファームウェア更新システム5を示したものであり、このファームウェア更新システム5は、ヘッドユニット6と、携帯型コンテンツ再生装置としての携帯音楽/映像プレーヤ7と、サーバ8とによって構成されている。
【0028】
ヘッドユニット6と携帯音楽/映像プレーヤ7とは、図1に示すように、UARTケーブルやUSBケーブル等の接続ケーブル3によって接続可能とされている。
【0029】
また、ヘッドユニット6は、サーバ8との間で、後述する携帯電話機9や無線LANを用いた通信が可能とされている。
【0030】
さらに、サーバ8には、複数種類の制御プログラムとして、複数種類の携帯音楽/映像プレーヤ7にそれぞれ対応する複数種類のファームウェアが保有されている。なお、携帯音楽/映像プレーヤ7の種類は、携帯音楽/映像プレーヤ7のモデルが異なれば異なることは勿論のこと、同じモデルであっても、携帯音楽/映像プレーヤ7の動作させるソフトウェアのバージョンが異なれば異なるものとして扱う(以下、同様)。
【0031】
次に、図2は、ヘッドユニット6および携帯音楽/映像プレーヤ7の詳細を示したものである。図2に示すように、ヘッドユニット6は、主制御部である車載側マイコン10を有しており、この車載側マイコン10には、接続ケーブル3が接続されている。
【0032】
車載側マイコン10には、制御プログラム保持手段としての車載側記憶部11が内蔵されており、この車載側記憶部11には、ファームウェアが記憶されて保持されている。なお、車載側記憶部11は、たとえば、FlashRom等であってもよい。
【0033】
車載側マイコン10は、この車載側記憶部11に記憶されたファームウェアを実行することによって、ヘッドユニット6に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7を制御するようになっている。例えば、車載側マイコン10は、携帯音楽/映像プレーヤ7から、携帯音楽/映像プレーヤ7が保有する音楽コンテンツおよび映像コンテンツを、接続ケーブル3を介して読み込み、読み込まれた音楽コンテンツおよび映像コンテンツを再生するようになっている。
【0034】
車載側マイコン10には、音声デコーダ12が接続されており、この音声デコーダ12には、車載側マイコン10が携帯音楽/映像プレーヤ7から読み込んだ音楽コンテンツのデータが入力されるようになっている。そして、音声デコーダ12は、入力された音楽コンテンツのデータをデコードするようになっている。
【0035】
音声デコーダ12には、電子ボリューム14が接続されており、この電子ボリューム14には、音声デコーダ12によってデコードされた音楽コンテンツのデータが入力されるようになっている。そして、電子ボリューム14は、入力された音楽コンテンツのデータに対して、ユーザの操作にしたがった音量調整を行うようになっている。
【0036】
電子ボリューム14には、アンプ15が接続されており、このアンプ15には、電子ボリューム14による音量調整を経た後の音楽コンテンツのデータが入力されるようになっている。そして、アンプ15は、入力された音楽コンテンツのデータを増幅させて出力するようになっている。
【0037】
アンプ15には、スピーカ16が接続されており、このスピーカ16は、アンプ15から出力された音楽コンテンツのデータを音声に変換して出力するようになっている。このようにして、携帯音楽/映像プレーヤ7から読み込まれた音楽コンテンツをヘッドユニット6側で再生することができるようになっている。
【0038】
さらに、車載側マイコン10には、映像デコーダ17が接続されており、この映像デコーダ17には、車載側マイコン10が携帯音楽/映像プレーヤ7から読み込んだ映像コンテンツのデータが入力されるようになっている。そして、映像デコーダ17は、入力された映像コンテンツのデータをデコードするようになっている。
【0039】
映像デコーダ17には、ディスプレイドライバ18が接続されており、このディスプレイドライバ18には、液晶ディスプレイ等のディスプレイ20が接続されている。ディスプレイドライバ18には、映像デコーダ17によってデコードされた映像コンテンツのデータが入力されるようになっている。そして、ディスプレイドライバ18は、入力された映像コンテンツのデータにしたがってディスプレイ20を駆動することによって、映像コンテンツのデータに対応した映像をディスプレイ20に表示するようになっている。このようにして、携帯音楽/映像プレーヤ7から読み込まれた映像コンテンツをヘッドユニット6側で再生することができるようになっている。
【0040】
また、車載側マイコン10には、ラジオチューナ21およびCD/DVDメカ22がそれぞれ接続されている。車載側マイコン10は、これらラジオチューナ21およびCD/DVDメカ22から入力された音声コンテンツ(音楽コンテンツを含む)のデータまたは映像コンテンツのデータを、音声デコーダ12または映像デコーダ17にそれぞれ出力することによって、各機器21,22から取得したコンテンツを再生することができるようになっている。
【0041】
本実施形態において、車載側マイコン10は、識別情報取得手段として機能するようになっている。すなわち、車載側マイコン10は、ヘッドユニット6に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7から、この携帯音楽/映像プレーヤ7の識別情報として、機種名情報およびバージョン情報(以下、機種名・バージョン情報と称する)を取得するようになっている。
【0042】
また、本実施形態において、車載側マイコン10は、判定手段として機能するようになっている。すなわち、車載側マイコン10は、ヘッドユニット6に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7から取得された機種名・バージョン情報に基づいて、当該携帯音楽/映像プレーヤ7が、車載側記憶部11によって現在記憶(保持)されているファームウェアに対応する携帯音楽/映像プレーヤ(以下、対応機器と称する)であるか否かを判定するようになっている。
【0043】
車載側マイコン10には、通信I/F(インターフェース)24が接続されており、この通信I/F24には、無線LANアンテナ25および携帯電話機9がそれぞれ接続されている。
【0044】
本実施形態において、車載側マイコン10は、携帯電話機9および無線LANアンテナ25とともに送信手段として機能するようになっている。すなわち、車載側マイコン10は、前記判定の結果、ヘッドユニット6に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7が、対応機器でない場合に、前記取得された機種名・バージョン情報を、無線LANアンテナ25または携帯電話機9を介してサーバ8に送信するようになっている。
【0045】
また、本実施形態において、車載側マイコン10は、携帯電話機9および無線LANアンテナ25とともに受信手段として機能するようになっている。すなわち、車載側マイコン10は、サーバ8への機種名・バージョン情報の送信に応答して、サーバ8から、ヘッドユニット6に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7に対応するファームウェア(以下、対応ファームウェアと称する)が送信された場合に、当該対応ファームウェアを無線LANアンテナ25または携帯電話機9を介して受信するようになっている。
【0046】
さらに、本実施形態において、車載側マイコン10は、制御プログラム更新手段として機能するようになっている。すなわち、車載側マイコン10は、サーバ8から受信された対応ファームウェアを、車載側記憶部11によって現在記憶されているファームウェアに替わって車載側記憶部11に新たに記憶させることにより、ファームウェアを更新するようになっている。
【0047】
一方、図2に示すように、携帯音楽/映像プレーヤ7は、携帯側マイコン27を有しており、この携帯側マイコン27は、接続ケーブル3を介してヘッドユニット6の車載側マイコン10に接続可能とされている。
【0048】
携帯側マイコン27には、携帯側記憶部28が接続されており、この携帯側記憶部28には、携帯音楽/映像プレーヤ7の識別情報として、携帯音楽/映像プレーヤ7の機種名・バージョン情報が記憶されている。さらに携帯側記憶部28には、音楽コンテンツおよび映像コンテンツが記憶されている。
【0049】
携帯側記憶部28には、音声デコーダ30および映像デコーダ31がそれぞれ接続されている。
【0050】
携帯側マイコン27は、携帯音楽/映像プレーヤ7をヘッドユニット6とは独立した状態として使用する際に、図示しない入力手段の入力操作によって再生を指示した音楽コンテンツまたは映像コンテンツのデータを、携帯側記憶部28から読み出して音声デコーダ30、映像デコーダ31にそれぞれ入力するようになっている。
【0051】
音声デコーダ30は、入力された音楽コンテンツのデータをデコードするようになっている。また、映像デコーダ31は、入力された映像コンテンツのデータをデコードするようになっている。
【0052】
音声デコーダ30には、電子ボリューム32が接続されており、この電子ボリューム32には、音声デコーダ30によってデコードされた音楽コンテンツのデータが入力されるようになっている。そして、電子ボリューム32は、入力された音楽コンテンツのデータに対して、ユーザの操作にしたがった音量調整を行うようになっている。
【0053】
電子ボリューム32には、アンプ33が接続されており、このアンプ33には、電子ボリューム32による音量調整を経た後の音楽コンテンツのデータが入力されるようになっている。そして、アンプ33は、入力された音楽コンテンツのデータを増幅させて出力するようになっている。
【0054】
アンプ33には、イヤホン34が接続されており、このイヤホン34は、アンプ33から出力された音楽コンテンツのデータを音声に変換して出力するようになっている。
【0055】
映像デコーダ31には、ディスプレイドライバ36が接続されており、このディスプレイドライバ36には、ディスプレイ37が接続されている。ディスプレイドライバ36には、映像デコーダ31によってデコードされた映像コンテンツのデータが入力されるようになっている。そして、ディスプレイドライバ36は、入力された映像コンテンツのデータにしたがってディスプレイ37を駆動することによって、映像コンテンツのデータに対応した映像をディスプレイ37に表示するようになっている。
【0056】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0057】
まず、図1のステップ1(ST1)に示すように、ヘッドユニット6は、車載側マイコン10により、ヘッドユニット6に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7から、この携帯音楽/映像プレーヤ7の機種名・バージョン情報を取得する。この機種名・バージョン情報は、車載側マイコン10による携帯音楽/映像プレーヤ7に対する機種名・バージョン情報の要求に応答して携帯音楽/映像プレーヤ7から車載側マイコン10に送信されるようにしてもよい。
【0058】
次いで、ステップ2(ST2)に示すように、ヘッドユニット6は、車載側マイコン10により、ステップ1(ST1)において取得された機種名・バージョン情報に基づいて、ヘッドユニット6に接続されている携帯音楽/映像プレーヤ7が対応機器であるか否かを判定する。
【0059】
この判定の結果、ヘッドユニット6に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7が対応機器でない場合には、ヘッドユニット6は、ステップ3(ST3)に示すように、車載側マイコン10により、機種名・バージョン情報を、サーバ8に送信する。
【0060】
なお、ステップ2(ST2)における判定の結果、ヘッドユニット6に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7が対応機器である場合には、ファームウェアの更新は行わない。
【0061】
次いで、ステップ4(ST4)に示すように、ヘッドユニット6から機種名・バージョン情報を送信されたサーバ8は、この機種名・バージョン情報に基づいて、自らが保有するファームウェアの中から、対応ファームウェアを抽出する。なお、サーバ8は、複数種類のファームウェアを、機種名・バージョン情報との対応関係を有した状態(例えば、テーブル方式)として保有しておけば、ステップ4(ST4)における機種名・バージョン情報に基づく対応ファームウェアの抽出を簡便に行うことができる。
【0062】
次いで、ステップ5(ST5)に示すように、サーバ8は、ステップ4(ST4)において抽出された対応ファームウェアを、ヘッドユニット6に送信する。
【0063】
次いで、ステップ6(ST6)に示すように、ヘッドユニット6は、車載側マイコン10により、ステップ5(ST5)においてサーバ8から送信された対応ファームウェアを、携帯電話機9または無線LANアンテナ25を介して受信する。そして、ヘッドユニット6は、車載側マイコン10により、受信された対応ファームウェアを、車載側記憶部11によって現在記憶されているファームウェアに替わって、車載側記憶部11に新たに記憶(上書き)させることによって、ファームウェアを更新する。
【0064】
次に、ヘッドユニットおよびファームウェア更新システムの第2実施形態について、図3および図4を参照して説明する。
【0065】
なお、第1実施形態と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0066】
図3は、本実施形態におけるファームウェア更新システム40を示したものであり、このファームウェア更新システム40は、ヘッドユニット41と、携帯音楽/映像プレーヤ42と、サーバ43と、ホーム・コンピュータ45とによって構成されている。
【0067】
本実施形態において、携帯音楽/映像プレーヤ42とヘッドユニット41とは、第1実施形態と同様に接続ケーブル3によって接続可能とされている。
【0068】
また、本実施形態において、携帯音楽/映像プレーヤ42は、ホーム・コンピュータ45とも、USBケーブル等の接続ケーブル46を介して接続可能とされている。
【0069】
なお、図3には、2個の携帯音楽/映像プレーヤ42が示されているが、これは、同一(1個)の携帯音楽/映像プレーヤ42が、ヘッドユニット41とホーム・コンピュータ45との双方に、互いに異なる時間に接続されることを示している。
【0070】
さらに、本実施形態において、サーバ43には、第1実施形態と同様に、複数種類の携帯音楽/映像プレーヤ42にそれぞれ対応する複数種類のファームウェアが保有されている。
【0071】
さらにまた、ホーム・コンピュータ45とサーバ43とは、インターネット等の通信手段を介して通信可能とされている。
【0072】
図4は、本実施形態におけるヘッドユニット41および携帯音楽/映像プレーヤ42の詳細を示したものである。
【0073】
図4に示すように、本実施形態におけるヘッドユニット41は、第1実施形態におけるヘッドユニット6とほぼ同様の構成を有しており、車載側マイコン54によって車載側記憶部55に記憶されたファームウェアを実行して携帯音楽/映像プレーヤ42を制御することにより、携帯音楽/映像プレーヤ42から音楽コンテンツや映像コンテンツを読み込んで再生可能とされている。
【0074】
また、第1実施形態と同様に、車載側マイコン54は、ヘッドユニット41に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42から機種名・バージョン情報を取得し、取得された機種名・バージョン情報に基づいて、当該携帯音楽/映像プレーヤ42が対応機器であるか否かを判定するようになっている。
【0075】
そして、この判定の結果、ヘッドユニット41に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42が対応機器でない場合には、ヘッドユニット41は、ファームウェアを更新する処理を行うようになっている。
【0076】
ただし、本実施形態におけるヘッドユニット41は、第1実施形態における携帯電話機9、通信I/F24および無線LANアンテナ25のようなサーバ43との独自の通信手段を備えていない。
【0077】
その替わりに、車載側マイコン54は、ヘッドユニット41に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42が対応機器でない場合には、当該携帯音楽/映像プレーヤ42に対して、取得用プログラムとして、当該携帯音楽/映像プレーヤ42の対応ファームウェアをサーバ43から取得するための取得用ソフトウェアを送信するようになっている。
【0078】
この取得用ソフトウェアは、車載側記憶部55に記憶させておき、この取得用ソフトウェアを携帯音楽/映像プレーヤ42に送信する際に、車載側マイコン54によって車載側記憶部55から読み出されるようにしてもよい。
【0079】
ここで、ヘッドユニット41によって取得用ソフトウェアが送信された携帯音楽/映像プレーヤ42は、ヘッドユニット41から切断された後に、取得用ソフトウェアを保有した状態としてホーム・コンピュータ45に接続されるようになっている。
【0080】
取得用ソフトウェアが保有された携帯音楽/映像プレーヤ42は、ホーム・コンピュータ45に接続され、かつ、ホーム・コンピュータ45とサーバ43との間の通信が確立されると、取得用ソフトウェアを実行することによって、当該携帯音楽/映像プレーヤ42の機種名・バージョン情報を、ホーム・コンピュータ45(通信手段)を介してサーバ43に送信するようになっている。
【0081】
サーバ43は、ホーム・コンピュータ45に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42からホーム・コンピュータ45を介して送信された機種名・バージョン情報に基づいて、当該携帯音楽/映像プレーヤ42の対応ファームウェアを抽出し、抽出された対応ファームウェアをホーム・コンピュータ45に送信するようになっている。
【0082】
サーバ43からホーム・コンピュータ45に対応ファームウェアが送信されると、ホーム・コンピュータ45に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42は、当該対応ファームウェアをホーム・コンピュータ45から取得するようになっている。
【0083】
このようにして対応ファームウェアを取得した携帯音楽/映像プレーヤ42は、ヘッドユニット41に再接続された際に、対応ファームウェアをヘッドユニット41に提供するようになっている。
【0084】
そして、ヘッドユニット41の車載側マイコン54は、再接続された携帯音楽/映像プレーヤ42から提供された対応ファームウェアを、車載側記憶部55によって現在記憶されているファームウェアに替わって車載側記憶部55に新たに記憶させることにより、ファームウェアを更新するようになっている。
【0085】
なお、本実施形態における車載側マイコン54は、ファームウェアの更新に関する機能を除いては、第1実施形態の車載側マイコン10と同様の機能(例えば、音楽コンテンツを再生する機能)を有している。
【0086】
さらに、本実施形態においては、携帯音楽/映像プレーヤ42が、第1実施形態とは異なる種々の機能を有している。
【0087】
すなわち、本実施形態において、携帯音楽/映像プレーヤ42に内蔵された携帯側マイコン57は、携帯音楽/映像プレーヤ42のヘッドユニット41との接続状態において、車載側マイコン54から送信された取得用ソフトウェアを受信するようになっている。
【0088】
また、携帯側マイコン57は、受信された取得用ソフトウェアを、携帯側記憶部28に記憶させるようになっている。
【0089】
さらに、携帯側マイコン57は、携帯音楽/映像プレーヤ42のホーム・コンピュータ45との接続状態において、ホーム・コンピュータ45とサーバ43との通信が確立された場合に、携帯側記憶部28に記憶された取得用ソフトウェアを読み出して実行することによって、携帯側記憶部28に記憶された機種名・バージョン情報を、ホーム・コンピュータ45を介してサーバ43に送信するようになっている。
【0090】
さらにまた、携帯側マイコン57は、取得用ソフトウェアを実行することにより、サーバ43への機種名・バージョン情報の送信に応答してサーバ43からホーム・コンピュータ45に送信された対応ファームウェアを、ホーム・コンピュータ45から取得し、取得された対応ファームウェアを、携帯側記憶部28に記憶させるようになっている。
【0091】
また、携帯側マイコン57は、携帯音楽/映像プレーヤ42のヘッドユニット41との再接続状態において、携帯側記憶部28に記憶された対応ファームウェアを読み出してヘッドユニット41に提供するようになっている。
【0092】
なお、携帯側マイコン57は、このようなファームウェアの更新に関する機能を除いては、第1実施形態の携帯側マイコン27と同様の機能(例えば、音楽コンテンツを再生する機能)を有している。
【0093】
このような構成を有することにより、本実施形態においては、ヘッドユニット41がサーバ43との独自の通信手段を有しない場合であっても、ファームウェアを更新することが可能となる。
【0094】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0095】
まず、図3のステップ11(ST11)に示すように、携帯音楽/映像プレーヤ42のヘッドユニット41との接続状態において、ヘッドユニット41は、車載側マイコン54により、当該携帯音楽/映像プレーヤ42から、機種名・バージョン情報を取得する。
【0096】
次いで、ヘッドユニット41は、ステップ12(ST12)に示すように、車載側マイコン54により、ステップ11(ST11)において取得された機種名・バージョン情報に基づいて、ヘッドユニット41に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42が対応機器であるか否かを判定する。
【0097】
この判定の結果、ヘッドユニット41に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42が対応機器でない場合には、ヘッドユニット41は、ステップ13(ST13)に示すように、車載側マイコン54により、取得用ソフトウェアを、接続ケーブル3を介して当該携帯音楽/映像プレーヤ42に送信する。この携帯音楽/映像プレーヤ42に送信された取得用ソフトウェアは、携帯音楽/映像プレーヤ42によって受信された後に、携帯側マイコン57によって携帯側記憶部28に記憶されて保有される。
【0098】
なお、ステップ12(ST12)における判定の結果、ヘッドユニット41に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42が対応機器である場合には、ファームウェアの更新は行わない。
【0099】
次いで、ステップ14(ST14)に示すように、ユーザの手動操作により、取得用ソフトウェアが保有された携帯音楽/映像プレーヤ42をヘッドユニット41から切断し、当該携帯音楽/映像プレーヤ42を、ホーム・コンピュータ45に接続する。
【0100】
次いで、ステップ15(ST15)に示すように、例えば、ユーザがホーム・コンピュータ45への入力操作によってサーバ43にアクセスすること等により、ホーム・コンピュータ45とサーバ43との通信が確立されると、携帯音楽/映像プレーヤ42は、携帯側マイコン57により、携帯側記憶部28に記憶された取得用ソフトウェアを読み出して実行する。これにより、ホーム・コンピュータ45に接続された携帯音楽/映像プレーヤ42は、携帯側マイコン57により、携帯側記憶部28に記憶された携帯音楽/映像プレーヤ42の機種名・バージョン情報を読み出し、読み出された機種名・バージョン情報を、ホーム・コンピュータ45を介してサーバ43に送信する。
【0101】
次いで、ステップ16(ST16)に示すように、ステップ15(ST15)において機種名・バージョン情報が送信されたサーバ43は、この機種名・バージョン情報に基づいて、自らが保有するファームウェアの中から、対応ファームウェアを抽出する。
【0102】
次いで、ステップ17(ST17)に示すように、サーバ43は、ステップ16(ST16)において抽出された対応ファームウェアを、ホーム・コンピュータ45に送信する。
【0103】
次いで、ステップ18(ST18)に示すように、携帯音楽/映像プレーヤ42は、携帯側マイコン57により、サーバ43からホーム・コンピュータ45に送信された対応ファームウェアをホーム・コンピュータ45から取得し、取得された対応ファームウェアを、携帯側記憶部28に記憶させる。
【0104】
次いで、ステップ19(ST19)に示すように、ユーザの手動操作により、対応ファームウェアが取得された携帯音楽/映像プレーヤ42をホーム・コンピュータ45から切断し、当該携帯音楽/映像プレーヤ42を、ヘッドユニット41に再接続する。
【0105】
次いで、ステップ20(ST20)に示すように、ヘッドユニット41に再接続された携帯音楽/映像プレーヤ42は、携帯側マイコン57により、携帯側記憶部28に記憶された対応ファームウェアを読み出し、読み出された対応ファームウェアを接続ケーブル3を介してヘッドユニット41に提供(送信)する。
【0106】
次いで、ステップ21(ST21)に示すように、ヘッドユニット41は、車載側マイコン54により、ステップ20(ST20)において携帯音楽/映像プレーヤ42から提供された対応ファームウェアを、車載側記憶部55によって現在記憶されているファームウェアに替わって、車載側記憶部55に新たに記憶(上書き)させることによって、ファームウェアを更新する。
【0107】
以上述べたように、本発明によれば、ヘッドユニット6,41に接続された携帯音楽/映像プレーヤ7,42の機種名・バージョン情報を用いて、対応ファームウェアをサーバ8,43から取得して更新することができるので、ファームウェアを簡便かつ確実に更新することができ、ひいては、携帯音楽/映像プレーヤ7,42に保有された音楽/映像コンテンツを確実に再生することができる。
【0108】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明に係る車載用コンテンツ再生装置およびこれを備えたプログラム更新システムの実施形態として、ヘッドユニットおよびファームウェア更新システムの第1実施形態を、その動作とともに示した概要図
【図2】ヘッドユニットおよびファームウェア更新システムの第1実施形態において、ヘッドユニットおよび携帯音楽/映像プレーヤの詳細な構成を示すブロック図
【図3】本発明に係る車載用コンテンツ再生装置およびこれを備えたプログラム更新システムの実施形態として、ヘッドユニットおよびファームウェア更新システムの第2実施形態を、その動作とともに示した概要図
【図4】ヘッドユニットおよびファームウェア更新システムの第2実施形態において、ヘッドユニットおよび携帯音楽/映像プレーヤの詳細な構成を示すブロック図
【図5】従来から採用されている車載用コンテンツ再生装置による携帯型コンテンツ再生装置の制御の態様を示す説明図
【符号の説明】
【0110】
5 ファームウェア更新システム
6 ヘッドユニット
7 携帯音楽/映像プレーヤ
8 サーバ
10 車載側マイコン
11 車載側記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型コンテンツ再生装置が接続可能に形成され、
携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段を有し、
接続された携帯型コンテンツ再生装置を、前記制御プログラム保持手段によって保持された前記制御プログラムを実行して制御することにより、当該携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを読み込んで再生することが可能に形成された車載用コンテンツ再生装置であって、
前記接続された携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
この識別情報取得手段によって取得された前記識別情報に基づいて、前記接続された携帯型コンテンツ再生装置が、前記制御プログラム保持手段によって現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置であるか否かを判定する判定手段と、
この判定手段による判定の結果、前記接続された携帯型コンテンツ再生装置が、前記現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置でない場合に、前記識別情報をサーバに送信する送信手段と、
この送信手段による前記識別情報の送信に応答して前記サーバから前記接続された携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムが送信された場合に、当該制御プログラムを受信する受信手段と、
この受信手段によって受信された制御プログラムを、前記現在保持されている制御プログラムに替わって前記制御プログラム保持手段に新たに保持させることにより、前記制御プログラムの更新を行う制御プログラム更新手段と
を備えたことを特徴とする車載用コンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記識別情報が、前記接続された車載用コンテンツ再生装置の機種名情報およびバージョン情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の車載用コンテンツ再生装置。
【請求項3】
携帯型コンテンツ再生装置と、
携帯型コンテンツ再生装置が接続可能に形成され、携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段を有し、接続された携帯型コンテンツ再生装置を、前記制御プログラム保持手段によって保持された前記制御プログラムを実行して制御することにより、当該携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを読み込んで再生することが可能に形成された車載用コンテンツ再生装置と、
複数種類の携帯型コンテンツ再生装置にそれぞれ対応する複数種類の制御プログラムを保有するサーバと
を備え、前記制御プログラムの更新を行うプログラム更新システムであって、
前記車載用コンテンツ再生装置が、接続された携帯型コンテンツ再生装置から当該携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を取得し、取得された前記識別情報に基づいて、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記制御プログラム保持手段によって現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置であるか否かを判定し、判定の結果、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置でない場合には、前記識別情報を前記サーバに送信するように形成され、
前記サーバが、前記車載用コンテンツ再生装置から送信された前記識別情報に基づいて、自らが保有する前記制御プログラムの中から前記接続された携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを抽出し、抽出された制御プログラムを前記車載用コンテンツ再生装置に送信するように形成され、
前記車載用コンテンツ再生装置が、前記サーバによって送信された前記制御プログラムを受信し、受信された前記制御プログラムを前記現在保持されている制御プログラムに替わって前記制御プログラム保持手段に新たに保持させることにより、前記制御プログラムの更新を行うように形成されていること
を特徴とするプログラム更新システム。
【請求項4】
携帯型コンテンツ再生装置と、
携帯型コンテンツ再生装置が接続可能に形成され、携帯型コンテンツ再生装置を制御するための制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段を有し、接続された携帯型コンテンツ再生装置を、前記制御プログラム保持手段によって保持された前記制御プログラムを実行して制御することにより、当該携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを読み込んで再生することが可能に形成された車載用コンテンツ再生装置と、
複数種類の携帯型コンテンツ再生装置にそれぞれ対応する複数種類の制御プログラムを保有するサーバと、
前記携帯型コンテンツ再生装置が接続可能に形成され、前記サーバとの間で通信が可能に形成されたホーム・コンピュータと
を備え、前記制御プログラムの更新を行う制御プログラム更新システムであって、
前記車載用コンテンツ再生装置が、接続された携帯型コンテンツ再生装置から当該携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を取得し、取得された前記識別情報に基づいて、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記制御プログラム保持手段によって現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置であるか否かを判定し、判定の結果、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記現在保持されている制御プログラムに対応する携帯型コンテンツ再生装置でない場合には、当該携帯型コンテンツ再生装置に対して、当該携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを前記サーバから取得するためのプログラムである取得用プログラムを送信するように形成され、
前記取得用プログラムを送信された携帯型コンテンツ再生装置が、前記車載用コンテンツ再生装置から切断された後に前記ホーム・コンピュータに接続された場合に、前記取得用プログラムを実行して当該携帯型コンテンツ再生装置の識別情報を前記ホーム・コンピュータを介して前記サーバに送信するように形成され、
前記サーバが、前記ホーム・コンピュータを介して送信された前記識別情報に基づいて、自らが保有する前記制御プログラムの中から前記ホーム・コンピュータに接続された携帯型コンテンツ再生装置に対応する制御プログラムを抽出し、抽出された制御プログラムを前記ホーム・コンピュータに送信するように形成され、
前記ホーム・コンピュータに接続された前記携帯型コンテンツ再生装置が、前記サーバから前記ホーム・コンピュータに送信された前記制御プログラムを、前記ホーム・コンピュータから取得し、その後、当該携帯型コンテンツ再生装置が前記車載用コンテンツ再生装置に再接続された際に、当該制御プログラムを前記車載用コンテンツ再生装置に提供するように形成され、
前記車載用コンテンツ再生装置が、再接続された前記携帯型コンテンツ再生装置から提供された前記制御プログラムを、前記現在保持されている制御プログラムに替わって前記制御プログラム保持手段に新たに保持させることにより、前記制御プログラムの更新を行うように形成されていること
を特徴とするプログラム更新システム。
【請求項5】
前記識別情報が、前記接続された車載用コンテンツ再生装置の機種名情報およびバージョン情報を含むこと
を特徴とする請求項3または請求項4に記載のプログラム更新システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−3826(P2008−3826A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172235(P2006−172235)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】